JP2010143062A - 記録装置 - Google Patents

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克也 岩田
Yoji Ara
洋治 荒
Nobumori Shimizu
信盛 清水
Shigeru Watanabe
繁 渡辺
Osamu Utsui
修 宇津井
Toshimitsu Danzuka
俊光 弾塚
Hirotake Kato
大岳 加藤
Yoshiharu Yamashita
芳晴 山下
Junya Kawase
順也 川瀬
Manabu Sueoka
学 末岡
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Abstract

【課題】フロート部材が正常に動作せずに空気排出流路から液体が排出されている状態を検出する。
【解決手段】液室1cの鉛直上方に連通され液室1cから気泡を排出するための気泡排出流路1jと、気泡排出流路1jの内部のインクの液面と共に移動可能に配置されたフロート部材1eと、気泡排出流路1jの内部のインクと共に浮上したフロート部材1eと当接することによって気泡排出流路1jを遮断するためのフロートシール部材1hと、気泡排出流路1jから空気を排出するために吸引する吸引ポンプ7cと、吸引ポンプ7cが吸引動作を継続している作動時間を計測するタイマー部と、吸引ポンプ7cが吸引動作を行っているときの作動負荷を計測するコントローラと、作動時間と作動負荷とに基づいて吸引ポンプ7cの駆動を制御するコントローラと、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、被記録材にインク等の液体を吐出して記録を行う記録装置に関し、特にインクを記録ヘッドへ供給するための供給構造における気体排出装置に関する。
従来、インクジェット記録装置は、ランニングコストが安く、装置の小型化も可能であり、さらに、複数色のインクを用いてカラー画像記録に対応することも容易であることから、コンピュータ関係の出力機器等に幅広く利用され、商品化されている。
一方、記録ヘッドの吐出口からインクを吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子としては、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたもの、レーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用でインク滴を吐出させるものなどがある。さらに、エネルギー発生素子としては、発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によって液体を加熱させるものもある。
その中でも熱エネルギーを利用してインク滴を吐出させる方式のインクジェット記録方式のヘッドは、吐出口を高密度に配列することができるので、高解像度の記録が可能である。電気熱変換素子をエネルギー発生素子として用いた記録ヘッドは、小型化も容易であり、かつ半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十分に活用できる。加えて、このような記録ヘッドは、高密度実装化が容易で製造コストも安価であるので有利である。
また最近では、更なる高精細の記録を行うために、インクを吐出するためのノズルを、フォトリソグラフィ技術を用いて高精度に作製する方法等も利用されている。
このような記録ヘッドにインクを初期充填するためには、記録装置本体内に設けられた回復ユニットが有するキャップで記録ヘッドのノズル面を覆って密閉状態にする。その後、キャップからの流路の下流側で連通されている吸引ポンプによって、記録ヘッドのインク流路内を負圧にして、インクをノズルからキャップ内へ排出すると同時にインク内に含まれている気泡も一緒にノズルから排出することで気泡処理を行う。
ただし、このような吸引回復方式を用いた気泡除去では、記録ヘッド内部の気泡を除去することが可能であるが、回復動作時に廃インクが発生してしまう。
このような吸引回復方式の課題を解決する技術として、記録ヘッド内のインク室内部に、インクよりも比重が小さいフロート部材が配置される構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この構成では、インク室の上部から大気へ通じる排気チューブを介して減圧ポンプを用いてインク室内を減圧する。そして、インク室内部の気泡を大気へ放出し、これと同時にインク室内へインクが供給されることで、インク室内の液面が上昇してフロート部材が排気チューブの開口を自動的に閉じる。この構成によれば、インク室内の気泡を除去する動作を、廃インクを発生させずに行うことが可能にされている。
