JP2010146289A - 防犯システム - Google Patents

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Tomoki Tsuchiya
智紀 土屋
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Abstract

【課題】過剰な警戒を抑制しつつ防犯性を確保する。
【解決手段】敷地11には、建物10や外構17などの物体が複数配置されている。また、建物10の外壁には、人の有無を検出する人感センサ20a〜20dが設けられている。本防犯システムにおいて、コントローラは、敷地11に配置された物体間の距離(例えば、建物10の外壁と外構17との距離)に基づいて警戒レベルを設定するとともに、その物体間において人感センサ20a〜20dにより人有りと検出された場合に、同物体間の警戒レベルに応じて警戒を実施する。
【選択図】図2

Description

本発明は、防犯システムに関する。
従来、建物における防犯性向上を目的として、建物又は敷地に、人の有無を検出する防犯センサを設け、その防犯センサにより建物又は敷地に不審者が侵入したことが検出された場合に警告を発する防犯システムが種々提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の防犯システムでは、敷地全体のうち、人の立ち入りを許容する領域と同立ち入りを許容しない領域との境界領域や、道路や隣地から死角となる窓又はドアの周辺領域に、防犯センサとしての感圧センサを敷設する。そして、感圧センサにより敷地内に侵入者有りと検出された場合に、その不審者に対して警告を発することとしている。
特開2005−284481号公報
ところで、道路や隣地から死角になりやすい領域は、敷地のごく限られた一部のエリアに形成されるとは限らず、敷地の広範囲において形成されることが考えられる。そのため、上記特許文献1の防犯システムのように、道路等から死角になりやすい領域として窓又はドアの周辺領域のみを警戒エリアとした場合、窓等の周辺領域以外の死角になりやすいエリアに不審者が侵入するのを許容してしまうおそれがある。一方、防犯センサを敷地全体に配置した場合には、防犯性能を向上させることができる反面、敷地内への立ち入りが許容される者に対しても不審者と同様に警戒が行われてしまい、防犯システムにより過剰な警戒が行われてしまうことが懸念される。
本発明は、上記事象に鑑みなされたものであり、過剰な警告を抑制しつつ防犯性を確保することができる防犯システムを提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、建物を含む物体が複数配置された敷地において、前記物体間の距離に基づいて同物体間における警戒レベルを設定するレベル設定手段と、前記物体間の空間における人の有無を検出する人検出手段と、前記人検出手段により前記物体間の空間に人有りと検出された場合に、前記レベル設定手段により設定された前記物体間の警戒レベルに応じて警戒を実施する制御手段と、を備えることを特徴とする。
敷地には、例えば敷地における建物の配置等により、不審者が隠れやすい場所や、逆に不審者が隠れにくい場所が形成されると考えられる。すなわち、敷地内の物体同士の距離が比較的小さい狭い空間では、外部からの視認性が低下するため道路や隣地から死角になりやすく、不審者にとって絶好の隠れ場になることが考えられる。これに対し、敷地内の物体同士の距離が比較的大きい広い空間では、見通しが良好であり死角になりにくいため、敷地内に侵入した不審者を比較的容易に発見可能と考えられる。その点に鑑み、本発明では、敷地内に配置された物体間の距離に応じて警戒レベルを設定して警戒を行うため、不審者の隠れやすさ、つまり住人にとっては不審者の発見のしにくさに応じて警戒を行うことができる。したがって、過剰な警戒を抑制しつつ防犯性を確保することができる。
本発明において、前記物体間の距離を検出する距離検出手段を備え、前記レベル設定手段は、前記距離検出手段により検出された前記物体間の距離に基づいて前記警戒レベルを設定してもよい。この構成によれば、例えば物置や樹木、車両などといった物体が敷地内に事後的に配置された場合に、その物体の存在を考慮して警戒レベルを設定することができる。つまり、本発明によれば、その時々に応じて敷地内に配置される物体により不審者の隠れやすさが異なる場合であっても、その隠れやすさに適した警戒レベルを設定することができる。
