JP2010138812A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ターボチャージャにおける潤滑油の漏洩に起因する燃焼状態やエミッションの悪化を抑制する。
【解決手段】タービン210、コンプレッサ213及び回転軸214を含む主ターボチャージャと、タービン221、コンプレッサ222及び回転軸223を含む副ターボチャージャとを備えたエンジンシステム10において、ECU100は、オイル掃気制御を実行する。当該制御において、ECU100は、主ターボチャージャのみを利用したシングル過給モードの実行期間において、副ターボチャージャからの潤滑油の漏洩量たるオイル溜まり量OLを算出且つ更新している。このオイル溜まり量OLが所定値Aを超えると、ECU100は、副ターボチャージャのタービン221への排気の供給量を調整する排気切り替え弁230を微開させ、タービン221を駆動状態とすることによって漏洩した潤滑油を掃気する。
【選択図】図3
【解決手段】タービン210、コンプレッサ213及び回転軸214を含む主ターボチャージャと、タービン221、コンプレッサ222及び回転軸223を含む副ターボチャージャとを備えたエンジンシステム10において、ECU100は、オイル掃気制御を実行する。当該制御において、ECU100は、主ターボチャージャのみを利用したシングル過給モードの実行期間において、副ターボチャージャからの潤滑油の漏洩量たるオイル溜まり量OLを算出且つ更新している。このオイル溜まり量OLが所定値Aを超えると、ECU100は、副ターボチャージャのタービン221への排気の供給量を調整する排気切り替え弁230を微開させ、タービン221を駆動状態とすることによって漏洩した潤滑油を掃気する。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば2ウェイツインターボ等の過給システムを有する内燃機関の制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、ツインターボの潤滑に関するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されたシーケンシャルターボエンジンのターボ潤滑方法(以下、「従来の技術」と称する)によれば、エンジン運転状態により作動するセカンダリターボ過給機の軸受け部には、セカンダリターボ過給機の作動時に給油すると共に、不作動時には給油を遮断或いは絞るように制御するので、セカンダリターボ過給機でのオイル漏れ、オイル消費の増大を防止して良好に潤滑することができるとされている。
尚、副ターボチャージャの作動状態に基づいて副ターボチャージャに供給する潤滑油量を制御するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
通常、この種のツインターボシステムにおいては、一方のターボは車両の負荷条件に応じて駆動されるため、過給圧及び排気圧の加わらない非駆動時における潤滑油の漏洩を防止すべく、上記従来技術等のように、潤滑油量の制御がなされる。一方で、この種の潤滑油量の抑制により潤滑油の漏洩は少なく駆らず防止され得るものの、例えば、潤滑油の供給が停止される以前に既に供給済みの潤滑油が係る非駆動時に漏洩する可能性もあり、非駆動側のターボにおける潤滑油の漏洩量は必ずしもゼロとはならない。一方で、非駆動側のターボにおいて、例えばタービン及びコンプレッサ周辺部分等に漏洩した潤滑油は、黒煙や白煙の発生要因となり、内燃機関の燃焼状態やエミッションの悪化を招き得るが、従来の技術では、潤滑油が漏洩した後の状況については何ら考慮されていないために、この種の燃焼状態やエミッションの悪化を防止することが困難である。即ち、従来の技術には、非駆動側のターボにおける潤滑油の漏洩により燃焼状態やエミッションが悪化しかねないという技術的な問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、ターボチャージャにおける潤滑油の漏洩に起因する燃焼状態やエミッションの悪化を抑制することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る内燃機関の制御装置は、各々排気駆動型の第1過給器及び第2過給器を含む過給システムと、開閉状態に応じて該第2過給器に対する排気の供給量を調整可能に構成され、前記過給システムの過給モードを、閉弁状態において前記第1過給器のみにより吸入空気を過給するシングル過給モードに、また閉弁状態において前記第1及び第2過給器により吸入空気を過給するツイン過給モードに夫々切り替え可能な第1調整弁と、前記第1及び第2過給器に対し潤滑油を供給する供給手段とを備えてなる内燃機関の制御装置であって、前記第2過給器における前記潤滑油の漏洩量を特定する特定手段と、前記過給モードが前記シングル過給モードである場合に、該特定された漏洩量に応じて前記第1調整弁を開弁させる制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る内燃機関は、各々排気駆動型として構成される第1過給器及び第2過給器を含む過給システムを備える。ここで、「排気駆動型」とは、過給器による吸入空気の過給作用が、排気エネルギをその動力源として得られることを意味するものであり、第1及び第2過給器は、好適な一形態として、排気圧により回転駆動されるタービンと、例えば当該タービンと回転軸を共有すること等により当該タービンにより回転駆動されるコンプレッサ等の流体圧縮手段とを備えた、所謂「ターボチャージャ」として構成される。尚、本発明に係る過給システムは、過給器として、第1及び第2過給器に加え更に他の過給器を備えていてもよい。また、第1及び第2過給器は、好適な一形態としては、相互に並列な位置関係にある(即ち、その過給態様が、一方の過給器により過給された吸入空気を他方の過給器により過給する、所謂多段過給の形態を採らない)ものの、過給システムにおける、これら第1及び第2過給器の設置態様及び詳細な構成は、本発明に係る後述する作用を導き得る限りにおいて如何なるものであってもよい。
