JP2010137600A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】カーカスプライの接着性に優れ、高速耐久性及び操縦安定性を調整することが可能な空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】二枚以上のカーカスプライ4a、4bからなるカーカス5を具えた空気入りタイヤにおいて、前記カーカスプライ4a、4bの少なくとも一枚が、前記ビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間にトロイド状に延在する本体部と該ビードコアの周囲で巻き返した巻き返し部とを有する第一カーカスプライ4aからなり、前記第一カーカスプライ4aの少なくとも一枚が複数のセルロース系繊維コードをコーティングゴムで被覆したカーカスプライからなり、該セルロース系繊維コードを用いたカーカスプライ以外のカーカスプライが複数のセルロース系繊維以外の繊維コードをコーティングゴムで被覆したカーカスプライからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、特にカーカスプライの接着性に優れ、高速耐久性及び操縦安定性を調整することが可能な空気入りタイヤに関するものである。
タイヤが充分な耐久性と性能を発揮するには、様々な有機繊維コードやスチールコードによってタイヤを補強することが必要となる。特に、タイヤのカーカスを構成するカーカスプライには、基本特性として内圧を保持するための強度や該強度を保持するための耐疲労性等を確保し又は向上させるため、例えば、レーヨン、ナイロン又はポリエステル等の各種有機繊維がコード材として使用されている。
また、タイヤのカーカスが複数のカーカスプライから構成される場合、カーカスプライ用の有機繊維コードには、一般に同一の材料で作られた有機繊維コードが使用され、特にタイヤの耐久性を向上させる観点から、ポリエステルコードが多く使用されている。しかしながら、ポリエステルコードは、ゴムに対する接着性や高速転動時の高温安定性の点で改良の余地がある。
これに対し、特開昭64−32902号公報(特許文献1)には、複数のカーカスプライからなるカーカスを具えるタイヤにおいて、タイヤの内側のカーカスプライにナイロンコードを使用し、タイヤの外側のカーカスプライにポリエステルコードを使用することで、高荷重耐久性及び層間接着性を改善する技術が開示されている。しかしながら、特開昭64−32902号公報に開示の有機繊維コードの組み合わせでは、ナイロンコードの熱収縮が大き過ぎるため、高速転動時に熱劣化を起こす可能性があった。
ところで、カーカスプライにポリエステルコードを用いた場合に比べてタイヤの高速耐久性を向上させるためには、レーヨンコードを使用することが考えられるが、レーヨンコードは、剛性が高くなり易く、また走行性能がピーキーになり操縦安定性を低下させる傾向があり、更にはコストが高いという問題があった。
特開昭64−32902号公報
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、カーカスプライの接着性に優れ、高速耐久性及び操縦安定性を調整することが可能な空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、異なる繊維コードを用いた二枚以上のカーカスプライからなるカーカスにおいて、ビードコアの周囲で巻き返した巻き返し部を有するカーカスプライの少なくとも一枚にセルロース系繊維コードを用い、さらに他のカーカスプライに用いるセルロース系繊維以外の繊維コードを適宜選択することで、カーカスプライの接着性を向上させつつ、高速耐久性及び操縦安定性を調整できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在させた二枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたベルトとを具えた空気入りタイヤにおいて、前記カーカスプライの少なくとも一枚が、前記ビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間にトロイド状に延在する本体部と該ビードコアの周囲で巻き返した巻き返し部とを有する第一カーカスプライからなり、前記第一カーカスプライの少なくとも一枚が複数のセルロース系繊維コードをコーティングゴムで被覆したカーカスプライからなり、該セルロース系繊維コードを用いたカーカスプライ以外のカーカスプライが複数のセルロース系繊維以外の繊維コードをコーティングゴムで被覆したカーカスプライからなることを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤの好適例においては、前記セルロース系繊維以外の繊維コードが、前記セルロース系繊維コードの弾性率より小さい。この場合、高速耐久性を維持しながら、繊維コード全体の剛性が低下し、操縦安定性を向上できる。