特開平11−48501号公報(第6頁、図1)
しかしながら、図8(a)、(b)、(c)に示すように、フロート部材を用いて気泡を除去する構成では、フロート部材の動作が機能しない状態が発生するおそれがある。
インク流路は、記録ヘッドの液室101cと、液室101cの上部に位置する気泡排出流路とを有している。気泡排出流路101jの途中には、フロート部材101eと、このフロート部材101eが収容されたフロート室101nとが構成されている。液室101cの上部から延びる、フロート部材101eの上部に位置する気泡排出流路101j内にまで、液体状のインクが存在している状態である。
図8(a)は、フロート部材101eが気泡排出流路101jのフロート室101nの内壁面に強く固着してしまった状態であり、フロート部材101eが動くことができない。この状態は、液室101c内に供給されたインクによってフロート部材101eの固着状態が解消されることも困難な状態である。
図8(b)は、フロート部材101eが破壊された状態で、フロート部材101eによってインク流路を遮断することができない。図8(c)は、フロート部材101eに増粘インクなどが付着して固化し、フロート部材101eの形状が球形になっていない状態で、フロート部材101eがインク流路を良好に遮断することができない。これらのいずれの状態でも、フロート部材101eがインクを遮断できないので、気泡排出流路から大気に気泡を排出するときに、一緒にインクを排出してしまう問題がある。
このため、液室内のフロート部材101eが正常に機能せずに、気泡排出流路101jからインクが排出されている状態を検出し、記録装置本体などの制御系に通知することが求められている。
そこで、本発明は、簡素化な構成で、フロート部材が正常に動作せずに空気排出流路から液体が排出されている状態を検出することができる記録装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明に係る記録装置は、液体を吐出して被記録材に記録を行う吐出口と、吐出口に液体を供給するための液体室と、液体室に液体を供給するための液体供給流路と、液体室の鉛直上方に連通され液体室から空気を排出するための空気排出流路と、空気排出流路の内部に、内部の液体の液面と共に移動可能に配置され液体よりも比重が小さいフロート部材と、空気排出流路に設けられ空気排出流路の内部の液体と共に浮上したフロート部材と当接することによって空気排出流路を遮断するためのシール部材と、空気排出流路から空気を排出するために吸引する空気吸引手段と、空気吸引手段が吸引動作を継続している作動時間を計測する時間計測手段と、空気吸引手段が吸引動作を行っているときの作動負荷を計測する負荷計測手段と、時間計測手段によって計測された作動時間と、負荷計測手段によって計測された作動負荷とに基づいて、空気吸引手段の駆動を制御する制御手段と、を備える。
本発明によれば、空気排出流路から液体が排出されている状態を検出するためのセンサを追加することなく、フロート部材が正常に動作せずに空気排出流路から液体が排出されている状態を検出することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態のインクジェット記録装置におけるインク供給の基本原理を説明するための図である。図2は、実施形態のインクジェット記録装置の構成を概略的に示す斜視図である。図3は、図2のインクジェット記録装置における1色分のインク供給流路を説明するための概略図である。さらに、図6は、図1、図2などに示した本実施形態のインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。
まず、本実施形態のインクジェット記録装置50における記録ヘッド1へのインク供給動作の基本原理について図1を参照して説明する。
図1に示すように、インクジェット記録装置50は、記録ヘッド1とメインタンク4が、液体供給流路としてのインク供給チューブ6を介して連通されており、メインタンク4から記録ヘッド1の各吐出ノズル(吐出口)1gまでの流路内がインクで満たされている。記録ヘッド1の吐出ノズル1gは、メインタンク4内に収容されたインクの液面よりも高さHだけ高い位置に配置され、記録ヘッド1内の圧力が高さHの水頭差分の負圧に保たれた状態となっている。本実施形態では、メインタンク4と記録ヘッド1の吐出ノズル面との高低差によって、記録ヘッド1内のインクに負圧を発生させている構造を採っている。なお、記録ヘッド1内には、一定量のインクが蓄えられている。
