JP2010147757A - スピーカ用部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、スピーカ用部品を製造する際の歩留まりを向上させることを目的とする。
【解決手段】このため、本発明の製造方法は、第二の金型2のプロテクタ載置部に、放音孔17を有する皿状のプロテクタ4を、放音孔17と第二の金型2のエア噴出口9とが連通するように載置する第一の工程と、第一の金型1と第二の金型2の間に樹脂シート6を支持する第二の工程と、樹脂シート6を支持した状態で第一の金型1及び第二の金型2を型締めし、プロテクタ4の放音孔17及びエア噴出口9を介してエアを樹脂シート6に噴き付け、樹脂シート6を第一の金型1の成形部に沿わせてスピーカ用振動板を成形するとともにプロテクタ4の外縁部18にスピーカ用振動板の外縁部を接合するものとした。したがって、成形後のスピーカ用振動板はプロテクタ4にて形状が保持されるため、変形の可能性が低減し、この結果、歩留まりを向上させることができる。
【選択図】図4

Description

本発明はスピーカ用振動板にプロテクタが接合されたスピーカ用部品の製造方法に関するものである。
近年、携帯電話機やノートパソコンの需要の増加に伴い、これらに用いられるスピーカにおいても高生産性が求められている。このような市場の要求に応えるべく、スピーカ用振動板の製造方法においては、一対の金型により樹脂シートをプレスし、さらにエアを噴き付けることで樹脂シートを成形部に沿わせてスピーカ用振動板を成形する、いわゆる圧空成形方式が主として行われてきた。
図8は、特許文献1に記載のスピーカ用振動板の製造方法を示す図である。
この図8(a)〜(d)に示されるように、従来のスピーカ用振動板の製造方法では、所望の成形部を有する第一の金型101と、この第一の金型101に嵌合する第二の金型102とで、これら第一の金型101及び第二の金型102の間に支持された樹脂シート103を金型加熱により温度をかけながら型締めし、さらに第二の金型102に設けたエア噴射孔104から樹脂シート103にエアを噴き付けることで樹脂シート103を第一の金型101の成形部に沿わせてスピーカ用振動板106を成形していた。
なお、この従来のスピーカ用振動板の製造方法は図8において(a)、(b)、(c)、(d)の順で行われる。
特開2008−236714号公報
確かに特許文献1に記載の製造方法によると、成形用金型である第一の金型101及び第二の金型102を用いて手間をかけることなくスピーカ用振動板106を製造することができ、生産性に優れるものであった。
しかしながら、一般的に携帯電話機やノートパソコンなどの比較的小型の電子機器に用いられるスピーカ用振動板106は非常に薄く、成形後のスピーカ用振動板106を金型から取り出す際に、スピーカ用振動板106が変形してしまい、結果として歩留まりが低下してしまうことがあった。
この課題に対し、特許文献1では下記のような対策をさらに講じていた。
すなわち、第一の金型101及び第二の金型102を用いて樹脂シート103をプレスする際に、金属等で形成された所定の形状を有する枠体105を予め第一の金型101及び第二の金型102の間に配置しておき、この枠体105に樹脂シート103を貼り付けた状態でスピーカ用振動板106を成形していた。この結果、型締めされた後のスピーカ用振動板106は枠体105にて形状が保持され、取り出す際の変形の可能性を低減することができる。
ところが、この方法では、枠体105という追加部品が必要となるため、完成品としてのスピーカの重量が重くなってしまい、またコストの面からも優れた対策であるとは言い難い。
