JP5000928B2 - 物体検知装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、物体の種類を検知する物体検知装置および方法に関し、特に、単一のセンサのみによって物体の種類を検知する物体検知装置および方法に関する。
監視領域における侵入物体を人物と小動物とに識別する物体検知装置として、次のような技術が従来から知られている。
第1の従来技術は、赤外線パッシブセンサ等を用い、ミラーやレンズの一部をマスキングすることにより小動物等の頻出する場所を検知エリアから部分的に除外するものである。第2の従来技術は、複数の検出素子を有する赤外線パッシブセンサを用い、複数の検出素子が同時に侵入物体を検出した時のみ人体とみなすものである。第3の従来技術は、画像監視システムにおいて、ステレオ画像を用いて物体の絶対的な大きさを推定するものである。
第4の従来技術は、2つの赤外線センサを用い、第1の赤外線センサによって、赤外線の強度分布を求めてこの強度分布から人体と思われる領域を抽出し、第2の赤外センサによって当該赤外センサから物体までの距離を測定し、物体までの距離と第1の赤外線センサによる強度分布から求めた人体と思われる領域の大きさとの関係に基づいて人体の存在を判定する技術である(特許文献1参照)。
特開平9−113634号公報
しかしながら、これらの従来技術には次のような問題がある。第1の従来技術では、マスキングにより除外した検知エリアは不感エリアとなるため、当該エリアに侵入した人体を検出することができない。
第2の従来技術では、小動物等が検知エリア内の高い棚の上等を移動した場合に複数の検出素子が同時に検知してしまい、誤報の要因となる可能性がある。
第3の従来技術では、装置構成が過大となるとともに、データサイズの画像データを高速で処理するハードウェアが必要となり、装置の製造コストや価格が高額となる。
第4の従来技術では、2個の赤外線センサを用いており、赤外線強度分布からの人体と思われる領域の抽出と、測定した距離とから人物か否かを判断する処理を行う必要があり、判断処理が複雑となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、単一の距離センサのみで簡易な構成および効率的な処理によって測距領域に侵入した検知物体の種類の正確な検出を行うことができる物体検知装置および方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1の発明にかかる物体検知装置は、測距領域の上方に設置され、所定の放射角度で放射状に前記測距領域における物体を検知する複数の検知素子を有するセンサと、前記測距領域ごとに、前記センサによって検知された検知物体までの距離を算出する測距手段と、前記センサの床面からの設置高さと、前記測距領域ごとの前記検知物体までの距離と、前記検知素子の前記放射角度とから、前記測距領域ごとの前記検知物体の高さを算出する物体高算出手段と、前記測距領域ごとの前記検知物体までの距離と、前記検知素子の前記放射角度とから、前記測距領域ごとの前記検知物体の幅を算出する物体幅算出手段と、前記測距領域ごとの前記検知物体の高さと前記測距領域ごとの前記検知物体の幅との乗算値を前記測距領域の数だけ加算することにより前記検知物体の断面積を算出する断面積算出手段と、前記検知物体の断面積に基づいて前記検知物体の種類を判断する物体判断手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項にかかる発明の物体検知装置は、前記物体を検知した前記検知素子に対応する前記測距領域が、連続しているか否かを判断する測距領域判断手段をさらに備え、前記断面積算出手段は、前記測距領域判断手段によって前記物体を検知した前記検知素子に対応する前記測距領域が連続していると判断された場合に、連続している部分の前記検知物体の断面積を算出することを特徴とする。
また、請求項にかかる発明の物体検知装置は、前記物体を識別するための閾値を記憶する閾値記憶手段と、前記検知物体の種類が人物であると判断された場合に、警報を出力する警報出力手段と、をさらに備え、前記物体判断手段は、前記検知物体の断面積と前記閾値記憶手段に記憶された前記閾値とを比較し、前記検知物体の断面積が前記閾値より大きい場合に、前記検知物体の種類が人物であると判断することを特徴とする。