記録ヘッド1の吐出ノズル1gは、微細な穴として設けられている。上述の通り記録ヘッド1内が負圧となっていることにより、吐出ノズル1gの内部も負圧とされており、その結果、吐出ノズル1g内のインクはノズル先端側でメニスカスを張った状態となっている。これにより、吐出ノズル1gからインクが漏れたり、大気から吐出ノズル1g内への空気が進入したりすることが防止される。吐出ノズル1g内部に配置されたヒータ(不図示)が発生する膜沸騰エネルギーによって、吐出ノズル1g内のインクを押し出すことで、インクが吐出される。インクの吐出後、吐出ノズル1gの毛管力によって吐出ノズル1g内に再びインクを満たすサイクルが繰り返され、インクは、インク供給チューブ6を通してメインタンク4から記録ヘッド1へと再び吸い上げられる。
図6に、本実施形態における制御回路部を示す。図6に示すように、制御手段としての制御回路部が備えるコントローラ600は、MPU601、後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データが格納されたROM602を有している。また、コントローラ600は、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、回復ユニットの吸引ポンプモータM3の制御、回復ユニットの三方弁ソレノイドSD1の制御などを行う特殊用途集積回路(ASIC)603を有している。また、このASIC603は、弁駆動ユニットの弁駆動モータM4の制御を行うと共に、記録ヘッド1を制御するための制御信号を生成する。また、コントローラ600は、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等が設けられたRAM604、MPU601、ASIC603、RAM604を相互に接続してデータの授受を行うシステムバス605を有している。また、コントローラ600は、後述するセンサ群630からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給するA/D変換器606を有している。
また、図6に示すように、制御回路部は、ホスト装置610と電気的に接続されている。ホスト装置610は、画像データの供給源となるコンピュータ、又は、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなどである。ホスト装置610と記録装置との間はインタフェース(I/F)611を介して接続されており、このインタフェース(I/F)611によって画像データ、コマンド、ステータス信号等が送受信される。
さらに、制御回路部が備えるスイッチ群620は、使用者による入力操作を受け付けるための各種スイッチから構成されており、電源スイッチ621と、記録動作開始を指令するためのプリントスイッチ622とを有している。また、スイッチ群620は、記録ヘッド1のインク吐出性能を良好な状態に維持するための回復処理の起動を指示するための回復スイッチ621を有している。
記録装置の状態を検出するためのセンサ群630は、キヤリッジのホームポジションhを検出するフォトカプラなどのキャリッジ位置センサ631を有している。また、センサ群630は、記録ヘッド1内の大気開放弁1iの高さ位置を制御することで大気開放弁の開放、遮断制御を行う弁駆動ユニットに設けられた例えばカム機構のホームポジション位置を検出するフォトカプラなどの弁駆動位置センサ632を有している。また、センサ群630は、泡抜き吸引動作タイミング、時間などをコントローラ600内のMPU601に知らせるためのタイマー部633を有している。
さらに、コントローラ600は、キャリッジ2を往復走査させるキャリッジモータM1を駆動するキャリッジモータドライバ640と、被記録材としての記録シートSを搬送するための搬送モータM2を駆動する搬送モータドライバ642に電気的に接続されている。また、コントローラ600は、吸引ポンプを作動させるための吸引ポンプモータM3を駆動させる吸引ポンプモータドライバ643と、弁駆動モータM4を駆動させるための弁駆動モータドライバ644に電気的に接続されている。
以上のように構成された記録装置本体は、インタフェース611を介して転送された記録データのコマンドを解析し、記録に用いる画像データをRAM602に展開する。画像データの展開領域(展開バッファ)は、2次元の矩形領域であり、その領域の横サイズをキャリッジ2の移動方向(主走査方向)の記録可能領域分の画素数Hpに対応させた領域として構成する。また、その領域の縦サイズを記録ヘッドの1回の記録走査で記録される記録シートSの搬送方向(副走査方向)の画素数である16×16cの4分の1(すなわち64c画素)に対応させた領域として構成する。そして、これをRAM602に確保する。
