JP2010140674A - 照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】前方へ照射される光の照射パターンに生じる色むらを軽減することができる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、LEDチップ(発光素子)1が一表面側に実装された基板2とLEDチップ1から放射される青色光によって励起され黄色系の光を放射する蛍光体を含有し且つLEDチップ1を基板2との間に囲む形で基板2の前記一表面側に配設されたドーム状の蛍光体キャップ(色変換部材)4とを有する発光装置Aと、基板2の前記一表面側において蛍光体キャップ4を囲む形で配設され発光装置Aから放射された光の配光を制御する反射鏡8とを備える。反射鏡8は、内側面8bが蛍光体キャップ4の表面上に焦点F1が位置する放物線を光軸M1の周りに回転して形成される曲面から構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明装置に関するものである。
従来から、白色LEDからなる発光装置と、発光装置からの光の配光を制御する反射鏡とを備えた照明装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された照明装置では、前記反射鏡が、碗状に形成されるとともに内側面の形状が前記照明装置の光軸に対して回転対称である曲面となるように形成している。この種の照明装置として、図6に示す構成の照明装置がある。
図6に示す構成の照明装置は、発光素子としてLEDチップ1を用いた発光装置A’と、碗状に形成され発光装置A’から放射される光の配光を制御する反射鏡8’とを備えている。ここで、発光装置A’は、青色光を放射するLEDチップ1と、LEDチップ1が一表面側に実装された基板2と、LEDチップ1から放射される青色光によって励起され黄色系の光(以下、黄色光と称す。)を放射する蛍光体(以下、黄色蛍光体と称す。)を含有した透光性材料により形成された色変換部材である蛍光体キャップ4’とを有する。また、蛍光体キャップ4’は、LEDチップ1を基板2との間に囲む形で基板2の前記一表面側に配設されているものであって、回転楕円体の一部を構成する曲面からなるドーム状に形成されるとともに、当該曲面を構成する回転楕円体の長径方向が、発光装置A’の光軸M1方向と一致するように設定されている。
ここに、LEDチップ1から放射された青色光と当該青色光によって励起される黄色蛍光体から放射された黄色光とが混合されることで白色光が形成される。
ところで、図6に示す構成の照明装置が備える反射鏡8’の内側面8b’では、発光装置A’の光軸M1に対して回転対称であってLEDチップ1と前記光軸M1とが交差する点P1に焦点が位置する放物面から構成されている。
従って、蛍光体キャップ4’の外側の表面上の点、例えば、蛍光体キャップ4’の表面上において蛍光体キャップ4’の頂点から離間した任意の点P3から、点P1と点P3とを通る方向で、反射鏡8’の内側面8b’と交差する点P2に入射する光は、反射鏡8’によって前記光軸M1に平行な方向に反射される。ここで、蛍光体キャップ4’は、前述のように回転楕円体からなるドーム状に形成されているため、点P3における蛍光体キャップ4’の接平面に対する法線と、点P1と点P2とを結ぶ直線とは略一致する。更に、このことは、点P1と反射鏡8’の内側面8b’上の任意の点とを結ぶ線上の蛍光体キャップ4’との交点についても同様のことが言える。例えば、図6に示すように、曲面状に形成された蛍光体キャップ4’の表面上の点P3から、点P3での接平面の法線方向D11に放射される光は、反射鏡8’の内側面8b’上の点P2において前記光軸M1に略平行な方向D12へ反射される。一方、曲面状に形成された蛍光体キャップ4’の外側の表面上における蛍光体キャップ4’の頂点に位置する点P4から、点P4での接平面の法線方向とは交差する方向D21に放射される光は、点P2において前記光軸M1に平行な方向と交差する方向D22に反射される。また、曲面状に形成された蛍光体キャップ4’の外周面上における蛍光体キャップ4’と基板2の前記一表面との接合部近傍に位置する点P5から、点P5での接平面の法線方向とは交差する方向D31に放射される光も、点P2において前記光軸M1に平行な方向と交差する方向D32に反射される。
