JP2010143983A - ラジカル重合性オリゴマーおよびその製造方法 - Google Patents

ラジカル重合性オリゴマーおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010143983A
JP2010143983A JP2008320427A JP2008320427A JP2010143983A JP 2010143983 A JP2010143983 A JP 2010143983A JP 2008320427 A JP2008320427 A JP 2008320427A JP 2008320427 A JP2008320427 A JP 2008320427A JP 2010143983 A JP2010143983 A JP 2010143983A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
structural formula
chemical structure
polymerization
polymerizable oligomer
following structural
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008320427A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5510699B2 (ja
Inventor
Kazuji Kageishi
一二 影石
Ariyoshi Ando
有美 安藤
Chiemi Kasuya
千絵美 粕谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Toray Fine Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Fine Chemicals Co Ltd filed Critical Toray Fine Chemicals Co Ltd
Priority to JP2008320427A priority Critical patent/JP5510699B2/ja
Publication of JP2010143983A publication Critical patent/JP2010143983A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5510699B2 publication Critical patent/JP5510699B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】ラジカル重合性不飽和単量体の効率的なリビングラジカル重合ができるラジカル重合性オリゴマーおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】分子中に下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983

(ここで、pは1〜200の整数、Xはニトリル基、フェニル基およびその誘導体、ピロリドン基、アクリル酸基またはアクリルアミド基で示される化学構造、Yは重合開始剤の遊離基、Zはα−メチルスチレンダイマーの遊離基を表す。)を含むラジカル重合性オリゴマー。
【選択図】なし

Description

本発明は、ラジカル重合性オリゴマーおよびその製造方法に関する。
アクリル単量体を含むビニル化合物のリビングラジカル重合が10数年来盛んに研究されており、例えば、ドラッグデリバリーシステム、高感度センサー、微細加工可能なレジスト材料などとして応用が期待されている。
リビングラジカル重合は、精密重合技術とも言われており、安定なニトロキシラジカルを使用する安定ラジカル法(SFRP;Stable free radical polymerization)、遷移金属錯体および促進剤、含ハロゲン化合物である重合開始剤を組み合わせて使用する原子移動ラジカル重合(ATRP;Atom transfer radical polymerization)、ジチオエステル誘導体をRAFT剤として使用するRAFT重合(Reversible addition-fragmentation chain transfer polymerization)などが良く知られている。
なかでも、ATRP、RAFT重合は分子量分布の狭いポリマーが製造できることから研究対象の中心となっている。
一方で、ATRPでは、Cu錯体などの遷移金属錯体を使用するためポリマーの着色が著しく、無色透明なポリマーを取り出すには多大なエネルギーが必要であった。かつポリマーの安定性に課題があった。遷移金属錯体として高価なRu錯体等の希少金属錯体を使用する場合には、コスト面から遷移金属錯体の再生、リサイクルは必須であり、製造工程も複雑となって、工業的にはまだ多大な改善の余地が残っている。また、ATRPでは、多価アミンなどの促進剤、重合開始剤としてのハロゲン化合物の使用を必要とし、促進剤および重合開始剤が残存するためポリマーの安定性、臭気などに課題があった。また、遷移金属錯体、促進剤、重合開始剤に特定の、活性が強いものが使用されることから、製造に使用できるビニル単量体およびその官能基にも制約があった。
RAFT重合では、重合する単量体の官能基の種類、濃度に左右されず重合ができることから刺激応答性高分子材料などの機能性ポリマー創製の期待が大きい。ところが、RAFT重合では、RAFT剤として、ジチオエステル化合物などのイオウ系化合物が常用されるため、RAFT剤の悪臭が問題となっており、また製造したポリマーにも悪臭が残るため、これの解決が必須課題となっていた。さらに、製造したポリマーは赤褐色等に強く着色するのが一般的で、アクリルポリマーのように無色透明が特徴となっているポリマーへの適用にはさらに技術の改善、進展が強く望まれていた。また、良く知られているとおりATRPに比し、RAFT重合では、重合初期から狭い分子量分布のポリマーを製造することができるが、重合率の上昇がきわめて遅く、製造には長時間を要し、工業的観点からは課題があった。またさらに、α−メチルスチレンダイマーなどの臭気、着色が小さい化合物をRAFT剤として使用した場合には、ジチオエステル誘導体と同様に重合率の上昇が遅く製造に長時間を必要とするばかりでなく、多くの場合、特にメタクリレートを使用した場合、リビングラジカル重合は起こらず、期待するブロック共重合体等の機能性ポリマーは製造できなかった。
悪臭の少ない特定のジチオエステル誘導体をRAFT剤として使用し、分子量分布の狭いポリマーをRAFT重合で製造する方法が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、悪臭が改善されるとしながら、実施例に見られるとおり、一般的なRAFT剤である2−フェニルジチオベンゾエートと悪臭の程度を比較した結果は、まだ60%以上の悪臭が確認されており、実用的には不十分である。また、製造時間が長い割に重合率が上昇しておらず、工業的観点からは実用化は難しい。
メタクリレートを主成分とするアクリル単量体のラジカル重合を利用してアクリルマクロモノマーを製造する方法、およびABCまたはABAブロック共重合体の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。
特許文献2で提案されている技術は、RAFT剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを使用し、メタクリロイル基を有するエチレン性不飽和化合物を70モル%以上含むアクリル単量体を、100℃以上の高温で溶液重合により製造するというものである。
特許文献2が提案する技術では、100℃以上の高温で重合する必要があり、アクリルポリマーに多用されるメタクリル酸メチル(沸点100.8℃/1013.6hPa)などの沸点の低いアクリル単量体への適用には問題があった。
特開2007−238646号公報 特開2000−169531号公報
低臭気、低着色性で、製造時間短縮、重合温度の低温化など、ラジカル重合性不飽和単量体の効率的なリビングラジカル重合ができるラジカル重合性オリゴマーおよびその製造方法を提供する。
本発明は、分子中に下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、pは1〜200の整数を表し、Xはニトリル基、フェニル基、または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは、炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは、水素原子、ジシクロペンテニル基、または、炭素原子数1〜18個のアルキル基であり、アルキル基は、フッ素原子で置換されていてもよい。qは、0、または、1〜20の整数を表す。)
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基、または、炭素原子数1〜4個のヒドロキシアルキル基を表し、または、塩基性化合物で中和されていてもよい下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
を表す。)表し、
Yは重合開始剤の遊離基を表し、Zはα−メチルスチレンダイマーの遊離基を表す。)
を含むラジカル重合性オリゴマーである。
