JP2010138474A - 耐食性部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking;SCC)感受性の低い耐食性部材を提供する。
【解決手段】オーステナイト組織の割合が80体積%以上であるオーステナイトステンレス鋼に対して、0.1〜3質量%のTi、0.1〜3質量%のZr及び0.1〜3質量%のNbからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む部材を準備し、この部材に対して表面加工を施して表面加工層を形成し、少なくとも前記表面加工層に対して加熱処理を施して再結晶化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に原子力発電プラント炉内構造物等に適用することが可能な耐食性部材に関する。
沸騰水型原子炉においては原子炉圧力容器内の炉心部で冷却水を加熱して蒸気を発生させ、この蒸気を、主蒸気管を通してタービンへ送り、タービンを駆動して発電させる。タービンで仕事を終えた蒸気は復水となり、浄化されたのち原子炉圧力容器内へ再び給水されるように構成されている。
この原子炉圧力容器内部を構成する原子炉構造物の材料としては、耐食性と強度等の観点からオーステナイト系ステンレス鋼およびニッケル基合金が多く用いられている。しかしながら、製作時の加工応力等で表面が硬化した原子炉構造物には溶接による残留応力が原因となって一部に応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking、以下SCCと称す)が発生するという問題がある。
このような問題を解決するために、従来においては、原子炉構造物の表面にショットピ−ニングによる加工を施し、表面に圧縮応力を付与する方法が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
また、原子炉構造物を構成する材料自体を改質して本質的にSCC感受性がないような耐食性部材を作製する試みがなされている。例えば、前記材料を金属材料から構成する場合に、SCC感受性を消失させるべく、金属材料の表面層に対して加工処理と加熱処理とを施して結晶粒を微細化する方法が提案されている(特許文献2及び3等)。
上述した従来技術によれば、原子炉構造物に適用した場合にSCCの発生をある程度の割合で低減させることが可能な耐食性部材を提供することはできる。しかしながら、今後、原子炉構造物はより過酷な条件下で使用されることが予想され、前記原子炉構造物を構成する耐食性部材に対して、前記条件下でもSCC感受性が十分に低いことがもとめられる。
特開平8−1514号 特開2003−183730号 特開2005−265449号
本発明は、応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking;SCC)感受性の低い耐食性部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の一態様は、オーステナイト組織の割合が80体積%以上であるオーステナイトステンレス鋼に対して、0.1〜3質量%のTi、0.1〜3質量%のZr及び0.1〜3質量%のNbからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む部材を準備する工程と、前記部材に対して表面加工を施して表面加工層を形成する工程と、少なくとも前記表面加工層に対して加熱処理を施して再結晶化する工程と、を具えることを特徴とする、耐食性部材の製造方法に関する。
上記態様によれば、耐食性部材を構成する部材を、オーステナイト組織の割合が80体積%以上であるオーステナイトステンレス鋼を主材とし、この主材自体に十分な耐食性を付与している。また、前記主材中に0.1〜3質量%のTi、0.1〜3質量%のZr及び0.1〜3質量%のNbからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むようにし、得られた部材に対して表面加工及び加熱処理を施して、前記部材の表面の結晶粒を微細化するようにしている。したがって、上記主材の本来的な耐食性の効果と、上記表面結晶粒の微細化との相乗効果によって、応力腐食割れ(SCC)感受性の低い耐食性部材を提供することができる。
