JP2010147986A - 画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像のノイズ低減処理を実行する装置および方法を提供する。
【解決手段】基準画像と参照画像とから画像間の動きを示す動きベクトルを適用して参照画像の動き補償を実行して動き補償画像を生成し、加算判定部が算出する動き補償画像の加算重みを適用して、基準画像と動き補償画像とを加算してノイズ低減画像を生成する。この構成において、加算判定部は基準画像と動き補償画像の縮小画像を入力して加算重み算出を行う。さらに、加算判定部は動き補償画像の動き推定の成否を小領域単位で判定し、動き推定の成否に応じて加算重みを調整する。これらの構成により、加算判定処理の効率化および加算重みの高精度化を図り品質の高いノイズ低減画像生成を実現した。
【選択図】図9

Description

本発明は、画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムに関する。特に、動き補償画像の生成処理や画像のノイズ低減を実行する画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムに関する。
例えばカメラやビデオなどの撮像装置によって撮影された画像には少なからずノイズが含まれる。特に低照度下での撮影や、短い露光時間での撮影画像には多くのノイズが含まれる場合が多い。これは低照度下での撮影や短い露光時間での撮影が行われた場合、入射光量が少なく撮像素子の電荷蓄積量が減少することが1つの原因である。このような撮像データに基づいて明るい像を得るためには信号の増幅が必要となる。この増幅処理の際に撮像素子やアナログ回路において生じるノイズが増幅され、結果として得られる画像がノイズの多い画像になる。
ノイズを減少させるためには、長時間露光が有効であるが、長時間露光を行うと露光中の手ぶれによる画像のにじみが発生する可能性がある。他の方法として、露光にじみが殆ど生じない高速のシャッター速度で撮影を繰り返す連写を行い、連写により得られた複数の画像を加算平均することによって、時間方向に無相関なノイズを低減する方法がある。しかし、この複数の画像の加算処理は計算量が多く処理効率を低下させるという問題がある。
画像のノイズ低減手法を開示した従来技術として例えば以下のような文献がある。
特許文献1(特開平9−261526号公報)は、連写により得られた複数の画像の手振れを補正して重ね合わせる構成を開示している。
特許文献2(特開平11−75105号公報)は、全露光時間を複数の露光期間に分割し、各露光期間で得られた画像を手ぶれ補正して加算することで画質の向上を実現する構成を記載している。
特許文献1や特許文献2に記載された構成は、いずれも複数の画像から動きベクトルを検出して複数の画像間の動き情報を得て、これらの動き情報を利用して画像の合成を行う構成である。しかし、前述のように画像の加算処理は計算量が多く処理効率を低下させるという問題がある。
特開平9−261526号公報 特開平11−75105号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数画像の合成によってノイズ低減画像を生成する構成において、画像の加算処理における処理負荷を低減して高速処理を可能とし、さらに精度の高い加算重みの算出により高品質なノイズ低減画像の生成を実現する画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は、
基準画像と参照画像との画像間の動きを示す動きベクトルを検出する動き予測処理部と、
前記動きベクトルを適用して前記参照画像の動き補償処理を実行して動き補償画像を生成する動き補償処理部と、
前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理により、前記基準画像のノイズを低減したノイズ低減画像を生成する加算処理部と、
前記加算処理部において実行する前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理に適用する動き補償画像の画素単位の加算重みを算出する加算判定部と、
前記加算判定部に対して入力する前記基準画像と前記動き補償画像の縮小処理を行うダウンサンプリング処理部と、
前記加算判定部の出力である加算係数マップの拡大処理を行うアップサンプリング処理部を有する画像処理装置にある。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記加算判定部は、前記ダウンサンプリング処理部の生成した前記基準画像と前記動き補償画像の縮小画像を適用して該縮小画像の構成画素に対応する加算重みの算出を行う構成である。
さらに、本発明の第2の側面は、
基準画像と参照画像との画像間の動きを示す動きベクトルを検出する動き予測処理部と、
前記動きベクトルを適用して前記参照画像の動き補償処理を実行して動き補償画像を生成する動き補償処理部と、
前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理により、前記基準画像のノイズを低減したノイズ低減画像を生成する加算処理部と、
前記加算処理部において実行する前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理に適用する動き補償画像の画素単位の加算重みを算出する加算判定部を有し、
前記加算判定部は、
前記基準画像と前記動き補償画像の解析を実行し、前記動き補償画像を区分した小領域の各々が、
(a)動き推定(ME)成功領域、
(b)動き推定(ME)失敗領域、
(c)上記(a),(b)いずれでもない詳細確認必要領域、
上記の(a)〜(c)のいずれに対応する領域であるかの領域属性を判定する領域判定部と、
前記領域判定部の判定結果である領域属性に応じて各領域に属する加算重みの算出処理を異なる処理として実行する加算重み設定部を有する構成である画像処理装置にある。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記加算重み設定部は、前記小領域が動き推定(ME)成功領域である場合、該小領域に含まれる画素対応の加算重みを1に設定し、前記小領域が動き推定(ME)失敗領域である場合、該小領域に含まれる画素対応の加算重みを0に設定する処理を行なう構成である。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記加算重み設定部は、前記小領域が動き推定(ME)成功領域、動き推定(ME)失敗領域のいずれでもない領域である場合は、該領域に含まれる画素単位で前記基準画像と前記動き補償画像の対応画素の差分情報を含む情報の解析により、各画素対応の加算重みを算出する構成である。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記領域判定部は、前記基準画像と前記動き補償画像の対応画素の差分値対応の分散値、または平均値、または中間値、または最頻値、または最大値、または最小値の少なくともいずれかを算出し、いずれかの算出値と予め設定した閾値との比較処理により領域判定処理を行う構成である。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記領域判定部は、前記基準画像と前記動き補償画像の正規化相関を算出し、予め設定した閾値との比較処理により領域判定処理を行う構成である。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記加算判定部は、さらに、前記領域判定部の判定結果である領域属性に応じて画素値対応の推定ノイズ量を変えたノイズ判定テーブルを生成するノイズ判定テーブル生成部を有し、前記加算重み設定部は、前記ノイズ判定テーブルを適用して推定されるノイズ量を適用して各領域に属する画素対応の加算重みを、前記領域属性に応じて異なる処理として実行する構成である。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記加算判定部は、さらに、前記領域判定部の判定結果である領域属性に応じて加算重み補正値を算出する加算重み補正値算出部と、前記加算重み設定部の算出した画素対応の加算重みの値と前記加算重み補正値算出部の算出した加算重み補正値との演算処理を実行する演算部と、前記演算部の出力を0〜1の範囲に調整する加算重み調整部を有する構成である。
さらに、本発明の画像処理装置の一実施態様において、前記加算判定部は、ダウンサンプリング処理部の生成した前記基準画像と前記動き補償画像の縮小画像を適用して該縮小画像の構成画素に対応する加算重みの算出を行う構成である。
さらに、本発明の第3の側面は、
ノイズ低減画像を生成する画像処理装置における画像処理方法であり、
動き予測処理部が、基準画像と参照画像との画像間の動きを示す動きベクトルを検出する動き予測処理ステップと、
動き補償処理部が、前記動きベクトルを適用して前記参照画像の動き補償処理を実行して動き補償画像を生成する動き補償処理ステップと、
加算処理部が、前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理により、前記基準画像のノイズを低減したノイズ低減画像を生成する加算処理ステップと、
加算判定部が、前記加算処理部において実行する前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理に適用する動き補償画像の画素単位の加算重みを算出する加算判定ステップと、
ダウンサンプリング処理部が、前記加算判定部に対して入力する前記基準画像と前記動き補償画像の縮小処理を行うダウンサンプリング処理ステップと、
アップサンプリング処理部が、前記加算判定部の出力である加算係数マップの拡大処理を行うアップサンプリング処理ステップを有する画像処理方法にある。
さらに、本発明の第4の側面は、
ノイズ低減画像を生成する画像処理装置における画像処理方法であり、
動き予測処理部が、基準画像と参照画像との画像間の動きを示す動きベクトルを検出する動き予測処理ステップと、
動き補償処理部が、前記動きベクトルを適用して前記参照画像の動き補償処理を実行して動き補償画像を生成する動き補償処理ステップと、
加算処理部が、前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理により、前記基準画像のノイズを低減したノイズ低減画像を生成する加算処理ステップと、
加算判定部が、前記加算処理部において実行する前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理に適用する動き補償画像の画素単位の加算重みを算出する加算判定ステップを有し、
前記加算判定ステップは、
前記基準画像と前記動き補償画像の解析を実行し、前記動き補償画像を区分した小領域の各々が、
(a)動き推定(ME)成功領域、
(b)動き推定(ME)失敗領域、
(c)上記(a),(b)いずれでもない詳細確認必要領域、
上記の(a)〜(c)のいずれに対応する領域であるかの領域属性を判定する領域判定ステップと、
前記領域判定ステップにおける判定結果である領域属性に応じて各領域に属する加算重みの算出処理を異なる処理として実行する加算重み設定ステップを有する画像処理方法にある。
さらに、本発明の第5の側面は、
画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
動き予測処理部に、基準画像と参照画像との画像間の動きを示す動きベクトルを検出させる動き予測処理ステップと、
動き補償処理部に、前記動きベクトルを適用して前記参照画像の動き補償処理を実行して動き補償画像を生成させる動き補償処理ステップと、
加算処理部に、前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理により、前記基準画像のノイズを低減したノイズ低減画像を生成させる加算処理ステップと、
加算判定部に、前記加算処理部において実行する前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理に適用する動き補償画像の画素単位の加算重みを算出させる加算判定ステップと、
ダウンサンプリング処理部に、前記加算判定部に対して入力する前記基準画像と前記動き補償画像の縮小処理を行わせるダウンサンプリング処理ステップと、
アップサンプリング処理部に、前記加算判定部の出力である加算係数マップの拡大処理を行わせるアップサンプリング処理ステップを有するプログラムにある。
さらに、本発明の第6の側面は、
画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
動き予測処理部に、基準画像と参照画像との画像間の動きを示す動きベクトルを検出させる動き予測処理ステップと、
動き補償処理部に、前記動きベクトルを適用して前記参照画像の動き補償処理を実行して動き補償画像を生成させる動き補償処理ステップと、
加算処理部に、前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理により、前記基準画像のノイズを低減したノイズ低減画像を生成させる加算処理ステップと、
加算判定部に、前記加算処理部において実行する前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理に適用する動き補償画像の画素単位の加算重みを算出させる加算判定ステップを有し、
前記加算判定ステップは、
前記基準画像と前記動き補償画像の解析を実行し、前記動き補償画像を区分した小領域の各々が、
(a)動き推定(ME)成功領域、
(b)動き推定(ME)失敗領域、
(c)上記(a),(b)いずれでもない詳細確認必要領域、
上記の(a)〜(c)のいずれに対応する領域であるかの領域属性を判定させる領域判定ステップと、
前記領域判定ステップにおける判定結果である領域属性に応じて各領域に属する加算重みの算出処理を異なる処理として実行させる加算重み設定ステップを有するプログラムにある。
なお、本発明のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
本発明の一実施例の構成によれば、基準画像と参照画像とから画像間の動きを示す動きベクトルを適用して参照画像の動き補償を実行して動き補償画像を生成し、加算判定部が算出する動き補償画像の加算重みを適用して、基準画像と動き補償画像とを加算してノイズ低減画像を生成する。この構成において、加算判定部は基準画像と動き補償画像の縮小画像を入力して加算重み算出を行う。さらに、加算判定部は動き補償画像の動き推定の成否を小領域単位で判定し、動き推定の成否に応じて加算重みを調整する。これらの構成により、加算判定処理の効率化および加算重みの高精度化を図り品質の高いノイズ低減画像生成を実現した。
以下、図面を参照しながら本発明の画像処理装置、および画像処理方法、並びにプログラムの詳細について説明する。以下、下記の項目に従って、順次説明する。
(1)画像処理装置の基本構成