そこで、本発明はこれらの課題を解決し、追加の部品を必要とすることなく、成形後のスピーカ用振動板が変形してしまう可能性を低減し、歩留まりを向上させる製造方法を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために本発明によるスピーカ用部品の製造方法は、成形部と、前記成形部の周縁に上側挟持部を有する第一の金型と、前記第一の金型に対向して設けられ、プロテクタ載置部、前記プロテクタ載置部の周縁に設けられた下側挟持部、及び前記プロテクタ載置部に設けられたエア噴出口を有する第二の金型を用いてスピーカ用部品を製造する製造方法であり、前記第二の金型のプロテクタ載置部に、放音孔を有する皿状のプロテクタを、前記放音孔と前記第二の金型の前記エア噴出口とが連通するとともに前記プロテクタの凹部内底面が第一の金型の成形部と対向するように載置する第一の工程と、前記第一の金型と前記第二の金型の間にシート状成形材料を支持する第二の工程と、前記シート状成形材料を支持した状態で前記第一の金型及び前記第二の金型を型締めすることで前記プロテクタの外縁部と前記シート状成形材料を前記第一の金型の上側挟持部及び前記第二の金型の下側挟持部にて挟持し、前記プロテクタの放音孔及び前記エア噴出口を介してエアを前記シート状成形材料に噴き付け、前記シート状成形材料を前記第一の金型の成形部に沿わせて前記スピーカ用振動板を成形するとともに前記プロテクタの外縁部に前記スピーカ用振動板の外縁部を接合する第三の工程を含むことを特徴とする。
以上のように、本発明の製造方法によると、スピーカ用振動板を成形すると同時に、スピーカ用振動板をプロテクタに接着することができる。
したがって、成形したスピーカ用振動板を金型から取り出す際にはスピーカ用振動板の外縁部はプロテクタにすでに接合され、スピーカ用振動板の形状はプロテクタにより保持されているので、変形の可能性を低減することができる。この結果、スピーカ用振動板の製造の歩留まりを向上させることができる。
また、従来の製造方法にて用いた枠体のような追加の部品は必要ないので、完成品のスピーカの重量を重くしてしまうこともなく、さらにコスト面からも優れたものとなっている。
以下、本発明の一実施形態におけるスピーカ用部品の製造方法に用いる成形機の構成について図1を用いて説明する。ここで、図1(a)は成形機の外観を示す斜視図、図1(b)は成形機の上面図、図1(c)は図1(b)の一点鎖線部分における断面概略図である。
図1(a)に示すように、本実施の形態におけるスピーカ用部品の製造方法に用いる成形機は第一の金型1、第二の金型2からなる一対の金型によって構成される。これら2つの金型により、スピーカ用振動板3とプロテクタ4とで構成されるスピーカ用部品を製造することが可能となる。なお、スピーカ用振動板3とプロテクタ4の構成等については、図2以降で説明する。また第二の金型2の両側面には後述するエア注入口10が設けられている。
第一の金型1は図1(b)の破線で示す位置において、その下面側に所望のスピーカ用振動板3の形状に成形した成形部5が設けられており、この成形部5の形状が後述する樹脂シート6に転写される。なお、本実施の形態の製造方法によって製造されるスピーカ用部品を構成するスピーカ用振動板3の形状は、破線の形状からわかるように矩形状としているが、本実施の形態の製造方法はその他の形状のスピーカ用振動板にも適用が可能である。
この成形部5が設けられた面から、第一の金型1の背面にかけてはエア抜き孔が貫通して複数個設けられている(エア抜き孔の径は第一の金型1の大きさに対して非常に微小であるため図示せず)。このエア抜き孔は樹脂シート6成形時の樹脂シート6と第一の金型1の間に介在する空気を外部へと排出するものである。ここで、エア抜き孔の直径は0.3mm程度のごく小さなものであるので、成形されるスピーカ用振動板3の形状に影響はなく、樹脂シート6には第一の金型1の成形部5通りの型が転写される。
また、図1(c)に示すように第一の金型1の成形部5の周囲には成形部5を取り囲むように上側挟持部7が設けられている。この上側挟持部7とは、金型を型締めする際に樹脂シート6及びプロテクタ4を挟持する部分のことであり、一様な平坦面にて構成されている。
なお、図示はしていないが第一の金型1の背部(上方向)には、第一の金型及び第二の金型2を型締めする前に第一の金型1を加熱するためのヒーターを設置してある。
