JP2010150942A - 多気筒内燃機関の運転制御装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の運転制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】減筒運転が実行可能な多気筒内燃機関に対し、この減筒運転への移行に伴う車両の振動を抑制しながらも、この減筒運転の実行期間を長く確保することができる多気筒内燃機関の運転制御装置を提供する。
【解決手段】無負荷運転時または軽負荷運転時において、クラッチ機構が係合状態または手動変速機が非ニュートラル状態であるときには全気筒運転から減筒運転への切り換えを禁止し、クラッチ機構が解放状態または手動変速機がニュートラル状態であるときには全気筒運転から減筒運転への切り換えを許可する。クラッチ機構が解放状態であるか否かの判定としては、エンジンの回転変動幅が、所定の閾値よりも大きい場合に解放状態であると判断する。
【選択図】図8

Description

本発明は、多気筒内燃機関の運転制御装置に係る。特に、本発明は、内燃機関の負荷等に応じて一部の気筒の稼働を休止させる減筒運転が実行可能な多気筒内燃機関に対し、この減筒運転への移行タイミングの最適化を図るための対策に関する。
従来より、例えば下記の特許文献1〜特許文献3に開示されているように、エンジンの無負荷時に、一部の気筒の稼働を休止させて燃料消費率の改善を図る減筒運転を実行可能な多気筒エンジンが知られている。
例えば、エンジンのアイドリング時等のように、余剰出力のある状態では、各気筒に掛かる負荷が小さいため、吸排気損失が大きくなり、燃焼効率の悪化が懸念される。このため、一部の気筒(例えばV型エンジンにあっては一方のバンクの気筒)への燃料供給を遮断して、これら気筒を休止させる(非稼働にする)減筒運転を行い、燃料が供給される稼動気筒(他方のバンクの気筒)の負荷を高めて燃焼効率を高めることにより、燃料消費率の改善を図るようにしている。
また、全気筒運転状態から減筒運転状態への切り換えタイミングとして、従来では以下のように設定されていた。例えば、変速機として手動変速機(マニュアルトランスミッション)を搭載した車両にあっては、エンジンが全気筒運転状態にある場合に、交差点での信号待ちなどによって車両が停車し、それに伴ってクラッチが解放状態または変速機構がニュートラル状態となっており、且つアクセル開度が「0」であってエンジンがアイドリング状態となっていることを条件として、全気筒運転状態から減筒運転状態に移行させるようにしていた。つまり、車両の停車を、減筒運転状態への移行条件の一つとしていた。
特開2008−57559号公報 特開2007−92649号公報 特開平8−80767号公報
上述した減筒運転では燃料消費率の改善が図れるため、エンジンのアイドリング時等のような無負荷時となった場合には、直ちに全気筒運転から減筒運転に切り換えることが、燃料消費率の観点からすれば好ましい。ところが、全気筒運転から減筒運転に切り換えた場合、エンジンの出力トルクが急速に低下することになるので、上記無負荷時となった時点で無条件に減筒運転に移行してしまうと、車両の運転状態によっては、このトルク変化に伴って車両に振動(ショック)が発生してしまう可能性がある。
このため、従来では、上述した如く、車両が停車していると共にエンジンがアイドリング状態となった後に、全気筒運転から減筒運転に切り換えるようにしている。つまり、車両走行中に全気筒運転から減筒運転に移行した場合に上記車両に振動が発生する可能性があることを考慮して、車両の停車を、減筒運転状態への移行条件の一つとしていた。
このような従来の減筒運転への移行タイミングの設定では、減筒運転が実施される期間が限られたものとなってしまい、燃料消費率の改善を図るには限界があったことに本発明の発明者は着目した。つまり、従来では、全気筒運転から減筒運転に切り換えた場合の車両振動を抑制することと、減筒運転の実施期間を長くして燃料消費率の改善を図ることとを両立することができていなかった。本発明の発明者は、これらの両立を実現するために減筒運転への移行タイミングの設定について考察し、本発明に至った。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、減筒運転が実行可能な多気筒内燃機関に対し、この減筒運転への移行に伴う車両の振動を抑制しながらも、この減筒運転の実行期間を長く確保することができる多気筒内燃機関の運転制御装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、内燃機関からの駆動力が駆動輪に伝達していない状態であれば、全気筒運転から減筒運転に切り換わっても、内燃機関のトルク減少に伴う車両のショックは軽減または防止されるとして、車両走行中であっても減筒運転への移行を許可するようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、複数気筒のうち一部の気筒を選択的に非稼働にする減筒運転が実行可能な多気筒内燃機関の運転制御装置を前提とする。この多気筒内燃機関の運転制御装置に対し、トルク伝達認識手段と減筒運転切換手段とを備えさせている。トルク伝達認識手段は、上記内燃機関の出力トルクを駆動輪に向けて伝達するトルク伝達機構がトルク伝達状態にあるかトルク非伝達状態にあるかを認識可能である。そして、減筒運転切換手段は、上記トルク伝達認識手段が、トルク伝達機構がトルク伝達状態であることを認識している場合には、減筒運転への移行を禁止する一方、上記トルク伝達認識手段が、トルク伝達機構がトルク非伝達状態となったことを認識した場合には、所定の減筒運転実行条件が成立していることを条件に、車両走行中であっても減筒運転に移行させる。
尚、上記「所定の減筒運転実行条件」としては、内燃機関が無負荷状態や軽負荷状態となっていることが挙げられる。また、その他に、内燃機関の冷却水温度が所定温度以上であること、内燃機関の回転数が所定回転数以下であること、排気系に備えられた触媒温度が所定温度以上であること等の条件のうち少なくとも一つを付加するようにしてもよい。但し、本解決手段の場合、車両が停車していることは減筒運転実行条件とはせず、車両走行中であっても、上記所定の減筒運転実行条件が成立しており且つトルク伝達機構がトルク非伝達状態であれば、減筒運転に移行させることになる。
この特定事項により、例えば、内燃機関が無負荷状態や軽負荷状態となる等して所定の減筒運転実行条件が成立している状態であっても、トルク伝達認識手段によって、トルク伝達機構がトルク伝達状態にあると認識された場合には、減筒運転への移行を禁止する。つまり、上記所定の減筒運転実行条件が成立していても減筒運転へは移行させず、内燃機関のトルク変動が生じないようにする。即ち、トルク伝達機構がトルク伝達状態にある状況で内燃機関にトルク変動が生じて車両に振動(ショック)が発生してしまうといった状況を回避する。
そして、所定の減筒運転実行条件が成立した状態のまま、トルク伝達機構がトルク非伝達状態になると、そのことをトルク伝達認識手段が認識し、これによって、内燃機関は減筒運転に移行されることになる。これは、トルク伝達機構がトルク非伝達状態であれば、減筒運転への移行に伴って内燃機関にトルク変動が生じても、そのトルク変動が駆動輪の回転変動を発生させることがなく、車両に発生する振動(ショック)は小さいかまたは振動が生じない状況となっているからである。このため、車両走行中であっても、トルク伝達機構がトルク非伝達状態であれば減筒運転に移行させることになるので、車両の停車を待たずして減筒運転を開始することが可能になる。つまり、従来では、車両が停車した後でなければ減筒運転を開始しなかったが、本解決手段では、車両の停車を待つことなしに減筒運転に移行させることができるので、この減筒運転の開始タイミングを従来のものよりも早期に設定することができる。このため、減筒運転への移行時における車両の振動を回避しながらも、減筒運転の実行期間を長く得ることができて燃料消費率の改善を図ることができる。
