JP2010138531A - 断熱材 - Google Patents

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Makoto Nakahara
誠 中原
Takayuki Kaneko
隆行 金子
Hirotaka Takeda
寛貴 武田
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Abstract

【課題】本発明の目的は、優れた断熱性能を有し、施工時の作業性にも優れ、さらに形態保持性を有しているため断熱性能が長期間に渡って変化することがない断熱材を提供することにある。
【解決手段】マトリックス繊維とバインダー繊維とを含む繊維集積体であって、平均繊維径が12μm以下の繊維を前記繊維集積体の全重量に対して70重量%以上含み、密度が10kg/m3以上である繊維集積体を有することを特徴とする断熱材。
【選択図】なし

Description

本発明は断熱材に関する。
現在の住宅の充填断熱材は低コストであるグラスウールを使用するものが大半を占めている。この断熱材はグラスウール(ガラス繊維)にバインダーとしてフェノール樹脂等をスプレー法、含浸法等により塗布し、次いでプラスチックフィルム等を貼り合わせたものである。しかしながら、グラスウールは、フェノール樹脂を塗布する工程においては環境汚染を生じやすく、またこの断熱材は施工する際に作業者の肌に触れると皮膚がチクチクと刺激されたり、アレルギー症状等の皮膚障害が生じたりする。さらには施工後長期間経過すると、湿気と熱によりフェノール樹脂が加水分解を起こしてグラスウールを繋ぎ止めている部分の強力が低下し、そのために嵩が小さくなって下方にずれ落ち(いわゆる沈下現象)、断熱材の隙間が生じて、断熱効果が著しく低下するという問題がある。
また近年では、断熱性能の向上のために、繊度0.6デシテックスの極細ポリエステル短繊維をマトリックス繊維とし、バンインダー繊維として熱接着性繊維で該繊維を固定したポリエステル繊維断熱材が開示されている(例えば特許文献1参照)。この技術により、従来のグラスウールの課題であった皮膚障害やバインダーの劣化による嵩高性低下は解消されたが、断熱性能については劣るものであった。
また、極細繊維を用いた断熱材として、平均直径が10μm以下のメルトブローン極細繊維とダウンからなるシート状断熱材が開示されている(例えば特許文献2参照)。しかしながら当該技術では、断熱材の密度が10kg/m以下と低く、住宅などに用いられる断熱材としては断熱性能に劣るものであった。
また、ナノサイズの超極細繊維を用いた構造体として、数平均直径が1nm〜50μmのスポンジ状構造体が開示されている(例えば特許文献3参照)。しかしながら当該技術では、上記の繊維の直径、並びに見かけ密度についても0.0001〜0.5g/cmと範囲が広く不明瞭であり、優れた断熱性能を得るための手段を開示するには至らない。
特開2001−146668号公報(第0083段落) 特開平7−54254号公報(請求項1) 特開2007−70792号公報(請求項1、請求項4、第0061段落)
本発明の目的は、優れた断熱性能を有し、施工時の作業性にも優れ、さらに形態保持性を有しているため断熱性能が長期間に渡って変化することがない断熱材を提供することである。
すなわち本発明は、マトリックス繊維とバインダー繊維とを含む繊維集積体であって、平均繊維径が12μm以下の繊維を前記繊維集積体の全重量に対して70重量%以上含み、密度が10kg/m以上である繊維集積体を有することを特徴とする断熱材である。
本発明によれば、優れた断熱性能を有し、施工時の作業性にも優れ、さらに形態保持性を有しているため断熱性能が長期間に渡って変化することがない。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の断熱材はマトリックス繊維とバインダー繊維からなる繊維集積体を主たる構成要素として有し、この繊維集積体においては平均繊維径が12μm以下の繊維を繊維集積体の全重量に対して70重量%以上含むことが重要となる。平均繊維径が12μm以下の繊維を70重量%以上含むことで、繊維間の空隙を微細化することができ、電磁波の輻射による熱伝達と気体の対流による熱伝達の双方を抑制することが可能となり、断熱性能を向上できる。
