JP2010138852A - ロータリ圧縮機、ロータリ圧縮機の製造方法及びロータリ圧縮機の製造装置。 - Google Patents

ロータリ圧縮機、ロータリ圧縮機の製造方法及びロータリ圧縮機の製造装置。 Download PDF

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Abstract

【課題】ロータリ圧縮機のクランクシャフトを複数のシャフトを連結して構成した場合に加工誤差と組立誤差の累積により,クランクシャフトの同軸精度が著しく低下する。
【解決手段】第1シャフトと第2シャフトと仕切板を同軸上にセットし、第1シャフトの嵌合軸を仕切板のシャフト貫通孔に挿通し、仕切板のシャフト貫通孔を挿通した第1シャフトの嵌合軸を第2シャフトの嵌合穴に嵌合させて連結してクランクシャフトを構成し、仕切板が一時的に固定状態で挿通されたクランクシャフトを回転可能に保持し、クランクシャフトの軸受挿入部を研削するようにしたので、構造が簡単で小型化を図ることができるとともに各シャフトの同軸度を精度よく組立てるようにした。
【選択図】図6

Description

この発明は、例えば複数の圧縮室を有する冷凍・空調機用のロータリ圧縮機、ロータリ圧縮機の製造方法、及びロータリ圧縮機の製造装置に関するものである。
ロータリ圧縮機は、シェル内部に設置されたモータが駆動源となり、ガラス端子部からの通電によりモータが駆動され、モータの回転子に挿設され偏心部を持つクランクシャフトを回転させ、シリンダ、ベーン、バネ、ローラにより構成される圧縮室に、吸入マフラ、吸入パイプを通じてシリンダ内にガスを吸入して圧縮し、吐出口よりシリンダ外に吐出後、吐出パイプよりシェル外に吐出する機能を有するものである。
仕切板は2つのシリンダ内の圧縮室を仕切る役割を果たしている部材であり、第1シリンダと第2シリンダに挟まれて固定されている。
このようなロータリ圧縮機においては、大容量化と低コスト化が求められている。
一般に、複数のシリンダを有するロータリ圧縮機の圧縮室の容量、すなわちシリンダの内径とローラの外径との間の部分の容量を大きくする場合、シリンダをクランクシャフトの軸方向に長くする方法、シリンダ外径と内径を大きくする方法、及びシリンダの外径はそのままで、クランクシャフトの偏心量を大きくする方法が考えられる。
ここで、シリンダをクランクシャフトの軸方向に長くする方法あるいはシリンダ外径を大きくする方法を取る場合、ロータリ圧縮機は大型化し、高コストとなる。
そこで、シリンダの外径はそのままにして、クランクシャフトの偏心量を大きくし、ローラの肉厚、すなわち径方向の厚みを小さくする方法が考えられる。
通常、複数のシリンダを有するロータリ圧縮機を組立てる際は、シリンダ数がnの場合、n個の軸受、シリンダ、ローラと、n−1個の仕切板とをクランクシャフトに挿通させる必要がある。
ゆえに、仕切板をクランクシャフトに挿通できるようにするためには、仕切板の穴径は、幾何的にクランクシャフトの偏心部より大きくしなければならず、その結果、組立てられた圧縮機は、シリンダの中間に位置された仕切板の穴とシリンダ内の圧縮室との間に漏れ流路が発生し、圧縮効率が悪いといった問題が生じる。
漏れ流路を生じさせないために、ローラの肉厚、すなわち径方向の厚みを十分大きくする方法があるが、偏心量を大きくし、かつローラの肉厚を大きくする場合は、シリンダの内径を大きくする必要があり、シリンダの肉厚、すなわち径方向の厚みが小さくなるため、必要な強度を満たすためには、寸法の限界があった。
特許文献1はこのような問題を解決するために考案されたものであり、クランクシャフトを第1シャフトと第2シャフトとに分割するとともに、シャフトに連結部を設け、かつ仕切板の穴径を第1シャフトと第2シャフトの連結部より大きく、かつ第1シャフトあるいは第2シャフトの偏心部より小さくなるように構成している。
本特許文献1によれば、第1シャフトと第2シャフトとの連結部を仕切板の開口部内に設け、その連結部は、第1シャフトの偏心軸部より下方の部分が仕切板の開口部内に挿入されかつ仕切板の開口部内に軸受メタルによって回転可能に支承されるとともに下端面に嵌合穴が形成された雌型連結部と、第2シャフトの偏心軸部より上方の部分である上端部が第1シャフトの雌型連結部の嵌合穴に圧入される雄型連結部とにより構成されている。第1シャフトの下方部分の雌型連結部を仕切板の開口部内に挿通した状態で、第1シャフトの雌型連結部の嵌合穴に第2シャフトの上端部の雄型連結部を圧入、接着、溶接、爆溶着、ネジ結合等により連結して組立てるようにしており、仕切板の穴径はシャフトを分割しない場合の仕切板の穴径より小さくてよく、シリンダの外径及び内径の大きさをそのままにして、容量が大きくかつ漏れ流路のない圧縮機構造を構成するようにしている。
特開2005−337210号公報(段落番号[0072]、[0073]、図3)