また、本解決手段によれば、車両が停車する前の減速途中で全気筒運転から減筒運転へ移行させることができる。つまり、車両の停車状態で、全気筒運転から減筒運転へ移行するといった状況が発生しないようにできる。車両の停車状態で、全気筒運転から減筒運転へ移行した場合(従来の制御の場合)、この移行に伴う内燃機関自体の音が変化したり振動が発生したりして乗員に違和感を与える可能性があった。本解決手段によれば、車両が停車した際には既に全気筒運転から減筒運転へ移行しているので、このような違和感を生じさせることがなくなる。
上記トルク伝達機構として具体的には、クラッチ機構または変速機構が挙げられる。そして、上記トルク伝達認識手段は、上記クラッチ機構が解放状態となっていること、及び、上記変速機構がニュートラル状態となっていることのうち少なくとも一方が成立している場合に、トルク伝達機構がトルク非伝達状態にあると認識するよう構成されている。
上記クラッチ機構が解放状態となっていること、及び、上記変速機構がニュートラル状態となっていることの何れかが成立しておれば、内燃機関の出力トルクは駆動輪へは伝達されないことになるので、この状態で全気筒運転から減筒運転への移行させても、内燃機関のトルク変動に伴う車両の振動は抑制されることになる。
上記トルク伝達機構がトルク伝達状態にあるかトルク非伝達状態にあるかの認識動作(トルク伝達認識手段による認識動作)として具体的には以下のものが挙げられる。つまり、上記トルク伝達認識手段は、内燃機関の回転変動幅が所定の回転変動幅閾値を超えている場合に、トルク伝達機構がトルク非伝達状態であると認識する構成となっている。
つまり、トルク伝達機構がトルク伝達状態にあれば、内燃機関は駆動輪に繋がっているため、その膨張行程での回転速度と圧縮行程での回転速度との差は比較的小さくなる。即ち、回転変動幅が小さくなる。これは、内燃機関から駆動輪に亘る動力伝達系(クラッチ、変速機構、プロペラシャフト等)が、内燃機関の回転負荷となり、内燃機関の回転慣性力を高めることになって回転変動を抑えるように働くからである。これに対し、トルク伝達機構がトルク非伝達状態にあれば、内燃機関は駆動輪に繋がっておらず、その膨張行程での回転速度と圧縮行程での回転速度との差は比較的大きくなる。つまり、回転変動幅が大きくなる。これは、内燃機関から駆動輪に亘る動力伝達系が、内燃機関の回転負荷とはならず、内燃機関の回転慣性力が低くなって、膨張行程では回転速度が高くなり、圧縮行程では回転速度が低くなるからである。このように、トルク伝達機構がトルク伝達状態にあるのかトルク非伝達状態にあるのかによって内燃機関の回転変動幅が変化することを利用してトルク伝達機構の状態を正確に認識することが可能になる。
また、上記所定の回転変動幅閾値としては、所定期間内における内燃機関の平均回転速度、または、所定回転角度だけ回転するのに要した時間の複数のサンプリング値の平均値に、所定の係数を乗じた値として設定されている。
これによれば、上記回転変動幅閾値としては、一定値に固定されず、内燃機関の回転速度等に応じた適切な値として求められることになる。例えば、内燃機関の平均回転速度が高い場合には回転変動幅閾値としては比較的大きな値として得られ、この回転変動幅閾値と実際の内燃機関の回転変動幅とを比較することで、トルク伝達機構がトルク非伝達状態であるか否かを判定することになる。逆に、内燃機関の平均回転速度が低い場合には回転変動幅閾値としては比較的小さな値として得られ、この回転変動幅閾値と実際の内燃機関の回転変動幅とを比較することで、トルク伝達機構がトルク非伝達状態であるか否かを判定することになる。このようにして、内燃機関の稼働状態(回転速度や所定回転角度だけ回転するのに要した時間)に適して求められる回転変動幅閾値に基づいて、トルク伝達機構がトルク非伝達状態であるか否かを判定することができ、この判定の信頼性を高めることができる。
上記回転変動幅閾値と比較される内燃機関の回転変動幅としては、内燃機関のピストンが圧縮上死点付近にある場合の回転速度または圧縮上死点付近において所定回転角度だけ回転するのに要した時間と、ピストンが膨張下死点付近にある場合の回転速度または膨張下死点付近において所定回転角度だけ回転するのに要した時間との差に基づいて求められる。
また、この回転変動幅の他の算出手法としては、内燃機関のピストンが圧縮上死点付近にある場合の回転速度または圧縮上死点付近において所定回転角度だけ回転するのに要した時間と、ピストンが膨張下死点付近にある場合の回転速度または膨張下死点付近において所定回転角度だけ回転するのに要した時間との差の平均値、または、この差のなまし値に基づいて求めるようにしてもよい。
これら特定事項によれば、内燃機関の回転変動幅を正確に求めることが可能になり、これによっても、トルク伝達機構がトルク非伝達状態であるか否かの判定の信頼性を高めることができる。特に、後者の算出手法(平均値やなまし値を使用するもの)にあっては、一時的な外乱による影響度合いを小さくすることができ、上記判定の信頼性をいっそう高めることができる。
本発明を使用するのに適した多気筒内燃機関の具体的な構成としては、10気筒内燃機関であって、クランクシャフトの回転角度で72°回転毎に何れかの気筒が燃焼行程を迎えるものが挙げられる。
これによれば、一部の気筒が圧縮上死点に達した際に他の一部の気筒が膨張下死点に達するといった状況は招かないので、内燃機関の回転変動幅が一定の周期をもって現れることになる。その結果、上記回転変動幅閾値と比較される内燃機関の回転変動幅を高い精度で正確に算出することができ、トルク伝達機構がトルク非伝達状態であるか否かの判定の信頼性が高いものとなる。
本発明では、内燃機関からの駆動力が駆動輪に伝達していない状態であれば、全気筒運転から減筒運転に切り換わっても、内燃機関のトルク減少に伴う車両のショックは軽減または防止されるとして、車両走行中であっても減筒運転への移行を許可するようにしている。このため、減筒運転への移行時における車両の振動を回避しながらも、減筒運転の実行期間を長く得ることができて燃料消費率の改善を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、内燃機関としてV型10気筒ガソリンエンジンを、変速機として手動変速機(マニュアルトランスミッション)をそれぞれ搭載した車両に本発明を適用した場合について説明する。
本実施形態の特徴とする制御である減筒運転への切り換え制御について説明する前に、本実施形態に係る車両に搭載されたパワートレーンの構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る車両に搭載されたパワートレーンの概略構成を示している。この図1において、Eはエンジン、MTは手動変速機、CLはクラッチ機構、9はエンジンECUである。