また、請求項にかかる発明の物体検知方法は、物体検知装置において実行される物体検知方法において、前記物体検知装置は、測距領域の上方に設置され、所定の放射角度で放射状に前記測距領域における物体を検知する複数の検知素子を有するセンサを備え、前記測距領域ごとに、前記センサによって検知された検知物体までの距離を算出する工程と、前記センサの床面からの設置高さと、前記測距領域ごとの前記検知物体までの距離と、前記検知素子の前記放射角度とから、前記測距領域ごとの前記検知物体の高さを算出する工程と、前記測距領域ごとの前記検知物体までの距離と、前記検知素子の前記放射角度とから、前記測距領域ごとの前記検知物体の幅を算出する工程と、前記測距領域ごとの前記検知物体の高さと前記測距領域ごとの前記検知物体の幅との乗算値を前記測距領域の数だけ加算することにより前記検知物体の断面積を算出する工程と、前記検知物体の断面積に基づいて前記検知物体の種類を判断する工程と、を含むことを特徴とする。
請求項1およびにかかる発明によれば、単一のセンサのみからの情報で検知物体の断面積を求めて物体の種類を判断しているので、簡易な構成および効率的な処理によって測距領域に侵入した検知物体の種類の正確な検出を行うことができるという効果を奏する。
また、請求項1および4にかかる発明によれば、センサは、測距領域の上方に設置され、所定の放射角度で放射状に前記測距領域における物体を検知する複数の検知素子を有し、測距領域ごとの検知物体の高さと測距領域ごとの前記検知物体の幅との乗算値を前記測距領域の数だけ加算することにより前記物体の断面積を算出することで、測距領域に侵入した検知物体の種類をより正確に検出することができるという効果を奏する。
また、請求項にかかる発明によれば、物体を検知した検知素子に対応する測距領域が、連続しているか否かを判断し、測距領域が連続している部分の検知物体の断面積を算出する。したがって、測距領域に複数の物体が侵入した場合でも、個々の物体の断面積を算出できるので、測距領域に侵入した検知物体の種類を正確に検知することができるという効果を奏する。
また、請求項にかかる発明によれば、検知物体の断面積を比較し、閾値より大きい場合に検知物体が人物であると判断して、警報を出力することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる物体検知装置、警備装置、物体検知方法および警備方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、本発明の物体検知装置を、監視領域内で人物を検知した場合に警報を発する警備装置に適用した例を説明しているが、これに限定されるものではなく、検知物体の種類を判断するものであれば、いずれの装置にも適用することができる。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる警備装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態1にかかる警備装置は、監視領域内で異常を検知した場合に警報を発する装置であり、図1に示すように、単一の測距センサ101と、センサ制御部102と、物体高算出部103と、物体幅算出部110と、断面積算出部104と、物体判断部105と、警報部106と、センサ情報記憶部107と、距離記憶部108と、閾値記憶部109とを主に備えた構成となっている。
測距センサ101は、監視領域の天井、すなわち物体を検知しようとする領域の上方に設けられており、複数の発光素子と単一の受光素子とを有している。そして、各発光素子は、所定の放射角度で放射状に赤外線を放射して、その反射光を受光素子で受光し、測距領域における物体を検知するようになっている。ここで、各発光素子の放射角度は、すべて同一であるものとする。より具体的には、複数の発光素子は、電気的に赤外線の出射を切替え可能であり、切り換えて出射した順番に受光素子で各反射光を受光するようになっている。また、複数の発光素子のそれぞれに対応して異なる測距領域が対応している。
センサ制御部102は、測距センサ101で受光した反射光の信号をA/D変換して、検知物体までの距離を算出するものである。
物体高算出部103は、センサ制御部102で算出された検知物体までの距離とセンサの床面からの設置高さと発光素子の放射角度とから、測距領域ごとの検知物体の高さを算出するものである。
物体幅算出部110は、センサ制御部102で算出された検知物体までの距離と発光素子の放射角度とから、測距領域ごとの検知物体の幅を算出するものである。