本発明に係る内燃機関は、開閉状態に応じて第2過給器に対する排気の供給量を二値的に、段階的に又は連続的に調整可能な第1調整弁を備えており、係る第1調整弁の開閉状態に応じて、第2過給器の過給状態(端的には過給圧)が二値的に、段階的に又は連続的に調整される構成となっている。また本発明では特に、過給システムの過給モードが、第1調整弁が閉弁状態にある場合に第1過給器のみが過給に寄与するシングル過給モードとなり、第1調整弁が開弁状態にある場合に第1及び第2過給器が過給に寄与するツイン過給モードとなる。この際、第1調整弁の開閉状態に応じて第2過給器の過給圧を調整可能な点に鑑みれば、ツイン過給モードは、例えば第1調整弁の開度が全開開度と全閉開度との間で規定される中間開度とされることにより得られる相対的に軽負荷側に対応する少なくとも一のモードと、例えば第1調整弁の開度を当該全開開度とされることにより得られる相対的に高負荷側に対応する一のモードとに更に細分化されていてもよい。
尚、第1調整弁のこのような作用に鑑みれば、第1調整弁とは、好適な一形態として、排気通路における第2過給器のタービンの上流側(シリンダ側)に設けられ、第1調整弁を挟んだ排気通路の上下流の連通を遮断する閉弁状態と、当該上下流を連通させる開弁状態とを少なくとも採り得るように構成された電磁弁やバタフライ弁等の各種弁装置(尚、弁装置とは、弁体に加え、当該弁体を開閉駆動する駆動系等を含み得る総体概念である)であってもよい。
いずれの過給モードが選択されるにせよ、吸入空気を大気圧以上に過給することは可能であり、係る観点から言えば、過給システムにおけるこの種の過給モードの切り替えは、如何なる制御条件に従ってなされてもよいが、好適には、この種の過給モードの切り替えは、内燃機関を搭載する車両の運転条件に基づいて実行される。この際、例えば、軽負荷領域ではシングル過給モードが、また高負荷領域ではツイン過給モードが夫々選択されてもよい。補足すれば、過給圧を要求以上に高めることはノッキングの発生限界に律束される圧縮比の低下を招くため回避すべきであり、また、排気エネルギの低い軽負荷領域で第2過給器を駆動すると、第2過給器における圧損が顕在化し易く、かえって過給圧の立ち上がりが遅れてドライバビリティの低下を生じかねない。一方で、排気エネルギが十分に確保される高負荷領域では、シングル過給モードと比較して高い過給圧を実現し得るツイン過給モードの方が、動力性能の面から有利である。
ここで、第1及び第2過給器は、例えばボールベアリング等を含む軸受け部或いは各種摺動部等に、供給手段による潤滑油の供給を受けている。ここで特に、これら潤滑油の供給部位には、基本的には、非供給部位に対する然るべきシーリング処理が施されており、供給された潤滑油が、潤滑油の供給を要しない、例えばタービンブレードやコンプレッサブレード等に、積極的に漏洩するといった事態は生じ難い。従って、基本的には、物理的又は機械的な軋轢や抵抗を緩和して円滑な動作を促すといった、潤滑油を供給するメリットのみが享受され得る。
ところが、過給器が非駆動状態にある場合、潤滑油の供給部位は、外側(例えば、コンプレッサが設けられる吸気通路側やタービンが設けられる排気通路側)から然るべき圧力を受けていないため、潤滑油は係る供給部位から当該外側へ漏洩し易い。従って、排気により絶えず駆動される第1過給器はさておき、第1調整弁によりシングル過給モードに対応する非駆動状態を採り得る第2過給器においては、例えばコンプレッサ側又はタービン側或いはその両方に対する経時的な潤滑油の漏洩が生じ易い。この種の潤滑油の漏洩は、例え非駆動時において第2過給器に対する潤滑油の供給を低減或いは停止し得たとしても回避され難い。
そこで、本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、その動作時には、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る特定手段により、第2過給器における潤滑油の漏洩量が特定される。ここで、「漏洩量」とは、例えば単位時間当たりの漏洩量、即ち漏洩速度であってもよいし、ある期間について又は然るべきリセットがなされるまで積算された積算量であってもよいし、漏洩先(例えば、タービンやコンプレッサ等)における貯留量であってもよく、潤滑油の漏洩の度合いを規定する物理量、制御量又は指標値を包括する概念である。また、本発明に係る「特定」とは、検出、推定、算出、導出、同定及び取得等を包括する概念であり、真偽の程度はともかく、特定対象(この場合、漏洩量)を、制御上参照し得る情報として後述する制御手段に把握させ得る限りにおいて、そのプロセスは、各種態様を有してよい趣旨である。
一方、特定手段により漏洩量が特定されると、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る制御手段が、過給モードがシングル過給モードである場合に、この特定された漏洩量に応じて第1調整弁を開弁させる。第1調整弁を開弁させた場合、実践上有意な過給がなされるか否かは別として、第2過給器は、その開度によらず少なくとも停止状態から脱却する。第2過給器がこのように少なくとも物理的に又は機械的に作動している状態にあれば、漏洩した潤滑油は、霧化するにせよしないにせよ、吸気通路或いは排気通路に言わば吹き飛ばされる形となり、第2過給器の掃気が実現される。