また、記録動作時に記録ヘッド1に記録データを転送するために参照されるRAM602上の記憶領域(プリントバッファ)も2次元の矩形領域であり、その領域の横サイズを主走査方向の記録可能領域分の画素数Vpに対応させた領域として構成する。また、その領域の縦サイズを記録ヘッドの1回の記録走査で記録される副走査方向の画素数である16×16cに対応させた領域として構成する。これをRAM602の記憶領域上に確保する。
ASIC603は、記録ヘッド1による記録動作の際に、RAM602の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッド1に対して記録素子(吐出ヒータ)の駆動データ(DATA)を転送する。
図2に示すように、インクジェット記録装置50は、記録ヘッド1の主走査方向における往復移動(主走査)と、記録用シートSの所定ピッチごとの副走査方向への搬送(副走査)とを繰り返す、シリアル型の記録装置である。インクジェット記録装置50は、これら主走査及び副走査の動きと同期させながら記録ヘッド1の複数の吐出ノズル1gから選択的にインクを吐出させて記録用シートSに付着させることで、文字や記号、画像等を形成する。
記録ヘッド1は、2本のガイドレールに摺動自在に支持され、不図示のモータ等の駆動手段によりガイドレールに沿って往復移動されるキャリッジ2に着脱可能に搭載されている。記録用シートSは、搬送ローラ3によって、記録ヘッド1のインク吐出面に対向し、かつ、インク吐出面との距離を一定に維持するように、キャリッジ2の移動方向と交差する方向(例えば、直行する方向である矢印A方向)に搬送される。また、記録ヘッド1のノズル列は、記録ヘッド1の主走査方向とほぼ直交した方向に延びている。インクジェット記録装置50は、記録ヘッド1から吐出される各色のインクにそれぞれ対応して、複数の独立したメインタンク4が、インク供給ユニット5に着脱可能に装着されるように構成されている。インク供給ユニット5と記録ヘッド1は、それぞれのインクの色に対応した複数のインク供給チューブ6によって接続されている。そして、インクジェット記録装置50は、メインタンク4がインク供給ユニット5に装着されることで、メインタンク4内に収納された各色のインクを、記録ヘッド1の各ノズル列に独立して供給することが可能に構成されている。
回復ユニット7は、記録ヘッド1の往復移動範囲内であって、かつ、記録用シートSの通過範囲外の領域である非記録領域に、記録ヘッド1のインク吐出面と対向するように、かつ、インク供給ユニット5と隣接するように配置されている。インクジェット記録装置の回復ユニット7は、減圧側で使用する吸引ポンプ7cが内蔵され、吸引キャップ7aを介して記録ヘッド1の各吐出ノズル1gからその吐出ノズル1g内のインク又は空気を強制的に吸い出し、吐出ノズル1gのクリーニングを行う。これと同時に、回復ユニット7は、三方弁7bが切り替えられることによって、記録ヘッド1の液体室としてのサブタンク部1aと液室1cの内部にそれぞれ設けられた、フロート部材1e,1fが配置された気泡排出流路(空気排出流路)1jとも連通される。そして、回復ユニット7は、サブタンク部1a内と液室1cの内部の気泡をそれぞれ除去する。
図3に示すように、インクジェット記録装置は、インクを吐出するための記録ヘッド1と、記録ヘッド1にインクを供給するためのインク供給ユニット5と、記録ヘッド1に対して回復動作を行う回復ユニット7とに大別される。以下、記録ヘッド1、インク供給ユニット5、及び回復ユニット7の各構成について順に説明する。
記録ヘッド1の上部には、インクを一定量保持するためのインク室として構成されたサブタンク部(液体室)1aが設けられている。サブタンク部1aの下部には、並列に配列された複数の吐出ノズル1gにインクを直接供給する液室(液体室)1cが形成されている。また、サブタンク部1aの側面には、インク供給チューブ6が接続されるコネクタ挿入口が設けられている。サブタンク部1aと液室1cとの境界には、開口部が形成されており、その開口部には流入フィルタ1bが配置されている。このようにしてサブタンク部1aは、流入フィルタ1b、及び液室1cを介して各吐出ノズル1gと繋がっており、各吐出ノズル1gへインクを供給する流路構成となっている。そして、サブタンク部1aの鉛直上方と、液室1cの鉛直上方には、気泡排出流路(空気排出流路)1jがそれぞれ設けられている。これら2本の気泡排気流路1jは、気泡排出流路1jの下流側で合流され、更に下流側においては、各インクタンクの各色分の気泡排気流路が1本に統合されている。また、気泡排気流路は、記録ヘッド1が主走査方向に往復移動可能となるように排気専用の可撓性チューブによって回復ユニット7内の吸引ポンプ7cに接続されている。液室1cの上部と気泡排出流路1jとの接続部には、流出フィルタ1dが配置されている。
液室1cに設けられた流出フィルタ1dの上方と、サブタンク部1aの上方とにそれぞれ連通された各気泡排出流路1jの内部には、インクの液面の上昇と共に鉛直上方に浮上するフロート部材1e、1fが、移動可能に設けられている。これらフロート部材1e、1fは、液体であるインクよりも比重が小さい部材によって形成されている。