以下にマトリックス繊維とバインダー繊維の特徴と繊維集積体の製造方法と形態を示す。
(マトリックス繊維)
本発明に使用するマトリックス繊維の平均繊維径は12μm以下であることが好ましい。後述するバインダー繊維の繊維径が12μmを越える場合は、前記マトリックス繊維を繊維集積体の全重量に対して70重量%以上含有させる必要がある。繊維間の空隙微細化による断熱性能のさらなる向上効果を得るためには、平均繊維径は9μm以下であることが好ましい。
本発明に用いられるマトリックス繊維としては、合成繊維や天然繊維など各種の繊維を用いることができるが、平均繊維径が12μm以下の繊維を安定的に得るために、合成繊維を用いることが好ましい。
合成繊維としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等)繊維、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン510等)繊維、ポリアセタール繊維、アクリル繊維、モダクリル繊維、アラミド繊維、フッ素繊維、炭素繊維等の合成繊維、レーヨンなどの再生繊維等があり、これら1種以上の繊維を組み合わせて用いることも可能である。
中でも汎用性が高く、公定水分率が1%以下であって、吸湿による断熱性能の低下が少ないポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等)繊維(公定水分率0.5%)、またはポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)繊維(公定水分率0%)が好ましく用いられる。断熱性能の点で特に好ましくは、素材自体の熱伝導率が低く断熱性能の良好な、ポリプロピレン繊維(熱伝導率0.12W/m・K)を用いることが好ましい。
また、繊維の平均繊維径を小さくするために、分割型複合繊維を用いることも可能であり、例えばポリエステルとポリアミドからなる分割複合繊維や、ポリエチレンとポリプロピレン、又はポリプロピレンとポリエステルからなる分割複合繊維が用いられる。これらの繊維は、繊維集積体の製造工程において分割し、直径1〜10μm程度の極細繊維に分割され、断熱性能を向上させるため好適に用いられる。
なお、断熱材の長期形態保持性を向上させる目的で、剛性の高い中空断面繊維や異形断面繊維を配合させることもできる。例えば、中空断面、多孔中空断面、三葉断面(三角断面、Y断面、T断面など)等の多葉断面、扁平断面、W断面、X断面等を採用することができる。
中でも中空繊維は、繊維中に空気を包含し、包含した気体の対流抑制効果から断熱性能の向上が図れ、好ましく使用される。
本発明のマトリックス繊維は、捲縮を有することが好ましい。そうすることで、断熱材において嵩高性が向上することで断熱性能や形態保持性に優れる。また、カーディング法において針にしっかり引っかかり、他の繊維と均一に分散し緻密に絡み合うことができ、安定した高収率な繊維集積体を得ることができる。
また、天然繊維を用いる場合は、繊維径が11μm程度の木綿、または木材パルプ、バガス、ムギワラ、アシ、パピルス、タケ、パルプ、ケナフ、ローゼル、アサ、アマ、ラミー、ジュート、ヘンプ、サイザルアサ、マニラアサ、ヤシ、バナナ、羊毛等の天然繊維をビーターやリファイナー、高圧ホモジナイザーなどの叩解機を用いてフィブリル化させ、平均繊維系が12μm以下となる様に処理し、用いることが可能である。
マトリックス繊維の平均繊維長は10〜90mmであることが好ましい。繊維長が10mm以上のマトリックス繊維をバインダー繊維で結合することにより、繊維集積体の剛性を高め形態保持性が得られるため好ましい。一方、繊維長を90mm以下とすることで、マトリックス繊維とバインダー繊維とを繊維集積体の製造工程、すなわちカーディング法又はエアレイド法等の繊維分散工程において、均一に分散して緻密に絡み合い、微細な空隙を持つことができ、断熱性能に優れた断熱材が得られる。
(バインダー繊維)
本発明で使用するバインダー繊維はマトリックス繊維より低融点成分を含む繊維である。繊維集積体の成形時に熱を加えることにより、バインダー繊維が繊維集積体中においてマトリックス繊維と繊維間の一部で強固に接着されることが重要であり、これにより形態保持性に優れた断熱材を得ることできる。