本発明において、前記レベル設定手段は、前記物体間の距離として、前記敷地の外縁部に設けられた外構と前記建物の外壁との距離、前記外壁と同外壁に対向配置された前記外構以外の物体との距離、及び前記外構と同外構に対向配置された前記外壁以外の物体との距離の少なくともいずれかに基づいて前記警戒レベルを設定するとよい。敷地の外縁境界部に外構が設けられている場合、その外構と建物外壁との間の隙間は敷地外部から死角になりやすく、不審者にとって絶好の隠れ場になることが考えられる。また、建物外壁と外構との間に、例えば物置や樹木、車両などの物体が配置された場合、建物外壁と外構との離間距離が短くなるため、その領域に死角が形成されやすくなると言える。この発明によれば、物体間の距離として建物周囲又は外構周囲の広さに応じて警戒レベルが設定されるため、警戒レベルの設定の際に不審者の隠れやすさを好適に反映させることができる。
本発明において、前記敷地には、前記物体間の距離に応じて複数の敷地内エリアが定められており、前記レベル設定手段は、前記複数の敷地内エリアごとに異なる警戒レベルを設定し、前記人検出手段は、前記複数の敷地内エリアを検出エリアとして各敷地内エリアにおける人の有無を検出するとよい。この構成によれば、物体間の距離に応じて定められた敷地内エリアごとに異なる警戒レベルが設定されるため、物体間の距離を検出するための手段が設けられていない場合であっても、物体間距離に応じた警戒レベルを設定することができる。
本発明において、前記人検出手段は、各々が離間されて複数設けられるとともに各々の検出範囲が可変になっており、前記人検出手段のいずれかで人有りと検出された場合に、人有りと検出された前記人検出手段及びその近傍に配置された前記人検出手段の少なくともいずれかにおける検出範囲を一時的に拡張させる範囲拡張手段を備えてもよい。この構成によれば、敷地内への進入者の移動経路に従って人検出手段の検出範囲が順次拡張されるため、進入者の追跡を行うことができる。また、敷地内に進入者がいない通常時に検出範囲を狭めておくことにより、不審者以外を不審者として誤検出するのを抑制できるとともに、進入者があった場合に検出範囲を拡張することにより、不審者の検出漏れを抑制することができる。さらに、一時的かつ局所的に検出範囲を広げるため、検出範囲の拡張と電力消費とが比例関係にある場合に、電力消費を低減することができ、省エネを図ることができる。
本発明において、前記レベル設定手段は、前記警戒レベルを設定するのにあたり、敷地正面を基準とする方向に応じて警戒レベルを設定するとよい。敷地において、外部から死角になりやすい領域は敷地正面(例えば、道路に面する側)を基準とする方向に応じて異なり、敷地正面よりも裏手の方が死角になりやすいと考えられる。したがって、敷地内の物体間の距離に加え、敷地正面を基準とする方向に応じて警戒レベルを設定することにより、エリアごとの警戒度に応じて警戒を実施することができる。
(第1の実施形態)
以下に、本発明を具体化した第1の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1に、本実施形態の防犯システムを備える敷地の平面図を示す。
図1において、敷地11には、その一部に建物10が構築されており、建物10の正面に、玄関部12に通じるアプローチ13が設けられている。また、敷地11には、建物10から離れて、車両を駐車可能なスペースを有する駐車場14が設けられている。この敷地11は、建物10の正面側にて道路Rに面しており、道路Rとの境界部のうちアプローチ13の端部に敷地出入口15が設けられ、同境界部のうち駐車場14の正面に駐車出入口16が設けられている。また、敷地11の外縁部には、道路Rとの境界部を除く部分に、例えば垣根やフェンス等の外構17が設けられている。この外構17により、敷地11と隣地SOとが仕切られている。なお、敷地11の外縁部のうち道路R側には、敷地11と道路Rとの仕切りがなく開放された状態になっている。
本実施形態において、敷地11及び建物10は、平面視において略長方形状をなしている。そして、敷地11における建物10の位置として本実施形態では、図1に示すように、道路Rから敷地11を見て奥方であってかつ左寄りの位置に建物10が構築されている。これにより、建物10から敷地11の外縁境界部までの空間における幅(エリア幅W)が、建物10の道路Rから見て右側のエリア幅WRよりも左側のエリア幅WLの方が狭くなっている。また、建物10の前後については、建物10の前面でのエリア幅WFよりも背面でのエリア幅WBの方が狭くなっており、敷地11全体で見た場合に、建物前面が最も広く、その背面が最も狭くなっている。
なお、建物10の前後及び左右において、敷地11に形成される各領域は、いずれも略長方形をなしており、建物10に沿う方向に長辺が形成されている。
