JP2010150999A - 羽根車 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジャイロミル型の羽根車において、風力・水力といった流体の流れの力と回転力との変換効率の向上を図ること。
【解決手段】羽根車は、回転軸と、この回転軸に連結され当該回転軸を中心とする円周上に当該回転軸の軸方向と平行に翼長方向が位置して配置された回転翼と、を備え、上記回転翼は、上記回転軸に連結され当該回転軸の円周上に設けられた上記回転翼の翼長方向に沿って延びる回転翼軸を中心に回転可能なよう軸支されており、上記回転翼に対して所定の距離だけ離れて当該回転翼と一体的に連結され、上記回転軸の回転速度及び/又は周囲の流体の流速に応じて、上記回転翼に対して上記回転翼軸を中心とした回転力を付勢する回転力付勢手段を備えた。
【選択図】図1
【解決手段】羽根車は、回転軸と、この回転軸に連結され当該回転軸を中心とする円周上に当該回転軸の軸方向と平行に翼長方向が位置して配置された回転翼と、を備え、上記回転翼は、上記回転軸に連結され当該回転軸の円周上に設けられた上記回転翼の翼長方向に沿って延びる回転翼軸を中心に回転可能なよう軸支されており、上記回転翼に対して所定の距離だけ離れて当該回転翼と一体的に連結され、上記回転軸の回転速度及び/又は周囲の流体の流速に応じて、上記回転翼に対して上記回転翼軸を中心とした回転力を付勢する回転力付勢手段を備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、羽根車にかかり、特に、ジャイロミル型の羽根車に関する。
風力や水力によって回転する羽根車は、例えば、風力を電気に変換する風力発電機に用いられる。そして、風力発電機に用いられる羽根車の一例として、地面に垂直に立設された支柱と、この支柱の上端部分に設けられた地面(水平方向)に対して平行な回転軸である平行回転軸と、この回転軸から軸方向に延びるブレードと、を備えた、プロペラ型の羽根車がある。また、別の例として、特許文献1,2に示すような、地面に対して垂直な回転軸である垂直回転軸と、この回転軸の周囲に設けられ当該回転軸と平行に翼長を有する回転翼と、を備えたジャイロミル型の羽根車がある。
そして、上記ジャイロミル型の羽根車は、回転翼に風が当たると、風の下流方向には抗力が発生し、垂直方向には揚力が発生する。このとき、抗力と揚力の関係やそれぞれの大きさは、回転翼の形状、当該回転翼に当たる風の仰角などによって決定される。そして、揚力と抗力とは、それぞれ回転軸を回転させることができ、発電機としても利用することが可能であるが、揚力を利用する方が発電効率の面で有利である。
ところが、上述したジャイロミル型の羽根車の場合には、回転軸の回転速度や風速の変化によって、回転翼に当たる相対的な風の方向が動的に変化しうる。これに伴い、最大揚力を発生するために理想的な仰角も時々刻々と変化しうる。このため、ジャイロミル型の羽根車において、回転翼の位置、速度、風向きの変化に、回転翼の仰角を適切に対応させる必要がある。
ここで、特許文献1,2に、ジャイロミル型の羽根車おいて、回転翼の角度を可変とした構成のものが開示されている。具体的に、特許文献1では、回転翼が回転可能に軸支されており、特に、強風時に回転翼が風向きに対して平行となるよう構成されている。また、特許文献2では、上記同様に、回転翼がアーム部材にて回転可能に軸支されていると共に、さらに、回転翼の向きを変えるためのガバナアームが連結されている。そして、このガバナアームを作動円盤に連結し、当該作動円盤の回転を羽根車の回転速度(遠心力)に応じて制御する構成を採っている。これにより、風速や風向きに対して適宜回転翼の角度が変更される。
しかしながら、上述した特許文献に開示の技術は、特定の回転位置において、回転翼の角度を可変とし、また、強風時における回転翼の角度を固定する、という構成を採っているため、各回転位置により回転翼を適切な角度に可変することができない。従って、羽根車における風力・水力といった流体の流れの力と回転力との変換効率のさらなる向上を図ることができない、という問題があった。
このため、本発明の目的は、上述した課題である、ジャイロミル型の羽根車において、風力・水力といった流体の流れの力と回転力との変換効率の向上を図ること、ことにある。
かかる目的を達成するため本発明の一形態である羽根車は、
回転軸と、この回転軸に連結され当該回転軸を中心とする円周上に当該回転軸の軸方向と平行に翼長方向が位置して配置された回転翼と、を備え、
上記回転翼は、上記回転軸に連結され当該回転軸の円周上に設けられた上記回転翼の翼長方向に沿って延びる回転翼軸を中心に回転可能なよう軸支されており、
上記回転翼に対して所定の距離だけ離れて当該回転翼と一体的に連結され、上記回転軸の回転速度及び/又は周囲の流体の流速に応じて、上記回転翼に対して上記回転翼軸を中心とした回転力を付勢する回転力付勢手段を備えた、という構成を採る。
回転軸と、この回転軸に連結され当該回転軸を中心とする円周上に当該回転軸の軸方向と平行に翼長方向が位置して配置された回転翼と、を備え、
上記回転翼は、上記回転軸に連結され当該回転軸の円周上に設けられた上記回転翼の翼長方向に沿って延びる回転翼軸を中心に回転可能なよう軸支されており、
上記回転翼に対して所定の距離だけ離れて当該回転翼と一体的に連結され、上記回転軸の回転速度及び/又は周囲の流体の流速に応じて、上記回転翼に対して上記回転翼軸を中心とした回転力を付勢する回転力付勢手段を備えた、という構成を採る。
本発明は、以上のように構成されることにより、流体の流れの向きと回転翼の回転位置に応じて、回転翼の仰角が適切となるよう当該回転翼の向きが自動的に設定される。その結果、流体の流れの力と回転力との変換効率の向上を図ることができる。
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図2を参照して説明する。図1は、本発明である羽根車を発電装置として利用する場合の構成及び動作の概略を説明する図である。また、図2は、本発明である羽根車を推進装置として利用する場合の構成及び動作の概略を説明する図である。なお、本実施形態では、羽根車の構成及び動作の概略を説明する。
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図2を参照して説明する。図1は、本発明である羽根車を発電装置として利用する場合の構成及び動作の概略を説明する図である。また、図2は、本発明である羽根車を推進装置として利用する場合の構成及び動作の概略を説明する図である。なお、本実施形態では、羽根車の構成及び動作の概略を説明する。
図1に示すように、本実施形態における羽根車は、回転軸1と、この回転軸1に連結され当該回転軸1を中心とする円周2上に当該回転軸の軸方向と平行に翼長方向が位置して配置された回転翼3と、を備えている。なお、本実施形態では、回転翼3を矢印にて示しており、矢印方向に前縁が向いて配置されていることとする。
そして、上記回転翼3は、上記回転軸1に連結され当該回転軸1の円周2上に設けられた上記回転翼3の翼長方向に沿って延びる回転翼軸4を中心に回転可能なよう軸支されている。さらに、上記回転翼3に対して所定の距離だけ離れて当該回転翼3と一体的に連結され、上記回転軸1の回転速度及び/又は周囲の流体の流速に応じて、上記回転翼3に対して上記回転翼軸4を中心とした回転力を付勢する回転力付勢手段(図示せず)を備えた、という構成を採る。
また、上記羽根車では、上記回転力付勢手段は、上記回転翼に対する相対的な上記周囲の流体の流れを受けて、当該周囲の流体の流れの向き及び流速に応じた揚力を発生し、当該揚力にて上記回転翼に対して回転力を付勢する、という構成を採る。
また、上記羽根車では、上記回転力付勢手段は、上記回転翼軸から離間して設けられ、当該回転翼の翼弦方向とほぼ平行な翼弦の補助翼を有する、という構成を採る。
また、上記羽根車では、上記回転力付勢手段は、上記回転軸の回転によって当該回転軸の回転速度に応じた遠心力を発生し、当該遠心力にて上記回転翼に対して回転力を付勢する、という構成を採る。
また、上記羽根車では、上記回転翼付勢手段は、上記回転翼軸から離間して設けられた所定の質量を有する重り部材を有する、という構成を採る。
上記構成の羽根車によると、まず、図1に示すように、羽根車3の周囲に風などの流体Aが流れると、当該流体Aが回転軸1の周囲に複数設けられた回転翼3に対して前縁側からに入射し、いずれかの回転翼3、例えば、図1に示す例では、流体の流れの上流側と下流側に位置する回転翼3に揚力F1が発生する。そして、この揚力F1にて、回転軸1を中心として矢印R1に示すように、羽根車が回転する。
そして、周囲に回転翼3が配置された回転軸1の回転速度や周囲の流体Aの流速が変化すると、これに応じて、回転翼3の前縁に対して入射する周囲の流体の相対的な向きが変化する。このとき、例えば補助翼や重り部材である回転力付勢手段は、流体Aの向き及び流速に応じた揚力や、回転軸1の回転速度に応じた遠心力を発生させ、このような揚力や遠心力にて、回転翼3を回転翼軸4を中心として回転させる回転力F3を付勢する。すると、回転翼3は、符号R2に示す方向に回転する。なお、図1の例では、回転翼3に生じた抗力などによって付勢される回転力F2も図示しているが、符号F3に示す回転力付勢手段によって発生された回転力F3の方が大きいこととする。
これにより、回転翼3の前縁が周囲の流体の相対的な流れの向きに対して適切な仰角を保つように当該回転翼3が回転し、当該回転翼3に効率よく揚力が生じる。つまり、回転翼3に対する相対的な流体の流れの向きの変化に応じて、当該回転翼3に効率よく揚力が発生するよう、当該回転翼3の向きを自動的に適切に設定することができる。その結果、流体の流れの力と回転力との変換効率の向上を図ることができる。そして、回転軸1に発電手段を設けることで、高効率な発電装置として利用することができる。
なお、上記構成では、回転軸1に駆動手段を設け、当該回転軸1を回転させることで、羽根車自体をシュナイダープロペラのような推進装置として利用することもできる。つまり、まず、図2に示すように、回転軸1を駆動手段にて矢印R1に示すように回転させると、その周囲に複数設けられた回転翼3が回転軸1を中心として回転する。そして、回転翼3を回転翼軸4を中心として回転させる回転力を付勢して所定の向きに回転させることで、流体が相対的に回転翼の前縁に入射し、当該回転翼に揚力F1が生じる。この揚力F1により、羽根車に所定の方向の推進力が生じる。なお、ここでは、図2の符号Bに示すよう方向に推進力が発生したとする。