ここで、照明装置から前方へ照射される光の照射パターンにおいて、前記光軸M1に平行な方向D12に反射される光は、前記照射パターンの中央部に配光され、前記光軸M1と交差する方向D22,D32に反射される光は、前記照射パターンの周辺部に配光される。つまり、蛍光体キャップ4’の外側の表面上の点P3から、蛍光体キャップ4’の外側の表面上の点P3での接平面の法線方向D11に放射される光は、前記照射パターンの中央部に配光され、蛍光体キャップ4’の外側の表面上の点P4および点P5から、蛍光体キャップ4’の外側の表面上の点P4および点P5での接平面の法線方向と交差する方向D21,D31に放射される光は、前記照射パターンの周辺部に配光されることになる。
特開2001−332104号公報
しかしながら、図6に示す構成の照明装置に使用される発光装置A’では、蛍光体キャップ4’の表面から放射される黄色光が、拡散配光を示す(図7の曲線イ)のに対して、蛍光体キャップ4’の表面から放射される青色光は、黄色光の配光特性に比べて蛍光体キャップ4’の外側の表面上の点P3での接平面の法線方向に指向性を有する配光特性を示す(図7の曲線ロ)。従って、蛍光体キャップ4’の外側の表面上の点から放射される光は、放射方向に依存し、放射方向と蛍光体キャップ4’の外側の表面上の点での接平面の法線方向とのなす角度が小さいほど青色光の比率が高くなる。なお、青色光の配光特性が蛍光体キャップ4’の外側の表面上の点での接平面の法線方向に指向性を有するのは、LEDチップ1から放射された青色光であって蛍光体キャップ4’に含まれる黄色蛍光体で反射されずに蛍光体キャップ4’を透過する成分が含まれることによる。例えば、曲面状に形成された蛍光体キャップ4’の外側の表面上の点P3から放射される光は、点Pでの接平面の法線方向D11に放射される光が最も青色光の比率が高く、一方、放射方向と点P3での法線方向とのなす角度が大きくなるほど黄色光の比率が高くなる。即ち、点P3から、前記法線方向D11と交差する方向D41へ放射される光は、前記法線方向D11に放射される光に比べて黄色光の比率が高い。
従って、図6に示す構成の照明装置では、照明装置から前方へ照射される光の照射パターンにおいて、前記照射パターンの中央部は、青色がかった色となり、前記照射パターンの周辺部は、黄色がかった色となり、前記照射パターンの中央部と周辺部とで色むらが顕著となることがあった。
本願発明は、前記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、前方へ照射される光の照射パターンに生じる色むらを軽減することができる照明装置を提供することにある。
請求項1の発明は、発光素子と当該発光素子が一表面側に実装された基板と発光素子から放射される光によって励起され当該光の色とは異なる色の光を放射する蛍光体を含有した透光性材料により表面が曲面状のドーム状に形成された色変換部材とを有する発光装置と、基板の前記一表面側において色変換部材を囲む形で配設され発光装置から放射される光の配光を制御する反射鏡とを備え、色変換部材は、発光素子を基板との間に囲む形で基板の前記一表面側に配設されてなり、反射鏡は、内側面の形状が、色変換部材の表面および内部のいずれかにおける前記発光装置の光軸から前記光軸とは直交する方向に離間した位置に焦点が位置する少なくとも1つの放物線を前記光軸の周りに回転して形成される曲面から構成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、反射鏡の内側面が、色変換部材の表面および内部のいずれかにおける発光装置の光軸から当該光軸とは直交する方向に離間した位置に焦点が位置する少なくとも1つの放物線を前記光軸の周りに回転して形成される曲面から構成された形状に形成されていることにより、照明装置から前方へ照射される光の照射パターンにおいて、中央部と周辺部との間で生じる発光素子から放射される光と前記発光素子から放射される光とは色が異なる光との比率の差異を低減することができるので、前記照射パターンに生じる色むらを軽減することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記反射鏡は、前記内側面の形状が、前記色変換部材の前記表面および前記内部のいずれかにおける前記光軸から前記光軸とは直交する方向に離間した位置に前記焦点が位置する複数の前記放物線を前記光軸の周りに回転して形成される複数の前記曲面から構成されてなり、且つ、前記内側面における前記色変換部材の表面から離れた部位を構成する前記曲面ほど前記放物線の前記焦点が前記色変換部材の頂点の近くに位置するように形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