図1に示すパワートレーンは、フロントエンジン・リアドライブ(FR)型に構成されている。このパワートレーンでは、エンジンEで発生する回転動力(トルク)がクラッチCLを介して手動変速機MTに入力され、この手動変速機MT(トルク伝達機構)で適宜の変速比(ドライバのシフトレバー操作によって選択された変速比)に変速されて、プロペラシャフトPS及びデファレンシャルDFを介して左右の後輪T,Tに伝達されるようになっている。尚、本実施形態に係る車両に搭載されている手動変速機MTは、前進8速段、後進1速段の同期噛み合い式手動変速機である。
以下、エンジンEの全体構成及びその制御系、並びにクラッチ機構CLの構成についての概略を説明する。
−エンジン全体構成の説明−
図2は、上記V型エンジンEをクランクシャフトCの軸心に沿った方向から見たエンジン内部の概略構成を示す図である。また、図3は、このエンジンE、吸排気系及び制御系の概略を示すシステム構成図である。
これら図に示すように、V型エンジンEは、シリンダブロック1の上部にV型に突出した一対のバンク2L,2Rを有している。各バンク2L,2Rは、シリンダブロック1の上端部に設置されたシリンダヘッド3L,3Rと、その上端に取り付けられたヘッドカバー4L,4Rとをそれぞれ備えている。上記シリンダブロック1には複数のシリンダ5L,5R,…(例えば各バンク2L,2Rに5個ずつ)が所定の挟み角(例えば90°(この値に限定されるものではない))をもって配設されており、これらシリンダ5L,5R,…の内部にピストン51L,51R,…が往復移動可能に収容されている。また、各ピストン51L,51R,…はコネクティングロッド52L,52R,…を介してクランクシャフトCに動力伝達可能に連結されている。更に、シリンダブロック1の下側にはクランクケース6が取り付けられており、上記シリンダブロック1内の下部からクランクケース6の内部に亘る空間がクランク室61となっている。また、このクランクケース6の更に下側にはオイル溜まり部となるオイルパン62が配設されている。
また、上記シリンダヘッド3L,3Rには吸気ポート31L,31Rを開閉するための吸気バルブ32L,32R及び排気ポート33L,33Rを開閉するための排気バルブ34L,34Rがそれぞれ組み付けられており、シリンダヘッド3L,3Rとヘッドカバー4L,4Rとの間に形成されているカム室41L,41Rに配置されたカムシャフト35L,35R,36L,36Rの回転によって各バルブ32L,32R,34L,34Rの開閉動作が行われるようになっている。
また、本実施形態に係るエンジンEのシリンダヘッド3L,3Rは、分割構造となっている。詳しくは、シリンダブロック1の上面に取り付けられるシリンダヘッド本体37L,37Rと、このシリンダヘッド本体37L,37Rの上側に組み付けられるカムシャフトハウジング38L,38Rとによりシリンダヘッド3L,3Rが構成されている。
一方、上記各バンク2L,2Rの内側(バンク間側)の上部には各バンク2L,2Rに対応する吸気マニホールド7L,7Rが配設されており、各吸気マニホールド7L,7Rの下流端が各吸気ポート31L,31R,…に連通している。また、この吸気マニホールド7L,7Rは、各バンク共通のサージタンク71(図3参照)及びスロットルバルブ72を備えた吸気管73に連通されており、この吸気管73の上流側にはエアクリーナ74が設けられている。これにより、上記エアクリーナ74から吸気管73内に導入された空気は、サージタンク71を通じて各吸気マニホールド7L,7Rに導入される。
上記シリンダヘッド3L,3Rの吸気ポート31L,31Rにはインジェクタ75L,75Rがそれぞれ設けられており、このインジェクタ75L,75Rからの燃料噴射時にあっては、吸気マニホールド7L,7R内に導入された空気と、このインジェクタ75L,75Rから噴射された燃料とが混合されて混合気となり、吸気バルブ32L,32Rの開弁に伴って燃焼室76L,76Rへ導入されることになる。
燃焼室76L,76Rの頂部には点火プラグ77L,77Rが配設されている。上記燃焼室76L,76Rにおいて、点火プラグ77L,77Rの点火に伴う混合気の燃焼圧力はピストン51L,51Rに伝えられ、ピストン51L,51Rを往復運動させる。このピストン51L,51Rの往復運動はコネクティングロッド52L,52Rを介してクランクシャフトCに伝えられ、回転運動に変換されてエンジンEの出力として取り出されることになる。また、上記各カムシャフト35L,35R,36L,36Rは、クランクシャフトCから取り出される動力がタイミングチェーンによって伝達されて回転駆動され、この回転によって上記各バルブ32L,32R,34L,34Rの開閉動作を行わせる。
上記燃焼後の混合気は排気ガスとなり、排気バルブ34L,34Rの開弁に伴い排気マニホールド8L,8Rに排出される。排気マニホールド8L,8Rには排気管81L,81Rがそれぞれ接続され、更に、排気管81L,81Rには三元触媒等を内蔵した触媒コンバータ82L,82Rが取り付けられている。この触媒コンバータ82L,82Rを排気ガスが通過することにより、排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び酸化窒素成分(NOx)が浄化されるようになっている。また、上記排気管81L,81Rの下流端側は合流されてマフラ83に接続されている。
−制御ブロックの説明−
以上のエンジンEの運転状態はエンジンECU(Electronic Control Unit)9によって制御される。このエンジンECU9は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93及びバックアップRAM94などを備えている。
ROM92は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU91は、ROM92に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。
RAM93は、CPU91での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM94は、エンジンEの停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。これらROM92、CPU91、RAM93及びバックアップRAM94は、バス97を介して互いに接続されるとともに、外部入力回路95及び外部出力回路96と接続されている。
外部入力回路95には、水温センサ101、エアフローメータ102、吸気温センサ103、A/Fセンサ104a、O2センサ104b、スロットルポジションセンサ105、クランク角センサ106、カム角センサ107、ノックセンサ108、吸気圧センサ109、アクセル開度センサ110等が接続されている。一方、外部出力回路96には、上記インジェクタ75L,75R、イグナイタ111及び、スロットルバルブ72を駆動するスロットルモータ72a等が接続されている。
上記水温センサ101は、シリンダブロック1に形成されているウォータジャケット11内を流れる冷却水の温度を検出し、その冷却水温信号をエンジンECU9に送信する。
エアフローメータ102は、吸入空気量を検出し、その吸入空気量信号をエンジンECU9に送信する。
吸気温センサ103は、上記エアクリーナ74の下流側に配設され、吸入空気温度を検出して、その吸気温信号をエンジンECU9に送信する。
A/Fセンサ104aは、各触媒コンバータ82L,82Rの上流側に配設され、例えば限界電流式の酸素濃度センサが適用されている。そして、このA/Fセンサ104aは、広い空燃比領域に亘って空燃比に対応した出力電圧を発生し、その電圧信号をエンジンECU9に送信する。