上述したようなロータリ圧縮機においては、複数のシャフトを連結した際、連結したそれぞれのシャフトの同軸度は小さければ小さいほど機械的損失が少なく、軸受寿命の優れた圧縮機となる。特に、シャフトを支承するメタル軸受構造の場合には顕著であることが知られている。
しかしながら、上述した特許文献1における技術では、第1シャフトと第2シャフトとの連結部を仕切板の開口部内に設け、その連結部を仕切板の開口部内周面に設けた軸受メタルで回転可能に支承するようにしており、構造が複雑化するとともに大型化するという問題があった。
また、実際には、特許文献1における技術は各シャフトの加工誤差と組立誤差が累積するため、各シャフトの同軸度を精度よく組立てることができないという問題があった。
この発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであり、各シャフトの同軸度を精度よく組立てることができるロータリ圧縮機、ロータリ圧縮機の製造方法及びロータリ圧縮機の製造装置を得ることを目的としている。
この発明は、第1軸受に挿入される第1軸受挿入部と第1シリンダに配置される第1偏心部と一端側に形成された嵌合軸と第1偏心部と嵌合軸の間に位置する中間軸とを有する第1シャフトと、第2シリンダに配置される第2偏心部とこの第2偏心部に形成され第1シャフトの嵌合軸が嵌合される嵌合穴と一端側に形成され第2軸受に挿入される第2軸受挿入部とを有する第2シャフトと、第1シャフトと第2シャフトを連結して構成されるクランクシャフトと、クランクシャフトが貫通するシャフト貫通孔が形成され、第1シャフトと第2シャフトの間に挿通され第1シリンダと第2シリンダとの間を仕切る仕切板と、仕切板に形成されたシャフト貫通孔と中間軸との間に仕切板を一時的に固定状態とする一時的固定機構とを備え、クランクシャフトは、第1シャフトの嵌合軸を仕切板に形成されたシャフト貫通孔に挿通し、嵌合軸を第2シャフトの嵌合穴に嵌合させて連結することにより構成されたロータリ圧縮機を提供するものである。
また、この発明は、第1偏心部を有する第1シャフトと第2偏心部を有する第2シャフトが連結されて構成されるクランクシャフトを第1シリンダと第2シリンダ間を仕切る仕切板に形成されたシャフト貫通孔に挿通して組み立てるロータリ圧縮機の製造方法において、第1シャフトと第2シャフトと仕切板を同軸上にセットする工程と、第1シャフトの嵌合軸を仕切板のシャフト貫通孔に挿通する工程と、仕切板のシャフト貫通孔を挿通した第1シャフトの嵌合軸を第2シャフトの嵌合穴に嵌合させて連結してクランクシャフトを構成する工程と、仕切板をクランクシャフトの第1偏心部と第2偏心部間に一時的に固定状態とする工程と、仕切板が挿通されたクランクシャフトを回転可能に保持する工程と、クランクシャフトの軸受挿入部を研削する工程と、仕切板とクランクシャフトとを分離する工程とを備えたロータリ圧縮機の製造方法を提供するものである。
また、この発明は、第1偏心部を有する第1シャフトと第2偏心部を有する第2シャフトが連結されて構成されるクランクシャフトを第1シリンダと第2シリンダ間を仕切る仕切板に形成されたシャフト貫通孔に挿通して組み立てるロータリ圧縮機の製造装置において、基台に設けられ仕切板が所定位置に載置されるとともに仕切板に形成されたシャフト貫通孔よりも大きい開口部を有する仕切板保持台と、仕切板保持台の開口部下方の基台に取り付けられ、第2シャフトの嵌合穴が上側となるように保持する第2シャフト保持台と、仕切板保持台の開口部上方に第2シャフト保持具と同軸上に配置され、第1シャフトの嵌合軸が下側となるよう保持する第1シャフト保持具と、第1シャフト保持具が装着され、第1シャフトが保持された第1シャフト保持具を下降させることにより、第1シャフトの嵌合軸を仕切板のシャフト貫通孔を挿通して第2シャフト保持台に保持された第2シャフトの嵌合穴に嵌合させて連結するとともに仕切板をクランクシャフトに一時的に固定状態とする嵌合装置とを備えたロータリ圧縮機の製造装置を提供するものである。
また、この発明は、第1偏心部を有する第1シャフトと第2偏心部を有する第2シャフトが連結されて構成されるクランクシャフトを第1シリンダと第2シリンダ間を仕切る仕切板に形成されたシャフト貫通孔に挿通して組み立てるロータリ圧縮機の製造装置において、基台に設けられその基台とともに移動する軸方向送り装置と、軸方向送り装置に取り付けられ、仕切板が一時的に固定状態で挿通されたクランクシャフトを回転可能に保持する回転保持具と、クランクシャフトの軸受挿入部を研削する研削体とを備えたロータリ圧縮機の製造装置を提供するものである。
この発明によれば、第1シャフトと第2シャフトを連結して構成されるクランクシャフトは、第1シャフトの嵌合軸を仕切板に形成されたシャフト貫通孔に挿通し、一時的固定機構により仕切板がクランクシャフトに一時的に固定状態とするとともに第1シャフトの嵌合軸を第2シャフトの嵌合穴に嵌合させて連結することにより構成したので、構造が簡単で小型化を図ることができるロータリ圧縮機を得ることができる。