次に、本防犯システムについて説明する。本防犯システムは、敷地11内に侵入した不審者を排除すべく、敷地11に定められた警戒エリア内に人有りと検出された場合に警告を発するものである。本実施形態では、敷地11内に、道路Rや隣地SOからの死角のなりやすさに応じて複数の敷地内エリアが定められており、その敷地内エリアごとに異なる警戒レベルが設定してある。
図2は、敷地内エリアを示す敷地11の平面図である。図2に示すように、敷地11には、建物10の建築スペースを除く領域に複数のエリア(敷地内エリア)が定められている。敷地内エリアは、不審者の隠れやすさ、つまり住人の立場から言えば不審者の発見しにくさに応じて敷地11を区画することにより定めてあり、図2では4つの敷地内エリアSA〜SDが定められている。これらの敷地内エリアSA〜SDについて本実施形態では、建物外壁から外構17までの距離(壁間距離LA)を不審者の隠れやすさのパラメータとし、その壁間距離LAに応じて警戒レベルが設定されている。
具体的には、図2に示すように、敷地内エリアSA〜SDは、壁間距離LAの相違に応じて、建物10の外壁面に沿って四方向にそれぞれ定められている。このうち、エリアSAは、アプローチ13及び駐車場14を含む領域であり、建物10の正面であって左右の外構17間に定められている。このエリアは、敷地11と道路Rとの境界部が外構17等で仕切られておらず、道路Rからの見通しが良好になっている。つまり、エリアSAでの壁間距離LAはエリア幅WFよりも大きくなっている。
一方、エリアSB〜エリアSDは、建物外壁と外構17との間の隙間であり、エリアSBについては道路Rから見て建物10の右側に、エリアSCについては道路Rから見て建物10の左側に、それぞれエリアSAに隣接して定められている。エリアSB及びエリアSCでの壁間距離LAは、エリア幅Wと等しくなっており、それぞれWR,WLになっている。また、エリアSDについては、道路Rから見て建物10の背面にエリアSB及びエリアSCに隣接して定められており、壁間距離LAがエリア幅WBと等しくなっている。つまり、各エリアSA〜SDでは、エリアSA、エリアSB、エリアSC、エリアSDの順で壁間距離LAが短くなっている。
敷地内エリアSA〜SDでは、道路Rや隣地Sから死角になりやすい領域ほど警戒レベルを高くしてある。図3は、敷地内エリアと警戒レベルとの関係の一例を示す図である。図3において、エリアSAは道路Rからの見通しが良好であることから、進入者の立ち入りを許可する許可エリアとなっており、進入者に対する警戒が実施されないようにしてある。これに対し、エリアSB〜エリアSDは、進入者に対して警告を実施する警戒エリアに設定されており、壁間距離LAが短くなるにつれて、つまりエリアSB、エリアSC、エリアSDの順に警戒レベルを高くしてある。
また、敷地11には、赤外線センサ等からなる人検出手段としての人感センサが複数設けられている。具体的には図2に示すように、人感センサ20a〜20dは、建物周囲の四方向、つまり敷地内エリアSA〜SDのそれぞれに設置されている。これらの人感センサ20a〜20dは、更に各エリアSA〜SDにおいてそれぞれ複数ずつ設けられており、建物外壁に各々が離間されて配置されている。本実施形態では、図2に示すように、センサ20aが建物10の正面側に4つ、センサ20bが道路Rから見て建物10の右側に5つ、センサ20cが右側に5つ、センサ20dが建物10の背面に4つ、各々が離間して配置されている。
各々の人感センサ20a〜20dは、その配置された敷地内エリアの少なくとも一部を検出エリアとしている。具体的には、エリアSAに配置された人感センサ20aは、エリアSAの少なくとも一部を検出エリアとし、エリアSBに配置された人感センサ20bはエリアSBの少なくとも一部を検出エリアとしている。
特にここでは、人感センサ20a〜20dは、検出エリアの範囲が可変になっており、人有りの検出がされていない通常時において、設定可能な検出範囲の最小値に設定されている。そして、例えば人感センサ20a〜20dの印加電圧や電流を大きくすることにより、その検出範囲が拡張されるようになっている。検出範囲について具体的には、図2に示すように、通常時では、人感センサ20a〜20dのいずれも、それぞれのエリア幅Wよりも小さい半径R1の範囲を検出エリアとしている。そして、人感センサ20a〜20dの印加電圧等が大きくされることにより、その人感センサの検出エリアが、半径R1よりも大きい半径R2の範囲に拡張される。
なお、半径R2は、エリア幅Wより小さくてもよいが、エリア幅Wと同じか又はエリア幅Wよりも大きくするとよい。こうすることにより、拡張時における検出エリアを建物外壁から外構17までの空間全体とすることができる。
次に、本防犯システムの電気的構成について図4を用いて説明する。