本発明のラジカル重合性オリゴマーは、アクリル単量体などのラジカル重合性不飽和単量体のラジカル重合を効率よく開始する重合開始剤として、および/または、連鎖移動剤、特に、悪臭がなく、ポリマーの着色が実用上問題とならない可逆的付加開裂型連鎖移動剤(RAFT剤(Reversible Addition-Fragmentation Chain Transfer Agent))として有用である。
本発明のラジカル重合性オリゴマーは、低臭気、低着色性であり、アクリレート、メタクリレート、ビニル化合物などラジカル重合性不飽和単量体の分子構造によらずリビングラジカル重合を実現し、ブロック共重合体などの機能性ポリマー創製を可能とする。また、100℃以下の重合温度でも、重合開始剤、および/または、可逆的付加開裂型連鎖移動剤としての機能を失うことがなく、比較的短時間で安全に、安定してリビングラジカル重合で目的とするポリマーの製造ができる。
本発明のラジカル重合性オリゴマーを使用することで、分子量分布(=重量平均分子量(以下、Mwとも言う)/数平均分子量(以下、Mnとも言う))が比較的小さいアクリル共重合体を、工業化可能な製造時間および重合温度で、安全に、安定して製造できる。
本発明は、分子中に下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、pは1〜200の整数を表し、Xはニトリル基、フェニル基、または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは、炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは、水素原子、ジシクロペンテニル基、または、炭素原子数1〜18個のアルキル基であり、アルキル基は、フッ素原子で置換されていてもよい。qは、0、または、1〜20の整数を表す。)
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基、または、炭素原子数1〜4個のヒドロキシアルキル基を表し、または、塩基性化合物で中和されていてもよい下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
を表す。)を表し、
Yは重合開始剤の遊離基を表し、Zはα−メチルスチレンダイマーの遊離基を表す。)
を含むラジカル重合性オリゴマーである。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、pは1〜50の整数を表し、Xはニトリル基、フェニル基、または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは、炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは、水素原子、ジシクロペンテニル基、または、炭素原子数1〜18個のアルキル基であり、アルキル基は、フッ素原子で置換されていてもよい。qは、0、または、1〜20の整数を表す。)
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基、または、炭素原子数1〜4個のヒドロキシアルキル基を表し、または、塩基性化合物で中和されていてもよい下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
を表す。)
は、好ましくは、下記構造式で示される
Figure 2010143983
(ここで、Xはニトリル基、フェニル基、または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは、炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは、水素原子、ジシクロペンテニル基、または、炭素原子数1〜18個のアルキル基であり、アルキル基は、フッ素原子で置換されていてもよい。qは、0、または、1〜20の整数を表す。)
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基、または、炭素原子数1〜4個のヒドロキシアルキル基を表し、または、塩基性化合物で中和されていてもよい下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
を表す。)
ビニル単量体を含むアクリル単量体を使用して導入される。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、下記構造式で示される
Figure 2010143983
(ここで、Xはニトリル基、フェニル基、または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは、炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは、水素原子、ジシクロペンテニル基、または、炭素原子数1〜18個のアルキル基であり、アルキル基は、フッ素原子で置換されていてもよい。qは、0、または、1〜20の整数を表す。)
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基、または、炭素原子数1〜4個のヒドロキシアルキル基を表し、または、塩基性化合物で中和されていてもよい下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
を表す。)
ビニル単量体としては、好ましくは、アクリロニトリル、スチレン、ビニルベンジルグリシジルエーテル、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ターシャリーブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、トリフルオロエチルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−プロピルオキシエチル、アクリル酸2−イソプロピルオキシエチル、アクリル酸4−メトキシブチル、アクリル酸4−エトキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ジエチレングリコールアクリレート、トリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、トリプロピレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ジブタンジオールアクリレート、トリテトラメチレングリコールアクリレート、ポリテトラメチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、エトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、エトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、エトキシトリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、エトキシポリプロピレングリコールアクリレート、メトキシジテトラメチレングリコールアクリレート、エトキシジテトラメチレングリコールアクリレート、メトキシトリテトラメチレングリコールアクリレート、エトキシトリテトラメチレングリコールアクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、エトキシポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、ジシクロペンテニルオキシアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリルアミド ターシャリーブチル スルホン酸などが例示される。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、これらのビニル単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。
本発明のラジカル重合性オリゴマーは、これらのアクリル単量体以外にも、好ましくは、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、スチレン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリンなどのアクリルアミド誘導体、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、アクリル酸グリシジルなどのラジカル重合可能な不飽和単量体が使用できる。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、これらのラジカル重合可能な不飽和単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、pは1〜200であり、好ましくは1〜150、より好ましくは1〜50の整数であるのが望ましい。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、pが0の場合には、重合開始剤、連鎖移動剤としての機能が発揮されず、pが200を超える場合には、ポリマーとしての性能が強く発揮されるようになりブロック共重合体を製造することはできるが、重合開始剤としての開始剤効率が悪化し、連鎖移動剤としては高粘度となって使い勝手が悪くなる。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、Yは重合開始剤の遊離基を表す。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、Yは、好ましくは、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
