JP2010149688A - エアバッグ - Google Patents

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Abstract

【課題】テザーの縫合作業を簡便にしても、膨張時のテザーの直線状縫合部の端部への応力集中を緩和できるエアバッグを提供すること。
【解決手段】エアバッグ30は、膨張完了時の周壁31における対向する対向壁部32,33相互の離隔距離を規制するテザー41が、両縁41a,41bを対向壁部相互に縫合させて、配設される。テザー41の縫合部44は、直線状に縫合する直線状縫合部45を設けて、対向壁部相互の離隔距離を設定している。テザー41の両端41c、41d側は、エアバッグの自由膨張エリア39に配置されて、拡開縫合部46,47が設けられて、対向壁部に縫合されている。拡開縫合部46,47は、直線状縫合部45に沿って離れる方向側で対向壁部相互を徐々に拡開させるように、直線状縫合部45に沿って離れる方向側で、直線状縫合部の縫合糸Sを連ならせて、直線状縫合部45の端部から曲がる形状としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載されるエアバッグ装置に使用され、エアバッグ装置の作動時に、膨張用ガスを流入させて膨張するエアバッグに関し、詳しくは、膨張完了時の周壁における対向する対向壁部相互を連結して、対向壁部相互の離隔距離を規制するテザー、を内部に設けたエアバッグに関する。
従来、この種のエアバッグとして、例えば、膝保護用のエアバッグとしては、膨張完了時に略長方形板状として、膨張完了時の周壁が、相互に対向する対向壁部を備えるとともに、一方の対向壁部を、膝を受け止める側の膝側壁部とし、他方の対向壁部を、コラムカバー等の車体側となる車体側壁部として、構成されていた(例えば、特許文献1,2参照)。そして、膨張完了時に、膝と車体との狭い隙間に、容易に配設可能な板形状を維持できるように、エアバッグが、テザーによって厚さ寸法を規制されていた。このテザーは、両縁に相互に平行な直線状に縫合する直線状縫合部を設けて、エアバッグの膨張時の厚さ方向で対向するテザーの両縁を、それぞれ、対向する膝側壁部と車体側壁部とに対して、縫合していた。
なお、運転者用のエアバッグでは、運転者側に球状に突出しないように、略楕円球状に膨張させるために、テザーにより、エアバッグの対向する車体側壁部と運転者側壁部とを連結するものもあった(例えば、特許文献3参照)。しかし、このエアバッグでは、テザーの両縁が、対向する車体側壁部と運転者側壁部とに対して、エアバッグの膨張用ガスの流入口を中心として、その周方向に沿った円弧状に縫合する曲線状縫合部だけで、縫合されており、直線状縫合部を設けて構成されてはいなかった。
特開2003−291769号公報 特開2007−112371号公報 特開2002−12111号公報
しかし、従来のエアバッグでは、直線状縫合部を設けて、対向する膝側壁部と車体側壁部との間の離隔距離を一定にするように、テザーに直線状縫合部を設けて、テザーを対向する対向壁部相互(膝側壁部と車体側壁部)に縫合する場合、エアバッグの膨張時における急激な内圧上昇時、直線状縫合部の端部に応力集中が生じ易い。そのため、特許文献1では、直線状縫合部の端部付近において、対向壁部の破損や縫合糸の破断を招かないように、補強布を厚く重ねて設けたり、あるいは、縫合糸の端末を円環状に返し縫い処理をしたり、半円状として二重縫製ラインとするように反転させ、反転させた端末に返し縫い処理をする等して、テザーの縫合作業に手間が掛かっていた。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、テザーの縫合作業を簡便にしても、膨張時のテザーの直線状縫合部の端部への応力集中を緩和できるエアバッグを提供することを目的とする。
本発明に係るエアバッグは、膨張完了時の周壁における対向する対向壁部相互の離隔距離を規制するテザーが、両縁を対向壁部相互に縫合させて、配設され、
テザーが、対向する対向壁部相互に縫合する縫代部に、直線状に縫合する直線状縫合部を設けて、対向壁部相互の離隔距離を設定しているエアバッグであって、
テザーの両縁の内の少なくとも一方の縁側で、かつ、直線状縫合部の少なくとも一方の端部側が、対向壁部相互を離隔させたエアバッグの自由膨張エリアに配置されて、
自由膨張エリア側におけるテザーの両縁の内の少なくとも一方の縁側が、
対向する対向壁部相互の離隔距離を直線状縫合部に沿って離れる方向側で徐々に拡開させるように、直線状縫合部に沿って離れる方向側の縫代部に、直線状縫合部の縫合糸を連ならせて直線状縫合部の端部から曲がる形状の拡開縫合部を設けて、
対向壁部に縫合されていることを特徴とする。