第二の金型2は、図1(c)に示されるように第一の金型1の成形部5に対向する面に、成形部5とは逆方向に窪んだプロテクタ載置部8が設けられており、本実施の形態の製造方法においてはこのプロテクタ載置部8にプロテクタ4が載置される。さらに、第二の金型2のプロテクタ載置部8中央部付近にはエア噴出口9が設けられている。このエア噴出口9は、図1(c)に示すように第二の金型2の両側部に設けられたエア注入口10まで通気路11にてつながっており、第二の金型2外部と連通した状態となっている。スピーカ用振動板3成形時にはこのエア注入口10から空気を注入し、注入された空気はエア噴出口9から第一の金型1の成形部5方向に向けて噴出される。
プロテクタ載置部8の周囲には、上側挟持部7と対向するように下側挟持部12が設けられている。この下側挟持部12は、金型を型締めする際に上側挟持部7と協働して樹脂シート6及びプロテクタ4を挟持する部分であり、上側挟持部7と同様に平坦な面にて構成されている。
また、第一の金型1と同様に、第二の金型2の背部(下方向)にも樹脂シート6成形前に第二の金型2を加熱するためのヒーターを設置してある(図示せず)。ここで、本実施の形態においてはヒーターを第一の金型1及び第二の金型2の背部に配置するものとしたが、これに限られるものではなく、例えば側部など、ヒーターを加熱できる場所であれば何れの場所に設置しても構わない。
なお、第一の金型1及び第二の金型2の内部には、温度センサが埋設してある(図示せず)。この温度センサの機能については後述する。
実際のスピーカ用部品製造時のこれら2つの金型の位置関係は図1(c)のごとく、第一の金型1が第二の金型2の上部に配置されるものである。
以下、上記の成形機を用いたスピーカ用部材の製造方法の手順について図2〜5を用いて説明する。図2〜5は本実施の形態の製造方法におけるそれぞれの工程を示すものであり、図2〜5においては第一の金型1及び第二の金型2のスピーカ用部材形成に用いる要部を拡大して示している。
初めに、第一の工程について説明する。
第一の工程は、プロテクタ4を第二の金型2のプロテクタ載置部8に載置する工程である。
まず、第一の工程では、図2に示すように第一の金型1と第二の金型2が開いた状態で、中央に凹部13を有する皿状のプロテクタ4を、凹部13の内底面14が第一の金型1の成形部5と対向するように第二の金型2のプロテクタ載置部8に載置する。このプロテクタ4は、厚みが0.08mmから0.15mmの間であり、ステンレスにて形成されたものを用いている。
ここで、このプロテクタ4の凹部13の外周面上端部13aの形状とプロテクタ載置部8の内周面上端部8aは略同形状としている。また、プロテクタ4の凹部13の深さとプロテクタ載置部8の深さは略同一としている。したがって、プロテクタ4をプロテクタ載置部8に載置する際には、プロテクタ4がプロテクタ載置部8にちょうど嵌まり込むようにして載置されるとともに、図2に示すように、プロテクタ4の裏面は第二の金型2のプロテクタ載置部8の表面に密着した状態で接している。
ただし、プロテクタ載置部8の表面はプロテクタ4の裏面に余す所なく接する必要はなく、図2の隙間16に示すようにプロテクタ4と第二の金型2の間に隙間16が存在していても問題はない。
なお、本実施の形態においては、上述したように基本的にはプロテクタ4をプロテクタ載置部8に嵌め込むように載置することでプロテクタ4を第二の金型2の所定の位置に固定するものであるが、第二の金型2の下側挟持部12は図2に示すように少し窪ませて設けられており、プロテクタ4の外周端をこの窪みに嵌合させることでさらにかつ高精度に固定できるものとなっている。
ここで、プロテクタ4の凹部13中央付近には放音孔17が3箇所設けられている。スピーカを駆動した際には、スピーカ用振動板3から発生した音声はこの放音孔17を通って外部へと放出される。
この放音孔17は、図2に示すようにプロテクタ4を第二の金型2に載置した状態において、放音孔17は第二の金型2のエア噴出口9のちょうど真上に位置し、これら放音孔17及びエア噴出口9は連通した状態となる。
次に第二の工程について説明する。
第二の工程は、第一の金型1と第二の金型2の間にスピーカ用振動板3の元となるシート状の成形材料を支持する工程である。本実施の形態では、シート状の成形材料として、樹脂にて形成された樹脂シート6を用いている。