であることが望ましい。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、重合開始剤から生成する遊離基Yは、これらのいずれでもよく、単独であっても、2種類以上が混在していてもよい。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、重合開始剤から生成する遊離基Yが下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の場合には、重合開始剤として、好ましくは、2,2´−アゾビスイソブチロニトリルなどが例示される。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、上市されている2,2´−アゾビスイソブチロニトリルは、例えば「V−69」(和光純薬工業(株)の油溶性重合開始剤)などが例示される。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、重合開始剤から生成する遊離基Yが下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の場合には、重合開始剤として、好ましくは、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などが例示される。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、上市されている2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)は、例えば「V−59」(和光純薬工業(株)の油溶性重合開始剤)などが例示される。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、重合開始剤から生成する遊離基Yが下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の場合には、重合開始剤として、好ましくは、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などが例示される。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、上市されている2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)は、例えば「V−65」(和光純薬工業(株)の油溶性重合開始剤)などが例示される。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、重合開始剤から生成する遊離基Yが下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の場合には、重合開始剤として、好ましくは、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などが例示される。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、上市されている2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)は、例えば「V−70」(和光純薬工業(株)の油溶性重合開始剤)などが例示される。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、重合開始剤から生成する遊離基Yが下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の場合には、重合開始剤として、好ましくは、ジメチル 2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが例示される。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、上市されているジメチル 2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)は、例えば「V−601」(和光純薬工業(株)の油溶性重合開始剤)などが例示される。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、重合開始剤から生成する遊離基Yが下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の場合には、重合開始剤として、好ましくは、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などが例示される。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、上市されている1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)は、例えば「V−40」(和光純薬工業(株)の油溶性重合開始剤)などが例示される。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、重合開始剤から生成する遊離基Yが下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の場合には、重合開始剤として、好ましくは、2,2´−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]などが例示される。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、上市されている2,2´−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]は、例えば「VF−096」(和光純薬工業(株)の油溶性重合開始剤)などが例示される。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、重合開始剤から生成する遊離基Yが下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の場合には、重合開始剤として、好ましくは、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]などが例示される。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、上市されている2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]は、例えば「VA−061」(和光純薬工業(株)の水溶性重合開始剤)などが例示される。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、重合開始剤から生成する遊離基Yが下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の場合には、重合開始剤として、好ましくは、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどが例示される。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、上市されているt−ブチルパーオキシベンゾエートは、例えば「パーブチルZ」(日本油脂(株)の重合開始剤)などが例示される。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、重合開始剤から生成する遊離基Yが下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の場合には、重合開始剤として、好ましくは、クメンハイドロパーオキサイドなどが例示される。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、上市されているクメンハイドロパーオキサイドは、例えば「パークミルH」(日本油脂(株)の重合開始剤)などが例示される。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、重合開始剤から生成する遊離基Yが下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の場合には、重合開始剤として、好ましくは、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが例示される。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、上市されているt−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートは、例えば「パーブチルD」、「パーブチルZ」、「パーブチルO」(日本油脂(株)の重合開始剤)などが例示される。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、重合開始剤から生成する遊離基Yが下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の場合には、重合開始剤として、好ましくは、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが例示される。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、上市されているt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートは、例えば「パーブチルO」(日本油脂(株)の重合開始剤)などが例示される。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、Yは、ラジカル重合性オリゴマーの製造効率、および、重合率の上昇速度、および、リビングラジカル重合性を考慮した重合開始剤および/または連鎖移動剤の機能の観点から、より好ましくは、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
