JP2010139993A - 感光性樹脂組成物及び感光性エレメント - Google Patents

感光性樹脂組成物及び感光性エレメント Download PDF

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Akitoshi Tanimoto
明敏 谷本
Sadaaki Kato
禎明 加藤
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Abstract

【課題】 吸水性が十分に低く且つ優れた耐熱性を有する硬化体を形成可能であり、アルカリ現像可能である感光性樹脂組成物、及び、それを用いた感光性エレメントを提供すること。
【解決手段】 (A)主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖又は脂環式骨格を有するポリアミック酸と、(B)光重合性化合物と、(C)熱架橋剤と、(D)光重合開始剤と、を含有し、(C)熱架橋剤が下記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含む感光性樹脂組成物。
【化1】


【選択図】 なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物及び感光性エレメントに関する。
従来、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜には、耐熱性が優れ、また卓越した電気特性、機械的特性等を有するポリイミド樹脂やポリベンズオキサゾール樹脂等を含む液状の感光性レジストが用いられてきた。
液状の感光性レジストとしては、溶剤現像型とアルカリ現像型があるが、作業環境保全、地球環境保全の点からアルカリ現像型が主流になっている。このような液状の感光性レジストとしては、例えば、特許文献1及び特許文献2に示されるものが知られており、塗膜の耐熱性、耐薬品性、電気特性を向上させる目的で、更に紫外線露光や加熱を行い、架橋反応を促進させている。
しかし、従来の液状の感光性レジストは、実用特性上の耐湿熱性にまだ問題がある。すなわち、アルカリ現像型の液状感光性レジストは、アルカリ現像を可能にするために親水性基を有するものが主成分となっているため、露光部にも現像液、水等が浸透しやすく、レジスト被膜の実用特性が低下する。しかし、レジスト被膜の低吸水性を達成するために、親水性基の含有量を減らすとアルカリ現像ができなくなるおそれがある。
これに対して、ポリアミドイミド樹脂に、無機充填剤を大量に配合することにより、低吸水率を達成できる樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)や、無機充填剤を含まない低吸水率な樹脂が報告されている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。
特開昭61−243869号公報 特開平1−141904号公報 特開2006−348178号公報 特開2007−314583号公報 特開2008−150534号公報
しかしながら、無機充填剤を配合した樹脂組成物には、粘度が増大し流動性が低下するという問題がある。また保管中に無機充填剤の沈降などが起こり、保存安定性が低下する。このため、無機充填剤を配合せずに低吸水率を達成できる樹脂組成物が求められている。
こうした要求に対し、ポリマー主鎖の極性基であるイミド基の濃度を減らし、ポリマー主鎖を疎水性化したポリイミド樹脂など、低吸水率な樹脂を用いることが検討されている。しかし、特許文献4、5等に記載の樹脂組成物は、低吸水性に優れているものの、アルカリ現像液への溶解性が低いという問題がある。また、これらは主にポジ型の感光性樹脂組成物であるので、20μm以上の厚膜での像形成は困難である。
これに対し、分子量の大きな脂肪鎖をポリアミック酸主鎖に導入したポリイミド樹脂を用いることにより、低吸水性が得られると共にアルカリ現像が可能となることがわかっている。しかし脂肪鎖を用いるため、芳香族を主鎖とする樹脂と比較すると、耐熱性に課題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、吸水性が十分に低く且つ優れた耐熱性を有する硬化体を形成可能であり、アルカリ現像可能である感光性樹脂組成物、及び、それを用いた感光性エレメントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、(A)主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖又は脂環式骨格を有するポリアミック酸(以下、単に「(A)ポリアミック酸」ともいう。)と、(B)光重合性化合物と、(C)熱架橋剤と、(D)光重合開始剤と、を含有し、上記(C)熱架橋剤が、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含む、感光性樹脂組成物を提供する。

[式(1)中、2つのYは各々独立に水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基又はその一部に酸素原子若しくはフッ素原子を含んでいる基を示し、R及びRは各々独立に水素原子又は1価の有機基を示し、R及びRは各々独立に炭素数1〜10のアルキル基を示し、m1及びn1は各々独立に1〜3の整数を示し、p及びqは各々独立に1〜3の整数を示す。pが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、qが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、m1が2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、n1が2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
かかる感光性樹脂組成物は、層間絶縁膜等の用途に好適に用いられる。上記感光性樹脂組成物は、ポリイミド前駆体である(A)ポリアミック酸を含む上記構成を有することにより、得られる硬化体の吸水率を十分に低減することができる。また、上記感光性樹脂組成物は、(C)熱架橋剤として上記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含むことにより、得られる硬化体の耐熱性を十分に向上させることができる。さらに、上記感光性樹脂組成物は、上記(A)ポリアミック酸を用いることで、アルカリ現像可能であり、優れた感度、及び現像液に対する優れた溶解性を得ることができる。また、上記(A)ポリアミック酸を用いることで、得られる硬化膜は優れた低弾性、高い伸び率の特性を有する。上記感光性樹脂組成物は20μm以上の厚膜での像形成が可能である。
本発明の感光性樹脂組成物においては、上記(A)ポリアミック酸は、下記一般式(2)で表される構造を有することが好ましい。

[式(2)中、Arは4価の有機基を示し、Arは2価の有機基を示し、kは1以上の整数を示す。ただし、Ar及び/又はArは主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖を含む。]
かかる感光性樹脂組成物は、上記一般式(2)で表される構造を有する(A)ポリアミック酸を含むことにより、得られる硬化体の吸水率をより低減させることができる。また、かかる感光性樹脂組成物は、露光時の感度に優れ、厚膜でより解像度よく像形成を行うことができる。さらに硬化後の感光性樹脂膜は優れた低弾性、高い伸び率の特性を有するため、応力の緩和に優れた膜となる。また、非常に柔軟な骨格を持つため、シリコン基板や金への優れた接着性を有する。
ここで、上記一般式(2)中のArは、得られる硬化体の吸水率をより低減できると共に、感度及び解像度をより向上できる観点から、下記一般式(3)で表される基であることが好ましい。