なお、オーステナイトステンレス鋼中におけるオーステナイト組織の割合を80体積%以上とするには、元の鋼の成分組成並びに焼入れ及び焼戻し温度を適宜調節することによって実現することができる。例えば、前記鋼中においてNi及びCrを必須の成分とし、これらの成分含有量を比較的高く設定するとともに、焼入れ条件(焼入れ温度、冷却速度)等を制御し、マルテンサイト変態を抑制することによって実現することができる。
JISで規定されているオーステナイトステンレス鋼は、上述した上限をほぼ満足している。したがって、これらのステンレス鋼を上述した主材として用いることができる。
また、本発明の一例において、前記オーステナイトステンレス鋼は、Cr:14〜25質量%及びNi:10〜24質量%を含むことができる。これによって、前記部材中のオーステナイト組織の割合を増大させて、前記部材自体の耐食性をより向上させることができる。
なお、複数の部材を溶接して単独の部材とし、この単独の部材からSCC感受性の低い耐食性部材を得るためには、前記表面加工を施す以前に、前記2以上の部材を溶接する。そして、前記単独部材の非溶接部に対して前記表面加工及び前記加熱処理を施す。これによって、前記溶接部における再結晶化を抑制して、前記溶接部での粗粒化を抑制することができる。結果として、上述のように複数の部材を溶接して得た単独部材においても、溶接部を除いた領域の表面結晶粒を微細化することができるようになり、応力腐食割れ(SCC)感受性の低い耐食性部材を提供することができる。
また、本発明の一例において、前記表面加工はピーニング処理によって行うことができる。前記ピーニング処理は、レーザーピーニング、ショットピーニング、超音波ピーニング及びウォータージェットピーニングからなる群より選ばれる少なくとも1種とすることができる。
さらに、本発明の一例において、前記表面加工は機械加工によって行うことができる。 前記機械加工は、ハンマリング、切削加工、グラインダ加工及び冷間圧延加工からなる群より選ばれる少なくとも1種とすることができる。
また、本発明の一例において、前記加熱処理は、レーザ照射、燃焼ガス放射及び誘導加熱からなる群より選ばれる少なくとも1種とすることができる。さらに、前記加熱処理は、上記部材を加熱炉中又は加熱溶融塩中に配置することによって実施することができる。
さらに、本発明の一例において、前記表面加工及び前記加熱処理を同時に行うことができる。この場合は、例えば摩擦攪拌を用いて行うことができる。
以上より、本発明によれば、応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking;SCC)感受性の低い耐食性部材を提供することができる。
以下、本発明の詳細、その他の特徴及び利点について、実施の形態に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における表面加工の工程を示す図であり、図2は、本実施形態における加熱処理の工程を示す工程図である。本実施形態では、表面加工をレーザピーニングで行い、加熱処理をレーザ照射によって実施している。
レーザーピーニングでは、図1に示すように、部材10を水11中に配置し、この部材10に対して集光レンズ13を介してパルスレーザ12を照射し、部材10の表面において発生したプラズマ14による衝撃波15で部材10の表面加工を行い、部材10の表面に表面加工層10Aを形成する。なお、表面加工層10Aの深さは例えば100μm〜1mmとすることができる。
次いで、図2に示すように、部材10の表面加工層10Aに対して、例えば図示しないYAGレーザ加工機あるいは炭酸ガスレーザ加工機に接続された光ファイバ16から発射されたレーザ17を集光レンズ18で集光させた後、ミラー19を経て照射することによって、表面加工層10Aの加熱処理を行い、再結晶化させた表面加工層10Bを得ることができる。なお、上記加熱処理は、例えば850℃〜970℃の温度で数十秒〜数分間程度の時間実施する。
部材10は、オーステナイト組織の割合が80体積%以上であって、0.1〜3質量%のTi、0.1〜3質量%のZr及び0.1〜3質量%のNbからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むオーステナイトステンレス鋼から構成する。
したがって、本態様では、従来のように、部材10の表面に対して加工処理と加熱処理とを施し、さらに、オーステナイトステンレス鋼からなる部材10中に、0.1〜3質量%のTi、0.1〜3質量%のZr及び0.1〜3質量%のNbからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むようにしているので、部材10の表面の結晶粒を従来以上に微細化することができる。さらに、部材10を構成するオーステナイトステンレス鋼は、オーステナイト組織を80体積%以上の割合で含むので、部材10自体が高い耐食性を呈する。