また、この発明によれば、第1シャフトと第2シャフトと仕切板を同軸上にセットし、第1シャフトの嵌合軸を仕切板のシャフト貫通孔に挿通し、仕切板のシャフト貫通孔を挿通した第1シャフトの嵌合軸を第2シャフトの嵌合穴に嵌合させて連結してクランクシャフトを構成し、仕切板が一時的に固定状態で挿通されたクランクシャフトを回転可能に保持し、クランクシャフトの軸受挿入部を研削するようにしたので、構造が簡単で小型化を図ることができるとともに各シャフトの同軸度を精度よく組立てることができるロータリ圧縮機の製造方法を得ることができる。
また、この発明によれば、基台に設けられ仕切板が所定位置に載置されるとともに仕切板に形成されたシャフト貫通孔よりも大きい開口部を有する仕切板保持台と、仕切板保持台の開口部下方の基台に取り付けられ、第2シャフトの嵌合穴が上側となるように保持する第2シャフト保持台と、仕切板保持台の開口部上方に第2シャフト保持具と同軸上に配置され、第1シャフトの嵌合軸が下側となるよう保持する第1シャフト保持具と、第1シャフト保持具が装着され、第1シャフトが保持された第1シャフト保持具を下降させることにより、第1シャフトの嵌合軸を仕切板のシャフト貫通孔を挿通して第2シャフト保持台に保持された第2シャフトの嵌合穴に嵌合させて連結するとともに仕切板をクランクシャフトに一時的に固定状態とする嵌合装置とを備えたことにより、構造が簡単で小型化を図ることができるとともに各シャフトの同軸度を精度よく組立てることができるロータリ圧縮機の製造装置を得ることができる。
また、この発明によれば、基台に設けられその基台とともに移動する軸方向送り装置と、軸方向送り装置に取り付けられ、仕切板が一時的に固定状態で挿通されたクランクシャフトを回転可能に保持する回転保持具と、クランクシャフトの軸受挿入部を研削する研削体とを備えたことにより、構造が簡単で小型化を図ることができるとともに各シャフトの同軸度を精度よく組立てることができるロータリ圧縮機の製造装置を得ることができる。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機を図に基づいて詳細に説明する。
図1はこの発明の実施形態1に基づくロータリ圧縮機の構成例を示す縦断面図であり、図は一例として2つの圧縮室を有する2シリンダと言われるロータリ圧縮機100の場合を示しており、例えば冷凍・空調機用として使用されるものである。図2は図1におけるII−II線の断面図を示す。
ロータリ圧縮機100は、圧力容器であるシェル101の内部に駆動源であるモータ102と圧縮機構103が連結されて内蔵されている。シェル101は、上部シェル101aと中間シェル101bと下部シェル101cとから構成されている。上部シェル101aは、外部からモータ102に電力を供給するためのガラス端子104と、圧縮された冷媒をロータリ圧縮機100の外部へと吐出する吐出パイプ105とが取り付けられ固定されている。中間シェル101bは、モータ102と圧縮機構103と、その圧縮機構103へと冷媒を導く吸入パイプ106とが取り付けられている。なお、吸入パイプ106は吸入マフラ107に接続されており、吸入マフラ107にて冷凍機油と冷媒の分離、及び冷媒中のゴミの除去が行なわれる。
モータ102は、固定子102aと回転子102bとから構成され、回転子102bはクランクシャフト108に取り付けられている。これにより、モータ102で発生した回転トルクは回転子102b、クランクシャフト108を通じて圧縮機構103に伝達されるようになっている。
圧縮機構103は、クランクシャフト108、第1軸受109、第1シリンダ110、仕切板114、第2シリンダ115、第2軸受117で基本的に構成され、第1シリンダ110内には第1バネ111、第1ベーン112、第1ローラ113が内蔵されており、第1ベーン112により低圧部分131と高圧部分132とに区分けされ、圧縮された冷媒を吐出する吐出口133が設けられている。また、第2シリンダ115内には第2バネ(図示しない)、第2ベーン(図示しない)、第2ローラ116が内蔵されており、第1シリンダ110と同様に、第2ベーンにより低圧部分(図示しない)と高圧部分(図示しない)とに区分けされ、圧縮された冷媒を吐出する吐出口(図示しない)が設けられている。
図3はクランクシャフト108及び仕切板114の関連を示す展開図である。クランクシャフト108は、第1シャフト118と第2シャフト119とから構成され、第1シャフト118と第2シャフト119とを同軸上に連結することにより一体化されてクランクシャフト108が構成されるものである。第1シャフト118は、モータ102の回転子102bが取り付けられる回転子嵌合部120と、第1軸受109に挿入される第1軸受挿入部121と、第1シリンダ110に配置される第1偏心部122と、仕切板114に形成されたシャフト貫通孔129に位置するよう挿通される中間軸123と、一端側に形成され仕切板114に形成されたシャフト貫通孔129を挿通して仕切板114より突出される嵌合軸124とを有する構成となっている。