このように、本発明によれば、如何なる選択態様の下に過給モードの選択がなされるにせよ、シングルモードを維持しつつ第1調整弁を開弁することができるため、第2過給器の掃気が、同じく第1調整弁を開弁して得られるツイン過給モードが発効するタイミングに律束されることがない。また、第1調整弁は、特定手段により特定された漏洩量に応じて開弁されるため、係る掃気に伴って吸排気系に導かれる潤滑油が燃焼状態やエミッションに悪影響を及ぼす以前に(即ち、適切なタイミングで)係る掃気を行うことが可能となる。更には、第2の過給器を過給に寄与させる必要がない点に鑑みれば、この場合の第1調整弁の開度は、好適には、漏洩した潤滑油を確実に掃出し得る範囲で、過給圧への影響を可及的に抑制し得る比較的小さい開度でよく、実践上問題となる程に過給圧の変動を招くことがないため、ドライバビリティの低下を防ぐことができる。
即ち、本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、潤滑油の漏洩そのものを防止するといった予防的見地に立った技術思想とは一線を画す、第1調整弁を開弁させる指標として潤滑油の漏洩量が特定し係る特定された漏洩量に応じて第1調整弁を開弁する旨の新規な技術思想によって、第1調整弁の開弁のタイミング及びその開度について、明確且つ合理的な理由を獲得することを可能としており、漏洩した潤滑油による燃焼状態やエミッションの悪化も、また過給圧の変動によるドライバビリティの低下も好適に抑制することが可能となるのである。
本発明に係る内燃機関の制御装置の一の態様では、前記制御手段は、前記特定された漏洩量が所定値以上である場合に前記第1調整弁を開弁させる。
この態様によれば、特定された漏洩量が所定値以上である場合に第1調整弁が開弁されるため、シングル過給モードにおける第1調整弁の開弁機会を可及的に抑制しつつ、掃気に伴って実践上看過し難い燃焼状態の悪化やエミッションの悪化を将来し得る程に潤滑油が漏洩する以前に確実に第2過給器を掃気することができ、実践上有益である。
尚、この態様では、前記特定された漏洩量が所定値以上である場合の前記第1調整弁の開度は、前記ツイン過給モードに対応する前記第1調整弁の開度未満である。
先に述べたように、第2過給器の掃気に要する第1調整弁の開度は、第2過給器を吸入空気の過給に寄与させる場合と較べて小さくてよい。このような比較的小さい開度で第1調整弁を開弁させた場合、燃焼状態及びエミッションの悪化を抑制するといった効果が、過給圧の変動に伴うドライバビリティの低下を伴うことなく得られ得るため好適である。
本発明に係る内燃機関の制御装置の他の態様では、前記内燃機関は、前記第1調整弁の開度の大小が夫々開度の大小に対応するように前記第1調整弁に同期して開閉可能に構成され、前記第2過給器に供給される潤滑油の量を調整可能な第2調整弁を更に備える。
この態様によれば、如何なる物理的、機械的、電気的又は磁気的な構成を採るにせよ、第1調整弁と同期して開閉する第2調整弁が備わり、第1調整弁が閉じられるシングル過給モードの実行時には、第2過給器への潤滑油の供給もまた停止される。このため、上述した潤滑油の漏洩による各種の問題の解消に加え、潤滑油の漏洩自体を少なくとも緩慢に進行させることが可能となり得る。即ち、総体的に言えば、潤滑油の漏洩による各種の悪影響の発生を抑制することが可能となる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の一実施形態に係るエンジンシステムの構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10の模式図である。
始めに、図1を参照し、本発明の一実施形態に係るエンジンシステムの構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10の模式図である。
図1において、エンジンシステム10は、図示せぬ車両に搭載され、ECU100及びエンジン200を備える。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、エンジン200の動作を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「内燃機関の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する過給制御及びオイル掃気制御を実行可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「特定手段」及び「制御手段」の夫々一例として機能する一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
エンジン200は、金属製のシリンダブロック201に4本のシリンダ202が相互に直列に配されてなる、本発明に係る「内燃機関」の一例たる直列4気筒ガソリンエンジンである。エンジン200は、各シリンダ内部において空気と燃料たるガソリンとの混合気が燃焼するに際して生じる不図示のピストンの往復運動を、コネクティングロッド(不図示)を介してクランクシャフト(不図示)の回転運動に変換可能に構成されている。このクランクシャフトの回転位置は、ECU100と電気的に接続された不図示のクランクポジションセンサによって検出されており、所定の制御バスを介してECU100により一定又は不定の周期で参照され、例えば不図示の可変動弁装置やインジェクタ等の各種動作制御に供される構成となっている。
尚、本発明における「内燃機関」とは、例えば2サイクル又は4サイクルレシプロエンジン等を含み、少なくとも一の気筒を有し、当該気筒内部の燃焼室において、例えばガソリン、軽油或いはアルコール等の各種燃料を含む混合気が燃焼した際に発生する力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等の物理的又は機械的な伝達手段を適宜介して駆動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念である。係る概念を満たす限りにおいて、本発明に係る内燃機関の構成は、エンジン200のものに限定されず各種の態様を有してよい。