記反射鏡の前記内側面が、複数の前記曲面から構成され且つ前記内側面における前記色変換部材の前記表面から離れた部位を構成する前記曲面を形成する前記放物線ほど前記焦点が前記色変換部材の頂点の近くに位置するように形成されていることにより、前記反射鏡の前記内側面で反射される光を前記反射鏡の外側に取り出すための前記反射鏡の前記端部の開口径が小さくなるように前記内側面の形状を形成することが可能なので、前記反射鏡のサイズを小さくすることができるから、照明装置のコンパクト化が図れる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記焦点は、前記色変換部材の前記表面上と前記色変換部材の前記内部における前記色変換部材の表面に沿った仮想曲面上とのいずれかに位置し、前記色変換部材の前記表面上と前記仮想曲面上とのいずれかの前記焦点での接平面の法線が前記曲面と交差するように設定されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記焦点が、前記色変換部材の前記表面上と前記色変換部材の前記内部における前記色変換部材の表面に沿った仮想曲面上とのいずれかの前記焦点での接平面の法線と前記曲面とが交差するように設定されていることにより、照明装置から前方へ照射される光の照射パターンにおいて、前記色変換部材の前記表面から前記色変換部材の前記表面上と前記色変換部材の前記内部における前記色変換部材の前記表面に沿った仮想曲面上とのいずれかに位置する前記焦点での接平面の法線方向に放射して前記反射鏡に入射する光を前記照射パターンの中央部に配光することができるので、前記照射パターンに生じる色むらを軽減することができる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記反射鏡の前記光軸に平行な方向における前記基板側とは反対側の端部に位置する前記曲面を形成する前記放物線の前記焦点は、前記焦点での接平面の前記法線が前記反射鏡の前記端部に交差するように設定されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記反射鏡の前記光軸方向における前記発光装置とは反対側の端部に位置する前記曲面を形成する前記放物線の前記焦点が、前記焦点での接平面の前記法線と前記反射鏡の前記端部に交差するように設定されていることにより、照明装置から前方へ照射される光の照射パターンにおいて、前記色変換部材の前記表面における比較的輝度が高い部位から放射した光を前記照射パターンの中央部に配光することができるので、照明装置の正面光度を高めることができる。
請求項1の発明によれば、反射鏡の内側面が、色変換部材の表面および内部のいずれかにおける発光装置の光軸から当該光軸とは直交する方向に離間した位置に焦点が位置する放物線を前記光軸の周りに回転して形成される曲面から構成されていることにより、照明装置の前方の光の照射パターンにおいて、中央部と周辺部との間で生じる互いに色の異なる複数種類の光の比率の差異を低減することができるので、前記照射パターンに生じる色むらを軽減することができる。
(実施形態1)
以下、実施形態1について図1に基づいて説明する。
本実施形態の照明装置は、図1(a)に示すように、発光素子としてLEDチップ1を用いた発光装置Aと、碗状に形成され且つ発光装置Aから放射された光を反射して配光を制御する反射鏡8とを備える。
また、本実施形態の照明装置は、図1(a)に示すように、有底円筒状に形成されるとともに反射鏡8が内部に収納された筐体6と、筐体6の前面側に装着される透明カバー10と、筐体6の前面開口部の周部に取り付けられ反射鏡8および透明カバー10を保持するための保持枠9とを備えている。ここに、保持枠9は、内径が筐体6の前面開口部よりも小さく且つ外径が筐体6の外周径よりも大きい円環状部9aと、当該円環状部9aの一面側から円環状部9aの全周に亘って突出した突出部9bとからなる形状に形成されている。保持枠9は、突出部9bの内側に筐体6の側壁6bの前端部が嵌入した状態で、突出部9bに穿設されたねじ挿通孔9cに挿通された複数本の取付ねじ91を筐体6の側壁6bの前面開口部付近に形成されたネジ孔6cに螺合させることで、筐体6に取り付けられている。ここで、保持枠9が筐体6に取り付けられた状態では、保持枠9の円環状部9aの前記一面側と筐体6の前面開口部の周部前面6aとの間に、反射鏡8の前端縁から外方へ延設された外鍔部8cと外鍔部8c上に載置された透明カバー10とが挟持される。なお、筐体6は、Al等の金属材料で形成されている。また、透明カバー10は、アクリル樹脂で形成されているが、アクリル樹脂に限らず、ポリカーボネイドやガラス等で形成してもよい。