2センサ104bは、各触媒コンバータ82L,82Rの下流側に配設され、例えば起電力式(濃淡電池式)の酸素濃度センサが適用されている。そして、このO2センサ104bは、排気中の空燃比が理論空燃比にあるか否かを判定しその判定信号をエンジンECU9に送信する。
スロットルポジションセンサ105は、スロットルバルブ72の開度を検出するものであって、そのスロットル開度検出信号をエンジンECU9に送信する。
クランク角センサ106は、クランクシャフトCの近傍に配設されており、クランクシャフトCの回転角(クランク角CA)及び回転速度(エンジン回転速度)を検出するものである。具体的に、このクランク角センサ106は、所定のクランク角(例えば18°)毎にパルス信号を出力する。このクランク角センサ106によるクランク角の検出手法の一例としては、クランクシャフトCと回転一体のロータ(NEロータ)106aの外周面の18°おきに外歯を形成しておき、この外歯と対面して電磁ピックアップで成る上記クランク角センサ106を配置する。そして、クランクシャフトCの回転に伴って外歯がクランク角センサ106の近傍を通過した際に、このクランク角センサ106が出力パルスを発生するようになっている。
カム角センサ107は、吸気カムシャフト35L,35Rの近傍に配設されており、例えば第1番気筒の圧縮上死点(TDC)に対応してパルス信号を出力することにより気筒判別センサとして使用される。つまり、このカム角センサ107は、吸気カムシャフト35L,35Rの1回転毎にパルス信号を出力する。このカム角センサ107によるカム角の検出手法の一例としては、吸気カムシャフト35L,35Rと回転一体のロータの外周面の1箇所に外歯を形成しておき、この外歯と対面して電磁ピックアップで成る上記カム角センサ107を配置し、吸気カムシャフト35L,35Rの回転に伴って外歯がカム角センサ107の近傍を通過した際に、このカム角センサ107が出力パルスを発生するようになっている。上記ロータはクランクシャフトCの1/2の回転速度で回転するため、クランクシャフトCが720°回転する毎に出力パルスを発生する。言い換えると、ある特定の気筒が同一行程(例えば第1番気筒が圧縮上死点に達した時点)となる度に出力パルスを発生する構成である。
ノックセンサ108は、各バンク2L,2Rそれぞれに配設され、シリンダブロック1に伝わるエンジンの振動を圧電素子式(ピエゾ素子式)または電磁式(マグネット、コイル)などによって検出する振動式センサであり、シリンダブロック1の振動の大きさに応じた出力信号をエンジンECU9に送信する。
吸気圧センサ109は、サージタンク71に取り付けられており、吸気管73内の圧力(吸気管内圧力)を検出し、その吸気圧信号をエンジンECU9に送信する。
アクセル開度センサ110は、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)に応じた検出信号を出力するものであり、単位時間あたりのアクセル開度の変化量を認識することによってアクセルの操作速度を認識できるようになっている。
そして、エンジンECU9は、上記各種センサ101〜110の出力信号に基づいて、イグナイタ111、インジェクタ75L,75R、スロットルモータ72a等の各部を制御することにより、点火時期制御等を含むエンジンEの各種制御を実行する。
その一例として、イグナイタ111,111による点火プラグ77L,77Rの点火タイミングの基本制御としては、点火タイミングがMBT(Minimum Spark Advance for Best Torque:最適点火時期)に近付くように点火タイミングの進角補正を行っていきながら、ノックセンサ108,108によってノッキングが検知された場合には、点火タイミングの遅角補正を行ってノッキングを解消するといった制御が行われる。
また、インジェクタ75L,75Rの燃料噴射の制御としては、エンジン負荷やエンジン回転数等に基づいて目標空燃比を算出し、エアフローメータ102によって検出された吸入空気量に基づき、上記目標空燃比が得られるように燃料噴射量の制御(インジェクタ75L,75Rの開弁時間の制御)が行われる。この際、上記A/Fセンサ104a及びO2センサ104bの各出力に基づいて排気ガス中の酸素濃度を算出し、その算出した酸素濃度から得られる実際の空燃比を目標空燃比(例えば理論空燃比)に一致させるように、インジェクタ75L,75Rによる燃料噴射量を制御するといった空燃比フィードバック制御が行われる。
また、スロットルモータ72aの駆動制御としては、運転者により操作されるアクセルペダルの開度等に基づき、要求されたエンジン出力を得るための吸入空気量となるスロットルバルブ72の開度が得られるようにスロットルモータ72aの駆動量が制御される。
また、エンジンECU9は、後述する減筒運転制御も実行するようになっている。以下、この減筒運転について説明する。
−減筒運転−
本実施形態に係るV型エンジンEは、左側バンク2L及び右側バンク2Rのうち一方のバンク(例えば左側バンク2L)に属する気筒群(本実施形態では5気筒)の稼働を休止する減筒運転が可能となっている。つまり、エンジンEのアイドリング時等のように、余剰出力のある状態では、各気筒に掛かる負荷が小さいため、吸排気損失が大きくなり、燃焼効率の悪化が懸念される。このため、無負荷時や軽負荷時には、一方のバンクの気筒への燃料供給を遮断して、これら気筒を休止させる減筒運転を行い、燃料が供給される稼動気筒(他方のバンクの気筒)の負荷を高めて運転効率を上げることにより、燃料消費率の改善を図るようにしている。
この減筒運転の具体的な動作としては、上記クランク角センサ106からの出力信号に基づいて算出されるエンジン回転数、スロットルポジションセンサ105により検出されるスロットルバルブ72の開度等に基づいて、エンジンEがアイドリング等の無負荷状態や軽負荷状態にあるか否かを判定し、無負荷状態や軽負荷状態にある際には減筒運転実行条件が成立したと判定するようにしている。実際に減筒運転を実行するか否かの判定動作については後述する。
また、本実施形態では、減筒運転の実行時には、常に左側バンク2Lの5気筒について稼働を休止するようにしている。その理由は、図示しないが、燃料タンク内で発生した蒸発燃料が右側バンク2Rの吸気マニホールド7Rに導入される構成となっており、この蒸発燃料を処理する必要があることから、この右側バンク2Rの5気筒については稼働を継続させるためである。
尚、減筒運転としては、これに限らず、減筒運転への移行時に、前回の減筒運転時に稼働していたバンクを休止バンクとし、前回の減筒運転時に休止していたバンクを稼働バンクとして運転するようにしてもよい。つまり、減筒運転が開始される度に、休止させるバンクを交互に切り換えることで、各気筒の累積稼働時間の均一化を図り、エンジンEの長寿命化を図るものである。
また、本実施形態においては、減筒運転中は、休止気筒の吸気バルブ32L及び排気バルブ34Lについては、全気筒運転中と同様に開閉動作を行うようにしている。これにより、減筒運転を実行しない従来のエンジンからの大きな設計変更を必要とすることなしに、本実施形態に係るエンジンEを構築することができるようにしている。
尚、減筒運転中は、休止気筒の吸気バルブ32L及び排気バルブ34Lについては全閉状態としてもよい。これによれば、休止気筒でのピストン51Lの往復動によるポンピングロスを低減でき、エンジンEの効率の向上を図ることができる。