[式(3)中、Xは炭素数5〜20のアルキレン基を示し、R及びRは各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、m2及びn2は各々独立に1〜3の整数を示す。m2が2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、n2が2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
上記Arは、得られる硬化体の吸水率をより低減できると共に、感度及び解像度をより向上できる観点から、下記一般式(4)で表される2価の基であることが好ましい。

[式(4)中、Zは単結合又は2価の有機基を示し、Y及びYは各々独立に炭素数5〜20のアルキレン基を示す。]
本発明の感光性樹脂組成物においては、上記Zが、下記一般式(5)、(6)又は(7)のいずれかで表される2価の基であることが好ましい。



[式(5)、(6)及び(7)中、R、R及びRは各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、r、s及びtは各々独立に1〜4の整数を示す。rが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、sが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、tが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
かかる感光性樹脂組成物は、上記Zが一般式(5)、(6)及び(7)のいずれかで表される2価の基であることにより、硬化後の吸水率をより低減させることができる。さらに、露光時の感度に優れ、十分な現象性を得ることができるとともに、厚膜で解像度よく像形成を行うことができる。
本発明の感光性樹脂組成物において、上記(B)光重合性化合物は、エポキシ樹脂とビニル基含有モノカルボン酸とを反応させて得られる化合物を含むことが好ましい。
本発明はまた、支持体と、該支持体上に形成された上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントを提供する。かかる感光性エレメントは、上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を備えるため、吸水性が十分に低く且つ優れた耐熱性を有する硬化体を形成可能であり、アルカリ現像可能である。
本発明によれば、吸水性が十分に低く且つ優れた耐熱性を有する硬化体を形成可能であり、アルカリ現像可能である感光性樹脂組成物、及び、それを用いた感光性エレメントを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)ポリアミック酸(以下、場合により「(A)成分」ともいう。)と、(B)光重合性化合物(以下、場合により「(B)成分」ともいう。)と、(C)熱架橋剤(以下、場合により「(C)成分」ともいう。)(D)光重合開始剤(以下、場合により「(D)成分」ともいう。)と、を含むものである。以下、各成分について詳細に説明する。
<(A)成分>
(A)ポリアミック酸は、主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖又は脂環式骨格を有するものであり、上記一般式(2)で表される構造を有するものであることが好ましい。
一般式(2)中、Arは4価の有機基を示し、Arは2価の有機基を示し、Ar及び/又はArは主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖を含む。また、kは1以上の整数を示す。
(A)主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖又は脂環式骨格を有するポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とから公知の方法によって合成される。テトラカルボン酸二無水物成分及び/又はジアミン成分は、主鎖に炭素数5〜20のアルキレン基又は脂環式骨格を含むことが必要であり、主鎖に炭素数5〜20のアルキレン基を含むことが好ましい。(A)ポリアミック酸が炭素数5〜20のアルキレン基を含むことで、感光性樹脂組成物として用いた場合、低温硬化性、可とう性、低吸水性及び低反り性を達成することができる。
テトラカルボン酸二無水物成分は、主鎖に炭素数5〜20のアルキレン基を有することが好ましく、上記一般式(3)で表される基を有することがより好ましい。このようなテトラカルボン酸二無水物成分としては、例えば、下記一般式(8)で表される化合物が挙げられる。
ここで、式(8)中、Xは炭素数5〜20のアルキレン基であり、炭素数8〜15のアルキレン基であることが好ましい。
一般式(8)で表される化合物としては、例えば、ペンタメチレンビストリメリテート二無水物、ヘキサメチレンビストリメリテート二無水物、ヘプタメチレンビストリメリテート二無水物、オクタメチレンビストリメリテート二無水物、ノナメチレンビストリメリテート二無水物、デカメチレンビストリメリテート二無水物、ドデカメチレンビストリメリテート二無水物が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、ポリアミック酸を合成するにあたり、上記主鎖に炭素数5〜20のアルキレン基を有するテトラカルボン酸二無水物成分以外のテトラカルボン酸二無水物を併用してもよい。このようなテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸無水物、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物(4,4’−オキシジフタル酸二無水物)、2,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]ノナン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]デカン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]トリデカン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]テトラデカン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル〕ペンタデカン二無水物、1,1−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]−2−メチルデカン二無水物、1,1−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]−2−メチルオクタン二無水物、1,1−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]−2−エチルペンタデカン二無水物、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]ドデカン二無水物、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]デカン二無水物、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]トリデカン二無水物、2,2−ビス[3,5−ジエチル−4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]ペンタデカン二無水物、1,1−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]シクロヘキサン二無水物、1,1−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]プロピルシクロヘキサン二無水物、1,1−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]ヘプチルシクロヘキサン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、4,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタン二無水物が挙げられる。これらは1種を単独又は2種以上を組み合わせて使用される。
ジアミン成分としては、主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖を有することが好ましく、上記一般式(4)で表される2価の基を有することがより好ましい。なお、式(4)中、Y及びYは、各々独立に炭素数5〜20のアルキレン基であり、炭素数6〜10のアルキレン基であることが好ましい。また、一般式(4)において、Zは、単結合又は2価の有機基を示し、Zが2価の有機基である場合、上記一般式(5)、(6)又は(7)のいずれかで表される基であることが好ましい。
主鎖に炭素数5〜20のアルキレン基を有するジアミン成分としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン並びに下記一般式(9)、(10)及び(11)で各々表される化合物が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
ここで、式(9)中、Y及びYは、各々独立に炭素数5〜20のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、rは1〜4の整数を示す。なお、rが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。上記一般式(9)で表される化合物を含有するジアミン成分としては、例えば、1,4−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メトキシ−4−アミノペンチル)ベンゼンが挙げられる。
ここで、式(10)中、Y及びYは各々独立に炭素数5〜20のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、sは1〜4の整数を示す。なお、sが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