本発明に係るエアバッグでは、膨張時に、直線状縫合部の端部に応力集中が生じようとしても、直線状縫合部の端部におけるテザーの縫代部に、縫合糸を連ならせて拡開縫合部が設けられている。この拡開縫合部は、対向する対向壁部相互の離隔距離を直線状縫合部に沿って離れる方向側で徐々に拡開させるように、直線状縫合部の端部から曲がる形状として、対向壁部に縫合されている。そのため、直線状縫合部の端部に応力集中が生じようとしても、拡開するように曲がって対向壁部に縫合される形状によって、その部位の縫合糸、テザーの縫代部、及び、対向壁部へ作用する応力が、分散されるように緩和され、その部位に破断や破損が生ずることを防止できる。
そして、このような拡開縫合部は、単に、直線状縫合部の端部から直線状縫合部から離れる側に延設させるように、テザーに縫代部を設けて、その縫代部を、直線状縫合部から連ならせて曲げて縫合するだけで形成でき、容易に、縫合作業を行うことができる。
したがって、本発明に係るエアバッグでは、テザーの縫合作業を簡便にしても、膨張時のテザーの直線状縫合部の端部への応力集中を緩和することができる。
そして、拡開縫合部は、膨張完了時に直線状縫合部の端部までの解れを防止可能な長さ寸法を確保して、テザーの縫代部を対向壁部に縫合して、直線状縫合部から離れる側の縫合糸の端末を、縫合糸の返し縫い処理をせずに、配設してもよい。このような構成では、エアバッグの膨張時、直線状縫合部の端部に応力集中が生じようとしても、拡開縫合部の縫合糸が、返し縫い処理を施されていない端末から、テザーの縫代部や対向壁部を潜り抜けるように、解れて、直線状縫合部の端部の部位の縫合糸は勿論のこと、直線状縫合部の端部の部位のテザーの縫代部や対向壁部に、破断や破損を招くような応力が作用しない。さらに、拡開縫合部では、返し縫いすることなく、単に、縫合糸の端末を切り離すだけの処理で済むことから、一層簡便に、縫合作業を行うことができる。勿論、この場合、直線状縫合部の端部まで縫合糸が解れないように、拡開縫合部の長さ寸法が設定されており、直線状縫合部により、テザーの対向する対向壁部相互の離隔距離は、一定に維持可能となる。
また、拡開縫合部は、直線状縫合部の端部からテーパ状に拡開させてもよいが、円弧状に曲がって延びるように配設すれば、直線状縫合部の端部から、直線状縫合部から離れる側へ、徐々に、曲線状に曲がることとなって、拡開縫合部自体の各部位にも、エアバッグの膨張時の応力集中が部分的に作用し難くなって、直線状縫合部の端部に連なる円弧状の拡開縫合部の全体で、直線状縫合部の端部に作用しようとする応力を緩和でき、一層、エアバッグの膨張時における直線状縫合部の端部の縫合糸、テザーの縫代部、及び、対向壁部の破断や破損を防止できる。
そして、エアバッグが、拡開縫合部を連ならせた直線状縫合部の他方の端部側にも、対向壁部相互を離隔させたエアバッグの自由膨張エリアを備えていれば、拡開縫合部を連ならせた直線状縫合部の他方の端部側にも、拡開縫合部を設けて、テザーの両縁の内の少なくとも一方の縁側の両端を、拡開縫合部を設けて、対向壁部に縫合してもよい。
さらに、エアバッグが、テザーの両縁の内の他方の縁側にも、自由膨張エリアを備えていれば、テザーの両縁の内の他方の縁側にも、拡開縫合部を配設させてもよい。
さらにまた、直線状縫合部と拡開縫合部とは、対向壁部に沿って相互に略平行に縫合糸を縫合する二重縫いして、配設することが望ましい。このような構成では、二重縫いの一方の縫合糸が仮に破断しても、他方の縫合糸が対向壁部相互の離隔距離を規制できて、離隔距離を安定して維持できる。また、テザーの縫代部や対向壁部が、二重縫いによって一体的に板状になって、縫合糸自体の引張強度を向上させなくとも、縫合強度を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態のエアバッグ30が配設されるエアバッグ装置Mは、膝保護用のものであり、図1に示すように、車両のステアリングコラム3に搭載され、コラムカバー12内の下部12c側に折り畳んだエアバッグ30を収納している。実施形態のエアバッグ装置Mは、膨張用ガスを流入させて膨張するエアバッグ30、エアバッグ30に膨張用ガスを供給するインフレーター23、エアバッグ30とインフレーター23とを保持するケース17、エアバッグ30とインフレーター23とをケース17に取り付けるリテーナ25、及び、エアバッグ30の膨張時に開く扉部13,14を備えたコラムカバー12、から構成されている。そして、膨張時のエアバッグ30は、コラムカバー12の扉部13,14を押し開いて、コラムカバー12の下部12c側から下方側に展開膨張し、着座した運転者Dの左右の膝Kの前方側に配置されることとなる。
なお、本明細書での上下・前後・左右の方向は、特に断らない限り、直進時の車両の上下・前後・左右の方向に対応するものである。
コラムカバー12は、図1に示すように、ステアリングコラム3を覆うような略四角筒形状の合成樹脂製として、上下に分割されるアッパカバー部12aとロアカバー部12bとを備え、エアバッグ装置Mのケース17等を介在させて、ステアリングコラム3のコラムチューブ5に取り付けられ、インストルメントパネル(以下、インパネとする)7の収納用開口10から後方側へ突出して、着座した運転者Dの前方に配設されている。なお、ステアリングコラム3は、メインシャフト4とその周囲に配置されるコラムチューブ5とを備えて構成され、メインシャフト4には、ステアリングホイール1が接続されている。インパネ7は、上部側のアッパパネル8と下部側のロアパネル9とから構成されている。