発光装置Aは、LEDチップ1と、LEDチップ1が一表面側に実装された基板2と、LEDチップ1から放射される光によって励起され当該光とは異なる色の光を放射する蛍光体を含有した透光性材料により形成されたドーム状の色変換部材である蛍光体キャップ4と、透光性材料で形成され且つLEDチップ1と蛍光体キャップ4との間にLEDチップ1を覆う形で設けられた略球状の曲面の一部から構成された凸レンズ状の透明部材からなる光学部材3とを備える。ここにおいて、蛍光体キャップ4は、LEDチップ1を基板2との間に囲む形で基板2の前記一表面側に配設されている。
また、発光装置Aでは、LEDチップ1として、GaN系の青色LEDチップを用いている。蛍光体キャップ4に使用される蛍光体としては、LEDチップ1から放射された青色光によって励起されて黄色光を放射する粒子状の黄色蛍光体を用いている。ここで、LEDチップ1から放射され光学部材3および蛍光体キャップ4を透過した青色光と、蛍光体キャップ4の黄色蛍光体から放射された黄色光とが混合されることで白色光が形成される。なお、本実施形態では、LEDチップ1を1個だけ有する発光装置Aを用いる例について説明したが、これに限定されず、LEDチップ1を複数個有する発光装置Aを用いてもよい。
基板2は、セラミック基板(例えば、アルミナセラミック基板、窒化アルミニウム基板等)からなる絶縁性基板の一表面側に金属材料(例えば、Cu)からなる通電用の配線パターン(図示せず)が形成されている。なお、基板2は、セラミック基板に限らず、ガラスエポキシ樹脂基板などを用いてもよい。また、本実施形態では、LEDチップ1が基板2の配線パターンの一部からなるダイパッド部(図示せず)に半田や銀ペースト等の各種接合材料を用いて接合されている。また、基板2は、筐体6の底壁6dに対して弾力性のある絶縁シート7により接合されている。更に、基板2は、複数本の固定ねじ61により筐体6の底壁6dに固定されている。なお、絶縁シート7としては、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーからなる充填材を含有し且つ加熱時に低粘度化する樹脂シート、例えば、溶融シリカを高充填して熱伝導率を高めたエポキシ樹脂シートである有機グリーンシート等を使用してもよい。また、絶縁シート7の厚みは、例えば、0.5mm程度に設定すればよいが、これに限定されるものではない。また、前記有機グリーンシートは、加熱時の樹脂流動性が高く凹凸面への密着性が高いという特徴がある。従って、絶縁シート7として前記有機グリーンシートを用いれば、絶縁シート7と基板2および筐体6の底壁6dとの間に空隙が発生するのを防止することができる。
光学部材3は、LEDチップ1と蛍光体キャップ4との間に設けられLEDチップ1を封止している。また、光学部材3は、透光性材料としてシリコーン樹脂を採用しているが、シリコーン樹脂に限らず、エポキシ樹脂、ガラス等を採用してもよい。
蛍光体キャップ4は、表面が回転楕円体を長径方向の中央で半分に分割してなる曲面から構成され、当該曲面を構成する回転楕円体の長径方向が、発光装置Aの光軸M1方向と一致するように設定されている。また、前記回転楕円体は、長径の寸法と短径の寸法との比が6対5となるように設定されている。なお、蛍光体キャップ4は、表面が半球面となるように形成されたものであってもよい。
また、蛍光体キャップ4のLEDチップ1側の内面と光学部材3の表面との間に空気層5が設けられている。従って、空気層5が設けられていることにより、蛍光体キャップ4内で黄色蛍光体により光学部材3側へ散乱される青色光および黄色蛍光体から発する黄色光が光学部材3を透過し基板2等に吸収されるのを抑制することができるので、発光装置Aの光の取り出し効率を向上させることができる。また、空気層5が設けられていることにより、反射板8を筐体6の前面側から取り付ける際に、反射板8の一部が蛍光体キャップ4に接触しても、衝撃が光学部材3に伝わるのを防止することができるので、光学部材3およびLEDチップ1が損傷するのを防ぐことができる。