ここで、式(11)中、Y及びYは各々独立に炭素数5〜20のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、tは1〜4の整数を示す。なお、tが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(10)及び(11)で表される化合物を含有するジアミン成分としては、[3,4−ビス(1−アミノヘプチル)−6−ヘキシル−5−(1−オクテニル)]シクロヘキセン(コグニスジャパン社製、商品名「バーサミン551」)が市販品として入手可能である。ここで、「バーサミン551」は、下記式(12)で表される化合物及び/又は下記(12)で表される化合物の不飽和部が水添された化合物を含むジアミン化合物である。
また、ジアミン成分として、耐熱性(1%重量減少温度)及び残膜率を向上させる観点から、芳香族炭化水素基を有するジアミン化合物を、上記主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖を有するジアミン化合物と併用して用いることが好ましい。
上記芳香族炭化水素基を有するジアミン化合物としては、例えば、4,4’−ジアミノジベンジルスルホキシド、ビス(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルシラン、ビス(4−アミノフェニル)エチルホスフィンオキシド、ビス(4−アミノフェニル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、ビス(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、1,2−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノ−2−メチルナフタレン、1,5−ジアミノ−2−メチルナフタレン、1,3−ジアミノ−2−フェニルナフタレン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノトルエン、1−メトキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジメチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ジメチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メトキシ−5−メチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、o−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエート、1,1−ビス(4−アミノフェニル)−1−フェニル−2,2,2−トリフルオロエタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1−フェニル−2,2,2−トリフルオロエタン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)デカフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタ−1−エン−3−イン4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノフェニル)エーテル、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−トルイジン)スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(5−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。これらのジアミン成分は、1種を単独で又は2種以上併用して使用してもよい。
また、本発明において、上記一般式(9)〜(11)で表されるジアミン化合物以外のジアミン化合物を併用することができる。一般式(9)〜(11)で表されるジアミン化合物以外のジアミン化合物としては、例えば、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,2’−ジアミノジエチルスルフィドが挙げられる。これらのジアミン成分は、1種を単独で又は2種以上を併用して使用してもよい。
本発明において、吸水性が低く、且つ現像時の残膜率を良好にできる観点から、(A)ポリアミック酸としては、一般式(8)で表されるテトラカルボン酸二無水物と、一般式(9)〜(11)で表されるジアミン化合物と、置換基を有していてもよいアリーレン基を有するジアミン化合物と、から合成されるポリアミック酸を用いることが好ましい。
上記芳香族炭化水素基を有するジアミン化合物を用いる場合の添加量は、ジアミン成分全量に対して、1〜50モル%であることが好ましく、5〜45モル%であることがより好ましく、10〜40モル%であることがさらに好ましい。芳香族炭化水素基を有するジアミン化合物の添加量が1モル%未満では現像時の膜減りが大きく、また高温・高湿化での信頼性が低下する。芳香族炭化水素基を有するジアミン化合物の添加量が50モル%を超えると現像液への溶解性が低下し、アルカリ水溶液での現像ができなくなる。
なお、ジアミン成分として、上述したジアミン化合物以外のジアミン化合物を本発明が奏する効果の範囲を逸脱しない範囲で併用することができる。
(A)ポリアミック酸は、例えば、ほぼ当モルの上記テトラカルボン酸二無水物と上記ジアミンとを有機溶媒中で100℃以下、好ましくは90℃以下の反応温度下で1〜12時間付加重合反応させることにより得られる。
上記テトラカルボン酸二無水物と、上記ジアミンとを反応させる際の溶媒としては、例えば、含窒素系溶剤類(N,N’−ジメチルスルホキシド、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジエチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N,N’−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチレンホスホアミド、N−メチルピロリドン等)、ラクトン類(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等)、脂環式ケトン類(シクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン等)、エーテル類(3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルアセテート等)が挙げられる。これらの中でも、溶解性及び吸水性の観点から、含窒素系溶剤類、脂環式ケトン類がより好ましく、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノンが特に好ましい。これらは、1種を単独又は2種以上混合して使用することができる。
上記テトラカルボン酸二無水物成分と上記ジアミン成分との組合せは、最終的に形成されるポリイミド樹脂からなる硬化膜の耐熱性、機械的特性、電気的特性等を考慮して、上述した成分の中から選択することができる。
アルカリ現像液への溶解性及び硬化膜の特性を良好にする観点から、(A)ポリアミック酸の数平均分子量は、2000〜50000であることが好ましく、3000〜45000であることがより好ましく、4000〜40000であることが特に好ましい。(A)ポリアミック酸の数平均分子量が2000未満では、感光性樹脂組成物の硬化膜の特性が低下する傾向があり、50000を超えると現像液への溶解性が低下し、不溶化する傾向がある。
得られる硬化膜の橋架け密度を向上させるために、ポリアミック酸主鎖へ、アミノ基を3以上有する多価アミン、酸無水物基を3以上有する多価酸無水物、フェノール基を3以上有する多価フェノール及びイソシアネート基を3以上有する多価イソシアネート等の分岐ユニットを導入しても良い。
分岐ユニットとして多価アミン、多価フェノール及び多価イソシアネートを導入する際の導入量は、酸無水物100モルに対して0.1〜60モルであることが好ましく、1〜55モルであることがより好ましく、10〜50モルであることが特に好ましい。多価アミン、多価フェノール及び多価イソシアネートの導入量が0.1モル以下では耐熱性向上効果が不十分となる傾向があり、60モルを超えると現像性及び解像性が低下する傾向がある。
分岐ユニットとして多価酸無水物を導入する際の導入量は、ジアミン100モルに対して0.1〜60モルであることが好ましく、1〜55モルであることがより好ましく、10〜50モルであることが特に好ましい。多価酸無水物の導入量が0.1モル以下では耐熱性向上効果が不十分となる傾向があり、60モルを超えると現像性及び解像性が低下する傾向がある。
一般的に入手可能な多価アミンとしては2,4,6−トリアミノピリジン、メラミン等が挙げられる。
一般的に入手可能な多価フェノールとしては4,4’,4’’−トリヒドロキシフェニルメタン(PHBA、和光純薬社製)等が挙げられる。
一般的に入手可能な多価イソシアネートとしては、スミジュールN3300、デスモジュールRE(商品名、住友バイエルウレタン社製)などが挙げられる。
分岐ユニットとしては、酸無水物との反応が比較的低温で起こり合成が容易である観点、得られる硬化膜の耐熱性を向上させる観点から、PHBAのように3方向にヒドロキシル基を有する化合物や、2,4,6−トリアミノピリジン、メラミンのように3方向にアミノ基を有する化合物など、三次元架橋構造を形成しやすい化合物を用いることが好ましい。
また、熱架橋剤と反応し硬化膜の架橋密度を上昇させ、感光性樹脂硬化膜の耐熱性を向上させるため、(A)ポリアミック酸にアミノフェノールを導入することが好ましい。アミノフェノールは置換基の位置によりo−アミノフェノール、m−アミノフェノール及びp−アミノフェノールが存在する。これらの中でも熱架橋剤と反応するため、立体障害の小さいm−アミノフェノール及びp−アミノフェノールが好ましい。
アミノフェノールを導入する際の導入量は、(A)ポリアミック酸の酸無水物100モルに対して、0.1〜10モルであることが好ましく、1〜8モルであることがより好ましく、2〜5モルであることが特に好ましい。アミノフェノールの導入量が0.1モル未満では耐熱性向上効果が不十分となる傾向があり、10モルを超えると現像性及び解像性が低下する傾向がある。
