JP2010138513A - 積層体、それを備える手袋及び手袋の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、不織布1と、該不織布1に溶着によって積層された積層用フィルム2と、からなる積層体10であって、不織布1が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマーと、ポリプロピレンからなるポリマーとを混合して溶融紡糸した混紡繊維からなる積層体10である。
【選択図】図1
Description
かかるクリーン手袋には、塵を出さないだけでなく、手にフィットし、且つ手の動きに追従する追従性が必要である。
また、生地に十分な伸度があり、装着時や物を掴んだ時に生地がスムーズに伸びて、また元の状態にまで収縮する性質が必要である。
また、発汗により、手と手袋の密着による不快感を与える。
例えば、装着性が優れる不織布を用いたクリーン手袋が注目されている。
例えば、ウレタンフィルムとウレタンメルトブロー不織布とが積層された積層体からなる手袋が知られている(例えば、特許文献1参照)。
これらによれば、ウレタンメルトブロー不織布が汗を透湿するので、上述した問題が解決される。
しかしながら、上記特許文献1記載の手袋は、ウレタンを用いているので、耐酸性及び耐アルカリ性が不十分である。
また、上記積層体は、上述した混紡繊維とすることにより、強度及び伸度にも優れるものとなる。
かかる積層体は、クリーンルームや手術用の手袋、マスク、人体からのコンタミを防ぐ装着具等の用途、液晶基板のメッキ等の薬品(酸、アルカリ)を使用する用途に好適に用いられる。なお、かかるコンタミには、汗等のイオンコンタミも含まれる。
また、スパンボンド不織布は、十分な強度を維持しつつ、糸間に空隙を設けることができるので、風合いがより向上する。
さらに、延伸も容易となるので、繊維自体にコシ(伸度及び強度)を付与することも可能である。
また、材料が同じであることから、溶融し、再成形することにより容易にリサイクルが可能となる。なお、従来のゴム製のクリーン手袋は、その素材に伸縮性を持たせる為に、架橋反応した素材であることが多く、使用後に溶融し、再度成型し直すリサイクルが困難である。
この場合、プロピレンの結晶部分が支点となって、非結晶分が伸縮することになる。そうすると、積層体の強度がより一層向上する。
ここで、装着性が優れるとは、密着感が少なく、手袋を装着したときに、不快感を与えないことを意味する。すなわち、発汗により、手袋が手の動きに追従しなくなることが抑制され、手と手袋の密着による不快感も抑制できる。
また、積層用フィルムを貼ることによって、生地の繊維や埃が脱落したり、発汗によるイオンコンタミが表面に出てくることを防止できる。
さらに、上記手袋は、上述した混紡繊維とすることにより、強度及び伸度にも優れるものとなる。
また、溶着工程においては、掌側基材の不織布が外側になるように掌側基材と甲側基材とを重ね合わせ、互いの縁に沿って、相互に溶着するので、2組の一括加工が可能である。すなわち、掌側基材の不織布が外側になるように掌側基材と甲側基材とを重ね合わせた2組を不織布側で重ねあわせれば、不織布同士より、積層用フィルム同士のほうが強固に接着するので、2組を一括して溶着することができる。なお、掌側基材の不織布及び甲側基材の不織布がいずれも外側になるように掌側基材と甲側基材とを重ね合わせた2組についても同様に、2組を一括して溶着することができる。
また、スパンボンド不織布は、十分な強度を維持しつつ、糸間に空隙を設けることができるので、風合いがより向上する。
さらに、延伸も容易となるので、繊維自体にコシ(伸度及び強度)を付与することも可能である。このため、ラミネート等の引っ張られる工程があっても破断し難い。
また、得られる手袋は、不織布と積層用フィルムの材料が同じであることから、溶融し、再成形することにより容易にリサイクルが可能となる。
まず、本発明に係る積層体の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る積層体を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る積層体10は、不織布1と、該不織布1に溶着によって積層された積層用フィルム2と、からなる積層体である。
