JP2010148919A - 銀焼結体の装飾方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 銀粘土により作製される銀焼結体の装飾効果を容易に高めることができる銀焼結体の装飾方法を提供する。
【解決手段】 本発明の銀焼結体の装飾方法は、純銀粉又は銀合金粉を含有する組成物を所望の形状に造形又は物品に付着させ、乾燥固化させた造形体又は物品付着物を純銀粉又は銀合金粉の融点以下で焼結した銀焼結体の表面に、撥水性のマスキング粘着テープを任意形状に加工して貼り付けた後、硫黄を主成分とする水溶液を塗布して硫化膜を形成させる。
【解決手段】 本発明の銀焼結体の装飾方法は、純銀粉又は銀合金粉を含有する組成物を所望の形状に造形又は物品に付着させ、乾燥固化させた造形体又は物品付着物を純銀粉又は銀合金粉の融点以下で焼結した銀焼結体の表面に、撥水性のマスキング粘着テープを任意形状に加工して貼り付けた後、硫黄を主成分とする水溶液を塗布して硫化膜を形成させる。
Description
本発明は、例えば銀粘土により作製される銀焼結体の装飾効果を容易に高めることができる銀焼結体の装飾方法に関する。
銀製の指輪、ブローチなどのアクセサリーや装飾品を作製する際に、その装飾効果を高めるために硫化膜を形成させて黒色や褐色などの着色を施す方法が既に知られている。より詳しくは、鋳造等により作製された銀製品の表面に、予め模様や柄のデザインに応じた溝等を刻設しておき、これを硫黄、生石灰、カゼイン、硫酸カリウムなどを含有する水溶液中に浸漬した後、研磨を施して溝等の内部に形成された硫化膜を残す方法である。この方法にて得られる銀製品は、銀肌に硫化膜の黒色や褐色が模様や柄のデザイン浮かび上がるものとなっている。
しかしながら、前記従来の方法は、予め模様や柄のデザインに応じて溝等を刻設する必要があるため、そのデザインが細かく精微になるほど熟練した作業を必要とするものであり、工芸やクラフト等における手法としては、到底適用不可能な手法であった。或いは簡易なデザインに限定されてしまうものであった。或いは逆に太幅のデザインでは研磨する際に太幅の溝内に形成された硫化膜を研削(研磨)しないように注意する必要があった。また、溝等以外の部分に形成された硫化膜を研磨により完全に除去(研削)する必要があり、しかも特に細かく精微な突起形状を有するような物品では形状破壊を生ずる虞もあった。
本発明は上記に鑑み提案されたもので、純銀粉又は銀合金粉を含有する組成物を所望の形状に造形又は物品に付着させ、乾燥固化させた造形体又は物品付着物を純銀粉又は銀合金粉の融点以下で焼結した銀焼結体の表面に、撥水性のマスキング粘着テープを任意形状に加工して貼り付けた後、硫黄を主成分とする水溶液を塗布して硫化膜を形成させることを特徴とする銀焼結体の装飾方法に関するものである。
本発明の銀焼結体の装飾方法は、微細な模様や柄のデザインに対しても太幅のデザインに対してもデザインに何等制限なく銀肌に任意形状の硫化膜の着色を施した意匠性に優れた装飾効果を付与することができる。また、従来の方法のように、予めデザインに応じて溝等を刻設する必要もないので、それに伴う技術の修練や危険性も回避することができる。さらに、必要な部分にのみ硫化膜を形成するので、従来の方法のように形成された硫化膜を研磨により完全に除去(研削)する必要もなく、研削自体を必要としないので、特に細かく精微な突起形状を有するような物品でも形状破壊を生ずる虞がない。
本発明の銀焼結体の装飾方法は、前述のように銀焼結体の表面に、撥水性のマスキング粘着テープを任意形状に加工して貼り付けた後、硫黄を主成分とする水溶液を塗布して硫化膜を形成させる。即ち本発明の第1の工程では、撥水性のマスキング粘着テープを貼り付け、第2の工程では、硫黄を主成分とする水溶液を塗布する。
まず第1の工程に用いられる撥水性のマスキング粘着テープとしては、特にその材質について何等限定するものではなく、各種ビニルテープや包装用のガムテープなど市販の多くの粘着テープの基材表面はシリコーン系の離型剤にて撥水性が付与されているので、これらの粘着テープをそのまま適用することができる。尚、紙基材の粘着テープの表面も撥水性ではあるが、側縁からの浸水(吸水)が考えられるので不適である。特に曲面を有する焼結体への貼着性等を考慮すると、伸縮性に優れた汎用のビニルテープを最も好適に利用することができる。このようなマスキング粘着テープを任意形状に加工するには、鋏やカッターにて適宜形状に切断すればよい。
次に第2の工程に用いられる硫黄を主成分とする水溶液としても特にその組成について何等限定するものではないが、容易に入手可能であれば硫黄泉をそのまま用いても良いし、硫黄泉そのものは入手できなくても硫黄泉を模した入浴剤が市販されているので、この入浴剤を(液状入浴剤の場合)水で希釈したもの、或いは(固形入浴剤の場合)溶かしたものを用いても良い。即ち硫黄泉は、HS−、S2O3 2−、H2Sなどを含有することが知られており、これを模した入浴剤中にも同様な成分が含有され、何れにしても常温にて容易に銀と反応して黒色の硫化銀(Ag2S)等の硫化物の膜を形成することができる。これらの硫黄を主成分とする水溶液を、筆やペン、刷毛等の塗布具を用いて過剰量の塗布を避けつつ塗布すれば、撥水性マスキング粘着テープの貼着部分では、はじかれるが、それ以外の部分にて銀と接触して硫化膜を形成することができる。その際、焼結体の表面は微細な凹凸面となっているため、硫黄を主成分とする水溶液との接触面積が大きく、鮮やかな着色の硫化膜が形成される。
その後、撥水性のマスキング粘着テープを除去することにより、硫化膜が形成されていない銀肌が表出することになる。
このように本発明の銀焼結体の装飾方法は、微細な模様や柄のデザインに対しても太幅のデザインに対してもデザインに何等制限なく銀肌に任意形状の硫化膜の着色を施した意匠性に優れた装飾効果を付与することができる。また、従来の方法のように、予めデザインに応じて溝等を刻設する必要もないので、それに伴う技術の修練や危険性も回避することができる。さらに、必要な部分にのみ硫化膜を形成するので、従来の方法のように形成された硫化膜を研磨により完全に除去(研削)する必要もなく、研磨自体を必要としないので、特に細かく精微な突起形状を有するような物品でも形状破壊を生ずる虞がない。
