JP2010139585A - 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板、及び液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板、及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学異方性層の表面が充分に平滑であり、その欠陥の発生が抑制され、さらに、光学異方性層とその下層との密着性が充分に高い、光学異方性層中の液晶化合物が垂直配向された光学補償性能に優れた光学フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】透明性フィルム基材11と、透明性フィルム基材11上に形成された機能層12とを備え、機能層12が、透明性フィルム基材11に近い側の活性線硬化樹脂層13と透明性フィルム基材11から遠い側の光学異方性層14とを積層したものを含み、光学異方性層14が、分子内に棒状のメソゲン基を有する液晶化合物及び25℃における動粘度が100mm/s以上1000mm/s以下のポリエーテル基を有するポリシロキサン化合物を含有し、このメソゲン基が、その長軸方向を透明性フィルム基材の面方向に略垂直となるように配向させた後、配向が固定化されている光学フィルムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルム、前記光学フィルムの製造方法、前記光学フィルムを透明保護フィルムとして用いた偏光板、及び前記偏光板を備えた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、例えば、視野角特性等の光学特性を改善するために、光学補償性能を有する光学フィルムが使用されている。このような光学フィルムとしては、延伸処理を施すことによって、所望の複屈折性に調整可能な樹脂フィルムが主に使用されてきた。
一方、液晶表示装置は、大画面化が進み、光学フィルムの視野角特性等の光学特性のさらなる改善が求められている。さらに、液晶表示装置は、その使用分野が多様化しており、屋内での利用にとどまらず、屋外で利用されることも増えてきている。具体的には、例えば、液晶表示装置に映像や情報を表示することによって、ポスター等の代わりに広告媒体として働く、すなわち、デジタルサイネージとして使用される場合等が挙げられる。このような場合、液晶表示装置は、例えば、炎天下や高温高湿下等の劣悪な環境下で使用されることもあり、使用される光学フィルムとしては、このような劣悪な環境下であっても、優れた光学補償性能を有するものが求められている。
このような光学フィルムとしては、例えば、上記のような、延伸処理を施すことによって得られたものであると、フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度付近まで加熱されると、光学補償性能等が急激に低下することが知られている。これに対して、液晶化合物を含有する光学異方性層を備えた光学フィルムは、耐熱性が高く、さらに複屈折率が高いことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。よって、液晶化合物を含有する光学異方性層を備えた光学フィルムは、優れた光学補償性能を有し、さらに、上記のような劣悪な環境下であっても、その優れた光学補償性能の低下が抑制できるものとして、種々の検討がなされてきた。具体的には、例えば、液晶化合物を含有する光学異方性層を形成させるためには、液晶化合物を配向させる工程と、その配向性を固定する工程とが必要であり、それらの工程等について検討されてきた。
上記のような検討がなされたものとしては、具体的には、例えば、下記特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1には、配向能を有する基材上に、重合性液晶材料を含む塗工液を塗布して塗膜を形成する工程、前記塗膜を加熱して配向させる工程、前記塗膜を冷却した後、その冷却状態を所定時間、保持する工程、及び前記塗膜に電離放射線を照射して硬化させる工程を備えた製造方法により得られる光学素子(光学フィルム)が記載されている。このような製造方法によって得られた光学フィルムとしては、液晶分子が水平配向やハイブリッド配向された層が形成されており、その層内に、異物の混入が少ないので、透明性の高い光学フィルムが得られることが開示されている。
このように、液晶分子を水平配向やハイブリッド配向させる際には、配向能を有する基材、例えば、ポリイミド等を含有する有機薄膜等を布等で一方向にこするラビング処理を施したもの、いわゆる水平配向膜が必要であることが知られている。
これに対して、液晶分子を垂直配向させる際には、液晶分子の構造による寄与が大きく、配向膜等を必要としない、いわゆるラビングレスであってもよいことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。そこで、垂直配向する液晶分子を用いたものとしては、具体的には、例えば、下記特許文献2に記載のものが挙げられる。特許文献2には、ホメオトロピック配向(垂直配向)する液晶化合物とアクリレート重合体とを含有する液晶性組成物を基材上に塗布し、前記液晶化合物をホメオトロピック配向させた後に、その配向を固定させることによって、複屈折層(光学異方性層)が形成されることが記載されている。
特開2005−55486号公報 特開2008−158310号公報 長谷部浩史、「重合性液晶による光学フィルムと応用」、月刊機能材料、株式会社シーエムシー出版、2007年4月号、第27巻、第4号、p.28−33
液晶分子を垂直配向させて光学異方性層を形成する場合、上述したように、垂直配向させるためには、配向膜等を必ずしも必要とはしなかった。
しかしながら、液晶分子を垂直配向させるためには、液晶分子の構造による寄与が大きかったため、液晶分子を配向させる配向工程に比較的長時間要するという問題があった。さらに、配向工程に長時間要すること等により、その配向の均一性が低い、いわゆる配向むらが発生しやすく、配向むらが発生した場合、その配向むらに伴う位相差むらが発生するという問題もあった。
また、配向膜を用いて光学異方性層を形成した場合、光学異方性層と、前記光学異方性層の下層である配向膜との密着性が高くなく、例えば、高温高湿下等の劣悪な環境下においては、光学異方性層と配向膜との密着性が充分ではなかった。
特許文献2によれば、液晶性組成物にアクリレート重合体を含むことにより、塗工むらに起因する複屈折層(光学異方性層)の厚みむらが顕著に低減されることが開示されている。
しかしながら、特許文献2では、光学異方性層の厚みが1.1μmと薄い場合しか、検討されておらず、実際には、複屈折率を調整するために光学異方性層を厚膜化した場合、前記液晶性組成物を塗布した塗布層の均一化を図ることが困難であり、例えば、得られた光学異方性層の厚みむら等の発生を充分に抑制することが困難であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、光学異方性層の表面が充分に平滑であり、また、光学異方性層を形成する際に、光学異方性層形成用組成物がはじくこと等による光学異方性層の欠陥の発生が抑制され、さらに、光学異方性層とその下層との密着性が充分に高い、光学異方性層中の液晶化合物が垂直配向された光学補償性能に優れた光学フィルムを提供することを目的とする。また、前記光学フィルムの製造方法、前記光学フィルムを透明保護フィルムとして用いた偏光板、及び前記偏光板を備えた液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る光学フィルムは、透明性フィルム基材と、前記透明性フィルム基材上に形成された機能層とを備え、前記機能層が、前記透明性フィルム基材に近い側の活性線硬化樹脂層と前記透明性フィルム基材から遠い側の光学異方性層とを積層したものを含み、前記光学異方性層が、分子内に棒状のメソゲン基を有する液晶化合物及び25℃における動粘度が100mm/s以上1000mm/s以下のポリエーテル基を有するポリシロキサン化合物を含有し、前記メソゲン基が、その長軸方向を前記透明性フィルム基材の面方向に略垂直となるように配向させた後、前記配向が固定化されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、光学異方性層の表面が充分に平滑であり、また、光学異方性層を形成する際に、光学異方性層形成用組成物がはじくこと等による光学異方性層の欠陥の発生が抑制され、さらに、光学異方性層とその下層との密着性が充分に高い、光学異方性層中の液晶化合物が垂直配向された光学補償性能に優れた光学フィルムを提供することができる。
このことは、以下のことによると推察される。
前記ポリシロキサン化合物が含有されていることによって、前記光学異方性層を形成する際、前記活性線硬化樹脂層上に塗布された光学異方性層形成用組成物が好適に濡れ広がるので、形成された光学異方性層の表面が充分に平滑になると考えられる。そして、前記ポリシロキサン化合物が含有されていることによって、前記活性線硬化樹脂層上に存在する異物等によって、光学異方性層形成用組成物がはじかれること等が抑制され、形成された光学異方性層に、そのはじき等による欠陥が発生することが抑制されると考えられる。
また、前記光学異方性層と前記透明性フィルム基材との間に、前記活性線樹脂層を介することによって、前記透明性フィルム基材中の成分が、前記活性線硬化層上に塗布された光学異方性層形成用組成物に溶出され移行することを抑制することができるので、前記透明性フィルム基材中の成分、例えば、セルロースエステル樹脂による前記液晶化合物の配向性の低下が抑制されると考えられる。
また、前記光学異方性層は、前記活性線硬化樹脂層と密着しやすく、前記光学異方性層が下層である前記活性線硬化樹脂層との密着性が高まると考えられる。
したがって、上記の構成によれば、光学異方性層に含有されている液晶化合物のメソゲン基が、その長軸方向を前記透明性フィルム基材の面方向に略垂直となるように垂直配向された、光学補償性能に優れた光学フィルムであって、光学異方性層の表面が充分に平滑であり、また、光学異方性層を形成する際に、光学異方性層形成用組成物がはじくこと等による光学異方性層の欠陥の発生が抑制され、さらに、光学異方性層とその下層との密着性が充分に高い光学フィルムが得られると考えられる。よって、高温高湿下等の劣悪な環境下においても、優れた光学補償性能を維持できる光学フィルムが得られると考えられる。
また、前記活性線硬化樹脂層が、活性線硬化樹脂とセルロースエステル樹脂とを含有し、前記セルロースエステル樹脂の含有量が、前記活性線硬化樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましい。この構成によれば、液晶化合物の配向性を阻害することなく、光学異方性層とその下層との密着性のより高い光学フィルムが得られる。
また、前記ポリシロキサン化合物の含有量が、前記液晶化合物100質量部に対して、0.1〜0.5質量部であることが好ましい。この構成によれば、光学異方性層の表面がより平滑であって、また、光学異方性層の形成時に発生する、光学異方性層形成用組成物のはじき等による光学異方性層の欠陥の発生がより抑制された光学フィルムが得られる。
また、前記光学異方性層の厚みが、1.2〜3μmであることが好ましい。このような厚みの光学異方性層であると、一般的に、前記活性線硬化樹脂層上に塗布された光学異方性層形成用組成物の厚みを均一化することが困難であり、例えば、得られた光学異方性層の厚みむら等の発生を充分に抑制することが困難であるが、上記の光学フィルムであれば、このような厚みの光学異方性層であっても、光学異方性層の表面がより平滑であって、また、光学異方性層の形成時に発生する、光学異方性層形成用組成物のはじき等による光学異方性層の欠陥の発生が抑制された光学フィルムを得ることができる。
また、本発明の他の一態様に係る光学フィルムの製造方法は、透明性フィルム基材上に、活性線硬化性化合物を含有する活性線硬化樹脂層形成用組成物を塗布する工程と、前記活性線硬化樹脂層形成用組成物に活性線を照射して、活性線硬化樹脂層を形成する工程と、前記活性線硬化樹脂層上に、分子内に棒状のメソゲン基を有する重合性液晶化合物と25℃における動粘度が100mm/s以上1000mm/s以下のポリエーテル基を有するポリシロキサン化合物とを含有する光学異方性層形成用組成物を塗布する工程と、前記光学異方性層形成用組成物を加熱することによって、前記メソゲン基を配向させる配向工程と、配向されたメソゲン基を固定させることによって、光学異方性層を形成する固定化工程とを備えることを特徴とするものである。
この構成によれば、光学異方性層の表面が充分に平滑であり、また、光学異方性層を形成する際に、光学異方性層形成用組成物がはじくこと等による光学異方性層の欠陥の発生が抑制され、さらに、光学異方性層とその下層との密着性が充分に高い、光学異方性層中の液晶化合物が垂直配向された光学補償性能に優れた光学フィルムを容易に製造することができる。
また、前記固定化工程が、前記光学異方性層形成用組成物を冷却した後、前記光学異方性層形成用組成物に活性線を照射して、前記光学異方性層形成用組成物を硬化させる工程であることが好ましい。
この構成によれば、前記固定化工程を容易に行うことができ、よって、前記光学フィルムをより容易に製造することができる。
また、本発明の他の一態様に係る偏光板は、偏光素子と、前記偏光素子の少なくとも一方の表面上に配置された透明保護フィルムとを備える偏光板であって、前記透明保護フィルムが、前記光学フィルムであることを特徴とするものである。
この構成によれば、偏光素子の透明保護フィルムとして、光学補償性能等に優れた前記光学フィルムが適用されているので、光学補償性能等に優れた偏光板が得られる。
また、本発明の他の一態様に係る液晶表示装置は、液晶セルと、前記液晶セルを挟むように配置された2枚の偏光板とを備える液晶表示装置であって、前記2枚の偏光板のうち少なくとも一方が、前記偏光板であることを特徴とするものである。
この構成によれば、光学補償性能等に優れた偏光板が用いられているので、液晶表示装置の視野角特性等の光学特性を改善することができる。したがって、液晶表示装置の高精細化を実現できる。
本発明によれば、光学異方性層の表面が充分に平滑であり、また、光学異方性層を形成する際に、光学異方性層形成用組成物がはじくこと等による光学異方性層の欠陥の発生が抑制され、さらに、光学異方性層とその下層との密着性が充分に高い、光学異方性層中の液晶化合物が垂直配向された光学補償性能に優れた光学フィルムを提供することできる。また、前記光学フィルムの製造方法、前記光学フィルムを透明保護フィルムとして用いた偏光板、及び前記偏光板を備えた液晶表示装置が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[光学フィルム]
本発明の一実施形態に係る光学フィルムは、透明性フィルム基材と、前記透明性フィルム基材上に形成された機能層とを備え、前記機能層が、前記透明性フィルム基材に近い側の活性線硬化樹脂層と前記透明性フィルム基材から遠い側の光学異方性層とを積層したものを含み、前記光学異方性層が、分子内に棒状のメソゲン基を有する液晶化合物及び25℃における動粘度が100mm/s以上1000mm/s以下のポリエーテル基を有するポリシロキサン化合物を含有し、前記メソゲン基が、その長軸方向を前記透明性フィルム基材の面方向に略垂直となるように配向させた後、前記配向が固定化されていることを特徴とするものである。
前記光学フィルムとしては、上記構成を備えるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、図1に示す層構造を備える光学フィルム10等が挙げられる。なお、図1は、光学フィルム10の例示を示す概略断面図である。
まず、前記光学フィルム10としては、例えば、図1(a)に示すように、前記透明性フィルム基材11上に前記機能層12を備え、前記機能層12が、前記透明性フィルム基材11上に形成され、前記透明性フィルム基材11と接触する活性線硬化樹脂層13と、前記活性線硬化樹脂層13上に形成される光学異方性層14とが積層された積層体であるものが挙げられる。
そして、前記光学フィルム10としては、図1(a)に示すような、前記機能層12として、前記活性線硬化樹脂層13及び前記光学異方性層14のみで構成されたものに限定されず、他の層を備えたものであってもよい。具体的には、例えば、前記機能層12として、図1(b)に示すように、前記活性線硬化樹脂層13と前記光学異方性層14との間に、第1中間層15を備えていてもよいし、前記透明性フィルム基材11と前記活性線硬化樹脂層13との間に、第2中間層16を備えていてもよい。また、前記第1中間層15及び前記第2中間層の両方を備えていてもよい。前記第1中間層15としては、例えば、配向膜、帯電防止層、及び防眩層等が挙げられ、また、前記第2中間層16としては、例えば、帯電防止層、溶出抑制層、及び防眩層等が挙げられる。
(光学異方性層)
前記光学異方性層14は、分子内に棒状のメソゲン基を有する液晶化合物及び25℃における動粘度が100mm/s以上1000mm/s以下のポリエーテル基を有するポリシロキサン化合物を含有し、前記メソゲン基が、その長軸方向を前記透明性フィルム基材の面方向に略垂直となるように配向(垂直配向)させた後、前記配向が固定化されているものであれば、特に限定されない。
前記液晶化合物は、上記のように垂直配向でき、その配向を固定化することができれば、特に限定されない。具体的には、前記液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(塗布液)を、例えば、前記液晶化合物の液晶転移温度以上まで加熱することによって、垂直配向でき、液晶転移温度未満まで冷却することによって、その垂直配向を固定化することができるもの等が挙げられる。
なお、ここで垂直配向とは、前記透明性フィルム基材の厚み方向に対する、前記メソゲン基の長軸方向(前記液晶化合物の配向方向)の角度であるチルト角が、75°以上であることを意味し、また、前記液晶化合物が垂直配向するか否かは、液晶化合物、特にその棒状のメソゲン基の構造に依存することが知られている。すなわち、垂直配向する構造を有する液晶化合物であれば、公知の配向処理によって、垂直配向しうる。
また、前記液晶化合物は、前記棒状のメソゲン基と重合性官能基とを含有する重合性液晶であってもよいし、少なくとも主鎖及び側鎖のいずれか一方に前記棒状のメソゲン基を含有する高分子液晶であってもよいし、前記棒状のメソゲン基と重合性官能基とを含有する高分子液晶であってもよい。前記重合性官能基を含有することによって、前記固定化の際、例えば、液晶転移温度未満まで冷却した後、冷却しながら、重合させることによって、前記配向をより固定化させることができ、さらに、光学異方性層として硬化させることもできる点等から好ましい。そして、前記メソゲン基の配向性や重合による光学異方性層の成形性等の観点から、重合性液晶が好ましい。
前記メソゲン基としては、垂直配向しうる棒状のメソゲン基であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、エステル基、シアノ基、アルキル基、及びアリール基を含有する官能基等が挙げられる。
前記重合性官能基としては、前記配向後、前記配向を保持したまま重合させることができれば、特に限定されず、例えば、熱によって重合が開始するものであってもよいし、紫外線等の活性線の照射によって重合が開始するものであってもよい。すなわち、重合性液晶の場合、熱硬化性のものであってもよいし、活性線硬化性のものであってもよい。また、前記液晶化合物を液晶転移温度未満で重合させる場合、あまり加熱しないほうが好ましいので、活性線硬化性のもののほうがより好ましい。
前記重合性官能基としては、具体的には、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基やビニルエーテル等のビニル基、エポキシ基、及びオキセタニル基等が挙げられる。また、前記重合性官能基を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記重合性液晶としては、前記重合性官能基を分子内に1つ含有するものであってもよいし、2つ以上含有するものであってもよい。
前記液晶化合物としては、前記メソゲン基を含有するものや前記メソゲン基と前記重合性官能基とを含有するもの等が挙げられる。具体的には、例えば、DIC株式会社製のUCL018等が挙げられる。
前記ポリシロキサン化合物は、25℃における動粘度が100mm/s以上1000mm/s以下であれば、特に限定されない。25℃における動粘度が100mm/s未満であると、光学異方性層を形成する際に、前記活性線硬化樹脂層等の上に塗布された光学異方性層形成用組成物の濡れ広がりを促進させる効果を充分に発揮できず、よって、形成された光学異方性層の表面が充分に平滑にならず、好適な外観の光学異方性層になりにくい。また、25℃における動粘度が1000mm/sを超えると、光学異方性層を形成する際に、前記活性線硬化樹脂層等の上に塗布された光学異方性層形成用組成物の濡れ広がりを促進させる効果は充分に発揮できるが、光学異方性層形成用組成物のはじき等による欠陥の発生を抑制する効果を発揮しにくい。具体的には、例えば、前記活性線硬化樹脂層上に存在する異物等によって、光学異方性層形成用組成物がはじかれやすくなる。したがって、前記ポリシロキサン化合物を含有させることにより、光学異方性層の表面が充分に平滑であり、また、光学異方性層を形成する際に、光学異方性層形成用組成物がはじくこと等による光学異方性層の欠陥の発生が抑制された光学フィルムを得ることができる。
なお、25℃における動粘度とは、JIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に従って測定される動粘度(mm/s)を意味する。
前記ポリシロキサン化合物としては、具体的には、例えば、下記一般式(1)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2010139585
(式(1)中、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基、及び炭素数1〜5のアリーレン基を示し、Rは、炭素数1〜5のアルキル基、及び炭素数1〜5のアリール基を示し、mは、1〜400を示し、nは、1〜40を示し、aは、1〜50を示し、bは、1〜20を示す。)
また、前記ポリシロキサン化合物としては、より具体的には、例えば、以下の商品等が挙げられる。信越化学工業株式会社製の、KF−945(25℃動粘度:130mm/s)、KF−6011(25℃動粘度:130mm/s)、KF−6015(25℃動粘度:130mm/s)、KF−355A(25℃動粘度:150mm/s)、KF−6020(25℃動粘度:180mm/s)、KF−354L(25℃動粘度:200mm/s)、KF−353(25℃動粘度:430mm/s)、KF−6017(25℃動粘度:530mm/s)、KF−889(25℃動粘度:550mm/s)、KF−615A(25℃動粘度:920mm/s)、X−22−6191(25℃動粘度:1000mm/s)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の、TSF−4445(25℃動粘度:800mm/s)、TSF−4452(25℃動粘度:900mm/s)、TSF−4450(25℃動粘度:1000mm/s)、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製の、WACKER L51(25℃動粘度:800mm/s)等が挙げられる。
また、前記ポリシロキサン化合物のHLB値は、4〜7であることが好ましい。HLB値が小さすぎると、光学異方性層を形成する際に、前記活性線硬化樹脂層等の上に塗布された光学異方性層形成用組成物に、光学異方性層形成用組成物中の有機溶媒等を乾燥させるために吹き付ける乾燥風等の風等があたった場合に発生するうねり等を復元させて平滑化する効果が低減する傾向がある。よって、形成された光学異方性層に塗布むらが発生する傾向がある。また、HLB値が大きすぎると、光学異方性層形成用組成物中で、前記液晶化合物との相溶性が低下し、前記液晶化合物の配向性を低下させるため、光学異方性層の面内で一様な位相差の発現が困難となる傾向がある。すなわち、液晶化合物の配向性の低下による位相差むらの発生を抑制させながら、形成された光学異方性層に塗布むらが発生を抑制することが困難となる傾向がある。したがって、HLB値が上記範囲内であると、光学異方性層形成用組成物の塗布むらの発生等を抑制し、位相差むらの少ない光学フィルムを得ることができる。
なお、HLB(Hydorophile-Lipophile Balance)値とは、親水親油バランス、すなわち、親水性と親油性の相対的な強さを数量的に表したものである。具体的には、例えば、分子構造、又は実験により求められる値であり、HLB値を求めるための式も多数提案されている。より具体的には、例えば、グリフィンにより提唱されている下記計算式(2)によって算出することができる。
HLB値 = 20 × (化合物中の親水基の割合(質量%)) (2)
また、前記ポリシロキサン化合物の含有量が、前記液晶化合物100質量部に対して、0.1〜0.5質量部であることが好ましい。この含有量が少なすぎると、光学異方性層の表面を平滑にする効果、及び光学異方性層形成用組成物のはじき等による光学異方性層の欠陥の発生を抑制する効果が低くなる傾向がある。また、多すぎると、液晶化合物の配向性を阻害するという傾向がある。したがって、前記ポリシロキサン化合物の含有量が前記範囲内であれば、液晶化合物の配向性を阻害することなく、光学異方性層の表面がより平滑であって、また、光学異方性層の形成時に発生する、光学異方性層形成用組成物のはじき等による光学異方性層の欠陥の発生がより抑制された光学フィルムが得られる。
また、前記光学異方性層14の厚みが、1.2〜3μmであることが好ましい。薄すぎると、光学フィルムの性能である光学補償性能が発揮しにくくなる傾向がある。また、このような比較的厚い光学異方性層であると、光学補償性能を充分に発揮することができるが、一般的に、前記活性線硬化樹脂層上に塗布された光学異方性層形成用組成物の厚みを均一化することが困難であり、例えば、得られた光学異方性層の厚みむら等の発生を充分に抑制することが困難であるが、本実施形態に係る光学フィルムであれば、このような厚みの光学異方性層であっても、塗布むらや位相差むら等の欠陥の発生が抑制された光学フィルムを得ることができる。よって、このような厚みの光学異方性層が好ましい。
(活性線硬化樹脂層)
前記活性線硬化樹脂層13は、図1に示すように、前記透明性フィルム基材11上、又は前記第2中間層16を備える場合には、前記第2中間層16上に形成され、活性線硬化樹脂を含むものである。
また、前記活性線硬化樹脂層13は、前記光学異方性層14等の前記活性線硬化樹脂層13の上層と、透明性フィルム基材11等の前記活性線硬化樹脂層13の下層との密着性を高めることができる。さらに、前記活性線硬化樹脂層13は、前記液晶化合物の配向性を高める効果を発揮することもできる。このことは、以下のように考えられる。前記光学異方性層14を形成する際に、前記透明性フィルム基材11中の成分が、前記活性線硬化樹脂層13上に塗布された光学異方性層形成用組成物に溶出され移行することを抑制することができるので、前記透明性フィルム基材中の成分、例えば、セルロースエステル樹脂による前記液晶化合物の配向性の低下を抑制する効果を発揮されることによると考えられる。
前記活性線硬化樹脂層13は、活性線硬化樹脂を含むものであれば、特に限定されない。前記活性線硬化樹脂としては、紫外線等の活性線によって硬化するものであればよく、具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基、エポキシ基、及びオキセタニル基等の重合性官能基を有するもの等が挙げられる。また、前記活性線硬化樹脂としては、前記重合性官能基を2つ以上有し、活性線を照射することによって、架橋構造又は網目構造となるものが好ましい。また、活性線としては、作業性の観点等から、紫外線であることが好ましい。すなわち、前記活性線硬化樹脂としては、紫外線硬化樹脂であることが好ましい。
また、前記活性線硬化樹脂層13は、前記活性線硬化樹脂だけではなく、セルロースエステル樹脂を含有していることが、前記活性線硬化樹脂層13の上層と、前記活性線硬化樹脂層13の下層との密着性をより高めることができ、特に、高温高湿下での密着性を高めることができる。そして、その含有量としては、前記活性線硬化樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましい。セルロースエステル樹脂の含有量が少なすぎると、セルロースエステル樹脂を含有することによる密着性の向上の効果を充分に発揮することができない傾向がある。また、前記含有量が多すぎる場合、光学異方性層を形成する際、光学異方性層形成用組成物に溶出するセルロースエステル樹脂の量が増え、光学異方性層内の液晶化合物の配向性を低下させる傾向がある。また、液晶化合物を配向させるための配向時間が長時間化し、生産効率の点からも好ましくない。したがって、セルロースエステル樹脂の含有量が上記範囲ないであると、液晶化合物の配向性を阻害することなく、光学異方性層とその下層との密着性のより高い光学フィルムが得られる。
また、前記セルロースエステル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、透明性フィルム基材を構成するセルロースエステル樹脂等が挙げられる。具体的には、例えば、透明性フィルム基材のセルロースエステル樹脂として、後述で例示するもの等が挙げられる。
また、前記活性線硬化樹脂層13の厚みが、1.2〜3μmであることが好ましい。薄すぎると、上記のような密着性を高める効果を発揮しにくくなる傾向がある。さらに、透明性フィルム基材11の成分が前記光学異方性層14に溶出することを防止する効果も低減する傾向がある。また、厚すぎると、得られる光学フィルムが不必要に厚くなり、光学フィルムの薄型化を阻害するという傾向がある。
(透明性フィルム基材)
前記透明性フィルム基材11としては、透明性があり、光学フィルムの基材として用いることができるものであれば、特に限定されない。なお、ここで透明性があるとは、可視光の透過率が60%以上であることであり、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。前記透明性フィルム基材11としては、具体的には、例えば、透明性が高い樹脂フィルム等が挙げられる。前記樹脂フィルムとしては、具体的には、例えば、セルロースエステルフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムまたはアクリルフィルム等が挙げられる。この中でも、セルロースエステル樹脂を含有するセルロースエステルフィルムが好ましい。また、前記樹脂フィルムとしては、可塑剤、及び微粒子等が含有されるものであってもよい。また、前記樹脂フィルムを製造する際、その原料である樹脂組成物の硬化を阻害しない範囲で、紫外線吸収剤が含有されているものであってもよい。また、このような透明性フィルム基材である樹脂フィルムの製造方法についての詳細については、後述する。
前記透明性フィルム基材11の厚みは、光学フィルムの薄型化を達成するため薄いほうが好ましいが、製造中の破断等を防止するため、20μm以上であることが好ましい。ここで膜厚とは、平均膜厚のことであり、株式会社ミツトヨ製の接触式膜厚計により、フィルムの幅方向に20〜200箇所、膜厚を測定し、その測定値の平均値を膜厚として示す。また、前記透明性フィルム基材11の幅、物性、及び形状等は、特に限定なく、製造する光学フィルムの目的に合わせて、適宜選択することができ、特に限定されないが、光学フィルムの幅は、大型の液晶表示装置への使用、偏光板加工時のフィルムの使用効率、生産効率の点から、1000〜4000mmであることが好ましい。
[光学フィルムの製造方法]
本発明の他の一実施形態に係る光学フィルムの製造方法は、前記透明性フィルム基材11上に、活性線硬化性化合物を含有する活性線硬化樹脂層形成用組成物を塗布する工程と、前記活性線硬化樹脂層形成用組成物に活性線を照射して、活性線硬化樹脂層13を形成する工程と、前記活性線硬化樹脂層上に、分子内に棒状のメソゲン基を有する重合性液晶化合物と25℃における動粘度が100mm/s以上1000mm/s以下のポリエーテル基を有するポリシロキサン化合物とを含有する光学異方性層形成用組成物を塗布する工程と、前記光学異方性層形成用組成物を加熱することによって、前記メソゲン基を配向させる配向工程と、配向されたメソゲン基を固定させることによって、光学異方性層を形成する固定化工程とを備える。具体的には、以下のように製造される。ここでは、図1(a)に示すような、前記透明性フィルム基材11、前記活性線樹脂層13、及び前記光学異方性層14のみからなり、前記第1中間層15及び第2中間層16を備えていない光学フィルムについて説明する。
まず、前記透明性フィルム基材11上に、活性線硬化樹脂層13を形成する。
具体的には、前記透明性フィルム基材11上に、前記活性線硬化樹脂を含有する活性線硬化樹脂層形成用組成物を塗布する。前記活性線硬化樹脂層形成用組成物は、前記活性線硬化樹脂以外に、例えば、前記セルロースエステル樹脂、有機溶剤、光重合開始剤等を含有していてもよい。
前記有機溶剤としては、前記活性線硬化樹脂を溶解させることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチレンクロライド、ジオキソラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチルや酢酸メチル等のエステル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、及びジアセトンアルコール等のケトンアルコール類等が挙げられる。この中でも、イソプロピルアルコール等のアルコール類やプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類が好ましく、イソプロピルアルコールとプロピレングリコールモノメチルエーテルとの混合溶媒がより好ましい。また、これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記活性線硬化樹脂層形成用組成物の固形分濃度としては、組成等によって異なるが、例えば、0.1〜80質量%程度であることが好ましい。
光重合開始剤としては、前記活性線硬化樹脂の硬化反応の開始に寄与できればよく、具体的には、例えば、α−ヒドロキシケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体等が挙げられる。この中でも、α−ヒドロキシケトン及びこの誘導体が好ましい。また、これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、光重合開始剤の含有量は、例えば、前記活性線硬化樹脂100質量部に対して0.1〜1質量部程度であることが好ましい。
前記塗布方法としては、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。具体的には、例えば、グラビアコータ、スピナーコータ、ワイヤーバーコータ、ロールコータ、リバースコータ、押出コータ、エアードクターコータ、ダイコータ、ディップコータ及びインクジェット法等の塗布装置を用いたものが挙げられる。そして、塗布厚みとしては、前記活性線硬化樹脂層形成用組成物の固形分濃度等によっても異なるが、具体的には、例えば、形成される活性線硬化樹脂層の厚みが上記範囲内となるような厚みであることが好ましい。
そして、前記透明性フィルム基材11上に塗布された活性線硬化樹脂層形成用組成物に、活性線を照射して、活性線硬化樹脂層13を形成させる。
次に、前記活性線硬化樹脂層13上に前記光学異方性層14を形成する。
具体的には、前記活性線硬化樹脂層13上に、前記液晶化合物及び前記ポリシロキサン化合物を含有する光学異方性層形成用組成物を塗布する。前記光学異方性層形成用組成物は、前記液晶化合物及び前記ポリシロキサン化合物以外に、例えば、有機溶剤、光重合開始剤等を含有していてもよい。
前記有機溶剤としては、前記液晶化合物及び前記ポリシロキサン化合物を溶解させることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチレンクロライド、ジオキソラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類、酢酸エチルや酢酸メチル等のエステル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、及びジアセトンアルコール等のケトンアルコール類等が挙げられる。この中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の比較的高沸点のものが好ましい。また、これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記活性線硬化樹脂層形成用組成物の固形分濃度としては、組成等によって異なるが、例えば、0.1〜80質量%程度であることが好ましい。
前記光重合開始剤は、液晶化合物として、重合性官能基を有しているものを用いる場合は、含有してもよい。その場合、前記光重合開始剤としては、前記液晶化合物の硬化反応の開始に寄与できればよく、前記活性線硬化樹脂層形成用組成物の光重合開始剤と同様のものが挙げられ、具体的には、例えば、α−ヒドロキシケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体等が挙げられる。この中でも、α−ヒドロキシケトン及びこの誘導体が好ましい。また、これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、光重合開始剤の含有量は、例えば、前記活性線硬化樹脂100質量部に対して0.1〜1質量部程度であることが好ましい。
前記塗布方法としては、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができ、前記活性線硬化樹脂層形成用組成物の塗布方法と同様のものを用いることができる。具体的には、例えば、グラビアコータ、スピナーコータ、ワイヤーバーコータ、ロールコータ、リバースコータ、押出コータ、エアードクターコータ、ダイコータ、ディップコータ及びインクジェット法等の塗布装置を用いたものが挙げられる。そして、塗布厚みとしては、前記光学異方性層形成用組成物の固形分濃度等によっても異なるが、具体的には、例えば、形成される光学異方性層の厚みが上記範囲内となるような厚みであることが好ましい。
そして、前記活性線硬化樹脂層13上に塗布された前記光学異方性層形成用組成物を、前記液晶化合物の液晶転移温度以上に加熱することによって、前記液晶化合物を配向させる。その配向時間としては、例えば、1〜10分間程度かかる。その後、前記光学異方性層形成用組成物を、前記液晶化合物の液晶転移温度未満に冷却し、その配向を固定し、そして、前記光学異方性層形成用組成物に、活性線を照射する。そうすることによって、その配向性がより固定され、そして、液晶化合物が垂直配向した光学異方性層14が形成される。
上記活性線硬化樹脂層13や上記光学異方性層14等の機能層12の形成は、例えば、図2に示すような光学フィルムの製造装置によって行うこともできる。なお、光学フィルムの製造装置としては、図2に示すものに限定されず、他の構成のものであってもよい。
図2は、光学フィルムの製造装置20の基本的な構成を示す概略図である。光学フィルムの製造装置20は、巻出装置21、塗布装置22、第1温度調節装置23、第2温度調節装置24、硬化装置25、及び巻取装置26等を備える。
前記巻出装置21は、透明性フィルム基材等の被処理フィルムを前記塗布装置22等に供給する。前記巻出装置21は、例えば、被処理フィルムを繰出可能に巻回された巻出ローラを備え、前記巻出ローラを回転させることによって、被処理フィルムを前記塗布装置22等に供給する装置である。
前記塗布装置22は、前記巻出装置21から供給された被処理フィルムの表面上に活性線硬化樹脂層形成用組成物又は光学異方性層形成用組成物を塗布する。前記塗布装置21は、一般的な塗布装置を限定なく使用できる。具体的には、例えば、上述した塗布装置等が挙げられる。また、被処理フィルム上に複数の層を塗布形成する場合には、マルチマニホールドを有するエクストルージョンダイのように一台の塗布装置で多層同時塗布してもよく、また、1層を塗布する塗布装置を複数並べて逐次塗布するようにしてもよい。
前記第1温度調節装置23は、活性線硬化樹脂層を形成させる場合は、被処理フィルム上に塗布された活性線硬化樹脂層形成用組成物を加熱して乾燥させる。光学異方性層を形成させる場合は、被処理フィルム上に塗布された光学異方性層形成用組成物を加熱して、光学異方性層形成用組成物中の液晶化合物を配向させる。前記第1温度調節装置23は、例えば、熱風による対流乾燥方式、赤外線等の輻射熱による輻射乾燥方式等を採用してもよい。
前記第2温度調節装置24は、活性線硬化樹脂層を形成させる場合は、例えば、被処理フィルム上に塗布された活性線硬化樹脂層形成用組成物を冷却して、硬化前の活性線硬化樹脂層形成用組成物の流動性等を低下させる。光学異方性層を形成させる場合は、被処理フィルム上に塗布された光学異方性層形成用組成物を冷却して、硬化前の光学異方性層形成用組成物の流動性等を低下させるだけではなく、光学異方性層形成用組成物中の液晶化合物を固定させる。前記第2温度調節装置24は、例えば、冷風による対流乾燥方式等を採用してもよい。
前記硬化装置25は、被処理フィルム上に塗布され、上記処理が施された組成物に活性線を照射させて、硬化させる。具体的には、例えば、紫外線照射装置等の活性線照射装置が挙げられる。
前記巻取装置26は、上述のようにして得られた光学フィルムを巻き取る。前記巻取装置26は、例えば、回転可能な巻取ローラを備え、前記巻取ローラを回転させることによって、光学フィルムを巻き取る装置である。
(透明性フィルム基材の製造方法)
前記透明性フィルム基材としては、上述したように、光学フィルムの基材として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、後述する、溶液流延製膜法や溶融流延製膜法等によって得られた樹脂フィルム等を用いることができる。このような樹脂フィルムであれば、膜厚が均一であって、光学フィルムの基材として好適に使用できる。なお、ここでは、透明性フィルム基材として好適な樹脂フィルムであるセルロースエステルフィルムの製造方法について説明する。
(溶液流延製膜法)
まず、溶液流延製膜法によって樹脂フィルムを製造する場合について説明する。
溶液流延製膜法は、透明性樹脂を溶解した樹脂溶液(ドープ)を、走行する支持体上に流延して流延膜(ウェブ)を形成する流延工程と、前記流延膜をフィルムとして前記支持体から剥離する剥離工程と、剥離したフィルムを延伸する延伸工程と、延伸したフィルムを複数の搬送ローラで搬送させることによって、前記フィルムを乾燥させる乾燥工程とを備える製膜法である。例えば、図3に示すような溶液流延製膜法による樹脂フィルムの製造装置によって行われる。なお、樹脂フィルムの製造装置としては、図3に示すものに限定されず、他の構成のものであってもよい。
図3は、溶液流延法による樹脂フィルムの製造装置31の基本的な構成を示す概略図である。樹脂フィルムの製造装置31は、無端ベルト支持体32、流延ダイ33、剥離ローラ34、延伸装置35、乾燥装置36及び巻取装置37等を備える。前記流延ダイ13は、透明性樹脂を溶解した樹脂溶液(ドープ)38を無端ベルト支持体32の表面上に流延する。前記無端ベルト支持体32は、前記流延ダイ33から流延されたドープ38からなるウェブを形成し、搬送させながら乾燥させることによってフィルムとする。前記剥離ローラ34は、フィルムを無端ベルト支持体32から剥離する。前記延伸装置35は、剥離されたフィルムを延伸する。前記乾燥装置36は、延伸されたフィルムを搬送ローラで搬送させながら、乾燥させる。前記巻取装置37は、乾燥したフィルムを巻き取って、フィルムロールとする。
前記流延ダイ33は、上端部に接続されたドープ供給管からドープが供給される。そして、その供給されたドープが前記流延ダイ33から前記無端ベルト支持体32に吐出され、前記無端ベルト支持体32上にウェブが形成される。
前記無端ベルト支持体32は、図1に示すように、表面が鏡面の、無限に走行する金属製の無端ベルトである。前記ベルトとしては、フィルムの剥離性の点から、例えば、ステンレス鋼等からなるベルトが好ましく用いられる。前記流延ダイ33によって流延する流延膜の幅は、無端ベルト支持体32の幅を有効活用する観点から、無端ベルト支持体32の幅に対して、80〜99%とすることが好ましい。そして、最終的に1000〜4000mmの幅の樹脂フィルムを得るためには、無端ベルト支持体32の幅は、1800〜5000mmであることが好ましい。また、無端ベルト支持体の代わりに、表面が鏡面の、回転する金属製のドラム(無端ドラム支持体)を用いてもよい。
そして、前記無端ベルト支持体32は、その表面上に形成された流延膜(ウェブ)を搬送しながら、ドープ中の溶媒を乾燥させる。前記乾燥は、例えば、無端ベルト支持体32を加熱したり、加熱風をウェブに吹き付けることによって行う。その際、ウェブの温度が、ドープの溶液によっても異なるが、溶媒の蒸発時間に伴う搬送速度や生産性等を考慮して、−5〜70℃の範囲が好ましく、0〜60℃の範囲がより好ましい。ウェブの温度は、高いほど溶媒の乾燥速度を早くできるので好ましいが、高すぎると、発泡したり、平面性が劣化する傾向がある。
無端ベルト支持体32を加熱する場合、例えば、無端ベルト支持体32上のウェブを赤外線ヒータで加熱する方法、無端ベルト支持体32の裏面を赤外線ヒータで加熱する方法、無端ベルト支持体32の裏面に加熱風を吹き付けて加熱する方法等が挙げられ、必要に応じて適宜選択することが可能である。
また、加熱風を吹き付ける場合、その加熱風の風圧は、溶媒蒸発の均一性等を考慮し、50〜5000Paであることが好ましい。加熱風の温度は、一定の温度で乾燥してもよいし、無端ベルト支持体32の走行方向で数段階の温度に分けて供給してもよい。
無端ベルト支持体32の上にドープを流延した後、無端ベルト支持体32からウェブを剥離するまでの間での時間は、作製する樹脂フィルムの膜厚、使用する溶媒によっても異なるが、無端ベルト支持体32からの剥離性を考慮し、0.5〜5分間の範囲であることが好ましい。
前記無端ベルト支持体32による流延膜の搬送速度は、例えば、50〜200m/分程度であることが好ましい。また、前記無端ベルト支持体32の走行速度に対する、流延膜の搬送速度の比(ドラフト比)は、0.8〜1.2程度であることが好ましい。前記ドラフト比がこの範囲内であると、安定して流延膜を形成させることができる。例えば、ドラフト比が大きすぎると、流延膜が幅方向に縮小されるネックインという現象を発生させる傾向があり、そうなると、広幅のフィルムを形成できなくなる。
前記剥離ローラ34は、無端ベルト支持体32のドープ38が流延される側の表面に接しており、無端ベルト支持体32側に加圧することによって、乾燥されたウェブ(フィルム)が剥離される。無端ベルト支持体32からフィルムを剥離する際に、剥離張力及びその後の搬送張力によってフィルムは、フィルムの搬送方向(Machine Direction:MD方向)に延伸する。このため、無端ベルト支持体32からフィルムを剥離する際の剥離張力及び搬送張力は、50〜400N/mにすることが好ましい。
また、フィルムを無端ベルト支持体32から剥離する時のフィルムの全残留溶媒量は、無端ベルト支持体32からの剥離性、剥離時の残留溶媒量、剥離後の搬送性、搬送・乾燥後にできあがる樹脂フィルムの物理特性等を考慮し、30〜200質量%であることが好ましい。
前記延伸装置35は、無端ベルト支持体32から剥離されたフィルムを、ウェブの搬送方向と直交する方向(Transverse Direction:TD方向)に延伸させる。具体的には、フィルムの搬送方向に垂直な方向の両端部をクリップ等で把持して、対向するクリップ間の距離を大きくすることによって、TD方向に延伸する。そして、前記延伸装置35は、クリップを把持していた領域を切断する装置を備えていてもよい。また、延伸装置35は備えていなくてもよい。
前記乾燥装置36は、複数の搬送ローラを備え、そのローラ間をフィルムを搬送させる間にフィルムを乾燥させる。その際、加熱空気、赤外線等を単独で用いて乾燥してもよいし、加熱空気と赤外線とを併用して乾燥してもよい。簡便さの点から加熱空気を用いることが好ましい。乾燥温度としては、フィルムの残留溶媒量により、好適温度が異なるが、乾燥時間、収縮むら、伸縮量の安定性等を考慮し、30〜180℃の範囲で残留溶媒量により適宜選択して決めればよい。また、一定の温度で乾燥してもよいし、2〜4段階の温度に分けて、数段階の温度に分けて乾燥してもよい。また、乾燥装置36内を搬送される間に、フィルムを、MD方向に延伸させることもできる。前記乾燥装置36での乾燥処理後のフィルムの残留溶媒量は、乾燥工程の負荷、保存時の寸法安定性伸縮率等を考慮し、0.01〜15質量%が好ましい。
前記巻取装置37は、前記乾燥装置36で、所定の残留溶媒量となったフィルムを必要量の長さに巻き芯に巻き取る。なお、巻き取る際の温度は、巻き取り後の収縮によるスリキズ、巻き緩み等を防止するために室温まで冷却することが好ましい。使用する巻き取り機は、特に限定なくしようでき、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の巻き取り方法で巻き取ることができる。
上記のような工程によって、本実施形態で透明性フィルム基材として用いることができる樹脂フィルムが得られる。
上記溶液流延製膜法で使用する樹脂溶液の組成について説明する。