そして、回転軸1が回転し、かつ、羽根車自体が所定の方向に移動すると、回転翼の前縁に対して入射する周囲の流体の相対的な向きがさらに変化する。このとき、例えば補助翼や重り部材である回転力付勢手段は、上述同様に、流体の向き及び流速に応じた揚力や、回転軸の回転速度に応じた遠心力を発生させ、このような揚力や遠心力にて、回転翼3を回転翼軸4を中心として回転させる回転力F3を付勢し、回転翼3が回転翼軸4を中心として符号R2方向に回転する。なお、図2の例では、回転翼3に生じた抗力などによって付勢される回転力F2も図示しているが、符号F3に示す回転力付勢手段によって発生された回転力F3の方が大きいこととする。
これにより、矢印R1の動きに対しても回転翼3の前縁が周囲の流体の流れ向きに対向して向くよう回転し、当該回転翼3に効率よく揚力が生じる。従って、効率よく推進力を発生させるよう、回転翼3の向きつまり仰角を自動的に適切に設定することができる。その結果、流体の流れの力と回転力との変換効率の向上を図ることができ、高効率な推進装置を実現できる。
<実施形態2>
本発明の第2の実施形態を、図3乃至図7を参照して説明する。図3乃至図4は、羽根車の構成の概略の一部を示す図である。図5乃至図7は、羽根車の動作の様子を示す図である。
本発明の第2の実施形態を、図3乃至図7を参照して説明する。図3乃至図4は、羽根車の構成の概略の一部を示す図である。図5乃至図7は、羽根車の動作の様子を示す図である。
なお、本実施形態は、上述した実施形態1にて開示した羽根車の具体的な一例を示すものである。特に、本実施形態では、羽根車を発電装置として利用する場合の一部の構成を示している。
[構成]
本実施形態における羽根車は、図3(A),(B)に示すように、回転軸11と、この回転軸11に連結され当該回転軸11を中心とする円周12上に当該回転軸11の軸方向と平行に翼長が位置して配置された回転翼13と、を備えている。そして、上記回転翼13は、上記回転軸11に連結され当該回転軸11の円周12上に設けられた上記回転翼13の翼長方向に沿って延びる回転翼軸14を中心に回転可能なよう軸支されている。さらに、上記回転翼13から離間して当該回転翼13の前縁側であり当該回転翼13の翼弦方向の延長上に、当該翼弦方向に沿って翼弦が位置する補助翼16を、上記回転翼13と一体的に連結して備えている。以下、さらに詳述する。
本実施形態における羽根車は、図3(A),(B)に示すように、回転軸11と、この回転軸11に連結され当該回転軸11を中心とする円周12上に当該回転軸11の軸方向と平行に翼長が位置して配置された回転翼13と、を備えている。そして、上記回転翼13は、上記回転軸11に連結され当該回転軸11の円周12上に設けられた上記回転翼13の翼長方向に沿って延びる回転翼軸14を中心に回転可能なよう軸支されている。さらに、上記回転翼13から離間して当該回転翼13の前縁側であり当該回転翼13の翼弦方向の延長上に、当該翼弦方向に沿って翼弦が位置する補助翼16を、上記回転翼13と一体的に連結して備えている。以下、さらに詳述する。
まず、上記回転軸11は、図3(A),(B)に示すように、水平方向に対して垂直な方向に沿って軸方向が位置するよう備えられている。そして、この回転軸11には、下端付近に当該回転軸11の回転力を電力に変換する発電機20(発電手段)を備えている。これにより、本実施形態における羽根車を発電装置として利用することが可能である。
そして、上記回転軸11の上下端付近には、相互に所定の間隔をあけて水平面を形成する一対の円形の支持部材11a,11bが固定されている。これら支持部材11a,11bの外周付近、つまり、回転軸11の周囲に、当該回転軸11の軸方向と平行に延び、支持部材11a,11bを連結する上記回転翼軸14が設けられている。
また、上記回転翼軸14の上下端付近には、相互に所定の間隔をあけて水平方向にほぼ直線状に延びる一対の第二支持部材15が、回転翼軸14に対して回転自在に軸支されて設けられている。そして、これら第二支持部材15の間には、当該第二支持部材15に沿って翼弦が位置するよう、上述した回転翼13と、この回転翼13から所定の距離を開けて当該回転翼13の前縁側に位置する補助翼16と、を備えている。これにより、同一直線状に位置する回転翼13と補助翼16とは、相互の位置関係を維持したまま、回転翼軸14を中心に回転可能となっている。なお、補助翼16は、上記回転翼13よりも形状が小さく形成されており、具体的には、補助翼16の翼弦は、回転翼13の翼弦よりも短く形成されている。
また、図4に示すように、上記支持部材11a,11bに設けられた回転翼軸14の周囲には、回転翼13を挟むよう相互に所定の角度Y1を成して支持部材11a,11bから突出する一対のストッパー31(回転規制手段)が設けられている。このストッパー31は、例えば、図4に示すように、回転翼13が回転軸11の円周12上の接線方向に沿って翼弦が位置するような状態から、当該接線に対して回転翼軸14を中心として左右にそれぞれ所定の角度まで回転すると当接するよう配置されている。これにより、回転翼13の回転翼軸14を中心とした回転は、予め設定された角度以上回転することが規制されている。
そして、上述した回転翼13及び補助翼16を備えた回転翼ユニット17は、図示しないが、回転軸11の回転円周上、つまり、支持部材11a,11bの外周付近に、等間隔に複数備えられている。
なお、羽根車の構成は、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、上記では、第二支持部材15が回転翼軸14に対して回転自在となっていることとして説明したが、第二支持部材15は回転翼軸14に固定されていて、当該回転翼軸14が支持部材11a,11bに回転自在に軸支されていてもよい。
[動作]
次に、上記構成の羽根車の動作を、図5乃至図7を参照して説明する。はじめに、図5及び図6を参照して、羽根車の周囲に流体の一例である風が符号Aに示す方向に吹いており、羽根車が回転し始めたときの様子を説明する。
次に、上記構成の羽根車の動作を、図5乃至図7を参照して説明する。はじめに、図5及び図6を参照して、羽根車の周囲に流体の一例である風が符号Aに示す方向に吹いており、羽根車が回転し始めたときの様子を説明する。
まず、初期状態では、羽根車の各回転翼13は、ストッパー31内(角度Y1の範囲内)のいずれかの位置にある。なお、図5は、その一例であり、例えば、各回転翼13は、回転円周12の接線とほぼ平行な状態にある。その後、図6に示すうように、風Aが吹くと、上流側(図6で上側)に位置する回転翼13には、風Aの抗力によって、回転翼軸14にて軸支された前縁側とは反対側の後縁側が下流側に押され、図6に示すように、回転する。つまり、回転翼13及び補助翼16は、回転軸11を中心とした回転円周12の接線に対して、垂直方向に翼弦が向くよう回転する。なお、羽根車の下流側に位置する回転翼13も同様である。
すると、回転翼13は、図6に示すように、ストッパー31によって回転が係止され、回転翼13と補助翼16の前縁側が、風が吹いてくる方向に向くこととなり、当該回転翼13と補助翼16の前縁に、風Aが入射するようになる。これにより、回転翼13には、図6の符号F1に示すように揚力が生じ、羽根車は、回転軸11を中心として矢印R1方向に回転することとなる。このとき、特に、回転翼13の前縁側に対して入射する相対的な風Aの向きは、符号A1のよう傾いた状態となる。すると、風は回転翼13の前縁に対向して入射することとなり、当該回転翼13に対して適切な仰角となって、回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。従って、小さな流速でも、回転軸11を中心とした回転が開始される。
そして、上記の場合には、補助翼16に対しても適切な仰角となり、当該補助翼16に効率よく揚力が生じることとなり、補助翼16には符号R2に示す回転力が生じる。すると、風Aにより回転翼13にかかる抗力と、補助翼16に発生する回転力R2とが釣り合うことで、回転始動時には、例えば、図6に示すように、回転軸11を中心とした回転円周12の接線に対する垂直方向と、翼弦方向との角度が小さくなるよう、回転翼13の角度が適切な仰角となるよう維持される。
なお、下流側でも、上述同様に作動する。つまり、初期状態では、羽根車は図5に示す状態であるが、風Aが吹くと、回転翼13には、風Aの抗力によって、回転翼軸14にて軸支された前縁側とは反対側の後縁側が下流側に押され、図6に示すように回転する。すると、回転翼13は、ストッパー31によって回転が係止され、回転翼13と補助翼16の前縁側が、風が吹いてくる方向に向くこととなり、当該回転翼13と補助翼16の前縁に、風Aが入射するようになる。これにより、回転翼13には、図6の符号F1に示すように揚力が生じ、羽根車は、回転軸11を中心として矢印R1方向に回転することとなる。このとき、特に、回転翼13の前縁側に対して入射する相対的な風Aの向きは、符号A2のよう傾いた状態となる。すると、風は回転翼13の前縁に対向して入射することとなり、当該回転翼13に対して適切な仰角となり、回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。従って、小さな流速でも、回転軸11を中心とした回転が開始される。
続いて、図7を参照して、羽根車の回転速度が増加したときの様子を説明する。上述した図6に示すように、補助翼16に適切な仰角で風Aが入射すると、補助翼16にさらに大きな回転力R2が生じ、図7に示すように、回転翼13は回転翼軸14を中心に、その翼弦方向と回転円周の接線方向との角度が小さくなるよう回転する。
そして、図7の場合には、回転軸11を中心とした羽根車の回転速度は、上述した図6の場合よりも速くなっているため、当該羽根車に対する相対的な風Aの向きは、図7の符号A1に示すように、回転軸11の回転円周の接線方向に対する垂直方向から、接線方向側にさらに傾いた状態となる。すると、回転翼13と補助翼16の前縁側が、風Aが吹いてくる方向に向くこととなり、回転翼13と補助翼16の前縁に、風Aが入射するようになる。このとき、特に、風Aにより回転翼13にかかる抗力と、補助翼16に発生する回転力R2とが釣り合うことで、図7に示すように、相対的な風の向きA1に対して、回転翼13及び補助翼の角度が適切な仰角となるよう維持される。従って、回転翼13は風に対して適切な仰角となり、回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。なお、下流側でも、図7において左右が逆となるが、同様である。
以上により、上述した構成の羽根車を用いることで、流体の力と回転力との変換効率の向上を図ることができ、高効率な発電装置を実現することができる。
<実施形態3>
次に、本発明の第3の実施形態を、図8乃至図9を参照して説明する。図8乃至図9は、本実施形態における羽根車の構成の概略及び動作の様子を示す図である。なお、本実施形態は、上述した実施形態1にて開示した羽根車の具体的な一例を示すものである。特に、本実施形態では、羽根車を発電装置として利用する場合の構成を示している。