また、コラムカバー12には、下部12c側に、エアバッグ30の突出時における一つの突出用開口15を形成するように、エアバッグ30に押されて前後両側に開く扉部13,14が配設されている。扉部13,14は、ロアカバー部12bの前後方向の中央付近に配設されている。
ケース17は、天井壁部18の前後両縁から下方に延びる側壁20,21を備えた断面逆U字形状の板金製として、天井壁部18には、エアバッグ装置Mをコラムチューブ5に固定する複数のブラケット(図符号省略)が配設されている。また、天井壁部18には、前縁18a付近から下方に延びてさらに前方に延びる取付座19が配設され、取付座19は、リテーナ25と協働して、インフレーター23を保持することとなる。前後の側壁20,21には、コラムカバー12の下部12c側における突出用開口15の前後の縁付近を係止する係止フック(図符号省略)が配設されている。
インフレーター23は、円柱状に形成されて、エアバッグ30内に挿入される先端側に、膨張用ガスを吐出するガス吐出口23aを設けて構成されている。
リテーナ25は、左右方向の両端に開口を備えた四角筒形状の板金製として、上方へ突出する複数(実施形態では二本)のボルト26を備えて構成されている。リテーナ25は、エアバッグ30内に挿入された状態で、インフレーター23のガス吐出口23a側を挿入させ、ボルト26をケース17の天井壁部18にナット27止めすることにより、エアバッグ30とインフレーター23とを、ケース17の天井壁部18に取付固定している。なお、インフレーター23は、ガス吐出口23a側を挿入させたリテーナ25がケース17にナット27止めされる際、天井壁部18の前縁18aを支点とするてこの原理で、取付座66に押し付けられて、ケース17に取付固定されている。エアバッグ30は、リテーナ25と天井壁部18とに挟持されて、ケース17に取付固定されている。
そして、実施形態のエアバッグ30は、図1の二点鎖線や図2〜4に示すように、周壁を構成するバッグ本体31と、バッグ本体31の内部の上下に配設される二つのテザー41,51と、を備えて構成されている。
バッグ本体31は、膨張完了時に運転者D側とコラムカバー12側とで対向する対向壁部としての膝側壁部32とコラム側壁部33とを備えて構成され、膨張完了時の形状を、左右方向を長くした横長の略長方形板状とするように構成されている。コラム側壁部33には、エアバッグ30の上下方向(車両搭載状態での膨張完了時には前後方向ともなる)でかつ左右方向の中央付近に、インフレーター23のガス吐出口23a側を挿入させるための円形に開口した挿入孔33aが形成され、挿入孔33aの上方側の左右両側に、リテーナ25の各ボルト26を突出させるための貫通孔33bが形成されている。エアバッグ30は、コラム側壁部33の貫通孔33b,33bの周縁を、取付部位34として、既述したように、各貫通孔33bを挿通するリテーナ25の各ボルト26を、ケース17の天井壁部18を挿通させてナット27止めすることにより、インフレーター23とともに、ケース17の天井壁部18に取付固定されることとなる。
取付部位34には、挿入孔33aや貫通孔33bの周縁の補強のための補強布59が縫合されている。補強布59にも、インフレーター23を挿入させる挿入孔59aとボルト26を貫通させる貫通孔59bとが形成されている。
そして、バッグ本体31は、テザー41,42や補強布59とともに、ポリアミドやポリエステル等の織布(実施形態の場合、ポリアミドのコーティング層を設けたポリアミド製の織布)から形成されている。なお、実施形態の場合、バッグ本体31は、図4に示すように、膝側壁部32とコラム側壁部33とをエアバッグ30の上縁30a側で連結させた一枚の織布を、二つ折りして、外周縁を縫合して形成されているが、適宜、分割された織布を縫合して、形成してもよい。
また、テザー41,51の配設されるバッグ本体31の部位は、前後方向の厚さ寸法を一定にする離隔距離規定部36,37として、エアバッグ30の上縁30aと下縁30bとの間の上下方向の中央付近に、上下二段に、左右方向に沿って設定されている。実施形態の場合、離隔距離規定部36,37(テザー41,51)の間には、取付部位34が配設されて、リテーナ25の各ボルト26を挿通させる貫通孔33bとインフレーター23を挿入させる挿入孔33aとが、配設されている。また、離隔距離規定部36,37の左右両側のエアバッグ30の左縁30cや右縁30dとの間は、テザー41,51に厚さ寸法を規制されることなく、膝側壁部32とコラム側壁部33とを膨らませる自由膨張エリア39,39としている。そして、左右の自由膨張エリア39,39は、実施形態の場合、インフレーター23のガス吐出口23aから吐出された膨張用ガスをテザー41,51間から上下両側に流すガス流路としての役目を果たしている。