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記セルロース系繊維コードが、レーヨンコード又はリヨセルコードである。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記セルロース系繊維以外の繊維コードが、ポリエステルコードであり、該ポリエステルコードは、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートからなるのが好ましい。この場合、高速耐久性及び操縦安定性を向上できる。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、更に、前記サイドウォール部の前記カーカスの内側に配置された一対のサイド補強ゴム層を具える。この場合、繊維コードの剛性を高めることなく、サイドウォール部の剛性を向上できる。
本発明によれば、異なる繊維コードを用いた二枚以上のカーカスプライからなるカーカスにおいて、ビードコアの周囲で巻き返した巻き返し部を有するカーカスプライの少なくとも一枚にセルロース系繊維コードを用い、さらに他のカーカスプライに用いるセルロース系繊維以外の繊維コードを適宜選択することで、カーカスプライの接着性に優れ、高速耐久性及び操縦安定性を調整することが可能な空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、図を参照しながら、本発明の空気入りタイヤを詳細に説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの一例の断面図であり、図2は、本発明の空気入りタイヤの他の例の断面図であり、図3は、本発明の空気入りタイヤの他の例の断面図である。なお、図1〜3において、同一の符号は同じ部材であることを示す。
図1に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、上記一対のビード部1間にトロイド状に延在させた二枚以上のカーカスプライ4からなるラジアルカーカス5と、該カーカス5のクラウン部のタイヤ半径方向外側に位置するベルト6とを具える。
図示例のタイヤにおいて、カーカス5は、二枚のカーカスプライ4からなり、また、該カーカスプライ4は、上記ビード部1にそれぞれ埋設されたビードコア7間にトロイド状に延在する本体部と該ビードコア7の周囲でタイヤ幅方向の内側から外側に巻き返した巻き返し部とを有する第一カーカスプライ4aと、該第一カーカスプライ4aをその巻き返し部を含めて覆い該ビードコア7の少なくとも直下に終端を有する第二カーカスプライ4bとからなる。なお、本発明の空気入りタイヤにおいては、カーカスプライの枚数を少なくとも二枚とし、該カーカスプライの少なくとも一枚を、ビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間にトロイド状に延在する本体部と該ビードコアの周囲で巻き返した巻き返し部とを有する第一カーカスプライとすればよく、カーカスプライの枚数及び構造は、図1に示すカーカスプライに限られるものではない。例えば、図2に示すタイヤは、二枚の第一カーカスプライ4aからなるラジアルカーカス5を具えており、図3に示すタイヤは、一枚の第一カーカスプライ4a及び二枚の第二カーカスプライ4bからなるラジアルカーカス5を具えている。
ここで、本発明の空気入りタイヤにおいては、上記第一カーカスプライ4aの少なくとも一枚が複数のセルロース系繊維コードをコーティングゴムで被覆したカーカスプライからなり、該セルロース系繊維コードを用いたカーカスプライ以外のカーカスプライが複数のセルロース系繊維以外の繊維コードをコーティングゴムで被覆したカーカスプライからなることを特徴とする。一般に、第一カーカスプライ4aは、走行中に生じるビード部の変形に伴い、ビード部に位置する巻き返し部の端部とその近傍に大きな歪みが生じる結果、該端部近傍にてコードからコーティングゴムの剥離が起こり、セパレーションが発生し、カーカスプライ端部の耐久性を低下させるおそれがある。しかしながら、本発明の空気入りタイヤは、第一カーカスプライ4aの少なくとも一枚に、ゴムに対する接着性及び耐熱性に優れるセルロース系繊維コードを適用することで、巻き返し部端部でのコーティングゴムの剥離を抑制すると共に、高温時の弾性率の低下を抑えることができる。このため、本発明の空気入りタイヤは、カーカスプライ4の接着性及び耐熱性が向上しており、高速耐久性を改善することができる。
また、本発明の空気入りタイヤのカーカス5は、カーカスプライ4の全部にセルロース系繊維コードを使用しておらず、セルロース系繊維以外の繊維コードを用いたカーカスプライを少なくとも一枚有している。このため、レーヨンコード等のセルロース系繊維コードを用いた際に見られた剛性、操縦安定性及びコストの問題を改善することもできる。なお、セルロース系繊維コードを用いたカーカスプライ以外のカーカスプライの構造は、特に制限されず、第一カーカスプライ4a及び第二カーカスプライ4bの構造に限られるものではない。