バインダー繊維としては例えば芯鞘複合繊維、サイドバイサイド繊維などがある。その中でも鞘成分がマトリックス繊維より低融点の熱可塑性樹脂、芯成分が鞘成分よりも融点の高い熱可塑性樹脂である芯鞘複合繊維を用いることが好ましい。そうすることで、成形時の熱により鞘の形が崩れ、細い芯部分の繊維が残存することにより、マトリックス繊維中でさらに緻密な構造ができ、微細な空隙を作ることができるため、断熱性能が向上し、形態保持性に優れた断熱材を得ることができる。
本発明で使用するバインダー繊維の構成としては、例えば低融点ポリエステルとホモポリエステル、ポリオレフィンとポリエステル、ポリエチレンとポリプロピレンなどが挙げられる。低融点ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートにジエチレングリコールやイソフタル酸などを共重合したポリエステルを用いることができる。
ここで、バインダー繊維を構成する鞘部の構成比率を、バインダー繊維の全重量に対して40〜80重量%とすることで、優れた断熱性能と長期形態保持性を得ることができるので好ましい。鞘部の構成比率を40重量%以上とすることにより、マトリックス繊維同士が強固に結合され、優れた形態保持性が得られる。さらに、残存する芯部の繊維径が小さくなり微細空隙が得られ、断熱性能を向上させる。一方、80重量%未満とすることで、成形時の搬送コンベア等との融着を防ぎ、効率よく製造することができる。
また、繊維状に残存する芯部の平均繊維径が12μm以下のバインダー繊維を用いることで、マトリックス繊維の微細構造と共に効果を奏し、繊維集積体が緻密な構造になり微細な空隙ができることより断熱性能に優れる断熱材が得られる。
本発明で使用するバインダー繊維は、繊維積層体全体比で10重量%以上60重量%未満であることが形態保持性の観点からが好ましい。10重量%以上とすることで、マトリックス繊維同士が結合され、形態保持性の実効が得られる。一方、60重量%未満とすることで、成形時の搬送コンベア等との融着を防ぎ、効率よく製造することができる。
本発明で使用するバインダー繊維は、マトリックス繊維と同様、捲縮を有することが好ましく、平均繊維長は10〜90mmであることが好ましい。
(繊維集積体の製造方法)
本発明の繊維集積体はマトリックス繊維とバインダー繊維を混ぜ合わせ、開繊後、カーディング法又はエアレイド法にてウェブを積層し、熱処理を行うことが好ましい。このカーディング法又はエアレイド法によりマトリックス繊維とバインダー繊維が均一に分散した集積体を作ることができる。熱処理温度はバインダー繊維中の低融点成分が軟化又は溶融する温度より高く、他の成分が溶融する温度より低い温度で行う。これにより、低融点成分が軟化又は溶融し、マトリックス繊維を強固に繋ぎ止めることができ、長期形態保持性に優れる断熱材となる。熱処理の手法は熱風乾燥機、熱風循環式熱処理機、赤外線ヒーター、熱ロールなどが用いられる。
(繊維集積体の形態)
本発明の繊維集積体の密度は10kg/m以上することが重要である。そうすることで、緻密で微細な空隙構造にすることができ断熱性能に優れると共に、施工後、使用中に形態を保持する強度を得ることができるため形態保持性に優れる。繊維集積体の密度が10kg/m未満では、繊維集積体の剛性が低下し形態保持性が低下すると共に、繊維集積体中の気体の対流や、電磁波の輻射が増大し、熱伝導が大きくなり、断熱性能が著しく低下する。より好ましい密度は20〜150kg/mである。150kg/mを越えると繊維自体の素材熱伝導により断熱性能が低下する。
なお、繊維集合体の密度はJIS A 9504:2001 6.4.2.3に準じ、繊維集合体の質量及び体積から、次の式によって求める値をいう。
試験回数3回の平均値を求め、体積及び質量も同様に試験回数3回ずつ測定し算出する。
p=m/V
ここに、p:密度(kg/m
m:質量(kg)
V:体積(m
体積は次の式より求めることができる。
V=t×w×L
ここに、t:厚さ(mm)
w:幅(mm)
L:長さ(mm)。