上側のテザー41は、図2〜6に示すように、膝側壁部32とコラム側壁部33との離隔距離T1(図6参照)を設定する本体部42の前後方向の両縁に、換言すれば、膨張完了時のエアバッグ30の厚さ方向で対向する前縁41aと後縁41bとに、縫代部43(43F,43B)を設けた帯状の織布から形成されている。そして、縫代部43の左右方向の中央に、左右方向に直線状に延びる直線状縫合部45(45F,45B)を設けて、テザー41の前縁41aと後縁41bとが、対向壁部相互としての膝側壁部32とコラム側壁部33とに縫合されている。この縫合は、実施形態の場合、ポリアミド製のマルチフィラメントからなる縫合糸Sの上糸SUと下糸SDとを使用したロックステッチ(本縫い)により、行われている(図5の括弧書き内参照)。なお、縫代部43等の符号の後のFやBは、前後の位置に対応する場合を示すものであり、前方側のコラム側壁部33側へ接続されているものに符号Fを付け、後方側の膝側壁部32側へ接続されているものに符号Bを付けてある。
そして、直線状縫合部45に沿って離れる方向側の縫代部には、換言すれば、縫代部43の左端部43bと右端部43cとには、拡開縫合部46,47を設けられて、テザー41が、対向する膝側壁部32とコラム側壁部33とに縫合されている。これらの拡開縫合部46,47は、図6に示すように、対向する膝側壁部32とコラム側壁部33との離隔距離を直線状縫合部45に沿って離れる方向側で徐々に拡開させるように、直線状縫合部45の縫合糸Sを連ならせて直線状縫合部45の端部の左端45aと右端45bとからそれぞれ曲がる形状として、構成されている(図2,5参照)。実施形態の場合、平らに展開したエアバッグ30の前後方向に沿う方向から見て、左右の拡開縫合部46,47は、直線状縫合部45の左端45aと右端45bとにそれぞれ一致する始端46a,47aから端末46b,47bまでの形状を、直線状縫合部45の直線状の縫合ラインを接線とするような円弧であって、1/12円(中心角度を30°とした円分)の曲線状に形成されている。なお、この円弧の曲線の半径Rは、小さすぎれば、エアバッグ30の膨張時に縫合糸Sやテザー41等に作用する応力集中を緩和し難く、大きすぎれば、自由膨張エリア39を狭めてしまうことから好ましくなく、30〜120mm程度とすることが望ましい。実施形態の場合の半径Rは60mmとしている。
さらに、実施形態の場合、拡開縫合部46,47の端末46b,47bでは、縫合糸Sの上糸SUと下糸SDとが、返し縫い処理をせずに、解れ可能に切り離して配設されている(図5の括弧書き内参照)。勿論、この拡開縫合部46,47は、エアバッグ30の膨張完了時に直線状縫合部45の端部(左端45aや右端45b、換言すれば、始端46a,47a)までの解れを防止可能な長さ寸法SL(図2参照)を、確保して、テザー41を膝側壁部32とコラム側壁部33とに縫合されている。なお、長さ寸法SLは、短かすぎれば、直線状縫合部45の端部まで解れる虞れが生じ、長すぎれば、縫合糸Sが無駄となることから、10〜100mm程度が望ましく、実施形態の場合、20mmとしている。
さらにまた、実施形態の場合、縫代部43における直線状縫合部45と拡開縫合部46,47とからなる縫合部44の本体部42から離れた部位には、縫合部44と平行に縫合糸Sを使用して、縫代部43を膝側壁部32とコラム側壁部33とに縫合する外側縫合部48が、形成されている。実施形態の場合、縫合部44と外側縫合部48との間の距離H(図3参照)は、5mmとしている。
また同様に、下側のテザー51においても、図2〜5,7に示すように、膝側壁部32とコラム側壁部33との離隔距離T2(図7参照)を設定する本体部52の前後方向の両縁に、換言すれば、膨張完了時のエアバッグ30の厚さ方向で対向する前縁51aと後縁51bとに、縫代部53(53F,53B)を設けた帯状の織布から形成されている。そして、縫代部53の左右方向の中央に、左右方向に直線状に延びる直線状縫合部55(55F,55B)を設けて、テザー51の前縁51aと後縁51bとが、対向壁部相互としての膝側壁部32とコラム側壁部33とに縫合されている。この縫合も、ポリアミド製のマルチフィラメントからなる縫合糸Sを使用したロックステッチ(本縫い)により、行われている。
そして、下側のテザー51においても、直線状縫合部55に沿って離れる方向側の縫代部には、換言すれば、縫代部53の左端部53bと右端部53cとには、拡開縫合部56,57を設けられて、テザー51が、対向する膝側壁部32とコラム側壁部33とに縫合されている。これらの拡開縫合部56,57も、上側のテザー41と同様に、対向する膝側壁部32とコラム側壁部33との離隔距離を直線状縫合部55に沿って離れる方向側で徐々に拡開させるように、直線状縫合部55の縫合糸Sを連ならせて直線状縫合部55の端部の左端55aと右端55bとからそれぞれ曲がる形状として、構成されている。これらの拡開縫合部56,57も、上側のテザー41と同様に、平らに展開したエアバッグ30の前後方向から見て、直線状縫合部55の左端55aと右端55bとにそれぞれ一致する始端56a,57aから端末56b,57bまでの形状を、直線状縫合部55の直線状の縫合ラインを接線とするような円弧であって、1/12円(中心角度を30°とした円分)の曲線状に形成されている。これらの拡開縫合部56,57の曲線の半径Rも、拡開縫合部46,47と同様に、60mmとしている。