次に、本発明の第3の実施形態を、図8乃至図9を参照して説明する。図8乃至図9は、本実施形態における羽根車の構成の概略及び動作の様子を示す図である。なお、本実施形態は、上述した実施形態1にて開示した羽根車の具体的な一例を示すものである。特に、本実施形態では、羽根車を発電装置として利用する場合の構成を示している。
[構成]
本実施形態における羽根車は、図8に示すように、回転軸11と、この回転軸11に連結され当該回転軸11を中心とする円周12上に当該回転軸11の軸方向と平行に翼長が位置して配置された回転翼13と、を備えている。そして、上記回転翼13は、上記回転軸11に連結され当該回転軸11の円周12上に設けられた上記回転翼13の翼長方向に沿って延びる回転翼軸14を中心に回転可能なよう軸支されている。さらに、上記回転翼13から離間して当該回転翼13と一体的に連結し、当該回転翼13が位置する上記回転軸13の円周の外側に位置する所定の質量を有する重り部材42を備えている。以下、さらに詳述する。
本実施形態における羽根車は、図8に示すように、回転軸11と、この回転軸11に連結され当該回転軸11を中心とする円周12上に当該回転軸11の軸方向と平行に翼長が位置して配置された回転翼13と、を備えている。そして、上記回転翼13は、上記回転軸11に連結され当該回転軸11の円周12上に設けられた上記回転翼13の翼長方向に沿って延びる回転翼軸14を中心に回転可能なよう軸支されている。さらに、上記回転翼13から離間して当該回転翼13と一体的に連結し、当該回転翼13が位置する上記回転軸13の円周の外側に位置する所定の質量を有する重り部材42を備えている。以下、さらに詳述する。
まず、上記回転軸11及び回転翼13は、上述した実施形態2で説明した羽根車と同様の構成を採っている。つまり、図3に示す構成と同様に、回転軸11は、下端に発電機20を備えており、また、当該回転軸11の上下端付近には、円形の支持部材11a,11bが固定されている。そして、これら支持部材11a,11bの外周付近、つまり、回転軸11の周囲に、前縁側にて回転翼軸14を中心に回転可能に軸支された回転翼13を備えている。
また、重り部材42は、図8に示すように、一端が回転翼13と一体的に連結された所定の長さの連結部材41の他端に設けられている。これにより、重り部材42は、回転翼13が回転翼軸14を中心に回転すると、これに伴い回転することとなる。
そして、本実施形態では、特に、回転翼13の翼弦方向とほぼ垂直方向に重り部材42が位置するよう設けられている。具体的には、図8に示すように、回転翼13の翼弦と回転軸11を中心とする回転円周12の接線方向とがほぼ平行な状態(図7の左右に位置する状態)において、重り部材42は、回転軸11を中心とする回転円周12よりも外側に位置するよう設けられている。
なお、実施形態2で説明したように、本実施形態においても、上記一対のストッパー31(回転規制手段)が設けられている。これにより、回転翼13の回転翼軸14を中心とした回転は、予め設定された角度以上回転することが規制されている。
そして、上述した回転翼13及び重り部材42を備えた回転翼ユニット17は、図示しないが、回転軸11の回転円周12上に、等間隔に複数備えられている。なお、羽根車の構成は、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、重り部材42は、必ずしも回転翼13の翼弦に対して垂直方向に設けられていることに限定されない。
[動作]
次に、上記構成の羽根車の動作を、図8乃至図9を参照して説明する。はじめに、図8を参照して、羽根車の周囲に流体の一例である風が符号Aに示す方向に吹いており、羽根車が回転し始めたときの様子を説明する。
次に、上記構成の羽根車の動作を、図8乃至図9を参照して説明する。はじめに、図8を参照して、羽根車の周囲に流体の一例である風が符号Aに示す方向に吹いており、羽根車が回転し始めたときの様子を説明する。
まず、風Aが吹くと、上流側(図8で上側)に位置する回転翼13には、風Aの抗力によって、回転翼軸14にて軸支された前縁側とは反対側の後縁側が下流側に押され、図8のように回転翼軸14を中心として回転する。つまり、回転翼13は、回転軸11を中心とした回転円周12の接線に対する垂直方向と翼弦方向との角度が小さくなる回転する。なお、羽根車の下流側に位置する回転翼13も同様である。
すると、回転翼13は、図8に示すように、ストッパー31によって回転が係止され、回転翼13の前縁側が、風Aが吹いてくる方向に向くこととなり、当該回転翼13の前縁に風Aが入射するようになる。これにより、回転翼13には、図8の符号F1に示すように揚力が生じ、羽根車は回転軸11を中心として、矢印R1方向に回転することとなる。このとき、特に、回転翼13の前縁側に対して入射する相対的な風Aの向きは、符号A1のよう傾いた状態となる。すると、風は回転翼13の前縁に対向して入射することとなり、当該回転翼13に対して適切な仰角となり、回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。従って、小さな流速でも、回転軸11を中心とした回転が開始される。
そして、上述したように羽根車が回転軸11を中心として回転すると、重り部材42には、回転軸11を中心とした遠心力F4が生じる。すると、この遠心力F4により、回転翼13には符号R2に示す方向の回転力が生じる。そして、風Aにより回転翼13にかかる抗力と回転力R2とが釣り合った状態となる。
また、上記の位置から時計回りに90度回転した位置における回転翼13は、風Aの抗力によって図8の右側に示すように、ストッパー31に当接するまで回転する。このとき、回転翼13は、風Aの抗力を受けることで、回転軸11を中心とした回転力が付勢される。
なお、下流側では、上流側とは回転方向が逆方向となるため、下流側の回転翼13に対する相対的な風Aの向きは、図8の符号A2のようになる。そして、回転翼13の回転方向も、上流側とは逆となる。このため、下流側の回転翼においても、風が回転翼13の前縁に対向して入射することとなり、当該回転翼13が適切な仰角となり、回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。
続いて、図9を参照して、羽根車の回転速度が増加したときの様子を説明する。羽根車の回転速度が増加すると、重り部材14にかかる遠心力F4が大きくなる。すると、回転翼13にさらに大きな回転力R2が生じ、回転翼13は、回転翼軸14を中心に矢印R2方向にさらに回転する。具体的には、図9に示すように、回転翼13の翼弦方向と回転円周12の接線方向との角度が小さくなるよう回転する。そして、風Aにより回転翼13にかかる抗力と回転力R2とが釣り合った状態となる。
このとき、図9の場合には、回転軸11を中心とした羽根車の回転速度が上述した図8の場合よりも速くなっているため、当該羽根車に対する相対的な風Aの向きは、図9の符号A1に示すように、回転軸11の回転円周12の接線方向に対する垂直方向から、接線方向にさらに傾いた状態となる。すると、回転翼13の前縁側が、風Aが吹いてくる方向に向くこととなり、回転翼13の前縁に風Aが入射するようになる。従って、回転翼13は風に対して適切な仰角となり、回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。なお、下流側でも、図9において左右が逆となるが、同様である。
以上により、上述した構成の羽根車を用いることで、流体の力と回転力との変換効率の向上を図ることができ、高効率な発電装置を実現することができる。
なお、上記では、回転翼13の翼弦方向とほぼ垂直方向に重り部材42が位置するよう、当該重り部材42を設けた場合を例示したが、垂直方向以外の方向に重り部材42を設けてもよい。このようにすることで、回転翼13の過回転を抑制でき、羽根車自体の最高回転速度を抑制することができ、作動状態の安定化を図ることができる。
<実施形態4>
次に、本発明の第4の実施形態を、図10乃至図12を参照して説明する。図10は、羽根車の構成の概略を示す図である。図11乃至図12は、羽根車の動作の様子を示す図である。
次に、本発明の第4の実施形態を、図10乃至図12を参照して説明する。図10は、羽根車の構成の概略を示す図である。図11乃至図12は、羽根車の動作の様子を示す図である。
なお、本実施形態は、上述した実施形態1にて開示した羽根車の具体的な一例を示すものである。特に、本実施形態では、羽根車を発電装置として利用する場合の構成を示している。
[構成]
本実施形態における羽根車は、上述した実施形態2,3で説明した羽根車の構成を組み合わせた構成を採っている。つまり、回転軸11と、回転翼13と、補助翼16と、重り部材51と、を備えている。以下、各構成について具体的に説明する。
本実施形態における羽根車は、上述した実施形態2,3で説明した羽根車の構成を組み合わせた構成を採っている。つまり、回転軸11と、回転翼13と、補助翼16と、重り部材51と、を備えている。以下、各構成について具体的に説明する。
図10(A),(B)に示すように、上記回転軸11は、下端付近に発電機20を備えているこれにより、本実施形態における羽根車を発電装置として利用することが可能である。
そして、上記回転軸11の上下端付近には、相互に所定の間隔をあけて水平面を形成する円形の支持部材11a,11bが固定されている。これら支持部材11a,11bの外周付近、つまり、回転軸11の周囲に、当該回転軸11の軸方向に沿って鉛直方向に延び、支持部材11a,11bを連結する回転翼軸14が設けられている。
また、上記回転翼軸14の上下端付近には、相互に所定の間隔をあけて水平面を形成する一対の円形の第二支持板18が固定されている。そして、一対の第二支持板18は、その中心にて、回転翼軸14を中心として回転自在に軸支されて設けられている。また、第二支持板18の間には、当該第二支持板18に対して垂直方向に、つまり回転軸11に沿って、翼長が位置する回転翼13と、この回転翼13から所定の距離を開けて当該回転翼13の前縁側に位置する補助翼16と、が固定されている。なお、補助翼16は、上記回転翼13よりも形状が小さく形成されており、具体的には、補助翼16の翼弦は、回転翼13の翼弦よりも短く形成されている。
ここで、回転翼13は、円形の第二支持板18の中心つまり回転翼軸14が、当該回転翼13の前縁付近に位置するよう配置されている。そして、回転翼13と補助翼16とは、その翼弦方向が同一直線状に位置し、上記第二支持板18と一体的に構成され、回転翼ユニット17を形成している。従って、回転翼ユニット17が回転翼軸14を中心として回転することで、回転翼13は前縁付近を中心に回転することとなる。
なお、実施形態2で説明したように、本実施形態においても上述した一対のストッパー31(回転規制手段)が設けられている(図10には図示せず、図11参照)。これにより、回転翼13の回転翼軸14を中心とした回転は、予め設定された角度以上回転することが規制されている。