なお、本発明の目的を達成するため、セルロース系繊維と該セルロース系繊維以外の繊維とからなる複合コードをカーカスプライ4に適用する手段も考えられるが、この場合、巻き返し部端部での接着性の向上効果が充分でなく、カーカスプライの高速耐久性の改善効果が低い。また、上記カーカス5において、上記カーカスプライ4を構成するコーティングゴムとしては、特に制限されるものではなく、通常のコーティングゴム用ゴム組成物を用いることができる。
また、図示例のタイヤにおいて、ベルト6は、二枚のベルト層からなるが、本発明のタイヤにおいて、ベルトを構成するベルト層の枚数は、これに限られるものではない。なお、ベルト層は、複数のコードをコーティングゴムで被覆してなり、該ベルト層を構成するコードには、例えば、有機繊維コード又はスチールコードを用いることが好ましく、該ベルト層を構成するコーティングゴムとしては、特に制限されるものではなく、通常のコーティングゴム用ゴム組成物を用いることができる。
なお、本発明の空気入りタイヤは、公知のタイヤ部材を必要に応じて更に具えることができる。例えば、本発明の空気入りタイヤは、図1に示すように、サイドウォール部2に位置するカーカス5の内側に配置された一対のサイド補強ゴム層8を具えることができる。この場合、繊維コードの剛性を高めることなく、サイドウォール部の剛性を向上させることができる。また、本発明の空気入りタイヤは、図1に示すように、ベルト5のタイヤ半径方向外側に、タイヤ周方向に対し実質的に平行に配列したコードのゴム引き層からなるベルト補強層9を具えてもよく、ベルト5の端部と該ベルト補強層の間に更に層間ゴム(図示せず)を具えることもできる。
本発明の空気入りタイヤのカーカス5は、少なくとも一枚の第一カーカスプライ4aにセルロース系繊維コードを用いる。セルロース系繊維コードは、セルロース系繊維を原料として作製したコードであって、該セルロース系繊維コードには、レーヨンコード又はリヨセルコードの他、天然の高分子であるセルロースを化学的にエステル化又はエーテル化等することによって得られるセルロース誘導体を原料として作製したコードも含まれる。
また、上記カーカス5を構成するカーカスプライ4には、上記セルロース系繊維コードを用いた第一カーカスプライ4aの他、セルロース系繊維以外の繊維コードを用いた少なくとも一枚のカーカスプライが含まれる。このように、セルロース系繊維以外の繊維コードを用いることで、セルロース系繊維コードのみを用いた際に見られた問題を改善でき、また、セルロース系繊維以外の繊維コードの種類を適宜選択することで、高速耐久性及び操縦安定性を容易に調整することができる。上記セルロース系繊維以外の繊維コードとしては、例えば、ナイロンコード、ポリエステルコード、芳香族ポリアミド(アラミド)コード、ポリケトン繊維コード、カーボン繊維コード、ガラス繊維コード、スチールコード等が挙げられるが、高速耐久性及び操縦安定性を向上させる観点から、ポリエステルコードが好ましく、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートからなるポリエステルコードが特に好ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいては、上記セルロース系繊維以外の繊維コードが、上記セルロース系繊維コードの弾性率より小さいことが好ましい。セルロース系繊維コードを、該セルロース系繊維コードの弾性率より小さな繊維コードと組み合わせることで、繊維コード全体の剛性を確実に低下させ、操縦安定性を向上させることができる。また、繊維コードの弾性率が高い程、同一荷重下での寸法変化が小さく、形態安定性に優れることから、上記カーカスプライ4に用いる繊維コードは、その原糸の弾性率が40〜2500cN/dtexであるのが好ましく、100〜450cN/dtexであるのが更に好ましい。カーカスプライ用繊維コード(セルロース系繊維コード及びセルロース系繊維以外の繊維コードを含む、以下同じ)の原糸の弾性率が40cN/dtex未満では、タイヤの剛性が低すぎ、操縦安定性を十分に満たすことができない。一方、2500cN/dtexを超えると、繊維コードの剛性が高くなり過ぎ、操縦安定性を低下させることがある。なお、繊維コードの原糸の弾性率(cN/dtex)は、25℃における49N荷重時の弾性率であって、JISのコード引張り試験によるSSカーブの49N時の接線から算出した値である。
上記カーカスプライ用繊維コードは、強度が要求される分野での使用を可能にしたり、繊維コードの使用量を低減するため、その原糸の引張強度が3.0〜40cN/dtexであるのが好ましく、4.0〜25cN/dtexであるのが更に好ましい。カーカスプライ用繊維コードの原糸の引張強度が3.0cN/dtex未満では、カーカスプライ用コードとして必要な剛性を十分に確保することができないことがあり、一方、40cN/dtexを超えると、繊維コードの剛性が高くなり過ぎ、操縦安定性を低下させることがある。なお、繊維コードの原糸の引張強度(cN/dtex)は、25℃におけるJISのコード引張り試験によって算出した値である。