厚さは次の方法で測定した値をいう。まず、450×450mmの試験片を硬質平板の上に置き、試験片の端から100mm以上内側で、質量100gで150×150mmの剛性のある荷重板を用い、荷重板の中央に空けた穴を通して針状のものを差し込み、1分以上経過して荷重板の沈下が止まってから測定する。針状のものは荷重板を載せてから差し込む。なお、圧縮梱包されたものは、試料の幅方向の両端を手で持ち、水平方向に波打つようによく振って硬質板の上に置き、上述の方法によって4時間経過した後測定する。
質量は厚さ測定に用いた試験サンプルを温度20℃、湿度65%RHの標準状態にて24hr放置後、電子天秤により0.1gの精度まで測定する。
密度の調整方法はウェブ積層工程における送り速度等により、積層量を決定することができ、さらに、熱処理工程の前にロールにてウェブの厚さを調整することで、均一な繊維集積体を得ることができる。
また、好ましくは前記の製造工程において、繊維積層体の片面または両面を加熱ローラーや熱板プレスなどを用いて、繊維同士を融着、結合させることにより、繊維積層体の表面に緻密な繊維層を形成することができ、断熱材の内部に含有する気体と外部の気体との対流を抑制し、断熱性能を向上できる。さらに前記の緻密な繊維層が断熱材の骨材となって形態保持性を高めることができる。
このようにして得られる本発明の断熱材は、優れた断熱性能と、施工時の作業性、形態保持性を有するため、耐久性の必要とされる住宅、並びに建築物用断熱材として好適に使用される。
[測定方法]
(1)平均繊維径
JIS A 9504:2001 6.7に準じて測定した。
繊維径は断熱材の3ヶ所から、それぞれ約20gの試料を取り、更に、それぞれから20本の繊維を採り、走査電子顕微鏡による拡大鏡によってその外径(外接円の直径)を測定し、平均値をとる(n=60)。繊維径は0.1μmの精度で測定する。
(2)密度
JIS A 9504:2001 6.4.2.3に準じて測定した。
密度は試料について質量及び体積を求め、次の式によって求める。密度は試験回数3回の平均値を求め、体積及び質量も同様に試験回数3回ずつ測定し算出した。
p=m/V
ここに、p:密度(kg/m
m:質量(kg)
V:体積(m
体積は次の式より求めることができる。
V=t×w×L
ここに、t:厚さ(mm)
w:幅(mm)
L:長さ(mm)。
厚さは次の方法で測定した。まず、450×450mmの試験片を硬質平板の上に置き、試験片の端から100mm以上内側で、質量100gで150×150mmの剛性のある荷重板を用い、荷重板の中央に空けた穴を通して針状のものを差し込み、1分以上経過して荷重板の沈下が止まってから測定した。針状のものは荷重板を載せてから差し込む。なお、圧縮梱包されたものは、試料の幅方向の両端を手で持ち、水平方向に波打つようによく振って硬質板の上に置き、上述の方法によって4時間経過した後に測定した。
質量は厚さ測定に用いた試験サンプルを温度20℃、湿度65%RHの標準状態にて24hr放置後、電子天秤により0.1gの精度まで測定した。
(3)融点
島津製作所社製島津示差走査熱量計DSC−60型を用い、試料2.0mgを昇温速度20℃/minにて測定し、得た融解吸熱曲線の極値を与える温度を融点(℃)とした。試験回数は5回とし、その平均値を算出した。
(4)熱伝導率
JIS A 1412−2:1999 6.2に準じて測定した。
熱伝導率は英弘精機(株)製の熱伝導率測定装置HC−074を用いて測定した。試料寸法は幅200mm、長さ200mm、厚さ50mmの断熱材を用意した。標準試料は発泡ポリスチレンを用いた。試料は温度20℃、湿度65%RHの標準状態にて24hr放置後、試料を測定機に入れ、プレートの温度差24℃、平均温度25℃(高温のプレート温度は37℃、低温のプレート温度は13℃)の条件にて測定を行い、試験回数3回の平均値より熱伝導率(W/m・K)を算出した。また、次のように判定をおこなった。
判定
○ :熱伝導率0.032W/m・K以下
△ :熱伝導率0.033W/m・K以上、0.035以下
× :熱伝導率0.036W/m・K以上。
(5)形態保持性
形態保持性は幅300mm、長さ300mm、厚さ50mmの断熱材を260mm間隔の2本の柱(50mm角)に上載し、柱の最上部と、断熱材の最下部(たわみ部)の長さの差を測定し、たわみ長さとした。試料3個をそれぞれ幅方向と長さ方向で評価し、その平均値を算出した。判定は次のように行った。