を有する有機アゾ系重合開始剤が望ましい。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、これらの重合開始剤から生成する遊離基は、好ましくは、重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル 2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]などの有機アゾ系重合開始剤が例示される。これらの有機アゾ系重合開始剤は、例えば、和光純薬工業(株)から、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)は「V−59」、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)は「V−65」、ジメチル 2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)は「V−601」、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]は「VA−061」として上市されている。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、Zはα−メチルスチレンダイマーの遊離基である。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、Zは、好ましくは、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の2−フェニル−2−プロペニル基であるのが望ましい。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、Zが下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
の2−フェニル−2−プロペニル基であるとき、ラジカル重合性オリゴマーとしての機能がより効率よく発揮される傾向が見られ、次工程のリビングラジカル重合、ブロック共重合体の製造時に、重合開始剤、可逆的付加開裂型連鎖移動剤としての機能がより強く発揮され、重合反応がスムースに進行する傾向が見られる。
本発明のラジカル重合性オリゴマーは、好ましくは、重合開始剤、および/または、可逆的付加開裂型連鎖移動剤(RAFT剤)である。同時に、本発明のラジカル重合性オリゴマーは、好ましくは、アクリル単量体などのラジカル重合性不飽和単量体のリビングラジカル重合を効率よく開始し、進行する重合開始剤、および/または、可逆的付加開裂型連鎖移動剤(RAFT剤)である。
本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、好ましくは、α−メチルスチレンダイマー1.0モルに対し0.020〜1.000モルの重合開始剤を使用して、下記構造式の
Figure 2010143983
(ここで、Xはニトリル基、フェニル基、または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは、炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは、水素原子、ジシクロペンテニル基、または、炭素原子数1〜18個のアルキル基であり、アルキル基は、フッ素原子で置換されていてもよい。qは、0、または、1〜20の整数を表す。)
を表す。)
または、下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
(ここで、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基、または、炭素原子数1〜4個のヒドロキシアルキル基を表し、または、塩基性化合物で中和されていてもよい下記構造式で示される化学構造
Figure 2010143983
を表す。)を表す、ビニル単量体の1種以上を含むアクリル単量体を塊状重合してラジカル重合性オリゴマーを製造するのが望ましい。
本発明のラジカル重合性オリゴマーおよびその製造方法では、α−メチルスチレンダイマーは下記構造式で示される
Figure 2010143983
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンである。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、α−メチルスチレンダイマーは、日本油脂(株)、五井化成(株)、本州化学工業(株)、旭化成ファインケム(株)、三井化学(株)などで製造され、上市されているものを任意に選択し、使用することができる。
α−メチルスチレンダイマーとして上市されている製品には、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの他に、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンなどの不純物が含まれていることが多い。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、ガスクロマトグラフィーで測定される2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの濃度が好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは94%以上であることが望ましい。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの濃度が90%以上であれば、目的とするラジカル重合性オリゴマーを製造できる。本発明のラジカル重合性オリゴマーでは、もっとも好ましくは、ガスクロマトグラフィーで測定される2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの濃度が95%以上であるとき、製造されるラジカル重合性オリゴマーの機能がより確かなものとなり、次工程のリビングラジカル重合やブロック共重合体の製造がスムースに進行する傾向が見られる。
本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、重合開始剤は、好ましくは、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル 2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2´−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]などの有機アゾ系重合開始剤などが例示できる。本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、これらの重合開始剤は、単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。
本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、これらの重合開始剤のなかでは、好ましくは、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]などの10時間半減期温度が100℃以下で、融点が100℃以下の有機アゾ系重合開始剤が推奨される。本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、有機アゾ系重合開始剤が使用されるとき、ことさら、10時間半減期温度が100℃以下で、融点が100℃以下の有機アゾ系重合開始剤が使用されるとき、塊状重合でラジカル重合性オリゴマーを製造するときに温度制御が容易となり、安全に製造される傾向が見られる。
本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、α−メチルスチレンダイマー1.0モルに対し、重合開始剤を0.020〜1.000モル使用し、好ましくは、0.025〜0.800モル、さらに好ましくは、0.050〜0.500モル使用するのが望ましい。本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、重合開始剤の使用量が0.020モル未満の場合には、ラジカル重合性オリゴマー製造時に工業的にリーズナブルな製造時間で、実用的に満足できる重合率が得られない。本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、重合開始剤の使用量が1.000モルを超える場合には、ラジカル重合性オリゴマー製造時の除熱、攪拌が困難となり、ラジカル重合性オリゴマーを安全に、安定して製造することができない。