また、不織布1と積層用フィルム2とを溶着によって積層するので、接着剤を用いない。このため、接着剤による膜厚化、積層体10の硬化による風合いの低下、積層体10の伸度の低下、接着剤に基づく不純物の混在、等が発生しないという利点がある。なお、内側の起毛素材(不織布)と、外側のコーティング素材(フィルム)とを接着剤で張り合わせる場合、複数の素材が混合することになるので、リサイクルは困難となる。
積層体10の目付けが20g/m2未満であると、目付けが上記範囲内にある場合と比較して、破断しやすくなる傾向にあり、目付けが350g/m2を超えると、目付けが上記範囲内にある場合と比較して、伸縮性が損なわれる傾向にある。
この場合、不織布1と積層用フィルム2とが確実に溶着される。
積層体10の厚みが20μm未満であると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、破断しやすくなる傾向にあり、厚みが3500μmを超えると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、伸縮性、柔軟性が損なわれる傾向にある。
積層体10の破断強度が5N/5cm未満であると、破断強度が上記範囲内にある場合と比較して、用途によっては破断する虞があり、破断強度が200N/5cmを超えると、破断強度が上記範囲内にある場合と比較して、伸度が低下する場合がある。
積層体10の破断伸度が50%未満であると、破断伸度が上記範囲内にある場合と比較して、用途によっては破断する虞があり、破断伸度が800%を超えると、破断伸度が上記範囲内にある場合と比較して、伸びすぎて元に戻らないというキックバック性が低下する場合がある。
積層体10の引裂き強度が2.0N未満であると、引裂き強度が上記範囲内にある場合と比較して、裂けやすくなるので取扱い性が劣る傾向にある。
ここで、表面タック性とは、滑り止め性を数値化したものであり、具体的には、JIS P8147に準じて測定した値である。
積層体10の表面タック性が0.5未満であると、表面タック性が上記範囲内にある場合と比較して、物体を掴んだときに滑りやすくなる傾向にあり、表面タック性が2.0を超えると、表面タック性が上記範囲内にある場合と比較して、積層体10を手袋に用いた場合、掴んだものが離れ難くなる傾向にある。
(不織布)
上記不織布1は、ポリエチレン、ポリプロピレン及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマーと、ポリプロピレンからなるポリマーとを混合して溶融紡糸した混紡繊維からなるものである。
例えば、上記混紡繊維を機械的に、若しくは空気流を利用して薄いシート状にする乾式法、上記混紡繊維を水と混ぜ合わせ、紙のように漉いて形成する湿式法、上記溶融紡糸したものを連続した長繊維状に吐出して形成するスパンボンド法、上記溶融紡糸したものを連続した長繊維状に吐出し、高温の空気を当てながら形成するメルトブロー法、上記混紡繊維を熱で溶融させて結合させるサーマルボンド法、接着剤により上記混紡繊維同士を結合させるケミカルボンド法、針を突き刺して機械的に繊維を結合させるニードルパンチ法、高圧水流を使用し上記混紡繊維同士を絡み合わせるスパンレース法、ガイドベルト上で形成した上記混紡繊維に、一定方向からニードルパンチを加えて結合するステッチボンド法、加熱蒸気を吹き付けて上記混紡繊維同士を結合させるスチームジェット法等が挙げられる。
この場合、繊維径が太くなるので、十分な強度を容易に担保できる。
また、スパンボンド不織布は、十分な強度を維持しつつ、糸間に空隙を設けることができるので、風合いがより向上する。
さらに、延伸も容易となるので、繊維自体にコシ(伸度及び強度)を付与することも可能である。
孔を形成する方法は、公知の方法を用いればよい。例えば、エンボス加工等が挙げられる。
不織布1が孔を有する場合、溶着時に後述する積層用フィルム2を孔に嵌入させることができる。換言すると、不織布1が孔を有し、積層用フィルム2が孔に嵌入されていることが好ましい。