本発明に使用する純銀粉又は銀合金粉を含有する組成物については、特に限定するものではなく、例えば純銀粉又は銀合金粉にバインダーを添加して粘土状として所望の形状に造形しても良いし、スラリー状として適宜物品に塗り付けるようにしても良い。バインダーも特に限定するものではないが、水溶性セルロース系樹脂0.022〜3.0wt%と、デンプン0.02〜3.0wt%又はフェニルプロパンを骨格とする構成単位体が縮合してなる網状高分子などの粘稠剤0〜0.5wt%とからなるバインダーを用いることが望ましい。
尚、粘土状にした組成物の造形法、スラリー状にした組成物の塗り付け法についても特に限定するものではなく、その後、例えば50〜80℃で1時間程度乾燥するが、この乾燥条件も一例に過ぎず、何等制限されるものではない。
そして、使用した純銀粉又は銀合金粉に応じて設定される温度雰囲気にて造形体又は物品付着物を焼成する。焼成条件は、特に限定するものではなく、例えば純銀粉又は銀合金粉の融点(mp)より70℃低い温度以下〔≦(mp−70℃)〕で30分〜1時間、或いはそれ以上の時間加熱して焼成しても良いし、純銀粉又は銀合金粉の融点から融点より70℃低い温度雰囲気〔(mp−70℃)〜mp〕にて急速加熱して焼成しても良い。特に純銀粉又は銀合金粉の融点より10〜50℃低い温度雰囲気〔(mp−50℃)〜(mp−10℃)〕で30秒〜3分で焼成することが望ましい。或いはガスバーナーを用いて急速加熱して焼成しても良い。使用する金属粉末、セラミック粉末については、例えば貴金属等の金属単体の粉末でも良いし、合金粉末、金属酸化物粉末等粉末でも良く、何等限定するものではない。
平均粒径20μmの純Ag粉末92wt%、メチルセルロース0.8wt%、デンプン0.6wt%、水6.6wt%からなる造形用粘土組成物を板状に延ばし、これを三日月形の型で射抜きブローチを成形し、80℃×20分の条件にて乾燥した。この乾燥造形体を電気炉にて850℃で20分焼成した。得られた焼結体(ブローチ)をステンブラシで磨いた後、予め図柄を描いてカッターで切り抜いたビニル粘着テープを貼り付けてマスキング部とした。さらに『六十○ハップ』(武藤鉦製薬株式会社製)を70〜80℃のお湯で0.3〜1%程度に希釈し、それを筆でブローチに塗布した。硫化膜の形成による着色を確認した後、ビニル粘着テープを剥がし、仕上げ用研磨材を少量付けた研磨布で軽く磨くと、ビニル粘着テープを貼り付けた非常に細かな図柄部分が光沢のある銀肌となって現れるものとなった。
以上本発明の実施例を示したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
Claims (1)
- 純銀粉又は銀合金粉を含有する組成物を所望の形状に造形又は物品に付着させ、乾燥固化させた造形体又は物品付着物を純銀粉又は銀合金粉の融点以下で焼結した銀焼結体の表面に、撥水性のマスキング粘着テープを任意形状に加工して貼り付けた後、硫黄を主成分とする水溶液を塗布して硫化膜を形成させることを特徴とする銀焼結体の装飾方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010053706A JP2010148919A (ja) | 2010-02-22 | 2010-02-22 | 銀焼結体の装飾方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010053706A JP2010148919A (ja) | 2010-02-22 | 2010-02-22 | 銀焼結体の装飾方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000131131A Division JP4820478B2 (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 銀焼結体の装飾方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010148919A true JP2010148919A (ja) | 2010-07-08 |
Family
ID=42568636
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010053706A Pending JP2010148919A (ja) | 2010-02-22 | 2010-02-22 | 銀焼結体の装飾方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2010148919A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62138298A (ja) * | 1985-12-12 | 1987-06-22 | 太成釦協業組合 | 小物装飾品の模様付け方法 |
JPH01263100A (ja) * | 1988-04-15 | 1989-10-19 | Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk | 宝石粒付き金属製装飾品の製造方法 |
JPH07276895A (ja) * | 1994-04-11 | 1995-10-24 | Nishiyamajisaku Shoten:Kk | 銀模様を有する装飾シート及びその製造方法 |
-
2010
- 2010-02-22 JP JP2010053706A patent/JP2010148919A/ja active Pending
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JPH07276895A (ja) * | 1994-04-11 | 1995-10-24 | Nishiyamajisaku Shoten:Kk | 銀模様を有する装飾シート及びその製造方法 |
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