ここで、本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、ラジカル重合性オリゴマーの実用的に満足できる重合率は、好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上であるのが望ましい。本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、ラジカル重合性オリゴマーの重合率が65%以上であれば、次工程のリビングラジカル重合がスムースに進行する傾向が見られ、アクリレート、メタクリレート、ビニル単量体などの違いによらずラジカル重合反応がリビングラジカル重合で効率よく進む傾向が見られる。
ここで、本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、ラジカル重合性オリゴマーの重合率は、JIS K 5407:1997にしたがって加熱残分を測定し、これを重合率とした。なお、測定は140℃で1時間加熱乾燥した。
本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、ラジカル重合性オリゴマー製造時の重合温度制御をより安全に行うために、および、ラジカル重合性オリゴマーの数平均分子量を重合開始剤および/または連鎖移動剤として適切な範囲に納めるために、重合開始剤は、ラジカル重合性オリゴマーに使用するビニル単量体100重量部に対して、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは1.0〜40重量部、さらに好ましくは2.0〜30重量部使用するのが望ましい。本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、重合開始剤の使用量が0.5〜50重量部のとき、異常な重合反応や急激な発熱が起こりにくくなり、ラジカル重合性オリゴマー製造工程が安全に制御可能となる傾向が見られ、次工程のリビングラジカル重合をスムースに行うためにラジカル重合性オリゴマーの数平均分子量が適切に調節される傾向が見られる。
本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、ラジカル重合性オリゴマーは、好ましくは、塊状重合で製造される。本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、塊状重合とは、好ましくは、ビニル単量体、α−メチルスチレンダイマー、および、α−メチルスチレンダイマー1.0モルに対し0.020〜1.000モル使用される重合開始剤をラジカル重合性オリゴマー製造容器に仕込み、所定の重合温度に加熱し、攪拌、温度制御を行いながら、所定の重合率になるまでラジカル重合を行う製造方法である。
一般的な塊状重合の場合には、急激に発生する大きい重合熱と、重合の進行とともに急激に上昇する粘度のため、攪拌、除熱が困難となり、暴走反応や爆発に至ることがある。一般的な塊状重合は、重大災害に繋がる危険をはらんでおり、安全に、安定して生産することが最大の使命である工業生産では課題が多い。また、攪拌、除熱不足は、局部的加熱によるポリマーの焼け、高重合度化など品質の悪化を起こしやすく、望ましくない。
本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、α−メチルスチレンダイマー1.0モルに対し、重合開始剤を0.020〜1.000モル使用して塊状重合が行われるため、ラジカル重合性オリゴマー製造時の攪拌、除熱不足による暴走反応、局部加熱による品質の悪化などの懸念が払拭され、安全に、安定してラジカル重合性オリゴマーを製造できる。
本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、ラジカル重合性オリゴマーを製造する重合温度は、好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜100℃、さらに好ましくは70〜98℃であるのが望ましい。本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、ラジカル重合性オリゴマー製造時の重合温度が50〜100℃のとき、重合反応が定量的に進行し、攪拌、除熱が定量的に実施できる傾向が見られ、安全、安定して製造が可能である傾向が見られる。また、例えば、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルのような低沸点のアクリル単量体を共重合する場合であっても、製造中にモノマー蒸気が大量に発生することがなくより安全に製造が可能となる傾向が見られる。
本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、ラジカル重合性オリゴマーの製造は、所定重合温度まで、好ましくは60〜300分、より好ましくは90〜300分、さらに好ましくは90〜240分かけて昇温し、塊状重合を行うのが推奨される。本発明のラジカル重合性オリゴマーの製造方法では、ラジカル重合性オリゴマー製造時において、所定重合温度までの昇温時間が好ましくは60〜300分のとき、ラジカル重合反応が定量的に、より速く進み、攪拌、除熱がいっそう容易となり、より安全に製造作業が実施できる傾向が見られる。
本発明のラジカル重合性オリゴマーは、好ましくは、ラジカル重合性オリゴマーからなる重合開始剤として使用することができる。また、本発明のラジカル重合性オリゴマーは、好ましくは、ラジカル重合性オリゴマーからなる連鎖移動剤として使用することができる。本発明において、連鎖移動剤は、より好ましくは、可逆的付加開裂型連鎖移動剤である。
以下に実施例で本発明の詳細を説明する。なお、以下の実施例では、評価方法、測定方法等を次の通りとした。
1)重合率(%)
JIS K 5407:1997にしたがって加熱残分を測定、これを重合率とした。なお、測定は140℃で1時間加熱乾燥し、行った。
2)数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)「HLC−8220GPC」(東ソー(株)の試験装置)を使用し、キャリアーをテトラヒドロフラン、分子量スタンダードとしてポリスチレンを用い測定した。分子量分布はMw/Mnで算出した。
3)臭気
未反応モノマー臭、その他の異臭を直接評価した。100ミリリットル広口ガラスビンにラジカル重合性オリゴマーを80ミリリットル採取し、5cmの距離から臭気を嗅ぎ、嫌悪臭がなく、気にならないものを「少ない」(合格)とした。
実施例1
攪拌機、窒素ガス吹き込み口、還流冷却器、温度センサーを備えた300ミリリットル四つ口フラスコに窒素ガスを吹き込みフラスコ内を窒素ガス置換した。フラスコに、アクリル酸シクロヘキシル100g、α−メチルスチレンダイマー28.5g、2,2−アゾビス〔2,4−ジメチルバレロニトリル〕20gを仕込み、30℃から重合温度の90℃まで240分間で昇温した。この後、90℃で12時間重合反応を行いラジカル重合性オリゴマーRC−1を製造した。RC−1製造中は急激な発熱、温度上昇等なく、RC−1はトラブルなく製造できた。
RC−1は重合率92.3%、数平均分子量(Mn)1200、重量平均分子量(Mw)1920、分子量分布(Mw/Mn)1.60であった。また、RC−1は懸念される未反応モノマー臭や異臭も少なく、無色透明であった。
重合処方の詳細、製造条件、特性値等を表1に示した。なお、表中、(1)はビニル単量体、(2)はα−メチルスチレンダイマー(MSD)、(3)は重合開始剤、(4)は重合条件(重合温度、昇温時間、重合時間)、(5)は特性値を示した。
実施例2〜実施例16
ビニル単量体組成、製造方法等を表1(実施例2〜実施例8)、表2(実施例9〜実施例16)の通り変える以外は実施例1と同様にしてラジカル重合性オリゴマーRC−2〜RC−16を製造した。RC−2〜RC−16製造中は急激な発熱、温度上昇等なく、RC−2〜RC−16はトラブルなく製造できた。重合処方の詳細、製造条件、特性値等を表1、表2に示した。
GPC(東ソー製 「HLC−8220GPC」)、FD−MS(Field Desorption Mass Spectrometry;電界脱離質量分析法)(日本電子製 「JMS 700」)、HNMR(核磁気共鳴分析)(日本電子製 「JNM−ECA400」)を使用して、ラジカル重合性オリゴマーRC−9の構造解析を行った。
各分析装置の測定条件、結果は次の通りである。
1.GPCによる分析対象物の分取
分取カラム :東ソー製カラム:TSKgel G1000HXLおよびG2000HXL各1本を直列に接続
ガードカラム :東ソー製カラム:TSKguardcolumn HXL−L 1本
調整法 :RC−9 20mgにテトラヒドロフラン(THF)2mLを加えて溶解した。この溶液を100μLずつ20回に分けて分取した。分取画分からTHFをエバポレーターで除去し、分取物を得た。
分取前のクロマトグラムでは保持時間12.625分と15.934分に二つのピークが見られたが、分取後のクロマトグラムでは11.902分に一つのピークが見られた。以下の分析では、GPC分析で保持時間11.902分にピークを有する分取物を使用し行った。
2.FD−MSによる化合物の同定
装置名 :日本電子製「JMS 700」
イオン化法 :FD(+)