本発明の空気入りタイヤにおいて、カーカスプライ用繊維コードは、その総繊度が500〜6000dtexの範囲であるのが好ましい。カーカスプライ用繊維コードの総繊度が500dtex未満では、カーカスプライ4の剛性が不十分となることがあり、一方、6000dtexを超えると、コーティングゴムの量が少なくなり、カーカスプライの接着性を低下させることがある。
上記カーカスプライ用繊維コードは、繊維のフィラメント束1本を撚ってなる片撚り構造を有していてもよく、下撚りを施した繊維のフィラメント束を二本以上合わせて上撚りを施した双撚り構造を有していてもよい。ここで、下撚り及び上撚りの際にコードに付与する撚り数並びに撚り構造は、コードの強度、収束性及びその他諸物性を考慮して決定されるが、本発明においては、カーカスプライ用繊維コードの撚り数が、下撚り及び上撚りのいずれも10回/10cm〜50回/10cmの範囲であるのが好ましい。本発明の空気入りタイヤに用いるカーカスプライ用繊維コードには、少なくともセルロース系繊維コードを使用する必要があるが、該繊維コードの撚り数が上記特定した範囲内にあれば、カーカスプライ用コードとして適度な剛性が付与され、操縦安定性を向上させることができる。
なお、上記のように、カーカスプライ4を構成するコーティングゴムとしては、通常のコーティングゴム用ゴム組成物を用いることができる。例えば、上記コーティングゴム用ゴム組成物に用いるゴム成分としては、特に制限はなく、天然ゴム(NR)の他、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)等の合成ゴムを使用することができ、これらゴム成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。上記コーティングゴム用ゴム組成物には、上記ゴム成分の他、例えば、充填剤、軟化剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、シランカップリング剤等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。上記コーティングゴム用ゴム組成物は、ゴム成分に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、カーカス5に、上述のセルロース系繊維コードをコーティングゴムで被覆した第一カーカスプライ4aを少なくとも一枚用い、更に上述のセルロース系繊維以外の繊維コードをコーティングゴムで被覆したカーカスプライを少なくとも一枚用いて、常法により製造することができる。また、コードのゴム引きに先立って、コードに接着剤処理を施し、コーティングゴムとの接着性を向上させてもよい。なお、本発明の空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
次に、表1〜2に記載の繊維コードを経糸として複数本引き揃えて、細く弱い緯糸を粗く打ち込んだスダレ状の繊維コードをコーティングゴムで被覆してゴム被覆コードを作製した。得られたゴム被覆コードを、表1〜2に記載の組み合わせで、カーカスプライに用いて、表1〜2に示すカーカスの構造を有し、タイヤサイズ:215/45ZR17のタイヤを試作した。なお、従来例1、実施例1、実施例3、実施例5及び比較例1のタイヤは、サイド補強ゴム層8を具えていない。該タイヤに対して、下記の方法で、巻き返し部端部の接着性、高速耐久性及び操縦安定性を評価した。結果を表1〜2に示す。
(1)巻き返し部端部の接着性
撚糸したコード又はディップ処理コードを未加硫ゴム組成物に埋め込み、160℃×20分、20kg/cm2の加圧下で加硫し、得られた加硫物からコードを掘り起こし、毎分30cm/minの速度でコードを加硫物から剥離させ、25℃での剥離抗力を測定し、これを接着力(kg/コード1本)とした。サイド補強ゴム層を有しないタイヤについては、従来例1のタイヤの接着力を100として指数表示し、サイド補強ゴム層を有するタイヤについては、従来例2のタイヤの接着力を100として指数表示した。指数値が大きい程、巻き返し部端部の接着性に優れることを示す。
(2)高速耐久性
供試タイヤを回転ドラムに組み付けて、150km/hの速度で30分間走行させ、故障が無ければ速度を6km/hづつ上げていき、故障発生までの耐久時間を測定した。サイド補強ゴム層を有しないタイヤについては、従来例1のタイヤの耐久時間を100として指数表示し、サイド補強ゴム層を有するタイヤについては、従来例2のタイヤの耐久時間を100として指数表示した。指数値が大きい程、耐久時間が長く高速耐久性に優れることを示す。
(3)操縦安定性
供試タイヤを装着して、専門のドライバーによる実車官能試験に基づき、操縦安定性の評価を行った。サイド補強ゴム層を有しないタイヤについては、従来例1のタイヤの操縦安定性を100として指数表示し、サイド補強ゴム層を有するタイヤについては、従来例2のタイヤの操縦安定性を100として指数表示した。指数値が大きい程、操縦安定性に優れることを示す。
Figure 2010137600
Figure 2010137600
*1 PETはポリエチレンテレフタレートの略称であり,PENはポリエチレンナフタレートの略称である.
