JP2010144708A - 車両用の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温環境下で内燃機関を始動する際、バッテリーの電力を浪費させずに、内燃機関の始動時から還元触媒の下流側に窒素酸化物が流出することを防止するとともに、内燃機関の始動待機時間を短縮することが可能な車両用の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】車両の内燃機関の排気通路内に配置された還元触媒と、還元触媒より上流側の排気通路内に還元剤を供給可能な還元剤供給手段と、還元剤を貯蔵する貯蔵タンクと、を備え、還元剤供給手段から供給された還元剤と内燃機関の排気ガスとを還元触媒に接触させることで、排気ガス中の窒素酸化物を還元する車両用の排気浄化装置において、給電によって排気浄化装置を加熱可能な加熱手段と、車両の外部の外部電源と接続可能な接続部を有し外部電源からの電力を接続部から加熱手段へ供給可能な給電手段と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】車両の内燃機関の排気通路内に配置された還元触媒と、還元触媒より上流側の排気通路内に還元剤を供給可能な還元剤供給手段と、還元剤を貯蔵する貯蔵タンクと、を備え、還元剤供給手段から供給された還元剤と内燃機関の排気ガスとを還元触媒に接触させることで、排気ガス中の窒素酸化物を還元する車両用の排気浄化装置において、給電によって排気浄化装置を加熱可能な加熱手段と、車両の外部の外部電源と接続可能な接続部を有し外部電源からの電力を接続部から加熱手段へ供給可能な給電手段と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両の内燃機関から排出される排気ガス中の窒素酸化物を、還元触媒及び還元剤を用いて還元可能な車両用の排気浄化装置に関するものである。
従来、車両の内燃機関から排出される排気ガス中の窒素酸化物を、還元触媒及び還元剤を用いて浄化する車両用の排気浄化装置として、SCR触媒等の還元触媒を排気通路に配置し、還元触媒より上流側の排気通路内に尿素水溶液等の還元剤を供給し、還元剤と排気ガスとを還元触媒に接触させることで、排気ガス中の窒素酸化物を還元するものが知られている。
このような車両用の排気浄化装置では、低温環境下、例えば寒冷地で内燃機関の始動時などに、車両用の排気浄化装置の温度が過剰に低温になるため、貯蔵タンク内に貯蔵された、尿素水溶液等からなる還元剤が凍結することがある。
このような状態で内燃機関を始動すると、還元剤が解凍されるまでの間、排気ガス中の窒素酸化物を十分に還元することができず、窒素酸化物が還元触媒の下流側に流出しやすくなる。
このような状態で内燃機関を始動すると、還元剤が解凍されるまでの間、排気ガス中の窒素酸化物を十分に還元することができず、窒素酸化物が還元触媒の下流側に流出しやすくなる。
そのため、低温環境下で内燃機関を始動する際、還元剤が凍結していても、内燃機関の始動後、迅速に還元剤の供給を可能にした排気浄化装置が提案されている。例えば、排気通路に配設され、尿素水溶液を使用して窒素酸化物を還元浄化する還元触媒と、尿素水溶液を貯蔵するメインタンクと、メインタンクより小容量であって、メインタンクから供給された尿素水溶液を貯留するサブタンクと、サブタンクに貯留された尿素水溶液を還元触媒に供給する還元剤供給装置と、内燃機関の冷却水により、メインタンクに貯蔵された還元剤を加熱する熱交換器と、サブタンクに貯留された尿素水溶液を加熱する電気ヒータと、を含んで構成された内燃機関の排気浄化装置が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された排気浄化装置は、内燃機関の冷却水によってメインタンクに貯蔵された尿素水溶液を加熱する熱交換器や、サブタンクに貯留された尿素水溶液を解凍するための電気ヒータを備えているが、これらの加熱手段は、イグニッションスイッチがオンにされてから作動するものである。そのため、還元剤が凍結するような低温環境下では、内燃機関の始動後から還元剤が解凍されるまでの間は窒素酸化物が十分に還元されない。その結果、内燃機関の始動後しばらくの間、窒素酸化物が浄化されずに還元触媒の下流側に流出することが避けられないという問題がある。
一方、イグニッションスイッチをオンにした後、内燃機関を始動しないで電気ヒータに給電し、還元剤の解凍後に内燃機関を始動させれば、排気ガス中の窒素酸化物が還元触媒の下流側に流出することは避けられる。しかしながら、このやり方では、イグニッションスイッチをオンにした後、内燃機関を始動するまでに時間を要してしまう。しかも、この場合には、内燃機関から生じる熱を還元剤の解凍に利用できないため、バッテリーの電力のみで加熱することになり、バッテリーの電力を過剰に消費しやすいという問題がある。
このような問題は、貯蔵タンク内の還元剤の凍結時に限られず、還元触媒が非活性状態にあっても同様の問題を生じる。すなわち、低温環境下においては、還元触媒が活性状態に達するまでに時間を要するために、内燃機関の始動後、排気温度によって還元触媒が昇温されるまでの間は排気ガス中の窒素酸化物が還元されないため、窒素酸化物が還元触媒の下流側に流出するという問題がある。また、還元触媒を加熱するための電気ヒータ等を設けて内燃機関の始動前に還元触媒を加熱する場合であっても、還元剤を解凍するためには、貯蔵タンクの電気ヒータと同様に、イグニッションスイッチをオンにした後、内燃機関を始動するまでに時間を要してしまう。しかも、バッテリーの電力を過剰に消費しやすいという問題がある。
そこで、本発明の発明者は鋭意努力し、車両用の排気浄化装置において、車両の外部の外部電源と接続可能であるとともに、外部電源からの電力を加熱手段に供給可能な給電手段を備えることによりこのような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、低温環境下で内燃機関を始動する際、バッテリーの電力を浪費せずに、内燃機関の始動直後から還元触媒の下流側に窒素酸化物が流出することを防止するとともに、内燃機関の始動待機時間を短縮することが可能な車両用の排気浄化装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、車両の内燃機関の排気通路内に配置された還元触媒と、還元触媒より上流側の排気通路内に還元剤を供給可能な還元剤供給手段と、還元剤を貯蔵する貯蔵タンクと、を備え、還元剤供給手段から供給された還元剤と内燃機関の排気ガスとを還元触媒に接触させることで、排気ガス中の窒素酸化物を還元する車両用の排気浄化装置において、給電によって排気浄化装置を加熱可能な加熱手段と、車両の外部の外部電源と接続可能な接続部を有し外部電源からの電力を接続部から加熱手段へ供給可能な給電手段と、を備えたことを特徴とする車両用の排気浄化装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明の車両用の排気浄化装置を構成するにあたり、給電手段は、加熱手段への給電開始時期又は内燃機関の始動予定時期を設定可能な給電タイマーを備えることが好ましい。
また、本発明の車両用の排気浄化装置を構成するにあたり、加熱手段は、貯蔵タンク内の還元剤を加熱可能な還元剤加熱ヒータを含むことが好ましい。
また、本発明の車両用の排気浄化装置を構成するにあたり、貯蔵タンクは、還元剤が流通可能に仕切られるとともに排気通路内に供給される還元剤の取出口が設けられた加熱領域を備え、還元剤加熱ヒータは、加熱領域に配設されていることが好ましい。
また、本発明の車両用の排気浄化装置を構成するにあたり、加熱手段は、還元触媒を加熱可能な触媒加熱ヒータを備えることが好ましい。
また、本発明の車両用の排気浄化装置を構成するにあたり、車両はバッテリーを備え、給電手段は、外部電源からの電力とバッテリーからの電力とを選択的に加熱手段へ供給可能に構成されていることが好ましい。
また、本発明の車両用の排気浄化装置を構成するにあたり、加熱手段は、外部電源からの電力を供給可能な複数の加熱ヒータを含み、給電手段は、バッテリーからの電力を一部の加熱ヒータに供給可能に構成されていることが好ましい。
本発明の車両用の排気浄化装置によれば、給電によって車両用の排気浄化装置を加熱可能な加熱手段と、外部電源からの電力を加熱手段へ供給可能な給電手段とを備えているので、イグニッションスイッチのオンオフに拘わらず、外部電源からの電力を利用して排気浄化装置を加熱することができる。そのため、内燃機関の始動前に、外部電源からの電力を利用して、排気浄化装置を、窒素酸化物を還元することが可能な状態にすることができる。したがって、車両に搭載されたバッテリーの電力を浪費せずに、内燃機関の始動直後から還元触媒の下流側に窒素酸化物が流出することを防止するとともに、内燃機関の始動待機時間を短縮することができる。
また、本発明の車両用の排気浄化装置において、給電手段が加熱手段への給電開始時期又は内燃機関の始動予定時期を設定可能な給電タイマーを備えていれば、車両の使用開始時までに排気浄化装置を自動で昇温しておくことができ、直ちに内燃機関を始動させて、始動直後から窒素酸化物の還元を開始させることができる。
また、本発明の車両用の排気浄化装置において、加熱手段が貯蔵タンク内の還元剤を加熱可能な還元剤加熱ヒータを備えていれば、凍結した還元剤や低温の還元剤を確実に解凍、昇温させることができる。
また、本発明の車両用の排気浄化装置において、還元剤が流通可能に仕切られるとともに、還元剤の取出口が設けられた加熱領域を貯蔵タンクに備え、還元剤加熱ヒータがその加熱領域に配設されていれば、貯蔵タンクに貯蔵された還元剤のうち取出口近傍に存在する還元剤が昇温されやすく、凍結状態の還元剤をより短時間で排気通路内に供給可能な状態に解凍することができる。
また、本発明の車両用の排気浄化装置において、加熱手段が還元触媒を加熱可能な触媒加熱ヒータを備えていれば、低温状態の還元触媒を効率的に昇温活性化することができる。
また、本発明の車両用の排気浄化装置において、給電手段が外部電源からの電力と車両のバッテリーからの電力とを選択的に加熱手段へ供給可能に構成されていれば、バッテリーからの電力を用いて排気浄化装置を加熱することもできる。そのため、例えば外部電源が確保できない場所や車両の走行中等に、車両用の排気浄化装置を昇温することが可能になる。
また、本発明の車両用の排気浄化装置において、加熱手段が外部電源からの電力を供給可能な複数の加熱ヒータを含み、給電手段がバッテリーからの電力を一部の加熱ヒータに供給可能に構成されていれば、バッテリーからの給電及び外部電源からの給電に利用される加熱ヒータの一部を共用することができる。したがって、部品点数を少なく抑えることができるとともに、外部電源からの電力で加熱する場合とバッテリーからの電力で加熱する場合とで、消費電力や供給する熱量などを制御して、電源の出力に応じて効率よく排気浄化装置を加熱することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の車両用の排気浄化装置に係る実施の形態について具体的に説明する。ただし、本実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものについては同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
1.排気浄化装置の全体構成
図1は、排気浄化装置10の全体構成を表す概略図を示している。この排気浄化装置10は、車両に搭載されたディーゼルエンジン、リーンバーンエンジンなどの内燃機関5から排出される排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化する装置である。
図1は、排気浄化装置10の全体構成を表す概略図を示している。この排気浄化装置10は、車両に搭載されたディーゼルエンジン、リーンバーンエンジンなどの内燃機関5から排出される排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化する装置である。