第二の工程においては、図3に示すように第一の金型1と第二の金型2の間に平板状の樹脂シート6を挿入し、支持する。この樹脂シート6の厚みは10μm程度としている。
このように、樹脂シート6を第一の金型1と第二の金型2の間に支持し、そしてプロテクタ4を第二の金型2を載置した状態で、第二の工程においてはヒーターにて第一の金型1及び第二の金型2を樹脂シート6のガラス転移点以上の温度に加熱する。例えば、樹脂シート6としてPEI(ポリエーテルイミド)を用いた場合、PEIのガラス転移点は約220℃であるので、第一の金型1及び第二の金型2は230℃程度に加熱するのが望ましい。なお、樹脂シート6はPEIに限られるものではなく、PAR(ポリアリレート)、PPSU(ポリフェニルサルフォン)、PI(ポリイミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等の高分子樹脂材料を用いてもよい。これらの樹脂材料を用いた場合も、PEIと同様に第一の金型1及び第二の金型2の加熱温度は、用いた樹脂材料のガラス転移点以上の温度とする。なお、本実施の形態においてはこの第二の工程において第一の金型1及び第二の金型2を加熱するものとしたが、これに限らず第一の工程の前に予め加熱するものとしてもよい。すなわち、後述する第三の工程の前に第一の金型1及び第二の金型2を加熱した状態とできるのであればよい。
また、本実施の形態では、スピーカ用振動板3のシート状成形材料として樹脂にて形成された樹脂シート6を用いたが、これ以外にもパルプ材料や、パルプと高分子樹脂を混合した材料をシート状にしたものであっても、本実施の形態の製造方法は適用可能である。
次に、第三の工程について説明する。
第三の工程は、第二の工程の状態から第一の金型1と第二の金型2を型締めし、さらにエア噴出口9を介して樹脂シート6にエアを噴き付ける工程である。
上述したように、第一の金型1及び第二の金型2の内部には温度センサが埋設されており、第一の工程におけるヒーターの加熱にて、第一の金型1及び第二の金型2が所定の温度に達したことを温度センサが検知すると、自動的に第一の金型1が第二の金型2に向かって降下し始める。本実施の形態においては、このように第一の金型1の降下動作を温度センサによって制御しているが、あるいは、ヒーターの加熱を開始し一定の時間が経過すると自動的に第一の金型1が第二の金型2に向かって降下し始める構成としてもよい。なお、第一の金型1が第二の金型2に向かって降下し始める構成以外にも、第二の金型2が第一の金型1に向かって上昇し始める構成としてもよいし、第一の金型1と第二の金型2が両者とも移動する構成としてもよい。
そして、第一の金型1の成形部5が樹脂シート6に接触し、この状態からさらに第一の金型1は第二の金型2に向かって降下して成形部5はプロテクタ4の凹部13の中空部分にまで達する。これと同時にプロテクタ4の外縁部18と樹脂シート6は第一の金型1の上側挟持部7及び第二の金型2の下側挟持部12にて挟持された状態になる。すなわち、図4(a)に示す状態となる。
この時、樹脂シート6は図4(a)に示すように第一の金型1の成形部5とある程度接触した状態となり、第一の金型1及び第二の金型2が帯びている熱により、軟化し始める。
また、プロテクタ4の外縁部18には予め接着剤を塗布している。本実施の形態においては、接着剤として熱硬化性樹脂を用いており、ディスペンサーやピンなどによる転写、またはインクジェット法などにより予め塗布している。第二の工程でプロテクタ4の外縁部18と樹脂シート6が加圧、加熱された際には、この熱硬化性樹脂が硬化し、プロテクタ4の外縁部18と樹脂シート6が接合する。あるいは、熱硬化性樹脂の代わりに熱可塑性樹脂を用いてプロテクタ4の外縁部18と樹脂シート6を接合させてもよい。
また、第一の金型1の上側挟持部7及びプロテクタ4の外縁部18の樹脂シート6側の面の平面度はできるだけ高く、すなわち凹凸が少ないことが好ましい。本実施の形態においてはそれぞれの平面度を0.02以下としている。このような構成にすることで、第一の金型1及び第二の金型2を型締めした際の上側挟持部7とプロテクタ4の外縁部18の樹脂シート6に対する密着性を高めることができ、樹脂シート6をプロテクタ4の外縁部18に十分に接合させることができる。