そして、本実施形態では、さらに、上記第二支持板18のいずれか一方に、図10及び図11に示すように、上記回転翼13から離間して、当該回転翼13が位置する上記回転軸11の回転円周12の外側に位置するよう、所定の質量を有する重り部材51を内蔵している。具体的には、上記第二支持板18の外周付近であり、回転翼13の翼弦方向とほぼ垂直方向に重り部材51が位置するよう配置される。つまり、図11に示すように、回転翼13の翼弦方向と回転軸11を中心とする回転円周12の接線方向とがほぼ平行な状態(図11の左右に位置する状態)において、重り部材51は回転軸11を中心とする回転円周よりも外側に位置するよう配置される。そして、重り部材51は、第二支持板18に内蔵されていることから、回転翼13と一体的に連結した状態となっている。これにより、重り部材51は、回転翼13が回転翼軸14を中心に回転すると、これに伴い回転することとなる。
なお、上述したように、第二支持板18、回転翼13、補助翼16、重り部材51を備えた回転翼ユニット17は、回転軸11の回転円周上に、等間隔に複数備えられている。なお、羽根車の構成は、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、重り部材51は、必ずしも回転翼13の翼弦に対して垂直方向に設けられていることに限定されない。
[動作]
次に、上記構成の羽根車の動作を、図11乃至図12を参照して説明する。はじめに、図11を参照して、羽根車の周囲に流体の一例である風が符号Aに示す方向に吹いており、羽根車が回転し始めたときの様子を説明する。
次に、上記構成の羽根車の動作を、図11乃至図12を参照して説明する。はじめに、図11を参照して、羽根車の周囲に流体の一例である風が符号Aに示す方向に吹いており、羽根車が回転し始めたときの様子を説明する。
まず、風Aが吹くと、上流側(図11で上側)に位置する回転翼13には、風Aの抗力によって、回転翼軸14にて軸支された前縁側とは反対側の後縁側が下流側に押され、図11のように回転する。つまり、回転翼13及び補助翼16は、回転軸11を中心とした回転円周12の接線に対する垂直方向と翼弦方向との角度が小さくなるよう回転する。なお、羽根車の下流側に位置する回転翼13も同様である。
すると、回転翼13は、図11に示すように、ストッパー31によって回転が係止され、回転翼13と補助翼16の前縁側が、風が吹いてくる方向に向くこととなり、回転翼13と補助翼16の前縁に、風Aが入射するようになる。これにより、回転翼13には、図11の符号F1に示すように揚力が生じ、羽根車は回転軸11を中心として、矢印R1方向に回転することとなる。このとき、特に、回転翼13の前縁側に対して入射する相対的な風Aの向きは、符号A1のよう傾いた状態となる。すると、風は回転翼13の前縁に対向して入射することとなり、当該回転翼13に対して適切な仰角となり、回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。従って、小さな流速でも、回転軸11を中心とした回転が開始される。
そして、上記の場合には、補助翼16に対して適切な仰角となり、当該補助翼16には符号F3に示す揚力が生じる。同時に、羽根車が回転軸11を中心として回転することにより、重り部材51には回転軸11を中心とした遠心力F4が生じる。すると、この遠心力F4と上述した補助翼16による揚力F3とによって、回転翼13には符号R2に示す方向の回転力が生じる。また、上記の位置から90度回転した位置における回転翼13は、最初は風Aによる抗力によって、ストッパー31に当接するまで回転する。このとき、回転翼13は、風Aの抗力を受けることで、回転軸11を中心とした回転力が付勢される。
なお、下流側では、上流側とは回転方向が逆方向となるため、下流側の回転翼13に対する相対的な風Aの向きは、符号A2のようになる。そして、回転翼13及び補助翼16の回転方向も、上流側とは逆となる。このため、下流側の回転翼においても、風が回転翼13の前縁に対向して入射することとなり、当該回転翼13に対して適切な仰角となり、回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。
続いて、図12を参照して、羽根車の回転速度が増加したときの様子を説明する。上述した図11に示すように、補助翼16に適切な仰角で風A1が入射すると、補助翼16に大きな揚力F3が生じると共に、重り部材51には大きな遠心力F4が生じる。すると、回転翼13にはより大きな回転力R2が生じ、図12に示すように、回転翼13は回転翼軸14を中心に回転し、その翼弦方向と回転円周12の接線方向との角度が小さくなるよう設定される。
そして、図12の場合には、回転軸11を中心とした羽根車の回転速度は、上述した図11の場合よりも速くなっているため、当該羽根車に対する相対的な風Aの向きは、図12の符号A1に示すように、回転軸11の回転円周12の接線方向に対する垂直方向から、接線方向側にさらに傾いた状態となる。すると、回転翼13と補助翼16の前縁側が風Aが吹いてくる方向に向くこととなり、回転翼13と補助翼16の前縁に、風Aが入射するようになる。従って、回転翼13は風に対して適切な仰角となり、回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。なお、下流側でも、図12において左右が逆となるが、同様である。
以上により、上述した構成の羽根車を用いることで、流体の力と回転力との変換効率の向上を図ることができ、高効率な発電装置を実現することができる。
<実施形態5>
次に、本発明の第5の実施形態を、図13乃至図14を参照して説明する。図13は、羽根車の構成の概略を示す図である。図14は、羽根車の動作の様子を示す図である。
次に、本発明の第5の実施形態を、図13乃至図14を参照して説明する。図13は、羽根車の構成の概略を示す図である。図14は、羽根車の動作の様子を示す図である。
なお、本実施形態は、上述した実施形態1にて開示した羽根車の具体的な一例を示すものである。特に、本実施形態では、羽根車を発電装置として利用する場合の構成を示している。
[構成]
本実施形態における羽根車は、一部には上述した実施形態2,3で説明した構成を備えており、図13に示すように、回転軸11と、回転翼13(主回転翼)と、一対の補助翼16a,16b(回転翼)と、一方の補助翼である重り部材と、を備えている。以下、各構成について具体的に説明する。
本実施形態における羽根車は、一部には上述した実施形態2,3で説明した構成を備えており、図13に示すように、回転軸11と、回転翼13(主回転翼)と、一対の補助翼16a,16b(回転翼)と、一方の補助翼である重り部材と、を備えている。以下、各構成について具体的に説明する。
図13(A),(B)に示すように、上記回転軸11は、下端付近に発電機20を備えているこれにより、本実施形態における羽根車を発電装置として利用することが可能である。
そして、上記回転軸11の上下端付近には、相互に所定の間隔をあけて水平面を形成する円形の支持部材11a,11bが固定されている。これら支持部材11a,11bの外周付近、つまり、回転軸11の周囲に、当該回転軸11の軸方向に沿って鉛直方向に延び、支持部材11a,11bを連結する上記回転翼軸14が設けられている。
また、上記回転翼軸14の上下端付近には、相互に所定の間隔をあけて水平面を形成する一対の略長方形状の第二支持板19が固定されている。そして、回転翼軸14が、支持部材11a,11bに対して回転自在に支持されている。
また、第二支持板19の間には、当該第二支持板19に対して垂直方向つまり回転軸11に沿って、翼長が位置する回転翼13と、この回転翼13から所定の距離を開けて当該回転翼13の左右に翼弦が相互にほぼ平行に位置する一対の補助翼16a,16bと、が固定されている。これにより、第二支持板19、回転翼13、一対の補助翼16a,16bは一体的に構成され、回転翼ユニット17を構成している。従って、回転翼13と補助翼16a,16bとは、相互の位置関係を維持したまま、回転翼軸14を中心に回転可能となっている。
ここで、回転翼ユニット17は、上記回転翼軸14(ユニット軸)を中心に回転するが、この回転翼軸14は回転翼13の前縁付近に位置している。従って、回転翼13は、前縁付近を中心に回転することとなる。また、各補助翼16a,16bは、回転翼13からほぼ同一距離だけ離れて配置されており、各補助翼16a,16bの前縁付近と、回転翼の前縁付近と、回転翼軸14と、がほぼ一直線上に位置するよう配置されている。なお、補助翼16a,16bは、上記回転翼13よりも形状が小さく形成されており、具体的には、補助翼16a,16bの翼弦は、回転翼13の翼弦よりも短く形成されている。
なお、実施形態2で説明したように、本実施形態においても上述した一対のストッパー31(回転規制手段)が設けられている(図13には図示せず、図14参照)。これにより、回転翼13つまり回転翼ユニット17の回転翼軸14を中心とした回転は、予め設定された角度以上回転することが規制されている。
そして、本実施形態では、さらに、上記一対の補助翼16a,16bの一方の質量が、他方の質量よりも重く形成されており、実施形態3,4で説明した重り部材(42,51)として機能する。具体的には、図13で塗りつぶして図示したように、上記回転翼13から離間して、当該回転翼13が位置する上記回転軸11の円周12の外側に位置する一方の補助翼16aを他方よりも重く形成し、重り部材として機能させている。このとき、回転翼13及び一対の補助翼16a,16bは第二支持板19で連結されていることから、重り部材として機能する一方の補助翼16aや他方補助翼16bは、回転翼13が回転翼軸14を中心に回転すると、これに伴い回転することとなる。
なお、上述したように、第二支持板19、回転翼13、一対の補助翼16a,16bを備えた回転翼ユニット17は、図示していないが、回転軸11の回転円周上に等間隔に複数備えられている。なお、羽根車の構成は、必ずしも上述した構成に限定されない。
[動作]
次に、上記構成の羽根車の動作を、図14を参照して説明する。はじめに、図14を参照して、羽根車の周囲に流体の一例である風が符号Aに示す方向に吹いており、羽根車が回転し始めたときの様子を説明する。
次に、上記構成の羽根車の動作を、図14を参照して説明する。はじめに、図14を参照して、羽根車の周囲に流体の一例である風が符号Aに示す方向に吹いており、羽根車が回転し始めたときの様子を説明する。
まず、風Aが吹くと、上流側(図14で上側)に位置する回転翼13には、風Aの抗力によって、回転翼軸14にて軸支された前縁側とは反対側の後縁側が下流側に押され、図13のように回転する。つまり、回転翼13及び一対の補助翼16a,16bは、回転軸11を中心とした回転円周12の接線方向に対する垂直方向と、翼弦方向との角度が小さくなる方向に回転する。なお、羽根車の下流側に位置する回転翼13も同様である。