(1a)ノイズ低減画像を生成する画像処理装置の構成および処理について
(1b)加算判定部および加算処理部の構成および処理について
(2)高速処理や高精度なノイズ低減画像の生成を可能とした画像処理装置
(2a)縮小画像を適用した加算判定処理を実行する画像処理装置(実施例1)
(2b)動き推定(ME)の成功判定情報を適用した加算判定処理を実行する画像処理装置(実施例2)
(2c)ノイズと動き推定(ME)失敗領域との判別情報を適用した加算判定処理を実行する画像処理装置(実施例3)
(2c−1)領域判定結果に応じたノイズ判定テーブルの適用例
(2c−2)領域判定結果に応じた加算重みの補正処理を行う構成例
(3)画像処理装置のハードウェア構成例
<(1)画像処理装置の基本構成>
[(1a)ノイズ低減画像を生成する画像処理装置の構成および処理について]
まず、ノイズ低減画像を生成する画像処理装置の基本構成について図1以下を参照して説明する。図1は、複数の画像を適用した画像合成処理によるノイズ低減画像生成処理を行う画像処理装置の構成を示す図である。なお、この図1に示す画像処理装置は、本出願人と同一出願人の先の特許出願(特願2007−136184号)に記載された画像処理装置とほぼ同様の構成である。本発明は、この先の特許出願(特願2007−136184号)に記載された画像処理装置の構成をベースとして改良を行い高速処理や高精度な処理を実現するものである。本発明の画像処理装置の実施例については項目(2)以下において説明するが、まず、そのベースとなる画像処理装置の構成および処理について項目(1)において説明する。
図1に示す画像処理装置10は、単独の画像処理装置として設定可能であるが、例えばカメラやPCや画像表示装置の内部の一構成要素としても設定可能である。
以下においては、図1に示す画像処理装置10がカメラ内部に備えられ、連続撮影される画像がフレームメモリ11に対する入力画像として順次格納されるものとして説明する。画像処理装置10は、フレームメモリ11、動き予測処理部12、動き補償処理部13、加算判定部14、加算処理部15を有する。フレームメモリ11には、撮影画像が入力画像として順次格納される。
入力画像はノイズを含む画像であり、図1に示す画像処理装置10は、この入力画像からのノイズ低減を行い、最終的に図1に示す加算処理部15の出力としてノイズ低減画像(NR画像)を出力する。
動き予測処理部12には、フレームメモリ11から基準画像および参照画像が入力される。なお、基準画像はノイズ低減処理の対象とする画像であり、参照画像は、基準画像のノイズ低減処理に適用するための画像である。例えば基準画像と参照画像とから動きベクトルが求められる。なお、基準画像に対するノイズ低減処理は、複数の連続撮影された参照画像を適用して行われる。
例えば1つの基準画像と1つの参照画像を適用して生成されたノイズ低減画像がフレームメモリ11に再格納され、このノイズ低減画像が新たな基準画像として、次の第2の参照画像を適用してさらなるノイズ低減処理がなされる。なお、具体的処理例については、図2を参照して後段で説明する。
動き予測処理部12は、フレームメモリ11から基準画像および参照画像を適用して動きベクトルを算出する。例えば1つの画像フレームを区分した小領域(ブロック)単位で、参照画像のブロックと基準画像の対応ブロックとの位置合わせを行い、ブロック単位の動きベクトルMVを出力する。動きベクトルMVは基準画像と参照画像間の画像の動きを示すベクトルである。なお動きベクトルは平行移動のみならず拡縮、回転等の情報を含むベクトルとして設定可能である。
動きベクトルMVの検出においては、例えばブロックマッチング法を適用することができる。ブロックマッチング法は、前記の小領域(ブロック)内をさらに微小ブロックに分割して、基準画像および参照画像の各微小ブロックの画素値の絶対差分値(SAD:Sum of Absolute Difference)を算出して、絶対差分値(SAD)の小さい微小ブロックの組を対応ブロックであると推定する処理である。2つの画像の対応ブロック間を結ぶベクトルを動きベクトルとして決定することができる。
動き補償処理部13は、動き予測処理部12の生成した動きベクトルMVを適用して基準画像または参照画像の動き補償を行い、動き補償画像(MC画)を生成する。すなわち、基準画像の被写体位置と参照画像の被写体位置を合わせるように基準画像または参照画像を移動させた動き補償画像(MC画)を生成する。動き補償処理部13の生成した動き補償画像(MC画)は、加算判定部14および加算処理部15に供給される。
加算判定部14は、動き補償処理部13の生成した動き補償画像(MC画)と基準画像、およびノイズ量推定に用いる画像情報(撮影条件など)を入力する。画像情報は、例えばカメラ内部のマイコンから供給される。画像情報には、入力画像(撮影画像)に対応する撮影モード、露光時間、ゲイン等の情報が含まれる。
加算判定部14は、加算処理部15で使用される加算重みを画素単位で生成する。加算重みは、加算の信頼度を表す。すなわち、基準画像と動き補償画像(MC画)の間で、動き補償の正しさを判定し、基準画像と動き補償画像(MC画)とを加算した際に劣化を生じさせずに、ノイズを低減させるような画素を信頼度が高いとする。
すなわち、加算判定部14は基準画像と動き補償画像(MC画)の間で行われた動き補償の正しさを判定し、動き補償の正しい画素の信頼度を高い設定として動き補償画像(MC画)の加算比率を高めた加算重みを算出する。加算判定部14は動き補償画像(MC画)の画素単位での加算重みを決定する。
例えば、異なる時間で撮影した2つの画像の同一物体の同一部分を撮影した画素同士の加算処理が行われれば、加算により時間に無相関なノイズを低減できる。このように2つの画像の同一物体の同一部分の対応の確信度が高いほど信頼度が高いと言える。信頼度は、言い換えると、同一の画像に対してノイズが重畳されているのか、または異なる画像に対してノイズが重畳されているのかを表しており、可能な限りノイズ量のみに対応して加算重みが形成されることが高精度のノイズ軽減処理にとって必要とされる。加算判定部14の生成する加算重みは、例えば信頼度が低いと0、信頼度が高いと1の値を持つ設定とされる。
加算処理部15は、基準画像と動き補償画像(MC画)とを対応画素ごとに計算された加算重みを適用して加算する処理を行う。加算処理部15は、基準画像と動き補償画像(MC画)との加重平均を計算して加算処理を行う。加重平均の重みは、加算重みに帰還率を乗じた値である。例えば帰還率を1/3に設定すれば、加算重みが0〜1に変化する際に、加重平均でのMC画に対する重みが0〜1/3で変化することになる。
加算処理部15において生成された基準画像と動き補償画像(MC画)との加算結果は、フレームメモリ11に格納される。この画像を新たな基準画像として、新たな参照画像と組み合わせて、上述した処理と同様の処理が繰り返し行われる。例えば、予め規定された回数の処理が繰り返された後、加算処理部15において生成された基準画像と動き補償画像(MC画)との加算結果がノイズ低減画像(NR画像)として出力される。
図1に示す画像処理装置を適用した具体的処理例について図2を参照して説明する。図2の最上段に示す4つの画像、基準画像a、参照画像A〜Cは、カメラの連続撮影画像である。時間的には、基準画像aが先行し、その後に参照画像A〜Cが続けて撮影されている。なお、図2に示す例は、基準画像が先行撮影画像であり、参照画像が後続撮影画像であるが、この逆の設定、すなわち、基準画像を時間的に後で撮影された画像とし、参照画像を先行して撮影された複数の画像とする設定としてもよい。
図2に示す例において、まず、基準画像a11と次の撮影画像である参照画像Aを適用して処理が行われる。
ステップS11において、基準画像a11と参照画像A21を適用して動きベクトルMVを算出し、算出した動きベクトルMVを適用して動き補償画像(MC画)を生成する。
例えば参照画像A21のブロックと基準画像a11の対応ブロックとの位置合わせを行い、ブロック単位の動きベクトルMVを生成する。この処理は、図1に示す動き予測処理部12の処理である。動き予測処理部12はフレームメモリ11から基準画像a11および参照画像A21を取得して実行する。さらに、動き補償処理部13が動きベクトルMVを適用して参照画像に対する動き補償を行い、動き補償画像(MC画)22を生成する。
次に、ステップS12において、基準画像a11と、動き補償画像(MC画)22とを比較して、画素単位の加算の信頼度を表す加算重みを算出する加算判定処理を行う。すなわち、基準画像と動き補償画像(MC画)の間で、動き補償の正しさを判定し、動き補償の正しい画素の信頼度を高い設定として動き補償画像(MC画)22の加算比率を高めた加算重みを算出する。この重みの値を画素単位で示したマップが図2に示す加算判定マップ23である。このステップS12の処理は、図1に示す加算判定部14の実行する処理である。
その後、ステップS13において、基準画像a11と動き補償画像(MC画)22とを対応画素ごとに計算された加算重み(加算判定マップ23)を適用して加算する処理を行う。この処理は、図1に示す加算処理部15の処理として実行される。この加算処理によって生成される画像(基準画+MC画)が図2の最下段に示す基準画像b24である。
この基準画像b24は、フレームメモリ11に格納され、さらに、参照画像A21の次のタイミングで撮影された画像である参照画像B31と組み合わせて、ステップS14〜S16の処理が行われる。ステップS14〜S16の処理はステップS11〜S13の処理と同様の処理である。
すなわち、ステップS14において、基準画像b24と参照画像B31を適用して動き補償画像(MC画)32を生成する。
ステップ15において、基準画像b24と、動き補償画像(MC画)32を適用して加算判定マップ33を生成する。
ステップS16において、基準画像b24と動き補償画像(MC画)32とを加算判定マップ33を適用して加算して基準画+MC画である基準画像c34を生成する。
この基準画像c34は、フレームメモリ11に格納され、さらに、参照画像B31の次のタイミングで撮影された画像である参照画像C41と組み合わせて、ステップS17〜S19の処理が行われる。ステップS17〜S19の処理もステップS11〜S13の処理と同様の処理である。
すなわち、ステップS17において、基準画像c34と参照画像C41を適用して動き補償画像(MC画)42を生成する。
ステップ18において、基準画像c34と、動き補償画像(MC画)42を適用して加算判定マップ43を生成する。
ステップS19において、基準画像c34と動き補償画像(MC画)42とを加算判定マップ43を適用して加算して基準画+MC画であるノイズ低減画像(NR画像)44を生成する。
図2に示す処理例は、3枚の参照画像A〜Cを適用してノイズ低減画像(NR画像)44を生成する構成であるが、これは一例であり、さらに多くの参照画像を繰り返し適用してステップS11〜S13と同じ処理を繰り返してもよい。
図1に示す画像処理装置の実行するノイズ低減画像(NR画)の生成シーケンスについて図3に示すフローチャートを参照して説明する。図3に示すフローのステップS51〜S53の処理の各々は、図2に示すステップS11〜S13に対応する処理である。
まず、ステップS51において、基準画像と参照画像を適用して動きベクトルMVを算出し、算出した動きベクトルMVを適用して参照画像の動き補償処理により動き補償画像(MC画)を生成する。
次に、ステップS52において、基準画像と、動き補償画像(MC画)とを比較して、画素単位の加算の信頼度を表す加算重みを算出する加算判定処理を行い、加算判定マップを生成する。
その後、ステップS53において、加算判定マップに従って基準画像と動き補償画像(MC画)を対応画素ごとに加算する処理を行う。この加算処理によって、図2に示す基準画+MC画に相当する基準画像またはノイズ低減画像(NR画像)が生成される。
ステップS53の処理の後、ステップS54に進む。ステップS54では、さらに処理可能な参照画像が存在するか否かを判定する。処理可能な参照画像とは、例えば基準画像と同じ被写体を含み異なるタイミングで撮影した画像である。具体的には例えば連続撮影された画像である。処理可能な参照画像が存在する場合は、ステップS51に戻り、その参照画像と、ステップS53において生成した基準画+MC画に相当する基準画像を適用してステップS51〜S53の処理を繰り返す。
ステップS54において、処理可能な参照画像が存在しないと判定した場合は、最終的にステップS53において生成した加算画像をノイズ低減画像(NR画像)として出力する。
[(1b)加算判定部および加算処理部の構成および処理について]
次に、図1に示す画像処理装置10内の加算判定部14と加算処理部15の詳細構成および処理について図4以下を参照して説明する。
まず、図1に示す画像処理装置10内の加算判定部14の詳細構成および処理について図4を参照して説明する。図4は、加算判定部14の一構成例を示す図である。加算判定部14は、図4に示すように輝度信号Yと、二つの色差信号Cb,Crとのそれぞれに対応するほぼ同様の判定処理構成を有する。図4に示す(a)輝度信号Y判定部、(b)色差信号Cb判定部、(c)色差信号Cr判定部である。
まず、図4(a)に示す輝度信号Yに関する判定部の構成について最初に説明する。基準画像および動き補償画像(MC画)の空間的に同一位置の画素データがフィルタ111および112を介して画素値差分算出部113に供給され、画素値の差が演算され、差分絶対値が算出される。フィルタ111および112は、画像中の高周波成分をカットし加算判定の効果を向上させる。画素値差分算出部113は基準画像および動き補償画像(MC画)の空間的に同一位置の画素データの差分絶対値を算出して画素加算判定部116に供給する。
画素加算判定部116には、ノイズ推定部110の出力信号が供給される。ノイズ推定部110には、基準画像の輝度信号Yがフィルタ111を介して入力され、画素値に対応したノイズ量を推定する。さらに、ノイズ推定部110は画像中のノイズ量に影響を与える撮影モードや露光時間、ゲイン情報といった撮影条件情報を外部から入力する。ノイズ推定部110は予め各条件で測定した輝度値とノイズ量の関係のデータをテーブルとして有する。ノイズ推定部110はこのテーブルから、該当条件の輝度値とノイズ量の関係を求め、入力した輝度値に対応するノイズ量を画素加算判定部116、移動平均加算判定部117、移動分散加算判定部118に出力する。
例えば露光時間が長くなると、ランダムノイズが増加する傾向がある。また、撮像信号を増幅するゲインが大きくなると、ランダムノイズが増加する傾向がある。したがって、撮影条件としてシャッター速度および/またはゲインの情報を使用し、予めシャッター速度および/またはゲインのそれぞれに対応して画素値とノイズ量とのテーブルを作成して用意しておく。さらに、撮像装置が備えている撮影モードを撮影条件として使用しても良い。なお、撮影条件は、例えばフレームごとに設定される。