この場合、不織布1と積層用フィルム2とが一体化し、接着強度がより向上する。
孔の径が0.5mm未満であると、孔の径が上記範囲内にある場合と比較して、嵌入による接着性向上の効果が十分に発揮されない傾向にあり、孔の径が2.0mmを超えると、孔の径が上記範囲内にある場合と比較して、逆に接着性が低下する傾向にある。
不織布1の目付けが5g/m2未満であると、目付けが上記範囲内にある場合と比較して、破断しやすくなる傾向にあり、目付けが200g/m2を超えると、目付けが上記範囲内にある場合と比較して、伸縮性が損なわれる傾向にある。
不織布1の厚みが5μm未満であると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、破断しやすくなる傾向にあり、厚みが2000μmを超えると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、伸縮性が損なわれる傾向にある。
積層用フィルム2の材質は、特に限定されないが、上述した不織布を溶着させるため、熱可塑性化合物からなるものであることが好ましい。
この場合、不織布1と積層用フィルム2とが同じ材料からなるので、接着性がより一層向上する。
また、材料が同じであることから、溶融し、再成形することにより容易にリサイクルすることが可能となる。
また、かかる積層用フィルム2には、接着性向上の観点から、プラズマ処理、ブラスト処理、コロナ処理等の表面処理が施されていてもよい。
この場合、積層用2フィルムの表面が凹凸となるので、不織布1との接着性がより一層向上する。
この場合、生地の繊維や埃が脱落したり、発汗によるイオンコンタミが表面に出てくることを確実に防止できる。
積層用フィルム2の目付けが15g/m2未満であると、目付けが上記範囲内にある場合と比較して、破断しやすくなる傾向にあり、目付けが150g/m2を超えると、目付けが上記範囲内にある場合と比較して、質量が大きくなり、取扱い性が劣る傾向にある。
不織布1の厚みが15μm未満であると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、破断しやすくなる傾向にあり、厚みが1500μmを超えると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、伸縮性が損なわれる傾向にある。
上記積層体10は、不織布1と積層用フィルム2とを溶着することによって得られる。具体的には、不織布1及び積層用フィルム2を対向させ、温度50〜150℃、圧力1000kg/m以下、クリアランス1800μm以下の条件下、溶着することにより積層体10が得られる。なお、かかる工程の詳細については、後述の貼り合わせ工程において説明する。
(手袋の第1実施形態)
図2の(a)は、第1実施形態に係る手袋の掌側基材及び甲側基材を示す概略図であり、図2の(b)は、それらの断面図である。
図2の(a)に示すように、本実施形態に係る手袋20は、手型形状の掌側基材11と、手型形状の甲側基材12とが対向され、図2の(b)に示すように、掌側基材11及び甲側基材12の縁に沿って溶着される。
そして、上記手袋20においては、積層体の積層用フィルムの周縁部11aと、薄膜フィルムの周縁部12aとが溶着されている。
また、積層体10には、積層用フィルム2が貼られているので、人体に付着しているコンタミが表面に出てくることを防止できる。
さらに、上記手袋20は、上述した混紡繊維を用いることにより、強度及び伸度にも優れるものとなる。
上記手袋20の製造方法は、貼り付け工程と、掌側裁断工程と、甲側裁断工程と、溶着工程と、を備える。
(貼り付け工程)
貼り付け工程は、不織布1及び積層用フィルム2を対向させ、所定の条件下、例えば、ラミネートで溶着し積層体10とする工程である。
また、上記積層体10は、上述した混紡繊維とすることにより、強度及び伸度にも優れるものとなる。
また、スパンボンド不織布は、十分な強度を維持しつつ、糸間に空隙を設けることができるので、風合いがより向上する。