また、中間軸123の第1偏心部122側に軸方向の幅が小さいシャフト段部125が形成され、仕切板114のシャフト貫通孔129は段付部130が形成され、これらシャフト段部125と段付部130とにより一時的固定機構が構成され、中間軸123のシャフト段付部125の小さい幅部と仕切板114のシャフト貫通孔129に設けた段付部130が一時的な固定状態となるよう嵌合されるとともに仕切板114のシャフト貫通孔129に中間軸123が挿通している。第2シャフト119は、第2シリンダ115に配置される第2偏心部126と、この第2偏心部126に形成され、第1シャフト118の嵌合軸124が嵌合される嵌合穴127と、一端側に形成された第2軸受117に挿入される第2軸受挿入部128とを有する構成となっている。第1シャフト118の嵌合軸124を仕切板114のシャフト貫通孔129に挿通して第2シャフト119の嵌合穴127に嵌合、例えば圧入や焼嵌めなどによって同軸上に連結して固定することにより、ロータリ圧縮機100の運転時には一体となって回転するようになっている。
仕切板114は、第1シャフト118と第2シャフト119との間に挿通され、第1シリンダ110と第2シリンダ115との間を仕切る。また、仕切板114の中心付近に形成したシャフト貫通孔129の径は、シャフト貫通孔129に挿通して位置する第1シャフト118の中間部123の径よりも大きく、第1シャフト118の第1偏心部122及び第2シャフト119の第2偏心部126の径よりも小さく構成されている。また、仕切板114のシャフト貫通孔129は第1シャフト118の中間部123に形成されたシャフト段部125に一時的に嵌合されて固定状態となるよう構成されている。さらに、仕切板114のシャフト貫通孔129に設けた段付部130に中間軸123が所定の隙間を持って挿通されている。
クランクシャフト108の第1シャフト118の第1偏心部122、及び第2シャフト119の第2偏心部126にはそれぞれ第1ローラ113、第2ローラ116が回転自在に嵌合している。第1シリンダ110、及び第2シリンダ115にはそれぞれ径方向に伸縮する第1バネ111、第2バネが取り付けられており、第1バネ111、第2バネの押付け力により第1ベーン112、第2ベーンがそれぞれ第1ローラ113、第2ローラ116の外周に押付けられる。第1ベーン112、第2ベーンは第1シリンダ110及び第2シリンダ115の内部をそれぞれ低圧部分131と高圧部分132に区分けするように構成されている。
次に動作について説明する。外部から電力をガラス端子104を通してモータ102に供給することにより、モータ102の回転子102bが回転する。モータ102の回転子102bが回転することにより、その回転子102bと連結されたクランクシャフト108が連動して一体となって回転する。そして、吸入マフラ107に接続された吸入パイプ106より第1シリンダ110及び第2シリンダ115のそれぞれの内部に吸入された冷媒は、クランクシャフト108の回転に伴って第1シリンダ110及び第2シリンダ115のそれぞれの内部で圧縮され、一定の圧力になると第1シリンダ110の吐出口133及び第2シリンダ115の吐出口からそれぞれシェル101内部へ吐出され、吐出パイプ105よりロータリ圧縮機100の外部へ吐出される。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、第1シャフト118と第2シャフト119を同軸上に連結して構成されるクランクシャフト108は、第1シャフト118の嵌合軸124を仕切板114に形成されたシャフト貫通孔129に挿通し、第1シャフト118の嵌合軸124を第2シャフト119の嵌合穴127に嵌合させて連結するとともに仕切板をクランクシャフト108に一時的に固定状態とすることにより構成したので、構造が簡単で小型化を図ることができるロータリ圧縮機を得ることができる。
すなわち、上述した特許文献1における従来技術のように、第1シャフトと第2シャフトの連結部を仕切板の開口部に配置しているのに対し、この発明の実施の形態1における第1シャフト118と第2シャフト119との連結部分は仕切板114の貫通孔129の外側であり、仕切板114の貫通孔129に上述した従来技術のように複雑な連結部を配置していないので、その貫通孔129も小さいものとすることができる。また、上述した従来技術においては、第1シャフトと第2シャフトとの連結部分は仕切板の開口部に配置され、その連結部分が第1シャフトの中間軸を構成し、その中間軸を回転自在に支承するよう仕切板の開口部内周面に軸受メタルを配置しているが、この発明の実施の形態1においては、仕切板114のシャフト貫通孔129の内周面には上述した従来技術のように軸受メタルを設けておらず、第1シャフト118の中間部123が仕切板114のシャフト貫通孔129に挿通してそのシャフト貫通孔129に位置するだけであり、構造が簡単で小型化を図ることができるロータリ圧縮機を得ることができる。
実施の形態2.