また、各気泡排出流路1jの内部には、気泡排出流路1jの内部のインクと共に浮上したフロート部材1e,1fと当接することによって、気泡排出流路1jを遮断するためのシール部材としてのフロートシール部材1hが設けられている。このフロートシール部材1hは、各フロート部材1e,1fによってそれぞれ開閉される開口を有している。したがって、各気泡排出流路1jは、フロート部材1e,1fがインクの液面と共に移動可能に内部に配置されるフロートハウジング(フロート室)を含んでいる。このフロート室内に、フロートシール部材1hの2つの開口がそれぞれ位置している。
インクよりも比重が小さいフロート部材として、主成分が水であるインクの場合には例えば比重が0.93であるポリプロピレン(PP)を用いるのが好ましい。なお、フロート部材としては、インク媒体主成分である水よりも比重が小さい材料であれば他の材料が用いられてもよい。また、フロート部材の形状としては、フロートシール部材との接触性が良好な形状である必要がある。例えば図3に示すような円形穴のフロートシール部材に対応するフロート部材形状としては、球形状、シート形状などが好ましいが、それ以外の接触性がよい形状であってもよい。また、フロートシール部材の材料としては、例えば非弾性材質であるPP材質からなるフロート部材を使用する場合には、弾性を有するエラストマー樹脂材やゴム材料などが用いられるのが望ましい。このような材料が用いられることで、フロートシール部材とフロート部材との接触領域を広げることで接触性能を向上することができる。なお、フロートシール部材の材料としては、他の材料が用いられてもよい。
各色の気泡排出流路1jの途中には、気泡排出流路1jが大気と連通可能になるように大気開放弁(大気開放手段)1iが配置されており、大気開放弁1iは記録装置本体側に配置された弁駆動部8によって開閉される。
吐出ノズル1gは、断面径が20μm程度の微細な筒状の構造を有し、吐出ノズル1g内のインクに吐出エネルギーを与えることでインクを吐出ノズル1gから吐出させ、インクの吐出後、吐出ノズル1gの毛管力によって吐出ノズル1g内にインクが満たされる。通常、高速な画像形成を目的として、この吐出動作は20kHz以上のサイクルで繰り返される。吐出ノズル1g内のインクに吐出エネルギーを与えるために、記録ヘッド1は、吐出ノズル1gごとにエネルギー発生手段を有している。本実施形態では、エネルギー発生手段として、吐出ノズル1g内のインクを加熱する発熱抵抗素子を用いており、記録ヘッド1を駆動制御するためのコントローラ600からの指令(駆動信号)によって発熱抵抗素子を選択的に駆動する。発熱抵抗素子を駆動させることで、所望の吐出ノズル1g内のインクを膜沸騰させ、これにより生じる気泡の圧力を利用して吐出ノズル1gからインクを吐出させる。
なお、上述したように、インクはメニスカスを形成した状態で吐出ノズル1g内を満たしており、これを実現するために、記録ヘッド1の内部、特に吐出ノズル1g内は負圧の状態に保たれている。ここで、この負圧が小さすぎた場合には、吐出ノズル1gの先端に異物やインクが付着したときに、インクのメニスカスが崩れてインクが吐出ノズル1gから漏れ出てしまうことがある。一方、負圧が大きすぎた場合には、吐出時にインクに与えられるエネルギーよりも吐出ノズル1g内にインクを引き戻す力が強くなってしまうので、吐出不良の原因となる。
したがって、吐出ノズル1g内における負圧は、大気圧よりも若干低い一定の範囲に保たれていることが好ましい。この負圧の範囲は、吐出ノズル1gの個数、断面積、発熱抵抗素子の性能等に応じて異なるが、例えば、−40mmAq(−0.0040atm=−4.053kPa)〜−200mmAq(−0.0200atm=−2.0265kPa)程度であることが好ましい。ただし、インクの比重≒水の比重とする。
流入フィルタ1bは、吐出ノズル1gを詰まらせるような異物がサブタンク部1aから液室1cへ流出するのを防止するためのものであって、吐出ノズル1gの断面幅よりも小さい10μm以下の微細孔を有する金属メッシュで構成されている。微細孔のサイズが小さいほどメニスカスの強度は強くなり、また、空気を更に通し難くなる。
流出フィルタ1dも流入フィルタ1bと同様に、吐出ノズル1gを詰まらせるような異物が流出フィルタ1d上部の気泡排出流路1jから流入するのを防止するためのものであり、フィルタ材質、メッシュサイズ等が流入フィルタ1bと同様なものが好ましい。
次に、インク供給ユニット5、及びインク供給ユニット5に接続されているメインタンク4について説明する。