すると、回転翼13は、図14に示すように、ストッパー31によって回転が係止され、回転翼13と一対の補助翼16a,16bの前縁側が風が吹いてくる方向に向くこととなり、回転翼13と一対の補助翼16a,16bの前縁に風Aが入射するようになる。このとき、特に、回転翼13の前縁側に対して入射する相対的な風Aの向きは、符号A1のよう傾いた状態となる。すると、風は回転翼13の前縁に対向して入射することとなり、当該回転翼13に対して適切な仰角となり、回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。従って、小さな流速でも、回転軸11を中心とした回転が開始される。また、一対の補助翼16a,16bにも、図14の符号F11,F12に示すように揚力が生じ、羽根車は回転軸11を中心として矢印R1方向に回転することとなる。
このとき、羽根車が回転軸11を中心として回転することにより、重り部材として機能する一方の補助翼16aには遠心力F4が生じる。すると、この遠心力F4によって、回転翼13にはさらに大きな符号R2に示す方向の回転力が生じる。
なお、下流側では、上流側とは回転方向が逆方向となるため、下流側の回転翼13に対する相対的な風Aの向きは、符号A2のようになる。そして、回転翼13及び一対の補助翼16a,16bの回転方向も、上流側とは逆となる。このため、下流側の回転翼13においても、風A2が回転翼13の前縁に対向して入射することとなり、当該回転翼13に対して適切な仰角となり、回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。
その後、羽根車の回転速度が増加した場合には、重り部材として機能する一方の補助翼16aに大きな遠心力F4が生じる。すると、回転翼13にはより大きな回転力R2が生じ、当該回転翼13は回転翼軸14を中心に、回転円周の接線方向と翼弦方向との角度が小さくなるよう回転する。
このとき、回転軸11を中心とした羽根車の回転速度は速くなっているため、当該羽根車に対する相対的な風Aの向きは、さらに、回転軸11の回転円周12の接線方向に対する垂直方向から、接線方向にさらに傾いた状態となる。すると、回転翼13と一対の補助翼16a,16bの前縁側が、風Aが吹いてくる方向に対向するようになり、回転翼13と補助翼16a,16bとの前縁に、風Aが入射するようになる。従って、回転翼13及び補助翼16a,16bは風に対して適切な仰角となり、回転翼13及び補助翼16a,16bに効率よく揚力が生じることとなる。なお、下流側でも左右が逆となるが、同様である。
以上により、上述した構成の羽根車を用いることで、流体の力と回転力との変換効率の向上を図ることができ、高効率な発電装置を実現することができる。
<実施形態6>
次に、本発明の第6の実施形態を、図15乃至図16を参照して説明する。図15は、羽根車の構成の概略を示す図である。図16は、羽根車の動作の様子を示す図である。
次に、本発明の第6の実施形態を、図15乃至図16を参照して説明する。図15は、羽根車の構成の概略を示す図である。図16は、羽根車の動作の様子を示す図である。
なお、本実施形態は、上述した実施形態1にて開示した羽根車の具体的な一例を示すものである。特に、本実施形態では、羽根車を発電装置として利用する場合の構成を示している。
[構成]
本実施形態における羽根車は、上述した実施形態5で説明した構成から、回転翼13を取り除いた構成を採っており、図15に示すように、回転軸11と、一対の補助翼16a,16b(回転翼)と、一方の補助翼である重り部材と、を備えている。以下、各構成について具体的に説明する。
本実施形態における羽根車は、上述した実施形態5で説明した構成から、回転翼13を取り除いた構成を採っており、図15に示すように、回転軸11と、一対の補助翼16a,16b(回転翼)と、一方の補助翼である重り部材と、を備えている。以下、各構成について具体的に説明する。
まず、図15(A),(B)に示すように、上記回転軸11は、下端付近に発電機20を備えている。これにより、本実施形態における羽根車を発電装置として利用することが可能である。
そして、上記回転軸11の上下端付近には、相互に所定の間隔をあけて水平面を形成する円形の支持部材11a,11bが固定されている。これら支持部材11a,11bの外周付近、つまり、回転軸11の周囲に、当該回転軸11の軸方向に沿って鉛直方向に延び、支持部材11a,11bを連結すると共に、支持部材11a,11bに対して回転自在に軸支されている回転翼軸14が設けられている。
また、上記回転翼軸14の上下端付近には、相互に所定の間隔をあけて水平面を形成する一対の略長方形状の第二支持板19が固定されている。そして、一対の第二支持板19の間には、当該第二支持板19に対して垂直方向つまり回転軸11に沿って、翼長が位置する一対の補助翼16a,16bが固定されている。具体的に、一対の補助翼16a,16bは、第二支持板19の両端側に、相互に翼弦が平行に位置して設けられており、これら一対の補助翼16a,16bの各前縁付近間の中央に、上記回転翼軸14が位置している。このように、一対の第二支持板19とその間に固定された一対の補助翼16a,16bとにより、回転翼ユニット17が構成されている。
なお、上記一対の補助翼16a,16bは、上記実施形態5で説明した回転翼13を備えた構成における補助翼16a,16bよりも、その形状が大きく、つまり翼弦の長さが長く形成されている。
また、図示しないが、実施形態2で説明したように、本実施形態においても上述した一対のストッパー31(回転規制手段)が設けられている。これにより、一対の補助翼16a,16bを備えた回転翼ユニット17の回転翼軸14(ユニット軸)を中心とした回転は、予め設定された角度以上回転することが規制されている。
そして、本実施形態では、さらに、上記一対の補助翼16a,16bの一方の質量が、他方の質量よりも重く形成されており、実施形態3,4で説明した重り部材(42,51)として機能する。具体的には、図16で塗りつぶして図示したように、上記回転翼13から離間して、当該回転翼13が位置する上記回転軸11の円周12の外側に位置する一方の補助翼16aを他方よりも重く形成し、重り部材として機能させている。このとき、一対の補助翼16a,16bは第二支持板19で連結されていることから、重り部材として機能する一方の補助翼16aや他方補助翼16bは、回転翼ユニット17が回転翼軸14を中心に回転すると、これに伴い回転することとなる。
なお、上述したように、第二支持板19、一対の補助翼16a,16bを備えた回転翼ユニット17は、図示しないが、回転軸11の回転円周12上に等間隔に複数備えられている。なお、羽根車の構成は、必ずしも上述した構成に限定されない。
[動作]
次に、上記構成の羽根車の動作を、図16を参照して説明する。はじめに、図16を参照して、羽根車の周囲に流体の一例である風が符号Aに示す方向に吹いており、羽根車が回転し始めたときの様子を説明する。
次に、上記構成の羽根車の動作を、図16を参照して説明する。はじめに、図16を参照して、羽根車の周囲に流体の一例である風が符号Aに示す方向に吹いており、羽根車が回転し始めたときの様子を説明する。
まず、風Aが吹くと、上流側(図16で上側)に位置する一対の補助翼16a,16bには、風Aの抗力によって、回転翼軸14にて軸支された前縁側とは反対側の後縁側が下流側に押され、図16のように回転する。つまり、一対の補助翼16a,16bは、回転軸11を中心とした回転円周12の接線方向に対する垂直方向と、翼弦方向との角度が小さくなる方向に回転する。なお、羽根車の下流側に位置する回転翼13も同様である。
すると、一対の補助翼16a,16bは、図16に示すように、図示しないストッパー31によって回転が係止され、一対の補助翼16a,16bの前縁側が風が吹いてくる方向に向くこととなり、一対の補助翼16a,16bの前縁に、風Aが入射するようになる。すると、一対の補助翼16a,16bには、図16の符号F11,F12に示すように揚力が生じ、これにより、羽根車は回転軸11を中心として、矢印R1方向に回転することとなる。そして、特に、一対の補助翼16a,16bの前縁側に対して入射する相対的な風Aの向きは、符号A1のよう傾いた状態となる。すると、風は補助翼16a,16bの前縁に対向して入射することとなり、当該補助翼16a,16bに対して適切な仰角となり、効率よく揚力が生じることとなる。従って、小さな流速でも、回転軸11を中心とした回転が開始される。
このとき、羽根車が回転軸11を中心として回転することにより、重り部材として機能する一方の補助翼16aには遠心力F4が生じる。すると、この遠心力F4によって、回転翼ユニット17には符号R2に示す方向の回転力が生じる。これにより、風Aにより補助翼16a,16bにかかる抗力と回転力R2とが釣り合うことにより、回転始動時には、例えば、図16に示すように、補助翼16a,16bの向きは、回転軸11を中心とした回転円周12の接線に対する垂直方向と、補助翼16a,16bの翼弦方向と、の角度が小さくなるよう設定される。
なお、下流側では、上流側とは回転方向が逆方向となるため、下流側の補助翼16a,16bに対する相対的な風Aの向きは、符号A2のようになる。そして、一対の補助翼16a,16bの回転方向も上流側とは逆となる。このため、下流側の補助翼16a,16bにおいても、風A2が補助翼16a,16bの前縁に対向して入射して適切な仰角となり、当該補助翼16a,16bに効率よく揚力が生じることとなる。
その後、羽根車の回転速度が増加した場合には、重り部材として機能する一方の補助翼16aには大きな遠心力F4が生じる。すると、回転翼ユニット17にはより大きな回転力R2が生じ、補助翼16a,16bは回転翼軸14を中心に、回転円周の接線方向と翼弦方向との角度が小さくなるよう回転する。
このとき、回転軸11を中心とした羽根車の回転速度は速くなっているため、当該羽根車に対する相対的な風Aの向きは、さらに、回転軸11の回転円周の接線方向に対する垂直方向から、接線方向にさらに傾いた状態となる。すると、一対の補助翼16a,16bの前縁側が、風Aが吹いてくる方向に対向することとなり、補助翼16a,16bの前縁に、風Aが入射するようになる。従って、補助翼16a,16bは風に対して適切な仰角となり、当該補助翼16a,16bに効率よく揚力が生じることとなる。なお、下流側でも左右が逆となるが、同様である。
以上により、上述した構成の羽根車を用いることで、流体の力と回転力との変換効率の向上を図ることができ、高効率な発電装置を実現することができる。
<実施形態7>
次に、本発明の第7の実施形態を、図17乃至図20を参照して説明する。図17は、羽根車の構成の概略を示す図である。図18乃至図20は、羽根車の動作の様子を示す図である。