ノイズ推定部110は、画像中のノイズ量に影響を与える撮影モード、シャッター速度(露光時間)、ゲイン等を撮影条件情報としてカメラ制御部から入力し、予め各撮影条件で測定した輝度値とノイズ量の関係のデータから、該当条件の輝度値とノイズ量の関係を求め、該当撮影条件での入力輝度値に対応するノイズ量を出力する。
ノイズ推定部110からのノイズ量と画素値差分算出部113からの画素値(輝度)の差分絶対値とが画素加算判定部116に供給される。差分絶対値が画素加算判定部116に対する入力指標値である。画素加算判定部116が指標値に対応する加算の信頼度である加算重みを出力する。
図5(a)に画素加算判定部の一例を示す。輝度Yに対応する画素加算判定部116は、ノイズ推定部110から入力するノイズ量を判定閾値へ変換するノイズ量/判定閾値変換部201と判定曲線生成部202と加算判定部203からなる。ノイズ量/判定閾値変換部201は、視覚特性に基づき決定されたテーブルを用いてノイズ量を判定閾値に変換し、判定閾値を出力する。判定閾値に応じて判定曲線の形状が決定される。判定曲線は、誤差量を表す入力指標値と、誤差に対する信頼度を表す加算重みとの対応を表す判定曲線の形状を現す。
図5(b)に使用可能な判定曲線のいくつかの例を示す。各曲線を示すグラフの横軸が入力指標値であり、縦軸が指標値に対する加算重みを示す。各曲線において、加算重みが1から変化する指標値の値と、加算重みが0なる指標値の値とが判定閾値である。判定閾値の大きさがノイズ量に応じた値とされる。ノイズ量が多いと、判定閾値がより大きな指標値とされる。
判定曲線生成部202は、ノイズ量/判定閾値変換部201の出力である判定閾値を用いて、判定曲線を決定し出力する。判定曲線は、例えばテーブルとして構成されてメモリに格納される。この判定曲線を用いて加算判定部203が指標値を入力し、その指標値に対応する加算重みを出力する。この加算重みが画素加算判定部116から乗算器119に供給される。画素加算判定部116の一連の変換、計算および判定は、画素単位に画素値に応じたノイズ量を用いて生成する判定曲線を用いるので、画素単位で行われる。
図5(b)に示す判定曲線の一例は、判定閾値1までの指標値に対しては出力(指標値に対する加算重み)が1であり、判定閾値1から判定閾値2までの間では、指標値に対して加算重みが徐々に0に向かって減少する。判定閾値1および判定閾値2によって、判定曲線の形状が規定される。ノイズ量が多いと、判定閾値1および判定閾値2に対応する指標値が大きな値とされる。図5(b)に示す判定曲線によって、入力指標値が対応する加算重みに変換されて出力される。
画素加算判定部116から出力される加算重みが乗算器119に供給され、輝度信号の移動平均に関して、上述した画素差分絶対値と同様に求めた加算重みと乗算される。乗算器119の出力が乗算器120に供給され、輝度信号の移動分散に関して、上述した画素差分絶対値と同様に求めた加算重みと乗算される。さらに、乗算器120の出力が乗算器172に供給され、色信号の画素、移動平均および移動分散に関して求めた加算重みと乗算される。乗算器172の出力に加算判定部14の生成した加算重みが取り出される。この加算重みが加算処理部15に供給される。
次に、指標値が輝度信号の移動平均差分絶対値および移動分散差分絶対値の場合について説明する。図4に示すように、基準画像および動き補償画像(MC画)の空間的に同一位置の画素データがフィルタ111および112を介して移動平均差分算出部114、移動分散差分算出部115に供給される。
移動平均差分算出部114は、計算する画素(中心画素)を中心とする矩形領域例えば(5×5)画素の領域内の画素値の移動平均の差分を計算する。まず、基準画像および動き補償画像(MC画)各々について中心画素の移動に応じ、矩形領域を前画素の計算領域とオーバーラップさせながらずらして移動平均の演算を行う。その後、各画像の対応画素毎に移動平均の差分を算出する。
移動分散差分算出部115は、計算する画素(中心画素)を中心とする矩形領域の領域内の画素値の分散を計算する。中心画素の移動に応じ、矩形領域を前画素の計算領域とオーバーラップさせながらずらして移動分散の演算を行う。その後、各画像の対応画素毎に移動分散の差分を算出する。
移動平均および移動分散に関して加算重みを求めるのは、ノイズ量の減少をより正確に行うためである。例えば複数画素の領域の移動平均または移動分散が異なっている時には、画素値の差分絶対値をノイズと判定するよりも、画像が相違しているものと判定する方がより正しい場合が多いからである。
移動平均差分算出部114は移動平均の差信号の絶対値を出力し、移動分散差分算出部115は移動分散の差信号の絶対値を出力する。それぞれの差の絶対値が移動平均加算判定部117、および移動分散加算判定部118に供給される。
移動平均加算判定部117および移動分散加算判定部118には、ノイズ推定部110の出力信号が供給される。移動平均加算判定部117および移動分散加算判定部118は、それぞれ画素加算判定部116(図5(a)参照)と同様の構成とされ、ノイズ量を変換した判定閾値により判定曲線(テーブル)を生成する。この判定曲線の指標値として、移動平均差分絶対値および移動分散差分絶対値を与えることによって、加算重みが求められる。輝度信号の移動平均加算判定部117からの加算重みが乗算器119に供給され、画素加算判定部116の出力と乗算される。乗算結果は、さらに輝度信号の移動分散加算判定部118からの加算重みと乗算器120において乗算される。
以上が輝度信号の画素差分絶対値、移動平均差分絶対値、および移動分散差分絶対値をそれぞれ指標値として加算重みを求める処理である。色信号に関しても同様に、加算重みが求められる。コンポーネントカラービデオ信号の場合、(4:2:0)、(4:2:2)、(4:1:1)のように、輝度信号Yに関するサンプリング周波数と、色差信号Cbに関するサンプリング周波数と、色差信号Crに関するサンプリング周波数との比が表される。色差信号CbおよびCrのそれぞれに関して、上述した輝度信号Yと同様に、加算重みが求められる。
輝度信号と色差信号Cb,Crとは、画像上の同一の領域に関して加算重みの生成処理が行われる。上述したサンプリング周波数の比から分かるように、輝度信号Yに関して求められた加算重みに比して色差信号Cr,Cbに関して求められた加算重みの数が不足する。この問題を解決するために、補間を行うアップサンプリング処理部171が設けられ、アップサンプリング処理部171からの色差信号に関する加算重みが乗算器172に供給され、輝度信号に関する加算重みと乗算される。
色差信号Cbに関する処理について説明する。基準画像の色差信号Cbがフィルタ131を介してノイズ推定部130に供給される。ノイズ推定部130に撮影条件情報が供給される。ノイズ推定部130は、輝度信号に関するノイズ推定部110と同様に各撮影条件に応じた画素値とノイズ量との関係を示すテーブルによって基準画像の色差信号Cbに対応するノイズ量の推定値を算出する。ノイズ推定部130はノイズ量の推定値を画素加算判定部136、移動平均加算判定部137、移動分散加算判定部138に対して出力する。
基準画像の色差信号Cbおよび動き補償画像(MC画)の色差信号Cbがそれぞれフィルタ131および132を介して画素値差分算出部133に供給され、画素値の差が演算され、差分絶対値が算出される。画素値差分算出部133は基準画像および動き補償画像(MC画)の空間的に同一位置の画素データの差分絶対値を算出して画素加算判定部136に供給する。
画素加算判定部136は、輝度Yに対応する画素加算判定部116の構成として説明した図5と同様の構成である。ノイズ推定部130から入力するノイズ量を判定閾値へ変換するノイズ量/判定閾値変換部201と判定曲線生成部202と加算判定部203からなる。例えば図5(b)に示す判定曲線によって、入力指標値が対応する加算重みに変換されて出力される。画素加算判定部136は、指標値(画素差分絶対値)に対応する加算の信頼度である加算重みを出力する。
次に、指標値が色差信号Cbの移動平均差分絶対値および移動分散差分絶対値の場合について説明する。基準画像および動き補償画像(MC画)の空間的に同一位置の画素データがフィルタ131および132を介して移動平均差分算出部134、移動分散差分算出部135に供給される。
移動平均差分算出部134は、計算する画素(中心画素)を中心とする矩形領域例えば(5×5)画素の領域内の画素値の移動平均の差分を計算する。まず、基準画像および動き補償画像(MC画)各々について中心画素の移動に応じ、矩形領域を前画素の計算領域とオーバーラップさせながらずらして移動平均の演算を行う。その後、各画像の対応画素毎に移動平均の差分を算出する。
移動分散差分算出部135は、計算する画素(中心画素)を中心とする矩形領域の領域内の画素値の分散を計算する。中心画素の移動に応じ、矩形領域を前画素の計算領域とオーバーラップさせながらずらして移動分散の演算を行う。その後、各画像の対応画素毎に移動分散の差分を算出する。
移動平均および移動分散に関して加算重みを求めるのは、ノイズ量の減少をより正確に行うためである。移動平均差分算出部134は移動平均の差信号の絶対値を出力し、移動分散差分算出部135は移動分散の差信号の絶対値を出力する。それぞれの差の絶対値が移動平均加算判定部137、および移動分散加算判定部138に供給される。
移動平均加算判定部137および移動分散加算判定部138には、ノイズ推定部130の出力信号が供給される。移動平均加算判定部137および移動分散加算判定部138は、それぞれ画素加算判定部136(図5(a)参照)と同様の構成とされ、ノイズ量を変換した判定閾値により判定曲線(テーブル)を生成する。この判定曲線の指標値として、移動平均差分絶対値および移動分散差分絶対値を与えることによって、加算重みが求められる。色差信号Cbの移動平均加算判定部137からの加算重みが乗算器139に供給され、色差信号Cbの画素加算判定部116の出力と乗算される。乗算結果は、さらに色差信号Cbの移動分散加算判定部138からの加算重みと乗算器140において乗算される。
他の色差信号Crに関しても上述した色差信号Cbと同様の構成が設けられている。すなわち、フィルタ151,152、ノイズ推定部150、画素値差分算出部153、画素加算判定部156によって、色差信号Crの画素差分絶対値を指標値とする加算重みが求められる。色差信号Crの移動平均差分絶対値を指標値とする加算重みは、フィルタ151,152、ノイズ推定部150、移動平均差分算出部154、移動平均加算判定部157によって求められる。色差信号Crの移動分散差分絶対値を指標値とする加算重みは、フィルタ151,152、ノイズ推定部150、移動分散差分算出部155、移動平均加算判定部158によって求められる。
画素差分絶対値を指標値とする加算重みと、移動平均差分絶対値を指標値とする加算重みとが乗算器159にて乗算され、乗算器159の出力と、移動分散差分絶対値を指標値とする加算重みとが乗算器160にて乗算される。乗算器160から出力される色差信号Crに関する加算重みと、上述した色差信号Cbに関する加算重みとが乗算器141にて乗算される。乗算器141の出力がアップサンプリング処理部171に供給される。アップサンプリング処理部171は、色差フォーマットに応じて色差の加算重みを補間し、点数を輝度加算重みに揃える。アップサンプリング処理部171の出力と乗算器120の出力が乗算器172にて乗算される。乗算器172の出力が注目する画素の最終的な信頼度を示す加算重みである。加算重みは、輝度画素、輝度移動平均、輝度移動分散、色差画素、色差移動平均、色差移動分散のそれぞれの信頼度を表し、それぞれ0から1の連続値で表される。
次に、図1に示す画像処理装置10内の加算処理部15の詳細構成および処理について図6を参照して説明する。加算処理部15には、動き補償画像(MC画)、基準画像、さらに、加算判定部14から加算重み情報が入力される。
乗算器251によって加算処理部15の出力である加算重みに対して帰還係数(w)を乗じる。例えば帰還率を1/3に設定すれば、加算重みが0〜1に変化する際に、加重平均での動き補償画像(MC画)に対する重みが0〜1/3で変化することになる。
乗算器251から出力される係数(αで表す)が乗算器252に供給され、動き補償画像(MC画)に乗じられる。
さらに、係数αは、減算器253に供給され、(1−α)が生成され、(1−α)が乗算器254に供給され、基準画像(Cur画)に乗じられる。
乗算器252および乗算器254の出力が加算器255によって加算され、加算器255からノイズ低減画像(NR画)が出力される。
加算処理部15において生成された基準画像と動き補償画像(MC画)との加算結果としてのノイズ低減画像(NR画)は、さらにフレームメモリ11に格納してもよい。この画像を新たな基準画像として、新たな参照画像と組み合わせて、上述した処理と同様の処理が繰り返し行うことが可能である。
例えば、予め規定された回数の処理を繰り返した後、加算処理部15において生成された基準画像と動き補償画像(MC画)との加算結果を最終的なノイズ低減画像(NR画像)として出力することが可能である。
<(2)高速処理や高精度なノイズ低減画像の生成を可能とした画像処理装置>
次に、本発明の実施例として、高速処理や高精度なノイズ低減画像の生成を可能とした画像処理装置の構成および処理について説明する。
上記の項目(1a),(1b)において説明した図1に示す画像処理装置10の問題点について説明する。図1に示す画像処理装置10の加算判定部14は、図4を参照して説明したように、画素単位で基準画像と動き補償画像(MC画)との対応データを入力して画素単位の加算重み情報を生成する。従って、加算判定部14の処理には画素数に応じた処理時間を要することになる。高画質データなど画素数の多い画像データの処理を行うと、処理時間が膨大となり結果の出力までに時間がかかることになる。すなわち、最終的なノイズ低減画像の生成までに多くの時間がかかってしまう。以下に説明する本発明の画像処理装置の一実施例は、このような問題を解決し、高速な加算判定処理を可能とした構成を持つ。
また、上記の項目(1a),(1b)において説明した加算判定部14は、図4を参照して説明したように、画素単位で基準画像と動き補償画像(MC画)との対応データから各画素対応の重みを算出する。動き補償画像(MC画)の生成元となる参照画像は、基準画像と異なる時間に撮影された画像であり、図1に示す動き補償処理部13では、動き予測処理部12において算出した動きベクトルに基づいて動き補償を実行して動き補償画像(MC画)を生成している。
しかし、例えば画像内に背景とは異なる動きを示す移動体としての車や人などの移動オブジェクトが存在する場合、これらの移動オブジェクトは、動き予測処理部12において算出した動きベクトルとは異なる動きを示す場合がある。すなわち、動き予測処理部12において生成した動きベクトルに一致しない動きを示す画像領域が発生する。このような領域を動き推定(ME)失敗領域と呼ぶ。一方、動き予測処理部12において生成した動きベクトルに一致した動きを示す画像領域を動き推定(ME)成功領域と呼ぶ。動き推定(ME)失敗領域が含まれると、正確な動き補償画像(MC画)が生成されない。