排気浄化装置10は、内燃機関5から排出された排気ガスが流れる排気通路11内に還元触媒が配置された還元触媒部20と、還元剤を貯蔵する貯蔵タンク31と、排気通路11内の還元触媒部20の上流側に還元剤を供給可能な還元剤供給手段30と、還元剤供給手段30を制御する制御部(以下、「DCU:Dosing Control Unit」と称する。)60と、排気浄化装置10を加熱するために各部に設けられた加熱手段としての加熱ヒータ81a〜81dと、加熱ヒータ81a〜81dへ電力を供給可能な給電手段としての給電装置80とを備えている。
還元触媒部20の還元触媒は、還元剤とともに排気ガスを接触させることで、排気ガス中に含まれるNOXを還元して無害化するためのSCR触媒などの触媒である。還元触媒部20の上流側及び下流側には、還元触媒部20の温度Tcatを算出するために用いられる温度センサ21、23の他、排気ガス中の窒素酸化物濃度Nや排気ガスの圧力Pなどを測定するための図示しない各種のセンサ等が設けられている。温度センサ21、23で検出された温度信号や他の各センサの検出信号は、DCU60等に伝達される。
還元触媒部20には、加熱手段として、給電されることで還元触媒部20を加熱可能な加熱ヒータ81aが設けられている。加熱ヒータ81aは、還元触媒部20の低温時に、少なくとも内部に配置された還元触媒を加熱して触媒活性温度まで昇温できるだけの熱量を供給可能に構成されている。
還元触媒部20又はその近傍の排気通路11には、排気ガスを浄化するために使用される部材が適宜配置されているが詳細な図示は省略されている。例えば、還元触媒部20より上流側には、排気ガス中の排気微粒子を捕集するためのパーティキュレートフィルタを備えたPM捕集部が設けられていてもよく、還元触媒の上流側や下流側、あるいはPM捕集部の上流側等には酸化触媒が配置されていてもよい。
尿素水溶液等の液体の還元剤が貯蔵される貯蔵タンク31は、例えば、保温性を有する液体容器であり、その構造は、特に限定されるものではないが、容器壁を内壁と外壁との二重構造としてもよく、更に、内壁と外壁との間に空気層や断熱材層を設けたり、内壁と外壁との間を低圧状態として保温性を確保したりしてもよい。
貯蔵タンク31の内部には、還元剤が流通可能な断熱性材料により仕切られた区画室37が設けられている。区画室37には、送液部35に接続された供給経路41の還元剤取出口41aが設けられるとともに、還元剤取出口41aへ流入する還元剤を透過させるフィルタ39が設けられている。
この貯蔵タンク31には、加熱手段として、給電されることで貯蔵タンク31内の還元剤を加熱可能な加熱ヒータ81b〜81dが設けられている。加熱ヒータ81b〜81dは、還元剤の低温時、例えば還元剤の凍結時などに、少なくとも還元剤の融点以上の温度まで還元剤を昇温可能なだけの熱量を供給可能に構成されている。
加熱ヒータ81b〜81dのうち、加熱ヒータ81bは区画室37内に設けられており、還元剤の凍結時に加熱領域としての区画室37内を集中的に加熱しやすくしている。また、加熱ヒータ81dは、内燃機関5の運転中においては、還元剤成分の析出を防止するなど各種の目的で、還元剤を穏やかに加熱して予め設定されている所定温度で保温するために利用される。
また、貯蔵タンク31の適宜な位置に、還元剤の液温や液量、濃度等を検出するためのセンサユニット53が設けられている。このセンサユニット53を構成する各センサ部で検出された検出信号はDCU60等に伝達される。
還元剤供給手段30は、排気通路11内の還元触媒部20の上流側に還元剤を噴射可能な還元剤噴射弁33と、貯蔵タンク31と還元剤噴射弁33との間に設けられて、貯蔵タンク31内の還元剤を還元剤噴射弁33に向けて送液する送液部35とを備えている。
送液部35は、還元剤を圧送するポンプ(図示せず。)を備え、還元剤を貯蔵タンク31からポンプに導く供給経路41と、還元剤をポンプから還元剤噴射弁33に導く供給経路42と、供給経路42内の還元剤の一部を貯蔵タンク33へ還流可能な還流経路43とが接続されている。ただし、供給経路42と還流経路43との接続位置は任意であり、例えば、供給経路42の途中位置から分岐して還流経路43が接続されていてもよく、供給経路42と還流経路43とがそれぞれ還元剤噴射弁33のギャラリ等に接続されて、供給経路42の還元剤が還元剤噴射弁33を経由して貯蔵タンク31に還流されるようになっていてもよい。
詳細な図示は省略されているが、送液部35には、還元剤を圧送するポンプの他、還元剤の流動方向を切換えるための切換弁、還元剤中の異物を除去する異物フィルタなどが設けられていてもよい。また、還流経路43には、供給経路42内の還元剤の圧力を調節するためのオリフィスやプレッシャレギュレータなどが設けられていてもよい。
還元剤噴射弁33は、供給経路42を介して圧送された還元剤を排気通路11内に噴射可能に構成されており、例えば、開弁のON−OFFが制御されるON−OFF弁が用いられる。
DCU60は、還元剤噴射弁33、液送部35のポンプ、切換弁等の動作制御を行うことで、還元剤の供給圧、供給量、噴射タイミング等を制御可能に構成されている。また、本実施形態のDCU60は、内燃機関5の運転中に貯蔵タンク31内の還元剤を加熱する必要がある場合に、加温信号を給電装置80の給電制御部90へ出力可能に構成されている。
2.給電装置
給電装置80は、車両の外部に設けられている外部電源と接続可能な接続部85と、タンク内の還元剤の液温を検出する温度センサ51と、接続部85から導入される電力を各加熱ヒータ81a〜81dへ供給するための給電回路87と、給電回路87による各加熱ヒータ81a〜81dへの給電を制御可能な給電制御部90とを備えている。
給電装置80は、車両の外部に設けられている外部電源と接続可能な接続部85と、タンク内の還元剤の液温を検出する温度センサ51と、接続部85から導入される電力を各加熱ヒータ81a〜81dへ供給するための給電回路87と、給電回路87による各加熱ヒータ81a〜81dへの給電を制御可能な給電制御部90とを備えている。
接続部85の構成は、外部電源からの電力を給電回路87に供給可能なものであればよく、例えば、外部電源から延長されたケーブルのコネクタを接続可能に車両に固設されたものや、車両から延長したケーブルの先端に外部電源と接続可能なコネクタを設けたものなどでよい。
温度センサ51は、車両のイグニッションスイッチがOFFになっている場合等、DCU60が動作していない場合においても、貯蔵タンク31内の還元剤の液温を検出するために備えられている。したがって、温度センサ51のセンサ値は、主として、内燃機関5の始動前における排気浄化装置の10の加熱制御に用いられる。
給電回路87には、外部電源からの電力を加熱ヒータ81a〜81dへ供給可能な回路系統と、車載されたバッテリー89からの電力を加熱ヒータ81dへ給電可能な回路系統とが備えられている。車載されたバッテリー89からの電力が供給可能な回路系統は、車両のイグニッションスイッチがOFF状態のときには給電不能にされる。そのため、意図しないバッテリーの浪費が抑えられる。
図2は、給電制御部90の構成を機能的なブロックで表した図を示している。この給電制御部90は、公知の構成からなるマイクロコンピュータを中心に構成されており、接続部85が外部電源へ接続されていることを検出可能な電源検出部91と、運転者により加熱モードが選択されて設定されるモード選択部92と、貯蔵タンク31内の還元剤の温度を検出する温度判定部93と、電源検出部91、モード選択部92、及び温度判定部93から伝達される各信号に基づき、各加熱ヒータ81a〜81dへの電力の供給処理が実行されるヒータ出力制御部94と、電源検出部91及びヒータ出力制御部94から伝達される信号に基づき表示ランプ等の表示機器を作動させる状態表示処理部95とを備えている。
電源検出部91は、接続部85が外部電源へ接続されていることを検出し、接続部85が外部電源と接続された状態であることを示す接続信号を、ヒータ出力制御部94及び状態表示処理部95へ出力する。外部電源との接続は、例えば、接続部85が外部電源と接続されることで機械的に接続状態であることを検出してもよく、接続部85又は給電回路87で外部電源の電力を検知して電気的に検出してもよい。
この電源検出部91は、接続部85が外部電源と接続されている間、継続してヒータ出力制御部94及び状態表示処理部95へ接続信号を出力し、接続部85が外部電源から離脱されたときに接続信号を停止する。
この電源検出部91は、接続部85が外部電源と接続されている間、継続してヒータ出力制御部94及び状態表示処理部95へ接続信号を出力し、接続部85が外部電源から離脱されたときに接続信号を停止する。
モード選択部92は、運転者の入力操作で、排気浄化装置10の加熱モードが設定され、その加熱モードを示すモード信号をヒータ出力制御部94及び状態表示処理部95へ出力する。本実施形態では、急速加熱モードとタイマーモードとが選択可能となっている。急速加熱モードは排気浄化装置10を短時間で加熱して使用可能な状態にするためのモードであり、タイマーモードは予め給電開始時間等を設定することで、所望の時刻に排気浄化装置10を使用可能な状態にしておくためのモードである。
モード選択部92には、タイマーモードで給電開始時期や内燃機関の始動予定時期を設定可能な給電タイマー96が設けられている。本実施形態の給電タイマー96は、運転者が現在の時刻と車両の使用開始時刻teonとを入力することで、演算処理により給電開始時tstartが設定されるように構成されている。また、給電開始時tstartから車両の使用開始時刻teonまでの間隔は、車両が使用される環境下で確実に還元触媒部20及び貯蔵タンク31の還元剤の温度がそれぞれ所定温度まで昇温されるような時間として予め設定される。
モード選択部92は、モード選択部92で急速加熱モードが設定された場合、直ちにヒータ出力制御部94へ急速加熱モードであることを示すモード信号を出力する。
一方、モード選択部92でタイマーモードが設定されて給電タイマー96に給電開始時tstartが設定された場合、モード選択部92は、給電タイマー96により設定時からの経過時間の測定が開始され、給電開始時tstartが到来した時点で、ヒータ出力制御部94へタイマーモードであることを示すモード信号を出力する。
なお、このモード選択部92では、タイマーモードが設定されている間、内燃機関5の始動までタイマーモードであることを示すモード信号を状態表示処理部95へ出力する。
一方、モード選択部92でタイマーモードが設定されて給電タイマー96に給電開始時tstartが設定された場合、モード選択部92は、給電タイマー96により設定時からの経過時間の測定が開始され、給電開始時tstartが到来した時点で、ヒータ出力制御部94へタイマーモードであることを示すモード信号を出力する。
なお、このモード選択部92では、タイマーモードが設定されている間、内燃機関5の始動までタイマーモードであることを示すモード信号を状態表示処理部95へ出力する。
温度判定部93は、貯蔵タンク31内の還元剤の温度を示す温度信号を温度センサ51から検出し、この温度が、貯蔵タンク31内の還元剤あるいは還元触媒部20の加熱を必要とする温度であるか否かを判定する。加熱が必要な温度の場合には、温度判定部93は、ヒータ出力制御部94へ加熱要求信号を出力する。
温度判定部93における判定方法は適宜選択できるが、例えば、還元触媒部20が過度に冷却されていると判断される温度の閾値や、貯蔵タンク31内の還元剤が流動可能な状態で確実に維持できる温度の閾値を予め設定しておき、検出される温度がこれらの設定温度より低い場合に、還元触媒部20又は貯蔵タンク31の加熱が必要であると判定するように構成される。
ヒータ出力制御部94は、電源検出部91、モード選択部92、及び温度判定部93からの各信号が伝達され、これらの信号に基づいて、還元触媒部20に設けられた加熱ヒータ81a及び貯蔵タンク31に設けられた加熱ヒータ81b〜81dへの外部電源からの電力の供給と、貯蔵タンク31に設けられた加熱ヒータ81dへのバッテリー89からの電力の供給とを選択的に制御するように構成されている。
ここでは、接続部85が外部電源と接続状態であることを示す接続信号が電源検出部91から伝達され、急速加熱モード又はタイマーモードであることを示すモード信号がモード選択部92から伝達され、さらに、還元触媒部20及び貯蔵タンク31のいずれか一方の加熱が必要であることを示す加熱要求信号が温度判定部93からヒータ出力制御部94へ伝達されたときに、ヒータ出力制御部94は、給電回路87により加熱モードに対応する電力を外部電源から加熱ヒータ81a〜81dへ供給する。
また、電源検出部91から接続信号が伝達され、モード選択部92からモード信号が伝達されたときに、加熱ヒータ81a〜81dへ加熱モードに対応する電力を外部電源から供給した後に、温度判定部93から加熱要求信号が伝達されなくなったときには、ヒータ出力制御部94は、加熱ヒータ81a〜81dへの給電を停止する。
加熱ヒータ81a〜81dへ給電する際、急速加熱モードであることを示すモード信号がモード選択部92から伝達された場合には、還元触媒部20や貯蔵タンク31の還元剤を短い時間で昇温させやすくするために、より大きな電力が各加熱ヒータ81a〜81dへ供給される。また、モード選択部92からタイマーモードであることを示すモード信号が伝達された場合には、急速加熱モードより小さい電力が各加熱ヒータ81a〜81dへ供給され、消費電力がより小さく抑えられる。
各加熱ヒータ81a〜81dへ電力を供給している間は、ヒータ出力制御部94から給電中であることを示す給電信号が状態表示処理部95へ出力される。
各加熱ヒータ81a〜81dへ電力を供給している間は、ヒータ出力制御部94から給電中であることを示す給電信号が状態表示処理部95へ出力される。
また、このヒータ出力制御部94は、車両のイグニッションスイッチ71がON状態においては、貯蔵タンク31内の還元剤を加熱することを示す加温信号を受信したときには、バッテリー89からの電力を加熱ヒータ81dに供給するように構成されている。
状態表示処理部95は、電源検出部91やヒータ出力制御部94から伝達される信号、更に、イグニッションスイッチ71から伝達される信号に基づき、各表示ランプ97a〜97cや警告装置を作動させる。
本実施形態の状態表示処理部95では、電源検出部91から接続信号を受信している間には、外部電源接続ランプ97aを点灯させる。また、状態表示処理部95は、モード選択部92からタイマーモードであることを示すモード信号を受信している間には、タイマーランプ97bを点灯させる。さらに、状態表示処理部95は、ヒータ出力制御部94から給電信号を受信している間には、加熱ランプ97cを点灯させる。
本実施形態の状態表示処理部95では、電源検出部91から接続信号を受信している間には、外部電源接続ランプ97aを点灯させる。また、状態表示処理部95は、モード選択部92からタイマーモードであることを示すモード信号を受信している間には、タイマーランプ97bを点灯させる。さらに、状態表示処理部95は、ヒータ出力制御部94から給電信号を受信している間には、加熱ランプ97cを点灯させる。
また、状態表示処理部95は、電源検出部91から接続信号を受信している間に、車両のイグニッションスイッチ71がONにされたことを示す信号や、内燃機関5が始動したことを示す信号を受信したときには、警告灯を点灯させたり、警告音を発信させたりする。
3.排気浄化装置の動作制御
次に、このように構成された車両用の排気浄化装置10の動作制御について説明する。
次に、このように構成された車両用の排気浄化装置10の動作制御について説明する。
(1)内燃機関の始動前の加熱制御
内燃機関5の停止中、特に長時間の停止中には、排気浄化装置10の温度は外気温に応じた低温状態となる。寒冷地等では、排気浄化装置10の温度は過剰に低下し、例えば、還元触媒の温度が活性化温度よりも著しく低下したり、貯蔵タンク31内の還元剤が凍結したりする場合がある。本実施形態の排気浄化装置10では、このような低温環境下で内燃機関5を始動する際、予め排気浄化装置10を加熱する制御が行われる。
内燃機関5の停止中、特に長時間の停止中には、排気浄化装置10の温度は外気温に応じた低温状態となる。寒冷地等では、排気浄化装置10の温度は過剰に低下し、例えば、還元触媒の温度が活性化温度よりも著しく低下したり、貯蔵タンク31内の還元剤が凍結したりする場合がある。本実施形態の排気浄化装置10では、このような低温環境下で内燃機関5を始動する際、予め排気浄化装置10を加熱する制御が行われる。
図1の排気浄化装置10を用いて行われる、内燃機関5の始動前の加熱制御について、図3及び図4の制御フローに基づいて説明する。
ここでは、給電制御部90により運転者が設定する2つのモードで排気浄化装置10の加熱制御が可能となっている。例えば、内燃機関5の始動前に短時間で還元触媒あるいは貯蔵タンク31内の還元剤を加熱したい場合には、急速に排気浄化装置10を加熱する急速加熱モードの加熱制御が実行される。また、予め内燃機関5を始動する時間が分かっている場合には、その時間に合わせて排気浄化装置10を加熱しておくタイマーモードの加熱制御が実行される。
ここでは、給電制御部90により運転者が設定する2つのモードで排気浄化装置10の加熱制御が可能となっている。例えば、内燃機関5の始動前に短時間で還元触媒あるいは貯蔵タンク31内の還元剤を加熱したい場合には、急速に排気浄化装置10を加熱する急速加熱モードの加熱制御が実行される。また、予め内燃機関5を始動する時間が分かっている場合には、その時間に合わせて排気浄化装置10を加熱しておくタイマーモードの加熱制御が実行される。
まず、図3に示すように、給電装置80の接続部85に外部電源が接続されると、ステップS11で、電源検出部91が外部電源の接続を検出し、ステップS12で、状態表示処理部95は電源検出部91からの接続信号に基づいて外部電源接続ランプ97aを点灯させる。
次いで、ステップS13で、モード選択部92は、運転者がモード選択部92に入力した加熱モードを検出し、ステップS14で、モード選択部92は、急速加熱モードであるか否かを判別する。急速加熱モードが選択されている場合にはステップS15に進み急速加熱モードに設定を切換える一方、タイマーモードが選択されている場合にはステップS31に進みタイマーモードに設定を切換える。
(1)−1 急速加熱モード
急速加熱モードに設定されると、ステップS16で、急速加熱モードであることを示すモード信号がモード選択部92からヒータ出力制御部94へ伝達され、ヒータ出力制御部94が給電回路87を導通させて、外部電源からの電力を各加熱ヒータ81a〜81dに供給するとともに、給電信号が状態表示処理部95へ伝達されて加熱ランプ97cが点灯する。これにより、加熱ヒータ81a〜81dには、大きな熱量が出力されるように予め設定された電力が供給され、還元触媒部20及び貯蔵タンク31内の還元剤が加熱されて昇温される。このとき、すべての加熱ヒータ81a〜81dに給電してもよいし、一部の加熱ヒータにのみ給電するようにしてもよい。
急速加熱モードに設定されると、ステップS16で、急速加熱モードであることを示すモード信号がモード選択部92からヒータ出力制御部94へ伝達され、ヒータ出力制御部94が給電回路87を導通させて、外部電源からの電力を各加熱ヒータ81a〜81dに供給するとともに、給電信号が状態表示処理部95へ伝達されて加熱ランプ97cが点灯する。これにより、加熱ヒータ81a〜81dには、大きな熱量が出力されるように予め設定された電力が供給され、還元触媒部20及び貯蔵タンク31内の還元剤が加熱されて昇温される。このとき、すべての加熱ヒータ81a〜81dに給電してもよいし、一部の加熱ヒータにのみ給電するようにしてもよい。
次いで、ステップS17で、温度判定部93は、温度センサ51からの温度信号を検出して貯蔵タンク31内の還元剤の温度Ttankを取得するとともに、ステップS18で、還元剤の温度Ttankが加熱する必要がある設定温度Ttank0以上であるか否かを判別する。貯蔵タンク31内の還元剤の温度Ttankが設定温度Ttank0より低い場合には、加熱要求信号が生成されてヒータ出力制御部94へ出力され、ステップS17に戻る。
ヒータ出力制御部94は、加熱要求信号が出力される間は加熱ヒータ81a〜81dへの通電を継続し、還元触媒部20及び還元剤を加熱する。
ヒータ出力制御部94は、加熱要求信号が出力される間は加熱ヒータ81a〜81dへの通電を継続し、還元触媒部20及び還元剤を加熱する。
そして、貯蔵タンク31内の還元剤の温度Ttankが設定温度Ttank0以上に到達し、ステップS18で、還元剤の温度Ttankが設定温度Ttank0以上であると判定されると、ステップS19で、温度判定部93は、ヒータ出力制御部94への加熱要求信号の出力を停止する。そのため、ヒータ出力制御部94により給電回路87が切断され、各加熱ヒータ81a〜81dへの給電がそれぞれ停止されるとともに、給電信号が状態表示処理部95へ伝達されなくなり、加熱ランプ97cが消灯する。
なお、この判定は、加熱開始直後でも行われるため、加熱開始時等に還元剤の温度が設定温度より高くなっている場合には、一旦、加熱ヒータ81a〜81dに給電された後、直ちに加熱が終了され、加熱ランプ97cが消灯する。
その後、ステップS20で、電源検出部91は、外部電源の接続信号の検出の有無により外部電源が離脱されたか否かを判別する。運転者が加熱ランプ97cの消灯を確認して、外部電源から給電装置80の接続部85を離脱させて切断し、適宜収納すると、ステップS20で、電源検出部91は、接続信号の停止により接続が解除されたことを検出する。次いで、ステップS21で、状態表示処理部95は外部電源接続ランプ97aを消灯し、ステップS22で、内燃機関5の始動許可信号を出力して急速加熱モードが終了する。
これにより、還元触媒部20の温度が、内燃機関5の始動後速やかに触媒活性が得られるような温度まで加熱されるとともに、貯蔵タンク31内の還元剤は解凍されて噴射可能な状態となる。そのため、内燃機関5の始動直後から、排気浄化装置10は排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化可能となる。
なお、運転者は、外部電源接続ランプ97aの消灯を確認することで、接続部85の接続状態が解除されていることを確認して、安全に車両を走行させることができる。
なお、運転者は、外部電源接続ランプ97aの消灯を確認することで、接続部85の接続状態が解除されていることを確認して、安全に車両を走行させることができる。
(1)−2 タイマーモード
次に、ステップS31以降の、タイマーモードでの加熱制御について説明する。
タイマーモードが選択されると、図4に示すように、ステップS32で、モード選択部92からタイマーモードであることを示すモード信号が状態表示処理部95に伝達され、状態表示処理部95は、タイマーランプ97bを点灯する。
次に、ステップS31以降の、タイマーモードでの加熱制御について説明する。
タイマーモードが選択されると、図4に示すように、ステップS32で、モード選択部92からタイマーモードであることを示すモード信号が状態表示処理部95に伝達され、状態表示処理部95は、タイマーランプ97bを点灯する。
本実施形態のタイマーモードでは、運転者がモード選択部92に備えられた給電タイマー96に現在の時刻と車両の使用開始時刻teonとを入力したときに、ステップS33で、給電タイマー96は、各加熱ヒータ81a〜81dの加熱開始時tstartを設定する。現在時刻及び使用開始時刻teonの入力の代わりに、現在から使用開始までの時間を設定することで、各加熱ヒータ81a〜81dの加熱開始時tstartを設定することもできる。なお、モード選択部92は、運転者による給電タイマー96への設定の入力が行われることで、タイマーモードであることを示すモード信号を出力するようにしてもよい。
この状態で、ステップS34で、給電タイマー96は加熱開始時tstartが到来したか否かの判別を繰り返し、加熱開始時tstartが到来したと判定されると、モード選択部92はヒータ出力制御部94へタイマーモードであることを示すモード信号を出力し、ステップS35で、ヒータ出力制御部94は給電回路87により、外部電源からの電力を各加熱ヒータ81a〜81dに供給するとともに、給電信号が状態表示処理部95に伝達されて加熱ランプ97cが点灯する。
タイマーモードでは、急速加熱モードのように短時間で加熱する必要がないため、ヒータ出力制御部94により給電回路87が制御され、単位時間当たりの熱量が急速加熱モードより少ない熱量となるように加熱ヒータ81a〜81dのいずれかに電力が供給される。