前記樹脂溶液に含有される透明性樹脂は、溶液流延製膜法等によって基板状に成形したときに透明性を有する樹脂であればよく、特に制限されないが、溶液流延製膜法等による製造が容易であること、活性線硬化樹脂層等との接着性に優れていること、光学的に等方性であること等が好ましい。前記透明性樹脂としては、具体的には、例えば、セルローストリアセテート樹脂等のセルロースエステル系樹脂等を挙げることができる。また、溶液流延製膜法で使用されるドープには、微粒子を含有させてもよい。その際、使用される微粒子は、使用目的に応じて適宜選択されるが、透明性樹脂中に含有することによって、可視光を散乱させることができる微粒子であることが好ましい。前記微粒子としては、酸化珪素等の無機微粒子であってもよいし、アクリル系樹脂等の有機微粒子であってもよい。溶液流延製膜法で使用される溶媒は、前記透明性樹脂に対する良溶媒を含有する溶媒を用いることができ、透明性樹脂が析出してこない範囲で、貧溶媒を含有させてもよい。セルロースエステル系樹脂に対する良溶媒としては、例えば、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。また、セルロースエステル系樹脂に対する貧溶媒としては、例えば、メタノール等の炭素原子数1〜8のアルコール等が挙げられる。溶液流延製膜法で使用される樹脂溶液は、本発明の効果を阻害しない範囲で、透明性樹脂、微粒子及び溶媒以外の他の成分(添加剤)を含有してもよい。前記添加剤としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤、導電性物質、難燃剤、滑剤、及びマット剤等が挙げられる。
また、上記各組成を混合させることによってセルロースエステル系樹脂の溶液が得られる。また、得られたセルロースエステル系樹脂の溶液は、濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過することが好ましい。
(溶融流延製膜法)
次に、溶融流延製膜法によって樹脂フィルムを製造する場合について説明する。
溶融流延製膜法は、透明性樹脂を溶融させた樹脂溶融液を、走行する支持体上に流延して流延膜を形成する流延工程と、前記流延膜を冷却させてフィルムを形成する冷却工程と、前記フィルムを前記支持体から剥離する剥離工程と剥離したフィルムを複数の搬送ローラで搬送させることによって、前記フィルムを延伸させる延伸工程とを備える製膜法である。例えば、図4に示すような溶融流延製膜法による樹脂フィルムの製造装置によって行われる。なお、樹脂フィルムの製造装置としては、図4に示すものに限定されず、他の構成のものであってもよい。
図4は、溶融流延製膜法による樹脂フィルムの製造装置41の基本的な構成を示す概略図である。樹脂フィルムの製造装置41は、第1冷却ローラ42、流延ダイ43、タッチローラ44、第2冷却ローラ45、第3冷却ローラ46、剥離ローラ47、搬送ローラ48、延伸装置49、及び巻取装置50等を備える。前記流延ダイ43は、透明性樹脂を溶融させた樹脂溶融液(ドープ)を第1冷却ローラ42の表面上に流延する。前記第1冷却ローラ42は、前記流延ダイ43から流延されたドープからなる流延膜を形成し、搬送させながら冷却させ、前記流延膜を第2冷却ローラ45に搬送する。その際、第1冷却ローラ42に外接されて設けられるタッチローラ44によって、流延膜の厚さの調整、や表面の平滑化がなされる。そして、第2冷却ローラ45は、前記流延膜を搬送させながら冷却させ、前記流延膜を第3冷却ローラ46に搬送する。そうすうことによって、前記流延膜をフィルムとする。前記剥離ローラ47は、フィルムを第3冷却ローラ46から剥離する。前記搬送ローラ48は、剥離されたフィルムを搬送しながら、MD方向に延伸する。前記延伸装置49は、フィルムをTD方向に延伸する。前記巻取装置50は、冷却固化されたフィルムを巻き取って、フィルムロールとする。
前記流延ダイ43は、ドープとして、樹脂溶液の代わりに、樹脂溶融液を吐出する以外、前記流延ダイ33と同様の構成である。
前記第1冷却ローラ42、第2冷却ローラ45及び第3冷却ローラ46は、表面が鏡面の金属製のローラである。前記各ローラとしては、流延膜やフィルムの剥離性の点から、例えば、ステンレス鋼等からなるローラが好ましく用いられる。前記流延ダイ43によって流延する流延膜の幅や前記第1冷却ローラ42、第2冷却ローラ45及び第3冷却ローラ46による流延膜の搬送速度等は、上記溶液流延製膜法と同様である。
前記タッチローラ44は、表面が弾性を有し、前記第1冷却ローラ42への押圧力によって、前記第1冷却ローラ42の表面に沿って変形し、前記第1冷却ローラ42との間に、ニップを形成する。前記タッチローラ44としては、溶融流延製膜法で従来から用いられているタッチローラであれば、特に限定なく使用できる。具体的には、例えば、ステンレス鋼製のものが挙げられる。
前記剥離ローラ47は、第3冷却ローラ46に接しており、加圧することによって、フィルムが剥離される。
前記搬送ローラ48は、複数の搬送ローラからなっており、搬送ローラ毎に異なる回転速度にすることによって、フィルムのMD方向に延伸することができる。
また、前記延伸装置49及び前記巻取装置50は、上記溶液流延製膜法における延伸装置35及び巻取装置37と同様のものを用いることができる。
以下、溶融流延製膜法で使用する樹脂溶融液の組成について説明する。
溶融流延製膜法で使用される透明性樹脂は、加熱して溶融することができれば、上記溶融流延製膜法における透明樹脂と同様のものを用いることができる。また、その他の組成も、上記溶融流延製膜法における場合と同様のものを用いることができる。
前記透明性フィルム基材は、前記溶液流延製膜法や前記溶融流延製膜法によって形成された樹脂フィルムに限定されず、他の方法によって形成された樹脂フィルムであってもよいし、他の層を積層した樹脂フィルムであってもよい。
[偏光板]
本発明の他の一実施形態に係る偏光板は、偏光素子と、前記偏光素子の表面上に配置された透明保護フィルムとを備え、前記透明保護フィルムが、前記光学フィルムである。前記偏光素子とは、入射光を偏光に変えて射出する光学素子である。
前記偏光板としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素溶液中に浸漬して延伸することによって作製される偏光素子の少なくとも一方の表面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて、前記光学フィルムを貼り合わせたものが好ましい。また、前記偏光素子のもう一方の表面にも、前記光学フィルムを積層させてもよいし、別の偏光板用の透明保護フィルムを積層させてもよい。この偏光板用の透明保護フィルムとしては、例えば、市販のセルロースエステルフィルムとして、KC8UX2M、KC4UX、KC5UX、KC4UY、KC8UY、KC12UR、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、KC4FR−1、KC4HR−1、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5(以上、コニカミノルタオプト(株)製)等が好ましく用いられる。あるいは、セルロースエステルフィルム以外の環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂フィルムを用いてもよい。この場合は、ケン化適性が低いため、適当な接着層を介して偏光板に接着加工することが好ましい。
前記偏光板は、上述のように、偏光素子の少なくとも一方の表面側に積層する保護フィルムとして、前記光学フィルムを使用したものである。その際、前記光学フィルムが位相差フィルム等の光学補償フィルムとして働く場合、光学フィルムの遅相軸が偏光素子の吸収軸に実質的に平行または直交するように配置されていることが好ましい。
また、前記偏光素子の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール系偏光フィルムが挙げられる。ポリビニルアルコール系偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものとがある。前記ポリビニルアルコール系フィルムとしては、エチレンで変性された変性ポリビニルアルコール系フィルムが好ましく用いられる。
前記偏光素子は、例えば、以下のようにして得られる。まず、ポリビニルアルコール水溶液を用いて製膜する。得られたポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸させた後染色するか、染色した後一軸延伸する。そして、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を施す。
前記偏光素子の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。
該偏光素子の表面上に、セルロ−スエステルを含むセルロースエステル系光学フィルムを張り合わせる場合、完全鹸化ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせることが好ましい。また、セルロースエステル系光学フィルム以外の光学フィルムの場合は、適当な粘着層を介して偏光板に接着加工することが好ましい。
上述のような偏光板は、透明保護フィルムとして、上記実施形態に係る光学フィルムを用いることによって、前記光学フィルムが光学補償性能等に優れているので、光学補償性能等に優れた偏光板が得られる。さらに、前記光学フィルムの前記光学異方性層の密着性が高いので、その優れた光学補償性能が、例えば、高温高湿下等の劣悪な環境下であっても維持される偏光板が得られる。
[液晶表示装置]
本発明の他の一実施形態に係る液晶表示装置は、液晶セルと、前記液晶セルを挟むように配置された2枚の偏光板とを備え、前記2枚の偏光板のうち少なくとも一方が、前記偏光板である。なお、液晶セルとは、一対の電極間に液晶物質が充填されたものであり、この電極に電圧を印加することで、液晶の配向状態が変化され、透過光量が制御される。このような液晶表示装置は、光学補償性能等に優れた偏光板が用いられているので、液晶表示装置の視野角特性等の光学特性を改善することができる。したがって、液晶表示装置の高精細化を実現できる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
透明性フィルム基材として、セルロースエステルフィルム(コニカミノルタオプト(株)製のKC4HR−1)を用意した。
次に、下記の組成の活性線硬化樹脂層形成用組成物1を、前記透明性フィルム基材の一方の表面上にワイヤーバー#3を用いて塗布し、80℃で30秒間乾燥させた後、紫外線を、照射量120mJ/cmで10秒間照射させた。そうすることによって、前記透明性フィルム基材上に、膜厚0.5μmの活性線硬化樹脂層が形成された。
(活性線硬化樹脂層形成用組成物1の組成)
不飽和アクリルアクリレート(ポリエステルアクリレート) 100質量部
(BASF社製のLR8800)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 1400質量部
イソプロピルアルコール 3000質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) 1質量部
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
そして、前記活性線硬化樹脂層上に、下記の組成の光学異方性層形成用組成物1を、マイクログラビア法によりウェット厚12μmで塗布した。その後、100℃の恒温槽中で2分間加熱した。そうすることによって、前記光学異方性層形成用組成物1中の液晶化合物が配向した。すなわち、この場合、前記液晶化合物が配向するまでの時間(配向時間)は、2分間であった。そして、この液晶化合物が配向したことは、白濁していた塗布層が透明になることを目視により確認することによって判断できる。その後、そのフィルムを、酸素濃度0.2体積%、温度28℃の条件下で、紫外線を、照射量250mJ/cmで10秒間照射させた。そうすることによって、前記活性線硬化樹脂層上に膜厚1.8μmの光学異方性層が形成され、光学フィルムが得られた。
(光学異方性層形成用組成物1の組成)
活性線硬化性液晶材料 30質量部
(DIC株式会社製のUCL018)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80質量部
光重合開始剤 0.05質量部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.05質量部
(信越化学工業株式会社製のKF−6015、25℃動粘度:130mm/s)
[実施例2]
前記光学異方性層形成用組成物1の代わりに、下記の組成の光学異方性層形成用組成物2を用いたこと以外、実施例1と同様である。
(光学異方性層形成用組成物2の組成)
活性線硬化性液晶材料 30質量部
(DIC株式会社製のUCL018)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80質量部
光重合開始剤 0.05質量部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.05質量部
(信越化学工業株式会社製のKF−6017、25℃動粘度:530mm/s)
[実施例3]
前記光学異方性層形成用組成物1の代わりに、下記の組成の光学異方性層形成用組成物3を用いたこと以外、実施例1と同様である。
(光学異方性層形成用組成物3の組成)
活性線硬化性液晶材料 30質量部
(DIC株式会社製のUCL018)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80質量部
光重合開始剤 0.05質量部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.05質量部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のTSF−4452(25℃動粘度:900mm/s)
[実施例4]
前記活性線硬化樹脂層形成用組成物1の代わりに、下記の組成の活性線硬化樹脂層形成用組成物2を用いたこと以外、実施例2と同様である。
(活性線硬化樹脂層形成用組成物2の組成)
不飽和アクリルアクリレート(ポリエステルアクリレート) 100質量部
(BASF社製のLR8800)
セルロースアセテートプロピオネート 1質量部
(アシル基総置換度:2.5、アセチル基置換度:1.9、プロピオニル基置換度:0.6、Mn:90000)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 1400質量部
イソプロピルアルコール 3000質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) 1質量部
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
[実施例5]
前記活性線硬化樹脂層形成用組成物1の代わりに、下記の組成の活性線硬化樹脂層形成用組成物3を用いたこと以外、実施例2と同様である。
(活性線硬化樹脂層形成用組成物3の組成)
不飽和アクリルアクリレート(ポリエステルアクリレート) 100質量部
(BASF社製のLR8800)
セルロースアセテートプロピオネート 5質量部
(アシル基総置換度:2.5、アセチル基置換度:1.9、プロピオニル基置換度:0.6、Mn:90000)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 1400質量部
イソプロピルアルコール 3000質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) 1質量部
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
[実施例6]
前記活性線硬化樹脂層形成用組成物1の代わりに、下記の組成の活性線硬化樹脂層形成用組成物4を用い、配向時間を2分間から3分間に変更したこと以外、実施例2と同様である。
(活性線硬化樹脂層形成用組成物4の組成)
不飽和アクリルアクリレート(ポリエステルアクリレート) 100質量部
(BASF社製のLR8800)
セルロースアセテートプロピオネート 10質量部
(アシル基総置換度:2.5、アセチル基置換度:1.9、プロピオニル基置換度:0.6、Mn:90000)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 1400質量部
イソプロピルアルコール 3000質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) 1質量部
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
[実施例7]
前記活性線硬化樹脂層形成用組成物1の代わりに、下記の組成の活性線硬化樹脂層形成用組成物5を用い、配向時間を2分間から10分間に変更したこと以外、実施例2と同様である。
(活性線硬化樹脂層形成用組成物5の組成)
不飽和アクリルアクリレート(ポリエステルアクリレート) 100質量部
(BASF社製のLR8800)
セルロースアセテートプロピオネート 50質量部
(アシル基総置換度:2.5、アセチル基置換度:1.9、プロピオニル基置換度:0.6、Mn:90000)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 1400質量部
イソプロピルアルコール 3000質量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) 1質量部
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
[実施例8]
前記光学異方性層形成用組成物1の代わりに、下記の組成の光学異方性層形成用組成物7を用いたこと以外、実施例1と同様である。
(光学異方性層形成用組成物7の組成)
活性線硬化性液晶材料 30質量部
(DIC株式会社製のUCL018)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80質量部
光重合開始剤 0.05質量部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.015質量部
(信越化学工業株式会社製のKF−6015、25℃動粘度:130mm/s)
[実施例9]
前記光学異方性層形成用組成物1の代わりに、下記の組成の光学異方性層形成用組成物8を用いたこと以外、実施例1と同様である。
(光学異方性層形成用組成物8の組成)
活性線硬化性液晶材料 30質量部
(DIC株式会社製のUCL018)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80質量部
光重合開始剤 0.05質量部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.036質量部
(信越化学工業株式会社製のKF−6015、25℃動粘度:130mm/s)
[実施例10]
前記光学異方性層形成用組成物1の代わりに、下記の組成の光学異方性層形成用組成物9を用いたこと以外、実施例1と同様である。
(光学異方性層形成用組成物9の組成)
活性線硬化性液晶材料 30質量部
(DIC株式会社製のUCL018)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80質量部
光重合開始剤 0.05質量部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.12質量部
(信越化学工業株式会社製のKF−6015、25℃動粘度:130mm/s)
[実施例11]
前記光学異方性層形成用組成物1の代わりに、下記の組成の光学異方性層形成用組成物10を用いたこと以外、実施例1と同様である。
(光学異方性層形成用組成物10の組成)
活性線硬化性液晶材料 30質量部
(DIC株式会社製のUCL018)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80質量部
光重合開始剤 0.05質量部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.18質量部
(信越化学工業株式会社製のKF−6015、25℃動粘度:130mm/s)
[比較例1]
前記光学異方性層形成用組成物1の代わりに、下記の組成の光学異方性層形成用組成物4を用いたこと以外、実施例1と同様である。
(光学異方性層形成用組成物4の組成)
活性線硬化性液晶材料 30質量部
(DIC株式会社製のUCL018)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80質量部
光重合開始剤 0.05質量部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.05質量部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のTSF−4701、25℃動粘度:40mm/s)