図4において、防犯システムはコントローラ30を有しており、同コントローラ30によりシステム全体の制御が実行される。コントローラ30は、周知のマイクロコンピュータ等を備える演算装置であり、建物10のダイニング等の壁面に設置されている。コントローラ30には、上記した人感センサ20a〜20dの他に警報器40が接続されており、これらの各装置及びコントローラ30により防犯システムが構築されている。
具体的には、人感センサ20a〜20dは、敷地内エリアSA〜SD内における人の有無を示す人検出信号をコントローラ30に逐次出力する。警報器40は、警告を発する装置であり、例えば外構17等に設置されている。警報器40は複数種で構成されており、本実施形態では、ブザー等の警告音を発するスピーカ部41と、警告光を発するライト部42とを有している。この警報器40は、コントローラ30から制御信号を入力し、その制御信号に基づいて、スピーカ部41及びライト部42の少なくとも一方による警告を行う。
コントローラ30は、図4に示すように、記憶部31と制御部32とを備えている。記憶部31は、制御プログラムやデータベースなどのシステムにかかる各種情報を記憶するものであり、特に本実施形態では、敷地内エリアと警戒レベルとの関係を例えば図3に示すテーブルとして予め記憶している。制御部32は、人感センサ20a〜20dから入力される人検出信号に基づいて、記憶部31に記憶された各種プログラムを実行する。具体的には、制御部32は、人感センサ20a〜20dのいずれかから人有りの人検出信号を入力した場合に、記憶部31に記憶された上記関係に基づいて、進入者が検出されたエリアに応じた警戒レベルを設定する。つまり、人有りと検出した人感センサ20a〜20dがいずれの敷地内エリアSA〜SDを検出エリアとするかに応じて、進入者が滞在するエリアにおける壁間距離LAを特定し、その壁間距離LAに応じた警戒レベルを設定する。そして、警戒処理として、設定した警戒レベルに基づいて警報器40に制御信号を出力し、スピーカ部41又はライト部42を作動させて進入者に対し警告を行う。
ここで、壁間距離LAに応じた警戒レベルの設定として制御部32は、警報器40の作動状態を変更することにより、壁間距離LAに応じて威嚇の程度を変更する。具体的には、警戒レベルが低レベルでは、ライト部42を点灯状態とし、スピーカ部41を消音状態とする。これに対し、警戒レベルが中レベルでは、ライト部42を消灯状態とし、スピーカ部41を報知状態にする。また、警戒レベルが高レベルでは、ライト部42を点灯状態にするとともにスピーカ部41を報知状態にする。
なお、警戒レベルの設定として、上記のようにスピーカ部41及びライト部42の作動状態を変更する代わりに、人感センサ20a〜20dのいずれかで人有りと検出された後、警告が発せられるまでの時間、つまり進入者に対し敷地11での滞在を許可する時間を壁間距離LAに応じて変更する構成としてもよい。あるいは、警報器40による光量や音量を変更してもよい。また、昼間帯と夜間帯とで警報器40による威嚇の程度を変更してもよい。例えば、警戒レベルが低レベルの場合に、昼間帯ではスピーカ部41を報知状態にして音による警告を実施するのに対し、夜間帯では近所への騒音を配慮して、ライト部42を点灯状態にして光による警告を実施する。
また、本実施形態において制御部32は、人有りの検出がなされている人感センサ(検出実行センサ20A)及びその隣に位置する人感センサ(近接センサ20B)の検出範囲を、検出実行センサ20Aにより人有りの検出がされている間だけ一時的に拡張する機能(進入者追跡機能)を備えている。図5は、人感センサ20a〜20dの検出範囲を示す敷地11の平面図である。図5のうち(a)は敷地11内に進入者がいない通常時の場合を示し、(b)及び(c)は敷地11内に進入者がいる場合を示す。
図5(a)に示すように、敷地11内に人Mがいない場合、人感センサ20a〜20dはいずれも半径R1の範囲を検出エリアとしている。なお、図5(a)では、一部のセンサについてのみ検出エリアを点線で示し、その他のセンサについては検出エリアの図示を省略している。
この状態において、図5(b)に示すように、敷地11内に人Mが立ち入り、人感センサ20a〜20dのいずれか(図5(b)では20b)により人有りの検出がなされると、その人有りの検出がなされた人感センサ20b(検出実行センサ20A)及びその両隣に位置する人感センサ20a,20b(近接センサ20B)では、例えば検出実行センサ20A及び近接センサ20Bの印加電圧を大きくすることにより、それぞれの検出エリアが半径R1よりも大きい半径R2に拡張される。