加算判定部は、基準画像と動き補償画像(MC画)との対応画素の比較処理、たとえば画素値差分を算出するが、動き推定(ME)失敗領域ではこの画素差分が大きな値となる。しかし、上記の項目(1a),(1b)において説明した加算判定部14の処理では、この差分が動き推定(ME)失敗による不正確な(劣化した)動き補償画像(MC画)に起因して発生した差分であるのか、強いノイズのよる差分か判別できない。このような場合、誤った加算重みを出力してしまい結果として十分にノイズの低減されないノイズ低減画像が生成されてしまう場合がある。
例えば、加算判定部14が、図7に示すような基準画像と動き補償画像(MC画)を入力して加算判定を行い、画素単位の加算重みを出力する場合について考察する。画素271はノイズによって基準画像と動き補償画像(MC画)の対応画素の画素値が異なるが、画素272は、オブジェクト移動に起因する動き補償エラーによって発生した画素の差分が発生する。加算判定部では、これらの差分が動き推定(ME)失敗による不正確な(劣化した)動き補償画像(MC画)に起因して発生した差分であるのか、強いノイズのよる差分か判別できない。
以下に説明する発明の画像処理装置は、このような問題を解決し、基準画像と動き補償画像(MC画)の対応画素の画素値が異なる場合に、動き推定(ME)失敗による不正確な(劣化した)動き補償画像(MC画)に起因して発生した差分であるのか、強いノイズのよる差分か判別して、最適な加算重みを算出することを可能とした構成を持つ。この処理の概要について図8を参照して説明する。
例えば本発明の一実施例に係る本発明の画像処理装置の加算判定部では、基準画像と動き補償画像(MC画)の差分画像を小領域に分割し、各小領域単位で動きベクトルによる動き推定(ME)の失敗が含まれるかどうかの予測を行う。
例えば図8に示す小領域281は、小領域281に含まれる画素の一部の画素の差分値が大きいが、小領域281に含まれるその他のほとんどの画素の差分値が小さい。以下において説明する本発明の一実施例に係る画像処理装置の加算判定部では、このような小領域281に含まれる差分値の大きい画素はノイズの発生画素であると判定する。
一方、図8に示す小領域291は、小領域291に含まれる画素の一部の画素の差分値が大きく、かつ小領域281に含まれるその他のほとんどの画素の差分値も大きい。本発明の一実施例に係る画像処理装置の加算判定部では、このような小領域291に含まれる差分値の大きい画素はノイズの発生画素ではなく、動き推定(ME)失敗による不正確な(劣化した)動き補償画像(MC画)に起因して発生した差分であると判定する。
以下において説明する本発明の一実施例に係る画像処理装置の加算判定部では、このように、差分値の大きい画素の差分がノイズによる差分であるか動き推定(ME)失敗による不正確な(劣化した)動き補償画像(MC画)に起因して発生した差分であるかを判別し、判別結果に基づいて加算重みの設定を変更する。
[(2a)縮小画像を適用した加算判定処理を実行する画像処理装置(実施例1)]
図9に、本発明の実施例1に係る画像処理装置の構成例を示す。図9に示す画像処理装置300は、先に図1を参照して説明した画像処理装置10と類似する構成を持つ。フレームメモリ301、動き予測処理部302、動き補償処理部303、加算判定部304、加算処理部305は、図1に示す各構成部とほぼ同様の処理を行う。ただし、本実施例における加算判定部304は先に説明した図1の加算判定部14とは異なる構成を有し、異なる処理を行う。
さらに、図9に示す画像処理装置300は、先に図1を参照して説明した画像処理装置10には設定されていない以下の構成を有している。
加算判定部304に入力する基準画像の縮小処理を行うダウンサンプリング処理部311、
加算判定部304に入力する動き補償画像(MC画)の縮小処理を行うダウンサンプリング処理部312、
加算判定部304から加算処理部305に入力する加算重みを各画素に対応付けて示した加算係数マップの拡大処理を行うアップサンプリング処理部313、
これらの追加構成を有している。
なお、ダウンサンプリング処理部311、312の実行する処理は、入力画像の構成画素数を減少させ画素数の少ない画像を生成する処理である。例えば入力画像の構成画素9画素を1画素にまとめて全体の構成画素数を減らす処理を行う。本明細書で説明する縮小画像とは、元画像の構成画素数を減少させて生成した画像である。
また、アップサンプリング処理部313の実行する処理は、入力画像の構成画素数を増加させ画素数の多い画像を生成する処理である。例えば入力画像の構成画素1画素を9画素に展開して全体の構成画素数を増加させる処理を行う。本明細書で説明する拡大画像とは、元画像の構成画素数を増加させて生成した画像である。
図9に示す画像処理装置300の各構成部の処理について説明する。なお、図9に示す画像処理装置300は、単独の画像処理装置として設定可能であるが、例えばカメラやPCや画像表示装置の内部の一構成要素としても設定可能である。
以下においては、図9に示す画像処理装置300がカメラ内部に備えられ、連続撮影される画像がフレームメモリ301に対する入力画像として順次格納されるものとして説明する。入力画像はノイズを含む画像であり、画像処理装置300は、この入力画像からのノイズ低減を行い、最終的に図9に示す加算処理部305の出力としてノイズ低減画像(NR画像)を出力する。
動き予測処理部302には、フレームメモリ301から基準画像および参照画像が入力される。なお、基準画像はノイズ低減処理の対象とする画像であり、参照画像は、基準画像のノイズ低減処理に適用するための画像である。例えば基準画像と参照画像とから動きベクトルが求められる。なお、基準画像に対するノイズ低減処理は、複数の連続撮影された参照画像を適用して行われる。
例えば1つの基準画像と1つの参照画像を適用して生成されたノイズ低減画像がフレームメモリ301に再格納され、このノイズ低減画像が新たな基準画像として、次の第2の参照画像を適用してさらなるノイズ低減処理がなされる。なお、具体的処理例については、先に図2を参照して説明した処理と同様である。
動き予測処理部302は、フレームメモリ301から基準画像および参照画像を適用して動きベクトルを算出する。例えば1つの画像フレームを区分した小領域(ブロック)単位で、参照画像のブロックと基準画像の対応ブロックとの位置合わせを行い、ブロック単位の動きベクトルMVを出力する。動きベクトルMVは基準画像と参照画像間の画像の動きを示すベクトルである。なお動きベクトルは平行移動のみならず拡縮、回転等の情報を含むベクトルとして設定可能である。
動きベクトルMVの検出においては、例えばブロックマッチング法を適用することができる。ブロックマッチング法は、前記の小領域(ブロック)内をさらに微小ブロックに分割して、基準画像および参照画像の各微小ブロックの画素値の絶対差分値(SAD:Sum of Absolute Difference)を算出して、絶対差分値(SAD)の小さい微小ブロックの組を対応ブロックであると推定する処理である。2つの画像の対応ブロック間を結ぶベクトルを動きベクトルとして決定することができる。
動き補償処理部303は、動き予測処理部302の生成した動きベクトルMVを適用して基準画像または参照画像の動き補償を行い、動き補償画像(MC画)を生成する。すなわち、基準画像の被写体位置と参照画像の被写体位置を合わせるように基準画像または参照画像を移動させた動き補償画像(MC画)を生成する。動き補償処理部303の生成した動き補償画像(MC画)は、加算判定部304および加算処理部305に供給される。
ただし、本実施例の構成では、以下の構成が新たに追加されている。すなわち、
加算判定部304に入力する基準画像の縮小処理を行うダウンサンプリング処理部311、
加算判定部304に入力する動き補償画像(MC画)の縮小処理を行うダウンサンプリング処理部312、
加算判定部304は、動き補償処理部303の生成した動き補償画像(MC画)の縮小画像と、基準画像の縮小画像、およびノイズ量推定に用いる画像情報(撮影条件など)を入力して、縮小画像に対応する加算重みを画素単位で生成する。加算判定部304は画素単位の加算重みを設定した加算係数マップを生成して出力する。本実施例の構成では、加算判定部304は縮小画像の構成画素に対する処理を行えばよい。従って、先に説明した図1の構成に従った処理、すなわちオリジナルの基準画像と動き補償画像(MC画)を適用した加算判定処理を行う場合と比較して処理対象となる画素数が大幅に削減され、処理負荷が大きく軽減できる。
このように、加算判定部304は、動き補償処理部303の生成した動き補償画像(MC画)をダウンサンプリング処理部312で縮小した縮小動き補償画像(縮小MC画)と基準画像をダウンサンプリング処理部311で縮小した縮小基準画像、およびノイズ量推定に用いる画像情報(撮影条件など)を入力する。画像情報は、例えばカメラ内部のマイコンから供給される。画像情報には、入力画像(撮影画像)に対応する撮影モード、露光時間、ゲイン等の情報が含まれる。
加算判定部304は、加算重みを縮小画像の構成画素単位で生成する。加算重みは、加算の信頼度を表す。すなわち、加算判定部304は基準画像と動き補償画像(MC画)の間で行われた動き補償の正しさを判定し、動き補償の正しい画素の信頼度を高い設定とした重みを算出する。動き補償が正しいと推定される画素については動き補償画像(MC画)の加算比率を高めた加算重みを算出し、動き補償が正しくないと推定される画素については動き補償画像(MC画)の加算比率を低下させた加算重みを算出し、縮小画像の構成各画素の加算重みを算出し、加算重みを各画素に対応付けた加算係数マップを生成して出力する。
なお、本実施例における加算判定部304では、先に図8を参照して説明したように、基準画像と動き補償画像(MC画)の対応画素の画素値が異なる場合に、動き推定(ME)失敗による不正確な(劣化した)動き補償画像(MC画)に起因して発生した差分であるのか、強いノイズのよる差分か判別して、最適な加算重みを算出する構成を持つ。この処理の詳細については後段で説明する。
加算判定部304の生成した加算係数マップはアップサンプリング処理部313に入力される。アップサンプリング処理部313は、加算判定部304の生成した加算係数マップを元の基準画像および動き補償画像(MC画)と同じ画素数に拡大する処理を行う。アップサンプリング処理部313は拡大した加算係数マップを加算処理部305に出力する。
加算処理部305は、基準画像と動き補償画像(MC画)とを対応画素ごとに計算された加算重みを適用して加算する処理を行う。加算処理部305の処理は、先に図1、図6を参照して説明したと同様の処理である。すなわち、基準画像と動き補償画像(MC画)との加重平均を計算して加算処理を行う。加重平均の重みは、加算重みに帰還率を乗じた値である。例えば帰還率を1/3に設定すれば、加算重みが0〜1に変化する際に、加重平均でのMC画に対する重みが0〜1/3で変化することになる。
加算処理部305において生成された基準画像と動き補償画像(MC画)との加算結果は、フレームメモリ301に格納される。この画像を新たな基準画像として、新たな参照画像と組み合わせて、上述した処理と同様の処理が繰り返し行われる。例えば、予め規定された回数の処理が繰り返された後、加算処理部305において生成された基準画像と動き補償画像(MC画)との加算結果がノイズ低減画像(NR画像)として出力される。
図10は、図9に示す画像処理装置300の処理シーケンスを示すフローチャートである。各ステップの処理について説明する。まず、ステップS101において、基準画像と参照画像を適用して動きベクトルMVを算出し、算出した動きベクトルMVを適用して参照画像の動き補償処理により動き補償画像(MC画)を生成する。
次に、ステップS102において、基準画像と、動き補償画像(MC画)のダウンサンプリング処理により基準画像と、動き補償画像(MC画)の縮小画像を生成する。
次に、ステップS103において、縮小基準画像と、縮小動き補償画像(縮小MC画)とを比較して、縮小画像の構成画素単位の加算の信頼度を表す加算重みを算出する加算判定処理を行い、縮小画像の構成画素単位の加算重み(=加算係数)を設定した加算判定マップを生成する。
次に、ステップS104において、縮小画像の構成画素単位の加算重み(=加算係数)を設定した加算判定マップのアップサンプリング処理(拡大処理)により元の基準画像と、動き補償画像(MC画)と同じ画素数からなる加算判定マップを生成する。
その後、ステップS105において、アップサンプリングされた加算判定マップに従って基準画像と動き補償画像(MC画)を対応画素ごとに加算する処理を行う。この加算処理によって、ノイズ低減画像(NR画像)、またはさらなるノイズ低減に適用する新たな基準画像が生成される。
ステップS105の処理の後、ステップS106に進む。ステップS106では、さらに処理可能な参照画像が存在するか否かを判定する。処理可能な参照画像とは、例えば基準画像と同じ被写体を含み異なるタイミングで撮影した画像である。具体的には例えば連続撮影された画像である。処理可能な参照画像が存在する場合は、ステップS101に戻り、その参照画像と、ステップS106において生成した基準画+MC画に相当する基準画像を適用してステップS101以下の処理を繰り返す。
ステップS106において、処理可能な参照画像が存在しないと判定した場合は、最終的にステップS105において生成した加算画像をノイズ低減画像(NR画像)として出力する。
このように、本実施例に係る画像処理装置300は、動き補償処理部303の生成した動き補償画像(MC画)をダウンサンプリング処理部312で縮小した縮小動き補償画像(縮小MC画)と基準画像をダウンサンプリング処理部311で縮小した縮小基準画像を加算判定部304に入力する。従って、加算判定部304では、縮小画像の構成画素に対して画素単位の加算重みを生成すればよく計算量を軽減することが可能となり、処理が効率化され高速処理が実現される。
なお、ダウンサンプリング処理部311,312における画像のダウンサンプリング処理(縮小処理)と、アップサンプリング処理部313における画像のアップサンプリング処理(拡大処理)の処理態様としては既存の様々な処理手法が適用可能である。
図11にダウンサンプリング処理部311,312における画像のダウンサンプリング処理(縮小処理)に適用可能な処理手法の例を示す。ダウンサンプリング処理部311,312では、例えば図11に示すように平均化手法、ローパスフィルタ(LPF)適用手法、サプサンプル手法、中間値(mediam値)適用手法などが利用可能である。
平均化手法は、まず画像の縮小比率を定め、縮小される領域内の平均の特徴量を用いて縮小画像の各画素値を設定する手法である。これによりノイズを含む画素を平滑化することが可能となり、ノイズの影響が少なくなる。
ローパスフィルタ(LPF)適用手法は、ローパスフィルタ(LPF)を適用して画像縮小を行う手法である。縮小される領域内だけでなく、フィルタの窓の大きさに合わせて周りの画素と平滑化を行う。この処理では平均と同様にノイズ量を少なくできる。
サプサンプル手法は、縮小画像の画素に対応する元画像の領域内の一点もしくは数点の平均や中間値(median値)を縮小画像の画素値として設定する手法である。この処理の特徴は、縮小領域内のいくつかの点しか用いないため計算量を大幅に減少させることが可能なことである。