(A)ポリアミック酸の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して、20〜80質量部であることが好ましく、30〜60質量部であることがより好ましい。この含有量が20質量部未満であると、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、現像性が低下する傾向にあり、含有量が80質量部を超えると、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、解像度が低下したり、低温でのイミド化率が低下する傾向にある。
<(B)成分>
次に(B)成分である光重合性化合物について説明する。
(B)成分としては、一般的な光重合性化合物を特に制限なく使用することができるが、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を使用することが好ましい。エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては特に制限はなく、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、分子内にウレタン結合及びエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、フタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。なお、(B)光重合性化合物は、常法によって合成してもよく、市販のものを入手してもよい。
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。ここで、「EO」とはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有するものを示す。また、「PO」とはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有するものを示す。
ネオペンチルグリコールジアクリレートは、A−NPG(商品名、新中村化学工業(株)社製)として商業的に入手可能であり、ノナンジオールジアクリレートは、FA−129(商品名、日立化成工業(株)製)として商業的に入手可能である。
上記ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を任意に組み合わせて使用される。
このうち、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(商品名、新中村化学工業株式会社製)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(商品名、新中村化学工業株式会社製)として商業的に入手可能である。
上記分子内にウレタン結合及びエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物は、例えば、ジヒドロキシル基とジイソシアネート化合物のイソシアネート基との反応に由来するウレタン結合を有し且つ複数の末端にイソシアネート基を有するウレタン化合物と、ヒドロキシル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物とを縮合反応させることで得ることができる。
入手可能な分子内にウレタン結合及びエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、TMCH−5(商品名、日立化成工業株式会社製)、ヒタロイド9082(商品名、日立化成工業株式会社製)、UA−11、UA−21(商品名、新中村化学工業株式会社製)が挙げられる。
上記グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂及びサリチルアルデヒド型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種類のエポキシ樹脂と、ビニル基含有モノカルボン酸とを反応させて得られる化合物を含むことがより好ましい。本発明の感光性樹脂組成物において、(B)成分は、上記のようなエポキシ樹脂とビニル基含有モノカルボン酸とを反応させて得られる化合物を含むことが好ましい。
上記ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。これらのノボラック型エポキシ樹脂は、各々公知の方法でフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂にエピクロルヒドリンを反応させることで得られる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂の水酸基と、エピクロルヒドリンとを反応させることにより得ることができる。
上記サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂としては、具体的にはFAE−2500、EPPN−501H、EPPN−502H(以上、日本化薬社製、商品名)が挙げられる。
上記ビニル基含有モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸が挙げられる。また、水酸基含有アクリレートと飽和若しくは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物、ビニル基含有モノグリシジルエーテル若しくはビニル基含有モノグリシジルエステルと飽和若しくは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物が挙げられる。これら半エステル化合物は、水酸基含有アクリレート、ビニル基含有モノグリシジルエーテル若しくはビニル基含有モノグリシジルエステルと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物とを等モル比で反応させることで得られる。これらビニル基含有モノカルボン酸は、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記半エステル化合物の合成に用いられる水酸基含有アクリレート、ビニル基含有モノグリシジルエーテル、ビニル基含有モノグリシジルエステルとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスルトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールペンタメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが挙げられる。
上記半エステル化合物の合成に用いられる飽和若しくは不飽和二塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸が挙げられる。
上記エポキシ樹脂とビニル基含有モノカルボン酸との反応において、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、ビニル基含有モノカルボン酸が0.8〜1.05当量となる比率で反応させることが好ましく、更に好ましくは0.9〜1.0当量である。
また、必要に応じてビニル基含有モノカルボン酸と、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の多塩基酸無水物とを併用することができる。
(B)成分は、上記エポキシ樹脂と、ビニル基含有モノカルボン酸を反応させて得られるビニル基含有エポキシ樹脂に加え、このビニル基含有エポキシ樹脂に飽和又は不飽和基含有多塩基酸無水物を反応させて得られる樹脂を含んでいても良い。
多塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸が挙げられる。
飽和若しくは不飽和基含有多塩基酸無水物と、ビニル基含有エポキシ樹脂との反応において、水酸基1当量に対して、飽和若しくは不飽和基含有多塩基酸無水物を0〜1.0当量反応させることで、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂を得ることができる。
酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂の酸価は150mgKOH/g以下であることが好ましく、100mgKOH/g以下であることがより好ましく、70mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。酸価が150mgKOH/gを超えると、現像時に膜が膨潤する又は膜の吸水率が増加する傾向がある。
入手可能な酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂を有する光重合性化合物としては、例えば、ヒタロイド7661(日立化成工業社製、商品名)、KAYARAD CCR−1159(日本化薬社製、商品名)、KAYARAD TCR−1310(日本化薬社製、商品名)が挙げられる。
これらの中でも、(B)成分としては、(A)ポリアミック酸との相溶性、現像液への溶解性、及び硬化膜の耐熱性の観点から、ビニル基を含有する酸変性ノボラック樹脂であるヒタロイド7661が好ましい。これらは1種単独で用いても2種以上併用して用いても良い。
感光性樹脂組成物において、(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部を基準として、20〜80質量部であることが好ましく、30〜70質量部であることがより好ましく、35〜65質量部であることがさらに好ましい。この含有量が20質量部未満では、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、解像度が低下したり、低温でのイミド化率が低下したりする傾向にあり、含有量が80質量部を超えると、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、現像性が低下する傾向にある。
<(C)成分>
(C)成分である熱架橋剤は、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含むものである。(C)成分として、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含む感光性樹脂組成物及び感光性エレメントは、感度の低下が小さく、耐熱性に優れる。