さらに、延伸も容易となるので、繊維自体にコシ(伸度及び強度)を付与することも可能である。このため、ラミネート等の引っ張られる工程があっても破断し難い。
この場合、不織布1と積層用フィルム2とが同じ材料からなるので、接着性がより一層向上した手袋が得られる。
また、得られる手袋は、不織布1と積層用フィルム2の材料が同じであることから、溶融し、再成形することにより容易にリサイクルが可能となる。
温度が50℃未満であると、不織布と積層用フィルムが十分に溶着せず、温度が150℃を超えると、不織布、フィルムが溶融してしまい、形状維持が困難になる傾向にある。
圧力は1000kg/mを超えると、不織布の風合い、糸間の空隙が損なわれる傾向にある。
クリアランスが1800μmを超えると、不織布1と積層用フィルム2が十分に接着しない傾向にある。なお、クリアランスとは、カレンダー加工時の上下ロールの間隔を意味する。
この場合、不織布1と積層用フィルム2とが確実に溶着される。
掌側裁断工程は、得られた積層体10を、手型形状に裁断し、掌側基材11とする工程である。
かかる裁断には、例えば、カッター裁断機、電動裁断機等の公知の裁断機が適宜用いられる。
甲側裁断工程は、薄膜フィルムを手型形状に裁断し、甲側基材12とする工程である。
かかる裁断には、例えば、カッター裁断機、電動裁断機等の公知の裁断機が適宜用いられる。
溶着工程は、掌側基材11の不織布1が外側になるように掌側基材11と甲側基材12とを重ね合わせ、互いの縁に沿って、例えば、熱プレス機を用いて、溶着する工程である。
かかる熱プレス機としては、高周波ウェルダーが挙げられる。なお、かかる高周波ウェルダーとしては、公知のものが用いられる。
この場合、低温であるので、掌側基材11及び甲側基材12の収縮現象を抑制することができ、且つ、高周波を付与することにより掌側基材と甲側基材とを確実に溶着させることができる。
図3の(a)は、第2実施形態に係る手袋の掌側基材及び甲側基材を示す概略図であり、図3の(b)は、それらの断面図である。
図3の(a)に示すように、本実施形態に係る手袋30は、手型形状の掌側基材11と、手型形状の甲側基材22とが対向され、図3の(b)に示すように、掌側基材11及び甲側基材22の縁に沿って溶着される。
上記手袋30においては、掌側基材11を構成する積層体の積層用フィルムの周縁部11aと、甲側基材22を構成する積層体の積層用フィルムの周縁部22aとが溶着されている。
また、積層体10には、積層用フィルム2が貼られているので、人体に付着しているコンタミが表面に出てく30は、上述した混紡繊維を用いることにより、強度及び伸度にも優れるものとなる。
上記手袋30の製造方法は、上述した第1実施形態に係る手袋20と同様に、貼り付け工程と、掌側裁断工程と、甲側裁断工程と、溶着工程と、を備える。
ただし、手袋30の製造方法においては、甲側基材22として積層体10が用いられるので、甲側裁断工程は、掌側裁断工程と同じ工程となる。
また、溶着工程においては、掌側基材11の不織布1及び甲側基材22の不織布1がいずれも外側になるように掌側基材11と甲側基材22とを重ね合わせ、互いの縁に沿って、高周波ウェルダーを用いて、溶着される。
すなわち、掌側基材11及び甲側基材22の不織布1がいずれも外側になるように掌側基材11と甲側基材22とを重ね合わせた2組を不織布1側で重ねあわせれば、不織布1同士より、積層用フィルム2同士のほうが強固に接着するので、2組を一括して溶着することができる。しかも、高周波ウェルダーの金型に不織布1が圧接されるため、不織布1の下側の積層用フィルム2が不織布1の糸間に入り込むようになる。これにより、接着強度が向上することになる。
[不織布の製造]
プロピレン・エチレン共重合体からなる熱可塑性エラストマーを90質量部と、ポリプロピレンからなるポリマーを10質量部とを混合して溶融した。
そして、これを溶融紡糸し、連続した長繊維状に吐出して、混紡繊維とし(スパンボンド法)、エンボス加工機(EDUARD KUSTER株式会社製)にて、エンボス加工を施して、不織布(厚み160μm、目付け50g/m2、孔の径1.0mm)とした。