−クラッチ機構CL及びクラッチ作動装置の概略構成−
次に、上記クラッチ機構CL(トルク伝達機構)及びこのクラッチ機構CLを作動させるためのクラッチ作動装置の概略構成について簡単に説明する。
図5は、本実施形態におけるクラッチ機構CL及びクラッチ作動装置CL1の概略構成を示す図である。この図5に示すように、クラッチ機構CLは、エンジンEと手動変速機MTとの間に配設されている。そして、エンジンEの出力軸であるクランクシャフトCに取り付けられたフライホイール201に対向してプレッシャプレート202が配置され、これらフライホイール201とプレッシャプレート202との間にクラッチディスク203が配置されている。
上記プレッシャプレート202は、フライホイール201に対して接近離隔するよう保持されており、その背面側(フライホイール201の配設位置とは反対側)に配置されたダイアフラムスプリング204によってフライホイール201側に押圧されている。
また、上記クラッチディスク203は、周辺部分に摩擦材を取り付けた薄板環状の部材であって手動変速機MTの入力軸300に取り付けられている。更に、上記ダイヤフラムスプリング204は、その半径方向における中間部を支点として保持されており、その中心部分を軸線方向に押圧することにより、上記支点を中心に撓んでプレッシャプレート202の押圧を解除するようになっている。このような解放操作を行うために、ダイアフラムスプリング204の中心側の背面には、レリーズベアリング205が接触状態で配置されており、このレリーズベアリング205をレリーズフォーク206によって軸線方向に前後動させるようになっている。なお、このレリーズフォーク206は、支点207を中心に回動してテコ作用を行うものであり、その一端部がレリーズシリンダ208に連結されている。
一方、クラッチ作動装置CL1は、上述の如く構成されたクラッチ機構CLを作動させて、クラッチ係合状態とクラッチ解放状態とを切り換えるための駆動源となる装置であり、上記レリーズフォーク206、レリーズシリンダ208の他、マスタシリンダ(図示省略)及びアキュムレータ(図示省略)等を備えた構成となっている。
上記レリーズシリンダ208は、アジャスト用のコイルスプリング209をピストン210の背面側に配置したものであり、このピストン210に一体に設けたプッシュロッド211の先端部が上記レリーズフォーク206の一端部に連結されている。また、コイルスプリング209が収容されている油室に金属製(例えばステンレス製)のクラッチチューブ212が接続されている。
上記アキュムレータは、上記クラッチチューブ212を介してレリーズシリンダ208に接続されており、油圧供給路内で発生した油圧脈動を減衰するための油圧機器として機能するものである。
上記クラッチ作動装置CL1によるクラッチ機構CLの動作について以下に説明する。先ず、車両の走行中または停車中に、手動変速機MTのシフトポジションを設定または切り換えるために運転者によりクラッチペダルが踏み込まれると、クラッチマスタシリンダで発生した油圧がマスタシリンダ側クラッチチューブ、アキュムレータ、クラッチチューブ212を介してレリーズシリンダ208の油室に伝達される。これにより、レリーズシリンダ208のピストン210が図5における左側に移動し、レリーズフォーク206が支点207を中心にして回動する。それに伴ってレリーズベアリング205が図5の左方向に移動してダイヤフラムスプリング204の中心部分を押圧し、ダイヤフラムスプリング204がその半径方向での中間部を中心に変形してプレッシャプレート202が図5の右方向に後退する。すなわちクラッチディスク203に対するプレッシャプレート202とフライホイール201とによる挟圧が解除され、クラッチが解放されてトルクの伝達が遮断される。
一方、クラッチペダルが踏み込まれていない場合には、上記油圧は生じていないため、プッシュロッド211を図5の左方向に押圧する力が生じず、従って、プレッシャプレート202はダイヤフラムスプリング204に押されてクラッチディスク203をフライホイール201との間で挟み付け、クラッチが係合状態になっている。従って、エンジンEの出力トルクがクラッチ機構CLを介して手動変速機MTの入力軸300に伝達されることになる。
以上が、クラッチ機構CL及びこのクラッチ機構CLの構成及びその動作である。
−減筒運転切り換え制御−
次に、本実施形態の特徴とする制御動作である減筒運転切り換え制御について説明する。この減筒運転切り換え制御は、上記全気筒運転と減筒運転との間でエンジンEの運転状態を切り換えるための制御である。
具体的には、上述した減筒運転実行条件が成立した場合であって、且つ上記クラッチ機構CLが解放状態となっているか又は手動変速機MTがニュートラル状態となっている場合に、全気筒運転から減筒運転への切り換えを実行するようになっている。つまり、車両の走行中であっても全気筒運転から減筒運転へ切り換えを可能とする制御である。
以下、この減筒運転切り換え制御について具体的に説明する。この減筒運転切り換え制御では、クラッチ機構CLが解放状態となっているか否かを判定するために、エンジン回転速度(エンジン回転数)の変動幅を算出する動作を行う。そして、この算出されたエンジン回転速度の変動幅に基づいてクラッチ機構CLが解放状態となっているか否かを判定し、これによって全気筒運転から減筒運転への切り換えを許可するか否かを判断するようにしている。以下、具体的に説明する。
(エンジン回転速度の変動幅算出動作)
先ず、エンジン回転速度の変動幅を算出する動作について図6及び図7を用いて説明する。図6は、このエンジン回転速度の変動幅を算出するための動作手順を示すフローチャートである。この図6に示すルーチン(クランク角同期ルーチン)は、クランクシャフトCの所定角度回転毎に実行される。具体的には、クランク角センサ106からパルス信号が出力される毎、つまり、クランクシャフトCが18°CAだけ回転する毎に実行される。また、図7は、エンジン回転速度の変動に起因するクランクシャフトCの角速度の変化の一例を示す波形図であって、上側の波形は上記クランク角センサ106からのクランク位置信号である。このクランク位置信号は、何れかの気筒が圧縮上死点に達する度にリセットされる。10気筒エンジンの場合、クランクシャフトCが72°CAだけ回転する毎に何れかの気筒が圧縮上死点に達するので、このクランク位置信号は、クランクシャフトCが72°CAだけ回転する毎にリセットされる。
また、図7における下側の波形のうち実線は、クランクシャフトCの回転で18°CA毎に求められる回転速度(クランクシャフトCの角速度)を示しており、破線は、その変化を滑らかに繋いだ回転変動波形である。つまり、エンジン回転速度の変動が小さい期間では、18°CA毎に検出される回転速度の変化が小さいため、回転変動波形の振幅は小さくなる。逆に、エンジン回転速度の変動が大きい期間では、18°CA毎に検出される回転速度の変化が大きいため、回転変動波形の振幅は大きくなる。
このエンジン回転速度の変動幅算出動作では、先ず、クランク角センサ106からパルス信号が出力されると、ステップST1において、この際のクランクシャフトCの回転速度(NE18)を算出し、この回転速度NE18を更新する。具体的には、前回、クランク角センサ106からパルス信号が出力されてから、今回、クランク角センサ106からパルス信号が出力されるまでの時間(クランクシャフトCが18°CAだけ回転するのに要した時間)を計測し、この時間の逆数の値として回転速度NE18を求め、前回のルーチンで求められた「NE18」をキャンセルして、今回の「NE18」に更新する。