また、蛍光体キャップ4は、透明なシリコーン樹脂からなる透光性材料に前述の黄色蛍光体を均一に分散させた混合材料を用いて形成されている。なお、蛍光体キャップ4の材料として用いる透光性材料に含有させる蛍光体は、黄色蛍光体に限られず、例えば、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを用いてもよい。また、蛍光体キャップ4の材料として用いる透光性材料は、シリコーン樹脂に限らず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネイドおよびガラス等を採用してもよい。
反射鏡8は、碗状に形成され、反射鏡8の底部には、発光装置Aが挿入される発光装置挿入口8aが形成されている。また、反射鏡8の材料としては、例えば、LEDチップ1や蛍光体から放射される光の反射率が高い金属(例えば、Al等)などを採用すればよく、本実施形態では、Alを採用している。また、反射鏡8の内側面8bは、AlやAgなどを蒸着することで所望の反射率を確保している。なお、反射鏡8の材料は金属に限らず、高耐熱の樹脂等を採用してもよい。
ところで、反射鏡8の内側面8bは、蛍光体キャップ4の表面上において発光装置Aの光軸M1から当該光軸M1とは直交する方向に離間した位置に焦点F1が位置する1つの放物線を前記光軸M1の周りに回転して形成される曲面から構成されている。図1(b)に反射鏡8の内側面8bの形状と、蛍光体キャップ4の表面から放射して反射鏡8の内側面8bで反射される光の経路とについて、シミュレーションを行った結果を示す。図1(b)において、縦軸は、前記光軸M1方向、横軸は当該光軸M1と直交する方向を表し、縦軸および横軸それぞれに記載した数値は、前記光軸M1と基板2の表面との交点から前記光軸M1方向および前記光軸M1と直交する方向への距離を表す。図1(b)から、蛍光体キャップ4の表面における焦点F1に対応する位置から蛍光体キャップ4の表面上の焦点F1での接平面の法線方向へ放射される光だけでなく、蛍光体キャップ4の表面における焦点F1に対応する位置から当該法線方向とは交差する方向に放射される光も反射鏡8によって前記光軸M1に平行な方向へ反射されることが判る(図1(b)の矢印参照)。
ここで、発光装置Aでは、曲面状の蛍光体キャップ4の表面上の焦点F1での接平面の法線方向に放射される光が青色光の比率が最も高く、一方、放射方向と当該法線方向とのなす角度が大きくなるほど黄色光の比率が高くなっている。従って、本実施形態の照明装置では、LEDチップ1から放射され蛍光体キャップ4の表面における焦点F1に対応する位置から前記法線方向に放射される青色光の比率が高い光だけでなく、蛍光体キャップ4に含有された蛍光体から前記法線方向とは交差する方向に放射される黄色光の比率が高い光も前記光軸M1に平行な方向へ反射される。一方、蛍光体キャップ4の表面における焦点F1以外の任意の点(図示せず)に対応する位置から、反射鏡8の内側面8bに向かって方向へ放射される光は、前記光軸M1と交差する方向へ反射される。
従って、照明装置から前方へ照射される光の照射パターンにおいて、蛍光体キャップ4の表面上における焦点F1に対応する位置から放射され前記照射パターンの中央部に配光される光の黄色光の比率を従来例の照明装置(図6参照)に比べて上昇させるとともに、前記照射パターンの周辺部に配光される光の青色光の比率を従来例の照明装置(図6参照)に比べて上昇させることができる。しかして、前記照射パターンにおいて、中央部と周辺部との間で生じるLEDチップ1から放射される青色光と蛍光体キャップ4から放射される黄色光との比率の差異を低減することができるので、前記照射パターンに生じる色むらを軽減することができる。
なお、反射鏡8の内側面8bを構成する前記曲面を形成する前記放物線の焦点F1の位置は、蛍光体キャップ4の表面上に位置するものであれば、図1(b)に示す位置に限定されない。また、本実施形態では、反射鏡8の内側面8bを構成する前記曲面を形成する前記放物線の焦点F1が蛍光体キャップ4の表面上に位置する例について説明したが、これに限定されるものではなく、焦点F1が蛍光体キャップ4の内部に位置するようにしても本実施形態と同様の効果が得られる。
(実施形態2)