次に、本発明の第7の実施形態を、図17乃至図20を参照して説明する。図17は、羽根車の構成の概略を示す図である。図18乃至図20は、羽根車の動作の様子を示す図である。
なお、本実施形態は、上述した実施形態1にて開示した羽根車の具体的な一例を示すものである。特に、本実施形態では、羽根車を推進装置として利用する場合の構成を示している。そして、この推進装置を、例えば、船に搭載し、羽根車部分を水中に配置することで、シュナイダープロペラのような縦軸型の推進装置として利用することが可能である。
[構成]
本実施形態における羽根車は、基本的には、上述した実施形態6で説明したものとほぼ同様の構成を採っており、図17に示すように、回転軸11と、一対の補助翼16a,16b(回転翼)と、一方の補助翼である重り部材と、を備えている。以下、各構成について具体的に説明する。
本実施形態における羽根車は、基本的には、上述した実施形態6で説明したものとほぼ同様の構成を採っており、図17に示すように、回転軸11と、一対の補助翼16a,16b(回転翼)と、一方の補助翼である重り部材と、を備えている。以下、各構成について具体的に説明する。
まず、図17(A),(B)に示すように、上記回転軸11は、下端付近に当該回転軸11を回転駆動する駆動装置21(駆動手段)を備えている。これにより、本実施形態における羽根車を推進装置として利用することが可能である。
そして、上記回転軸11の上下端付近には、相互に所定の間隔をあけて水平面を形成する円形の支持部材11a,11bが固定されている。これら支持部材11a,11bの外周付近、つまり、回転軸11の周囲に、当該回転軸11の軸方向に沿って鉛直方向に延び、支持部材11a,11bを連結すると共に、支持部材11a,11bに対して回転自在に軸支されている回転翼軸14が設けられている。
また、上記回転翼軸14の上下端付近には、相互に所定の間隔をあけて水平面を形成する一対の略長方形状の第二支持板19が固定されている。そして、一対の第二支持板19の間には、当該第二支持板19に対して垂直方向つまり回転軸11に沿って翼長が位置する一対の補助翼16a,16bが固定されている。具体的に、一対の補助翼16a,16bは、第二支持板19の両端側に、相互に翼弦が平行に位置して設けられており、これら一対の補助翼16a,16bの各前縁付近間の中央に、上記回転翼軸14が位置することとなる。このように、一対の第二支持板19とその間に固定された一対の補助翼16a,16bとにより、回転翼ユニット17が構成されている。
なお、上記一対の補助翼16a,16bは、上記実施形態5で説明した回転翼13を備えた構成における補助翼よりも、その形状が大きく、つまり翼弦の長さが長く形成されている。
そして、本実施形態では、さらに、上記一対の補助翼16a,16bの他方の質量が、一方の質量よりも重く形成されており、実施形態3,4で説明した重り部材(42,51)として機能する。具体的には、図18で塗りつぶして図示したように、上記回転軸11の回転円周12の内側に位置する他方の補助翼16bを、一方の補助翼16aよりも重く形成し、重り部材として機能させている。このとき、一対の補助翼16a,16bは第二支持板19で連結されていることから、重り部材として機能する他方の補助翼16bや一方の補助翼16aは、回転翼ユニット17が回転翼軸14を中心に回転すると、これに伴い回転することとなる。
また、本実施形態では、図示しないが、上記一対の補助翼16a,16bを有する回転翼ユニット17に回転力を付勢する回転力付勢装置(回転力付勢手段、回転翼回転駆動手段)を備えている。具体的に、回転力付勢装置は、図18において進行方向が上方である場合には、上方に位置する回転翼ユニット17の補助翼16a,16bの前縁が図19に示すように上方に向くよう、回転力を付勢する構成を採っている。例えば、各回転翼ユニット17の回転軸14に取り付けられ、回転力を付勢するものであってもよく、あるいは、補助翼16a,16bに接触して押圧することで、当該補助翼16a,16bの向きを変えてもよい。
なお、上述したように、第二支持板19、一対の補助翼16a,16bを備えた回転翼ユニット17は、回転軸11の回転円周上に等間隔に複数備えられている。なお、羽根車の構成は、必ずしも上述した構成に限定されない。
[動作]
次に、上記構成の羽根車の動作を、図18乃至図20を参照して説明する。はじめに、駆動装置21にて図18の矢印R1に示す方向に回転軸11を回転させると、その回転周囲に複数設けられた回転翼ユニット17が回転軸11周りに回転する。その後、回転翼ユニット17を、図19に示すように回転させる。例えば、上側に位置する回転翼ユニット17の補助翼16a,16bの前縁が上方に向くよう、図示しない回転力付勢装置にて回転させる。すると、回転軸11を中心とした回転によって、補助翼16a,16bには前縁側から相対的に流体が入射し(符号A1,A2参照)、これによって当該補助翼16a,16bに揚力F11,F12が生じる。これにより、図19に示すように、羽根車に所定の方向の推進力が生じる。なお、ここでは、図19の矢印Bに示すよう方向に推進力が発生したとする。
次に、上記構成の羽根車の動作を、図18乃至図20を参照して説明する。はじめに、駆動装置21にて図18の矢印R1に示す方向に回転軸11を回転させると、その回転周囲に複数設けられた回転翼ユニット17が回転軸11周りに回転する。その後、回転翼ユニット17を、図19に示すように回転させる。例えば、上側に位置する回転翼ユニット17の補助翼16a,16bの前縁が上方に向くよう、図示しない回転力付勢装置にて回転させる。すると、回転軸11を中心とした回転によって、補助翼16a,16bには前縁側から相対的に流体が入射し(符号A1,A2参照)、これによって当該補助翼16a,16bに揚力F11,F12が生じる。これにより、図19に示すように、羽根車に所定の方向の推進力が生じる。なお、ここでは、図19の矢印Bに示すよう方向に推進力が発生したとする。
すると、一対の補助翼16a,16bには、矢印B方向に進むことによって流体の抗力が生じ、回転翼軸14にて軸支された前縁側とは反対側の後縁側が下流側に押され、さらに図19のように回転力R2が生じる。つまり、一対の補助翼16a,16bは、回転軸11を中心とした回転円周12の接線方向と翼弦方向との角度が、さらに0から大きくなる方向に向くよう回転する。なお、羽根車の下流側に位置する回転翼13も同様である。
また、羽根車が回転軸11を中心として回転することにより、重り部材として機能する他方の補助翼16bには遠心力F4が生じる。すると、この遠心力F4によって、回転翼ユニット17には符号R2に示す方向の回転力が生じる。なお、ここでは、他方の補助翼16bの重心は、前縁側に位置することとする。
これにより、流体の流れによる補助翼16a,16bにかかる抗力と回転力R2とが釣り合うことにより、推進移動開始時には、例えば、図19に示すように、補助翼16a,16bの向きは、回転軸11を中心とした回転円周12の接線方向と補助翼16a,16bの翼弦方向との角度が小さくなるよう設定される。
そして、このとき、羽根車は回転軸11を中心に回転しているため、補助翼16a,16bの前縁側に対して入射する相対的な流体の向きは、符号A1のようになる。すると、流体が補助翼16a,16bの前縁に対向して入射することとなり、補助翼16a,16bに対して適切な仰角となり、当該補助翼16a,16bに効率よく揚力が生じることとなる。
なお、下流側では、上流側とは回転方向が逆方向となるため、下流側の補助翼16a,16bに対する相対的な流体の向きは、符号A2のようになる。そして、一対の補助翼16a,16bの回転方向も、上流側とは逆となる。このため、下流側の補助翼16a,16bにおいても、流体が補助翼16a,16bの前縁に対向して入射して適切な仰角となり、当該補助翼16a,16bに効率よく揚力が生じることとなる。
その後、羽根車の回転速度が増加した場合には、重り部材として機能する他方の補助翼16bには大きな遠心力F4が生じる。すると、回転翼ユニットにはより大きな回転力R2が生じ、補助翼16a,16bは、回転翼軸14を中心に、回転円周の接線方向に対する垂直方向と翼弦方向との角度が小さくなるよう回転する。
このとき、回転軸11を中心とした羽根車の回転速度に伴い、当該羽根車の推進移動速度も速くなっているため、当該羽根車に対する相対的な流体の向きは、さらに、回転軸11の回転円周の接線方向から、当該接線方向に対する垂直方向側にさらに傾いた状態となる。すると、一対の補助翼16a,16bの前縁側が、流体の流れの向きに対向して向くこととなり、補助翼16a,16bの前縁に、流体が入射するようになる。従って、補助翼16a,16bは流体に対して適切な仰角となり、当該補助翼16a,16bに効率よく揚力が生じることとなる。なお、下流側でも左右が逆となるが、同様である。
以上により、上述した構成の羽根車を用いることで、流体の流れの力と回転力との変換効率の向上を図ることができ、高効率な推進装置を実現することができる。
<実施形態8>
次に、本発明の第8の実施形態を、図21を参照して説明する。図21は、羽根車の構成の概略及び羽根車の動作の様子を示す図である。
次に、本発明の第8の実施形態を、図21を参照して説明する。図21は、羽根車の構成の概略及び羽根車の動作の様子を示す図である。
なお、本実施形態は、上述した実施形態1にて開示した羽根車の具体的な一例を示すものである。特に、本実施形態では、羽根車を上述したように発電装置として利用でき、また、推進装置としても利用する場合の構成を示している。
そして、本実施形態における羽根車は、基本的には、上述した実施形態7で説明したものとほぼ同様の構成を採っており、図21に示すように、回転軸11と、一対の補助翼16a,16b(回転翼)と、一方の補助翼である重り部材と、を備えている。さらに、本実施形態では、一対の補助翼16a,16bの中央の前縁側に、翼弦が平行に位置する第3の補助翼16cを備えている。なお、一対の補助翼16a,16bと第3の補助翼16cとは、相互に支持板19にて連結されており、一体的な回転翼ユニット17を形成している。
この第3の補助翼は、上述した実施形態2等と同様に機能し、風や流体が前縁から流入することで揚力が生じる。これにより、上記同様に、回転翼ユニット17に、回転翼軸14を中心とした回転力R2を発生させることができ、一対の補助翼16a,16bが周囲の流体の流れに対して適切な仰角となる。
<実施形態9>
次に、本発明の第9の実施形態を、図22乃至図25を参照して説明する。図22は、羽根車の構成の概略を示す図である。図23乃至図25は、羽根車の動作の様子を示す図である。
次に、本発明の第9の実施形態を、図22乃至図25を参照して説明する。図22は、羽根車の構成の概略を示す図である。図23乃至図25は、羽根車の動作の様子を示す図である。