*2 JISのコード引張り試験によるSSカーブの49N時の接線から算出した25℃における弾性率である.
*3 JISのコード引張り試験によって算出した25℃における引張強度である.
*4 4aは本体部と巻き返し部とを有する第一カーカスプライであり,4bは第一カーカスプライの巻き返し部を覆った第二カーカスプライである.
従来例及び実施例の比較から、カーカスが異なる繊維コードを用いた二枚以上のカーカスプライからなり、第一カーカスプライの少なくとも一枚にセルロース系繊維コードを用い、さらに他のカーカスプライにセルロース系繊維以外の繊維コードを用いることで、カーカスプライの接着性が向上し、高速耐久性を改善できることが分かる。また、実施例のタイヤは、セルロース系繊維以外の繊維コードとして、PETコード又はPENコード等のポリエステルコードを用いており、高速耐久性及び操縦安定性を大幅に向上できることが分かる。なお、従来例及び実施例の比較から、セルロース系繊維コードとポリエステルコードとを併用することにより、高速耐久性及び操縦安定性の向上効果が顕著に現れることは明らかである。
実施例及び比較例の比較から、カーカスプライ用繊維コードを全てセルロース系繊維コードとした場合には、繊維コードの剛性が高くなり過ぎ、操縦安定性を低下させることが分かる。また、第一カーカスプライ以外のカーカスプライにセルロース系繊維コードを用いた場合には、カーカスプライの接着性の向上効果が得られないため、高速耐久性を改善できないことが分かる。
本発明の空気入りタイヤの一例の断面図である。 本発明の空気入りタイヤの他の例の断面図である。 本発明の空気入りタイヤの他の例の断面図である。
符号の説明
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカスプライ
4a 第一カーカスプライ
4b 第二カーカスプライ
5 カーカス
6 ベルト
7 ビードコア
8 サイド補強ゴム層
9 ベルト補強層

Claims (6)

  1. 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在させた二枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたベルトとを具えた空気入りタイヤにおいて、
    前記カーカスプライの少なくとも一枚が、前記ビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間にトロイド状に延在する本体部と該ビードコアの周囲で巻き返した巻き返し部とを有する第一カーカスプライからなり、
    前記第一カーカスプライの少なくとも一枚が複数のセルロース系繊維コードをコーティングゴムで被覆したカーカスプライからなり、該セルロース系繊維コードを用いたカーカスプライ以外のカーカスプライが複数のセルロース系繊維以外の繊維コードをコーティングゴムで被覆したカーカスプライからなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記セルロース系繊維以外の繊維コードが、前記セルロース系繊維コードの弾性率より小さいことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記セルロース系繊維コードが、レーヨンコード又はリヨセルコードであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記セルロース系繊維以外の繊維コードが、ポリエステルコードであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ポリエステルコードが、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートからなることを特徴とする請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 更に、前記サイドウォール部の前記カーカスの内側に配置された一対のサイド補強ゴム層を具えることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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