そして、敷地11内を人Mが移動すると、図5(c)に示すように、その移動に伴い、新たに人有りと検出されたセンサ20b及びその両隣に位置するセンサ20b、20bの検出エリアが半径R2に拡張される。また、そのいずれにも該当しなくなった人感センサ(図5(c)では前回の近接センサ20Bとしての人感センサ20a)では、検出エリアが半径R1に戻される。なお、図5(b)及び(c)では、人感センサ20a〜20dのうち半径R2を検出エリアとするセンサについてその検出エリアを点線で示し、半径R1を検出エリアとするセンサについてはその検出エリアの図示を省略している。つまり、本防犯システムでは、敷地11内の人の移動経路に合わせて、人感センサ20a〜20dの検出範囲が順次拡張され、これにより敷地11の進入者の追跡が行われる。また、検出範囲が拡張された人感センサ20a〜20dにおいて、人有りと検出されなくなった場合に検出範囲が順次元に戻されることにより、検出範囲が広いことに起因するセンサ誤検出の抑制を図る。
なお、人感センサ20a〜20dの検出範囲を拡張するのにあたり、検出実行センサ20Aよりも近接センサ20Bの検出範囲を大きくしてもよいし、また逆に、近接センサ20Bよりも検出実行センサ20Aの検出範囲を大きくしてもよい。
次に、コントローラ30の制御部32によって実行される本防犯システムの処理手順を、図6のフローチャートを用いて説明する。この処理は、所定の時間周期で実行される。
図6において、ステップS11ではまず、人感センサ20a〜20dからの人検出信号に基づいて、敷地11内に進入した進入者がいるか否かを判定する。人感センサ20a〜20dのいずれかから人有りの人検出信号を入力しており、敷地11内に進入者がいると判定される場合には、ステップS12へ進み、その進入者が敷地11内で移動したか否かを判定する。ここでは、人感センサ20a〜20dのうち人有りの検出がされたセンサが前回と異なっている場合に、進入者が敷地11内で移動したと判定する。
進入者が敷地11内で移動していないと判定される場合には、ステップS14へ進む。一方、敷地11内の進入者が移動したと判定される場合には、ステップS13へ進み、その人有りと検出している検出実行センサ20A及びその両隣に位置する近接センサ20Bの検出範囲を拡張するとともに、人有りと検出した後に同検出をしなくなった人感センサ20a〜20dについてその検出範囲を元に戻し、ステップS14へ進む。
続くステップS14では、進入者が滞在している敷地内エリアがいずれであるかを検出し、例えば図3のテーブルを用いることにより、進入者有りとされた敷地内エリアに対応する警戒レベルを設定する。ここでは、進入者有りとされた敷地内エリア(つまり壁間距離LA)に応じて警報器40の作動状態を設定する。その後、ステップS15へ進み、設定した警戒レベルに応じた警戒処理として、その警戒レベルに応じて警報器40のスピーカ部41及びライト部42を作動させることにより警告を実施する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
敷地11内に配置された物体間の距離に応じて警戒レベルを設定し、その警戒レベルに応じた警戒を実施するため、不審者の隠れやすさ、つまり住人にとっては不審者の発見のしにくさに応じて警戒を行うことができる。したがって、過剰な警戒を抑制しつつ防犯性を確保することができる。
また、敷地11の外縁部には外構17が設けられているため、建物外壁と外構17との隙間に外部から死角が形成されやすいところ、物体間の距離として建物10の外壁と外構17との距離(壁間距離LA)に応じて警戒レベルを設定する構成としたため、建物周囲の広さに応じて異なる警戒レベルを設定することができる。これにより、警戒レベルの設定の際に不審者の隠れやすさを好適に反映させることができる。
敷地11に、壁間距離LAに応じて複数の敷地内エリアSA〜SDを予め定めておき、人有りと検出した人感センサ20a〜20dがいずれの敷地内エリアSA〜SDを検出エリアとするかに応じて、進入者が滞在するエリアにおける壁間距離LAを特定して警戒レベルを設定する構成としたため、壁間距離LAの検出手段を設けることなくその壁間距離LAの検出を容易に行うことができる。
敷地11内に進入者がいない通常時において、人感センサ20a〜20dの検出範囲を狭めておくとともに、敷地11内への進入者が検出された場合に、進入者の移動経路に従い人感センサ20a〜20dの検出範囲を順次拡張する構成としたため、人感センサ20a〜20dの検出範囲を必要に応じて変更することができる。これにより、敷地11内の進入者を追跡することができる。また、通常時に人感センサ20a〜20dの検出範囲を狭めておくことにより、不審者以外を不審者として誤検出するのを抑制できるとともに、進入者があった場合に検出範囲を拡張することにより、不審者の検出漏れを抑制することができる。特に、敷地11内に建物10から離れてメータ設備等が設けられている場合、メータ設備近くに配置された人感センサ20a〜20dの検出範囲を狭めておくことで、メータ検針員等といった敷地11への立ち入りが許可される者を不審者として誤検出するのを抑制することができる。