なお、本実施形態は、上述した実施形態1にて開示した羽根車の具体的な一例を示すものである。特に、本実施形態では、羽根車を推進装置として利用する場合の構成を示している。そして、この推進装置を、例えば、船に搭載し、羽根車部分を水中に配置することで、シュナイダープロペラといった縦軸型の推進装置として利用することが可能である。
[構成]
本実施形態における羽根車は、図22(A),(B)に示すように、回転軸11と、この回転軸11に連結され当該回転軸11を中心とする円周12上に当該回転軸11の軸方向と平行に翼長が位置して配置された回転翼13と、上記回転軸11を回転駆動する駆動装置21と、を備えている。
本実施形態における羽根車は、図22(A),(B)に示すように、回転軸11と、この回転軸11に連結され当該回転軸11を中心とする円周12上に当該回転軸11の軸方向と平行に翼長が位置して配置された回転翼13と、上記回転軸11を回転駆動する駆動装置21と、を備えている。
そして、上記回転翼13は、上記回転軸11に連結され当該回転軸11の円周上に設けられた上記回転翼13の翼長方向に沿って延びる回転翼軸14を中心に回転可能なよう軸支されている。また、上記回転翼13から離間して当該回転翼13の後縁側であり当該回転翼13の翼弦方向の延長上に、当該翼弦方向に沿って翼弦が位置する補助翼16を、上記回転翼13と一体的に連結して設けている。
また、上記回転翼13に連結して当該回転翼13の翼弦方向に対してほぼ垂直方向に延び、上記回転翼13の翼弦が上記回転軸11の円周12の接線とほぼ平行な状態のときに当該回転軸11に向かって延びる内側連結部材62(第一の連結部材)を備えている。また、同様に、回転軸11とは反対側に向かって延びる外側連結部材63(第二の連結部材)も備えている。なお、内側連結部材62と外側連結部材63とは、ほぼ同一直線状に位置する。さらに、上記内側連結部材62の先端部には、所定の質量を有する重り部材64が設けられている。
また、上記内側連結部材62や外側連結部材63に対して、その長手方向に沿って押圧して、回転翼13に回転力を付勢するよう可動するカム(回転力付勢手段、回転翼回転駆動手段)を備えている。具体的には、まず、外側連結部材63を可動する第二のカム65は、回転翼13が回転軸11を中心とした円周12の接線と平行な状態であるときに、当該円周12から外側に延びる外側連結部材63の先端部に接触せずに近接した状態である。そして、この第二のカム65は、外側連結部材63の長手方向に沿って可動可能であり、当該外側連結部材63を押圧したり、離間したりするよう可動する(図24参照)。特に、外側連結部材63を押圧すると、回転翼ユニット17を回転翼軸14を中心に回転させることができる。
また、内側連結部材62を可動する第一のカムとして、上記回転翼13の翼弦が上記回転軸11の円周12の接線とほぼ平行な状態のときに、上記連結部材62の先端部に対して外周がわずかに離間し、上記回転軸11箇所に中心が位置する円形部材61と、この円形部材61を当該円形部材61の半径方向に可動する円形部材可動装置22と、を備えている。そして、この第一のカム61は、第二のカム65と連動して半径方向に可動することで、内側連結部材62や外側連結部材63を押圧したり、さらに離間したりするよう可動する(図24参照)。特に、内側連結部材62を押圧することで、回転翼ユニット17を回転翼軸14を中心に回転させることができる。
そして、回転軸11を駆動装置21にて回転駆動することで、本実施形態における羽根車を推進装置として利用するよう構成している。以下、各構成についてさらに詳述する。
まず、上記回転軸11の上下端付近には、相互に所定の間隔をあけて水平面を形成する円形の支持部材11a,11bが固定されている。また、回転軸11の上端側に位置する支持部材11aのさらに上方には、当該支持部材11aよりも径の小さく、所定の厚みを有する円形の円形部材61が備えられている。
そして、この円形部材61のさらに上方には、上記回転軸11に連結し、当該回転軸11を回転駆動する駆動装置21(駆動手段)と、上記円形部材61や第二のカム65を半径方向に駆動する円形部材可動装置22(円形部材可動手段)とを備えている。なお、円形部材可動装置22は、例えば、円形部材61に当接して当該円形部材61を押圧したり引っ張る力を付勢する構成を備えており、図24の矢印Y1に示す方向やその反対方向、さらには、円形部材61における任意の半径方向に、当該円形部材61を可動するよう構成されている。また、円形部材可動装置22は、上記第二のカム65にも連結しており、上記円形部材61の可動と連動して、当該円形部材61と同一方向に第二のカム65を可動するよう構成されている。なお、円形部材61を第二のカム65と連動させて回転可動させることによって、例えば、図24の左右方向に、羽根車の進行方向を方向転換させることが可能となる。
また、上記回転翼軸14の上下端付近には、相互に所定の間隔をあけて水平面を形成する一対の円形の第二支持板18が固定されている。そして、一対の第二支持板18は、回転翼軸14に対して回転自在に軸支されて設けられている。また、第二支持板18の間には、当該第二支持板18に対して垂直方向つまり回転軸11に沿って、翼長が位置する回転翼13と、この回転翼13から所定の距離を開けて当該回転翼13の後縁側に位置する補助翼16と、が固定されている。これにより、第二支持板19、回転翼13、補助翼16は一体的に構成され、回転翼ユニット17を構成している。従って、回転翼13と補助翼16とは、相互の位置関係を維持したまま、回転翼軸14を中心に回転可能となっている。
ここで、回転翼ユニット17は、上記回転翼軸14(ユニット軸)を中心に回転するが、この回転翼軸14は回転翼13の前縁付近に位置している。従って、回転翼13は、前縁付近を中心に回転することとなる。また、回転翼13と補助翼16とは、各翼弦がほぼ同一直線上に位置するよう配置されている。なお、補助翼は、上記回転翼13よりも形状が小さく形成されており、具体的には、補助翼16の翼弦は、回転翼13の翼弦よりも短く形成されている。
そして、本実施形態では、さらに、上述したように、上記回転翼13の翼弦が上記回転軸11の円周12の接線とほぼ平行な状態のときに、回転翼13の前縁付近に連結され、所定の剛性を有する棒状の内側連結部材62及び外側連結部材63が、当該回転翼13の翼弦に垂直方向に延びて設けられている。
具体的には、内側連結部材62は、回転軸11の回転円周の内側、つまり、回転軸11に向かって延びており、その長さは、上述した円形部材61の中心が回転軸11とほぼ同一箇所に位置している場合に、当該円形部材61の外周面(外側面)に連結部材62の先端が接触せず、所定の距離があく程度の長さである。一方で、上記円形部材61が半径方向に可動することで、当該円形部材61が内側連結部材63の端部に位置する重り部材64に接触して押圧し、これにより、回転翼13が回転することとなる。
また、外側連結部材63は、回転軸11の回転円周の外側、つまり、回転軸11側とは反対側に向かって延びている。そして、この外側連結部材63の端部には、上述した第二のカム65が接触せずに近接して装備されている。
ここで、上述した第二支持板18、回転翼13、補助翼16、に加えて、上記連結部材62,63を含む回転翼ユニット17は、回転軸11の回転円周上に等間隔に複数備えられている。なお、羽根車の構成は、必ずしも上述した構成に限定されない。
また、本実施形態においては、上記構成の羽根車を船に搭載して推進装置として使用するが、この場合に、例えば、図22(B)に示すように、回転翼13及び補助翼16部分を水中に位置するよう配置し、連結部材62、円形部材61さらには駆動装置21や円形部材可動装置22を船上に配置する。
[動作]
次に、上記構成の羽根車の動作を、図23乃至図25を参照して説明する。はじめに、駆動装置21にて図23の矢印R1に示す方向に回転軸11を回転させると、その回転周囲に複数設けられた回転翼ユニット17が回転軸11周りに回転する。このとき、各回転翼ユニット17に装備された外側連結部材63は、それぞれ第二のカム65に接触しておらず、当該回転翼ユニット17は回転翼軸14を中心に回転することが規制されていない。
次に、上記構成の羽根車の動作を、図23乃至図25を参照して説明する。はじめに、駆動装置21にて図23の矢印R1に示す方向に回転軸11を回転させると、その回転周囲に複数設けられた回転翼ユニット17が回転軸11周りに回転する。このとき、各回転翼ユニット17に装備された外側連結部材63は、それぞれ第二のカム65に接触しておらず、当該回転翼ユニット17は回転翼軸14を中心に回転することが規制されていない。
その後、円形部材駆動装置22にて円形部材61を、図24の矢印Y1に示すように、その中心が回転軸11からずれるよう可動する。また、同時に、第二のカム65を、同じ方向つまり矢印Y1に示す方向に可動する。すると、上流側(図24で上側)に位置する回転翼ユニット17の外側連結部材63は、第二のカム65にて回転軸11方向に押圧される。このとき、回転翼ユニット17は、矢印R2に示すよう方向に回転する。同時に、下流側(図24で下側)に位置する回転翼ユニット17の内側連結部材62は、円形部材61にて回転軸11から離間するよう押圧される。このとき、回転翼ユニット17は、矢印R2に示すよう方向に回転する。
すると、各回転翼13の向きは、図24に示すようになり、回転軸11を中心とした回転にて相対的に回転翼13の前縁から流体が入射する。これにより、当該回転翼13に揚力F1が生じ、羽根車に所定の方向の推進力が生じる。ここでは、図24の矢印Bに示すよう方向に推進力が発生する。
また、回転翼13には、羽根車が矢印B方向に進むことによって流体の抗力が生じ、回転翼軸14にて軸支された前縁側とは反対側の後縁側が下流側に押され、図24のように回転する。つまり、回転翼13は、回転軸11を中心とした回転円周12の接線方向に対する垂直方向と翼弦方向との角度が、0から大きくなる方向に回転する。なお、羽根車の下流側に位置する回転翼13も同様である。
同時に、回転翼13の前縁から流入した液体は当該回転翼13を通過し、符号A3に示すよう、当該回転翼13の後縁側に位置する補助翼16の前縁側に入射する。すると、この補助翼16には、符号F3に示す方向の揚力が生じる。そして、この揚力F3にて回転翼13つまり回転翼ユニット17に符号R2に示す方向の回転力が生じる。さらに、内側連結部材62の先端部に設けた重り部材64には、遠心力が生じているため、これによっても回転力ユニット17を回転させる符号R2方向の回転力が生じる。
このように、推進移動開始時には、例えば、図24に示すように、回転翼13が、当該回転翼13の翼弦方向が回転軸11を中心とした回転円周12の接線方向よりも進行方向に向くよう傾いた状態となる。
そして、このとき、羽根車は矢印B方向に移動しているため、回転翼13の前縁側に対して入射する相対的な流体の向きは符号A1のようになる。すると、流体は回転翼13の前縁に対向して入射して適切な仰角となり、当該回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。