中間値(mediam値)適用手法は、縮小画像の画素に対応する元画像の領域内もしくはあるブロック内の中間値(median値)を縮小画像の画素値として設定する手法である。この処理の特徴は、いくつかの画素値がインパルス性ノイズによって、大幅に他の画素値と外れていても有効な値を縮小画像の画素値として設定できる点である。
ダウンサンプリング処理部311,312では、例えば図11に示す処理手法のいずれかを採用して基準画像および動き補償画像(MC画)の縮小画像の生成を行い、生成した縮小画像を加算判定部304に入力する。
一方、加算判定部304の生成したカサン係数マップのアップサンプリング処理を行うアップサンプリング処理部313において適用可能なアップサンプリング(拡大処理)の処理手法の例を図12に示す。
アップサンプリング処理部313において適用可能なアップサンプリング(拡大処理)の処理手法としては、図12に示すように、最近傍法、バイリニア法(bi−linear)、バイキュービック法(bi−cubic)、線形補間とLPF適用処理、一定領域の最大値、最小値を適用した手法、これらの手法のいずれかを利用することができる。
最近傍法は、図13(a)に示すように、画像を拡大した時に追加される画素の画素値として、縮小画像を構成する画素から、最も近い画素の値をコピーする。なお、本実施例におけるアップサンプリング処理部313の拡大対象は、各画素に対応する加算重み(=加算係数)からなるマップであるので、画素値は加算重み(=加算係数)に相当する。
バイリニア法(bi−linear)は、拡大画像において追加される画素の画素値を、縮小画像に含まれる周囲4個の画素をサンプルして線形補間によって決定する。本例では画素値は加算重み(=加算係数)に相当する。
バイキュービック法(bi−cubic)は、拡大画像において追加される画素の画素値を、近傍点にある縮小画像の複数画素からの距離により重みづけを行い、フィルタリングを行い決定する手法である。本例では画素値は加算重み(=加算係数)に相当する。
線形補間とLPF適用処理は、拡大画像において追加される画素の画素値を0として設定し、縮小画像に含まれる画素の画素値によって線形補間を行ない、ナイキスト周波数を遮断周波数として低域通過フィルタ(LPF)を通過させて画素値を決定する手法である。本例では画素値は加算重み(=加算係数)に相当する。
一定領域の最大値、最小値を適用した手法は、縮小画像のある領域の最大値または最小値を、拡大画像の対応領域内の全画素値として設定する手法である。図13(b)は、一定領域の最大値を適用した手法を示している。本例では画素値は加算重み(=加算係数)に相当する。
なお、ある領域の最大値をその領域内の画素値としてアップサンプリング(Up sampling)を行って加算重み(=加算係数)を設定した加算係数マップを生成した場合は、加算係数が大きく設定されることになり、基準画像に対する動き補償画像(MC画)の加算比率が高められる。一方、最小値とした場合は逆に基準画像の比率が高くなることになる。
[(2b)動き推定(ME)の成功判定情報を適用した加算判定処理を実行する画像処理装置(実施例2)]
次に、動き推定(ME)の成功判定情報を適用した加算判定処理を実行する画像処理装置(実施例2)について図14以下を参照して説明する。
この実施例2に係る動き推定(ME)の成功判定情報を適用した加算判定処理は、図9に示す画像処理装置300内の加算判定部304の処理として適用可能である。また、縮小画像を用いない図1に示す画像処理装置10の加算判定部14の処理として適用することも可能である。以下では、図9に示す画像処理装置300内の加算判定部304の処理として適用した場合について説明する。
本実施例の画像処理装置300の加算判定部304は、先に図8を参照して説明したように、基準画像と動き補償画像(MC画)の対応画素の画素値が異なる場合に、動き推定(ME)失敗による不正確な(劣化した)動き補償画像(MC画)に起因して発生した差分であるのか、強いノイズのよる差分か判別して、最適な加算重みを算出する構成を持つ。
本実施例の画像処理装置300の加算判定部304は、図14に示すように、領域判定部351、切り替え部(スイッチ)352、加算重み調整部(オール1)353、加算重み調整部(オール0)354、輝度信号(Y)加算判定部355、色差信号Cb,Cr)加算判定部356、ノイズ推定部357、演算部358を有する。
なお、輝度信号(Y)加算判定部355、色差信号(Cb,Cr)加算判定部356、ノイズ推定部357からなる処理ブロック360は、先に図4を参照して説明した加算判定部14の構成と同様の構成を持ち、図4を参照して説明したと同様の処理を行う処理ブロックである。ただし、本実施例では、縮小画像を入力して縮小画像の構成画素に対応する加算重みを生成して出力する。加算重み調整部(オール1)353、加算重み調整部(オール0)354、処理ブロック360の各々は、それぞれ領域属性に応じて各領域内の画素対応の加算重みを設定、または算出する処理を行なう加算重み設定部として機能する。
輝度信号(Y)加算判定部355は、図4(a)に対応する構成を有し、色差信号(Cb,Cr)加算判定部356は、図4(b),(c)に対応する構成であり、ノイズ推定部357は、図4におけるノイズ推定部110,130,150に対応する。
本実施例に係る加算判定部304は、領域判定部351において、縮小された基準画像と動き補償画像(MC画)を入力して、縮小画像を構成する複数画素からなる小領域(ブロック)単位で領域判定処理を行う。具体的には、各領域が動き推定(ME)成功領域であるか、動き推定(ME)失敗領域であるか、いずれにも分類できない詳細確認必要領域であるかの領域判定処理を行う。
なお、先に説明したように、動き推定(ME)失敗領域とは、動き予測処理部302において生成した動きベクトルに一致しない動きを示す画素が多い領域、すなわち固有に移動するオブジェクトなどが存在する領域であり、不正確な(劣化した)動き補償画像(MC画)の生成された領域である。具体的には、先に説明した図8に示す小領域291のような領域である。動き推定(ME)成功領域は、領域内の画素のほとんどが動き予測処理部302において生成した動きベクトルにほぼ一致する動きを示す画素からなる領域である。詳細確認必要領域は、いずれにも分類できない中間的な領域である。
領域判定部351は、縮小された基準画像と動き補償画像(MC画)を区分した小領域単位で、各領域が、
(a)動き推定(ME)成功領域
(b)動き推定(ME)失敗領域
(c)詳細確認必要領域
上記(a),(b),(c)のいずれの領域に対応するかの領域属性を判定する。
各領域についての判定情報は、判定結果に応じて加算重み調整部353、加算重み調整部354、および処理ブロック360に切り替え部(スイッチ)352を介してそれぞれ出力される。
例えば、「動き推定(ME)成功領域」の領域情報が加算重み調整部(オール1)353に出力されると、加算重み調整部(オール1)353は、その領域における画素対応の加算重みをすべて1に設定する。加算重みは、基準画像に対する動き補償画像(MC画)の加算重みであり0〜1の範囲に設定される。加算重み=1とは、動き補償画像(MC画)の画素値の重みを1とする設定であり、基準画像の対応画素の画素値の重みを0とする設定を意味する。
また、「動き推定(ME)失敗領域」の領域情報が加算重み調整部(オール0)354に出力されると、加算重み調整部(オール0)354は、その領域における画素対応の加算重みをすべて0に設定する。加算重み=0とは、動き補償画像(MC画)の画素値の重みを0とする設定であり、基準画像の対応画素の画素値の重みを1とする設定である。
この他の詳細確認必要領域の領域情報は、処理ブロック360に出力される。処理ブロック360では、詳細確認必要領域の構成画素のみに対して、先に図4を参照して説明したと同様の処理を行う。ただし、処理は縮小画像に対する処理として行われる。
結果として、加算重み調整部353は、「動き推定(ME)成功領域」のみについて、加算重み=1とした情報を出力し、加算重み調整部354は、「動き推定(ME)成功領域」のみについて、加算重み=0とした情報を出力し、処理ブロック360は、その他の「詳細確認必要領域」のみについて、先に図4を参照して説明した処理に従って加算重みを出力する。演算部358は、これらの各領域対応の加算重みをすべて足し合わせて縮小画像全領域の構成画素対応の加算重みからなる加算係数マップを生成して出力する。この加算係数マップは縮小画像の構成画素に対する加算重み情報からなるマップである。このマップは図9に示すアップサンプリング処理部313で元の基準画像や動き補償画像(MC画)と同様のサイズまで拡大され、拡大された加算係数マップが加算処理部に入力され、加算重みに応じて基準画像と動き補償画像(MC画)との加算処理が実行される。
領域判定部351の構成例および処理例について、図15以下を参照して説明する。図15は、領域判定部351の一構成例を示している。図15に示す領域判定部351は、差分算出部380、分散値算出部381、平均値算出部382、中間値(median)算出部383、最頻値算出部384、最大値(max)算出部385、最小値(min)算出部386、判定部387を有する。
なお、分散値算出部381、平均値算出部382、中間値(median)算出部383、最頻値算出部384、最大値(max)算出部385、最小値(min)算出部386の各々は、個別に各領域が、(a)動き推定(ME)成功領域、(b)動き推定(ME)失敗領域、(c)詳細確認必要領域、これらの(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定する指標値を出力可能である。従って、これらのいずれか1つのみを持つ構成としてもよく、また複数の処理部を持つ構成として、判定部387が複数の指標値を取得して総合的に判定を行う構成としてもよい。あるいは領域に応じて異なる処理部の指標値を選択的に適用して判定を行う構成としてもよい。
差分算出部380は、基準画像と動き補償画像(MC画)各々の対応する位置にある対応小領域の画素値情報を入力する。なお、これらはいずれも縮小画像である。また、実施例ではこれらの画像の輝度値(Y)を入力する設定であるが、輝度値ではなく画素値を入力してもよい。
ここでは、縮小された基準画像と動き補償画像(MC画)の対応小領域の構成画素の輝度値(Y)を入力したものとして説明する。差分算出部380は、基準画像と動き補償画像(MC画)の対応小領域の構成画素の輝度値(Y)差分を算出して、分散値算出部381、平均値算出部382、中間値(median)算出部383、最頻値算出部384、最大値(max)算出部385、最小値(min)算出部386に出力する。
先に説明したように、分散値算出部381〜最小値(min)算出部386は単独で、小領域が(a)動き推定(ME)成功領域、(b)動き推定(ME)失敗領域、(c)詳細確認必要領域、これらの(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定する指標値を出力可能である。
まず、分散値算出部381の処理について説明する。分散値算出部381は、差分算出部380から入力する基準画像と動き補償画像(MC画)の対応小領域の構成画素の輝度値(Y)差分の分散を算出する。
判定部387は、分散値算出部381の生成する差分の分散に基づいて、各領域が(a)動き推定(ME)成功領域、(b)動き推定(ME)失敗領域、(c)詳細確認必要領域、これらの(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定する。
図16を参照して画素値(輝度値)差分の分散に基づく判定処理について説明する。図16には、基準画像401、動き補償画像(MC画)402、およびこれらの各画像の輝度値差分からなる差分画像403を示している。
差分画像403には、動き推定(ME)成功領域411、動き推定(ME)失敗領域412、これらの中間にある詳細確認必要領域413を示している。さらに図16には、これら各領域に対応する差分絶対値の分布データを示している。図に示す差分絶対値分布データから理解されるように、
動き推定(ME)成功領域411の差分絶対値分布データは、分布が0付近に集中する。
動き推定(ME)失敗領域412の差分絶対値分布データは、分布が0以外に集中する。
詳細確認必要領域413の差分絶対値分布データは、ピークは0近辺、分散は動き推定(ME)成功領域より大きくなる。
このような傾向を示す。
判定部387では、これら3つの領域判定を予め設定した閾値との比較によって実行する。
平均値算出部382は、差分算出部380から入力する基準画像と動き補償画像(MC画)の対応小領域の構成画素の輝度値(Y)差分の平均値を算出する。差分平均値の値は、(b)動き推定(ME)失敗領域において最も大きな値となり、(a)動き推定(ME)成功領域では最も小さな値になり、(c)詳細確認必要領域ではその中間の値となる。
判定部387は、平均値算出部382の算出した差分平均値と予め設定した閾値との比較によって、各領域が(a)動き推定(ME)成功領域、(b)動き推定(ME)失敗領域、(c)詳細確認必要領域、これらの(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定する。
中間値(median)算出部383は、差分算出部380から入力する基準画像と動き補償画像(MC画)の対応小領域の構成画素の輝度値(Y)差分の中間値を算出する。差分中間値の値も、(b)動き推定(ME)失敗領域において最も大きな値となり、(a)動き推定(ME)成功領域では最も小さな値になり、(c)詳細確認必要領域ではその中間の値となる。
判定部387は、中間値(median)算出部383の算出した差分中間値と予め設定した閾値との比較によって、各領域が(a)動き推定(ME)成功領域、(b)動き推定(ME)失敗領域、(c)詳細確認必要領域、これらの(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定する。
最頻値算出部384は、差分算出部380から入力する基準画像と動き補償画像(MC画)の対応小領域の構成画素の輝度値(Y)差分の最頻値を算出する。最頻値の値も、(b)動き推定(ME)失敗領域において最も大きな値となり、(a)動き推定(ME)成功領域では最も小さな値になり、(c)詳細確認必要領域ではその中間の値となる。
判定部387は、最頻値算出部384の算出した差分最頻値と予め設定した閾値との比較によって、各領域が(a)動き推定(ME)成功領域、(b)動き推定(ME)失敗領域、(c)詳細確認必要領域、これらの(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定する。
最大値(max)算出部385は、差分算出部380から入力する基準画像と動き補償画像(MC画)の対応小領域の構成画素の輝度値(Y)差分の最大値(max)を算出する。最大値(max)の値も、(b)動き推定(ME)失敗領域において最も大きな値となり、(a)動き推定(ME)成功領域では最も小さな値になり、(c)詳細確認必要領域ではその中間の値となる。
判定部387は、最大値(max)算出部385の算出した差分最大値(max)と予め設定した閾値との比較によって、各領域が(a)動き推定(ME)成功領域、(b)動き推定(ME)失敗領域、(c)詳細確認必要領域、これらの(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定する。
最小値(min)算出部386は、差分算出部380から入力する基準画像と動き補償画像(MC画)の対応小領域の構成画素の輝度値(Y)差分の最小値(min)を算出する。最小値(min)の値も、(b)動き推定(ME)失敗領域において最も大きな値となり、(a)動き推定(ME)成功領域では最も小さな値になり、(c)詳細確認必要領域ではその中間の値となる。
判定部387は、最小値(min)算出部386の算出した差分最小値(min)と予め設定した閾値との比較によって、各領域が(a)動き推定(ME)成功領域、(b)動き推定(ME)失敗領域、(c)詳細確認必要領域、これらの(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定する。
なお、先に説明したように判定部387は、分散値算出部381〜最小値(min)算出部386の出力する指標値を個別に適用して領域判定を行ってもよいし、複数組み合わせて領域判定を行ってもよい。
図17に示すフローは、領域判定部351における領域判定処理の一例を示すフローチャートである。このフローは、判定部387において、分散値算出部381の生成する差分分散値と、平均値算出部382の生成する差分平均値を用いて各領域が(a)動き推定(ME)成功領域、(b)動き推定(ME)失敗領域、(c)詳細確認必要領域、これらの(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定する処理シーケンスを示している。
図17に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。ステップS211において、基準画像と動き補償画像(MC画)との対応画素の差分値を算出し、さらに領域毎に差分の平均と分散値を算出する。この処理は、差分算出部380、分散値算出部381、平均値算出部382において実行される。
ステップS212以下は判定部387の処理である。ステップS212において、判定部387は、予め設定されている閾値T2と、平均値算出部382の生成した差分平均値を比較する。
差分平均値>T2
上記式が成立する場合は、ステップS216に進み、この領域を「動き推定(ME)失敗領域」であると判定する。
ステップS212において、
差分平均値>T2
上記式が成立しない場合は、ステップS213に進む。ステップS213では、予め設定されている閾値T1と、平均値算出部382の生成した差分平均値との比較処理と、分散値算出部381の生成した差分分散値と、予め設定した閾値または画像に基づいて算出したノイズ分散値との比較処理を行う。すなわち、
T1<差分平均値
差分分散値<ノイズ分散値
上記2つの式に従った判定処理を行う。これらの2つの式が成立する場合は、ステップS215に進み、この領域を「動き推定(ME)成功領域」であると判定する。
ステップS213において、
T1<差分平均値
差分分散値<ノイズ分散値
上記2つの式が成立しない場合は、ステップS214に進み、この領域を「詳細確認必要領域」であると判定する。
図18に示すフローは、領域判定部351における領域判定処理の異なる処理例を示すフローチャートである。このフローは、判定部387において、分散値算出部381の生成する差分分散値と、平均値算出部382の生成する差分平均値と、最大値(max)算出部385の生成する差分最大値と、最小値(min)算出部386の算出する差分最小値を用いて各領域が(a)動き推定(ME)成功領域、(b)動き推定(ME)失敗領域、(c)詳細確認必要領域、これらの(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定する処理シーケンスを示している。
図18に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。ステップS221において、基準画像と動き補償画像(MC画)との対応画素の差分値を算出し、さらに領域毎に差分の平均値、分散値、最大値、最小値を算出する。この処理は、差分算出部380、分散値算出部381、平均値算出部382、最大値(max)算出部385、最小値(min)算出部386において実行される。
ステップS222以下は判定部387の処理である。ステップS222において、判定部387は、予め設定されている閾値T2と、平均値算出部382の生成した差分平均値を比較する。
差分平均値>T2
上記式が成立する場合は、ステップS228に進み、この領域を「動き推定(ME)失敗領域」であると判定する。
ステップS222において、
差分平均値>T2
上記式が成立しない場合は、ステップS223に進む。ステップS223では、予め設定されている閾値T1と、平均値算出部382の生成した差分平均値との比較処理と、分散値算出部381の生成した差分分散値と、予め設定した閾値または画像に基づいて算出したノイズ分散値との比較処理を行う。すなわち、
T1<差分平均値
差分分散値<ノイズ分散値
上記2つの式に従った判定処理を行う。これらの2つの式が成立する場合は、ステップS227に進み、この領域を「動き推定(ME)成功領域」であると判定する。
ステップS223において、
T1<差分平均値
差分分散値<ノイズ分散値
上記2つの式が成立しない場合は、ステップS224に進む。
ステップS224において、判定部387は、予め設定されている閾値T3と、最小値(min)算出部386の生成した差分最小値を比較する。
差分最小値>T3
上記式が成立する場合は、ステップS228に進み、この領域を「動き推定(ME)失敗領域」であると判定する。
ステップS224において、
差分最小値>T3
上記式が成立しない場合は、ステップS225に進む。
ステップS225において、判定部387は、予め設定されている閾値T4と、最大値(max)算出部385の生成した差分最大値を比較する。
差分最大値<T4
上記式が成立する場合は、ステップS227に進み、この領域を「動き推定(ME)成功領域」であると判定する。
ステップS225において、
差分最大値<T4
上記式が成立しない場合は、ステップS226に進み、この領域を「詳細確認必要領域」であると判定する。
図19は、領域判定部351のもう1つの例である。図19に示す領域判定部351は、正規化相関算出部421と判定部422を有する。正規化相関算出部は、基準画像と動き補償画像(MC画)各々の対応する位置にある対応小領域の画素値情報を入力する。正規化相関算出部421は基準画像と動き補償画像(MC画)各々の対応小領域の正規化相関を算出する。
判定部422は、正規化相関算出部421の算出した領域対応の正規化相関値と予め保持している閾値との比較を行い、領域が(a)動き推定(ME)成功領域、(b)動き推定(ME)失敗領域、(c)詳細確認必要領域、これらの(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定する。
「動き推定(ME)成功領域」においては、基準画像と動き補償画像(MC画)各々の対応小領域の画素値はほとんど等しい分布となり、正規化相関は高くなる。一方、「動き推定(ME)失敗領域」の正規化相関は低くなる、判定部422は、この傾向に基づいて、領域が(a)動き推定(ME)成功領域、(b)動き推定(ME)失敗領域、(c)詳細確認必要領域、これらの(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定する。
なお、正規化相関算出部421の算出する基準画像Aと動き補償画像(MC画)Bの正規化相関値[NC(A,B)]は、以下の式によって算出することができる。
NC(A,B)=Sum(A(i)×B(i))/(Sqrt(Sum(A(i)×A(i))×Sqrt(Sum(B(i)×B(i)))
なお、上記式において、
A(i)は画像領域Aの画素値(または輝度値)
B(i)は画像領域Bの画素値(または輝度値)
Sum:加算値
Sqrt:平方根
である。
判定部422は、上記式によって算出した各領域対応の正規化相関[NC(A,B)]と、予め設定している閾値T5,T6を比較して、例えば以下のような領域判定所を行う、
NC(A,B)>T5
上記判定式が成立する領域は、(a)動き推定(ME)成功領域、
NC(A,B)<T6
上記判定式が成立する領域は、(b)動き推定(ME)失敗領域、
その他は、(c)詳細確認必要領域、
このような領域判定処理を実行する。
図19に示す構成では、正規化相関値の実に基づいて領域判定を行う構成例であるが、図19に示す構成と図15に示す構成を合成し、図15に示す分散値算出部381〜最小値(min)算出部386の少なくともいずれかの出力と、図19に示す正規化相関算出部421の出力を組み合わせて領域判定処理を行う構成としてもよい。
図20に示すフローチャートは、図15に示す平均値算出部382の生成する差分平均値と、正規化相関算出部421の出力を組み合わせて領域判定処理を行う処理シーケンスを説明するフローチャートである。
図20に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。ステップS251において、基準画像と動き補償画像(MC画)との対応領域の正規化相関を算出し、さらに対応領域構成画素の差分平均値を算出する。この処理は、図15に示す差分算出部380、平均値算出部382、さらに、図19に示す正規化相関算出部421を適用した処理として実行される。
ステップS252以下は判定部の処理である。ステップS252において、判定部は、予め設定されている閾値T5と、図19に示す正規化相関算出部421の算出した正規化相関[NC]とを比較する。
NC>T5
上記式が成立する場合は、ステップS256に進み、この領域を「動き推定(ME)成功領域」であると判定する。
ステップS252において、
NC>T5
上記式が成立しない場合は、ステップS253に進む。
ステップS253では、予め設定されている閾値T6と、図19に示す正規化相関算出部421の算出した正規化相関[NC]との比較処理、および、予め設定されている閾値T7と、図15に示す平均値算出部382の生成した差分平均値を比較する。すなわち、
NC>T6
差分平均=|基準画像平均−動き補償画像(MC画)平均|>T7
これらの2つの式が成立するか否かを判定する。
上記2つの式が成立する場合は、ステップS255に進み、この領域を「動き推定(ME)失敗領域」であると判定する。
ステップS253において、
NC>T6
差分平均=|基準画像平均−動き補償画像(MC画)平均|>T7
これらの2つの式が成立しない場合は、ステップS254に進み、この領域を「詳細確認必要領域」であると判定する。
このように、本実施例に従った画像処理装置300、すなわち図9に示す画像処理装置300は加算判定部304において、縮小画像に対する処理を実行して処理の高速化を実現している。
さらに、加算判定部304において、縮小画像を区分した小領域単位で、各小領域が、(a)動き推定(ME)成功領域、(b)動き推定(ME)失敗領域、(c)詳細確認必要領域、これらの(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定し、この判定結果に応じて、図14に示す構成を適用して加算重みの設定を行う構成としている。
すなわち、
「動き推定(ME)成功領域」については、加算重み調整部(オール1)353において、加算重み=1とする。
「動き推定(ME)失敗領域」については、加算重み調整部(オール0)354において、加算重み=0とする。
「詳細確認必要領域」については処理プロック360において先に図4を参照して説明した処理を実行して各画素対応の加算重みを算出する。
これらの処理結果を合算して各が素対応の加算重みを設定した加算係数マップを生成する。このような処理によって、動き推定(ME)成功領域と失敗領域を区別した処理が可能となり、ノイズ低減に効果のある精度の高い加算重みの設定が可能となる。
加算判定部304の生成した加算係数マップはアップサンプリング処理部313に入力される。アップサンプリング処理部313は、加算判定部304の生成した加算係数マップを元の基準画像および動き補償画像(MC画)と同じ画素数に拡大する処理を行う。アップサンプリング処理部313は拡大した加算係数マップを加算処理部305に出力する。
加算処理部305は、基準画像と動き補償画像(MC画)とを対応画素ごとに計算された加算重みを適用して加算する処理を行う。加算処理部305の処理は、先に図1、図6を参照して説明したと同様の処理である。すなわち、基準画像と動き補償画像(MC画)との加重平均を計算して加算処理を行う。
[(2c)ノイズと動き推定(ME)失敗領域との判別情報を適用した加算判定処理を実行する画像処理装置(実施例3)]
次に、本発明の実施例3として、ノイズと動き推定(ME)失敗領域との判別情報を適用した加算判定処理を実行する画像処理装置の構成について説明する。
以下に説明する実施例3の画像処理装置は、加算判定部において加算重みを算出する際に基準画像あるいは動き補償画像(MC画)などに発生したノイズ領域と動き推定(ME)失敗領域との判別を行って、算出する加算重みの制御を行う構成を有する。
[(2c−1)領域判定結果に応じたノイズ判定テーブルの適用例]
図21は、本実施例3の画像処理装置における加算判定部500の構成を示す。この加算判定部500は、図1に示す画像処理装置10における加算判定部14、または図9に示す画像処理装置300の加算判定部304として利用できる。
すなわち、この実施例3において説明する加算判定処理は、縮小画像を用いない図1に示す画像処理装置10の加算判定部14の処理として適用することも可能であり、縮小画像を用いた図9に示す画像処理装置300内の加算判定部304の処理として適用可能である。
以下では、図1に示す画像処理装置10内の加算判定部14として適用した場合の処理例について説明する。図21に示すように、加算判定部500は領域判定部511、ノイズ判定テーブル生成部512、加算判定処理実行部513を有する。
図1に示す画像処理装置10の加算判定部14として、図21に示す加算判定部500を用いた場合、加算判定部500には、フレームメモリ11から基準画像、動き補償処理部13から動き補償画像(MC画)が入力される。さらに画像処理装置10を有する例えばカメラ内部のマイコンから画像情報(撮影条件など)を入力する。画像情報は、例えばカメラ内部のマイコンから供給される。画像情報には、入力画像(撮影画像)に対応する撮影モード、露光時間、ゲイン等の情報が含まれる。