エンジン200が動作するに際し、外部から吸入された空気は、各シリンダに連通する吸気マニホールド203へ供給される。シリンダ202内の燃焼室には、吸気マニホールド203を介して供給される空気と、吸気マニホールド203に連通する不図示の吸気ポートにおいて電子制御式インジェクタから噴射供給される燃料との混合気が、不図示の吸気バルブの開弁時に吸入される。燃焼室内部では、燃焼行程において点火プラグによる点火動作により混合気が燃焼する。燃焼室において燃焼済みとなった混合気或いは一部未燃の混合気は、不図示の排気ポートに連通する二個の排気バルブ(不図示)の開弁時に、係る排気ポートに排出される。排気ポートに排出された排気は、排気ポートに連通する排気マニホールド204に導かれる構成となっている。
排気マニホールド204には、EGR通路205の一端部が接続されており、その内部で排気マニホールド204に連通している。このEGR通路205の他端部は、吸気マニホールド203と連通する構成となっている。即ち、排気マニホールド204に導かれた排気の一部は、EGRガスとして、吸気系に適宜還流する構成となっている。
一方、EGR通路205には、EGRクーラ206が設置されている。EGRクーラ206は、その外周部に、シリンダブロック201に張り巡らされた不図示のウォータジャケット等を流れるLLC等のエンジン冷却水を導入可能に構成されており、EGR通路205において、EGRクーラ206の設置空間を通過するEGRガスを、この冷却水との熱交換により適宜冷却可能に構成されている。またEGR通路205におけるEGRクーラ206下流側には、EGR弁207が設置されている。EGR弁207は、ECU100と電気的に接続され、ECU100の制御により内部の弁体の開度が連続的に変化するように構成された電磁制御弁である。EGR通路205、EGRクーラ206及びEGR弁207により、所謂EGR装置が構築されている。
排気マニホールド204は、EGR通路205との分岐位置よりも下流側において、第1主排気通路208と第1副排気通路219とに接続されている。
第1主排気通路208は、タービン210を介して第2主排気通路209と接続されている。タービン210は、第1主排気通路208に導かれた排気により回転可能に構成されたセラミック製の回転翼車である。
一方、外界から吸入された吸入空気は、エアクリーナ211により浄化された後、第1吸気通路212導かれる。この第1吸気通路212は、コンプレッサ213に連通している。コンプレッサ213は、回転軸214が回転駆動されることにより吸入空気を下流側の主吸気通路215に圧送可能に構成された流体圧縮装置である。ここで、コンプレッサ213は、先述したタービン213と対向配置されており、この回転軸214をタービン213と共有している。従って、タービン210が第1主排気通路208を流れる排気により回転せしめられると、その回転に同期してコンプレッサ213も回転し、吸入空気が大気圧以上の過給圧で主吸気通路215に圧送される。
主吸気通路215は、第2吸気通路216を介して吸気マニホールド203に連通している。この第2吸気通路216には、インタークーラ217が設置されている。インタークーラ217は、EGRクーラ206と同様に、エンジン200の冷却水との間の熱交換により吸入空気を冷却可能に構成された冷却装置であり、吸入空気の冷却により吸入空気の充填効率を向上させる効果を有している。また、第2吸気通路216には、スロットルバルブ218が設けられ、その開度に応じて吸気マニホールド203に供給される吸入空気量が制御される構成となっている。このスロットルバルブ218は、スロットルバルブモータ(不図示)等の電動アクチュエータにより駆動される電子制御式のスロットルバルブであり、ECU100と電気的に接続され、ECU100により、例えば不図司のアクセルペダルの開度に応じて或いはアクセルペダルの開度とは無関係にその開度が制御される構成となっている。尚、先述したEGR通路205は、この第2吸気通路216と吸気マニホールド203との接続部近傍に接続されている。
第1副排気通路219は、タービン221を介して第2副排気通路220と接続されており、タービン221よりも下流側において、先に述べた第1副排気通路219に合流する構成となっている。第1主排気通路208と第1副排気通路219との合流位置よりも下流側には、図示せぬ三元触媒が設けられており、排気の浄化が図られる構成となっている。
タービン221は、第1副排気通路219に導かれた排気により回転可能に構成された、タービン210と同様にセラミック製の回転翼車である。
一方、先に述べた第1吸気通路212は、所定の分岐位置において分岐しており、一方は先に述べたようにコンプレッサ213に接続され、他方はコンプレッサ222に接続されている。コンプレッサ222は、回転軸223が回転駆動されることにより吸入空気を下流側の副吸気通路224に圧送可能に構成された流体圧縮装置である。ここで、コンプレッサ222は、タービン221と対向配置されており、この回転軸223をタービン221と共有している。従って、タービン221が第1副排気通路219を流れる排気により回転せしめられると、その回転に同期してコンプレッサ222も回転し、吸入空気が大気圧以上の過給圧で副吸気通路224に圧送される。この副吸気通路224は、主吸気通路215と合流する構成となっており、合流位置よりも下流側が、先に述べた第2吸気通路216となっている。