結果として、本態様によれば、部材10の本来的な耐食性の効果と、上記表面結晶粒の微細化との相乗効果によって、応力腐食割れ(SCC)感受性の低い耐食性部材を提供することができる。
なお、オーステナイトステンレス鋼中におけるオーステナイト組織の割合を80体積%以上とするには、元の鋼の成分組成並びに焼入れ及び焼戻し温度を適宜調節することによって実現することができる。例えば、前記鋼中においてNi及びCrを必須の成分とし、これらの成分含有量を比較的高く設定するとともに、焼入れ条件(焼入れ温度、冷却速度)等を制御し、マルテンサイト変態を抑制することによって実現することができる。
この場合、JISで規定されているオーステナイトステンレス鋼は、上述した上限をほぼ満足している。したがって、これらのステンレス鋼を上述した主材として用いることができる。
また、部材10を構成するオーステナイトステンレス鋼が、Cr:14〜25質量%及びNi:10〜24質量%を含むことによって、部材10中のオーステナイト組織の割合を増大させて、部材10自体の耐食性をより向上させることができる。
(第2の実施形態)
図3は、本実施形態における表面加工の工程を示す図であり、図4は、本実施形態における加熱処理の工程を示す工程図である。本実施形態では、表面加工をショットピーニングで行い、加熱処理を誘導加熱によって実施している。
最初に、図3に示すように、部材10の表面に鋼球またはそれに類似する硬度の高い小球を高圧気体により吹き付け、その衝撃で表面に表面加工層10Aを形成する。具体的には、ショットピーニングノズル21から前述した鋼球またはそれに類似する硬度の高い小球23を部材10の表面にショット噴射する。なお、表面加工層10Aの深さは例えば100μm〜1mmとすることができる。
次いで、図4に示すように、部材10の表面加工層10Aに対して、高周波誘導コイル24を近接配置し、部材10内に高周波の渦電流を誘起させ、この渦電流によって部材10自体を発熱させる。この場合、前記高周波電流の周波数が高いほど渦電流が外周部に集中し表皮効果が顕著になるので、前記周波数を適宜に制御することによって部材10の表面加工層10Aを加熱して再結晶化を行う。なお、上記加熱処理は、例えば850℃〜970℃の温度で数十秒〜数分間程度の時間実施する。
なお、部材10に対して要求される特性は上記第1の実施形態と同じである。したがって、部材10の本来的な耐食性の効果と、上記表面結晶粒の微細化との相乗効果によって、応力腐食割れ(SCC)感受性の低い耐食性部材を提供することができる。
(第3の実施形態)
図5は、本実施形態における表面加工の工程を示す図であり、図6は、本実施形態における加熱処理の工程を示す工程図である。本実施形態では、表面加工をハンマリングで行い、加熱処理を燃焼ガス放射によって実施している。
最初に、図5に示すように、部材10の表面にアクチュエータ31のハンマ32を対峙させた状態で、アクチュエータ31を図示しない制御電源に接続して高周波の電磁力を発生させ、この電磁力によりハンマ32を高周波で振動させることによってハンマ32の先端部で部材10の表面に打撃を加え表面加工層10Aを形成する。なお、アクチュエータ31を作動させるのに電気に替えて圧縮空気を用いてもよい。なお、表面加工層10Aの深さは例えば100μm〜1mmとすることができる。
次いで、図6に示すように、部材10の表面加工層10Aに対して火炎ガン33のノズルを対峙させ、燃焼ガス34を放射して加熱し、再結晶化させる。なお、上記加熱処理は、例えば850℃〜970℃の温度で数十秒〜数分間程度の時間実施する。また、図中、35は燃料供給チューブ、36は酸素供給チューブである。
なお、部材10に対して要求される特性は上記第1の実施形態と同じである。したがって、部材10の本来的な耐食性の効果と、上記表面結晶粒の微細化との相乗効果によって、応力腐食割れ(SCC)感受性の低い耐食性部材を提供することができる。
(第4の実施形態)
図7は、本実施形態における表面加工の工程を示す図であり、図8は、本実施形態における加熱処理の工程を示す工程図である。本実施形態では、表面加工をグラインダーで行い、加熱処理を加熱炉によって実施している。
最初に、図7に示すように、部材10の表面をグラインダー41で研削または研磨し、表面加工層10Aを形成する。なお、表面加工層10Aの深さは例えば100μm〜1mmとすることができる。