メインタンク4は、インク供給ユニット5に対して着脱可能に構成されており、剛性を有するインクケース4aを備えている。インクケース4a内部には、液体のインクを収容するためのインク袋4bが内蔵されている。インク袋4bの一部にはインク流出口4cが設けられている。また、インクケース4a内部のインク袋4b周辺は大気に開放された状態である。
また、インク供給ユニット5に挿入されて装着されたメインタンク4は、インク供給ユニット5側に配置されたインク供給針(不図示)がメインタンク4側のインク流入口4cを突き刺し、インク袋4b内部のインクと連通されるように構成されている。上述したようにメインタンク4がインク供給ユニット5に装着されたとき、メインタンク4内のインクが、インク供給針、インク供給針の下流側に接続されたインク供給チューブ6を介して記録ヘッド1のサブタンク部1aにインクが供給される流路が構成される。インク供給チューブ6は、記録ヘッド1が記録動作時等に行う主走査方向への往復移動が可能なように、少なくとも一部分が可撓性チューブによって構成されている。
以上のようなメインタンク4から記録ヘッド1までのインク供給流路が各色分設けられている(例えば、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタなどの4色のインクを用いる記録装置の場合に、4色分が設けられている)。
次に、回復ユニット7について説明する。回復ユニット7は、吐出ノズル1gからインクと気泡を吸引する回復動作機能と、フロート部材1e,1fを介して記録ヘッド1内の各サブタンク部1a及び液室1cの内部の気泡を排出する泡抜き動作機能を有している。また、回復ユニット7は、記録ヘッド1の吐出面をキャッピングする吸引キャップ7aを有している。
吸引キャップ7aには、吸引チューブ7eが接続されており、この吸引チューブ7eの中間位置に吸引ポンプ7cが配置されている。吸引ポンプ7cは、吸引ポンプモータM3(図6参照)によって駆動され、吸引キャップ7a、吸引チューブ7e、吸引ポンプ7c及び吸引ポンプモータM3が、所定時に記録ヘッド1内のインクを吐出ノズル1gから吸引するための吸引手段として設けられている。
吸引キャップ7aは、少なくともインク吐出面と接触する部分がゴム等の弾性部材で構成されており、また、インク吐出面を覆って密閉するキャップ位置と、記録ヘッド1から離間して退避した退避位置との間を往復移動可能に設けられている。吸引ポンプ7cは、複数のコロを備えたチューブ方式のポンプであり、吸引ポンプモータM3を駆動することでインクを連続的に吸引することが可能となっている。また、吸引ポンプモータM3は、回転数に応じて吸引量を調整可能に構成されている。
また、吸引ポンプ7cと吸引キャップ7aとの間の吸引チューブ7eは、各色の記録ヘッド1のフロート部材1e,1fが配置された気泡排出流路1jが統合された集合排出流路に合流されている。吸引ポンプ7cは、三方弁7bを切り替えることによって、吸引キャップ7a側(吸引チューブ7e)の流路と、フロート部材1e,1f側(集合排出流路)の流路とに連通状態が切り替えられる。このような吸引ポンプ7cを用いることによって、泡抜き動作と同時に吸引されて記録ヘッド1から排出された廃インクは、メインタンク4内部の廃インク収容部4dへ回収される。
以上のような構成のインクジェット記録装置において、例えば所定枚数の記録紙への記録動作を行った場合、画像信号に応じて各吐出ノズル1gのヒーターを作動させてインク吐出を行うことで画像形成を行うので、吐出ノズル1g部の温度が上昇する。この温度の上昇に伴って、液室1c内部に気泡が蓄積してしまう。図6に示すように、コントローラ600内部のMPU601によって、記録ヘッド1がインクを吐出した吐出回数が常時数えられる。吐出回数が所定回数になったときに、ROM602内に記憶されている泡抜き吸引動作プログラムが引き出されて、MPU601が泡抜き吸引動作制御信号を出力することで、以下のような泡抜き吸引動作が実行される。
また他の発生原因としては、記録装置本体による記録を長期間作動させていない場合、主に吐出ノズル1gなどを通じて液室1c内部に酸素、窒素等の気体が長期的に液室1cのインク内部に侵入することでも気泡が蓄積してしまうことが考えられる。この場合には、図5(a)に示した状態になってしまう。本実施形態では、記録装置本体が備えるタイマー部633によって検出されている記録動作終了したときからの経過時間が所定時間以上を超えたことをMPU601が検出する。経過時間が所定時間以上を超えた場合、ROM602内部に記憶されている泡抜き吸引動作プログラムを引き出し、MPU601によって泡抜き吸引動作を制御することで、以下に述べる泡抜き泡抜き吸引動作が実行される。