次に、プロピレン・エチレン共重合体からなる熱可塑性エラストマーを90質量部と、ポリプロピレンからなるポリマーを10質量部とを混合して溶融した。
そして、これをフィルム状に成形し、積層用フィルム(厚み80μm、目付け21g/m2)とした。
得られた不織布と、得られた積層用フィルムとを対向させ、温度115℃、圧力200kg/m、クリアランス1.0μmの条件下、ラミネート機を用いて溶着し積層体(厚み100μm、目付け70g/m2)とした。
[不織布の製造]
ポリプロピレンからなるポリマーを溶融紡糸し、連続した長繊維状に吐出して、(スパンボンド法)、エンボス加工機(EDUARD KUSTER株式会社製)にて、エンボス加工を施して、不織布(厚み330μm、目付け50g/m2、孔の径1.0mm)とした。
次に、プロピレン・エチレン共重合体からなる熱可塑性エラストマーを90質量部と、ポリプロピレンからなるポリマーを10質量部とを混合して溶融した。
そして、これをフィルム状に成形し、積層用フィルム(厚み25μm、目付け21g/m2)とした。
得られた不織布と、得られた積層用フィルムとを対向させ、温度115℃、圧力200kg/m、クリアランス1.0μmの条件下、ラミネート機を用いて溶着し積層体(厚み100μm、目付け70g/m2)とした。
[不織布の製造]
プロピレン・エチレン共重合体からなる熱可塑性エラストマーを90質量部と、ポリプロピレンからなるポリマーを10質量部とを混合して溶融した。
そして、これを溶融紡糸し、連続した長繊維状に吐出して、混紡繊維とし(スパンボンド法)、エンボス加工機(EDUARD KUSTER株式会社製)にて、エンボス加工を施して、不織布(厚み160μm、目付け50g/m2、孔の径1.0mm)とした。
次に、プロピレン・エチレン共重合体からなる熱可塑性エラストマーを90質量部と、ポリプロピレンからなるポリマーを10質量部とを混合して溶融した。
そして、これをフィルム状に成形し、積層用フィルム(厚み80μm、目付け70g/m2)とした。
得られた不織布と、得られた積層用フィルムとを対向させ、温度130℃、圧力200kg/m、クリアランス1.0μmの条件下、ラミネート機を用いて溶着し積層体(厚み100μm、目付け70g/m2)とした。
[ウレタン不織布の製造]
熱可塑性ポリウレタンエラストマーからなるポリマーをを溶融紡糸し、連続した長繊維状に吐出して、(メルトブロー法)、エンボス加工機(EDUARD KUSTER株式会社製)にて、エンボス加工を施して、不織布(厚み210μm、目付け50g/m2、孔の径1.0mm)とした。
次に、上記不織布と同じ組成の熱可塑性ポリウレタンからなるポリマーをフィルム状に成形し、積層用フィルム(厚み23μm、目付け26g/m2)とした。
得られた不織布と、得られた積層用フィルムとを対向させ、温度180℃、圧力300kg/m、クリアランス1.0μmの条件下、ラミネート機を用いて溶着し積層体(厚み150μm、目付け73g/m2)とした。
[不織布の製造]
水添ジエン系共重合体を70重量部と結晶性低分子量ポリオレフィンを30重量部で混合させたポリマーをを溶融紡糸し、連続した長繊維状に吐出して、(メルトブロー法)、エンボス加工機(EDUARD KUSTER株式会社製)にて、エンボス加工を施して、不織布(厚み215μm、目付け50g/m2、孔の径1.0mm)とした。
次に、上記不織布と同じ組成からなるポリマーをフィルム状に成形し、積層用フィルム(厚み24μm、目付け25g/m2)とした。
得られた不織布と、得られた積層用フィルムとを対向させ、温度130℃、圧力300kg/m、クリアランス1.0μmの条件下、ラミネート機を用いて溶着し積層体(厚み160μm、目付け75g/m2)とした。
(目付け)
実施例1〜3及び比較例1,2で得られた積層体に対して、JIS L1906に準じて目付けを測定した。得られた結果を表1に示す。
実施例1〜3及び比較例1,2で得られた積層体に対して、JIS L1906に準じて厚みを測定した。得られた結果を表1に示す。
実施例1〜3及び比較例1,2で得られた積層体に対して、JIS L1906に準じて破断強度を測定した。得られた結果を表1に示す。