エミッター :カーボン
加速電圧 :8kV
スキャン範囲 :m/z 10〜2000 。
ラジカル重合性オリゴマーRC−9の構造、すなわち、アクリル酸シクロヘキシル/アクリル酸イソボルニル/ビニルベンジルグリシジルエーテル共重合体で、オリゴマー末端が重合開始剤2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の遊離切片と2−フェニル−2−プロペニル基である、をもとに観測が予測されるシグナルと、実際に観測されたシグナルとの比較をm/zが約1000以下の範囲で行った。その結果、多くのシグナルで一致が見られた。FD−MSクロマトグラムから、m/zが227に重合開始剤2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の遊離切片と2−フェニル−2−プロペニル基のシグナルが見られた。シグナル381、435、417、535、589、571、643、689、743、725、761、815、843、851、879、933、951、987でラジカル重合性オリゴマーRC−9の化学構造によるシグナルが観測された。
3.H NMRによるラジカル反応性オリゴマー末端構造の解析
装置名 :日本電子製「JNM−ECA400」
共鳴周波数 :H;400MHz
測定モード :H NMR
溶媒 :重水素化クロロホルム
基準物質 :テトラメチルシラン(TMS);0ppm(内部標準法)
試料調整法 :分取物約3mgに溶媒0.6mLを加えて溶解した。
5.0ppm、5.2ppm近傍のシグナルは2−フェニル−2−プロペニル基の不飽和基に結合している2個の水素原子を示しており、ラジカル重合性オリゴマーRC−9の末端は2−フェニル−2−プロペニル基であることが明らかとなった。
以上の分析、構造解析結果から、ラジカル重合性オリゴマーは、主鎖末端に重合開始剤2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の遊離切片と、2−フェニル−2−プロペニル基を有していることは明らかである。また、FD−MS分析の結果から、ラジカル重合性オリゴマーが分子中に、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ビニルベンジルグリシジルエーテルの化学構造単位を有していることが示された。
比較例1
攪拌機、窒素ガス吹き込み口、還流冷却器、温度センサーを備えた300ミリリットル四つ口フラスコに窒素ガスを吹き込みフラスコ内を窒素ガス置換した。フラスコに、アクリル酸シクロヘキシル100g、α−メチルスチレンダイマー18.1g、2,2−アゾビス〔2,4−ジメチルバレロニトリル〕20gを仕込み、30℃から重合温度の85℃まで180分間で昇温した。昇温途中(75℃くらい)で急激な発熱が始まり、温度制御不能となった。
RC−17はα−メチルスチレンダイマーと重合開始剤の使用量バランスがとれていないため暴走反応となって製造することができなかった。
重合処方の詳細、製造条件、特性値等を表3に示した。なお、表中、(1)はビニル単量体、(2)はα−メチルスチレンダイマー(MSD)、(3)は重合開始剤、(4)は重合条件(重合温度、昇温時間、重合時間)、(5)は特性値を示した。
比較例2
攪拌機、窒素ガス吹き込み口、還流冷却器、温度センサーを備えた300ミリリットル四つ口フラスコに窒素ガスを吹き込みフラスコ内を窒素ガス置換した。フラスコに、メタクリル酸2−エチルヘキシル100g、α−メチルスチレンダイマー19.0g、2,2−アゾビス〔2,4−ジメチルバレロニトリル〕2.0gを仕込み、30℃から重合温度の85℃まで180分間で昇温した。この後、85℃で12時間重合反応を行いラジカル重合性オリゴマーRC−18を製造した。RC−18製造中は急激な発熱、温度上昇等なく、RC−18はトラブルなく製造できた。
RC−18は重合率82.3%、数平均分子量(Mn)7200、重量平均分子量(Mw)16600、分子量分布(Mw/Mn)2.31であった。また、RC−18は懸念される未反応モノマー臭や異臭も少なく、無色透明であった。重合処方の詳細、製造条件、特性値等を表3に示した。
比較例3、比較例4
ビニル単量体組成、製造方法等を表3の通り変える以外は比較例2と同様にしてラジカル重合性オリゴマーRC−19、RC−20を製造した。RC−19、RC−20製造中は急激な発熱、温度上昇等なく、RC−19、RC−20はトラブルなく製造できた。重合処方の詳細、製造条件、特性値等を表3に示した。
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
表1、表2、表3に見られるとおり、RC−1〜RC−16は分子量分布が1.18〜1.60で比較的小さい分子量分布であるのに対し、RC−18〜RC−20は分子量分布が2.20〜2.33と分子量分布が大きくなった。
実施例17
実施例1で製造したラジカル重合性オリゴマーRC−1を使用し、アクリル単量体のラジカル重合を行ってラジカル重合性オリゴマーとしての機能を試験した。
攪拌機、窒素ガス吹き込み口、還流冷却器、温度センサーを備えた300ミリリットル四つ口フラスコに窒素ガスを吹き込みフラスコ内を窒素ガス置換した。フラスコに、重合開始剤および可逆的付加開裂型連鎖移動剤であるRC−1を10g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート70g、イソボルニルメタクリレート20gを仕込み、30℃から重合温度の80℃まで120分間で昇温した。この後、80℃で1.5時間重合反応を行いアクリル共重合体BP−1を製造した。BP−1製造中は急激な発熱、温度上昇等なく、BP−1はトラブルなく製造できた。ここで、本製造では、2,2´−アゾビスイソブチロニトリルなどのいわゆる重合開始剤は使用しなかった。
BP−1は、重合率50.8%、数平均分子量(Mn)48900、重量平均分子量(Mw)73839、分子量分布(Mw/Mn)1.51であった。
重合処方の詳細、製造条件、特性値等を表4に示した。なお、表中、(1)はラジカル重合性オリゴマー、(2)はアクリル単量体、(3)は重合条件(重合温度、昇温時間、重合時間)、(4)は特性値を示した。
BP−1製造中、一定時間毎にサンプリングを行い、製造中の重合挙動(重合率の上昇と数平均分子量の関係)を調査した。結果を図1に示した。図1に見られる通り、BP−1製造中は、重合率の上昇と数平均分子量の増大とは良好な直線性を有しており、BP−1製造における重合反応がリビングラジカル重合で進行していることを示している。このことから、BP−1はブロック共重合体になっている。本製造結果から、ラジカル重合性オリゴマーとして製造したRC−1は、工業的に可能な製造時間で重合率を必要十分に高めることができ、重合開始剤および可逆的付加開裂型連鎖移動剤としての機能をいかんなく発揮した。
実施例18〜実施例32
ラジカル重合性オリゴマー、アクリル単量体組成などを表4(実施例18〜実施例24)、表5(実施例25〜実施例32)の通り変える以外は、実施例17と同様にしてアクリル共重合体BP−2〜BP−16を製造した。BP−2〜BP−16製造中は急激な発熱、温度上昇等なく、BP−2〜BP−16はトラブルなく製造できた。重合処方の詳細、製造条件、特性値等を表4(実施例18〜実施例24)、表5(実施例25〜実施例32)に示した(例えば、実施例18は、実施例1で製造したラジカル重合性オリゴマーRC−1を使用したBP−2の製造方法と評価結果を示す)。ここで、実施例18〜実施例32では、2,2´−アゾビスイソブチロニトリルなどのいわゆる重合開始剤は使用しなかった。
BP−3、BP−9製造中、一定時間毎にサンプリングを行い、製造中の重合挙動(重合率の上昇と数平均分子量の関係)を調査した。結果を図1に示した。図1に見られる通り、BP−3、BP−9製造中は、重合率の上昇と数平均分子量の増大とは良好な直線性を有しており、BP−3、BP−9製造における重合反応がリビングラジカル重合で進行していることを示している。このことから、BP−3、BP−9はブロック共重合体になっている。本結果から、ラジカル重合性オリゴマーとして製造したRC−2、RC−9は、工業的に可能な製造時間で重合率を必要十分に高めることができ、重合開始剤および可逆的付加開裂型連鎖移動剤としての機能をいかんなく発揮した。
実施例33
実施例8で製造したラジカル重合性オリゴマーRC−8を使用し、アクリル単量体のラジカル重合を行ってラジカル重合性オリゴマーとしての機能、重合開始剤としての機能、可逆的付加開裂型連鎖移動剤としての機能、反応性乳化剤としての機能を試験した。
攪拌機、窒素ガス吹き込み口、還流冷却器、温度センサーを備えた300ミリリットル四つ口フラスコに窒素ガスを吹き込みフラスコ内を窒素ガス置換した。
フラスコに、あらかじめ窒素ガスを吹き込み脱酸素したイオン交換水(初期仕込み)122.2gを仕込み、60℃に昇温した。
ホモジナイザー用ビーカーにあらかじめ窒素ガスを吹き込み脱酸素したイオン交換水(乳化用)42.9g、ラジカル重合性オリゴマーRC−8を20g計量し、RC−8を分散(溶解)した。これに、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート60g、イソボルニルメタクリレート20gを入れ、ホモジナイザーを使用して5000回転、10分間の条件で乳化し、モノマーエマルジョン142.9gを製造した。