副吸気通路224からは、バイパス通路225が分岐しており、コンプレッサ213上流側において、第1吸気通路212に連通している。このバイパス通路225には、吸気バイパス弁226が設置されている。吸気バイパス弁226は、ECU100と電気的に接続され、ECU100の制御により、内部の弁体の開度が、全閉状態に対応する全閉開度と全開状態に対応する全開開度との間で連続的に変化するように構成された電磁制御弁である。
副吸気通路224には、吸気切り替え弁229が設置されている。吸気切り替え弁229は、ECU100と電気的に接続され、ECU100の制御により、内部の弁体の開度が、全閉状態に対応する全閉開度と全開状態に対応する全開開度との間で連続的に変化するように構成された電磁制御弁である。吸気切り替え弁229は、全閉状態において副吸気通路224と第2吸気通路216との連通を遮断することが可能に構成されている。
また、副吸気通路224における、この吸気切り替え弁229を挟む一部の区間は、リード通路227によってバイパスされている。リード通路227には、吸気リード弁228が設置されている。吸気リード弁228は、ダイアフラム式の圧力調整弁であり、通常は閉弁しており、予め設定された圧力以上の圧力が加わることにより開弁する構成となっている。尚、吸気リード弁228の開弁時には、ECU100の制御により先に述べた吸気バイパス弁226もまた開弁する構成となっている。
尚、エンジン200において、タービン210、コンプレッサ213及び回転軸214は、排気駆動型の一のターボチャージャを構成しており、またタービン221、コンプレッサ222及び回転軸223は、同じく排気駆動型の他のターボチャージャを構成している。これ以降、前者を主ターボチャージャ、後者を副ターボチャージャと称することとする。主ターボチャージャは、本発明に係る「第1過給器」の一例であり、副ターボチャージャは、本発明に係る「第2過給器」の一例である。
第1副排気通路219には、排気切り替え弁230が設置されている。排気切り替え弁230は、ECU100と電気的に接続され、ECU100の制御により、内部の弁体の開度が、全閉状態に対応する全閉開度と全開状態に対応する全開開度との間で連続的に変化するように構成された電磁制御弁である。より具体的には、排気切り替え弁230の弁体は、制御ロッド233に連結されており、制御ロッド233の所定方向への往復運動が弁体の開閉運動に変換される構成となっている。この制御ロッド233は、電磁アクチュエータ234から供給される駆動力によって往復運動する構成となっており、ECU100は、この電磁アクチュエータ234の駆動状態を制御しているのである。排気切り替え弁230が全閉状態を採る場合、第1副排気通路219とタービン221との連通は遮断され、排気マニホールド204に導かれた排気は、ほぼその全量が第1主排気通路208に導かれる構成となっている。即ち、排気切り替え弁230は、本発明に係る「第1調整弁」の一例である。
ここで、エンジン200は、不図示の潤滑油供給装置を備えており、この潤滑油供給装置により、シリンダブロック201或いはシリンダブロック201上方に設置された不図示のシリンダヘッド等を経由して、シリンダ202内外の摺動部分に潤滑油が循環供給される構成となっている。ここで特に、この潤滑油供給装置を構成する潤滑油供給通路は、回転軸214及び回転軸223におけるボールベアリング等の軸受け装置に当該潤滑油を供給するためのターボ側潤滑油供給路231を含む構成となっている。このターボ側潤滑油供給路231を介して各軸受け装置に潤滑油が供給されることにより、回転軸214及び223は円滑に回転駆動される。
一方、このターボ側潤滑油供給路231における回転軸223に対応する供給路には、オイルコントロール弁232が設けられている。オイルコントロール弁232は、ECU100と電気的に接続され、ECU100の制御により、内部の弁体の開度が、全閉状態に対応する全閉開度と全開状態に対応する全開開度との間で連続的に変化するように構成された電磁制御弁である。即ち、オイルコントロール弁232が全閉状態を採る場合、回転軸223の軸受け装置に対する潤滑油の供給は停止される。
ここで特に、オイルコントロール弁232の弁体は、上述した制御ロッド233に連結されており、制御ロッド233の所定方向への往復運動が弁体の開閉運動に変換される構成となっている。この制御ロッド233は、上述した電磁アクチュエータ234から供給される駆動力によって往復運動する構成となっており、ECU100は、この電磁アクチュエータ234の駆動状態を制御している。即ち、オイルコントロール弁232は、排気切り替え弁230と同期して駆動される構成となっている。この際、制御ロッド233と、排気切り替え弁230及びオイルコントロール弁234とは、夫々排気切り替え弁230の全閉状態がオイルコントロール弁234の全閉状態に対応し、排気切り替え弁230の全開状態がオイルコントロール弁234の全開状態に対応するように連結されている。従って、排気切り替え弁230が全閉状態とされ、タービン221への排気の供給が遮断されることによって副ターボチャージャが非駆動状態となった場合、自動的に副ターボチャージャへの潤滑油の供給も停止される。オイルコントロール弁232は、本発明に係る「第2調整弁」の一例である。
<実施形態の動作>
ECU100は、先に述べたように、制御プログラムに従って過給制御を実行可能に構成されている。ここで、図2を参照し、本実施形態の動作として、過給制御の詳細について説明する。ここに、図2は、過給制御のフローチャートである。
ECU100は、先に述べたように、制御プログラムに従って過給制御を実行可能に構成されている。ここで、図2を参照し、本実施形態の動作として、過給制御の詳細について説明する。ここに、図2は、過給制御のフローチャートである。