実施例1〜3及び比較例1,2で得られた積層体に対して、JIS L1906に準じて破断伸度を測定した。得られた結果を表1に示す。
実施例1〜3及び比較例1,2で得られた積層体に対して、JIS L1906に準じて引裂き強度を測定した。得られた結果を表1に示す。
実施例1〜3及び比較例1,2で得られた積層体に対して、JIS P8147に準じて摩擦係数を測定した。得られた結果を表1に示す。
[甲側基材の製造]
プロピレン・エチレン共重合体からなる熱可塑性エラストマーを90質量部と、ポリプロピレンからなるポリマーを10質量部とを混合して溶融した。
そして、これをフィルム状に成形し、甲側基材(厚み80μm、目付け69g/m2)とした。
実施例1で得られた積層体を、掌側基材とし、甲側基材とを向き合うように配置し、油圧プレス機に金型を使用して手型に裁断した。
掌側基材の不織布が内側になるように掌側基材と甲側基材とを重ね合わせ、互いの縁に沿って、加熱温度90℃で高周波ウェルダー機を用いて、溶着し、手袋を得た。
[手袋基材の裁断工程]
実施例1で得られた積層体を、掌側、甲側両方の基材になるよう配置し、油圧プレス機に金型を使用して手型に裁断した。
不織布が内側になるように掌側基材と甲側基材とを重ね合わせ、互いの縁に沿って、加熱温度90℃で高周波ウェルダー機を用いて、溶着し、手袋を得た。
[手袋基材の裁断工程]
比較例1で得られた積層体を、掌側、甲側両方の基材となるよう配置し、油圧プレス機に金型を使用して手型に裁断した。
掌側基材の不織布が内側になるように掌側基材と甲側基材とを重ね合わせ、互いの縁に沿って、加熱温度120℃で高周波ウェルダー機を用いて、溶着し、手袋を得た。
[手袋基材の裁断工程]
比較例2で得られた積層体を、掌側、甲側両方の基材となるよう配置し、油圧プレス機に金型を使用して手型に裁断した。
掌側基材の不織布が内側になるように掌側基材と甲側基材とを重ね合わせ、互いの縁に沿って、加熱温度130℃で高周波ウェルダー機を用いて、溶着し、手袋を得た。
(耐酸性、耐アルカリ性)
耐酸性、耐アルカリ性は、各々塩酸0.1M、水酸化ナトリウム0.1M溶液中に実施例4,5及び比較例3,4の手袋を24時間浸漬させたあとの生地の膨潤、溶解の有無を比較した。手袋を使用する上で全く支障がないものを◎、変化があるものを○、使用できないものを×として評価した。
手袋の使いやすさに関して、「脱着しやすさ」、「装着時のズレ」、「物体掴みやすさ」、「快適さ」の4項目を、15名のモニターによるアンケート調査を基に評価した。
脱着しやすさは手袋を装着する際と脱ぐ際に手にかかる負荷、手間を官能的に比較評価し、「非常に脱着しやすい」を◎、「装着しやすい」を○、「脱着しにくい」を×として評価した。
装着時のズレは、手袋を装着している時に、手を広げたり閉じたりをくり返し、手と手袋にズレが生じてこないかを比較評価した。「ズレがない」を◎、「ズレにくい」を○、「ズレやすい」を×として評価した。
物体掴みやすさは、手袋を装着し、金属球を掴んだ際に表面の摩擦で落ちない程度を比較評価した。「非常につかみやすい」を◎、「つかみやすい」を○、「落ちやすい」を×として評価した。
快適さは、手袋を8時間装着した際に、発汗等による不快感がないかを比較評価した。すなわち、「非常に快適」を◎、「快適」を○、「不快」を×とした。
リサイクル性は、手袋を洗浄、溶融させることで再び原料として利用出来るかどうかを評価した。すなわち、「出来る」を◎、「できない」を×とした。
得られた結果を表2に示す。
また、手袋の使いやすさに優れる共に、リサイクル性にも優れるといえる。
2・・・積層用フィルム
10・・・積層体
11・・・掌側基材
11a,12a,22a・・・周縁部
12,22・・・甲側基材
20,30・・・手袋
Claims (12)
- 不織布と、該不織布に溶着によって積層された積層用フィルムと、からなる積層体であって、
前記不織布が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマーと、ポリプロピレンからなるポリマーとを混合して溶融紡糸した混紡繊維からなる積層体。 - 前記不織布がスパンボンド法により製造されたスパンボンド不織布である請求項1記載の積層体。
- 前記不織布が孔を有し、前記積層用フィルムが前記孔に嵌入されている請求項1記載の積層体。
- 前記積層用フィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマーと、ポリプロピレンからなるポリマーとを混合して溶融し、フィルム状にしたものである請求項1記載の積層体。
- 前記熱可塑性エラストマーが、少なくともプロピレンを含み、該プロピレンの結晶部分と、プロピレン又はエチレンの非結晶部分とが共重合体したものである請求項1記載の積層体。
- 手型形状の掌側基材と、手型形状の甲側基材とが対向され、前記掌側基材及び前記甲側基材の縁に沿って溶着された手袋であって、
前記掌側基材及び前記甲側基材の少なくとも一方が、不織布と、該不織布に溶着によって積層された積層用フィルムと、からなり、
前記不織布が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマーと、ポリプロピレンからなるポリマーとを混合して溶融紡糸した混紡繊維からなる手袋。 - 手型形状の掌側基材と、手型形状の甲側基材とが対向され、前記掌側基材及び前記甲側基材の縁に沿って溶着された手袋であって、
前記掌側基材が請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体であり、
前記甲側基材が薄膜フィルムであり、
前記積層体の積層用フィルムの周縁と、前記薄膜フィルムの周縁とが溶着されている手袋。 - 手型形状の掌側基材と、手型形状の甲側基材とが対向され、前記掌側基材及び前記甲側基材の縁に沿って溶着された手袋であって、
前記掌側基材及び前記甲側基材のいずれもが請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体であり、
該積層体の積層用フィルムの周縁同士が溶着されている手袋。 - 不織布及び積層用フィルムを対向させ、温度50〜150℃、圧力1000kg/m以下、クリアランス1800μm以下の条件下、相互に溶着し積層体とする貼り付け工程と、
前記積層体を手型形状に裁断し、掌側基材とする掌側裁断工程と、
薄膜フィルムを手型形状に裁断し、甲側基材とする甲側裁断工程と、
前記掌側基材の不織布が外側になるように前記掌側基材と前記甲側基材とを重ね合わせ、互いの縁に沿って、相互に溶着する溶着工程と、
を備え、
前記不織布がポリエチレン、ポリプロピレン及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマーと、ポリプロピレンからなるポリマーとを混合して溶融紡糸した混紡繊維からなるものである手袋の製造方法。 - 不織布及び積層用フィルムを対向させ、温度50〜150℃、圧力1000kg/m以下、クリアランス1800μm以下の条件下、相互に溶着し積層体とする貼り付け工程と、
前記積層体を、手型形状に裁断し、掌側基材及び甲側基材とする裁断工程と、
前記掌側基材の不織布及び甲側基材の不織布がいずれも外側になるように前記掌側基材と前記甲側基材とを重ね合わせ、互いの縁に沿って、相互に溶着する溶着工程と、
を備え、
前記不織布がポリエチレン、ポリプロピレン及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマーと、ポリプロピレンからなるポリマーとを混合して溶融紡糸した混紡繊維からなるものである手袋の製造方法。 - 前記不織布がスパンボンド法により製造されたスパンボンド不織布である請求項9又は10に記載の手袋の製造方法。
- 前記積層用フィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン及びプロピレン・エチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマーと、ポリプロピレンからなるポリマーとを混合して溶融し、フィルム状にしたものである請求項9又は10に記載の手袋の製造方法。
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