断面積算出部104は、物体高算出部103によって算出された測距領域ごとの検知物体の高さと、物体幅算出部110によって算出された測距領域ごとの検知物体の幅との乗算値を測距領域の数だけ加算することにより検知物体の総断面積を算出するものである。
物体判断部105は、断面積算出部104によって算出された検知物体の総断面積に基づいて検知物体の種類が人物であるか否かを判断するものである。より具体的には、物体判断部105は、検知物体の断面積と閾値記憶部109に記憶された所定の閾値とを比較し、検知物体の総断面積が閾値より大きい場合に、検知物体が人物であると判断する。
警報出力部106は、検知物体の種類が人物であると判断された場合に、警報を出力するものである。
センサ情報記憶部107は、測距センサの発光素子の放射角度と、測距センサ101の
床面からの高さである設置高さを記憶するメモリ、ハードディスクドライブ装置(HDD)等の記憶媒体である。
距離記憶部108は、センサ制御部102により算出された検知物体までの距離を測距領域ごとに記憶するメモリ、ハードディスクドライブ装置(HDD)等の記憶媒体である。
閾値記憶部109は、検知物体の種類が人物であるか否かを判断するための閾値を記憶するメモリ、ハードディスクドライブ装置(HDD)等の記憶媒体である。
図2は、監視領域に測距センサ101を設置して状態を示す模式図である。図3は、図2に示した監視領域の建物201を上方から観た状態を示す模式図である。
図2に示すように、実施の形態1では、建物の部屋201の内部を監視領域としており、測距センサ101は、その部屋201の天井に設置されている。このため、検知対象である人物203の上方に測距センサ101が設置されることになる。測距センサ101は、天井から複数の発光素子のそれぞれにより放射状に赤外線を放射するので、複数の発光素子それぞれの測距領域を統合すると、図2に示すように全測距領域は扇状となる。図3では、複数の発光素子に対応したそれぞれの測距領域202を示している。
次に、物体高算出部103による検知物体の高さ算出方法と、断面積算出部104による検知物体の断面積算出方法について詳細に説明する。図4は、検知物体の高さ算出と検知物体の断面積算出について説明するための模式図である。
図4では、測距センサ101の発光素子は5個設けられ、各発光素子に対応して、5つの測距領域(エリア−2、エリア−1、エリア0、エリア+1、エリア+2)が存在する例を示している。図4において、太線で囲まれた領域が検知物体の断面積を示す部分である。また、θは発光素子の放射角度、Hは測距センサ101の設置高さを示す。また、d-1,d0,d+1はそれぞれエリア−1、エリア0、エリア+1で算出された測距センサ101から検知物体までの距離である。W-1,W0,W+1はそれぞれエリア−1、エリア0、エリア+1で算出された検知物体の幅である。H-1,H0,H+1はそれぞれエリア−1、エリア0、エリア+1で算出された検知物体の高さである。
ここで、d-1,d0,d+1のそれぞれをdiで示し、W-1,W0,W+1のそれぞれをWiで示し、H-1,H0,H+1のそれぞれをHiで示すと、各測距領域に存在する検知物体の断面積は、測距領域iにおける検知物体の物体高さと測距領域iにおける検知物体の幅の積Hi・Wiで示される。従って、検知物体の断面積Sは、各測距領域に存在する検知物体の断面積の総和であるから、測距領域として-nから+nまでのエリアが存在すると仮定すると(1)式で表すことができる。
Figure 0005000928
図4に示す例では、測距領域は−2から+2までの5つのエリアに分けられており、n=2となる。
ここで、測距領域(エリア)の数が奇数の場合、Hnは、放射角度θと測距センサ101の設置高Hと測距領域iにおける測距センサ101から検知物体までの距離diを用いて、(2)式のように表される。また、Wnは、放射角度θと距離diを用いて、(3)式のように表される。
Figure 0005000928
また、測距領域(エリア)の数が偶数の場合、Hnは、放射角度θと測距センサ101の設置高Hと測距領域iにおける測距センサ101から検知物体までの距離diを用いて、(4)式のように表される。また、Wnは、放射角度θと距離diを用いて、(5)式のように表される。
Figure 0005000928
従って、物体高算出部103は、各測距領域における検知物体の物体高さHnを(2)式または(4)式により算出している。また、物体幅算出部110は、各測距領域における検知物体の幅Wnを(3)式または(5)式により算出している。そして、断面積算出部104が算出された物体高さHnと幅Wnとを用いて、(1)式により検知物体の断面積を算出している。
次に、閾値記憶部109に記憶される閾値について説明する。各種検知物体の断面積を予め測定しておき、その測定結果から人物と判断可能な閾値を選定して閾値記憶部109に保存する。なお、閾値は、変更可能であるものとする。
図5は、検知物体の種類が身長が高い人物である場合における断面積算出の例を示す模式図であり、図6は、身長が高い人物である場合の断面積算出の際の各種値の例を示す説明図である。この例では、検知物体が身長の高い人物である場合、その断面積は0.52m2と算出されている。
図7は、検知物体の種類が身長が低い人物である場合における断面積算出の例を示す模式図であり、図8は、身長が低い人物である場合の断面積算出の際の各種値の例を示す説明図である。この例では、検知物体が身長の低い人物である場合、その断面積は0.35m2と算出されている。
一方、図9は、検知物体の種類が犬である場合における断面積算出の例を示す模式図であり、図10は、犬である場合の断面積算出の際の各種値の例を示す説明図である。この例では、検知物体が犬である場合、その断面積は0.20m2と算出されている。
さらに、図11は、検知物体の種類が浮遊する虫である場合における断面積算出の例を示す模式図であり、図12は、浮遊する虫である場合の断面積算出の際の各種値の例を示す説明図である。この例では、検知物体が浮遊する虫である場合、その断面積は0.06m2と算出されている。
以上の図5〜12の例では、これらの測定結果を参酌して、閾値を、0.21〜0.35m2の範囲で設定することにより、物体判断部105で人物か否かを判断することが可能となる。なお、以上の例では測距範囲を5つに分けているが、測距領域の数は増減させてもよく、例えば、測距領域の数を増やして監視領域を広げたり、測距領域の数を増やすとともに個々の測距領域を狭くしたりして、断面積を精度良く求められるようにしてもよい。
次に、以上のように構成された実施の形態1にかかる警備装置による物体検知処理について説明する。図13は、実施の形態1にかかる物体検知処理の手順を示すフローチャートである。測距センサ101が検知物体から反射された赤外線を検知信号として受信すると(ステップS11:Yes)、センサ制御部102により受光した測距領域ごとの検知物体の距離diを求めて距離記憶部108に保存する。そして、物体高算出部103によって、物体を検知した全ての発光素子に対応する測距領域ごとに、距離diとセンサ情報記憶部107に記憶されている放射角度θおよび設置高さHとを用いて(2)または(4)式により、測距領域ごとの検知物体の物体高さHiを求める(ステップS12)。ここで、物体を検知した発光素子か否かは、距離diの値によって判断するように構成すればよい。
次に、物体幅算出部110により、物体を検知した全ての発光素子に対応する測距領域ごとに、距離diとセンサ情報記憶部107に記憶されている放射角度θとを用いて(3)または(5)式により、測距領域ごとの検知物体の幅Wiを求める(ステップS13)。
そして、断面積算出部104によって、物体高さHiと幅Wiとを用いて(1)式により検知物体の総断面積Sを算出する(ステップS14)。
次に、物体判断部105によって、算出された総断面積Sと閾値記憶部109に記憶されている閾値を比較して、総断面積Sが閾値より大きいか否かを調べる(ステップS15)。そして、総断面積Sが閾値より大きい場合には(ステップS15:Yes)、検知物体の種類は人物であると判断し、測距センサ101からの検知信号は異常を示すものとして、警報部106により警報を出力し(ステップS16)、処理を終了する。
一方、ステップS15において、断面積Sが閾値より小さい場合には(ステップS15:No)、検知物体の種類は人物でないと判断し、警報を出力せずに処理を終了する。
このように実施の形態1にかかる警備装置では、単一の測距センサ101のみからの検知信号で検知物体の断面積を求めて物体の種類を判断して人物である場合に警報を発するので、簡易な構成および効率的な処理によって検知物体の種類の正確な検出を行えるとともに、誤報防止を図ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1にかかる警備装置では、閾値以下の断面積を有する人物以外の物体が監視領域に複数侵入した場合には、各物体の断面積の総和が計算されて、結果として複数の物体の断面積の総和が求められることになる。その総和が閾値より大きくなり、小動物などが複数侵入した場合でも人物として判断されてしまう可能性がある。先述の(閾値)例では、身長が低い人の断面積は0.35m2、犬が0.20m2であるから、監視領域に2匹の犬がいる場合には、断面積の総和が人物と同様になり、人物か人物以外かを識別できなくなることも考えられる。
このため、実施の形態2にかかる警備装置では、測距領域における物体の断面積が検知された場合には、連続する測距領域で物体が検知されたか否かを判断し、連続する測距領域で物体が検知された場合に、連続する領域における総断面積を算出して人物か否かを判断している。
図14は、実施の形態2にかかる警備装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態2にかかる警備装置1400は、監視領域内で異常を検知した場合に警報を発する装置であり、図12に示すように、単一の測距センサ101と、センサ制御部102と、物体高算出部103と、物体幅算出部110と、断面積算出部104と、物体判断部105と、警報部106と、測距領域判断部1401と、センサ情報記憶部107と、距離記憶部108と、閾値記憶部109とを主に備えた構成となっている。
本実施の形態では、測距領域判断部1401が設けられている点が実施の形態1と異なっている。
測距領域判断部1401は、物体を検知した発光素子に対応する測距領域が連続しているか否かを判断するものである。具体的には、物体を検知した発光素子、すなわち距離diの値によって判物体を検知したと判断される発光素子が隣接して配置されている場合に、物体を検知した発光素子に対応する測距領域が連続している。例えば、図4において、距離d-1,d0,d+1,のそれぞれを検知した発光素子が互いに隣接して配置されており、これらの発光素子に対応する測距領域エリア−1、エリア0、エリア+1が連続している測距領域となる。
断面積算出部104は、測距領域判断部1401によって、物体を検知した発光素子に対応する測距領域が連続していると判断された場合に、上述した(1)式によって検知物体の断面積を算出する点が実施の形態1と異なっている。その他の構成については実施の形態1と同様である。
次に、以上のように構成された実施の形態2にかかる警備装置による物体検知処理について説明する。図15は、実施の形態2にかかる物体検知処理の手順を示すフローチャートである。測距センサ101が検知物体から反射された赤外線を検知信号として受信すると(ステップS21:Yes)、実施の形態1と同様に、センサ制御部102により受光した測距領域ごとの検知物体の距離diを求めて距離記憶部108に保存する。
そして、測距領域判断部1401によって、物体を検知した発光素子に対応する測距領域が連続しているか否かを判断する(ステップS22)。
そして、物体を検知した発光素子に対応する測距領域が連続している場合には(ステップS22:Yes)、検知物体は単一であると判断し、ステップS23からS27までの物体の総断面積の算出処理、閾値との比較処理、警報出力処理を実行する。かかる処理は、図13に示した実施の形態1のステップS12からS16までの処理と同様に行われる。
一方、ステップS22で物体を検知した発光素子に対応する測距領域が連続していない場合には(ステップS22:No)、検知物体は複数存在すると判断して、ステップS23以降の物体の総断面積の算出処理、閾値との比較処理、警報出力処理は実行しない。あるいは、測距領域が連続している部分の断面積をそれぞれ求め、それぞれ閾値との比較および警報出力処理などを行なうようにしてもよい。
このように実施の形態2にかかる警備装置1400では、物体を検知した発光素子に対応する測距領域が連続している場合に、上述した(1)式によって検知物体の断面積を算出し、物体を検知した発光素子に対応する測距領域が連続していない場合には総断面積の算出を行わないので、測距領域に小動物などの人物以外の物体が複数侵入した場合において、複数の物体の総断面積が算出されて閾値より大きくなってしまい、人物以外の物体を人物であると判断することを回避することができる。このため、実施の形態2にかかる警備装置1400によれば、測距領域に小動物などの人物以外の物体が複数侵入した場合でも物体の種類を誤って検出してしまうことを防止して、測距領域に侵入した検知物体の種類を正確に検知することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