また、人感センサ20a〜20dの検出範囲を一時的かつ局所的に拡張するため、検出範囲の拡張と電力消費とが比例関係にある場合に電力消費を低減することができ、省エネの観点において好適である。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、建物10の外壁と外構17との距離(壁間距離LA)を基に敷地11を複数に区画して敷地内エリアSA〜SDを予め定めておき、進入者が滞在する敷地内エリアSA〜SDの壁間距離LAに応じて警戒を実施することについて説明したが、本実施形態では、敷地内エリアSA〜SDを予め定めておく代わりに、建物10の外壁又はその近傍に配置された物体と、外構17又はその近傍に配置された物体との間の距離を検出し、その距離(物体間距離LB)に応じて警戒を実施する。以下、その相違点を中心に説明する。
本実施形態において、人感センサ20a〜20dは、建物外壁の四方向にそれぞれ複数ずつ配置されており(図2参照)、人の有無を検出する人検出機能に加え、対向する物体との距離を計測する距離計測機能を備えている。したがって、人感センサ20a〜20dによれば、建物外壁と物体との間の距離である物体間距離LBが計測される。なお、人感センサ20a〜20dとは異なるセンサに距離計測機能を持たせ、これを建物10の外壁に配置してもよい。
コントローラ30は、物体間距離LBと警戒レベルとの関係を予め記憶部31に記憶している。そして、人感センサ20a〜20dのいずれかから人有りの人検出信号を入力した場合に、その人感センサ20a〜20dで計測される建物外壁−物体間の距離(物体間距離LB)に基づいて警戒レベルを設定し、その警戒レベルに応じて警戒を実施する。
図7は、物体間距離LBと警戒レベルとの関係の一例を示す図である。図7によれば、物体間距離LBが短いほど警戒レベルが高くなっている。
次に、本防犯システムについて、図8を用いて詳細に説明する。図8は、本防犯システムの動作を説明するための敷地11の平面図である。図8のうち、(a)は敷地11内に建物10が配置されている場合を示し、(b)は敷地11内に更に物置と車両とが配置されている場合を示す。
図8(a)に示すように、例えば道路Rから敷地11を見て左側の隙間に人Mが存在し、これにより人感センサ20cにて人有りと検出された場合を考える。この場合、同センサ20cに対向する物体は外構17であり、建物外壁と外構17との距離WLが物体間距離LBとなる。したがって、図8(a)においては、警戒レベルとして、距離WLに対応するレベル(例えば中レベル)が設定され、そのレベルに対応する警戒が実施される。
ところで、敷地11において、例えば物置や樹木などが敷地11内に事後的に配置されることが考えられる。この場合、図8(b)に示すように、例えば物置43が配置された場所では、建物周囲に形成される隙間の幅がエリア幅WLよりも短くなる。この状況において物置43に近接する人感センサ20cにより人有りと検出された場合、その人感センサ20cに対向する物体は物置43であり、建物外壁と物置43との距離WS(WS<WL)が物体間距離LBとなる。したがって、図8(b)において物置43付近に人Mが存在する場合には、警戒レベルとして、距離WSに対応するレベル(例えば高レベル)が設定され、そのレベルに対応した警戒が実施される。
また、本実施形態では、駐車場14に車両V(例えば自動車や自転車)が駐車してある場合と、駐車車両がない場合とで異なる警戒レベルが設定される。具体的には、図8(a)に示すように、駐車場14に車両Vがない場合、人感センサ20aにより計測される物体間距離LBは、建物外壁から駐車出入口16までの距離WFよりも長くなる。したがって、図8(a)において、駐車場14近くの人感センサ20aにより人有りの検出がされた場合には、その距離に応じた警戒レベル(例えば警戒なし)が設定される。
一方、駐車場14に車両Vがある場合、図8(b)に示すように、人感センサ20aにより計測される物体間距離LBは、建物外壁から駐車出入口16までの距離WFよりも短くなる。この状況において駐車場14に近接する人感センサ20aにより人有りと検出された場合、その人感センサ20aに対向する物体は車両Vであり、建物外壁と車両Vとの距離WV(WV<WF)が物体間距離LBとなる。したがって、図8(b)において駐車場14付近に人Mが存在する場合には、警戒レベルとして、距離WVに対応するレベル(例えば高レベル)が設定され、そのレベルに対応する警戒が実施される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