この後、プロテクタ4の放音孔17及びエア噴出口9を介して図4(b)の矢印Aの方向にエアを噴き付け、樹脂シート6を成形部5の形状に成形する。
すなわち、図4(a)に示した状態において、エア注入口10からエアを注入し、通気路11を通じてプロテクタ4の放音孔17及びエア噴出口9から樹脂シート6に向けてエアを噴出させる。ここで、プロテクタ4の放音孔17の径はエア噴出口9の径よりも大きく設計されている。このため、エア噴出口9から噴出されたエアがプロテクタ4の外底面15に当たってしまうことはなく、エア噴出口9から噴出されたエアは無駄なくプロテクタ4の凹部13と樹脂シート6に囲まれた空間19に噴出される。
この結果、軟化した樹脂シート6にはエアが噴き付けられ、樹脂シート6が引き伸ばされるとともに、樹脂シート6と第一の金型1の間に介在する空気はエア抜き孔(図示せず)から排出される。そして、樹脂シート6は図4(b)に示すように成形部5に沿って変形し、成形部5の形状が樹脂シート6に転写され、スピーカ用振動板3が成形される。このようにエアを噴き付けることで樹脂シート6を引き伸ばして成形するので、高精度に成形部5の形状を樹脂シート6に転写することができる。本実施の形態において、エアを噴き付ける際の圧力は0.3MPa〜1.0MPaとしている。エアの圧力を0.3MPa未満とすると、樹脂シート6を十分に成形部5に密着させることができず、またエアの圧力を1.0MPaより大きくすると樹脂シート6に破れが生じる可能性があるためである。このような範囲の値の圧力であれば、樹脂シート6を問題なく成形部5に密着させることができる。
なお、プロテクタ4の外縁部18と樹脂シート6は第一の金型1の上側挟持部7及び第二の金型2の下側挟持部12にて挟持され、プロテクタ4の外縁部18は樹脂シート6を介して第二の金型2に密着しているため、噴き付けたエアがプロテクタ4の外縁部18と樹脂シート6接着部分から外部に漏れることはない。また、プロテクタ4の外底面15は第二の金型2のプロテクタ載置部8の表面に密着しているため、噴き付けたエアが隙間16に漏れることもない。
第三の工程の後、温度センサが、第一の金型1及び第二の金型2が一定の温度まで冷却されたと判断すると、自動的に第一の金型1及び第二の金型2が分離し、図5に示す状態になる。あるいは、一定の時間が経過すると自動的に第一の金型1及び第二の金型2が分離するように制御してもよい。図5に示すように、第一の金型1及び第二の金型2を分離すると、スピーカ用振動板3の外縁部3aとプロテクタ4の外縁部18が接合された状態となっている。ここでスピーカ用振動板3の外縁部3aとは図5におけるスピーカ用振動板の湾曲部3bの周囲の部分である。そして、第二の金型2に載荷されたプロテクタ4を成形機から取り出し、スピーカ用振動板3の不要部分(プロテクタ4の外縁部18から外側の部分)を裁断すると、図6で示すようなプロテクタ4とスピーカ用振動板3が一体となったスピーカ用部品を完成させることができる。
以下、本実施の形態の製造方法によって製造されたスピーカ用部品を用いたスピーカについて図7を用いて説明する。
図7に示すように、スピーカ用振動板3は、プロテクタ4に接合されており、さらにプロテクタ4と接合された面とは逆側の面においてフレーム20に接合されている。スピーカ用振動板3にはボイスコイル21が固定されて設けられており、このボイスコイル21はフレーム20の底部中央の、プレート22、マグネット23、及びヨーク24で構成される磁気回路体25が形成する磁気ギャップ26に可動自在に配置されている。
このような構造のスピーカに音声信号を付加した交流電流を流すと、ボイスコイル21が磁気ギャップ26と反応し、ボイスコイル21には駆動力が発生する。この駆動方向はフレミングの左手の法則に従い、ボイスコイル21は上下方向に振動する。そして、ボイスコイル21の振動が振動板に伝わり、振動板が空気を動かすことで音声が発生する。発生した音声はプロテクタ4の放音孔17を通ってスピーカ外部へと出力され、この結果、受聴者が音声を聴取可能となる。