また、下流側の回転翼ユニット17では、円形部材61が回転翼ユニットの連結部材62を押すため、当該回転翼ユニットは符号R2方向に回転可能な状態となる。そして、上述した上流側の回転翼ユニットとは回転方向が逆方向となり、上述と同一方向の揚力F1が回転翼13に生じる。また、同様に補助翼16にも揚力F3が発生するため、回転翼13に回転力R2が生じる。そして、下流側の回転翼13に対する相対的な流体の向きは符号A2のようになるため、下流側の回転翼13においても、流体が回転翼13の前縁に対向して入射して適切な仰角となり、当該回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。さらに、上述同様に、内側連結部材62の先端部に設けた重り部材64には、遠心力が生じているため、これによっても回転力ユニット17を回転させる符号R2方向の回転力が生じる。
その後、羽根車の推進速度が増加した場合には、補助翼16に対して大きな揚力F3が生じ、また、重り部材に大きな回転力が生じる。すると、回転翼13にはより大きな回転力R2が生じ、当該回転翼13は、図25に示すように、回転軸11を中心とした回転円周12の接線方向と翼弦方向との角度がさらに大きくなるよう、回転する。なお、羽根車の下流側に位置する回転翼13も同様である。
このとき、羽根車の推進移動速度は速くなっているため、当該羽根車に対する相対的な流体の向きは、さらに、回転軸11の回転円周の接線方向から、当該接線方向に対する垂直方向にさらに傾いた状態となる。すると、回転翼13の前縁側が、流体の流れの向きに対向して向くこととなり、当該回転翼13の前縁に、流体が入射するようになる。従って、回転翼13は流体に対して適切な仰角となり、当該回転翼13に効率よく揚力が生じることとなる。なお、下流側でも同様である。
以上により、上述した構成の羽根車を用いることで、流体の力と回転力との変換効率の向上を図ることができ、高効率な推進装置を実現することができる。
本発明における羽根車は、風力発電機や推進装置といった用途に利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
1,11 回転軸
3,13 回転翼
4,14 回転翼軸(ユニット軸)
16,16a,16b 補助翼
17 回転翼ユニット
20 発電機
21 駆動装置
22 円形部材可動装置
31 ストッパー
42,51 重り部材
61 円形部材
62 内側連結部材
63 外側連結部材
64 重り部材
65 第二のカム
3,13 回転翼
4,14 回転翼軸(ユニット軸)
16,16a,16b 補助翼
17 回転翼ユニット
20 発電機
21 駆動装置
22 円形部材可動装置
31 ストッパー
42,51 重り部材
61 円形部材
62 内側連結部材
63 外側連結部材
64 重り部材
65 第二のカム
Claims (22)
- 回転軸と、この回転軸に連結され当該回転軸を中心とする円周上に当該回転軸の軸方向と平行に翼長方向が位置して配置された回転翼と、を備え、
前記回転翼は、前記回転軸に連結され当該回転軸の円周上に設けられた前記回転翼の翼長方向に沿って延びる回転翼軸を中心に回転可能なよう軸支されており、
前記回転翼に対して所定の距離だけ離れて当該回転翼と一体的に連結され、前記回転軸の回転速度及び/又は周囲の流体の流速に応じて、前記回転翼に対して前記回転翼軸を中心とした回転力を付勢する回転力付勢手段を備えた、
羽根車。 - 請求項1記載の羽根車であって、
前記回転力付勢手段は、前記回転翼に対する相対的な前記周囲の流体の流れを受けて、当該周囲の流体の流れの向き及び流速に応じた揚力を発生し、当該揚力にて前記回転翼に対して回転力を付勢する、
羽根車。 - 請求項2記載の羽根車であって、
前記回転力付勢手段は、前記回転翼軸から離間して設けられ、当該回転翼の翼弦方向とほぼ平行な翼弦の補助翼を有する、
羽根車。 - 請求項1乃至3記載の羽根車であって、
前記回転力付勢手段は、前記回転軸の回転によって当該回転軸の回転速度に応じた遠心力を発生し、当該遠心力にて前記回転翼に対して回転力を付勢する、
羽根車。 - 請求項4記載の羽根車であって、
前記回転翼付勢手段は、前記回転翼軸から離間して設けられた所定の質量を有する重り部材を有する、
羽根車。 - 回転軸と、この回転軸に連結され当該回転軸を中心とする円周上に当該回転軸の軸方向と平行に翼長が位置して配置された回転翼と、を備え、
前記回転翼は、前記回転軸に連結され当該回転軸の円周上に設けられた前記回転翼の翼長方向に沿って延びる回転翼軸を中心に回転可能なよう軸支されており、
前記回転翼から離間して当該回転翼の前縁側又は後縁側であり当該回転翼の翼弦方向の延長上に、当該翼弦方向に沿って翼弦が位置する補助翼を、前記回転翼と一体的に連結して設けた、
羽根車。 - 請求項6記載の羽根車であって、
前記補助翼の翼弦は、前記回転翼の翼弦よりも短く形成されている、
羽根車。 - 請求項6乃至7記載の羽根車であって、
前記回転翼から離間して当該回転翼と一体的に連結し、当該回転翼が位置する前記回転軸の円周の外側に位置する、所定の質量を有する重り部材を備えた、
羽根車。 - 回転軸と、この回転軸に連結され当該回転軸を中心とする円周上に当該回転軸の軸方向と平行に翼長が位置して配置された回転翼と、を備え、
前記回転翼は、前記回転軸に連結され当該回転軸の円周上に設けられた前記回転翼の翼長方向に沿って延びる回転翼軸を中心に回転可能なよう軸支されており、
前記回転翼軸から離間して当該回転翼と一体的に連結し、当該回転翼が位置する前記回転軸の円周の外側に位置する、所定の質量を有する重り部材を備えた、
羽根車。 - 請求項9記載の羽根車であって、
前記重り部材を、前記回転翼の翼弦方向に対してほぼ垂直方向に設けた、
羽根車。 - 請求項9記載の羽根車であって、
前記重り部材を、前記回転翼の翼弦方向に対して垂直方向以外の方向に設けた、
羽根車。 - 請求項1乃至11記載の羽根車であって、
前記回転軸の回転力を電力に変換する発電手段を備えた、
羽根車。 - 請求項12記載の羽根車であって、
前記回転翼が、前記回転翼軸を中心として予め設定された角度以上回転することを規制する回転規制手段を備えた、
羽根車。 - 請求項1乃至11記載の羽根車であって、
前記回転軸を回転駆動する駆動手段を備えた、
羽根車。 - 回転軸と、この回転軸に連結され当該回転軸を中心とする円周上に当該回転軸の軸方向と平行に翼長方向が位置して配置されたほぼ同一形状の一対の回転翼を備えた回転翼ユニットと、を備え、
前記回転翼ユニットは、前記一対の回転翼が所定の間隔をあけて当該回転翼の翼弦がほぼ平行に相互に連結されており、前記回転軸に連結されて当該回転軸の円周上に設けられた前記一対の回転翼の相互間の中心に位置するユニット軸を中心に回転可能なよう軸支されており、
前記一対の回転翼のうち、一方の前記回転翼を他方の前記回転翼よりも重く形成した、
羽根車。 - 請求項15記載の羽根車であって、
前記一対の回転翼のうち、前記回転軸を中心とした円周よりも内側に位置する前記回転翼を、他の前記回転翼よりも重く形成し、
前記回転軸を回転駆動する駆動手段を備えた、
羽根車。 - 請求項15記載の羽根車であって、
前記回転翼ユニットは、前記一対の回転翼の各翼弦とほぼ平行であり当該各翼弦よりも長い翼弦を有し、前記ユニット軸に前縁側が固定軸支された主回転翼を有する、
羽根車。 - 請求項15又は17記載の羽根車であって、
前記一対の回転翼のうち、前記回転軸を中心とした円周よりも外側に位置する前記回転翼を、他の前記回転翼よりも重く形成し、
前記回転軸の回転力を電力に変換する発電手段を備えた、
羽根車。 - 請求項18記載の羽根車であって、
前記回転翼ユニットが、前記ユニット軸を中心として予め設定された角度以上回転することを規制する回転規制手段を備えた、
羽根車。 - 回転軸と、この回転軸に連結され当該回転軸を中心とする円周上に当該回転軸の軸方向と平行に翼長が位置して配置された回転翼と、前記回転軸を回転駆動する駆動手段と、を備え、
前記回転翼は、前記回転軸に連結され当該回転軸の円周上に設けられた前記回転翼の翼長方向に沿って延びる回転翼軸を中心に回転可能なよう軸支されており、
前記回転翼から離間して当該回転翼の後縁側であり当該回転翼の翼弦方向の延長上に、当該翼弦方向に沿って翼弦が位置する補助翼を、前記回転翼と一体的に連結して設け、
前記補助翼が一体的に設けられた前記回転翼を、前記回転翼軸を中心として所定の方向に回転駆動する回転翼回転駆動手段を備えた、
羽根車。 - 請求項20記載の羽根車であって、
前記回転翼に連結して当該回転翼の翼弦方向に対してほぼ垂直方向に延び、前記回転翼の翼弦が前記回転軸の円周の接線とほぼ平行な状態のときに当該回転軸に向かって延びる第一の連結部材及びその反対側に向かって延びる第二の連結部材と、
前記第一の連結部材の先端部に装備された重り部材と、を備え、
前記回転翼回転駆動手段は、前記第一の連結部材の先端部及び/あるいは前記第二の連結部材の先端部を、前記第一の連結部材及び/あるいは前記第二の連結部材の長手方向に沿って押圧して可動し、前記補助翼が一体的に設けられた前記回転翼を、前記回転翼軸を中心として所定の方向に回転駆動する、
羽根車。 - 請求項20又は21記載の羽根車であって、
前記補助翼の翼弦は、前記回転翼の翼弦よりも短く形成されている、
羽根車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008328977A JP2010150999A (ja) | 2008-12-25 | 2008-12-25 | 羽根車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008328977A JP2010150999A (ja) | 2008-12-25 | 2008-12-25 | 羽根車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010150999A true JP2010150999A (ja) | 2010-07-08 |
Family
ID=42570363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008328977A Pending JP2010150999A (ja) | 2008-12-25 | 2008-12-25 | 羽根車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010150999A (ja) |
-
2008
- 2008-12-25 JP JP2008328977A patent/JP2010150999A/ja active Pending
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