人感センサ20a〜20dにより検出される物体間距離LBに基づいて警戒レベルが設定されるため、例えば物置43や樹木などが事後的に敷地11に配置されたり、あるいは車両Vが駐車場14に駐車されたりした場合に、それらの存在を考慮して警戒レベルを設定することができる。したがって、敷地11内における物体の配置の変化に伴い不審者の隠れやすさが異なる場合であっても、その時々の状況に応じて警戒レベルを設定することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・進入者が検出された地点での壁間距離LA又は物体間距離LBに応じて警戒レベルを設定する場合に、壁間距離LA又は物体間距離LBに加えて、敷地正面を基準とする位置に応じて警戒レベルを設定する構成としてもよい。敷地11内には、敷地正面を基準とする位置に応じて道路Rや隣地SOから死角になりやすい領域とそうでない領域とがあり、例えば、敷地11内において、道路Rから敷地11を見た場合に建物10の背面に位置する領域や、敷地11の奥まった場所は、道路Rに面する領域に比べて死角になりやすいと言える。したがって、壁間距離LA又は物体間距離LBが略同じ地点では、敷地正面から離れた位置、例えば敷地11が面する道路Rから離れた位置ほど警戒レベルを高くするとよい。こうすることにより、警戒レベルの設定に際し、不審者の隠れやすさをより反映させることができる。
・敷地11内の位置に応じて警戒レベルを設定する場合に、隣地SOに構築された建物等を考慮する構成としてもよい。例えば、隣地SOの建物等が、敷地11の外縁境界部近くに構築されている場合、隣地SOの建物等と建物10との間は道路Rや隣地SOから死角になりやすいと考えられる。したがって、警戒レベルを設定する際に隣地SOの建物等の配置を考慮することにより、不審者の隠れやすさに応じて警戒レベルを適切に設定することができる。また、建物10の窓部や玄関といった人の侵入可能な領域ほど警戒レベルが高くなるようにしてもよい。
・敷地11における所定のスペースの大きさ(面積)に応じて人感センサ20a〜20dの検出範囲を設定しておき、その検出範囲の大きさに応じて警戒レベルを設定する構成としてもよい。このとき、敷地11のスペースが大きいほど人感センサ20a〜20dの検出範囲を大きくするとともに、その検出範囲が大きいほど警戒レベルを低くするとよい。
・人有りと検出された人感センサ(検出実行センサ20A)及びその隣に位置する人感センサ(近接センサ20B)の検出範囲を拡張する場合に、壁間距離LA又は物体間距離LBに応じて検出実行センサ20A及び近接センサ20Bの検出範囲を変更する構成としてもよい。具体的には、壁間距離LA等が短く、道路Rや隣地SOから死角になりやすい領域では、建物10の外壁と敷地11の外縁部との間の領域を全て含む範囲を検出実行センサ20A及び近接センサ20Bの検出範囲とする。一方、壁間距離LA等が長く、道路Rや敷地SOから死角になりにくい領域では、建物10の外壁と敷地11の外縁部との間の領域の一部を検出実行センサ20A及び近接センサ20Bの検出範囲とする。
・検出実行センサ20A及び近接センサ20Bの検出範囲を拡張して警告を実施する場合に、検出実行センサ20Aで人有りの検出がなされた後、近接センサ20Bで人有りの検出がなされた場合に、先の人検出に基づく警告よりも威嚇効果を大きくして警告を実施してもよい。具体的には、検出実行センサ20Aで人有りと検出された場合に光による警告を実施し、続いて近接センサ20Bで人有りと検出された場合に光と音とによる警告を実施する。
・上記実施形態では、人感センサ20a〜20dを建物外壁に配置したが、これを変更し、図9に示すように、人感センサ20a〜20dを外構17に配置する構成としてもよい。人感センサ20a〜20dを外構17に配置した場合、進入者追跡機能において、人感センサ20a〜20dの検出範囲を建物外壁に向かう方向に拡張させるとよい。こうすることにより、外構17付近の警戒を強化することができる。また、第2の実施形態において、人検出手段及び距離検出手段としての人感センサ20a〜20dを外構17に配置した場合、壁間距離LAに加え、建物10の近傍に設置された物体(例えば物置や樹木など)と外構17との距離、及び左右の外構17間の距離(図9参照)を物体間距離LBとして検出することができることから、その検出結果に基づいて警戒を実施するとよい。