なお、インク吐出数、記録動作終了したときの時間、などのデータは、記録装置本体の電源が立ち上がっているときはMPU601内部に記憶されている。しかし、電源を切ったときには、これらデータを、コントローラ600内部のフラッシュメモリ606内部に記憶させる。そして、再度電源を立ち上げたときにフラッシュメモリ601に記憶されているインク吐出数、時間等のデータをMPU601に記憶させることで、泡抜き吸引動作を行うタイミングを検出する。
図4(a)は、フロート部材1eによって泡抜き吸引動作前にフロート室の内部を大気開放してインクを逆流させる動作シーケンスを示すフローチャートである。図5(a)〜(c)は、図4(a)に示したように流出フィルタ1d側のフロート部材1e周囲のインクを液室1c側に逆流させた後に泡抜き吸引動作を行うことで、サブタンク部1a、液室1c内の気泡除去を行った場合を説明するための断面図である。図5(a)〜(c)に、液室1c内の泡抜き動作が行われたときのフロート部材1eの周辺を示す。
図5(a)に、記録ヘッド1のサブタンク部1a、液室1c内に気泡が溜まった状態で、かつ流出フィルタ1d側のフロート室の内部にインクが溜まっている状態を示す。図5(a)に示す状態から、図5(b)に示すように、フロート室の内部のインクを逆流させるために、大気開放弁1iを所定時間、開放状態に保つ(図4中のステップS101)。大気開放弁1iが開放されることで、記録ヘッド1内部のインクに常時加わっている負圧によって、フロート室の上部まで達していたインクの液面が、流出フィルタ1dの位置まで下げられる。フロート室内のインクの液面が流出フィルタ1dの位置まで下がったとき、流出フィルタ1dに生じる毛細管力による影響を受けるので、逆流したインクの液面は、流出フィルタ1dの位置よりも下方には下がることはない。大気開放弁1iを開放状態に保つ時間は、流出フィルタ1dからフロート部材1eまでの流路内の容積と、液室1c内のインクに作用している負圧値とに応じて異なるが、通常は10秒〜2分間程度、開放状態にする。これによって、フロート部材1e周辺のインクの液面が流出フィルタ1dの位置まで逆流し、流出フィルタ1dに働く毛細管力によってインクの液面が維持された状態となり、大気開放弁1iを遮断する。
その後、フロート部材1eが流れを遮断していない状態で液室1c内部の気泡を排出するために三方弁7bをフロート部材(気泡排出流路1j)側に切替え(図4中のステップS103)、吸引ポンプ7cを所定時間、駆動させる。このように、吸引ポンプ7cと気泡排出流路1jとを連通させるように三方弁7bを切り替えた状態で、フロート室の内部の泡抜き吸引動作を行うために作動される吸引ポンプ7aが、本発明における空気吸引手段に相当する。
フロート室の内部を減圧させて、液室1cとサブタンク部1a内の気泡を、フロート部材1e,1fが流れを遮断していない状態でそれぞれ排出させる。これに伴って、記録ヘッド1内部のサブタンク部1aと液室1c内部のインクの液面がそれぞれ上昇し、フロート部材1e、1fに生じる浮力によって、フロート部材1e,1fがフロートシール部材1hの位置まで押上げられる。このため、フロート部材1e,1fによって、それぞれの気泡排出流路1jが自動的に遮断することができ、気泡排出流路1jから気泡を排出した後のインクの排出を防止することができる。したがって、本実施形態は、廃インクが発生することはない泡抜き吸引動作を行うことが可能になる。
また、図4(b)は、上述した逆流動作を各泡抜き吸引動作後に実施する他の動作シーケンスを示すフローチャートである。泡抜き吸引動作前にフロート室の内部のインクを一旦無くした状態にした後に泡抜き吸引動作を行うことが重要であるので、図4(a)及び図4(b)に示したいずれのシーケンス動作が用いられてもよい。
以上のような泡抜き吸引動作を行う構成において問題となるのは、フロート部材1e,1fが何らかの原因でフロートシール部材1hの位置まで押し上げられずに、気泡排出流路1jを遮断できない状態になったときである。その状態を判定し、記録装置のコントローラ600やホスト装置610に通知するための処理の一例を図7に示す。図7に示した処理フローでは、次のような処理を行う。
フロート部材1e,1fがフロートシール部材1hの位置まで正常に押し上げられて、フロート部材1e,1fが気泡排出流路1jの流れを遮断した場合には、大気開放弁1iが遮断されているので、気泡排出流路1j内の負圧が高まり、吸引負荷が大きくなる。しかし、フロート部材1e,1fがフロートシール部材1hの位置へ押し上げられずに、気泡排出流路1jを遮断できない場合には、インクを吸引し続けているので、吸引負荷に変化がない。