図2において、ECU100は、図1において不図示のエアフローメータにより検出される、第2吸気通路216の吸入空気量に基づいて、エンジン200の要求負荷が低負荷であるか否かを判別する(ステップS101)。尚、本実施形態では、検出される吸入空気量と、予め設定された軽負荷判断用の基準値との比較により(即ち、検出された吸入空気量が当該基準未満(或いは以下)であるか否かに基づいて)当該判別が行われる。尚、要求負荷の判断は、不図示のアクセル開度センサにより検出される、アクセル開度に基づいてなされてもよい。要求負荷が低負荷である旨が判別されると(ステップS101:YES)、ECU100は、エンジン200の過給モードをシングル過給モードに制御する(ステップS102)。
シングル過給モードは、主ターボチャージャのみを使用して吸入空気を過給する過給モードである。この際、排気切り替え弁230及び吸気切り替え弁229は、夫々全閉状態に制御される。一方、吸気バイパス弁226は全開状態に制御される。
シングル過給モードでは、排気切り替え弁230が全閉状態となるため、副ターボチャージャ側に排気の流れは形成されず、副ターボチャージャは非駆動状態となる。一方で、第1吸気通路212からコンプレッサ222へ向かう吸入空気の流れは存在する(過給はなされない)ものの、吸気切り替え弁229が全閉状態となるため、コンプレッサ222を通過した吸入空気は、全量が、吸気バイパス弁226を経由して副吸気通路224からバイパス通路225に導かれ、結局主ターボチャージャのコンプレッサ213に導かれる。尚、シングル過給モードにおいて過給圧が過度に上昇し、先に述べた吸気リード弁228の設定圧を超えると、吸気リード弁228は開弁し、主吸気通路215かれ副吸気通路224及びバイパス通路225への吸気パスが形成されて、それ以上の過給圧の上昇が防止される。尚、排気切り替え弁230が全閉状態とされた場合、先に述べたようにオイルコントロール弁232もまた全閉状態となる。その結果、シングル過給モードにおいては、回転軸223の軸受け装置に対する潤滑油の供給は停止される。
ステップS101において、要求負荷が低負荷に該当しない場合(ステップS101:NO)、ECU100は更に、要求負荷が中負荷に該当するか否かを判別する(ステップS103)。尚、本実施形態では、検出される吸入空気量と、予め設定された中負荷判断用の基準値との比較により(即ち、検出された吸入空気量が当該基準未満(或いは以下)であるか否かに基づいて)当該判別が行われる。
要求負荷が中負荷に該当しない旨が判別された場合(ステップS103:NO)、即ち、要求負荷が高負荷に該当する場合、ECU100は、エンジン200の過給モードをツイン過給モードに制御する(ステップS105)。
ツイン過給モードは、主ターボチャージャと副ターボチャージャの双方を使用して吸入空気を過給する過給モードである。この際、排気切り替え弁230及び吸気切り替え弁229は、夫々全開状態に制御される。一方、吸気バイパス弁226は全閉状態に制御される。
ツイン過給モードでは、排気切り替え弁230が全開状態となるため、副ターボチャージャ側にも排気の流れが形成され、主ターボチャージャ及び副ターボチャージャは全負荷の駆動状態となる。このため、シングル過給モードと較べて高い過給圧を得ることが可能となる。尚、排気切り替え弁230が全開状態とされた場合、先に述べたようにオイルコントロール弁232もまた全開状態となる。その結果、ツイン過給モードにおいては、回転軸223の軸受け装置に対し潤滑油が十分に供給される。
一方、要求負荷が中負荷に該当する旨が判別された場合(ステップS103:YES)、ECU100は、エンジン200の過給モードを、助走ツイン過給モードに制御する(ステップS104)。
助走ツイン過給モードでは、排気切り替え弁230が所定の中間開度に維持され、吸気切り替え弁229は全開状態とされる。その結果、副ターボチャージャのコンプレッサ222は、ある程度回転駆動された状態となり、一定の過給効果が得られる。助走ツイン過給モードは、ツイン過給モードと共に本発明に係る「ツイン過給モード」の一例であるが、シングル過給モードからツイン過給モードへ切り替わる際の過給圧の急変を防止するための言わば過渡的な過給モードである。従って、中負荷を規定する吸入空気量の範囲は、低負荷及び高負荷と較べて狭くなっている。尚、助走ツイン過給モードでは、排気切り替え弁230は開弁状態となり、先に述べたようにオイルコントロール弁232もまた開弁状態となる。その結果、助走ツイン過給モードにおいては、回転軸223の軸受け装置に対する潤滑油の供給は継続される。
ステップS102、S104又はS105が実行されると、処理はステップS101に戻され、一連の処理が繰り返される。過給制御は、このようにして実行される。尚、本実施形態では、排気切り替え弁230を中間開度に維持することによる助走ツイン過給モードが過給モードの選択肢として設定されているが、エンジン200における過給モードは、シングル過給モードとツイン過給モードとの間で二値的に切り替えられてもよい。反対に、係る中間開度が更に細分化され、助走ツイン過給モードが更に多段階に実施されてもよい。
ここで、エンジン200においては、主ターボチャージャは常時駆動状態にあるのに対し、副ターボチャージャはシングル過給モードにおいて非駆動状態となる。非駆動状態においては、コンプレッサ222及びタービン221はいずれもその回転を停止しており、回転軸223には、副ターボチャージャの駆動時のように外部から十分な圧力が加わらない状態となる。回転軸223において潤滑油が供給されるボールベアリング等の軸受け装置は、無論潤滑油の漏洩を防止するためのオイルシーリング処理が施されるものの、完全にこの種の漏洩を防止することは不可能であり、この種の非駆動状態が継続した場合には、潤滑油がコンプレッサ222側或いはタービン221側へ漏洩する可能性がある。