[式(1)中、2つのYは各々独立に水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基又はその一部に酸素原子若しくはフッ素原子を含んでいる基を示し、R及びRは各々独立に水素原子又は1価の有機基を示し、R及びRは各々独立に炭素数1〜10のアルキル基を示し、m1及びn1は各々独立に1〜3の整数を示し、p及びqは各々独立に1〜3の整数を示す。pが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、qが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、m1が2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、n1が2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
上記一般式(1)で表される構造を有する化合物の中でも、感度とワニスの安定性、加えてパターン形成後の膜の硬化時に、膜の溶融を防ぐことができる点で、分子内に2個以上のアルコキシメチル基を有する化合物がより好ましい。
具体的には、Yとして酸素原子を含むものとしてはアルキルオキシ基等があり、フッ素原子を含むものとしてはパーフルオロアルキル基等がある。また、R〜Rの1価の有機基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基などの炭化水素基が典型的な例として例示されるが、これらに限定されるものではない。
一般的に入手可能な上記一般式(1)で表される化合物としては、DMOM、DML−MBOC(商品名、本州化学社製)などが挙げられる。
また、(C)熱架橋剤は、上記一般式(1)で表される化合物以外の他の熱架橋剤を含んでいてもよい。他の熱架橋剤としては、加熱により架橋するものであれば特に制限はないが、具体的には、エチニル基、ビニル基、メチロール基、メトキシメチロール基などの基を1〜6個有した化合物、またはベンゾオキサジン化合物を挙げることができる。中でも感度とワニスの安定性、加えてパターン形成後の膜の硬化時に、膜の溶融を防ぐことができる点で、分子内に2個以上のアルコキシメチル基を有する化合物がより好ましい。
感光性樹脂組成物において(C)成分の含有量は(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部を基準として、5〜18重量部であることが好ましく、5.6〜16重量部であることがより好ましく、6〜13重量部がさらに好ましい。この含有量が5質量部未満では耐熱性が低下する傾向にあり、含有量が18重量部を超えると(C)成分と感光性樹脂組成物との相溶性が低下し、配合後に粉末の析出が起こる。
(C)成分の架橋反応を促進するために、酸触媒あるいは熱により酸を発生する化合物を併用しても良い。触媒として用いる酸としては強酸が好ましく、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸のようなアリールスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸のようなパーフルオロアルキルスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸のようなアルキルスルホン酸が望ましい。熱により上記酸を発生する化合物は、オニウム塩として塩の形やイミドスルホナートのような共有結合の形で本発明の感光性樹脂組成物に添加される。中でも熱分解開始温度が50℃〜270℃であるものが望ましい。具体的には、熱重量分析(TG)で測定される1%重量減少温度が50℃〜270℃、あるいは5%重量減少温度が60℃〜300℃であるものが望ましい。さらには、熱分解開始温度が140℃〜250℃であるものがプリベーク時の際に酸が発生せず、感光特性等に悪影響を与える可能性がないのでより好ましい。具体的には、熱重量分析(TG)で測定される1%重量減少温度が140℃〜250℃、あるいは5%重量減少温度が170℃〜265℃であるものが望ましい。これらの酸触媒あるいは熱により酸を発生する化合物を用いる場合は、(a)成分100重量部に対して、10重量部以下が好ましく、5重量部以下がより好ましい。添加量が多い場合には、プリベーク時の熱分解による影響が無視できない恐れがある。
<(D)成分>
(D)成分である光重合開始剤は、活性光により遊離ラジカルを生成するものであれば特に制限はなく、例えば、芳香族ケトン、キノン類、ベンゾインエーテル化合物、ベンジル誘導体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、アクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、オキシムエステル誘導体、クマリン系化合物が挙げられる。
芳香族ケトンとしては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(すなわちミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オンが挙げられる。
キノン類としては、例えば、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノンが挙げられる。
ベンゾインエーテル化合物としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルが挙げられる。市販で入手可能なものとしては、イルガキュア−369、イルガキュア−907(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名)が挙げられる。
ベンジル誘導体としては、例えば、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタールが挙げられる。市販で入手可能なものとしては、ベンジルジメチルケタールであるイルガキュア−651(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名)が挙げられる。
2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体としては、例えば、2−(2−クロロフェニル)−1−〔2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニル−1,3−ジアゾール−2−イル〕−4,5−ジフェニルイミダゾール等の2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体が挙げられる。
アクリジン誘導体としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタンが挙げられる。
ホスフィンオキサイド誘導体としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドが挙げられる。市販で入手可能なものとしては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドであるダロキュア−TPO(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名)が挙げられる。
オキシムエステル誘導体としては、例えば、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)−1,2−オクタンジオンが挙げられる。
(D)光重合開始剤は、常法によって合成してもよく、市販のものを入手してもよい。市販で入手可能な(D)光重合開始剤としては、例えば、ダロキュア−TPO、イルガキュア−369、イルガキュア−907、イルガキュア−651、イルガキュア−819、イルガキュア−OXE−01(以上、いずれもチバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名)が挙げられる。
上述した(D)光重合開始剤の中でも、特にイルガキュア−651及びイルガキュア−OXE−01が、感度及び溶剤との相溶性を良好にできる観点から好ましい。上記(D)光重合開始剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(D)光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、1〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましく、2.5〜8質量%であることが特に好ましい。(D)光重合開始剤の含有量が上記範囲を外れると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、感光性樹脂組成物の感度が低下したり、相溶性が低下したりする傾向にある。
<その他の成分>
((E)増感剤)
また、本発明の感光性樹脂組成物には、更に(E)増感剤を加えることができる。(E)増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’−カルボニルビス(ジエチルアミノクマリン)等が挙げられる。(E)増感剤としては、感光性樹脂組成物の感度、及び、溶剤との相溶性等の観点から、クマリン類が好ましく、クマリン102(アクロス社製、商品名)が特に好ましい。(E)増感剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用される。
感光性樹脂組成物における(E)増感剤の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として0.1〜1質量%であることが好ましい。(E)増感色素の含有量が上記範囲を外れると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、感光性樹脂組成物の感度が低下したり、溶剤との相溶性が低下したりする傾向がある。
(接着助剤)
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、感光性樹脂組成物と基板との接着性を向上させるために、接着助剤を添加してもよい。接着助剤としては、例えば、γ−グリシドキシシラン、アミノシラン、γ−ウレイドシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。一般的に入手可能な接着助剤としては、KBM−503(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン社製、商品名)、AY−43031(γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、東レダウ社製、商品名)が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種類以上を併用しても良い。
(溶媒)
本発明の感光性樹脂組成物は、上述した(A)ポリアミック酸、(B)光重合性化合物、(C)熱架橋剤及び(D)光重合開始剤と、必要に応じて用いられる(E)増感剤や、接着助剤とを、溶媒とともに混合することにより得ることができる。
このときに用いられる溶媒としては特に制限されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトンが挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で又は2種以上の混合物として用いられる。
以上のようにして得られる本発明の感光性樹脂組成物は、吸水性が十分に低く、アルカリ現象可能であり、且つ高い耐熱性を有することが可能である。また、形成される硬化体は、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜として用いることができる。
[パターン形成方法]
本発明の感光性樹脂組成物を用いて硬化体(硬化膜)を形成する方法について説明する。
まず、上記感光性樹脂組成物を基板上に塗布する。基板としては、シリコン、アルミナセラミック、ガラス、ガラスセラミック、窒化アルミ、半導体を形成した基板等が用いられる。塗布方法としては、例えば、スピンナーを用いた回転塗布、スプレー塗布、浸漬、ロールコーティングなどの方法が挙げられるが、これらに限定されない。