本実施形態では、このように吸引負荷が増加又は減少する変化を利用する。まず、吸引ポンプモータM3を所定時間だけ駆動して、吸引ポンプ7cによって泡抜き吸引動作を行う(ステップS301からステップ303)。このとき、吸引ポンプ7cが吸引動作を継続している駆動時間(作動時間)として例えば吸引ポンプモータM3の駆動時間が、時間計測手段として例えばタイマー部633やコントローラ600によって計測される。続いて、吸引ポンプモータM3(図6参照)のモータ負荷(作動負荷)を計測する(ステップS304)。このとき、作動負荷計測手段としてのコントローラ600が、吸引ポンプモータM3のモータ電流を計測することで、作動負荷を計測することができる。
そして、吸引ポンプ7cの作動時間が所定時間だけ経過したとき、コントローラ600は、モータ電流の計測値が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS305)。つまり、吸引ポンプ7cの作動時間が所定の経過時間以内に、モータ電流の計測値が所定の閾値よりも大きくなった場合には、泡抜き吸引動作を正常に終了する(ステップS306)。一方、吸引ポンプ7cが所定の経過時間だけ作動されたときであっても、モータ電流の計測値が所定の閾値よりも小さい場合には、インクを吸引し続けている可能性が高いので、吸引ポンプモータM3の駆動を停止する(ステップS307)。続いて、フロート部材1e,1fなどに異常が生じているハードウェア・エラーであることを、コントローラ600やホスト装置610に通知する(ステップS308)。
上述したように、本実施形態によれば、気泡排出流路1jからインクが排出されている状態を検出するためのセンサを追加することなく、フロート部材1e,1fが正常に動作せずに、気泡排出流路1jからインクが排出されている状態を検出することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置は、フロート部材1e,1fによってインクが遮断できていない状態が、コントローラ600やホスト装置610に通知されることで、適切な動作を行うことができる。
実施形態のインクジェット記録装置におけるインク供給動作の基本原理を説明するための模式図である。 実施形態のインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。 実施形態のインク供給系の概略を示す断面図である。 実施形態で行われる気泡除去のためのシーケンスを示すフローチャートである。 実施形態で行われる気泡除去シーケンス動作時の、フロート部材での気泡除去状態を示す断面図である。 実施形態のインクジェット記録装置の制御回路部の構成を示すブロック図である。 実施形態において、気泡排出流路を遮断できない状態をコントローラに通知する処理フローを示すフローチャートである。 フロート部材によって気泡排出流路を遮断できない状態を説明するための模式図である。
符号の説明
1 記録ヘッド
1a サブタンク部
1c 液室
1g 吐出ノズル
1e フロート部材
1f フロート部材
1h フロートシール部材
1i 大気開放弁
1j 気泡排出流路
6 インク供給チューブ
7 回復ユニット
7c 吸引ポンプ
8 弁駆動ユニット
600 コントローラ
633 タイマー部

Claims (3)

  1. 液体を吐出して被記録材に記録を行う吐出口と、
    前記吐出口に液体を供給するための液体室と、
    前記液体室に液体を供給するための液体供給流路と、
    前記液体室の鉛直上方に連通され、前記液体室から空気を排出するための空気排出流路と、
    前記空気排出流路の内部に、該内部の液体の液面と共に移動可能に配置され、液体よりも比重が小さいフロート部材と、
    前記空気排出流路に設けられ、前記空気排出流路の前記内部の液体と共に浮上した前記フロート部材と当接することによって、前記空気排出流路を遮断するためのシール部材と、
    前記空気排出流路から空気を排出するために吸引する空気吸引手段と、
    前記空気吸引手段が吸引動作を継続している作動時間を計測する時間計測手段と、
    前記空気吸引手段が吸引動作を行っているときの作動負荷を計測する負荷計測手段と、
    前記時間計測手段によって計測された作動時間と、前記負荷計測手段によって計測された作動負荷とに基づいて、前記空気吸引手段の駆動を制御する制御手段と、
    を備える記録装置。
  2. 前記フロート部材によって前記空気排出流路が遮断されたときに、前記空気吸引手段の前記作動負荷が変化する、請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記制御手段は、前記時間計測手段によって計測された前記作動時間が経過した所定の経過時間以内に、前記負荷計測手段によって計測された前記作動負荷が所定の閾値よりも大きくなった場合に、前記空気吸引手段の吸引動作を停止させる、請求項1又は2に記載の記録装置。
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