本実施形態の照明装置の基本構成は実施形態1とほぼ同じであり、図2(b)に示すように、反射鏡80の内側面80bが、蛍光体キャップ4の表面上において発光装置Aの光軸M1から当該光軸M1とは直交する方向に離間した位置に焦点F2が位置する放物線Pa2(図2(a)参照)と、蛍光体キャップ4の表面上に焦点F3が位置する放物線Pa3(図2(a)参照)とを前記光軸M1の周りに回転して形成される2つの曲面82b,83bとからから構成されている点が相違する。ここで、曲面82bを形成する放物線Pa2の焦点F2に比べて、曲面82bよりも蛍光体キャップ4の表面から離間した曲面83bを形成する放物線Pa3の焦点F3のほうが、蛍光体キャップ4の頂点の近くに位置している。なお、図2は、反射鏡80の内側面80bの形状と、蛍光体キャップ4の表面から放射して反射鏡80の内側面80bで反射される光の経路とについて、シミュレーションを行った結果を示す。図2において、縦軸は、発光装置Aの光軸M1方向、横軸は光軸M1と直交する方向を表し、縦軸および横軸それぞれに記載した数値は、前記光軸M1と基板2の表面との交点から前記光軸M1方向および前記光軸M1と直交する方向への距離を表す。また、実施形態1の照明装置と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図2(b)から、蛍光体キャップ4の表面上における焦点F2に対応する位置から放射した光のうち反射鏡80の内側面80bにおける曲面82bに入射した成分と、蛍光体キャップ4の表面上における焦点F3に対応した位置から放射した光のうち内側面80bにおける曲面83bに入射した成分とが、反射鏡80によって前記光軸M1に平行な方向に反射されることが判る(図2(b)の矢印参照)。
従って、照明装置から前方へ照射される光の照射パターンにおいて、蛍光体キャップ4の表面上の焦点F2および焦点F3に対応する位置から放射され前記照射パターンの中央部に配光される光の青色光の比率を従来例の照明装置(図6参照)に比べて上昇させるとともに、前記照射パターンの周辺部に配光される光の青色光の比率を従来例の照明装置(図6参照)に比べて上昇させることができる。しかして、前記照射パターンにおいて、中央部と周辺部との間で生じるLEDチップ1から放射される青色光と蛍光体キャップ4から放射される黄色光との比率の差異を低減することができるので、前記照射パターンに生じる色むらを軽減することができる。
ところで、実施形態1の照明装置では、図2(b)に示すように、反射鏡8の内側面8bが単一の放物線を前記光軸M1の周りに回転して形成される曲面からなるため、蛍光体キャップ4のサイズを大きくした場合、焦点F1と前記曲面との間の距離を小さくすることにより反射鏡8のサイズの拡大を抑制することを目的として、焦点F1を蛍光体キャップ4の表面における蛍光体キャップ4と基板2の前記一表面との接合部近傍に設定することが考えられる。ところが、蛍光体キャップ4の表面における蛍光体キャップ4と基板2の前記一表面との接合部近傍は輝度が低いため、照明装置の正面光度が低下してしまう。
一方、蛍光体キャップ4のサイズを大きくした場合において、焦点F1を蛍光体キャップ4の表面上における比較的輝度が高い部位、即ち、蛍光体キャップ4の頂点の近くに設けると、焦点F1と反射鏡8の内側面8bを構成する前記曲面との間の距離が大きくなり、焦点F1と反射鏡8の内側面8bを構成する前記曲面の曲率が小さくなるので、反射鏡8のサイズが大きくなる。従って、照明装置のコンパクト化が図れない。
これに対して、本実施形態では、反射鏡80の内側面80bが、蛍光体キャップ4の表面上に焦点F2が位置する放物線Pa2を前記光軸M1の周りに回転して形成される曲面82bと、蛍光体キャップ4の表面上において焦点F2よりも蛍光体キャップ4の頂点の近くに焦点F3が位置する放物線Pa3を前記光軸M1の周りに回転して形成される曲面83bとから構成された形状に形成されていることにより、蛍光体キャップ4の表面上において輝度が比較的高い焦点F3に対応する位置から放射される光が、反射鏡80によって前記光軸M1に平行な方向に反射され前記照射パターンの中央部に配光されるので、照射装置の正面光度を高めることができる。
また、図2(b)に示すように、実施形態1の照明装置に使用される反射鏡8に比べて、反射鏡80の前記光軸M1方向における発光装置Aとは反対側の端部80dの開口径を小さくすることができるので、反射鏡80全体のサイズの小型化を図れるから、照明装置のコンパクト化が図れる。
なお、本実施形態では、反射鏡80の内側面80bが、上述の曲面82bと曲面83bとから構成される例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図3に示すように、曲面83bと、当該曲面83bの蛍光体キャップ4側の端部から蛍光体キャップ4と基板2の前記一表面との接合部に向かって延設された傾斜面84bとから構成されるものとしてもよい。