領域判定部511は、フレームメモリ11に格納された基準画像、動き補償処理部13の生成した動き補償画像(MC画)を入力する。領域判定部511では、先の実施例2において説明した処理と同様の領域判定処理を行う。すなわち、図14を参照して説明した加算判定部304における領域判定部351と同様の構成を有し、同様の処理を実行する。
領域判定部511は、領域判定部351の処理として先に説明したように、基準画像と動き補償画像(MC画)を入力して、画像を構成する複数画素からなる小領域(ブロック)単位で領域判定処理を行う。具体的には、各領域が動き推定(ME)成功領域であるか、動き推定(ME)失敗領域であるか、いずれにも分類できない詳細確認必要領域であるかの領域判定処理を行う。
領域判定部511は、基準画像と動き補償画像(MC画)を区分した領域単位で、各領域が、
(a)動き推定(ME)成功領域
(b)動き推定(ME)失敗領域
(c)詳細確認必要領域
上記(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定する。
具体的な判定構成については、先に、実施例2において領域判定部351の処理として図15〜図20を参照して説明したと同様である。
領域判定部511は、領域単位の判定結果、すなわち、各領域が、
(a)動き推定(ME)成功領域
(b)動き推定(ME)失敗領域
(c)詳細確認必要領域
上記(a),(b),(c)のいずれに属するかの判定結果を各領域の位置情報とともに、ノイズ判定テーブル生成部512に出力する。
ノイズ判定テーブル生成部512は、加算判定処理実行部513において各領域に含まれる画素の加算重みを算出する際に適用するノイズ判定テーブルを生成する。ノイズ判定テーブル生成部512は、領域判定部511から各領域の判定結果を入力して、その領域判定結果に応じて、領域対応のノイズ判定テーブルを生成する。
ノイズ判定テーブルは、画素値とノイズ量との関係データである。これは、加算判定処理実行部513に設定されるノイズ推定部で適用するテーブルである。なお、加算判定処理実行部513は、たとえば先に図4を参照して説明した加算判定部の構成と同様の構成を有する。
先に図4を参照して説明したように、図4に示す加算判定部14は、ノイズ推定部110,130,150を有する。ノイズ推定部110,130,150は予め各条件で測定した輝度値とノイズ量の関係のデータをテーブルとして有する構成としていた。図4を参照して説明した例では、ノイズ推定部110は保持しているテーブルから、該当条件の輝度値とノイズ量の関係を求め、入力した輝度値に対応するノイズ量を画素加算判定部116、移動平均加算判定部117、移動分散加算判定部118に出力する。
例えば露光時間が長くなると、ランダムノイズが増加する傾向がある。また、撮像信号を増幅するゲインが大きくなると、ランダムノイズが増加する傾向がある。したがって、撮影条件としてシャッター速度および/またはゲインの情報を使用し、予めシャッター速度および/またはゲインのそれぞれに対応して画素値とノイズ量とのテーブルを作成して用意しておく。さらに、撮像装置が備えている撮影モードを撮影条件として使用しても良い。なお、撮影条件は、例えばフレームごとに設定される。
ノイズ推定部110は、画像中のノイズ量に影響を与える撮影モード、シャッター速度(露光時間)、ゲイン等を撮影条件情報としてカメラ制御部から入力し、予め各撮影条件で測定した輝度値とノイズ量の関係のデータから、該当条件の輝度値とノイズ量の関係を求め、該当撮影条件での入力輝度値に対応するノイズ量を出力する。
この入力輝度値に対応するノイズ量を示すのがノイズ判定テーブルである。本実施例では、このノイズ判定テーブルを、
(a)動き推定(ME)成功領域
(b)動き推定(ME)失敗領域
(c)詳細確認必要領域
上記(a)〜(c)の領域条件に応じて異なるテーブルとして、図21に示すノイズ判定テーブル生成部512において生成して、加算判定処理実行部513(例えば図4と同様の構成を有する)内のノイズ推定部に提供する。
例えば図4と同様の構成を有する加算判定処理実行部513では、ノイズ推定部は、図21に示すノイズ判定テーブル生成部512から、
(a)動き推定(ME)成功領域
(b)動き推定(ME)失敗領域
(c)詳細確認必要領域
これらの各領域に応じた異なるノイズ判定テーブルを入力する。
加算判定処理実行部513内のノイズ推定部は、加算判定処理実行部513で処理対象として入力された画素、すなわち加算重み算出対象とする画素の含まれる領域に対応するテーブルを選択し、選択テーブルから画素値(または輝度値)とノイズ量の関係を求める。その後、画素値(または輝度値)とノイズ量の関係情報を加算判定処理実行部513内の画素加算判定部、移動平均加算判定部、移動分散加算判定部(図4参照)に出力する。
これらの各処理部では、ノイズ推定部から供給されるノイズ量情報に従った処理を行うことになる。すなわち、画素加算判定部、移動平均加算判定部、移動分散加算判定部(図4参照)は、
(a)動き推定(ME)成功領域
(b)動き推定(ME)失敗領域
(c)詳細確認必要領域
これらの各領域に応じて異なるノイズ推定量を適用した処理を実行する。
ノイズ判定テーブルの具体例について、図22を参照して説明する。図22(A)には、ノイズ判定テーブル生成部512の生成する3種類のノイズ判定テーブルを示している。すなわち、
(1)オリジナルノイズ判定テーブル(詳細確認必要領域に適用)
(2)動き推定(ME)成功部対応補正ノイズ判定テーブル
(3)動き推定(ME)失敗部対応補正ノイズ判定テーブル
これらの3種類のノイズ判定テーブルである。
ノイズ判定テーブルは、画素値(または輝度値)に応じた推定ノイズ量を定めたテーブルである。図22の(1)オリジナルノイズ判定テーブル(詳細確認必要領域に適用)に示すノイズ判定テーブルの実線曲線が基本となる画素値(または輝度値)に応じた推定ノイズ量を定めたテーブルである。画素値が低いほどその画素値に含まれるノイズ成分は多く、画素値が高いほどその画素値に含まれるノイズ成分は少ないと推定される。
図22の最上段に示す「(1)オリジナルノイズ判定テーブル」は、領域判定部511において「詳細確認必要領域」であると判断された領域に含まれる画素の加算重みを算出する際に適用されるテーブルとなる。
「(2)動き推定(ME)成功部対応補正ノイズ判定テーブル」は、領域判定部511において「動き推定(ME)成功領域」であると判断された領域に含まれる画素の加算重みを算出する際に適用されるテーブルとなる。
「(3)動き推定(ME)失敗部対応補正ノイズ判定テーブル」は、領域判定部511において「動き推定(ME)失敗領域」であると判断された領域に含まれる画素の加算重みを算出する際に適用されるテーブルとなる。
図22から理解されるように、「(2)動き推定(ME)成功部対応補正ノイズ判定テーブル」は、「(1)オリジナルノイズ判定テーブル」に比較して、推定ノイズ量が大きく設定される。また、「(3)動き推定(ME)失敗部対応補正ノイズ判定テーブル」は、「(1)オリジナルノイズ判定テーブル」に比較して、推定ノイズ量が小さく設定される。
このようなテーブルを利用して加算判定処理実行部513内の画素加算判定部、移動平均加算判定部、移動分散加算判定部(図4参照)は、各画素に対応する加算重み、すなわち基準画像の画素に対応する動き補償画像(MC画)の対応画素の加算重みを設定する。図22(B)には、基準画像と動き補償画像(MC画)の対応画素との差分値と、加算重みの対応関係を示している。σはノイズの分散を示している。
加算判定処理実行部513内の画素加算判定部、移動平均加算判定部、移動分散加算判定部(図4参照)では、
(a)動き推定(ME)成功領域
(b)動き推定(ME)失敗領域
(c)詳細確認必要領域
これらの各領域に応じて異なるノイズ推定量を適用するため、各領域に応じて加算重みを異ならせて算出することになる。具体的には、動き推定(ME)成功領域では、動き補償画像(MC画)の画素値が多く加算され、ノイズ除去の効果が大きくなる。一方、動き推定(ME)失敗領域では、基準画像の画素値が多く加算され、動体保護の効果を大きくしている。
[(2c−2)領域判定結果に応じた加算重みの補正処理を行う構成例]
次に、図23を参照して領域判定結果に応じた加算重みの補正処理を行う構成例について説明する。
図23は、本実施例3の画像処理装置における加算判定部500のもう1つの構成例を示す。この加算判定部520は、図1に示す画像処理装置10における加算判定部14、または図9に示す画像処理装置300の加算判定部304として利用できる。
すなわち、この実施例3において説明する加算判定処理は、縮小画像を用いない図1に示す画像処理装置10の加算判定部14の処理として適用することも可能であり、縮小画像を用いた図9に示す画像処理装置300内の加算判定部304の処理として適用可能である。
以下では、図1に示す画像処理装置10内の加算判定部14として適用した場合の処理例について説明する。図21に示すように、加算判定部520は領域判定部521、加算重み補正値算出部522、加算判定処理実行部523、演算部524、加算重み調整部525を有する。
図1に示す画像処理装置10の加算判定部14として、図23に示す加算判定部520を用いた場合、加算判定部520には、フレームメモリ11から基準画像、動き補償処理部13から動き補償画像(MC画)が入力される。さらに画像処理装置10を有する例えばカメラ内部のマイコンから画像情報(撮影条件など)を入力する。画像情報は、例えばカメラ内部のマイコンから供給される。画像情報には、入力画像(撮影画像)に対応する撮影モード、露光時間、ゲイン等の情報が含まれる。
領域判定部521は、フレームメモリ11に格納された基準画像、動き補償処理部13の生成した動き補償画像(MC画)を入力する。領域判定部521では、先の実施例2において説明した処理と同様の領域判定処理を行う。すなわち、図14を参照して説明した加算判定部304における領域判定部351と同様の構成を有し、同様の処理を実行する。すなわち、領域判定部521は、基準画像と動き補償画像(MC画)を区分した領域単位で、各領域が、
(a)動き推定(ME)成功領域
(b)動き推定(ME)失敗領域
(c)詳細確認必要領域
上記(a),(b),(c)のいずれに属するかを判定し、判定結果を各領域の位置情報とともに、加算重み補正値算出部522に出力する。
加算重み補正値算出部522は、領域判定部521からの領域判定結果に応じて以下の加算重み補正値を演算部524に出力する。
(a)動き推定(ME)成功領域:1より大きい加算重み補正値
(b)動き推定(ME)失敗領域:1より小さい加算重み補正値
(c)詳細確認必要領域:1
加算判定処理実行部523は、たとえば先に図4を参照して説明した加算判定部の構成と同様の構成を有し、画素に対応する加算重みを算出して演算部524に出力する。
演算部524では、加算判定処理実行部523から出力される加算重みと、加算重み補正値算出部522から出力される加算重み補正値とを乗算する。すなわち、
(a)動き推定(ME)成功領域:加算判定処理実行部523から出力される加算重みに、1より大きい加算重み補正値を乗算して加算重みを大きくする。
(b)動き推定(ME)失敗領域:加算判定処理実行部523から出力される加算重みに、1より小さい加算重み補正値を乗算して加算重みを小さくする。
1より小さい加算重み補正値
(c)詳細確認必要領域:加算判定処理実行部523から出力される加算重みに、1を乗算して加算重みを変更しない。
このような加算重みの補正を実行して補正結果を加算重み調整部525に出力する。加算重み調整部525では、演算部524の出力値が0〜1の範囲になるような正規化する加算重み調整処理を実行して、最終的な加算重みとして出力する。この図23に示す構成を適用した場合も、先に図21を参照して説明した場合と同様の効果が得られる。すなわち、動き推定(ME)成功領域では、動き補償画像(MC画)の画素値が多く加算され、ノイズ除去の効果が大きくなる。一方、動き推定(ME)失敗領域では、基準画像の画素値が多く加算され、動体保護の効果を大きくしている。
<(3)画像処理装置のハードウェア構成例>
最後に、図24を参照して、上述した処理を実行する装置の1つのハードウェア構成例としてパーソナルコンピュータのハードウェア構成例について説明する。CPU(Central Processing Unit)701は、ROM(Read Only Memory)702、または記憶部708に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。例えば、上述の実施例において説明したノイズ低減画像(NR画像)の生成処理などの処理プログラムを実行する。RAM(Random Access Memory)703には、CPU701が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU701、ROM702、およびRAM703は、バス704により相互に接続されている。
CPU701はバス704を介して入出力インタフェース705に接続され、入出力インタフェース705には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部706、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部707が接続されている。CPU701は、入力部706から入力される指令に対応して各種の処理を実行し、処理結果を例えば出力部707に出力する。
入出力インタフェース705に接続されている記憶部708は、例えばハードディスクからなり、CPU701が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部709は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して外部の装置と通信する。
入出力インタフェース705に接続されているドライブ710は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア711を駆動し、記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部708に転送され記憶される。
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
以上、説明したように、本発明の一実施例の構成によれば、基準画像と参照画像とから画像間の動きを示す動きベクトルを適用して参照画像の動き補償を実行して動き補償画像を生成し、加算判定部が算出する動き補償画像の加算重みを適用して、基準画像と動き補償画像とを加算してノイズ低減画像を生成する。この構成において、加算判定部は基準画像と動き補償画像の縮小画像を入力して加算重み算出を行う。さらに、加算判定部は動き補償画像の動き推定の成否を小領域単位で判定し、動き推定の成否に応じて加算重みを調整する。これらの構成により、加算判定処理の効率化および加算重みの高精度化を図り品質の高いノイズ低減画像生成を実現した。