無論、ツイン過給モード或いは助走ツイン過給モードが選択された場合、漏洩した潤滑油は、第2副排気通路220或いは副吸気通路224を経由して排除されるが、上述したように過給モードの選択は、要求負荷に応じてなされるため、その実行タイミング及びその実行頻度は、潤滑油の漏洩とは無関係である。このため、場合によっては、この漏洩した潤滑油が無視し得ない量で副ターボチャージャ近辺に溜まり、その動作が阻害される可能性がある。また、比較的大量の潤滑油が短期間に第2副排気通路220或いは副吸気通路224に供給された場合、燃焼状態やエミッションの悪化が生じ得る。即ち、エンジン200のように複数のターボチャージャを備え、少なくとも一方が非駆動状態を採り得る構成においては、非駆動側のターボチャージャからの潤滑油の漏洩を抑制する対策もさることながら、潤滑油が漏洩した場合の対策を講じる必要がある。そこで、本実施形態では、ECU100によりオイル掃気制御が実行される。
ここで、図3を参照し、オイル掃気制御の詳細について説明する。ここに、図3は、オイル掃気制御のフローチャートである。
図3において、ECU100は、エンジン200が稼働中であるか否かを判別する(ステップS201)。エンジン200が非稼動状態にある場合(ステップS201:NO)、ECU100は、エンジン200が稼動状態になるまで処理を待機する。エンジン200が稼動状態にある場合(ステップS201:YES)、ECU100は更に、過給モードとしてシングル過給モードが選択されているか否かを判別する(ステップS202)。助走ツイン過給モードが選択されているか、或いはツイン過給モードが選択されている場合(ステップS202:NO)、ECU100は、処理をステップS201に戻し、一連の処理を繰り返す。
一方、過給モードとしてシングル過給モードが選択されている場合(ステップS202:YES)、ECU100は、副ターボチャージャにおけるオイルリーク速度を算出する(ステップS203)。尚、オイルリーク速度とは、副ターボチャージャからの単位時間当たりのオイルリーク量を指す。
オイルリーク速度の算出に際し、ECU100は、予めROMに格納されたオイルリーク速度マップを参照する。オイルリーク速度マップは、エンジン200の機関回転速度NEと燃料噴射量Q(エンジン200は、ガソリンエンジンであり、空燃比フィードバック制御がなされるため、燃料噴射量は、エンジン200の負荷(吸入空気量)或いは負荷率と一義的に扱ってもよい)とをパラメータとする二次元マップである。即ち、ステップS203においては、その時点の機関回転速度NEと燃料噴射量Qとにより、一のオイルリーク速度が選択的に取得される。尚、このように予め設定された関係に従って一の値を選択的に取得する動作も、「算出」の範疇である。
オイルリーク速度が算出されると、ECU100は、副ターボチャージャから漏洩したオイルの総量たるオイル溜まり量OLを更新する(ステップS204)。ここで、オイル溜まり量OLは、前回値にステップS103において算出されたオイルリーク速度を加算することによって更新される。即ち、オイル掃気制御においては、オイルリーク速度が積算されることによりオイル溜まり量OLが絶えず更新される。尚、オイルリーク速度及びオイル溜まり量OLは、本発明に係る「漏洩量」の一例であり、ステップS203及びS204に係る動作は、本発明に係る「特定」の一例である。
オイル溜まり量OLが更新されると、ECU100は、係る更新されたオイル溜まり量OLが所定値Aよりも大きいか否かを判別する(ステップS205)。ここで、所定値Aは、後述する掃気を行った場合に副吸気通路224への潤滑油の吸い込み及び第2副排気通路220への潤滑油の回り込みが実践的にみて問題とならない程度に収まるように予め実験的に或いはシミュレーション等により適合された値である。
オイル溜まり量OLが所定値A以下である場合(ステップS205:NO)、ECU100は、処理をステップS202に戻し、一連の処理を繰り返す。尚、上述した過給制御の実行過程において、シングル過給モード以外の過給モードが選択された場合、ステップS202は「NO」側分岐し、その時点のオイル溜まり量OLは初期値であるゼロにリセットされる。
一方、オイル溜まり量OLが所定値Aよりも大きい場合(ステップS205:YES)、ECU100は、潤滑油の掃気の要否を規定する掃気フラグFg_OLを、係る掃気が必要である旨に相当する「ON」に設定し(ステップS206)、掃気許可条件が満たされたか否かを判別する(ステップS207)。ここで、掃気許可条件とは、排気切り替え弁230を微開(後述する開度Bで開弁すること)した場合に、エンジン200のエミッションに与える影響が少ない条件であり、例えば、要求負荷の変化量が小さい場合等を指す。
掃気許可条件が満たされない場合(ステップS207:NO)、ECU100は、掃気許可条件が満たされるまで処理を待機させると共に、掃気許可条件が満たされた場合(ステップS207:YES)、全閉状態にある排気切り替え弁230を開度Bで開弁制御する(ステップS208)。ここで、開度Bは、副ターボチャージャから漏洩した潤滑油を実践上問題無い速度で掃気し得る範囲で可及的に小さい値として予め実験的に適合された値であり、上述したツイン過給モード及び助走ツイン過給モードにおける排気切り替え弁230の開度に対し十分に小さい値である。
排気切り替え弁230が開度Bで開弁されると、ECU100は、オイル溜まり量OLを再度更新する(ステップS209)。ステップS209におけるオイル溜まり量OLの更新に際しては、ステップS205において更新されたオイル溜まり量OLの現在値から、単位時間当たりの掃気量が減算される。単位時間当たりの掃気量は、予め上記開度Bにおいて得られる掃気量として実験的に求められマップ化されている。