塗布膜厚は、塗布手段、感光性樹脂組成物の固形分濃度及び粘度等によって異なる。層間絶縁膜用途としては、乾燥後の被膜(感光性樹脂組成物層)の膜厚が1〜300μmであることが好ましく、15〜150μmであることがより好ましく、20〜100μmであることが特に好ましい。乾燥後の被膜の膜厚が1〜300μmになるようにするためには、本発明の感光性樹脂組成物を溶剤で溶解させ、粘度を1〜50Pa・sに調節することが好ましく、20〜40Pa・sに調節することがより好ましい。また、感光性樹脂組成物の固形分濃度は、20〜80質量%にすることが好ましく、30〜70質量%にすることがより好ましい。得られる被膜の膜厚が300μmを超えると、解像度が低下する傾向がある。
次に、感光性樹脂組成物を塗布した基板を乾燥して、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を得る。乾燥は、オーブン、ホットプレート等を使用し、60〜120℃の範囲で1分〜1時間行うことが好ましい。
次に、この感光性樹脂組成物層上に必要に応じて所望のパターンを有するマスクを置き、それを介して活性光線を照射して露光する。露光に用いられる活性光線としては、紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられる。これらの中でも特に、紫外線、可視光線が好ましい。
露光後に、現像液を用いて未露光部を除去することにより、パターンを形成することができる。ここで、現像液としては、N−メチルピロリドン、エタノールのような有機溶媒、または炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド等のアルカリ水溶液を使用することができる。これらの中でも、金属性イオン化合物が少ないことから、感光性樹脂組成物の現像には、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを用いることが好ましい。
また、現像後、必要に応じて、水、又は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールでリンスする。
更に、現像後、キュアすることにより、感光性樹脂組成物からなる硬化体を得ることができる。現像後のキュアでは、加熱温度を適宜調節することが好ましく、例えば、段階的に昇温しながら1〜2時間実施することが好ましい。加熱温度は、120〜225℃の間で調節することが好ましい。具体的には、現像後、例えば、120℃、150℃、180℃で各20分間熱処理した後、225℃で40分間熱処理を行うことで光硬化後のパターンを更に熱硬化させ、目的とする硬化体を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物により形成した硬化体は、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜として有用である。
[感光性エレメント]
本発明の感光性樹脂組成物は、支持体上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層が形成された感光性エレメントの形態で用いることもできる。
図1は、本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示した感光性エレメント1は、支持体10と、支持体10上に設けられた感光性樹脂組成物層14と、で構成される。感光性樹脂組成物層14は、上述した本発明の感光性樹脂組成物からなる層である。また、本発明の感光性エレメント1は、感光性樹脂組成物層14上の支持体10とは反対側の面F1を保護フィルムで被覆してもよい。
感光性樹脂組成物層14は、本発明の感光性樹脂組成物を上記溶剤又は混合溶剤に溶解して固形分30〜70質量%程度の溶液とした後に、かかる溶液を支持体10上に塗布して形成することが好ましい。
感光性樹脂組成物層14の厚みは、用途により異なるが、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶剤を除去した乾燥後の厚みで、10〜100μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましい。
感光性エレメント1が備える支持体10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムなどが挙げられる。
支持体10の厚みは、5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
上述したような支持体10と感光性樹脂組成物層14との2層からなる感光性エレメント1又は支持体10と感光性樹脂組成物層14と保護フィルムとの3層からなる感光性エレメントは、例えば、そのまま貯蔵してもよく、又は保護フィルムを介在させた上で巻芯にロール状に巻き取って保管することができる。
上述したパターン形成工程において感光エレメント1を用いる場合、感光性樹脂組成物層14が基板と接するように感光エレメント1を配置し、活性光線を感光性樹脂組成物層14の所定の部分に照射して、感光性樹脂組成物層14に光硬化部を形成させた後、支持体10を剥離し、現像することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、以下の合成例1〜4で調製したポリアミック酸の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算して求めた。GPCの測定条件は以下の通りである。
(GPC条件)
ポンプ:日立 L−6000型(日立製作所社製、商品名)
検出器:日立 L−3300型RI(日立製作所社製、商品名)
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5(計2本)(以上、日立化成工業社製、商品名)
溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)/THF(テトラヒドロフラン)(質量比1/1)
流量:1mL/分
(合成例1)
300mLの4つ口セパラブルフラスコに4,4’,4’’−トリヒドロキシフェニルメタン(PHBA)を1.12g(0.004mmol)、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート)二無水物(DBTA)10.00g(0.019mol)及びN−メチルピロリドン5.69gを加えて80℃で15分攪拌した。次にバーサミン551(商品名、[3,4−ビス(1−アミノヘプチル)−6−ヘキシル−5−(1−オクテニル)]シクロヘキセン、コグニスジャパン社製)を4.79g(0.009mol)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(DDS)1.05g(0.004mol)を加えて60℃で3時間攪拌した。次にp−アミノフェノール(PAP)0.104g(0.001mol)及びN−メチルピロリドン5.69gを加えて80℃で1時間攪拌し、ポリアミック酸のN−メチルピロリドン溶液を得た。得られた溶液中の固形分は40質量%であり、ポリアミック酸の重量平均分子量は13000であった。
(合成例2)
300mLの4つ口セパラブルフラスコに1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート)二無水物(DBTA)10.00g(0.019mol)、バーサミン551(商品名、[3,4−ビス(1−アミノヘプチル)−6−ヘキシル−5−(1−オクテニル)]シクロヘキセン、コグニスジャパン社製)を6.78g(0.012mol)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(DDS)1.49g(0.006mol)及びN−メチルピロリドン18.37gを加えて60℃で3時間攪拌した。次にp−アミノフェノール(PAP)0.104g(0.001mol)を加えて80℃で1時間攪拌し、ポリアミック酸のN−メチルピロリドン溶液を得た。得られた溶液中の固形分は55質量%であり、ポリアミック酸の重量平均分子量は27000であった。
(合成例3)
300mLの4つ口セパラブルフラスコにDDI(商品名、[3,4−ビス(1−イソシアン酸ヘプチル)−6−ヘキシル−5−(1−オクテニル)]シクロヘキセン、コグニスジャパン社製)0.62g(0.001mol)、4,4’,4’’−トリヒドロキシフェニルメタン(PHBA)0.100g(0.0003mol)及びシクロヘキサノン17gを加えて150℃で20分間攪拌した。次に、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート)二無水物(DBTA)10.00g(0.019mol)を加えて150℃で20分間攪拌し、60℃まで冷却した。次にバーサミン551(商品名、[3,4−ビス(1−アミノヘプチル)−6−ヘキシル−5−(1−オクテニル)]シクロヘキセン、コグニスジャパン社製)を5.14g(0.009mol)及び4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(DDS)を1.25g(0.005mol)加えて60℃で3時間攪拌した。次にp−アミノフェノール(PAP)0.42g(0.004mol)を加えて80℃で1時間攪拌し、ポリアミック酸のシクロヘキサノン溶液を得た。得られた溶液中の固形分は50質量%であり、ポリアミック酸の重量平均分子量は13000であった。
(合成例4)
300mLの4つ口セパラブルフラスコにDDI(商品名、[3,4−ビス(1−イソシアン酸ヘプチル)−6−ヘキシル−5−(1−オクテニル)]シクロヘキセン、コグニスジャパン社製)2.18g(0.004mol)、4,4’,4’’−トリヒドロキシフェニルメタン(PHBA)0.35g(0.001mol)及びシクロヘキサノン20gを加えて150℃で20分間攪拌した。次に、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート)二無水物(DBTA)10.00g(0.019mol)を加えて150℃で20分間攪拌し、60℃まで冷却した。次にバーサミン551(商品名、[3,4−ビス(1−アミノヘプチル)−6−ヘキシル−5−(1−オクテニル)]シクロヘキセン、コグニスジャパン社製)を8.09g(0.015mol)を加えて60℃で3時間攪拌した。次にp−アミノフェノール(PAP)0.10g(0.001mol)を加えて80℃で1時間攪拌し、ポリアミック酸のシクロヘキサノン溶液を得た。得られた溶液中の固形分は50質量%であり、ポリアミック酸の重量平均分子量は13000であった。
(実施例1〜5、比較例1〜5)
上記各合成例で合成した(A)ポリアミック酸の溶液と、(B)光重合性化合物、(C)熱架橋剤、(C)光重合開始剤、及び接着助剤を、各々下記表2に示した配合割合で混合し、実施例1〜5及び比較例1〜5の感光性樹脂組成物の溶液を得た。なお、表2中の数字は固形分の質量部を示している。また、表2中の各成分は、以下に示すものである。
ヒタロイド7661(商品名、酸変性フェノールノボラック型エポキシアクリレート、日立化成工業株式会社製)、
I−OXE−01(商品名、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)、チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製]
DMOM(商品名、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−メトキシメチルフェノール)、本州化学株式会社製)
DML−MBOC(商品名、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メタン、本州化学社製)
MX−290(商品名、N,N’−ビス(メトキシメチル)尿素、三和ケミカル社製)
MX−270(商品名、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコウリル、三和ケミカル社製)
MW−30−HM(商品名、2,4,6−トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、三和ケミカル社製)
TML−pp−BPF(商品名、4,4‘−メチレンビス[2,6−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール]本州化学社製)
AY−43031(商品名、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、東レダウ社製)
KBM−503(商品名、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン社製)
なお、「DMOM」、「DML−MBOC」、「MX−290」、「MX−270」、「MW−30−HM」、及び「TML−pp−BPF」は各々、下記化学式(13)〜(18)で表される構造を有する化合物である。