判定
○:たわみ長さが10mm未満
△:たわみ長さが10mm以上、20mm未満
×:たわみ長さが20mm以上
(実施例1)
マトリックス繊維として平均繊維長35mm、単繊維繊度1.1デシテックス、繊維径10.1μmのポリエチレンテレフタレート短繊維を用意した。また、バインダー繊維として平均繊維長51mm、単繊維繊度2.2デシテックス、繊維径14.2μm、芯の繊維径10.0μmのポリエチレンテレフタレート短繊維の芯鞘複合繊維(鞘成分:低融点ポリエチレンテレフタレート(融点110℃)、芯成分:ホモポリエチレンテレフタレート(融点255℃)、鞘比率50重量%)を用意した。
まず、マトリックス繊維とバインダー繊維の配合比率が80:20となるようにカードマシンを用いて混繊、開繊し、均一なウェブを成形した。次にウェブを単位面積当たりの質量が0.75kg/mとなるように積層し、2枚の穴あき鉄板の間に厚さ50mmのスぺーサーと共に挟み込み、熱風乾燥機(設定温度170℃)により20分間加熱し、バインダー繊維を溶融させ、密度14.4kg/m、厚み47.5mmの繊維集積体を成形した。
(実施例2)
実施例1と同様のウェブを用意した。
このウェブを単位面積当たりの質量が1.00kg/mとなる用に積層し、2枚の穴あき鉄板の間に厚さ50mmのスぺーサーと共に挟み込み、実施例1と同様に熱風乾燥機(設定温度170℃)により20分間処理し、密度22.1kg/m、厚み48.9mmの繊維集積体を成型した。
(実施例3)
実施例1と同様のウェブを用意した。
このウェブを単位面積当たりの質量が1.50kg/mとなる用に積層し、2枚の穴あき鉄板の間に厚さ50mmのスぺーサーと共に挟み込み、実施例1と同様に熱風乾燥機(設定温度170℃)により20分間処理し、密度28.9kg/m、厚み48.7mmの繊維集積体を成型した。
(実施例4)
実施例1と同様のウェブを用意した。
このウェブを単位面積当たりの質量が2.50kg/mとなる用に積層し、2枚の穴あき鉄板の間に厚さ50mmのスぺーサーと共に挟み込み、実施例1と同様に熱風乾燥機(設定温度170℃)により20分間処理し、密度50.9kg/m、厚み51.2mmの繊維集積体を成型した。
(実施例5)
実施例1と同様のウェブを用意した。
このウェブを単位面積当たりの質量が3.50kg/mとなる用に積層し、2枚の穴あき鉄板の間に厚さ50mmのスぺーサーと共に挟み込み、実施例1と同様に熱風乾燥機(設定温度170℃)により20分間処理し、密度68.1kg/m、厚み52.3mmの繊維集積体を成型した。
(実施例6)
実施例1と同様のウェブを用意した。
このウェブを単位面積当たりの質量が5.00kg/mとなる用に積層し、2枚の穴あき鉄板の間に厚さ50mmのスぺーサーと共に挟み込み、実施例1と同様に熱風乾燥機(設定温度170℃)により20分間処理し、密度96.8kg/m、厚み51.4mmの繊維集積体を成型した。
(実施例7)
実施例1と同様のウェブを用意した。
このウェブを単位面積当たりの質量が7.50kg/mとなる用に積層し、2枚の穴あき鉄板の間に厚さ50mmのスぺーサーと共に挟み込み、実施例1と同様に熱風乾燥機(設定温度170℃)により20分間処理し、密度147.2kg/m、厚み50.1mmの繊維集積体を成型した。
(実施例8)
実施例1と同様のウェブを用意した。
このウェブを単位面積当たりの質量が9.00kg/mとなる用に積層し、2枚の穴あき鉄板の間に厚さ50mmのスぺーサーと共に挟み込み、実施例1と同様に熱風乾燥機(設定温度170℃)により20分間処理し、密度176.5kg/m、厚み50.8mmの繊維集積体を成型した。
(実施例9)
実施例1のマトリックス繊維とバインダー繊維を用い、前記繊維の配合比率が95:5となるようにカードマシンを用いて混繊、開繊し、均一なウェブを成形した。
このウェブを単位面積当たりの質量が1.00kg/mとなる用に積層し、2枚の穴あき鉄板の間に厚さ50mmのスぺーサーと共に挟み込み、実施例1と同様に熱風乾燥機(設定温度170℃)により20分間処理し、密度21.5kg/m、厚み52.2mmの繊維集積体を成型した。
(実施例10)