このようにして「NE18」を更新した後、ステップST2に移り、現在のクランクシャフトCの位置は、何れかの気筒が下死点(BDC:Bottom Dead Center)付近にあるか否かを判定する。ここでいう下死点付近にあるか否かの判定として具体的には、例えば、何れかのピストン51L,51Rの下死点に対応するクランクシャフトCの回転位置に対して、正回転側及び逆回転側にそれぞれ5°CA程度の範囲内にあるか否かを判断するものである。この値はこれに限定されるものではない。
また、この判定を行うための具体的な手法としては、上記クランク角センサ106からの出力信号及びカム角センサ107からの出力信号に基づいてクランクシャフトCの回転位置を認識することにより判定される。例えば、図7においてクランク位置信号BDC−1が出力されているタイミングであれば、何れかの気筒がBDC付近にあると判定し、ステップST2ではYES判定されることになる。また、図7においてクランク位置信号BDC−2やBDC−3が出力されているタイミングにおいても、何れかの気筒がBDC付近にあると判定し、ステップST2ではYES判定されることになる。
そして、何れかの気筒がBDC付近にあり、ステップST2でYES判定された場合には、ステップST3に移る。このステップST3では、上記ステップST1において更新された上記「NE18」の値を読み込み、これを新たな「下死点クランク速度(NEH)」として記憶する。つまり、この場合、何れかの気筒がBDC付近にある場合の回転速度「NE18」が「NEH」として記憶されることになる。
一方、何れの気筒もBDC付近にはなく、ステップST2でNO判定された場合には、ステップST4に移る。このステップST4では、現在のクランクシャフトCの位置は、何れかの気筒が上死点(TDC:Top Dead Center)付近にあるか否かを判定する。ここでいう上死点付近にあるか否かの判定として具体的には、例えば、何れかのピストン51L,51Rの上死点に対応するクランクシャフトCの回転位置に対して、正回転側及び逆回転側にそれぞれ5°CA程度の範囲内にあるか否かを判断するものである。この値はこれに限定されるものではない。
また、この判定を行うための具体的な手法としては、上記クランク角センサ106からの出力信号及びカム角センサ107からの出力信号に基づいてクランクシャフトCの回転位置を認識することにより判定される。例えば、図7においてクランク位置信号TDC−1が出力されているタイミングであれば、何れかの気筒がTDC付近にあると判定し、ステップST4ではYES判定されることになる。また、図7においてクランク位置信号TDC−2やTDC−3が出力されているタイミングにおいても、何れかの気筒がTDC付近にあると判定し、ステップST4ではYES判定されることになる。
何れの気筒もTDC付近にはなく、ステップST4でNO判定された場合には、本ルーチンを一旦終了する。
一方、何れかの気筒がTDC付近にあり、ステップST4でYES判定された場合には、ステップST5に移る。このステップST5では、上記ステップST3において記憶された「NEH(何れかの気筒がBDC付近にあった場合の回転速度NE18)」から、今回の回転速度「NE18(何れかの気筒がTDC付近にある場合の回転速度NE18)」を減算し(ΔNE=NEH−NE18)、これを「回転変動幅(回転速度の変動幅)ΔNE」として算出する。つまり、何れかの気筒がBDC付近にある場合の回転速度NE18(=NEH)が大きく、何れかの気筒がTDC付近にある場合の回転速度NE18が小さい場合には、回転変動幅ΔNEとしては大きな値として算出される。このようにして求められた回転変動幅ΔNEは、一旦RAM93に格納される。
本実施形態に係るエンジンEは10気筒であって、クランクシャフトCの回転角度で72°毎に何れかの気筒が燃焼行程を迎えるものである。このため、クランクシャフトCの回転角度で36°毎に、何れかの気筒の圧縮上死点と他の気筒の膨張下死点とが交互に現れることになる(図7参照)。その結果、図6に示したフローチャートにあっては、ステップST3で「NEH」として記憶される動作と、ステップST4でNO判定されて回転速度「NE18」を検出しない動作と、ステップST5でΔNEが算出される動作とが順に行われることになる。
(減筒運転切り換え制御)
次に、上述の如く算出された回転変動幅ΔNEを利用する減筒運転切り換え制御について図8及び図9を用いて説明する。図8は、エンジンEの運転切り換え動作の手順を示すフローチャートである。この図8に示すルーチンは、所定時間毎、または、上記図6で示した算出動作によって上記回転変動幅ΔNEが算出される毎に実行される。
また、図9は、エンジン回転数の変動の一例を示す波形であって、上段の波形は上記クラッチ機構CLが解放状態となっている場合の回転変動波形を示しており、下段の波形は上記クラッチ機構CLが係合状態(且つ手動変速機MTがニュートラルでない状態)となっている場合の回転変動波形を示している。このように、クラッチ機構CLが係合状態となっている場合には、エンジンEは手動変速機MTを介して後輪T,Tに繋がっているため、その膨張行程での回転速度と圧縮行程での回転速度との差は比較的小さくなる。つまり、回転変動幅が小さくなる(図中のΔNE2を参照)。これは、エンジンEから後輪T,Tに亘る動力伝達系(クラッチ機構CL、手動変速機MT、プロペラシャフトPS等)が、エンジンEの回転負荷となり、エンジンEの回転慣性力を高めることになって回転変動を抑えるように働くからである。これに対し、クラッチ機構CLが解放状態となっている場合には、エンジンEは手動変速機MTや後輪T,Tに繋がっておらず、その膨張行程での回転速度と圧縮行程での回転速度との差は比較的大きくなる。つまり、回転変動幅が大きくなる(図中のΔNE1を参照)。これは、エンジンEから後輪T,Tに亘る動力伝達系が、エンジンEの回転負荷とはならず、エンジンEの回転慣性力が低くなって、膨張行程では回転速度が高くなり、圧縮行程では回転速度が低くなるからである。
減筒運転切り換え制御では、先ず、エンジンE及び車両の運転状態が認識される。具体的には、上記水温センサ101からの冷却水温信号によって、ウォータジャケット11内を流れる冷却水の温度を認識する。また、スロットルポジションセンサ105からのスロットル開度検出信号によってスロットルバルブ72の開度を認識する。また、クランク角センサ106からのパルス信号に基づいてエンジン回転数を認識し、所定期間における平均エンジン回転数を認識する。例えば、上記回転変動幅ΔNEを算出している期間中の平均エンジン回転数を認識する。更に、触媒コンバータ82L,82Rの温度を認識する。これは、現在のエンジン運転状態から推定される。具体的には、エンジン回転数とエンジン負荷(スロットルバルブ開度等)とから触媒コンバータ82L,82Rの温度を推定する触媒温度推定マップを上記ROM92に記憶させておき、この触媒温度推定マップに、現在のエンジン回転数及びエンジン負荷を当て嵌めることで触媒コンバータ82L,82Rの温度を推定する。また、触媒コンバータ82L,82Rの温度推定動作としては、排気ガス温度から推定するようにしてもよい。例えば、触媒コンバータ82L,82Rの上下流に排気ガス温度センサをそれぞれ備えさせ、これら排気ガス温度センサで検出された排気ガス温度に基づいて触媒コンバータ82L,82Rの温度を推定するものである。また、触媒コンバータ82L,82Rの温度を直接的に検出するようにしてもよい。