次いで、ステップS36で、温度判定部93は、温度センサ51からの温度信号を検出して貯蔵タンク31内の還元剤の温度Ttankを取得するとともに、ステップS37で、還元剤の温度Ttankが加熱する必要がある設定温度Ttank0以上であるか否かを判別する。貯蔵タンク31内の還元剤の温度Ttankが設定温度Ttank0より低い場合には、加熱要求信号が生成されてヒータ出力制御部94へ出力され、ステップ35に戻る。
ヒータ出力制御部94は、加熱要求信号が出力される間、加熱ヒータ81a〜81dへの通電を継続し、還元触媒部20及び還元剤の加熱を継続する。
ヒータ出力制御部94は、加熱要求信号が出力される間、加熱ヒータ81a〜81dへの通電を継続し、還元触媒部20及び還元剤の加熱を継続する。
そして、貯蔵タンク31内の還元剤の温度Ttankが設定温度Ttank0以上に到達し、ステップS37で、還元剤の温度Ttankが設定温度Ttank0以上であると判定されると、ステップS38で、温度判定部93は、ヒータ出力制御部94へ保温信号を出力し、ヒータ出力制御部94により給電回路87が制御され、加熱ヒータ81a及び81dのみに給電が継続され、保温状態に移行する。
その後、ステップS39で、給電タイマー96は、保温状態に移行後も、内燃機関5の始動開始時刻teonが到来したか否かを判別し、内燃機関5の始動開始時刻teonが到来するまでは、ステップS36に戻って、ヒータ出力制御部94は、還元触媒や貯蔵タンク31内の還元剤の加熱、保温を繰り返す。その結果、還元触媒部20及び貯蔵タンク31内の還元剤の温度は内燃機関5の始動時teonまで保たれることになる。
そして、ステップS39で、内燃機関5の始動開始時刻teonが到来したと判別されると、ステップS40で、状態表示処理部95はタイマーランプ97bを消灯する。その後、本実施形態の排気浄化装置10は、運転者によって外部電源から給電装置80の接続部85が離脱されるまでは内燃機関5の始動ができないようになっているため、ステップS41で、電源検出部91は、接続部85が外部電源から離脱されたか否かを判別する。
接続部85が外部電源から離脱されるまでは再びステップS36に戻って、ヒータ出力制御部94は、還元触媒や貯蔵タンク31内の還元剤の加熱、保温を繰り返す。一方、ステップS41で、接続部85が外部電源から離脱されたと判別されたときには、ステップS42で、状態表示処理部95が外部電源接続ランプ97aを消灯し、ステップS43で、内燃機関5の始動許可信号を出力してタイマーモードが終了する。
これ以降は、図示しないものの、内燃機関5の始動開始時刻tstartが到来した後、内燃機関5の始動がされないまま、すなわち、接続部85が外部電源から離脱されないまま所定時間(例えば1時間)経過したときには、給電を停止するように制御される。したがって、車両が使用されないまま、無駄に外部電力が消費されることが防止される。
これにより、内燃機関5の始動時までには、還元触媒部20の温度が、内燃機関5の始動後速やかに触媒活性が得られるような温度まで加熱されるとともに、貯蔵タンク31内の還元剤は解凍されて噴射可能な状態となる。したがって、排気浄化装置10は、内燃機関5の始動直後から排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化可能となる。
なお、運転者は、外部電源接続ランプ97aの消灯を確認して、安全に車両を走行させることができる。
なお、運転者は、外部電源接続ランプ97aの消灯を確認して、安全に車両を走行させることができる。
(2)内燃機関の運転時の制御
内燃機関5の始動前の加熱制御が実行され、内燃機関5が始動された後には、還元剤供給手段30では、DCU60からの制御信号に基づいて送液部35のポンプ等が制御され、貯蔵タンク31に貯蔵された還元剤が、区画室37のフィルタ39を透過して還元剤取出口41aから供給経路41に取液されるとともに、所定圧力で供給経路41、42及び還流経路43で循環される。
内燃機関5の始動前の加熱制御が実行され、内燃機関5が始動された後には、還元剤供給手段30では、DCU60からの制御信号に基づいて送液部35のポンプ等が制御され、貯蔵タンク31に貯蔵された還元剤が、区画室37のフィルタ39を透過して還元剤取出口41aから供給経路41に取液されるとともに、所定圧力で供給経路41、42及び還流経路43で循環される。
この状態で、DCU60からの制御信号に基づいて還元剤噴射弁33が開閉されると、還元剤が排気通路11内の還元触媒部20の上流側に供給され、内燃機関5からの排気ガスとともに還元触媒に接触し、排気ガス中の窒素酸化物の還元処理が実施される。
この内燃機関5の運転中には、温度センサ21、23や、センサユニット53等により還元触媒の温度や貯蔵タンク31内の還元剤の温度が測定されている。還元触媒部20や貯蔵タンク31は、通常、内燃機関5からの熱を直接又は間接に受けるが、貯蔵タンク31では還元剤の温度が各種の目的で設定されている適温より低くなる場合がある。
その場合、DCU60において、センサユニット53での検出温度を判定し、貯蔵タンク31内の還元剤を加熱することを示す加温信号が、給電装置80の給電制御部90のヒータ出力制御部94へ伝達される。ヒータ出力制御部94ではこの加温信号に基づいてバッテリー89からの電力を加熱ヒータ81dへ供給し、穏やかな加熱が実行される。
4.応用例
これまで説明した実施の形態は、この発明の範囲内において適宜変更可能である。例えば、上記実施の形態の排気浄化装置10では、加熱手段としての加熱ヒータ81a〜81dを還元触媒部20及び貯蔵タンク31に設けた例について説明したが、還元剤噴射弁33、供給経路41、42、還流経路43、送液部35などに加熱ヒータを設けてもよい。また、加熱手段は、加熱ヒータに限定されるものではなく、給電により加熱可能な装置であれば適宜選択して使用することが可能である。
これまで説明した実施の形態は、この発明の範囲内において適宜変更可能である。例えば、上記実施の形態の排気浄化装置10では、加熱手段としての加熱ヒータ81a〜81dを還元触媒部20及び貯蔵タンク31に設けた例について説明したが、還元剤噴射弁33、供給経路41、42、還流経路43、送液部35などに加熱ヒータを設けてもよい。また、加熱手段は、加熱ヒータに限定されるものではなく、給電により加熱可能な装置であれば適宜選択して使用することが可能である。
また、上記実施の形態の排気浄化装置10では、急速加熱モードとタイマーモードとで加熱ヒータ81a〜81dで異なる熱量を供給するように構成されているが、どの加熱ヒータを選択して、どれくらいの熱量を供給するかは、加熱の目的、度合いに応じて適宜設定が可能である。
また、上記実施の形態の排気浄化装置10では、貯蔵タンク31に設けられるすべての加熱手段を、給電装置80によって制御可能な加熱ヒータとしているが、このうちの一つを、あるいは、これらの加熱ヒータとは別に、内燃機関5の始動後にのみ機能する、内燃機関5の冷却水を用いた熱交換器を備えた構成とすることもできる。このような熱交換器を備えた構成であれば、内燃機関5の始動後については、内燃機関5の熱によって還元剤を保温することができ、バッテリーの浪費が抑えられる。
さらに、上記実施の形態の排気浄化装置10では、給電タイマー96が給電制御部90と一体に設けられているが、給電制御部90とは別に給電タイマーを設けることも可能である。その場合、例えば、接続部85が接続される外部電源側に給電タイマーを設けておき、給電タイマーにより設定された給電開始時に外部電源から電力が供給されたときに、その電力を各加熱ヒータ81a〜81dに供給するように構成することも可能である。
5:内燃機関、10:車両用の排気浄化装置、11:排気通路、20、還元触媒部、21:センサ、23:センサ、30:還元剤供給手段、31:貯蔵タンク、33:還元剤噴射弁、35:送液部、37:区画室、39:フィルタ、41:供給経路、41a:還元剤取出口、43:還流経路、51:温度センサ、60:DCU、71:イグニッションスイッチ、80:給電装置、81a〜81d:加熱ヒータ、85:接続部、87:給電回路、89:バッテリー、90:給電制御部、91:電源検出部、92:モード選択部、93:温度判定部、94:ヒータ出力制御部、95:状態表示処理部、96:給電タイマー、97a:外部電源接続ランプ、97b:タイマーランプ、97c:加熱ランプ
Claims (7)
- 車両の内燃機関の排気通路内に配置された還元触媒と、前記還元触媒より上流側の前記排気通路内に還元剤を供給可能な還元剤供給手段と、前記還元剤を貯蔵する貯蔵タンクと、を備え、前記還元剤供給手段から供給された前記還元剤と前記内燃機関の排気ガスとを前記還元触媒に接触させることで、前記排気ガス中の窒素酸化物を還元する車両用の排気浄化装置において、
給電によって前記排気浄化装置を加熱可能な加熱手段と、
前記車両の外部の外部電源と接続可能な接続部を有し前記外部電源からの電力を前記接続部から前記加熱手段へ供給可能な給電手段と、
を備えたことを特徴とする車両用の排気浄化装置。 - 前記給電手段は、前記加熱手段への給電開始時期又は前記内燃機関の始動予定時期を設定可能な給電タイマーを備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用の排気浄化装置。
- 前記加熱手段は、前記貯蔵タンク内の前記還元剤を加熱可能な還元剤加熱ヒータを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用の排気浄化装置。
- 前記貯蔵タンクは、前記還元剤が流通可能に仕切られるとともに前記排気通路内に供給される前記還元剤の取出口が設けられた加熱領域を備え、前記還元剤加熱ヒータは、前記加熱領域に配設されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用の排気浄化装置。
- 前記加熱手段は、前記還元触媒を加熱可能な触媒加熱ヒータを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用の排気浄化装置。
- 前記車両はバッテリーを備え、前記給電手段は、前記外部電源からの電力と前記バッテリーからの電力とを選択的に前記加熱手段へ供給可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用の排気浄化装置。
- 前記加熱手段は、前記外部電源からの電力を供給可能な複数の加熱ヒータを含み、前記給電手段は、前記バッテリーからの電力を一部の前記加熱ヒータに供給可能に構成されていることを特徴とする請求項6に記載の車両用の排気浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008326563A JP2010144708A (ja) | 2008-12-22 | 2008-12-22 | 車両用の排気浄化装置 |
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ID=42565378
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JP (1) | JP2010144708A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019143611A (ja) * | 2018-02-23 | 2019-08-29 | 株式会社デンソー | 添加制御装置 |
JP2020180590A (ja) * | 2019-04-25 | 2020-11-05 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の排気浄化装置 |
-
2008
- 2008-12-22 JP JP2008326563A patent/JP2010144708A/ja active Pending
Cited By (4)
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JP7021558B2 (ja) | 2018-02-23 | 2022-02-17 | 株式会社デンソー | 添加制御装置 |
JP2020180590A (ja) * | 2019-04-25 | 2020-11-05 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の排気浄化装置 |
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