実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた感光性樹脂組成物について、以下に示す方法で、相溶性、溶解性、現像性及びPCT耐性(吸水率及び耐熱性)の評価を行った。その結果を表2に示す。
<相溶性評価>
上記各合成例で合成した(A)ポリアミック酸の溶液と、(B)光重合性化合物、(C)熱架橋剤、(D)光重合開始剤、及び接着助剤を、各々下記表2に示した配合割合で混合し、あわとり練太郎ARE−250(株式会社シンキー製)を用いて攪拌・脱泡を行い、感光性樹脂組成物溶液とした後に外観を観察した。この感光性樹脂組成物の溶液をスピンコーターを用いてシリコン基板上に乾燥後の膜厚が70μmになるように均一に塗布し、110℃のホットプレートで5分間乾燥し、外観を観察した。
○:外観観察時に熱架橋剤の沈殿、又は濁りが無い。
×:外観観察時に熱架橋剤の沈殿、又は濁りがある。
<現像液溶解性評価>
上記配合の感光性樹脂組成物の溶液を、スピンコーターを用いてシリコン基板上に均一に塗布し、110℃のホットプレートで5分間乾燥した。乾燥後の膜厚70μmの感光性樹脂組成物層へ2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を滴下し、膜が完全に溶解するのにかかる時間を測定し、下記式(b)により溶解速度を求めた。この溶解速度から、下記の評価基準により溶解性を評価した。
溶解速度(nm/sec)=膜厚(nm)/溶解時間(sec) …(b)
○:溶解速度500nm/sec以上
×:溶解速度500nm/sec未満
<現像性評価>
露光量500mJ/cmで露光した上記感光性樹脂組成物層を、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液に未露光部が完全に溶解するまで浸漬した際の露光部の膜厚より、残膜率を下記式(c)により求めた。この残膜率から、下記の評価基準により現像性を評価した。
残膜率(%)=(現像後の露光部の膜厚(μm)/初期膜厚(μm))×100 …(c)
◎:残膜率80%以上
○:残膜率20%以上80%未満
×:残膜率20%未満
<PCT耐性評価>
上記配合の感光性樹脂組成物の溶液を、アプリケーターを用いて、シリコンウエハに均一に塗布し、110℃のホットプレートで10分間乾燥することで、乾燥後の膜厚40μmの感光性樹脂組成物層を得た。この感光性樹脂組成物層に対し、ウシオ電機社製のプロキシミティー露光機(商品名:UX−1000SM)を用いて露光量600mJ/cmで露光を行い、光硬化させた。その後、120℃で40分間加熱硬化させ、200℃で60分加熱硬化させた。
得られた硬化膜をウエハごと平山製作所製プレッシャークッカー試験機により120℃、2気圧、100%RHの高温高湿条件下に置き、24時間ごとに硬化膜を観察した。下記評価基準に基づき、24時間後でも「OK」の状態が維持された場合には試験を継続して行い、その状態が維持された時間を測定した。一方、24時間後に「NG」の状態になった場合には、「24h NG」とした。
OK:小さな水滴痕のみ見られ、大きな変化なし
NG:硬化膜に剥離、膨潤、白濁、水泡のいずれか1つでも見られる
本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
1…感光性エレメント、10…支持体、14…感光性樹脂組成物層。