次いで、部材10を加熱炉42及び搬送ローラ43を有する加熱装置に設置し、図8に示すように、搬送ローラ43で部材10を矢印で示すように加熱炉42を向けて移動させるとともに、加熱炉42内を通過させて表面加工層10Aに加熱処理を行う。なお、加熱炉42は、部材10の表面加工層10Aが例えば850℃〜970℃の温度に加熱されるように設定し、さらに、搬送ローラ43の搬送速度を、部材10が加熱炉42内を通過する時間が数十秒〜数分間程度となるように設定する。よって、再結晶化された表面加工層10Bを得ることができる。
なお、部材10に対して要求される特性は上記第1の実施形態と同じである。したがって、部材10の本来的な耐食性の効果と、上記表面結晶粒の微細化との相乗効果によって、応力腐食割れ(SCC)感受性の低い耐食性部材を提供することができる。
(第5の実施形態)
図9は、本実施形態における表面加工の工程を示す図であり、図10は、本実施形態における加熱処理の工程を示す工程図である。本実施形態では、表面加工を冷間圧延で行い、加熱処理を加熱溶融塩中に浸漬することによって実施している。
最初に、図9に示すように、部材10を冷間圧延装置51内に装着し、冷間圧延ローラ52によって冷間圧延する。これによって部材10に応力が負荷されることになり、部材10の、特に表面には前述した応力に基づく歪みが生成され、表面歪み層、すなわち表面加工層10Aが形成されるようになる。
次いで、上述のようにして表面加工層10Aが形成された部材10を加熱溶融塩中に浸漬させて加熱処理を行う。図8に示すように、浴槽54内には溶融塩53が所定量入れられ、浴槽54の周囲に設けられたヒータ55によって、溶融塩53が例えば850℃〜970℃の温度に加熱されるようにする。このような状態で、クレーン56によって把持された部材10を溶融塩53中に数十秒〜数分間程度浸漬し、所定時間経過後に引き上げる。この際、少なくとも部材10の表面加工層10Aが溶融塩53に浸漬するようにする。
なお、溶融塩としては、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムを例示することができる。
部材10に対して要求される特性は上記第1の実施形態と同じである。したがって、部材10の本来的な耐食性の効果と、上記表面結晶粒の微細化との相乗効果によって、応力腐食割れ(SCC)感受性の低い耐食性部材を提供することができる。
(第6の実施形態)
本実施形態では、複数の部材10を溶接して得た部材60に対して加工処理及び加熱処理を施す場合について説明する。図11は、部材60に対して加工処理を行う場合の加工処理工程を示す図である。
図11に示すように、本態様の部材60は、複数の部材10が互いに溶接されてなる。なお、溶接線は参照数字10Cによって示されている。
本態様では、最初に部材60を架台61に設置された回転ステージ62上に固定して回転させると同時に、架台61に固定された押付機63で、その先端に固定された超硬ツール64を矢印で示す方向に回転させながら部材60の表面に押しつける。すると、部材60の表面と超硬ツール64との間に摩擦攪拌が生じ、部材60の表面加工と加熱処理とを同時に行うことができる(摩擦攪拌処理)。したがって、部材60の表面結晶粒の微細化をより簡易に行うことができる。なお、部材60の摩擦攪拌を行う箇所は、回転ステージ62を回転させることによって適宜変更することができる。
また、部材10に対して要求される特性は上記第1の実施形態と同じである。したがって、部材10、すなわち部材60の本来的な耐食性の効果と、上記表面結晶粒の微細化との相乗効果によって、応力腐食割れ(SCC)感受性の低い耐食性部材を提供することができる。
なお、本態様においては、溶接線10Cに対しては上述した摩擦攪拌処理を行わない。もし、溶接線10Cに対して摩擦攪拌処理を行うと溶接部での結晶粒が粗大化してしまうので、部材60の応力腐食割れ(SCC)感受性が前記溶接部で劣化してしまう場合がある。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、部材10の加工処理をピーニング処理で行う場合に、レーザピーニング及びショットピーニングを用いる場合についてのみ示したが、超音波ピーニング、ウォータージェットピーニング等を用いることもできる。
また、部材10の加工処理を機械的に行う場合に、ハンマリング、グラインダ加工、冷間圧延加工を行う場合についてのみ示したが、切削加工を用いて行うこともできる。
さらに、特に第6の実施形態において、部材60に対して摩擦攪拌処理を施すことによって、加工処理及び加熱処理を同時に行うようにしたが、第2の実施形態から第5の実施形態に示したように、加工処理及び加熱処理をそれぞれ独立に行うこともできる。