上述した実施の形態1において、仕切板114をクランクシャフト108の第1シャフト118の第1偏心部122と第2シャフト119の第2偏心部126の間に一時的に固定状態とする一時的固定機構として、中間軸13にシャフト段部125を形成し、仕切板114のシャフト貫通孔129に形成した段付部130を形成し、仕切板114のシャフト貫通孔129を中間軸13に形成したシャフト段部125に嵌合させることにより、仕切板114を一時的に固定状態とする場合について述べたが、図4及び図5に示すように、第1シャフト118の中間軸123の第1偏心部122側に設けた軸方向の幅が小さいキー状突起体134と、仕切板114のシャフト貫通孔129に設けたキー状突起体134と係合するキー溝135とから構成するようにしてもよく、この場合は仕切板114のシャフト貫通孔129に設けたキー溝135を中間軸123に設けたキー状突起体134に係合させることにより、仕切板114を一時的に固定状態とすることができる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3におけるロータリ圧縮機の製造方法、特にクランクシャフトの組立・研削仕上げ加工を含めた製造方法について、図6に示したフローチャートに基づいて説明する。
STEP1においては、第1シャフト118の第1軸受挿入部121と仕切板114のシャフト貫通孔129と第2シャフト119の第2軸受挿入部128のそれぞれの軸心が同軸上となるようにセットする。この際、第1シャフト118の第1偏心部122と第2シャフト119の第2偏心部126の位相が180°ずらした状態とする。
STEP2においては、第1シャフト118の嵌合軸124を仕切板114に形成されたシャフト貫通孔129に挿通する。
STEP3においては、仕切板114のシャフト貫通孔129に挿通した第1シャフト118の嵌合軸124を第2シャフト119の嵌合穴127に嵌合、例えば圧入させて連結してクランクシャフト108を構成する。なお、この時点においては、第1シャフト118と第2シャフト119とを連結して一体構成としたクランクシャフト108と仕切板114とは互いに固定されておらず、仕切板114は第1偏心部112と第2偏心部126と間での軸方向の移動、径方向の移動、軸心に対する傾き、及び回転は自在となっている。
STEP4においては、仕切板114をクランクシャフト108の第1シャフト118の第1偏心部112側へ移動し、軸方向の荷重をかけて中間軸123に形成したシャフト段部125に仕切板114のシャフト貫通孔129に形成した段付部130を嵌合、すなわち、仕切板114のシャフト貫通孔129を中間軸123のシャフト段部125に圧入することにより、仕切板114を中間軸123のシャフト段部125に一時的に固定状態とする。
なお、中間軸123にキー状突起体134を設け、仕切板114のシャフト貫通孔129にキー溝135を設けた場合には、仕切板114をクランクシャフト108の第1シャフト118の第1偏心部112側へ移動し、軸方向の荷重をかけて中間軸123に形成したキー状突起体134に仕切板114のシャフト貫通孔129に形成したキー溝135を係合させることにより、仕切板114を中間軸123に一時的に固定状態とする。
STEP5においては、第1シャフト118と第2シャフト119とを連結して一体構成としたクランクシャフト108の第1軸受挿入部121及び第2軸受挿入部128を研削し得るようにクランクシャフト108の両端部を回転可能となるようセンター芯出しを行って保持する。
STEP6においては、クランクシャフト108を回転させ、砥石などの研削体により第1軸受挿入部121、及び第2軸受挿入部128を研削することにより最終的な仕上げ加工を施す。
以上のようにしてクランクシャフト108を製造することにより、クランクシャフト108の第1シャフト118と第2シャフト119との同軸度を精度よく得ることができるものである。すなわち、第1シャフト118の第1軸受挿入部121及び第2シャフト119の第2軸受挿入部128を砥石などの研削体により研削して仕上げるようにしているので、各シャフトの組立誤差は全くなくなり、各シャフトの同軸度の精度が著しく向上するものであり、実質的に各シャフトの同軸度に差異が全くないものとなる。したがって、この実施の形態3によって製造されたロータリ圧縮機100によれば、構造が簡単で小型化を図ることができるとともに各シャフトの同軸度を精度よく組立てることができるロータリ圧縮機の製造方法を得ることができる。
なお、当然のことながら、研削終了後にはエアブロー等の手段により研削カスを除去する。また、研削仕上げされたクランクシャフト108の第1軸受挿入部121及び第2軸受挿入部128には第1軸受109及び第2軸受117への挿入時にそれぞれ二硫化モリブデン等の固体潤滑材を塗布して耐摩耗性などの潤滑特性を向上するようにしている。
ところで、上述した実施の形態3によって製造されたクランクシャフト108の圧縮機構103への組立方法について、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
STEP11においては、第1シャフト118の第1軸受挿入部121と第1偏心部122の偏心ずれ量を測定する。
STEP12においては、第2シャフト119の第2軸受挿入部128と第2偏心部126の偏心ずれ量を測定する。
STEP13においては、第1シリンダ110と第1軸受109を、上述したSTEP11における測定結果に基づいて第1シャフト118が回転した場合に第1ローラ113の外周面と第1シリンダ110の内周面との隙間が最適となるように組立てる。