さらに、拡開縫合部56,57の端末56b,57bでも、縫合糸Sが、返し縫い処理をせずに、解れ可能に切り離して配設されている。勿論、これらの拡開縫合部56,57も、エアバッグ30の膨張時、直線状縫合部45の端部(左端45aや右端45b、換言すれば、始端46a,47a)までの解れを防止可能な長さ寸法SL(実施形態の場合、20mm)として、形成されている。
さらにまた、縫代部53における直線状縫合部55と拡開縫合部56,57とからなる縫合部54の本体部52から離れた部位には、縫合部54と距離H(実施形態の場合、5mm)の寸法を開けて平行に、縫代部53を膝側壁部32とコラム側壁部33とに縫合する外側縫合部58が、形成されている。
実施形態のエアバッグ30の製造は、まず、テザー41,51の前縁41a,51a側と後縁41b,51b側とを対応する膝側壁部32とコラム側壁部33とに順に縫合して、前縁41a,51a側の縫合部44F,54F及び外側縫合部48F,58Fと、後縁41b,51b側の縫合部44B,54B及び外側縫合部48B,58Bを形成する。なお、前縁41a,51a側の直線状縫合部45F,55Fの縫合時には、補強布59の上下両縁を共縫いしておく。なお、コラム側壁部33と補強布59との挿入孔33a,59aと貫通孔33b,59bとは、補強布59の縫合前に設けずに、補強布59の縫合後に、穴開け加工して形成する。
そして、テザー41,51を縫合した後、バッグ本体31の重ねた膝側壁部32とコラム側壁部33との外周縁相互を縫合すれば、エアバッグ30を製造することができる。
なお、膝側壁部32とコラム側壁部33との外周縁の縫合前には、貫通孔33b,59bからボルト26,26を突出させて、エアバッグ30内にリテーナ25を配設させておき、エアバッグ30を車両に搭載することとなる。
エアバッグ30の車両への搭載について説明すれば、まず、エアバッグ30を折り畳む。この時、エアバッグ30は、平らに展開した状態から左右方向と前後方向との幅寸法を狭めるように、折り畳む。エアバッグ30の折り畳みが完了したら、折り崩れしないように、所定の折り崩れ防止用のラッピング材で、エアバッグ30を包む。
そして、エアバッグ30内に挿入されている状態のリテーナ25の各ボルト26を、ケース17の天井壁部18に挿通させつつ、折り畳まれたエアバッグ30をケース17の側壁20,21間に配置させる。ついで、インフレーター23の先端のガス吐出口23a側を、取付座19を貫通させるとともに、エアバッグ30の挿入孔33a,59aを経て、リテーナ25に挿入させる。そして、リテーナ25の各ボルト26を、ナット27止めして、ケース17に締結する。すると、エアバッグ30の取付部位34とインフレーター23とが、ケース17に取付固定され、ケース17にインフレーター23とエアバッグ30とを取り付けたエアバッグ組立体を形成することができる。
このエアバッグ組立体を車両に搭載する際には、ロアカバー部12bをケース17から延びる側壁20,21に係止させて、ケース17の所定のブラケットをコラムチューブ5から延びるブラケットに締結すれば、エアバッグ組立体をステアリングコラム3のコラムチューブ5に取付固定することができる。そして、エアバッグ作動回路から延びる図示しないリード線をインフレーター23の所定のターミナル部に結線して、コラムカバー12のアッパカバー部12aをコラムチューブに固定すれば、エアバッグ装置Mを車両に搭載することができる。
車両への搭載後、実施形態のエアバッグ装置Mが作動して、インフレーター23がガス吐出口23aから膨張用ガスを吐出させれば、エアバッグ30が膨張し、エアバッグ30は、扉部13,14を押し開いて、突出用開口15から突出つしつつ展開膨張し、運転者Dの左右の膝Kを保護可能に、膝Kの前方側に配置されることとなる(図1の二点鎖線参照)。
そして、実施形態のエアバッグ30では、膨張時に、直線状縫合部45,55の端部である左端45a,55aや右端45b,55bに応力集中が生じようとしても、直線状縫合部45の端部におけるテザー41,51の縫代部43の部位には、縫合糸Sを連ならせて拡開縫合部46,47,56,57が設けられている。これらの拡開縫合部46,47,56,57は、対向する膝側壁部32とコラム側壁部33との離隔距離T1,T2を直線状縫合部45,55に沿って離れる方向側で徐々に拡開させるように、直線状縫合部45,55の左端45a,55aや右端45b,55bから曲がる形状として、膝側壁部32とコラム側壁部33とに縫合されている。そのため、直線状縫合部45,55の左端45a,55aや右端45b,55bに応力集中が生じようとしても、拡開するように曲がって膝側壁部32やコラム側壁部33に縫合される形状によって、その拡開縫合部46,47,56,57の部位の縫合糸S、テザー41,51の縫代部43の左端部43bや右端部43c、及び、対向壁部(膝側壁部32やコラム側壁部33)へ作用する応力が、分散されて緩和され、それらの直線状縫合部45,55の左端45a,55a付近や右端45b,55b付近に破断や破損が生ずることを防止できる。