実施例1のマトリックス繊維とバインダー繊維を用い、前記繊維の配合比率が85:15となるようにカードマシンを用いて混繊、開繊し、均一なウェブを成形した。
このウェブを単位面積当たりの質量が1.00kg/mとなる用に積層し、2枚の穴あき鉄板の間に厚さ50mmのスぺーサーと共に挟み込み、実施例1と同様に熱風乾燥機(設定温度170℃)により20分間処理し、密度23.2kg/m、厚み49.2mmの繊維集積体を成型した。
(実施例11)
バインダー繊維として鞘比率が25重量%で、平均繊維長51mm、単繊維繊度2.2デシテックス、繊維径14.2μm、芯の繊維径12.3μmのポリエチレンテレフタレート短繊維の芯鞘複合繊維(鞘成分:低融点ポリエチレンテレフタレート(融点110℃)、芯成分:ホモポリエチレンテレフタレート(融点255℃))を用意した。
他は実施例1と同様の方法で、密度20.9kg/m、厚み51.4mmの繊維集積体を成形した。
(比較例1)
マトリックス繊維として平均繊維長35mm、単繊維繊度2.5デシテックス、繊維径15.2μmのポリエチレンテレフタレート短繊維を用意した。
他は実施例1と同様の方法で、密度20.8kg/m、厚み51.2mmの繊維集積体を成形した。
(比較例2)
実施例1のマトリックス繊維と実施例11のバインダー繊維を用い、前記繊維の配合比率が60:40となるようにカードマシンを用いて混繊、開繊し、均一なウェブを成形した。
実施例1と同様に密度21.3kg/m、厚み50.4mmの繊維集積体を成型した。
(比較例3)
実施例1と同様のウェブを用意した。
このウェブを単位面積当たりの質量が0.35kg/mとなる用に積層し、2枚の穴あき鉄板の間に厚さ50mmのスぺーサーと共に挟み込み、実施例1と同様に熱風乾燥機(設定温度170℃)により20分間処理し、密度6.7kg/m、厚み50.1mmの繊維集積体を成型した。
(比較例4)
実施例1で用いたマトリックス繊維のみをカードマシンを用いて開繊し、ウェブを成形した。
このウェブを単位面積当たりの質量が1.00kg/mとなる用に積層し、2枚の穴あき鉄板の間に厚さ50mmのスぺーサーと共に挟み込み、実施例1と同様に熱風乾燥機(設定温度170℃)により20分間処理し、密度20.8kg/m、厚み44.9mmの繊維集積体を成型した。
Figure 2010138531
上記実施例1〜11、比較例1〜4の結果を表1に示す。
実施例の繊維集積体は断熱性能と形態保持性の双方を両立するものであった。特に、実施例2〜7、10の繊維集積体は優れた断熱性能と形態保持性を有する。
本発明の繊維集積体は、優れた断熱性能を有し、施工時の作業性にも優れ、さらに長期形態保持性を有しているため断熱性能が長期に渡り変化することがない。そのため、住宅用断熱材(壁、床、天井、屋根)、工業用断熱材などとして好適に用いられる。

Claims (6)

  1. マトリックス繊維とバインダー繊維とを含む繊維集積体であって、平均繊維径が12μm以下の繊維を前記繊維集積体の全重量に対して70重量%以上含み、密度が10kg/m以上である繊維集積体を有することを特徴とする断熱材。
  2. 平均繊維径が12μm以下のマトリックス繊維を前記繊維集積体の全重量に対して70重量%以上含むことを特徴とする請求項1に記載の断熱材。
  3. 前記バインダー繊維が熱可塑性樹脂からなる芯部と、前記芯部に比べ低融点の熱可塑性樹脂からなる鞘部を有し、前記鞘部の構成比率がバインダー繊維の全重量に対して40%〜80重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱材。
  4. 前記バインダー繊維の芯部の平均繊維径が12μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の断熱材。
  5. 前記平均繊維径が12μm以下の芯部を有するバインダー繊維を、前記繊維集積体の全重量に対して10〜60重量%含む繊維集積体を有することを特徴とする請求項4に記載の断熱材。
  6. 前記繊維集積体の密度が20〜150kg/mであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の断熱材。
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