第1の実施形態における表面加工の工程を示す図である。 第1の実施形態における加熱処理の工程を示す工程図である。 第2の実施形態における表面加工の工程を示す図である。 第2の実施形態における加熱処理の工程を示す工程図である。 第3の実施形態における表面加工の工程を示す図である。 第3の実施形態における加熱処理の工程を示す工程図である。 第4の実施形態における表面加工の工程を示す図である。 第4の実施形態における加熱処理の工程を示す工程図である。 第5の実施形態における表面加工の工程を示す図である。 第5の実施形態における加熱処理の工程を示す工程図である。 第6の実施形態における表面加工及び加熱処理の工程を示す図である。
符号の説明
10 部材
10A 表面加工層
10C 溶接線
11 水
12 パルスレーザ
13 集光レンズ
14 プラズマ
15 衝撃波
16 光ファイバ
17 レーザ光
18 集光レンズ
19 ミラー
21 ショットピーニングノズル
23 小球
24 高周波誘導コイル
31 アクチュエータ
32 ハンマー
33 火炎ガン
34 燃焼ガス
35 燃料供給チューブ
36 酸素供給チューブ
41 グラインダー
42 加熱炉
43 搬送ローラ
51 冷間圧延装置
52 冷間圧延ローラ
53 溶融塩
54 浴槽
55 ヒータ
56 クレーン
60 溶接部材
61 架台
62 回転ステージ
63 押付機
64 超硬ツール

Claims (11)

  1. オーステナイト組織の割合が80体積%以上であるオーステナイトステンレス鋼に対して、0.1〜3質量%のTi、0.1〜3質量%のZr及び0.1〜3質量%のNbからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む部材を準備する工程と、
    前記部材に対して表面加工を施して表面加工層を形成する工程と、
    少なくとも前記表面加工層に対して加熱処理を施して再結晶化する工程と、
    を具えることを特徴とする、耐食性部材の製造方法。
  2. 前記オーステナイトステンレス鋼は、Cr:14〜25質量%及びNi:10〜24質量%含むことを特徴とする、請求項1に記載の耐食性部材の製造方法。
  3. 前記表面加工はピーニング処理によって行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の耐食性部材の製造方法。
  4. 前記ピーニング処理は、レーザーピーニング、ショットピーニング、超音波ピーニング及びウォータージェットピーニングからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項3に記載の耐食性部材の製造方法。
  5. 前記表面加工は機械加工によって行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の耐食性部材の製造方法。
  6. 前記機械加工は、ハンマリング、切削加工、グラインダ加工及び冷間圧延加工からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項5に記載の耐食性部材の製造方法。
  7. 前記加熱処理は、レーザ照射、燃焼ガス放射及び誘導加熱からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載の耐食性部材の製造方法。
  8. 前記加熱処理は、前記部材を加熱炉中又は加熱溶融塩中に配置することによって実施することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載の耐食性部材の製造方法。
  9. 前記表面加工及び前記加熱処理を同時に行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の耐食性部材の製造方法。
  10. 前記表面加工及び前記加熱処理は、摩擦攪拌を用いて同時に行うことを特徴とする、請求項9に記載の耐食性部材の製造方法。
  11. 2以上の前記部材を準備し、前記表面加工を施す以前に、前記2以上の部材を溶接する工程を具え、前記表面加工及び前記加熱処理は、前記部材の非溶接部に対して施すことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一に記載の耐食性部材の製造方法。
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