以下、本実施の形態におけるスピーカ用部品の製造方法の効果について説明する。
まず、本実施の形態におけるスピーカの製造方法によると、製造したスピーカ用振動板3を金型から取り出す際の変形を防止することができ、スピーカ用振動板3の歩留まりを向上させることができる。
これは、本実施の形態における製造方法ではスピーカ用振動板3を成形すると同時に、スピーカ用振動板3をプロテクタ4に接合しているためである。
すなわち、従来の製造方法では、スピーカ用振動板3が非常に薄いため、金型からスピーカ用振動板3を取り出す際に変形してしまう恐れがあったが、本実施の形態における製造方法においては、金型からスピーカ用振動板3を取り出す際にはすでにスピーカ用振動板3はプロテクタ4に接合された状態となっており、スピーカ用振動板3の形状はプロテクタ4によって保持されている。したがって、従来の製造方法のようなスピーカ用振動板3の変形は生じにくく、歩留まりを向上させることが可能となっている。なお、従来、スピーカ用振動板3は非常に薄いものであるため、スピーカ用振動板3のフレーム20に対する高精度な位置決めは困難なものであったが、本実施の形態の製造方法ではプロテクタ4が金型同士を型締めすると同時にスピーカ用振動板3と精度良く接合され、この結果スピーカ用振動板3と一体となっているプロテクタ4といった剛性のある部品にて、スピーカ用振動板3のフレーム20に対する位置決めが出来るため、従来の製造方法に比べ高精度な位置決めが可能となっている。
また、プロテクタ4に接合された状態のスピーカ用振動板3は、従来の製造方法のようにスピーカ用振動板3単体で金型から取り出す場合に比べ、比較的容易に金型から取り出すことができるため、本実施の形態における製造方法は生産効率を向上させることができるという効果も有している。
さらに、プロテクタ4とスピーカ用振動板3は第一の金型1及び第二の金型2にて接着面全体に均等に圧力をかけ接着が行われたため、接着強度が強くかつ均一なものとなっている。
また、第一の金型1及び第二の金型2を型締めする前には、予め第一の金型1及び第二の金型2のうち少なくとも一方を加熱しておくことが望ましい。
このように予め第一の金型1及び第二の金型2のうち少なくとも一方を加熱しておくことにより、第一の金型1及び第二の金型2を型締めした際に即座に樹脂シート6を変形させることができ、効率良くスピーカ用振動板3を成形することができる。
また、スピーカ用振動板3との接着部分であるプロテクタ4の外縁部18には予め接着剤を塗布し、この状態のプロテクタ4と樹脂シート6を第一の金型1及び第二の金型2にて型締めすることが望ましい。
樹脂シート6の粘着力にてプロテクタ4とスピーカ用振動板3を接合するには、樹脂シート6を融点以上の温度とする必要があるのだが、このように樹脂シート6を融点以上の温度とした場合、逆に樹脂シート6を成形することが困難となってしまう。したがって、プロテクタ4と樹脂シート6の接合において樹脂シート6の粘着力は期待できない。このため、本実施の形態においては予め接着剤を塗布し、確実にプロテクタ4と樹脂シート6を接合させているのである。
ここで、プロテクタ4と樹脂シート6の接着に用いる接着剤としての熱硬化性樹脂、あるいは熱可塑性樹脂等の熱融着性接着剤は、加熱された第一の金型1及び第二の金型2のうち、いずれか一方の温度よりも低い温度でその熱融着特性を活性化することが望ましい。このような性質を持つ熱融着性接着剤を用いると、第一の金型1及び第二の金型2を型締めした際に、金型が帯びている熱で確実に熱融着性接着剤を活性化させることができ、樹脂シート6とプロテクタ4を接着させることが可能となる。
特に、熱可塑性樹脂を用いて予めプロテクタ4の外縁部18をコーティングした場合、熱可塑性樹脂は常温においては固化した状態であるので、第一の工程においてプロテクタ4をプロテクタ載置部8に載置する際には、金型や作業者の指等に熱可塑性樹脂が付着してしまうことを防止でき、作業が行い易くなるという効果を有する。