このようにして、エンジンE及び車両の運転状態が認識された状態で、冷却水温信号が70℃以上であるか否か(ステップST11)、スロットル開度が略全閉であるか否か(ステップST12)、平均エンジン回転数が1200rpm以下であるか否か(ステップST13)、触媒コンバータ82L,82Rの温度が450℃以上であるか否か(ステップST14)がそれぞれのステップ(ST11〜ST14)で判定される。
そして、各ステップのうち何れかでNO判定された場合にはステップST16に移り、全気筒運転を実行する。つまり、それまで全気筒運転が実行されていた場合には、この全気筒運転を継続する一方、それまで減筒運転が実行されていた場合には、この減筒運転から全気筒運転に切り換える。即ち、エンジンEの暖機運転が終了してしていない場合、アイドリング状態でなくエンジンEにトルク要求がなされている場合、触媒コンバータ82L,82Rの活性が不十分である場合などにあっては、全気筒運転を実行するようにしている。
一方、上記各ステップ(ST11〜ST14)において何れもYES判定された場合(上記減筒運転実行条件が成立した場合)にはステップST15に移る。このステップST15では、上述の如く算出された回転変動幅ΔNEが所定の回転変動幅閾値以上となっているか否かを判定する。
この回転変動幅閾値は、上記平均エンジン回転数NEに所定の係数(本実施形態では「0.08」)を乗算することで求められる。また、このステップST15では、手動変速機MTがニュートラル状態となっているか否かについても判定する(トルク伝達認識手段によるトルク非伝達状態にあるか否かの判定動作)。この手動変速機MTがニュートラル状態となっているか否かの判定は、例えば、手動変速機MTがニュートラル状態にあるときにON作動するニュートラルスイッチの出力などに基づいて判定される。
そして、回転変動幅ΔNEが所定の回転変動幅閾値(NE×0.08)以上となっているか又は手動変速機MTがニュートラル状態となっている場合には、ステップST15でYES判定されてステップST16に移り、減筒運転を実行する。例えば、図9の上段の波形に示すような回転変動波形となっている場合には、回転変動幅ΔNE1が所定の回転変動幅閾値(例えば図中のΔNE0=NE×0.08)以上となっているため、クラッチ機構CLが解放状態にあると認識されて、ステップST15でYES判定される。
ステップST17にあっては、それまで減筒運転が実行されていた場合には、この減筒運転を継続する一方、それまで全気筒運転が実行されていた場合には、この全気筒運転から減筒運転に切り換える。つまり、一方のバンク2Lの各気筒への燃料供給を遮断して、これら気筒を休止させる(減筒運転切換手段による減筒運転への移行動作)。
このように本実施形態では、車両が停車状態にあることを減筒運転への移行条件とはせず、回転変動幅ΔNEが所定の回転変動幅閾値以上となっているか又は手動変速機MTがニュートラル状態となっていることを減筒運転への移行条件の一つとしている。このため、車両走行中であっても、減筒運転に移行させることが可能になるので、車両の停車を待たずして減筒運転を開始することが可能になる。つまり、従来では、車両が停車した後でなければ減筒運転を開始しなかったが、本実施形態では、車両の停車を待つことなしに減筒運転に移行させることができるので、この減筒運転の開始タイミングを従来のものよりも早期に設定することができる。このため、減筒運転への移行時における車両の振動を回避しながらも、減筒運転の実行期間を長く得ることができて燃料消費率の改善を図ることができる。
また、本実施形態によれば、車両が停車する前の減速途中で全気筒運転から減筒運転へ移行させることができる。つまり、車両の停車状態で、全気筒運転から減筒運転へ移行するといった状況が発生しないようにできる。車両の停車状態で、全気筒運転から減筒運転へ移行した場合(従来の制御の場合)、この移行に伴うエンジン自体の音が変化したり振動が発生したりして乗員に違和感を与える可能性があった。本実施形態によれば、車両が停車した際には既に全気筒運転から減筒運転へ移行しているので、このような違和感を生じさせることがなくなり、ドライバビリティの改善を図ることができる。
また、本実施形態に係るエンジンEは、減筒運転中にあっては、休止気筒の吸気バルブ32L及び排気バルブ34Lについては、全気筒運転中と同様に開閉動作を行うようにしていた。このように、休止気筒の吸気バルブ32L及び排気バルブ34Lを開閉動作させる場合、減筒運転が継続することで触媒コンバータ82L,82Rの温度が低下し、その活性が不十分になる可能性があるが、本実施形態では、上述した如く触媒コンバータ82L,82Rの温度が所定値以上(450℃以上)であることを減筒運転への移行条件の一つとしているため、触媒コンバータ82L,82Rの温度の低下を抑制することができ、その活性状態を維持することができる。また、エンジン回転数が比較的低いこと(1200rpm以下)を減筒運転への移行条件の一つとしている。つまり、排気系に流れる空気量が比較的少ないことを減筒運転への移行条件の一つとしている。これによっても触媒コンバータ82L,82Rの温度の低下を抑制することができるようにしている。
また、本実施形態のエンジンEは10気筒であって、クランクシャフトCの回転角度で72°毎に何れかの気筒が燃焼行程を迎えるものである。このため、一部の気筒が圧縮上死点に達した際に他の一部の気筒が膨張下死点に達するといった状況は招かない。つまり、ある気筒が膨張下死点にある際には、その気筒の燃焼行程から2回後に燃焼行程を迎える気筒の圧縮上死点でのクランク角位置と3回後に燃焼行程を迎える気筒の圧縮上死点でのクランク角位置との中間のクランク角位置に達しているので、図9に示すように、エンジンE回転変動幅が一定の周期をもって正弦波として現れることになる。このため、この10気筒エンジンEでは、この回転変動幅の算出を高い精度で行うことができ、本発明を実施するのに適している。
(変形例)
上述した実施形態では、上記回転変動幅閾値と比較されるエンジンEの回転変動幅ΔNEとしては、何れかのピストン51L,51Rが圧縮上死点付近にある場合の回転速度と、何れかのピストン51L,51Rが膨張下死点付近にある場合の回転速度との差によって算出される。そして、この回転変動幅ΔNEの算出の度に、この回転変動幅ΔNEが回転変動幅閾値よりも大きいか否かによって、クラッチ機構CLが解放状態となっているか否かを判断するようにしていた。
本変形例では、これに代えて、何れかのピストン51L,51Rが圧縮上死点付近にある場合の回転速度と、何れかのピストン51L,51Rが膨張下死点付近にある場合の回転速度との差を、所定期間だけ継続して複数回に亘って求め、その平均値が上記回転変動幅閾値よりも大きいか否かによって、クラッチ機構CLが解放状態となっているか否かを判断するようにしている。つまり、図6で示した上記回転変動幅ΔNEの算出動作を複数回(例えば4回)繰り返し、これらの平均値と上記回転変動幅閾値とを比較する(図8で示した減筒運転切り換え制御を実行する)ことによってクラッチ機構CLが解放状態となっているか否かを判断するものである。
これによれば、クランク角センサ106からの出力信号に一時的に外乱が入ったとしても、その影響を小さくしてクラッチ機構CLが解放状態となっているか否かを正確に判断することが可能である。