Claims (7)

  1. (A)主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖又は脂環式骨格を有するポリアミック酸と、
    (B)光重合性化合物と、
    (C)熱架橋剤と、
    (D)光重合開始剤と、
    を含有し、
    前記(C)熱架橋剤が下記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含む、感光性樹脂組成物。

    [式(1)中、2つのYは各々独立に水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基又はその一部に酸素原子若しくはフッ素原子を含んでいる基を示し、R及びRは各々独立に水素原子又は1価の有機基を示し、R及びRは各々独立に炭素数1〜10のアルキル基を示し、m1及びn1は各々独立に1〜3の整数を示し、p及びqは各々独立に1〜3の整数を示す。pが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、qが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、m1が2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、n1が2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
  2. 前記(A)主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖又は脂環式骨格を有するポリアミック酸が、下記一般式(2)で表される構造を有する、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。

    [式(2)中、Arは4価の有機基を示し、Arは2価の有機基を示し、kは1以上の整数を示す。ただし、Ar及び/又はArは主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖を含む。]
  3. 前記Arが、下記一般式(3)で表される基である、請求項2に記載の感光性樹脂組成物。

    [式(3)中、Xは炭素数5〜20のアルキレン基を示し、R及びRは各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、m2及びn2は各々独立に1〜3の整数を示す。m2が2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、n2が2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
  4. 前記Arが、下記一般式(4)で表される2価の基である、請求項2又は3に記載の感光性樹脂組成物。

    [式(4)中、Zは単結合又は2価の有機基を示し、Y及びYは各々独立に炭素数5〜20のアルキレン基を示す。]
  5. 前記Zが、下記一般式(5)、(6)又は(7)のいずれかで表される2価の基である、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。



    [式(5)、(6)及び(7)中、R、R及びRは各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、r、s及びtは各々独立に1〜4の整数を示す。rが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、sが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、tが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
  6. 前記(B)光重合性化合物が、エポキシ樹脂とビニル基含有モノカルボン酸とを反応させて得られる化合物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメント。
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