STEP14においては、第2シリンダ115と第2軸受117を、上述したSTEP12における測定結果に基づいて第2シャフト119が回転した場合に第2ローラ116の外周面と第2シリンダ115の内周面との隙間が最適となるように組立てる。
STEP15においては、第1シリンダ110に第1ローラ113と第1ベーン112を挿入する。
STEP16においては、第1シリンダ110に研削して仕上げられたクランクシャフト108と仕切板114とを挿入する。
STEP17においては、仕切板114と研削して仕上げられたクランクシャフト108を分離、すなわち、仕切板114をクランクシャフト108の第1偏心部122と反対側の軸方向への荷重をかけて中間軸123のシャフト段部125から分離する。これにより一時的な固定状態が解除される。なお、キー状突起体134とキー溝135による一時的な固定状態の場合は、キー結合を解除することにより仕切板114と中間軸123とが分離される。
STEP18においては、研削して仕上げられたクランクシャフト108に第2ローラ116と第2ベーンとをセットした第2シリンダ115を挿入する。
STEP19においては、第1シャフト118の第1軸受109と仕切板114のシャフト貫通孔129と第2シャフト119の第2軸受117が同軸上となるように、第1シリンダ110と仕切板114と第2シリンダ115とを位置決めし、ボルトなどによって締結する。
以上のようにして、研削して仕上げられたクランクシャフト108及び仕切板114は第1軸受109、第1シリンダ110、第2シリンダ115、第2軸受117などと同軸度のよい状態で組み立てられて圧縮機構103が構成されることになる。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4におけるロータリ圧縮機の製造装置、特にクランクシャフトの組立に係る製造装置を図8に基づいて説明する。図8において、クランクシャフト108、第1シャフト118の各部構成、第2シャフトの各部構成、仕切板114の各部構成は上述した各実施の形態の構成と同様である。
組立装置200は、基台201に設けられ仕切板114が所定位置に載置されるとともに仕切板114に形成されたシャフト貫通孔129よりも大きな開口部202aを有する仕切板保時台202と、仕切板保時台202の開口部202a下方の基台201に取り付けられ、第2シャフト119の嵌合穴127が上側となるように第2シャフト119の第2軸受挿入部128を保持する第2シャフト保持台203と、仕切板保時台202を上下に昇降する駆動シリンダ204と、仕切板保持台202の開口部202a上方に第2シャフト保持台203と同軸上に配置され、第1シャフト118の嵌合軸124が下側となるように第1シャフト118の回転子嵌合部120を保持する第1シャフト保持具205と、第1シャフト保持具205が装着され、第1シャフト118が保持された第1シャフト保持具205を鉛直下方に下降させることにより、第1シャフト118の嵌合軸124を仕切板114の貫通孔129及び仕切板保時台202の開口部202aを挿通して第2シャフト保持台203に保持された第2シャフト119の嵌合穴127に嵌合させて連結する例えばプレス機からなる嵌合装置206とにより構成されている。なお、当然のことながら、第1シャフト保持具205と第2シャフト保持台203とは同軸上に配置されている。したがって、第1シャフト118の嵌合軸124と第2シャフト119の嵌合穴127は同軸となるようにセットされる。
この実施の形態4における製造装置は、第2シャフト119を嵌合穴127が上側となるように第2シャフト保持台203にセットして保持する。仕切板114を仕切板保時台202上に載置する。第1シャフト118を嵌合軸124が下側となるように第1シャフト保持具205に保持する。このとき、第1シャフト118と第2シャフト119と仕切板114のシャフト貫通孔129とを同軸上にセットするとともに第1シャフト118の第1偏心部122と第2シャフト119の第2偏心部126とは180°位相がずれるようにセットする。そして、プレス機からなる嵌合装置206により第1シャフト118を保持した第1シャフト保持具205を鉛直下方に下降させることにより第1シャフト118も連動して下降する。第1シャフト118の嵌合軸124が仕切板114の貫通孔128及び仕切板保時台202の開口部202aを挿通して、第2シャフト保持台203に保持された第2シャフト119の嵌合穴127に鉛直下方の力を加えて圧入した後、駆動シリンダ204を駆動して仕切板保持台202を上方に持ち上げ、仕切板114に鉛直上方の力を加えることにより、第1シャフト118と第2シャフト119とが同軸上に連結されて一体化されてクランクシャフト108が構成され、クランクシャフト108に仕切板114が一時的に固定状態になる。
この実施の形態4によれば、第2シャフト保持台203に第2シャフト119を保持し、第1シャフト保持具205に第1シャフト118を保持し、仕切板保時台202に仕切板114を載置し、第1シャフト118と第2シャフト119と仕切板114のシャフト貫通孔129を同軸上にセットして、嵌合装置206を駆動して第1シャフト保持具205を下降させて第1シャフト118と第2シャフト119とを同軸上に連結してクランクシャフト108を構成するようにしたことにより、構造が簡単で小型化を図ることができるとともに各シャフトの同軸度を精度よく組立てることができるロータリ圧縮機の製造装置を得ることができる。
実施の形態5.