また、このように、何れかのピストン51L,51Rが圧縮上死点付近にある場合の回転速度と何れかのピストン51L,51Rが膨張下死点付近にある場合の回転速度との差の平均値を求めるものに代えて、これら回転速度の差の所定回数(例えば4回)のなまし値を求め、この値と、上記回転変動幅閾値とを比較することによって、クラッチ機構CLが解放状態となっているか否かを判断するようにしてもよい。
この場合にも、上記外乱の影響を小さくしてクラッチ機構CLが解放状態となっているか否かを正確に判断することが可能である。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態では、自動車用V型エンジンEに本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、自動車用水平対向型エンジン、自動車用直列型エンジン等に対しても適用可能である。また、ガソリンエンジンに限らずディーゼルエンジンにも適用可能である。更に、気筒数、燃料噴射方式、その他、エンジンEの仕様は特に限定されるものではない。例えば上述したようなエンジンEの回転変動に基づいてクラッチ機構CLが解放状態にあるか否かを判断するといった手法は3気筒エンジンや6気筒エンジンにも適用可能である。
また、上記実施形態では、スロットル開度が略全閉であることが、減筒運転への移行条件の一つとして設定されていた。これに代えて、ドライバによるアクセルペダルの操作量が「0」であることを減筒運転への移行条件の一つとして設定するようにしてもよい。この場合、アクセルペダルが完全に離された位置、つまり踏み込み量がゼロになったときにオン作動するアイドルスイッチを備えさせ、このアイドルスイッチがオン作動したことでアクセルペダルの操作量が「0」となったことが検出できるようにする。
また、上記実施形態では、エンジン回転速度の変動幅に基づいて、クラッチ機構CLが解放状態となっているか否かを認識するようにしていた。本発明はこれに限らず、クラッチペダルの踏み込み量が所定量以上になったときにオン作動するクラッチスイッチを備えさせ、このクラッチスイッチの出力に基づいて、クラッチ機構CLが解放状態となっているか否かを認識するようにしてもよい。また、手動変速機MTの入出力回転数差から認識するようにしてもよい。
また、一般的なマニュアルトランスミッションと同様の平行歯車式変速機で構成され且つ変速動作(ギヤ段の切り換え動作)をシフトアクチュエータ及びセレクトアクチュエータ等によって自動的に行う自動化マニュアルトランスミッション(AMT)を搭載した自動車に対しても本発明は適用可能である。
更に、上記実施形態では、エンジン回転速度に基づいて、クラッチ機構CLが解放状態となっているか否かを認識する場合について説明した。本発明は、これに限らず、クランクシャフトCが所定角度(例えば18°CA)だけ回転するのに要した時間(所要時間)に基づいて、クラッチ機構CLが解放状態となっているか否かを認識するようにしてもよい。つまり、あるピストンが圧縮上死点付近にある場合の上記所要時間とピストンが膨張下死点付近にある場合の上記所要時間との差に基づいて上記回転変動幅ΔNEを算出するものである。
実施形態に係る車両に搭載されたパワートレーンの概略構成を示す図である。 実施形態に係るV型エンジンをクランクシャフトの軸心に沿った方向から見たエンジン内部の概略構成を示す図である。 エンジン、吸排気系及び制御系の概略を示すシステム構成図である。 エンジンの制御系を示すブロック図である。 実施形態におけるクラッチ機構及びクラッチ作動装置の概略構成を示す図である。 クランク角同期ルーチンを示すフローチャート図である。 クランクシャフトの角速度の変化の一例を示す波形図である。 減筒運転と全気筒運転との間での切り換え制御の手順を示すフローチャート図である。 上段の波形はクラッチ解放状態でのエンジン回転数変動の一例を示す波形図であり、下段の波形はクラッチ係合状態でのエンジン回転数変動の一例を示す波形図である。
符号の説明
51L,51R ピストン
E エンジン(内燃機関)
CL クラッチ機構(トルク伝達機構)
MT 手動変速機(トルク伝達機構)
T 後輪(駆動輪)

Claims (7)

  1. 複数気筒のうち一部の気筒を選択的に非稼働にする減筒運転が実行可能な多気筒内燃機関の運転制御装置において、
    上記内燃機関の出力トルクを駆動輪に向けて伝達するトルク伝達機構がトルク伝達状態にあるかトルク非伝達状態にあるかを認識可能なトルク伝達認識手段と、
    上記トルク伝達認識手段が、トルク伝達機構がトルク伝達状態であることを認識している場合には、減筒運転への移行を禁止する一方、上記トルク伝達認識手段が、トルク伝達機構がトルク非伝達状態となったことを認識した場合には、所定の減筒運転実行条件が成立していることを条件に、車両走行中であっても減筒運転に移行させる減筒運転切換手段を備えていることを特徴とする多気筒内燃機関の運転制御装置。
  2. 上記請求項1記載の多気筒内燃機関の運転制御装置において、
    上記トルク伝達機構はクラッチ機構または変速機構であって、
    上記トルク伝達認識手段は、上記クラッチ機構が解放状態となっていること、及び、上記変速機構がニュートラル状態となっていることのうち少なくとも一方が成立している場合に、トルク伝達機構がトルク非伝達状態にあると認識するよう構成されていることを特徴とする多気筒内燃機関の運転制御装置。
  3. 上記請求項1または2記載の多気筒内燃機関の運転制御装置において、
    上記トルク伝達認識手段は、内燃機関の回転変動幅が所定の回転変動幅閾値を超えている場合に、トルク伝達機構がトルク非伝達状態であると認識するよう構成されていることを特徴とする多気筒内燃機関の運転制御装置。
  4. 上記請求項3記載の多気筒内燃機関の運転制御装置において、
    上記所定の回転変動幅閾値は、所定期間内における内燃機関の平均回転速度、または、所定回転角度だけ回転するのに要した時間の複数のサンプリング値の平均値に、所定の係数を乗じた値として設定されていることを特徴とする多気筒内燃機関の運転制御装置。
  5. 上記請求項3または4記載の多気筒内燃機関の運転制御装置において、
    上記回転変動幅閾値と比較される内燃機関の回転変動幅は、内燃機関のピストンが圧縮上死点付近にある場合の回転速度または圧縮上死点付近において所定回転角度だけ回転するのに要した時間と、ピストンが膨張下死点付近にある場合の回転速度または膨張下死点付近において所定回転角度だけ回転するのに要した時間との差に基づいて求められたものであることを特徴とする多気筒内燃機関の運転制御装置。
  6. 上記請求項3または4記載の多気筒内燃機関の運転制御装置において、
    上記回転変動幅閾値と比較される内燃機関の回転変動幅は、内燃機関のピストンが圧縮上死点付近にある場合の回転速度または圧縮上死点付近において所定回転角度だけ回転するのに要した時間と、ピストンが膨張下死点付近にある場合の回転速度または膨張下死点付近において所定回転角度だけ回転するのに要した時間との差の平均値、または、この差のなまし値に基づいて求められたものであることを特徴とする多気筒内燃機関の運転制御装置。
  7. 上記請求項5または6記載の多気筒内燃機関の運転制御装置において、
    上記多気筒内燃機関は、10気筒内燃機関であって、クランクシャフトの回転角度で72°回転毎に何れかの気筒が燃焼行程を迎えるものとして構成されていることを特徴とする多気筒内燃機関の運転制御装置。
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