フラスコにモノマーエマルジョンの20%(28.6g)を添加し、重合温度の85℃まで60分間で昇温した。昇温後、85℃で1時間、乳化重合を行いシードエマルジョンを製造した。この後、モノマーエマルジョンの残部80%(114.3g)を2時間で滴下し、滴下終了後さらに3時間乳化重合を行い、アクリルエマルジョンBP−17を製造した。BP−17製造中は急激な発熱、温度上昇等なく、BP−17はトラブルなく製造できた。本実施例では、乳化重合に使用される過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどのいわゆる重合開始剤は使用しなかった。
BP−17は、重合率98.8%、数平均分子量(Mn)92500、重量平均分子量(Mw)135975、分子量分布(Mw/Mn)1.47であった。
重合処方の詳細、製造条件、特性値等を表6に示した。なお、表中、(1)はラジカル重合性オリゴマー、(2)はアクリル単量体、(3)はイオン交換水、(4)は重合条件(重合温度、昇温時間、重合時間)、(5)は特性値を示した。
実施例34〜実施例36
ラジカル重合性オリゴマー、アクリル単量体組成などを表6の通り変える以外は、実施例33と同様にしてアクリル共重合体BP−18〜BP−20を製造した。BP−18〜BP−20製造中は急激な発熱、温度上昇等なく、BP−18〜BP−20はトラブルなく製造できた。重合処方の詳細、製造条件、特性値等を表6に示した。ここで、本実施例では、乳化重合に使用される過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどのいわゆる重合開始剤は使用しなかった。
カルビキシル基、水酸基、スルホニウム基が導入されたラジカル重合性オリゴマーRC−8、RC−11、RC−12は、重合開始剤、可逆的付加開裂型連鎖移動剤としての機能ばかりでなく、反応性乳化剤としても必要十分な機能を有していた。
比較例5
ラジカル重合性オリゴマー、アクリル単量体組成などを表7の通り変える以外は、実施例17と同様にしてアクリル共重合体BP−21を製造した。BP−21製造中は急激な発熱、温度上昇等なく、BP−21はトラブルなく製造できた。重合処方の詳細、製造条件、特性値等を表7に示した。
BP−21製造中、一定時間毎にサンプリングを行い、製造中の重合挙動(重合率の上昇と数平均分子量の関係)を調査した。結果を図1に示した。図1に見られる通り、BP−21製造中は、重合率の上昇にともない数平均分子量が減少しており、BP−21製造における重合反応が連鎖移動剤および/または重合抑制剤存在下に実施される一般的なラジカル重合で進行していることを示している。言い換えれば、ラジカル重合性オリゴマーとして製造した分子中にビニル単量体を含まないRC−18は、重合抑制剤、連鎖移動剤として作用するのみで、可逆的付加開裂型連鎖移動剤としては機能しない。
比較例6〜比較例8
ラジカル重合性オリゴマー、アクリル単量体組成などを表7の通り変える以外は、実施例17と同様にしてアクリル共重合体BP−22〜BP−24を製造した。BP−22〜BP−24製造中は急激な発熱、温度上昇等なく、BP−22〜BP−24はトラブルなく製造できた。重合処方の詳細、製造条件、特性値等を表7に示した(例えば、比較例6は、比較例2で製造したラジカル重合性オリゴマーRC−18を使用したBP−22の製造方法と評価結果を示す)。
比較例6、比較例7、比較例8で明らかなとおり、BP−22の数平均分子(7300)はラジカル重合性オリゴマーRC−18の数平均分子量(7200)と変わらず、BP−23の数平均分子(8500)はラジカル重合性オリゴマーRC−19の数平均分子量(8100)と変わらず、BP−24の数平均分子(8200)はラジカル重合性オリゴマーRC−20の数平均分子量(7800)と変わらず、分子中にビニル単量体を含まないRC−18、RC−19、RC−20は、重合抑制剤、連鎖移動剤として作用するのみで、可逆的付加開裂型連鎖移動剤としては機能しない。
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
Figure 2010143983
RC−1、RC−2、RC−9、RC−18をラジカル重合性オリゴマーとして使用したときのアクリル単量体の重合挙動である。

Claims (6)

  1. 分子中に下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    (ここで、pは1〜200の整数を表し、Xはニトリル基、フェニル基、または、下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    または、下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    または、下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    (ここで、Rは下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    (ここで、Rは、炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは、水素原子、ジシクロペンテニル基、または、炭素原子数1〜18個のアルキル基であり、アルキル基は、フッ素原子で置換されていてもよい。qは、0、または、1〜20の整数を表す。)
    または、下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    (ここで、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基、または、炭素原子数1〜4個のヒドロキシアルキル基を表し、または、塩基性化合物で中和されていてもよい下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    を表わす。)を表し、
    Yは重合開始剤の遊離基を表し、Zはα−メチルスチレンダイマーの遊離基を表す。)
    を含むラジカル重合性オリゴマー。
  2. Yが有機アゾ系重合開始剤の遊離基であり、Zが下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    の2−フェニル−2−プロペニル基である請求項1に記載のラジカル重合性オリゴマー。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のラジカル重合性オリゴマーからなる重合開始剤。
  4. 請求項1または2のいずれかに記載のラジカル重合性オリゴマーからなる連鎖移動剤。
  5. 連鎖移動剤が、可逆的付加開裂型連鎖移動剤である請求項4に記載の連鎖移動剤。
  6. α−メチルスチレンダイマー1.0モルに対し0.020〜1.000モルの重合開始剤を使用して、下記構造式の
    Figure 2010143983
    (ここで、Xはニトリル基、フェニル基、または、下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    または、下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    または、下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    (ここで、Rは下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    (ここで、Rは、炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは、水素原子、ジシクロペンテニル基、または、炭素原子数1〜18個のアルキル基であり、アルキル基は、フッ素原子で置換されていてもよい。qは、0、または、1〜20の整数を表す。)
    を表す。)
    または、下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    (ここで、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表し、Rは水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基、または、炭素原子数1〜4個のヒドロキシアルキル基を表し、または、塩基性化合物で中和されていてもよい下記構造式で示される化学構造
    Figure 2010143983
    を表す。)を表す、
    ビニル単量体の1種以上を含むアクリル単量体を塊状重合する請求項1または2のいずれかに記載のラジカル重合性オリゴマーの製造方法。
JP2008320427A 2008-12-17 2008-12-17 重合開始剤 Expired - Fee Related JP5510699B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008320427A JP5510699B2 (ja) 2008-12-17 2008-12-17 重合開始剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008320427A JP5510699B2 (ja) 2008-12-17 2008-12-17 重合開始剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010143983A true JP2010143983A (ja) 2010-07-01
