JP2010143979A - 重合体、導電層および電子デバイス - Google Patents

重合体、導電層および電子デバイス Download PDF

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裕士 曽根田
Hiroyuki Yanai
宏幸 矢内
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Abstract

【課題】キャリア輸送能の優れた重合体、かかる重合体溶液を塗布して形成された、水分による劣化の少ない導電層および電子デバイスを提供する。
【解決手段】下記一般式[1]で表されるモノマーをプロトン酸で処理し、酸化重合により製造されてなるか、または下記一般式[1]で表されるモノマーを酸化重合し、プロトン酸で処理することで製造されてなる重合体の製造方法。一般式[1]
Figure 2010143979

【選択図】図1

Description

本発明は、重合体、導電層および電子デバイスに関する。
有機材料を使用したエレクトロルミネッセンス素子(以下、単に「有機EL素子」という。)は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子(発光素子) としての用途が有望視され、多くの開発が行われている。一般に、有機EL素子は、陰極と陽極との間に発光層を有する構成であり、陰極と陽極との間に電界を印加すると、発光層に陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入される。
この際に、有機EL材料(発光層材料)の分子構造や分子の集合状態が特定の状態である場合に、前記注入された電子と正孔とが即座に結合せず、特別の励起状態として一定の時間保持される。そのため、通常の状態である基底状態と比較して分子の総エネルギーは、励起エネルギー分だけ増加する。この特別な励起状態を保持している電子と正孔との対を励起子(エキシトン)と呼ぶ。そして、前記保持された一定の時間経過後に励起子が崩壊して電子と正孔とが結合すると、増加していた励起エネルギー分が外部に熱や光として放出される。
この光放出は、発光層付近においてなされ、前記励起エネルギー分の内の光放出する割合は、有機EL材料の分子構造や分子の集合状態によって大きく影響される。さらに、このような有機EL素子において、高い発光を得るためには、電子または正孔のキャリア輸送性の異なる有機材料で構成される有機層を、発光層と、陰極および/または陽極との間に積層する素子構造が有効であることも判っている。
従来の有機電界発光素子は、無機EL素子に比べて駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低かった。また、特性劣化も著しく実用化には至っていなかった。近年、10V以下の低電圧で発光する高い蛍光量子効率を持った有機化合物を含有した薄膜を積層した有機電界発光素子が報告され、関心を集めている。この方法は、金属キレート錯体を発光層、アミン系化合物を正孔注入層に使用して、高輝度の緑色発光を得ており、6〜7Vの直流電圧で輝度は数1000cd/m2に達している。
有機電界発光素子は、Tangらの報告以来(非特許文献1)、低電圧駆動や高効率化を目指して様々な提案がされてきている。無機材料の発光ダイオードと同様に、界面や閉じ込め層でのキャリアの効果的な再結合を狙った正孔輸送層/ 発光・電子輸送層や、正孔輸送層/ 発光層/ 電子輸送層などの積層構造は良く知られており、他にも様々な工夫が報告されている。(非特許文献2〜4)また、陽極・陰極からのキャリア注入障壁の低減は、低電圧駆動のために非常に重要であり、電極と有機層界面へのバッファ層(キャリア注入層)の挿入が広く行われている。一般に陽極に用いられるITOと正孔輸送層とのバッファ層(正孔注入層)としては、銅フタロシアニン(非特許文献5)が良く知られている。
正孔輸送層の製膜方法として、電解重合法がある。この方法は、モノマー、電解質および水素受容体をプロピレンカーボネートのような溶媒に溶かし、作用電極としてITOのガラス電極、対極に白金、参照極にSCEを使用して、2.0V程度の電位で重合を行い、ITO電極上に導電性高分子膜を作製する方法である。モノマーにN,N'-ジフェニルベンジジン、電解質にテトラーn―ブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、水素受容体に2,6−ルチジンを用いた重合膜を用いた電界発光素子を報告している。(特許文献1)この重合膜の特徴としては、m,m'-ジメチルテトラフェニルベンジジン(TPD)を蒸着した膜と比べて、電界発光素子の耐熱性が向上している。
このように、正孔注入層を用いる方法として、銅フタロシアニンのような有機化合物の蒸着法、導電性高分子の電解重合法がある。しかしながら、有機化合物の蒸着操作を伴う有機電界発光素子作成は、生産性に問題がある。さらに、電解重合法においては、製膜できる画面の大きさに限度がある。そこで、製造工程の簡略化、大面積化の観点から、塗布方式の素子作成が望ましい。
生産性に有利な塗布方式の有機電界発光素子作成で使用される有機電界発光素子の正孔注入材料としては、PEDOT・PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシ)−2,5−チオフェン・ポリスチレンスルホン酸)が一般的に知られている。この導電性ポリマーは水溶性であり、塗布により良質な膜を形成することができるが、PEDOT・PSSは水を吸着する性質をもつことから、大気中の水分によって素子が劣化する恐れがある。さらに、イオン性の不純物が入りやすく、イオンによる信頼性(寿命)低下の懸念があり、代替材料の開発が必要となっている。そこで、正孔注入材料としては、大気中の水分による劣化が少なく、イオン性の不純物が入りにくい、つまり、疎水性の塗布材料が強く望まれている。
特開2002-151256号公報 アプライド・フィジクス・レターズ、51巻、913ページ、1987年 宮田清蔵監修: 有機EL素子とその工業化最前線、エヌ・ティー・エス(1998 ) 城戸淳二、遠藤潤、沖田荘志、森浩一、横井啓、松本敏男、第4 9 回応用物理学会関連連合講演会、27p-YL−3、P.1308(2002) K.Kato、K.Suzuku、K.Shinbo、F.Kaneko、N.Tsuboi、S.Kobayashi、T.Tadokoro and S.Ohato,Jpn.J.Appl.Phys.,42(2003)p.2526-2529 S.A.Vanslyke、C.H.Chen and C.W.Tang、Appl.Phys.Lett.,69(15)(1996)p2160-2162
本発明の目的は、キャリア輸送能の優れた重合体、かかる重合体溶液を塗布して形成された、経時安定性に優れた導電層および電子デバイスを提供することにある。
すなわち、下記一般式[1]で表されるモノマーをプロトン酸で処理し、酸化重合により製造されてなるか、または下記一般式[1]で表されるモノマーを酸化重合し、プロトン酸で処理することで製造されてなる重合体の製造方法に関する。
一般式[1]
Figure 2010143979
(式中、R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、ハロゲン基、ニトロ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、または、シアノ基を表す。ここで、R1〜R5のうち少なくとも一つは水素原子であり、かつR6〜R10のうち少なくとも一つは水素原子である。)
1〜R18が、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、ハロゲン基、ニトロ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、シアノ基、カルボキシル基、または、置換基を有してもよいアミノ基である上記記載の重合体の製造方法に関する。
また、本発明は、一般式[1]中、R1〜R18が、水素原子である上記記載の重合体の製造方法に関する。
また、本発明は、上記記載の製造方法で製造された重合体に関する。
また、本発明は、上記のいずれか記載の重合体を用いて形成されてなる導電層に関する。
また、本発明は、塗布法により形成されてなる上記記載の導電層に関する。
また、本発明は、上記記載の導電層を有する積層体からなる電子デバイスに関する。
また、本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子である上記記載の電子デバイスに関する。
前記手段を用いることにより、キャリア輸送能の優れた重合体、かかる重合体溶液を塗布して形成された、経時安定性に優れた導電層および電子デバイスを提供することができる。
本発明における一般式[1]で表されるモノマーについて説明する。
一般式[1]
Figure 2010143979
(式中、R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、ハロゲン基、ニトロ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、または、シアノ基を表す。ここで、R1〜R5のうち少なくとも一つは水素原子であり、かつR6〜R10のうち少なくとも一つは水素原子である。)
ここで、置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等の鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。さらに、環状のアルキル基(シクロアルキル環)として、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基がある。
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜14のアリール基である。フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、およびp−トリル基、キシリル基、o−、m−、およびp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基である。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシキ、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、エトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ基、アミノカルボニルメチルオキシ基、N,N−ジブチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−エチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−オクチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチル−N−ベンジルアミノカルボニルメチルオキシ基、ベンジルオキシ基、シアノメチルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールオキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜14のアリールオキシ基である。例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、2−クロロフェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、2−ブトキシフェニルオキシ基、3−クロロフェニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、3−シアノフェニルオキシ基、3−ニトロフェニルオキシ基、4−フルオロフェニルオキシ基、4−シアノフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアシルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基が好ましく、例えば、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルファニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルファニル基が好ましく、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、シクロヘキシルスルファニル基、オクチルスルファニル基、2−エチルヘキシルスルファニル基、デカノイルスルファニル基、ドデカノイルスルファニル基、オクタデカノイルスルファニル基、シアノメチルスルファニル基、メトキシメチルスルファニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルファニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルファニル基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜14のアリールスルファニル基である。例えば、フェニルスルファニル基、1−ナフチルスルファニル基、2−ナフチルスルファニル基、2−クロロフェニルスルファニル基、2−メチルフェニルスルファニル基、2−メトキシフェニルスルファニル基、2−ブトキシフェニルスルファニル基、3−クロロフェニルスルファニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルファニル基、3−シアノフェニルスルファニル基、3−ニトロフェニルスルファニル基、4−フルオロフェニルスルファニル基、4−シアノフェニルスルファニル基、4−メトキシフェニルスルファニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルファニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルファニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルファニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基である。例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メトキシメチルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜14のアリールスルフィニル基である。例えば、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6のアルキルスルホニル基である。例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜14のアリールスルホニル基である。例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいカルバモイル基としては、総炭素数1〜20のカルバモイル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6のカルバモイル基である。例えば、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−アセチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2−メチルフェニルカルバモイル基、N−2−クロロフェニルカルバモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルカルバモイル基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルカルバモイル基、N−3−クロロフェニルカルバモイル基、N−3−ニトロフェニルカルバモイル基、N−3−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メトキシフェニルカルバモイル基、N−4−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモイル基、N、N−ジブチルカルバモイル基、N、N−ジフェニルカルバモイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいスルファモイル基としては、総炭素数0〜20のスルファモイル基が好ましく、例えば、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N、N−ジアルキルスルファモイル基、N、N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモオイル基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−オクタデシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアミノ基としては、総炭素数0〜40のアミノ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜14のアミノ基である。例えば、−NH2,N−アルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N−アシルアミノ基、N−スルホニルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、N、N−ジスルホニルアミノ基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N−オクチルアミノ基、N−2−エチルヘキシルアミノ基、N−デシルアミノ基、N−オクタデシルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−2−メチルフェニルアミノ基、N−2−クロロフェニルアミノ基、N−2−メトキシフェニルアミノ基、N−2−イソプロポキシフェニルアミノ基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルアミノ基、N−3−クロロフェニルアミノ基、N−3−ニトロフェニルアミノ基、N−3−シアノフェニルアミノ基、N−3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メトキシフェニルアミノ基、N−4−シアノフェニルアミノ基、N−4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メチルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−フェニルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−ジメチルアミノフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N、N−ジメチルアミノ基、N、N−ジエチルアミノ基、N、N−ジブチルアミノ基、N、N−ジフェニルアミノ基、N、N−ジアセチルアミノ基、N、N−ジベンゾイルアミノ基、N、N−(ジブチルカルボニル)アミノ基、N、N−(ジメチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジエチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジブチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジフェニルスルホニル)アミノ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいホスフィノイル基としては、総炭素数2〜50のホスフィノイル基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいヘテロアリール基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族あるいは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、ピロリル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナジニル基、ベンゾフリル基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ピラニル基等が挙げられる。
ハロゲン基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
さらに、前述した置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいホスフィノイル基および置換基を有してもよいヘテロアリール基の水素原子はさらに他の置換基で置換されていても良い。
そのような置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
一般式[1]において、R1〜R18として、好ましくは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基、ハロゲン基、ニトロ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、水素原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、または、アリール基であり、最も好ましくは水素原子である。
以下、表1に本発明で好ましく使用されるモノマーの代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
表1
Figure 2010143979
Figure 2010143979
Figure 2010143979
ここで、本発明における重合体の合成方法について説明する。
まず、プロトン酸による処理について説明する。プロトン酸による処理とは、プロトン酸をドーピング剤としてドープすることによって重合体に導電性をもたせるものである。これにより、推測ではあるが、下記に示すユニットように、重合体のアミン部分がプロトン化され、導電性が発現するものである。
Figure 2010143979


プロトン酸で処理する工程としては、先にモノマーをプロトン酸処理し、重合を行う方法と、モノマーを重合してからプロトン酸処理を行う方法のどちらもとりうるが、工程の短縮を考えて、先にモノマーをプロトン酸処理し、重合を行う方法が好ましい。
本発明において用いるプロトン酸は、例えば、有機カルボン酸又はフェノール類である。このようなプロトン酸としては、脂肪族、芳香族、芳香脂肪族、脂環式等の一又は多塩基酸を含む。このようなプロトン酸は、水酸基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等を有していてもよい。従って、かかるプロトン酸の具体例として、例えば、酢酸、n−酪酸、ペンタデカフルオロオクタン酸、ペンタフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、モノブロモ酢酸、モノクロロ酢酸、シアノ酢酸、アセチル酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸、ギ酸、シュウ酸、安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、2,4−ジニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ピクリン酸、o−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、トリメチル安息香酸、p−シアノ安息香酸、m−シアノ安息香酸、チモールブルー、サリチル酸、5−アミノサリチル酸、o−メトキシ安息香酸、1,6−ジニトロ−4−クロロフェノール、2,6−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、p−オキシ安息香酸、ブロモフェノールブルー、マンデル酸、フタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、α−アラニン、β−アラニン、グリシン、グリコール酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン−N,N'−二酢酸、エチレンジアミン−N,N,N',N'−四酢酸等を挙げることができる。
また、プロトン酸は、スルホン酸又は硫酸基を有するものであつてもよい。このようなプロトン酸としては、例えば、アミノナフトールスルホン酸、メタニル酸、スルファニル酸、アリルスルホン酸、ラウリル硫酸、キシレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スチレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、ジエチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、ジブチルベンゼンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、エチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、ヘプチルナフタレンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸、デシルナフタレンスルホン酸、ウンデシルナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、ペンタデシルナフタレンスルホン酸、オクタデシルナフタレンスルホン酸、ジメチルナフタレンスルホン酸、ジエチルナフタレンスルホン酸、ジプロピルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、ジペンチルナフタレンスルホン酸、ジヘキシルナフタレンスルホン酸、ジヘプチルナフタレンスルホン酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、トリメチルナフタレンスルホン酸、トリエチルナフタレンスルホン酸、トリプロピルナフタレンスルホン酸、トリブチルナフタレンスルホン酸、カンフアースルホン酸、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸等を挙げることができる。
また、本発明においては、分子内に2つ以上のスルホン酸基を有する多官能有機スルホン酸も用いることができる。このような多官能有機スルホン酸としては、例えば、エタンジスルホン酸、プロパンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、ヘキサンジスルホン酸、ヘプタンジスルホン酸、オクタンジスルホン酸、ノナンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、エチルベンゼンジスルホン酸、プロピルベンゼンジスルホン酸、ブチルベンゼンジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、ジプロピルベンゼンジスルホン酸、ジブチルベンゼンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、プロピルナフタレンジスルホン酸、ブチルナフタレンジスルホン酸、ペンチルナフタレンジスルホン酸、ヘキシルナフタレンジスルホン酸、ヘプチルナフタレンジスルホン酸、オクチルナフタレンジスルホン酸、ノニルナフタレンジスルホン酸、ジメチルナフタレンジスルホン酸、ジエチルナフタレンジスルホン酸、ジプロピルナフタレンジスルホン酸、ジブチルナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ナフタレンテトラスルホン酸、アントラセンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、フェナントレンジスルホン酸、フルオレノンジスルホン酸、カルバゾールジスルホン酸、ジフエニルメタンジスルホン酸、ビフエニルジスルホン酸、ターフェニルジスルホン酸、ターフェニルトリスルホン酸、ナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合物、フェナントレンスルホン酸−ホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸−ホルマリン縮合物、フルオレンスルホン酸−ホルマリン縮合物、カルバゾールスルホン酸−ホルマリン縮合物等を挙げることができる。芳香環におけるスルホン酸基の位置は任意である。
更に、本発明において、プロトン酸はポリマー酸であってもよい。このようなポリマー酸としては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアリルスルホン酸、ポリメタリルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリハロゲン化アクリル酸、ポリイソプレンスルホン酸、N−スルホアルキル化ポリアニリン、核スルホン化ポリアニリン等を挙げることができる。ナフイオン(米国デュポン社登録商標)として知られている含フッ素重合体も、ポリマー酸として好適に用いられる。
その中でも、プロトン酸ドーピング剤としては、アニオン系界面活性剤を用いることが好ましい。アニオン系界面活性剤としては、例えば、スルホン酸系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、又は硫酸エステル系界面活性剤を挙げることができる。
プロトン酸ドーピング剤の中でも、アニオン系界面活性剤を用いることにより、塩酸又は硫酸などの無機酸と比べて、イオン半径が大きく嵩高いために熱などによる拡散による脱ドープが起こりにくい。また疎水性部分があるために、ドープされた重合体同士が凝集することなく有機溶剤に良分散することができる。
スルホン酸系界面活性剤は、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、又はスルホコハク酸ジアルキルエステル(例えば、スルホコハク酸ジ2−エチルヘキシルナトリウム)である。カルボン酸系界面活性剤は、例えば、脂肪族モノカルボン酸塩(例えば、ラウリン酸ナトリウム)又はN−アシロイルグルタミン酸塩(例えば、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム)である。リン酸エステル系界面活性剤は、例えば、リン酸アルキル塩(例えば、モノラウリルレン酸ナトリウム)である。また、硫酸エステル系界面活性剤は、例えば、硫酸アルキル塩(例えば、硫酸ドデシルナトリウム)である。これらのアニオン系界面活性剤を1種単独で、あるいは2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
モノマーとプロトン酸ドーピング剤との重量比は、好ましくは1:20〜20:1、より好ましくは1:10〜10:1である。プロトン酸ドーピング剤の量がモノマーの量に対して少なくなりすぎると、重合体が良好な分散状態を得ることができずに凝集してしまい、逆に量が多すぎるとラジカル反応性化合物の相と水層との界面が分かれにくくなり、水層を除去する操作が煩雑となってしまう。
次にモノマーの重合方法について説明する。
重合方法としては、電解重合法、化学酸化重合法により実施することができる。工程の簡略化を考えて、重合方法は、化学酸化重合法で行うことが好ましい。
モノマーの化学酸化重合法としては、従来公知の重合開始用酸化剤を用いることができる。具体的には、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過塩素酸カリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、又は塩化鉄(II)などを挙げることができ、特に過硫酸アンモニウムに代表される過硫酸類が好ましい。また、モノマーと酸化剤の重量比は、1:10〜10:1が好ましく、より好ましくは1:5〜5:1である。酸化剤の量がモノマーに対して少なすぎると、重合反応が十分に進行せず、また量が多すぎると重合反応時に副生成物が多量に生成してしまう。
モノマーの重合時の反応温度は−20℃〜80℃が好ましく、より好ましくは−10℃〜60℃である。また、反応時間は30分〜48時間の範囲であり、常圧下で、反応混合物を撹拌させて行うことができる。また、本発明における製造方法において、平均分子量を調整するために、連鎖移動剤を添加して行うこともできる。
また、本発明の重合体は、2種類以上のモノマーを共重合したものでもよい。
次に有機EL素子について説明する。有機EL素子は、陽極と陰極間に一層または多層の有機層を形成した素子から構成されるが、ここで、一層型有機EL素子とは、陽極と陰極との間に発光層のみからなる素子を指す。一方、多層型有機EL素子とは、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層などを積層させたものを指す。したがって、多層型有機EL素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層した素子構成が考えられる。
ここで、正孔注入層には、発光層に対して優れた正孔注入効果を示し、かつ陽極界面との密着性と薄膜形成性に優れた正孔注入層を形成できる正孔注入材料が用いられる。また、このような材料を多層積層させ、正孔注入効果の高い材料と正孔輸送効果の高い材料とを多層積層させた場合、それぞれに用いる材料を正孔注入材料、正孔輸送材料と呼ぶことがある。本発明の一般式[1]の重合体は、正孔に対して高い輸送性能をもつ化合物であり、正孔注入材料、正孔輸送材料の何れにも好適に使用することができる。さらに本発明の重合体には公知の正孔注入材料あるいは正孔輸送材料を混合しても良く、また、本発明の重合体からなる層と、公知の正孔注入材料あるいは正孔輸送材料からなる層を積層しても良い。ここで、公知の正孔注入材料あるいは正孔輸送材料の例としては、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾールチオン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、テトラヒドロイミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、アシルヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、芳香族三級アミン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリシラン誘導体等が挙げられる。
上記材料の中でも特に好適に使用することのできる正孔注入材料あるいは正孔輸送材料としては、芳香族三級アミン誘導体およびフタロシアニン誘導体があげられる。芳香族三級アミン誘導体としては、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−フェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−(メチルフェニル)−N,N’−(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N−ビス(4−ジ−4−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサン、およびこれら芳香族三級アミン骨格を有するオリゴマーまたはポリマーがあげられ、これらは正孔注入材料、正孔輸送材料の何れにも使用される。
発光層に用いられる発光材料としては、公知の発光材料を挙げることができる。
公知の発光材料としては、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ジアミン、ピラジン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレン、ジケトピロロピロール等およびそれらの誘導体があるが、これらに限定されるものではない。
さらに、有機エレクトロルミネッセンス素子のうち、リン光発光材料を含むことを特徴とする有機リン光発光素子は、励起三重項状態のエネルギーを発光に利用できるよう材料の選択と層構成の工夫が施されている。なお、本発明において、「有機リン光発光素子」とは、発光材料またはドーピング材料が励起三重項状態から直接的に光を放出する場合だけでなく、両極から注入された電荷の再結合によって生じた励起三重項状態を素子中で有効に発光に利用するような機構、過程を有するように設計された構成の素子全般を含む。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子に使用できるリン光発光材料またはドーピング材料としては、例えば有機金属錯体がある。金属原子は通常、遷移金属であり、好ましくは周期では第5周期または第6周期、族では6族から11族、さらに好ましくは8族から10族の元素が対象となる。具体的にはイリジウムや白金などである。また、配位子としては2−フェニルピリジンや2−(2'―ベンゾチエニル)ピリジンなどがあり、これらの配位子上の炭素原子が金属と直接結合しているのが特徴である。別の例としてはポルフィリンまたはテトラアザポルフィリン環錯体などがあり、中心金属としては白金などがあげられる。
電子注入層には、発光層に対して優れた電子注入効果を示し、かつ陰極界面との密着性と薄膜形成性に優れた電子注入層を形成できる電子注入材料が用いられる。そのような電子注入材料の例としては、金属錯体化合物、含窒素五員環誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、シロール誘導体、カルシウムアセチルアセトナート、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。また、セシウム等の金属をバソフェナントロリンにドープした無機/有機複合材料(高分子学会予稿集,第50巻,4号,660頁,2001年発行に記載)や第50回応用物理学関連連合講演会講演予稿集、No.3、1402頁、2003年発行記載のBCP、TPP 、T5MPyTZ等も電子注入材料の例としてあげられるが、素子作成に必要な薄膜を形成し、陰極からの電子を注入できて、電子を輸送できる材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。
上記電子注入材料の中でも特に効果的な電子注入材料としては、金属錯体化合物または含窒素五員環誘導体があげられる。本発明に使用可能な電子注入材料の内、好ましい金属錯体化合物としては、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(4−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(5−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)( フェノラート)アルミニウム、ビス(5−シアノ−8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)クロロアルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(o−クレゾラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、トリス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2、4−ジメチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2、5−ジメチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)ガリウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物の他、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛等の金属錯体化合物があげられる。
また、本発明に使用可能な電子注入材料の内、好ましい含窒素五員環誘導体としては、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体があげられ、具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5 −フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4’−tert− ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等があげられる。
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(4−フェニルフェノラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物があげられる。
さらに、本発明の有機EL素子の陽極に使用される材料は、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等の金属およびそれらの合金、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)等の導電性金属酸化物、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性ポリマー等があげられる。特に本発明の有機EL素子の陽極に使用される導電性材料としては、できるだけ抵抗値の低いものが好ましく、ITOガラス、NESAガラスが好適に使用される。
また、本発明の有機EL素子の陰極に使用される材料は、電子を効率よく有機EL素子に注入できる材料であれば特に限定されないが、一般に、白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびこれらの合金があげられる。ここで、合金としては、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム、リチウム/アルミニウム等が代表例としてあげられるが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの低仕事関数金属を含む合金が好ましい。また、フッ化リチウムのような無機塩を上記低仕事関数金属の替わりに使用することも可能である。また、これら陰極の作成方法としては、抵抗加熱、電子線ビーム照射、スパッタリング、イオンプレーティング、コーティングなどの業界公知の方法で作成することができる。以上述べた陽極および陰極は、必要に応じて二層以上の層構成により形成されていても良い。
本発明の有機EL素子からの発光を効率よく取り出すためには、発光を取り出す面の基板の材質が充分透明であることが望ましく、具体的には素子からの発光の発光波長領域における透過率が50%以上、好ましくは90%以上であることが望ましい。これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラスの他、ポリエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン等の透明性ポリマーが推奨される。
また、本発明の有機EL素子の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ビーム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれかの方法を適用することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
また、有機EL素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしても良い。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
以上述べたように、本発明の重合体を正孔注入層あるいは正孔輸送層に用いた有機EL素子は、低い駆動電圧で長時間の発光を得ることが可能である。故に、本有機EL素子は、壁掛けテレビ等のフラット・パネル・ディスプレーや各種の平面発光体として、さらには、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレーや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が考えられる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
先ず、本発明の重合体の合成に関する実施例を示す。以下の実施例においては、赤外線吸収スペクトル(IR)は、パーキンエルマー社製SpectrumOneVer.Aフーリエ変換赤外線分光分析装置を用いて測定した。また、NMRスペクトルは、日本電子社製GSX270FT−NMR分析装置を用いて測定した。さらに、GPC分析は、東ソー社製GPC−8020(カラム:TSKgelGMHHR−M)を用いて測定した。
実施例1
モノマー(1)の重合体(P1)の合成
機械式攪拌機、滴下ロートを備える1Lのガラスフラスコに、トルエン200mLを入れ、ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム(東京化成工業社製)3.52gとモノマー(1)(N,N’−ジフェニルベンジジン、東京化成工業社製)6.53gを溶解させた。この溶液を撹拌しながら、1N塩酸200mLを加え、氷水浴にてフラスコを冷却した。ここに、過硫酸アンモニウム5.36g を1N塩酸200mLに溶解した溶液を、上記滴下ロートより滴下してモノマーの重合を開始させた。フラスコを氷水浴で冷却しながら重合反応させ、24時間後に撹拌を停止した。反応溶液を分液ロートに移し、二層に分離した反応溶液から水相を廃棄し、トルエン有機相をイオン交換水で2回洗浄した。目的物を含むトルエン溶液から揮発分(有機溶剤)を減圧留去して、プロトネーションされた固形状の重合体(P1)を得た。得られた重合体(P1)の赤外吸収スペクトル測定、1H-NMRスペクトル測定を行った結果、ジイソオクチルスルホコハク酸がドープされていることが確認できた。これらのスペクトルを図1、図2に示す。さらに、重合体(P1)からドーピング剤が脱離した脱ドープ体のGPC分析を行った。脱ドープ体は、重合体(P1)をトルエンに溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液と接触混合させ、ヘキサンで沈澱、ろ別することにより得た。重合体(P1)の脱ドープ体のPS換算重量平均分子量は819(g/mol)であることが分かった。
実施例2〜16
実施例1モノマー(1)を表1のモノマー(2)〜(16)に変えた以外は、実施例1と同じ方法で重合した。得られた重合体(P2)〜(P16)は赤外吸収スペクトル測定、1H-NMRスペクトル測定を行い、さらに重合体(P2)〜(P16)の脱ドープ体のGPC分析を行った。表2に本発明で合成した重合体の脱ドープ体のPS換算重量平均分子量を示す。
表2
Figure 2010143979

次に、本発明の化合物を含んで成る有機EL素子作製の実施例を示す。また、電極面積2mm×2mmの有機EL素子の特性を測定した。
実施例17
洗浄したITO電極付きガラス板上に、実施例1で合成した重合体(P1)をトルエンに溶解させ、スピンコーティング法により膜厚60nmの正孔注入層を作製した後、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を真空蒸着して膜厚20nmの正孔輸送層を作製した。次に、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体(Alq3)を蒸着し膜厚60nmの電子注入型発光層を作成し、その上に、LiFを膜厚1nmの電子注入層を作成し、その後Alで膜厚100nmの電極を形成して有機EL素子を得た。各層は10-6Torrの真空中で、基板温度室温の条件下で蒸着した。この素子の発光特性は、電流密度10(mA/cm2)の電圧は4.8(V)、最大発光効率5.3(lm/W)を示した。発光素子の1時間後の発光状態の画像を図3に示すが経時での劣化はほとんどみられていない。
実施例18〜22
重合体(P1)を表3に記載の重合体に変えた以外は、実施例3と同じ方法で有機EL素子を作製した。それぞれの電流密度10(mA/cm2)での電圧(V)と最大発光効率(lm/W)の結果を表3に示す。
表3
Figure 2010143979

比較例1
発光層として、表1の化合物の代わりにPEDOT・PSS(H.C.Starck社製バイトロンP)を塗布した膜厚60nmの薄膜を設ける以外は、実施例17と同様の方法で有機EL素子を作製した。この素子の発光特性は、電流密度10(mA/cm2)の電圧は4.8(V)、最大発光効率4.9(lm/W)を示した。発光素子の1時間後の発光状態の画像を図4に示すが、ダークスポットが多数発生していることがわかる。このダークスポットは経時で更に大きくなり、もはや発光素子といえるものではなくなっていった。これは親水性であるPSSが、吸湿したことによる素子の劣化であると考えられる。
このように、正孔注入層に本発明の重合体を用いることで、発光効率が高く、経時劣化の少ない有機EL素子が得られた。
図1は重合体(P1)の赤外線吸収スペクトル図である。
図2は重合体(P1)の1H−NMRスペクトル図である。
図3は重合体(P1)を正孔注入層に用いた発光素子の画像である。
図4はPEDOT・PSSを正孔注入層に用いた発光素子の画像である。

Claims (8)

  1. 下記一般式[1]で表されるモノマーをプロトン酸で処理し、酸化重合により製造されてなるか、または下記一般式[1]で表されるモノマーを酸化重合し、プロトン酸で処理することで製造されてなる重合体の製造方法。
    一般式[1]
    Figure 2010143979


    (式中、R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、ハロゲン基、ニトロ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、または、シアノ基を表す。ここで、R1〜R5のうち少なくとも一つは水素原子であり、かつR6〜R10のうち少なくとも一つは水素原子である。)
  2. 1〜R18が、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、ハロゲン基、ニトロ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、シアノ基、カルボキシル基、または、置換基を有してもよいアミノ基である請求項1記載の重合体の製造方法。
  3. 1〜R18が、水素原子である請求項1または2記載の重合体の製造方法。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の製造方法で製造された重合体。
  5. 請求項4記載の重合体からなる導電層。
  6. 塗布法により形成されてなる請求項5記載の導電層。
  7. 請求項5または6記載の導電層を有する積層体からなる電子デバイス。
  8. 有機エレクトロルミネッセンス素子である請求項7記載の電子デバイス。
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