実施の形態1にかかる警備装置の機能的構成を示すブロック図である。 監視領域に測距センサ101を設置して状態を示す模式図である。 図2に示した監視領域の建物201を上方から観た状態を示す模式図である。 検知物体の高さ算出と検知物体の断面積算出について説明するための模式図である。 検知物体の種類が身長が高い人物である場合における断面積算出の例を示す模式図である。 身長が高い人物である場合の断面積算出の際の各種値の例を示す説明図である。 検知物体の種類が身長が低い人物である場合における断面積算出の例を示す模式図である。 身長が低い人物である場合の断面積算出の際の各種値の例を示す説明図である。 検知物体の種類が犬である場合における断面積算出の例を示す模式図である。 犬である場合の断面積算出の際の各種値の例を示す説明図である。 検知物体の種類が浮遊する虫である場合における断面積算出の例を示す模式図である。 浮遊する虫である場合の断面積算出の際の各種値の例を示す説明図である。 実施の形態1にかかる物体検知処理の手順を示すフローチャートである。 実施の形態2にかかる警備装置の機能的構成を示すブロック図である。 実施の形態2にかかる物体検知処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
100,1400 警備装置
101 測距センサ
102 センサ制御部
103 物体高算出部
104 断面積算出部
105 物体判断部
106 警報部
107 センサ情報記憶部
108 距離記憶部
109 閾値記憶部
201 部屋
202 測距領域
203 人物
1401 測距領域算出部

Claims (4)

  1. 測距領域の上方に設置され、所定の放射角度で放射状に前記測距領域における物体を検知する複数の検知素子を有するセンサと、
    前記測距領域ごとに、前記センサによって検知された検知物体までの距離を算出する測距手段と、
    前記センサの床面からの設置高さと、前記測距領域ごとの前記検知物体までの距離と、前記検知素子の前記放射角度とから、前記測距領域ごとの前記検知物体の高さを算出する物体高算出手段と、
    前記測距領域ごとの前記検知物体までの距離と、前記検知素子の前記放射角度とから、前記測距領域ごとの前記検知物体の幅を算出する物体幅算出手段と、
    前記測距領域ごとの前記検知物体の高さと前記測距領域ごとの前記検知物体の幅との乗算値を前記測距領域の数だけ加算することにより前記検知物体の断面積を算出する断面積算出手段と、
    前記検知物体の断面積に基づいて前記検知物体の種類を判断する物体判断手段と、
    を備えたことを特徴とする物体検知装置。
  2. 前記物体を検知した前記検知素子に対応する前記測距領域が、連続しているか否かを判断する測距領域判断手段をさらに備え、
    前記断面積算出手段は、前記測距領域判断手段によって前記物体を検知した前記検知素子に対応する前記測距領域が連続していると判断された場合に、連続している部分の前記検知物体の断面積を算出することを特徴とする請求項1記載の物体検知装置。
  3. 前記物体を識別するための閾値を記憶する閾値記憶手段と、
    前記検知物体の種類が人物であると判断された場合に、警報を出力する警報出力手段と、
    をさらに備え、
    前記物体判断手段は、前記検知物体の断面積と前記閾値記憶手段に記憶された前記閾値とを比較し、前記検知物体の断面積が前記閾値より大きい場合に、前記検知物体の種類が人物であると判断することを特徴とする請求項1または2に記載の物体検知装置。
  4. 物体検知装置において実行される物体検知方法において、
    前記物体検知装置は、
    測距領域の上方に設置され、所定の放射角度で放射状に前記測距領域における物体を検知する複数の検知素子を有するセンサを備え、
    前記測距領域ごとに、前記センサによって検知された検知物体までの距離を算出する工程と、
    前記センサの床面からの設置高さと、前記測距領域ごとの前記検知物体までの距離と、前記検知素子の前記放射角度とから、前記測距領域ごとの前記検知物体の高さを算出する工程と、
    前記測距領域ごとの前記検知物体までの距離と、前記検知素子の前記放射角度とから、前記測距領域ごとの前記検知物体の幅を算出する工程と、
    前記測距領域ごとの前記検知物体の高さと前記測距領域ごとの前記検知物体の幅との乗算値を前記測距領域の数だけ加算することにより前記検知物体の断面積を算出する工程と、
    前記検知物体の断面積に基づいて前記検知物体の種類を判断する工程と、
    を含むことを特徴とする物体検知方法。
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