なお、本実施の形態の製造方法においてはプロテクタ4として鋼板を用いている。特に、ステンレスなどの耐熱性の強い鋼板を用いると、第一の金型1及び第二の金型2を型締めした際に、第一の金型1及び第二の金型2の帯びている熱にてプロテクタ4が変形してしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態の製造方法においては、元々プロテクタ4に存在する放音孔17を樹脂シート6にエアを噴き付ける孔として利用しており、新たにプロテクタ4にエア噴き付け用の孔を設ける必要はない。
以上、説明したように本実施の形態における製造方法によると、金型からスピーカ用振動板3を取り出す際の変形の可能性を低減することができ、歩留まりを向上させることができる。
本発明の製造方法によるとスピーカ用振動板の変形を防ぐことができ、歩留まりを向上させることができる。特に本発明の製造方法は厚みの薄いスピーカ用振動板に有効であり、この製造方法により製造されたスピーカ用部品は携帯電話機やノートパソコン等に用いる比較的小型のスピーカに好適に採用し得る。
本実施の形態における成形機を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は断面概略図 本実施の形態の第一の工程を示す図 本実施の形態の第二の工程を示す図 本実施の形態の第三の工程を示す図であり、(a)は金型同士を型締めした図、(b)はエア噴出口9からエアを噴出した際の樹脂シートの様子を示す図 本実施の形態の各工程終了後、金型同士を分離させた図 本実施の形態の製造方法により製造されたスピーカ用部品を示す図 本実施の形態の製造方法により製造されたスピーカ用部品を用いたスピーカを示す図 従来の製造方法を示す図
符号の説明
1 第一の金型
2 第二の金型
3 スピーカ用振動板
3a 外縁部
3b 湾曲部
4 プロテクタ
5 成形部
6 樹脂シート
7 上側挟持部
8 プロテクタ載置部
8a 内周面上端部
9 エア噴出口
10 エア注入口
11 通気路
12 下側挟持部
13 凹部
13a 外周面上端部
14 内底面
15 外底面
16 隙間
17 放音孔
18 外縁部
19 空間
20 フレーム
21 ボイスコイル
22 プレート
23 マグネット
24 ヨーク
25 磁気回路体
26 ギャップ

Claims (5)

  1. 成形部と、前記成形部の周縁に上側挟持部を有する第一の金型と、
    前記第一の金型に対向して設けられ、プロテクタ載置部、前記プロテクタ載置部の周縁に設けられた下側挟持部、及び前記プロテクタ載置部に設けられたエア噴出口を有する第二の金型を用いてスピーカ用部品を製造する製造方法であり、
    前記第二の金型のプロテクタ載置部に、放音孔を有する皿状のプロテクタを、前記放音孔と前記第二の金型の前記エア噴出口とが連通するとともに前記プロテクタの凹部内底面が第一の金型の成形部と対向するように載置する第一の工程と、
    前記第一の金型と前記第二の金型の間にシート状成形材料を支持する第二の工程と、
    前記シート状成形材料を支持した状態で前記第一の金型及び前記第二の金型を型締めすることで前記プロテクタの外縁部と前記シート状成形材料を前記第一の金型の上側挟持部及び前記第二の金型の下側挟持部にて挟持し、前記プロテクタの放音孔及び前記エア噴出口を介してエアを前記シート状成形材料に噴き付け、前記シート状成形材料を前記第一の金型の成形部に沿わせて前記スピーカ用振動板を成形するとともに前記プロテクタの外縁部に前記スピーカ用振動板の外縁部を接合する第三の工程を含むスピーカ用部品の製造方法。
  2. 第三の工程の前に、予め前記第一の金型と前記第二の金型のうち少なくとも一方を加熱する請求項1に記載のスピーカ用部品の製造方法。
  3. 第三の工程の前に、前記プロテクタの外縁部には予め接着剤が塗布されている請求項2に記載のスピーカ用部品の製造方法。
  4. 前記接着剤は、熱硬化型接着剤あるいは熱可塑型接着剤である請求項3に記載のスピーカ用部品の製造方法。
  5. 前記接着剤は、加熱後の前記第一の金型及び前記第二の金型のいずれか一方の温度よりも低い温度にて熱融着特性を活性化する請求項4に記載のスピーカ用部品の製造方法。
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