そして、このような拡開縫合部46,47,56,57は、単に、直線状縫合部45,55の左端45a,55aや右端45b,55bから直線状縫合部45,55から離れる側に延設させるように、テザー41,52に縫代部43(左端部43b,53bや右端部43c,53c)を設けて、その縫代部を、直線状縫合部45,55から連ならせて曲げて縫合するだけで形成でき、容易に、縫合作業を行うことができる。
したがって、実施形態のエアバッグ30では、テザー41,51の縫合作業を簡便にしても、膨張時のテザー41,51の直線状縫合部45,55の左端45a,55aや右端45b,55bへの応力集中を緩和することができる。
なお、拡開縫合部46,47を設けずに、直線状縫合部45の左端45aと右端45bとにおいて、直線状縫合部45の中央側に向けて折り返す返し縫い処理したエアバッグを、比較例として使用した場合、実施形態と同様に膨張させると、その比較例では、左端45a付近や右端45b付近のテザー41やバッグ本体31に、破損が生じた。しかし、実施形態のエアバッグ30では、そのような破損や縫合糸Sの破断等は発生しなかった。
さらに、実施形態の場合、拡開縫合部46,47,56,57は、膨張完了時に直線状縫合部45,55の左端45a,55aや右端45b,55bまでの解れを防止可能な長さ寸法SLを確保して、テザー41,51の縫代部43を対向壁部(膝側壁部32やコラム側壁部33)に縫合して、直線状縫合部45,55から離れる側の縫合糸Sの端末46b,47b,56b,57bを、縫合糸Sの返し縫い処理をせずに、解れが容易なように、単に、切り離して、配設している。そのため、実施形態では、エアバッグ30の膨張時、直線状縫合部45,55の左端45a,55aや右端45b,55bに応力集中が生じようとしても、拡開縫合部46,47,56,57の縫合糸Sの上糸SUと下糸SDとが、切り離された端末46b,47b,56b,57bから、テザー41,51の縫代部(縫代部43,53の左端部43b,53bや右端部43c,53c)や対向壁部(膝側壁部32やコラム側壁部33)を潜り抜けるように、解れて(図5の括弧書き内参照)、直線状縫合部45,55の左端45a,55aや右端45b,55bの部位の縫合糸Sは勿論のこと、直線状縫合部45,55の左端45a,55aや右端45b,55bの部位のテザー41,51の縫代部43,53の端部(左端部43b,53b若しくは右端部43c,53c)や対向壁部(膝側壁部32若しくはコラム側壁部33)に、破断や破損を招くような応力が作用しない。さらに、拡開縫合部46,47,56,57では、返し縫いすることなく、単に、縫合糸Sの端末46b,47b,56b,57bを切り離すだけであり、一層簡便に、縫合作業を行うことができる。勿論、この場合、直線状縫合部45,55の端部(左端45a,55aや右端45b,55b)まで縫合糸Sが解れないように、拡開縫合部46,47,56,57の長さ寸法SLが設定されており、直線状縫合部45,55により、テザー41,51の対向する膝側壁部32とコラム側壁部33との相互の離隔距離T1,T2は、一定に維持可能となる。
ちなみに、上記の点を考慮しなければ、縫合作業に手間をかけない範囲で、縫合糸Sの端末46b,47b,56b,57bに、短い距離の返し縫い処理を行ってもよい。
また、実施形態の場合、拡開縫合部46,47,56,57が、円弧状に曲がって延びるように配設されており、直線状縫合部45,55の端部(左端45a,55aや右端45b,55b)から、直線状縫合部45,55から離れる側へ、徐々に、曲線状に曲がることとなって、拡開縫合部46,47,56,57自体の各部位にも、エアバッグ30の膨張時の応力集中が部分的に作用し難くなって、直線状縫合部45,55の端部に連なる円弧状の拡開縫合部46,47,56,57の全体で、直線状縫合部45,55の端部(左端45a,55aや右端45b,55b)に作用しようとする応力を緩和でき、一層、エアバッグ30の膨張時における直線状縫合部45,55の端部の縫合糸S、テザー41,51の縫代部(左端部43b,53bや右端部43c,53c)、及び、対向壁部(膝側壁部32やコラム側壁部33)の破断や破損を防止できる。
なお、上記の点を考慮しなければ、拡開縫合部46,47,56,57は、直線状縫合部45,55の端部からテーパ状に拡開させてもよい。この場合、例えば、図8に示すエアバッグ30Aのように、拡開縫合部46Aにおける直線状縫合部45を延設させた直線Yからテーパ状に開く角度θは、小さければ、エアバッグ30Aの膨張時に、端部(左端)45aに作用する応力集中を緩和できる。但し、角度θが小さすぎれば、拡開縫合部46Aの長さ寸法SLが長くなって、自由膨張エリア39を狭めることから、拡開縫合部46Aは、直線状縫合部45からテーパ状に開く角度θを、5〜20°程度、長さ寸法SLを、10〜100mm程度とすることが望ましい。
さらに、実施形態のエアバッグ30では、テザー41,51の縫代部43,53が、本体部42,52から下方に折れ曲がるように配設された場合を示したが、図9,10に示すエアバッグ30Cのように、テザー41C,51Cの縫代部43C,53Cが、本体部42,52から上方に折れ曲がるように配設される場合には、エアバッグ30Cの正面視において、拡開縫合部46,47,56,57は、直線状縫合部45,55から上方に曲線状に配設されることとなる。
勿論、テザー41,51の両縁の縫代部43F,43B,53F,53Bにおいて、折り曲げる方向を相違させてもよく、例えば、縫代部43F,53F側を本体部42,52から下方に折り曲げ、縫代部43B,53B側を、本体部42,52から上方に折り曲げて、そして、対向する対向壁部(コラム側壁部33と膝側壁部32)相互の離隔距離を直線状縫合部45,46に沿って離れる方向側で徐々に拡開させるように、拡開縫合部46,47,56,57を形成してもよい。
そして、曲線状に拡開縫合部を形成する場合には、極力、直線状縫合部45,55の端部(左端45a,55aや右端45b,55b)への応力集中を緩和しつつ、かつ、自由膨張エリア39の対向壁部相互の離隔距離を規制しないことが望ましい。そのため、拡開縫合部46,47,56,57は、縫代部43,53の正面視において、直線状縫合部45,55から、直線状縫合部45,55の直線に沿って、直線状縫合部45,55から離れる側、すなわち、実施形態の左端45a、55a側では、左端45a,55aより左方側に端末46b,56bを配置させ、右端45b,55b側では、右端45b,55bより右方側に端末47b,57bを配置させ、かつ、拡開縫合部を設けない状態での自由膨張エリア39の厚さ寸法の大きくなる頂部側に向けて、曲がるように、拡開縫合部を配設することが望ましい。そして、実施形態の場合、拡開縫合部46,47,56,57は、始端46a,47a,56a,56bから端末46b,47b,56b,57bに向かう方向に沿う延長方向を、近傍の自由膨張エリア39の頂部39a,39b付近(図5参照)へ、向かせている。
さらに、実施形態の場合、直線状縫合部45,55と拡開縫合部46,47,56,57とを備えて構成された縫合部44,54の周囲に、それぞれ、対向壁部(膝側壁部32やコラム側壁部33)に沿って縫合部44,54と相互に平行となるように、縫合糸Sを使用して二重縫いするように、外側縫合部48,58が、配設されている。そのため、二重縫いの一方の縫合部44,54の縫合糸Sが仮に破断しても、他方の外側縫合部48,58の縫合糸Sが対向壁部(膝側壁部32やコラム側壁部33)相互の離隔距離を規制できて、離隔距離を安定して維持できる。また、テザー41,51の縫代部43,53や対向壁部(膝側壁部32やコラム側壁部33)が、二重縫いによって一体的に板状になって、縫合糸S自体の引張強度を向上させなくとも、縫合強度を向上させることができる。
なお、縫合部44,54と外側縫合部48,58との間の距離H(図3参照)に関して、テザー41,51、膝側壁部32、及び、コラム側壁部33の織布の引張強度を縫合糸Sの縫い穴によって低下させない範囲であれば、縫合部44,54と外側縫合部48,58とは、相互に、部分的若しくは全域で重なってもよく、そのため、距離Hは、0〜20mmの範囲でよい。但し、テザー41,51、膝側壁部32、及び、コラム側壁部33の織布の安定した引張強度を確保するためには、縫合部44,54と外側縫合部48,58とは、距離Hを、3〜15mmとして、相互の略平行とすることが望ましい。ちなみに、実施形態の場合には、既述したように、距離Hを5mmとしている。
また、実施形態では、エアバッグ30内に配設した複数のテザー41,51の全てに、拡開縫合部46,47,56,57を設けた場合を示したが、エアバッグ30が複数のテザー41,51を配設させている場合、エアバッグの膨張時に作用する応力集中が、一つのテザーに対して作用し易ければ、そのテザーだけに、拡開縫合部を配設するように構成してもよい。
また、実施形態のエアバッグ30では、テザー41,51の左右方向の両端(左端41c,51cと右端41d,51d)に、対向壁部(膝側壁部32やコラム側壁部33)を離隔させた自由膨張エリア39が配設されて、直線状縫合部45,55の両端(左端45a,55aと右端45b,55b)に、拡開縫合部46,47,56,57を設けた場合を示した。しかし、エアバッグ30の膨張時に、直線状縫合部45,55の両端(左端45a,55aと右端45b,55b)の一方側だけに、より応力集中が生じ易い構造であれば、応力集中の生じ易いその一方の端部側だけに拡開縫合部を設けてもよい。なお、テザーの一方の端部側だけに拡開縫合部を設ける構成としては、テザーの他方の端部が、自由膨張エリアに配置されずに、エアバッグの周壁の外周縁に共縫いされているような構成の場合もあり、このような構成の場合には、テザーの一方の端部側における自由膨張エリア側に、拡開縫合部を設ければよい。
さらに、実施形態では、エアバッグ30の各テザー41,51の両縁(前縁41a,51aと後縁41b,51b)に拡開縫合部46F,46B,47F,47B,56F,56B,57F,57Bを設けた場合を示したが、前縁41a,51aと後縁41b,51bの一方の縁側の直線状縫合部45F,45B,55F,55Bだけに、応力集中が作用し易い場合には、その一方の縁側だけに、拡開縫合部を設け、前縁41a,51aと後縁41b,51bの他方の縁側には拡開縫合部を設けないようにしてもよい。
なお、実施形態では、ステアリングコラム3に搭載したエアバッグ装置Mに使用するエアバッグ30について説明したが、本発明は、エアバッグの所定の対向壁部相互の離隔距離を規制するように直線状縫合部を設けて縫合するテザーを備えたエアバッグであれば、適用でき、膝保護用のエアバッグ装置Mに限らず、シート等に搭載させる側突用エアバッグ装置のエアバッグ等に適用することができる。
本発明に係る一実施形態のエアバッグが使用されるエアバッグ装置を搭載したステアリングコラム付近の概略縦断面図である。 実施形態のエアバッグを前方から見た図である。 実施形態のエアバッグの縦断面であり、図2のIII−III部位に対応する。 実施形態のエアバッグの構成部材を示す正面図である。 実施形態のエアバッグの膨張完了時の状態を単体で示した正面図である。 実施形態のエアバッグの膨張完了時の状態を単体で示した横断面図であり、図5のVI−VI部位に対応する。 実施形態のエアバッグの膨張完了時の状態を単体で示した横断面図であり、図5のVII−VII部位に対応する。 実施形態の変形例の拡開縫合部を示す図である。 実施形態の他の変形例のエアバッグを後方から見た図である。 図9に示すエアバッグの縦断面図であり、図9のX−X部位に対応する。
符号の説明
30,30A,30C…エアバッグ、
31…(周壁)バッグ本体、
32,33…対向壁部(32…膝側壁部、33…コラム側壁部)、
39…自由膨張エリア、
41,41C,51,51C…テザー、
43,53…縫代部、
44,54…縫合部、
45,55…直線状縫合部、
45a,45b,55a,55b…(直線状縫合部の)端部、
46,47,56,56A,57…拡開縫合部、
48,58…外側縫合部、
T1,T2…離隔距離、
S…縫合糸、
M…エアバッグ装置。

Claims (6)

  1. 膨張完了時の周壁における対向する対向壁部相互の離隔距離を規制するテザーが、両縁を前記対向壁部相互に縫合させて、配設され、
    前記テザーが、対向する前記対向壁部相互に縫合する縫代部に、直線状に縫合する直線状縫合部を設けて、前記対向壁部相互の離隔距離を設定しているエアバッグであって、
    前記テザーの両縁の内の少なくとも一方の縁側で、かつ、前記直線状縫合部の少なくとも一方の端部側が、前記対向壁部相互を離隔させた前記エアバッグの自由膨張エリアに配置されて、
    該自由膨張エリア側における前記テザーの両縁の内の少なくとも一方の縁側が、
    対向する前記対向壁部相互の離隔距離を前記直線状縫合部に沿って離れる方向側で徐々に拡開させるように、前記直線状縫合部に沿って離れる方向側の縫代部に、前記直線状縫合部の縫合糸を連ならせて前記直線状縫合部の端部から曲がる形状の拡開縫合部を設けて、
    前記対向壁部に縫合されていることを特徴とするエアバッグ。
  2. 前記拡開縫合部が、
    膨張完了時に前記直線状縫合部の端部までの解れを防止可能な長さ寸法を確保して、前記テザーの縫代部を前記対向壁部に縫合させるとともに、
    前記直線状縫合部から離れる側の縫合糸の端末を、縫合糸の返し縫い処理をせずに、配設されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
  3. 前記拡開縫合部が、前記直線状縫合部の端部から円弧状に曲がって延びるように、配設されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載のエアバッグ。
  4. 前記エアバッグが、前記拡開縫合部を連ならせた前記直線状縫合部の他方の端部側にも、前記対向壁部相互を離隔させた前記エアバッグの自由膨張エリアを備え、
    前記拡開縫合部を連ならせた前記直線状縫合部の他方の端部側にも、前記拡開縫合部を設けて、前記テザーの両縁の内の少なくとも一方の縁側の両端が、それぞれ、前記拡開縫合部を設けて、前記対向壁部に縫合されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエアバッグ。
  5. 前記エアバッグが、前記テザーの両縁の内の他方の縁側にも、前記自由膨張エリアを備えて、
    前記テザーの両縁の内の他方の縁側にも、前記拡開縫合部が配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエアバッグ。
  6. 前記直線状縫合部と前記拡開縫合部とが、前記対向壁部に沿って相互に略平行に縫合糸を縫合する二重縫いされて、配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のエアバッグ。
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