ノイズ低減画像の生成処理を行う画像処理装置の構成例について説明する図である。 ノイズ低減画像の生成処理例について説明する図である。 ノイズ低減画像の生成処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。 加算判定部の詳細構成例について説明する図である。 画素加算判定部の詳細構成例について説明する図である。 加算処理部の構成例について説明する図である。 基準画像と動き補償画像(MC画)による加算判定と加算重み生成処理の問題点について説明する図である。 本発明の一実施例に係る画像処理装置の加算判定処理の一例について説明する図である。 本発明の一実施例に係る画像処理装置の構成例について説明する図である。 本発明の一実施例に係る画像処理装置の実行する処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。 本発明の一実施例に係る画像処理装置の実行するダウンサンプリング処理例について説明する図である。 本発明の一実施例に係る画像処理装置の実行するアップサンプリング処理例について説明する図である。 本発明の一実施例に係る画像処理装置の実行するアップサンプリング処理の処理例について説明する図である。 動き推定(ME)の成功判定情報を適用した加算判定処理を実行する加算判定部の一構成例について説明する図である。 動き推定(ME)の成功判定情報を適用した加算判定処理を実行する加算判定部の領域判定部の構成例および処理例について説明する図である。 画素値(輝度値)差分の分散に基づく判定処理について説明する図である。 加算判定部内に設定される領域判定部における領域判定処理の一シーケンス例について説明するフローチャートを示す図である。 加算判定部内に設定される領域判定部における領域判定処理の一シーケンス例について説明するフローチャートを示す図である。 動き推定(ME)の成功判定情報を適用した加算判定処理を実行する加算判定部の領域判定部の構成例および処理例について説明する図である。 加算判定部内に設定される領域判定部における領域判定処理の一シーケンス例について説明するフローチャートを示す図である。 実施例3の画像処理装置における加算判定部の構成例について説明する図である。 実施例3の画像処理装置における加算判定部の利用するノイズ判定テーブルの具体例について説明する図である。 実施例3の画像処理装置における加算判定部の構成であり、領域判定結果に応じた加算重みの補正処理を行う例について説明する図である。 本発明の一実施例に係る画像処理装置のハードウェア構成例について説明する図である。
符号の説明
10 画像処理装置
11 フレームメモリ
12 動き予測処理部
13 動き補償処理部
14 加算判定部
15 加算処理部
110,130,150 ノイズ推定部
111,112,131,132,151,152 フィルタ
113,133,153 画素値差分算出部
114,134,154 移動平均差分算出部
115,135,155 移動分散差分算出部
116,136,156 画素加算判定部
117,137,157 移動平均加算判定部
118,138,158 移動分散加算判定部
119,120,139〜141,159,160,172 乗算器
171 アップサンプリング処理部
251,252,254 乗算器
253 減算器
255 加算器
300 画像処理装置
301 フレームメモリ
302 動き予測処理部
303 動き補償処理部
304 加算判定部
305 加算処理部
311,312 ダウンサンプリング処理部
313 アップサンプリング処理部
351 領域判定部
352 切り替え部
353,354 加算重み調整部
355 輝度信号加算判定部
356 色差信号加算判定部
357 ノイズ推定部
358 演算部
380 差分算出部
381 分散値算出部
382 平均値算出部
383 中間値(median)算出部
384 最頻値算出部
385 最大値(max)算出部
386 最小値(min)算出部
387 判定部
421 正規化相関算出部
422 判定部
500 加算判定部
511 領域判定部
512 ノイズ判定テーブル生成部
513 加算判定処理実行部
520 加算判定部
521 領域判定部
522 加算重み補正値算出部
523 加算判定処理実行部
524 演算部
525 加算重み調整部
701 CPU
702 ROM
703 RAM
704 バス
705 入出力インタフェース
706 入力部
707 出力部
708 記憶部
709 通信部
710 ドライブ
711 リムーバブルメディア

Claims (14)

  1. 基準画像と参照画像との画像間の動きを示す動きベクトルを検出する動き予測処理部と、
    前記動きベクトルを適用して前記参照画像の動き補償処理を実行して動き補償画像を生成する動き補償処理部と、
    前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理により、前記基準画像のノイズを低減したノイズ低減画像を生成する加算処理部と、
    前記加算処理部において実行する前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理に適用する動き補償画像の画素単位の加算重みを算出する加算判定部と、
    前記加算判定部に対して入力する前記基準画像と前記動き補償画像の縮小処理を行うダウンサンプリング処理部と、
    前記加算判定部の出力である加算係数マップの拡大処理を行うアップサンプリング処理部を有する画像処理装置。
  2. 前記加算判定部は、
    前記ダウンサンプリング処理部の生成した前記基準画像と前記動き補償画像の縮小画像を適用して該縮小画像の構成画素に対応する加算重みの算出を行う構成である請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 基準画像と参照画像との画像間の動きを示す動きベクトルを検出する動き予測処理部と、
    前記動きベクトルを適用して前記参照画像の動き補償処理を実行して動き補償画像を生成する動き補償処理部と、
    前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理により、前記基準画像のノイズを低減したノイズ低減画像を生成する加算処理部と、
    前記加算処理部において実行する前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理に適用する動き補償画像の画素単位の加算重みを算出する加算判定部を有し、
    前記加算判定部は、
    前記基準画像と前記動き補償画像の解析を実行し、前記動き補償画像を区分した小領域の各々が、
    (a)動き推定(ME)成功領域、
    (b)動き推定(ME)失敗領域、
    (c)上記(a),(b)いずれでもない詳細確認必要領域、
    上記の(a)〜(c)のいずれに対応する領域であるかの領域属性を判定する領域判定部と、
    前記領域判定部の判定結果である領域属性に応じて各領域に属する加算重みの算出処理を異なる処理として実行する加算重み設定部を有する構成である画像処理装置。
  4. 前記加算重み設定部は、
    前記小領域が動き推定(ME)成功領域である場合、該小領域に含まれる画素対応の加算重みを1に設定し、
    前記小領域が動き推定(ME)失敗領域である場合、該小領域に含まれる画素対応の加算重みを0に設定する処理を行なう構成である請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記加算重み設定部は、
    前記小領域が動き推定(ME)成功領域、動き推定(ME)失敗領域のいずれでもない領域である場合は、該領域に含まれる画素単位で前記基準画像と前記動き補償画像の対応画素の差分情報を含む情報の解析により、各画素対応の加算重みを算出する構成である請求項3または4に記載の画像処理装置。
  6. 前記領域判定部は、
    前記基準画像と前記動き補償画像の対応画素の差分値対応の分散値、または平均値、または中間値、または最頻値、または最大値、または最小値の少なくともいずれかを算出し、いずれかの算出値と予め設定した閾値との比較処理により領域判定処理を行う構成である請求項3に記載の画像処理装置。
  7. 前記領域判定部は、
    前記基準画像と前記動き補償画像の正規化相関を算出し、予め設定した閾値との比較処理により領域判定処理を行う構成である請求項3に記載の画像処理装置。
  8. 前記加算判定部は、さらに、
    前記領域判定部の判定結果である領域属性に応じて画素値対応の推定ノイズ量を変えたノイズ判定テーブルを生成するノイズ判定テーブル生成部を有し、
    前記加算重み設定部は、前記ノイズ判定テーブルを適用して推定されるノイズ量を適用して各領域に属する画素対応の加算重みを、前記領域属性に応じて異なる処理として実行する構成である請求項3に記載の画像処理装置。
  9. 前記加算判定部は、さらに、
    前記領域判定部の判定結果である領域属性に応じて加算重み補正値を算出する加算重み補正値算出部と、
    前記加算重み設定部の算出した画素対応の加算重みの値と前記加算重み補正値算出部の算出した加算重み補正値との演算処理を実行する演算部と、
    前記演算部の出力を0〜1の範囲に調整する加算重み調整部を有する構成である請求項3に記載の画像処理装置。
  10. 前記加算判定部は、
    ダウンサンプリング処理部の生成した前記基準画像と前記動き補償画像の縮小画像を適用して該縮小画像の構成画素に対応する加算重みの算出を行う構成である請求項3〜9いずれかに記載の画像処理装置。
  11. ノイズ低減画像を生成する画像処理装置における画像処理方法であり、
    動き予測処理部が、基準画像と参照画像との画像間の動きを示す動きベクトルを検出する動き予測処理ステップと、
    動き補償処理部が、前記動きベクトルを適用して前記参照画像の動き補償処理を実行して動き補償画像を生成する動き補償処理ステップと、
    加算処理部が、前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理により、前記基準画像のノイズを低減したノイズ低減画像を生成する加算処理ステップと、
    加算判定部が、前記加算処理部において実行する前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理に適用する動き補償画像の画素単位の加算重みを算出する加算判定ステップと、
    ダウンサンプリング処理部が、前記加算判定部に対して入力する前記基準画像と前記動き補償画像の縮小処理を行うダウンサンプリング処理ステップと、
    アップサンプリング処理部が、前記加算判定部の出力である加算係数マップの拡大処理を行うアップサンプリング処理ステップを有する画像処理方法。
  12. ノイズ低減画像を生成する画像処理装置における画像処理方法であり、
    動き予測処理部が、基準画像と参照画像との画像間の動きを示す動きベクトルを検出する動き予測処理ステップと、
    動き補償処理部が、前記動きベクトルを適用して前記参照画像の動き補償処理を実行して動き補償画像を生成する動き補償処理ステップと、
    加算処理部が、前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理により、前記基準画像のノイズを低減したノイズ低減画像を生成する加算処理ステップと、
    加算判定部が、前記加算処理部において実行する前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理に適用する動き補償画像の画素単位の加算重みを算出する加算判定ステップを有し、
    前記加算判定ステップは、
    前記基準画像と前記動き補償画像の解析を実行し、前記動き補償画像を区分した小領域の各々が、
    (a)動き推定(ME)成功領域、
    (b)動き推定(ME)失敗領域、
    (c)上記(a),(b)いずれでもない詳細確認必要領域、
    上記の(a)〜(c)のいずれに対応する領域であるかの領域属性を判定する領域判定ステップと、
    前記領域判定ステップにおける判定結果である領域属性に応じて各領域に属する加算重みの算出処理を異なる処理として実行する加算重み設定ステップを有する画像処理方法。
  13. 画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
    動き予測処理部に、基準画像と参照画像との画像間の動きを示す動きベクトルを検出させる動き予測処理ステップと、
    動き補償処理部に、前記動きベクトルを適用して前記参照画像の動き補償処理を実行して動き補償画像を生成させる動き補償処理ステップと、
    加算処理部に、前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理により、前記基準画像のノイズを低減したノイズ低減画像を生成させる加算処理ステップと、
    加算判定部に、前記加算処理部において実行する前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理に適用する動き補償画像の画素単位の加算重みを算出させる加算判定ステップと、
    ダウンサンプリング処理部に、前記加算判定部に対して入力する前記基準画像と前記動き補償画像の縮小処理を行わせるダウンサンプリング処理ステップと、
    アップサンプリング処理部に、前記加算判定部の出力である加算係数マップの拡大処理を行わせるアップサンプリング処理ステップを有するプログラム。
  14. 画像処理装置において画像処理を実行させるプログラムであり、
    動き予測処理部に、基準画像と参照画像との画像間の動きを示す動きベクトルを検出させる動き予測処理ステップと、
    動き補償処理部に、前記動きベクトルを適用して前記参照画像の動き補償処理を実行して動き補償画像を生成させる動き補償処理ステップと、
    加算処理部に、前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理により、前記基準画像のノイズを低減したノイズ低減画像を生成させる加算処理ステップと、
    加算判定部に、前記加算処理部において実行する前記基準画像と前記動き補償画像との加算処理に適用する動き補償画像の画素単位の加算重みを算出させる加算判定ステップを有し、
    前記加算判定ステップは、
    前記基準画像と前記動き補償画像の解析を実行し、前記動き補償画像を区分した小領域の各々が、
    (a)動き推定(ME)成功領域、
    (b)動き推定(ME)失敗領域、
    (c)上記(a),(b)いずれでもない詳細確認必要領域、
    上記の(a)〜(c)のいずれに対応する領域であるかの領域属性を判定させる領域判定ステップと、
    前記領域判定ステップにおける判定結果である領域属性に応じて各領域に属する加算重みの算出処理を異なる処理として実行させる加算重み設定ステップを有するプログラム。
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