この発明の実施の形態5におけるロータリ圧縮機の製造装置、特にクランクシャフトの研削仕上げに係る製造装置を図9〜図11に基づいて説明する。図9は正面図を示し、図10は平面図、図11は要部拡大図を示す。これら各図において、クランクシャフト108、第1シャフト118の各部構成、第2シャフトの各部構成、仕切板114の各部構成は上述した各実施の形態の構成と同様である。
研削装置300は、基台301に設けられ、基台301とともに軸方向に移動する軸方向送り装置302と、軸方向送り装置302に取り付けられ、仕切板114が挿通されたクランクシャフト108を回転可能に保持する回転保持具303と、例えば砥石からなる研削体304とにより構成されている。
回転保持具303は両センター部分でクランクシャフト108を回転可能に保持する。回転保持具303が取り付けられた軸方向送り装置302は軸方向に移動することによりクランクシャフト108を軸方向に移動させ、研削位置を変更する。
研削体304は、例えば砥石から構成されており、図示しない駆動装置によりクランクシャフト108の軸方向と直交する方向に進退移動されるように構成されており、砥石からなる研削体304によってクランクシャフト108の第1軸受挿入部121及び第2軸受挿入部128が研削されて最終的な仕上げ加工が施されるようになっている。
この実施の形態5における製造装置は、上述した実施の形態4における製造装置により第1シャフト118と第2シャフト119とが一体的に連結されたクランクシャフト108を軸方向送り装置302に取り付けられた回転保持具303によって両センター部分で芯出しを行ないクランクシャフト108を回転可能に保持する。図は一例として、クランクシャフト108の第2シャフト119の第2軸受挿入部128を研削している状態を示しており、軸方向送り装置302を駆動して第2シャフト119の第2軸受挿入部128が研削体304である砥石の位置近傍にくるよう軸方向に移動する。次いで、研削体304である砥石をクランクシャフト108の軸方向と直交する方向に進行させ、第2シャフト119の第2軸受挿入部128を研削して最終的な仕上げ加工を施す。第2シャフト119の第2軸受挿入部128の最終的な仕上げ加工が完了すると、軸方向送り装置302を駆動して第1シャフト118の第1軸受挿入部121が研削体304である砥石の位置近傍にくるよう軸方向に移動する。次いで、研削体304である砥石をクランクシャフト108の軸方向と直交する方向に進行させ、第1シャフト118の第1軸受挿入部121を研削して最終的な仕上げ加工を施す。なお、研削体304である砥石による研削は、先に第1シャフト118の第1軸受挿入部121を研削した後、第2シャフト119の第2軸受挿入部128を研削するようにしてもよい。
この実施の形態5によれば、クランクシャフト108の第1シャフト118の第1軸受挿入部121及び第2シャフト119の第2軸受挿入部128を研削体304である砥石により研削して最終的な仕上げ加工を施すようにしたことにより、各シャフトの組立誤差は全くなくなり、各シャフトの同軸度の精度が著しく向上するものであり、実質的に各シャフトの同軸度に差異が全くないものとなる。したがって、この実施の形態5によって製造されたロータリ圧縮機100によれば、構造が簡単で小型化を図ることができるとともに各シャフトの同軸度を精度よく組立てることができるロータリ圧縮機の製造装置を得ることができる。
以上のように、加工対象であるクランクシャフト108に、加工対象でない仕切板114が軸方向の移動、径方向の移動、軸心に対する傾き、及び回転自在に挿通されてあっても、仕切板114はクランクシャフト108に一時的に固定状態でクランクシャフト108と一体となって回転するようにしているので、クランクシャフト108の第1シャフト118の第1軸受挿入部121及び第2シャフト119の第2軸受挿入部128を研削することができる。さらには第1シャフト118と第2シャフト119を組立後に研削するので、第1シャフト118と第2シャフト119の組立誤差があっても高精度なクランクシャフト108を製造することができる。
実施の形態6.
上述した実施の形態6においては、研削体304が1台の場合について述べたが、この実施の形態6においては、図12の平面図で示すように、研削体304を2台配置し、各研削体304の砥石により、クランクシャフト108の第1シャフト118の第1軸受挿入部121及び第2シャフト119の第2軸受挿入部128を同時に研削して最終的な仕上げ加工を施すようにしてもよく、この場合はさらに研削加工効率が向上する。
実施の形態7.
この実施の形態7においては、上述した実施の形態3における製造方法、または上述した実施の形態4〜6のいずれかに1つにおける製造装置によって製造されるロータリ圧縮機に関するものである。
この実施の形態7におけるロータリ圧縮機は、仕切板114のシャフト貫通孔128の径がクランクシャフト108の第1偏心部122及び第2偏心部125の径より小さくでき、かつクランクシャフト108の同軸精度を高精度とすることができるため、クランクシャフト108の偏心量を大きくしても仕切板114のシャフト貫通孔128からガス漏れが生じることはなく、小型で大容量のロータリ圧縮機とすることが可能である。
この発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機を示す図1のII−II線における断面図である。 この発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機のクランクシャフトと仕切板の関連を示す展開図である。 この発明の実施の形態2におけるロータリ圧縮機のクランクシャフトと仕切板の関連を示す展開図である。 この発明の実施の形態2におけるロータリ圧縮機を示す図1のIV−IV線における断面図である。 この発明の実施の形態3におけるロータリ圧縮機のクランクシャフトの組立・製造方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3におけるロータリ圧縮機の製造方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4におけるロータリ圧縮機の製造装置を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態5におけるロータリ圧縮機の製造装置を示す正面図である。 この発明の実施の形態5におけるロータリ圧縮機の製造装置を示す平面図である。 この発明の実施の形態5におけるロータリ圧縮機の製造装置を示す要部拡大図である。 この発明の実施の形態6におけるロータリ圧縮機の製造装置を示す平面図である。
符号の説明
100:ロータリ圧縮機、108:クランクシャフト、109:第1軸受、110:第1シリンダ、114:仕切板、115:第2シリンダ、117:第2軸受、118:第1シャフト、119:第2シャフト、121:第1軸受挿入部、122:第1偏心部、123:中間軸、124:嵌合軸、125:シャフト段部、126::第2偏心部、127:嵌合穴、128:第2軸受挿入部、129:シャフト貫通孔、130:段付部、201:基台、202:仕切板保持台、202a:開口部、203:第2シャフト保持台、205:第1シャフト保持具、206:嵌合装置、301:基台、302:軸方向送り装置、303:回転保持具、304:研削体。

Claims (8)

  1. 第1軸受に挿入される第1軸受挿入部と、第1シリンダに配置される第1偏心部と、一端側に形成された嵌合軸と、前記第1偏心部と前記嵌合軸との間に位置する中間軸とを有する第1シャフトと、
    第2シリンダに配置される第2偏心部と、この第2偏心部に形成され、前記第1シャフトの前記嵌合軸が嵌合される嵌合穴と、一端側に形成され第2軸受に挿入される第2軸受挿入部とを有する第2シャフトと、
    前記第1シャフトと前記第2シャフトを連結して構成されるクランクシャフトと、
    前記クランクシャフトが貫通するシャフト貫通孔が形成され、前記第1シャフトと前記第2シャフトの間に挿通され前記第1シリンダと前記第2シリンダとの間を仕切る仕切板と、
    前記仕切板に形成された前記シャフト貫通孔と前記中間軸との間に前記仕切板を一時的に固定状態とする一時的固定機構とを備え、
    前記クランクシャフトは、前記第1シャフトの前記嵌合軸を前記仕切板に形成された前記シャフト貫通孔に挿通し、前記嵌合軸を前記第2シャフトの前記嵌合穴に嵌合させて連結することにより構成されたことを特徴とするロータリ圧縮機。
  2. 前記一時的固定機構は、前記中間軸に形成されたシャフト段部と、前記仕切板のシャフト貫通孔が前記シャフト段部と一時的な固定状態をなすよう前記シャフト貫通孔に形成された段付部とからなることを特徴とする請求項1記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記一時的固定機構は、前記中間軸に設けられたキー状突起体と、前記仕切板のシャフト貫通孔に形成され前記キー状突起体が係合されるキー溝とからなることを特徴とする請求項1記載のロータリ圧縮機。
  4. 第1偏心部を有する第1シャフトと第2偏心部を有する第2シャフトが連結されて構成されるクランクシャフトを第1シリンダと第2シリンダ間を仕切る仕切板に形成されたシャフト貫通孔に挿通して組み立てるロータリ圧縮機の製造方法において、前記第1シャフトと前記第2シャフトと前記仕切板を同軸上にセットする工程と、前記第1シャフトの嵌合軸を前記仕切板の前記シャフト貫通孔に挿通する工程と、前記仕切板の前記シャフト貫通孔を挿通した前記第1シャフトの前記嵌合軸を前記第2シャフトの嵌合穴に嵌合させて連結して前記クランクシャフトを構成する工程と、前期仕切板を前記クランクシャフトの前記第1偏心部と前記第2偏心部間に一時的に固定状態とする工程と、前記仕切板が挿通された前記クランクシャフトを回転可能に保持する工程と、前記クランクシャフトの軸受挿入部を研削する工程と、前記仕切板と前記クランクシャフトとを分離する工程とを備えたことを特徴とするロータリ圧縮機の製造方法。
  5. 第1偏心部を有する第1シャフトと第2偏心部を有する第2シャフトが連結されて構成されるクランクシャフトを第1シリンダと第2シリンダ間を仕切る仕切板に形成されたシャフト貫通孔に挿通して組み立てるロータリ圧縮機の製造装置において、基台に設けられ前記仕切板が所定位置に載置されるとともに前記仕切板に形成された前記シャフト貫通孔よりも大きい開口部を有する仕切板保持台と、前記仕切板保持台の開口部下方の前記基台に取り付けられ、前記第2シャフトの嵌合穴が上側となるように保持する第2シャフト保持台と、前記仕切板保持台の開口部上方に前記第2シャフト保持台と同軸上に配置され、前記第1シャフトの嵌合軸が下側となるよう保持する第1シャフト保持具と、前記第1シャフト保持具が装着され、前記第1シャフトが保持された前記第1シャフト保持具を下降させることにより、前記第1シャフトの前記嵌合軸を前記仕切板のシャフト貫通孔を挿通して前記第2シャフト保持台に保持された前記第2シャフトの前記嵌合穴に嵌合させて連結するともに前記仕切板を前記クランクシャフトに一時的に固定状態とする嵌合装置とを
    備えたことを特徴とするロータリ圧縮機の製造装置。
  6. 前記嵌合装置は、プレス機からなることを特徴とする請求項5項に記載のロータリ圧縮機の製造装置。
  7. 第1偏心部を有する第1シャフトと第2偏心部を有する第2シャフトが連結されて構成されるクランクシャフトを第1シリンダと第2シリンダ間を仕切る仕切板に形成されたシャフト貫通孔に挿通して組み立てるロータリ圧縮機の製造装置において、基台に設けられ前記基台とともに移動する軸方向送り装置と、前記軸方向送り装置に取り付けられ、前記仕切板が一時的に固定状態で挿通された前記クランクシャフトを回転可能に保持する回転保持具と、前記クランクシャフトの軸受挿入部を研削する研削体とを備えたことを特徴とするロータリ圧縮機の製造装置。
  8. 請求項4に記載の製造方法、もしくは請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造装置によって製造されたことを特徴とするロータリ圧縮機。
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