なお、反射鏡80の内側面80bを構成する前記曲面を形成する放物線Pa2,Pa3の焦点F2、F3の位置は、蛍光体キャップ4の表面上に位置するものであれば、図2(b)に示す位置に限定されない。また、本実施形態では、反射鏡80の内側面80bを構成する前記曲面を形成する放物線Pa2,Pa3の焦点F2,F3が蛍光体キャップ4の表面上に位置する例について説明したが、これに限定されるものではなく、焦点F2,F3が蛍光体キャップ4の内部に位置するようにしても本実施形態と同様の効果が得られる。
(実施形態3)
本実施形態の照明装置の基本構成は実施形態1とほぼ同じであり、図4に示すように、反射鏡8の内側面8bの形状が、前記放物線の焦点F1が蛍光体キャップ4の表面上に位置する単一の放物線を発光装置Aの光軸M1の周りに回転して形成される曲面から構成されている。また、焦点F1が、蛍光体キャップ4の表面上に位置し、蛍光体キャップ4の表面上の焦点F1での接平面の法線が前記曲面と交差するように設定されている。
本実施形態では、反射鏡8の内側面8bが焦点F1を有する単一の前記放物線より形成された前記曲面からなり、反射鏡8の前記光軸M1に平行な方向における基板2側とは反対側の端部8dに位置する前記曲面を構成する。また、前記曲面を形成する前記放物線の焦点F1が、焦点F1での接平面の前記法線が反射鏡8の前記端部8dに交差するように設定されている。なお、図4は、反射鏡8の内側面8bの形状と、蛍光体キャップ4の表面から放射して反射鏡8の内側面8bで反射される光の経路とについて、シミュレーションを行った結果を示す。図4において、縦軸は、発光装置Aの光軸M1方向、横軸は光軸M1と直交する方向を表し、縦軸および横軸それぞれに記載した数値は、前記光軸M1と基板2の表面との交点から前記光軸M1方向および前記光軸M1と直交する方向への距離を表す。また、実施形態1の照明装置と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図4から、蛍光体キャップ4の表面上における焦点F1に対応する位置から蛍光体キャップ4の表面上の焦点F1での接平面の法線方向に放射した光が、反射鏡8に入射して反射鏡8によって前記光軸M1に平行な方向に反射されることが判る(図4参照)。
ところで、蛍光体キャップ4の表面の輝度分布は、LEDチップ1から放射され蛍光体キャップ4の内面に入射する青色光の光度に依存する。発光装置Aでは、LEDチップ1が凸レンズ状の光学部材3で封止されているので、蛍光体キャップ4の内面に入射する青色光の光度は、蛍光体キャップ4と基板2との接合部から蛍光体キャップ4の頂点に向かうほど高くなっている。従って、蛍光体キャップ4の表面の輝度は、蛍光体キャップ4と基板2との接合部近傍から蛍光体キャップ4の頂点に向かうほど高くなるように分布している。従って、照明装置の正面光度を高めるためには、図5に示すように、焦点F1の位置を蛍光体キャップ4の頂点に設定することが考えられる。図5に示す構成の照明装置では、蛍光体キャップ4の表面上における焦点F1に対応する位置から放射される光のうち、放射方向と蛍光体キャップ4の表面上の焦点F1での接平面の法線方向とのなす角度が比較的大きい光のみが反射鏡8の内側面8bに入射することとなる(図5の矢印D51)。
しかしながら、発光装置Aにおいて、蛍光体キャップ4の表面上における焦点F1に対応する位置から放射される光のうち、放射方向と蛍光体キャップ4の表面上の焦点F1での接平面の法線方向とのなす角度が大きい光ほど、黄色光の比率が高いことから、図5に示す照明装置では、前記照射パターンの中央部に配光される光の黄色光の比率が前記照射パターンの周辺部に配光される光の黄色光の比率に比べて上昇し、前記照射パターンに色むらが生じるおそれがあった。
また、図5に示す照明装置では、反射鏡8の内側面8bにおける蛍光体キャップ4と基板2との接合部近傍には、蛍光体キャップ4の頂点から放射した光が入射せず(図5の矢印D61)、反射鏡8によって前記照射パターンの中央部に配光される光が減少し、照明装置の正面光度の低下を生ずるおそれもある。
これに対して、本実施形態の照明装置では、図4に示すように、反射鏡8によって、蛍光体キャップ4の表面上における焦点F1に対応する位置から蛍光体キャップ4の表面上の焦点F1での接平面の法線方向に放射される青色光の比率の高い光が、前記光軸M1に平行な方向に反射されることにより、前記照射パターンの中央部に配光される光の黄色光の比率が上昇するのを抑制することができる。従って、前記照射パターンにおいて、中央部と周辺部との間で生じるLEDチップ1から放射される青色光と蛍光体キャップ4から放射される黄色光との比率の差異を低減することができるので、前記照射パターンに生じる色むらを軽減することができる。また、蛍光体キャップ4の表面から放射される光に対する反射鏡8の内側面8bに入射する光の比率を高めることにより、焦点F1から放射した光が反射鏡8により前記光軸M1に平行な方向に反射される効率を上昇させることができるので、照明装置の正面光度を高めることができる。