ECU100は、オイル溜まり量を更新すると、オイル溜まり量OLがゼロ未満であるか否かを判別する(ステップS210)。オイル溜まり量OLがゼロ以上、即ち、漏洩した潤滑油の掃気が完遂していない場合(ステップS210:NO)、ECU100は、処理をステップS207に戻し、一連の処理を繰り返す。一方、オイル溜まり量OLがゼロ未満となった場合(ステップS210:YES)、ECU100は、掃気フラグFg_OLを。掃気の必要がない旨に相当する「OFF」に設定し(ステップS211)、処理をステップS201に戻す。オイル掃気制御は以上の如くにして実行される。
以上説明したように、本実施形態に係るオイル掃気制御によれば、副ターボチャージャが非駆動状態となるシングル過給モードの実行期間に、副ターボチャージャからの潤滑油の漏洩量たるオイル溜まり量OLが算出され、且つ更新され、このオイル溜まり量OLを判断指標として、排気切り替え弁230が掃気用に適合された開度Bで適切なタイミングで開弁する。このため、元来潤滑油の漏洩の度合いと無関係に切り替えられる過給モードを頼みにして、漏洩した潤滑油の掃気の観点から見れば全く最適化されていないツイン過給モードの実行時に、係る掃気を併せて行うといった技術思想と較べて、掃気の実行タイミング及び実行頻度が最適化され、掃気に伴う燃焼性能及びエミッションの悪化を確実に抑制することができる。また、この際、漏洩した潤滑油の掃気(副ターボチャージャの掃気)が、副ターボチャージャにより吸入空気を過給する場合と較べて十分に小さい排気エネルギで実現し得る点に着目し、掃気時の排気切り替え弁230の開度Bが、ツイン過給モードにおける全開開度及び助走ツイン過給モードにおける中間開度と較べて十分に小さく設定されている。その点からも掃気時における燃焼性能及びエミッションの悪化が好適に抑制される。即ち、本実施形態に係るエンジンシステム10及びオイル掃気制御によれば、ターボチャージャにおける潤滑油の漏洩に起因する燃焼状態やエミッションの悪化を好適に抑制することが可能となるのである。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、208…第1主排気通路、209…第2主排気通路、210…タービン、212…第1吸気通路、213…コンプレッサ、214…回転軸、215…主吸気通路、216…第2吸気通路、219…第1副排気通路、220…第2副排気通路、221…タービン、222…コンプレッサ、223…回転軸、224…副吸気通路、225…バイパス通路、229…吸気切り替え弁、230…排気切り替え弁、231…ターボ側潤滑油供給路、232…オイルコントロール弁、233…制御ロッド。
Claims (4)
- 各々排気駆動型の第1過給器及び第2過給器を含む過給システムと、
開閉状態に応じて該第2過給器に対する排気の供給量を調整可能に構成され、前記過給システムの過給モードを、閉弁状態において前記第1過給器のみにより吸入空気を過給するシングル過給モードに、また閉弁状態において前記第1及び第2過給器により吸入空気を過給するツイン過給モードに夫々切り替え可能な第1調整弁と、
前記第1及び第2過給器に対し潤滑油を供給する供給手段と
を備えてなる内燃機関の制御装置であって、
前記第2過給器における前記潤滑油の漏洩量を特定する特定手段と、
前記過給モードが前記シングル過給モードである場合に、該特定された漏洩量に応じて前記第1調整弁を開弁させる制御手段と
を具備することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記制御手段は、前記特定された漏洩量が所定値以上である場合に前記第1調整弁を開弁させる
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記特定された漏洩量が所定値以上である場合の前記第1調整弁の開度は、前記ツイン過給モードに対応する前記第1調整弁の開度未満である
ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関は、前記第1調整弁の開度の大小が夫々開度の大小に対応するように前記第1調整弁に同期して開閉可能に構成され、前記第2過給器に供給される潤滑油の量を調整可能な第2調整弁を更に備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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JP2008316187A JP2010138812A (ja) | 2008-12-11 | 2008-12-11 | 内燃機関の制御装置 |
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JP2008316187A JP2010138812A (ja) | 2008-12-11 | 2008-12-11 | 内燃機関の制御装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104314668A (zh) * | 2014-10-22 | 2015-01-28 | 哈尔滨工程大学 | 相继增压系统喘振预测控制装置及控制方法 |
JP2020197166A (ja) * | 2019-06-03 | 2020-12-10 | 株式会社豊田自動織機 | 過給システム |
JP2021139293A (ja) * | 2020-03-02 | 2021-09-16 | 株式会社豊田自動織機 | エンジンの過給システム |
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-
2008
- 2008-12-11 JP JP2008316187A patent/JP2010138812A/ja active Pending
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