・警戒レベルについて、住人の在宅時と不在時とで警戒レベルを変更する構成としてもよい。このとき、住人の在宅時よりも不在時に警戒レベルを高くするのが望ましい。また、昼間帯と夜間帯とでそのレベルを変更してもよい。例えば、昼間帯では不在になりやすいことを考慮し、昼間帯では音と光との併用により警戒レベルを高くするのに対し、夜間帯では光のみの警告により警戒レベルを低くする。また逆に、昼間帯よりも夜間帯において警戒レベルを高くしてもよい。
・上記第1の実施形態では、物体間の距離を、建物外壁と外構17との距離(壁間距離LA)とし、上記第2の実施形態では、物体間の距離を、建物外壁と同外壁に対向する物体との距離(物体間距離LB)としたが、物体間の距離であればこれに限らず、物体の双方が敷地11から移動可能な物体同士の距離(例えば物置と車両Vとの距離)を物体間の距離とし、その距離に応じて警戒レベルを設定する構成としてもよい。
・上記第1の実施形態において、敷地内エリアの区画及びその警戒レベルを住人が変更可能なエリア変更手段を設け、そのエリア変更手段により住人が設定した敷地内エリア及びその警戒レベルに応じて警戒を実施する構成としてもよい。敷地11内に物置や樹木などの物体が事後的に配置された場合、その物体の存在により建物周囲の隙間が狭くなり、不審者が隠れやすくなることが考えられる。したがって、その物体が配置された領域を新たな敷地内エリアとして設定するとともに、そのエリアにおける警戒レベルを高くすることにより、不審者の隠れやすさに応じた警戒レベルに設定することができる。
防犯システムを備える敷地の平面図。 敷地内エリアを示す敷地の平面図。 敷地内エリアと警戒レベルとの関係の一例を示す図。 防犯システムの電気的構成を示す概略ブロック図。 人感センサの検出範囲を示す敷地の平面図。 防犯処理の処理手順を示すフローチャート。 物体間距離LBと警戒レベルとの関係の一例を示す図。 本防犯システムの動作を説明するための敷地の平面図。 他の実施形態における敷地の平面図。
符号の説明
10…建物、11…敷地、14…駐車場、17…外構、20a〜20d…人感センサ(人検出手段、距離検出手段)、30…コントローラ、31…記憶部、32…制御部(エリア設定手段、制御手段、範囲拡張手段)、40…警報器、SA〜SD…敷地内エリア。

Claims (6)

  1. 建物を含む物体が複数配置された敷地において、前記物体間の距離に基づいて同物体間における警戒レベルを設定するレベル設定手段と、
    前記物体間の空間における人の有無を検出する人検出手段と、
    前記人検出手段により前記物体間の空間に人有りと検出された場合に、前記レベル設定手段により設定された前記物体間の警戒レベルに応じて警戒を実施する制御手段と、
    を備えることを特徴とする防犯システム。
  2. 前記物体間の距離を検出する距離検出手段を備え、
    前記レベル設定手段は、前記距離検出手段により検出された前記物体間の距離に基づいて前記警戒レベルを設定する請求項1に記載の防犯システム。
  3. 前記レベル設定手段は、前記物体間の距離として、前記敷地の外縁部に設けられた外構と前記建物の外壁との距離、前記外壁と同外壁に対向配置された前記外構以外の物体との距離、及び前記外構と同外構に対向配置された前記外壁以外の物体との距離の少なくともいずれかに基づいて前記警戒レベルを設定する請求項1又は2に記載の防犯システム。
  4. 前記敷地には、前記物体間の距離に応じて複数の敷地内エリアが定められており、
    前記レベル設定手段は、前記複数の敷地内エリアごとに異なる警戒レベルを設定し、
    前記人検出手段は、前記複数の敷地内エリアを検出エリアとして各敷地内エリアにおける人の有無を検出する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の防犯システム。
  5. 前記人検出手段は、各々が離間されて複数設けられるとともに各々の検出範囲が可変になっており、
    前記人検出手段のいずれかで人有りと検出された場合に、人有りと検出された前記人検出手段及びその近傍に配置された前記人検出手段の少なくともいずれかにおける検出範囲を一時的に拡張させる範囲拡張手段を備える請求項1乃至4のいずれか一項に記載の防犯システム。
  6. 前記レベル設定手段は、前記警戒レベルを設定するのにあたり、敷地正面を基準とする方向に応じて警戒レベルを設定する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の防犯システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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