また、本実施形態では、反射鏡8の内側面8bが焦点F1を有する単一の前記放物線より形成された前記曲面からなり、反射鏡8の前記光軸M1方向における基板2側とは反対側の端部8dに位置する前記曲面を構成する。また、前記曲面を形成する前記放物線の焦点F1が、焦点F1での接平面の前記法線が反射鏡8の前記端部8dに交差するように設定されている。
従って、反射板8の内側面8bが、焦点F1に対応する蛍光体キャップ4の表面における比較的輝度が高い位置から、蛍光体キャップ4の表面上の焦点F1での接平面の法線方向に放射される光が、前記照射パターンの中央部に配光されるので、前記照射パターンに生じる色むらを軽減することができるとともに照明装置の正面光度を高めることができる。
なお、反射鏡8の内側面8bを構成する前記曲面を形成する前記放物線の焦点F1の位置は、蛍光体キャップ4の表面上に位置するものであれば、図4に示す位置に限定されない。また、本実施形態では、反射鏡8の内側面8bを構成する前記曲面を形成する前記放物線の焦点F1が蛍光体キャップ4の表面上に位置する例について説明したが、これに限定されるものではなく、焦点F1が蛍光体キャップ4の内部における蛍光体キャップ4の表面に沿った仮想曲面上に位置するようにし、前記曲面に、前記仮想曲面上に位置する焦点F1での接平面の法線が交差するように設定しても本実施形態と同様の効果が得られる。
実施形態1の照明装置を示し、(a)は概略断面図、(b)は概略説明図である。 実施形態2の照明装置の概略説明図である。 同上の他の実施例の概略説明図である。 実施形態3の照明装置の概略説明図である。 同上の概略説明図である。 従来例の概略断面図である。 同上の発光装置の概略断面図である。
符号の説明
1 LEDチップ(発光素子)
2 基板
4 蛍光体キャップ(色変換部材)
8 反射鏡
8b 内側面
8d 端部
80 反射鏡
80b 内側面
82b,83b 曲面
A 発光装置
M1 光軸
F1,F2,F3 焦点

Claims (4)

  1. 発光素子と当該発光素子が一表面側に実装された基板と発光素子から放射される光によって励起され当該光の色とは異なる色の光を放射する蛍光体を含有した透光性材料により表面が曲面状のドーム状に形成された色変換部材とを有する発光装置と、基板の前記一表面側において色変換部材を囲む形で配設され発光装置から放射される光の配光を制御する反射鏡とを備え、色変換部材は、発光素子を基板との間に囲む形で基板の前記一表面側に配設されてなり、反射鏡は、内側面の形状が、色変換部材の表面および内部のいずれかにおける前記発光装置の光軸から前記光軸とは直交する方向に離間した位置に焦点が位置する少なくとも1つの放物線を前記光軸の周りに回転して形成される曲面から構成されてなることを特徴とする照明装置。
  2. 前記反射鏡は、前記内側面の形状が、前記色変換部材の前記表面および前記内部のいずれかにおける前記光軸から前記光軸とは直交する方向に離間した位置に前記焦点が位置する複数の前記放物線を前記光軸の周りに回転して形成される複数の前記曲面から構成されてなり、且つ、前記内側面における前記色変換部材の表面から離れた部位を構成する前記曲面ほど前記放物線の前記焦点が前記色変換部材の頂点の近くに位置するように形成されてなることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  3. 前記焦点は、前記色変換部材の前記表面上と前記色変換部材の前記内部における前記色変換部材の表面に沿った仮想曲面上とのいずれかに位置し、前記色変換部材の前記表面上と前記仮想曲面上とのいずれかの前記焦点での接平面の法線が前記曲面と交差するように設定されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の照明装置。
  4. 前記反射鏡の前記光軸に平行な方向における前記基板側とは反対側の端部に位置する前記曲面を形成する前記放物線の前記焦点は、前記焦点での接平面の前記法線が前記反射鏡の前記端部に交差するように設定されてなることを特徴とする請求項3記載の照明装置。
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