[比較例2]
前記光学異方性層形成用組成物1の代わりに、下記の組成の光学異方性層形成用組成物5を用いたこと以外、実施例1と同様である。
(光学異方性層形成用組成物5の組成)
活性線硬化性液晶材料 30質量部
(DIC株式会社製のUCL018)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80質量部
光重合開始剤 0.05質量部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.05質量部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のTSF−4446、25℃動粘度:1400mm/s)
[比較例3]
前記光学異方性層形成用組成物1の代わりに、下記の組成の光学異方性層形成用組成物6を用いたこと以外、実施例1と同様である。
(光学異方性層形成用組成物6の組成)
活性線硬化性液晶材料 30質量部
(DIC株式会社製のUCL018)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80質量部
光重合開始剤 0.05質量部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア184)
上記各条件をまとめたものを表1に示した。表1中、含有していないものを「−」と示した。
[評価]
上記作製した、実施例1〜11及び比較例1〜3に係る各光学フィルムについて、下記方法により評価した。
(平滑性)
得られた各光学フィルムの塗布むらを下記のように評価した。
具体的には、光学フィルムを幅90cm、長さ100cmの大きさに切り出した。
上記のように切り出した光学フィルムは、床から3mの高さの天井部に、昼色光直管蛍光灯(パナソニック株式会社製のFLR40S・D/M−X)40W×2本を1セットとした蛍光灯を備えた室内にある、床から80cmの高さの机上に設置した。評価者は、光学フィルムの正面であって、評価者の頭上より後方の天井部に前記蛍光灯がくるように位置した。そして、光学フィルムを、机の面に対する垂直方向から45°傾けて、蛍光灯が映り込むようにした。その際に、光学フィルムに反射した蛍光灯の反射像に発生する凹凸を目視で確認し、光学フィルムの光学異方性層表面の平滑性を下記の基準で評価した。
◎:蛍光灯の反射像として、蛍光灯と同様の形状(真っすぐ)が確認される
○:蛍光灯の反射像として、少し曲がって見える箇所が確認される
△:蛍光灯の反射像として、全体的に少し曲がったものが確認される
×:蛍光灯の反射像として、大きくうねったものが確認される。
(外観)
得られた各光学フィルムの外観を目視により観察し、光学異方性層の表面にはじき等による塗布故障が確認されるか否かによって、下記のように評価した。
○:光学異方性層の表面にはじき等による塗布故障が確認されない
△:光学異方性層の表面にはじき等による塗布故障がわずかに確認される
×:光学異方性層の表面にはじき等による塗布故障が多く確認される。
(密着性)
得られた各光学フィルムの密着性を下記のように評価した。
光学フィルムを60℃、90%RHの雰囲気下で50時間保管した。その後、JIS K 5600に準拠して、碁盤目テープ剥離試験を行った。具体的には、光学フィルムの光学異方性層を備えた側に切り込みを入れて、100個の升目を作成し、粘着テープ(日東電工株式会社製のNo.31B)を圧着してから剥離することを同じ場所で3回繰り返して行った。その後、テープ剥離後の光学フィルムの表面を目視観察し、以下の基準で評価を行った。
◎:剥離が全く確認できない
○:剥離がほとんど確認できないが、一部のマスで端部が欠けているのが確認できる
△:全ての面ではないが、剥離が確認できる
×:剥離が全面で確認できる。
(総合評価)
上記の各評価により、下記の基準で評価した。
◎:◎が1個以上であり、×がない
○:◎がなく、○が2個以上あり、×がない
△:○が1個未満であり、×がない
×:×が1個以上ある。
なお、◎〜△であれば、実用上問題はない。
得られた結果を、表1に示した。
Figure 2010139585
表1からわかるように、光学異方性層に分子内に棒状のメソゲン基を有する液晶化合物及び25℃における動粘度が100mm/s以上1000mm/s以下のポリエーテル基を有するポリシロキサン化合物(ポリエーテル変性シリコーンオイル)を含有する場合(実施例1〜11)、含有するポリシロキサン化合物の25℃における動粘度が100mm/s未満である場合(比較例1)、含有するポリシロキサン化合物の25℃における動粘度が1000mm/sを超える場合(比較例2)、及びポリシロキサン化合物を含有しない場合(比較例3)と比較して、形成される光学異方性層の表面の平滑性が高く、外観にも優れ、さらに、密着性が高い。
さらに、活性線硬化樹脂層に、活性線硬化樹脂とセルロースエステル樹脂とを含有した場合(実施例4〜7)、他の実施例(実施例1〜3、及び実施例8〜11)と比較して、密着性がより高い。
また、そのセルロースエステル樹脂の含有量が、活性線硬化樹脂100質量部に対して、1〜10質量部である場合(実施例4〜6)、セルロースエステル樹脂を含有しない場合(実施例2)と比較して、密着性がより高く、セルロースエステル樹脂の含有量が10質量部を超える場合(実施例7)と比較して、配向時間が短い。
さらに、ポリシロキサン化合物の含有量が、液晶化合物100質量部に対して、0.1〜0.5質量部である場合(実施例1〜7、実施例9及び実施例10)、ポリシロキサン化合物の含有量が0.1質量部未満である場合(実施例8)やポリシロキサン化合物の含有量が0.5質量部を超える場合(実施例11)と比較して、形成される光学異方性層の表面の平滑性がより高く、外観にもより優れている。
光学フィルム10の例示を示す概略断面図である。 光学フィルムの製造装置20の基本的な構成を示す概略図である。 溶液流延法による樹脂フィルムの製造装置31の基本的な構成を示す概略図である。 溶融流延製膜法による樹脂フィルムの製造装置41の基本的な構成を示す概略図である。
符号の説明
10 光学フィルム
11 透明性フィルム基材
12 機能層
13 活性線硬化樹脂層
14 光学異方性層
15 第1中間層
16 第2中間層
20 光学フィルムの製造装置
21 巻出装置
22 塗布装置
23 第1温度調節装置
24 第2温度調節装置
25 硬化装置
26 巻取装置
31,41 樹脂フィルムの製造装置
32 無端ベルト支持体
33,43 流延ダイ
34,47 剥離ローラ
35,49 延伸装置
36 乾燥装置
37,50 巻取装置
38 ドープ
42 第1冷却ローラ
44 タッチローラ
45 第2冷却ローラ
46 第3冷却ローラ
48 搬送ローラ

Claims (8)

  1. 透明性フィルム基材と、前記透明性フィルム基材上に形成された機能層とを備え、
    前記機能層が、前記透明性フィルム基材に近い側の活性線硬化樹脂層と前記透明性フィルム基材から遠い側の光学異方性層とを積層したものを含み、
    前記光学異方性層が、分子内に棒状のメソゲン基を有する液晶化合物及び25℃における動粘度が100mm/s以上1000mm/s以下のポリエーテル基を有するポリシロキサン化合物を含有し、
    前記メソゲン基が、その長軸方向を前記透明性フィルム基材の面方向に略垂直となるように配向させた後、前記配向が固定化されていることを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記活性線硬化樹脂層が、活性線硬化樹脂とセルロースエステル樹脂とを含有し、
    前記セルロースエステル樹脂の含有量が、前記活性線硬化樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記ポリシロキサン化合物の含有量が、前記液晶化合物100質量部に対して、0.1〜0.5質量部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学フィルム。
  4. 前記光学異方性層の厚みが、1.2〜3μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 透明性フィルム基材上に、活性線硬化性化合物を含有する活性線硬化樹脂層形成用組成物を塗布する工程と、
    前記活性線硬化樹脂層形成用組成物に活性線を照射して、活性線硬化樹脂層を形成する工程と、
    前記活性線硬化樹脂層上に、分子内に棒状のメソゲン基を有する重合性液晶化合物と25℃における動粘度が100mm/s以上1000mm/s以下のポリエーテル基を有するポリシロキサン化合物とを含有する光学異方性層形成用組成物を塗布する工程と、
    前記光学異方性層形成用組成物を加熱することによって、前記メソゲン基を配向させる配向工程と、
    配向されたメソゲン基を固定させることによって、光学異方性層を形成する固定化工程とを備えることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  6. 前記固定化工程が、前記光学異方性層形成用組成物を冷却した後、前記光学異方性層形成用組成物に活性線を照射して、前記光学異方性層形成用組成物を硬化させる工程であることを特徴とする請求項5に記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 偏光素子と、前記偏光素子の少なくとも一方の表面上に配置された透明保護フィルムとを備える偏光板であって、
    前記透明保護フィルムが、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルムであることを特徴とする偏光板。
  8. 液晶セルと、前記液晶セルを挟むように配置された2枚の偏光板とを備える液晶表示装置であって、
    前記2枚の偏光板のうち少なくとも一方が、請求項7に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
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