JP5510699B2 JP5510699B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=42564734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008320427A Expired - Fee Related JP5510699B2 (ja) 2008-12-17 2008-12-17 重合開始剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5510699B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000169531A (ja) * 1998-12-03 2000-06-20 Kansai Paint Co Ltd ブロック共重合体の製造方法
JP2002356503A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Toagosei Co Ltd ビニル重合体の製造方法
JP2008511745A (ja) * 2004-11-08 2008-04-17 エルジー・ケム・リミテッド (メタ)アクリルシロップの製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000169531A (ja) * 1998-12-03 2000-06-20 Kansai Paint Co Ltd ブロック共重合体の製造方法
JP2002356503A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Toagosei Co Ltd ビニル重合体の製造方法
JP2008511745A (ja) * 2004-11-08 2008-04-17 エルジー・ケム・リミテッド (メタ)アクリルシロップの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5510699B2 (ja) 2014-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sahnoun et al. Synthetic and characterization aspects of dimethylaminoethyl methacrylate reversible addition fragmentation chain transfer (RAFT) polymerization
US7635740B2 (en) Method for radical emulsion polymerisation using hydrosoluble alkoxyamines
Boyer et al. Copper (0)-mediated radical polymerisation in a self-generating biphasic system
Moineau et al. Synthesis of fully acrylic thermoplastic elastomers by atom transfer radical polymerization (ATRP), 2. Effect of the catalyst on the molecular control and the rheological properties of the triblock copolymers
Anastasaki et al. Polymerization of long chain [meth] acrylates by Cu (0)-mediated and catalytic chain transfer polymerisation (CCTP): high fidelity end group incorporation and modification
Li et al. Cationic surface-active monomers as reactive surfactants for AGET emulsion ATRP of n-butyl methacrylate
Simula et al. Novel alkoxyamines for the successful controlled polymerization of styrene and methacrylates
US7935769B2 (en) Method for preparing a living polymer comprising methacrylic and/or methacrylate units
Guerre et al. One-pot synthesis of poly (vinylidene fluoride) methacrylate macromonomers via thia-Michael addition
Eslami et al. Emulsion atom transfer radical polymerization of 2-ethylhexyl methacrylate
Girard et al. RAFT/MADIX (co) polymerization of vinyl trifluoroacetate: a means to many ends
Ballard et al. Synthesis of poly (methyl methacrylate) and block copolymers by semi-batch nitroxide mediated polymerization
Jo et al. New AB or ABA type block copolymers: atom transfer radical polymerization (ATRP) of methyl methacrylate using iodine-terminated PVDFs as (macro) initiators
Maric Application of nitroxide mediated polymerization in different monomer systems
Cassebras et al. Synthesis of di‐and triblock copolymers of styrene and butyl acrylate by controlled atom transfer radical polymerization
Savelyeva et al. Vinyl phenylboronic acid controlling co‐monomer for nitroxide mediated synthesis of thermoresponsive poly (2‐N morpholinoethyl methacrylate)
Wang et al. The effect of initiators and reaction conditions on the polymer syntheses by atom transfer radical polymerization
JP2010006966A (ja) アクリル共重合体の製造方法
Heuts et al. Preparation and characterization of oligomeric terpolymers of styrene, methyl methacrylate and 2‐hydroxyethyl methacrylate: A comparison of conventional and catalytic chain transfer
US9410005B2 (en) Polymer, preparation method thereof, composition and film comprising the same
JP2021070809A (ja) N−ビニルラクタム系共重合体の製造方法
WO2016181873A1 (ja) アルケニルエーテル-ビニルエステル共重合体
JP5510699B2 (ja) 重合開始剤
Chiu et al. Synthesis of macromonomers via catalytic chain transfer (CCT) polymerization and their characterization via NMR spectroscopy and electrospray ionization mass spectrometry (ESI‐MS)
JP5692896B2 (ja) 顔料分散樹脂の製造方法、顔料分散樹脂、顔料分散体及び塗料

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100303

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100303

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130702

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20130726

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20130726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5510699

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees