JP2010137269A - 摩擦撹拌接合方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1被接合部材1及び第2被接合部材2の上面に、互いに衝合した当接部分を形成し、回転体4を回転させて当接部分に埋入した後、これら両者を当接部分に沿って相対移動させることにより、該当接部分を摩擦撹拌接合する方法において、両被接合部材1,2を下方から支持する支持部材3を重ねて配置すると共に、この支持部材3の上面における当接部分5の両側位置に凹部6をそれぞれ形成し、両凹部6,6の内側同士間の寸法をW1、両凹部6,6の外側同士間の寸法W2、回転体4の直径をD1とした場合に、W1≦D1≦W2とし、摩擦撹拌接合時に各凹部6内に突出した凸部10をそれぞれ形成した。
【選択図】図1
Description
この発明によれば、2つの被接合部材の厚み方向一方面側に互いに衝合した当接部分を形成し、回転体を回転させて前記当接部分に埋入した後、これら両者を当接部分に沿って相対移動させることにより、該当接部分を摩擦撹拌接合している。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、摩擦撹拌接合方法を提供することである。
これにより、摩擦撹拌接合時に凹部内に凸部を形成して、接合屑の発生を抑制できる。
これにより、摩擦撹拌接合時に空間内に凸部を形成して、接合屑の発生を抑制できる。
図1は実施例1の摩擦撹拌接合方法の被接合部材、支持部材、及び回転体の配置を説明する斜視図、図2は同側断面図、図3〜6は実施例1の摩擦撹拌接合方法を説明する図である。
図1、2に示すように、実施例1の摩擦撹拌接合方法では、第1被接合部材1及び第2被接合部材2と、支持部材3と、回転体4とが備えられている。
さらに、支持部材3の上面における当接部分5の両側には、四角形状に下方へ凹設された一対の凹部6,6が該両被接合部材1,2の長手方向に亘って形成されている。
また、ショルダ部7の下端外周部には、公知の特開2003−290937号公報のものと同様に、下方へ行くに連れて縮径した傾斜面で構成された材料ならし部7aが形成されている。
一方、ショルダ部7の上端部は、図示しないスピンドルを介して図示しない回転用モータの回転軸に連結されている。
これにより、回転体4は、回転用モータの駆動動作によって軸周り方向に回転可能に設けられている。
また、回転体4(回転用モータやスピンドル共)の上端側は、ショルダ部7(プローブ部8)の向きや位置を自在に変位可能な図示しない産業用ロボットアームの一端部に配設されている。
なお、回転用モータ及び産業用ロボットアームの駆動動作は、これらと電気的に接続された図示しないコントロールユニットで制御されている。
[摩擦撹拌接合について]
両被接合部材1,2の当接部分5を接合するには、先ず、図1、2に示すように、コントロールユニットからの指令信号により、産業用ロボットアームが駆動して、回転体4のプローブ部8を当接部分5の接合開始位置の真上に配置させる。
この摺接に伴って摩擦熱が発生し、当接部分5におけるプローブ部8の摺接箇所近傍が軟化して塑性流動しながら広がる。
このプローブ部8及びショルダ部7が挿入によって、塑性流動域が、なお一層撹拌されて広がると同時に、各凹部6,6内に該凹部6,6周辺部位の余肉が変形して突出した凸部10が形成される。
この回転体4が通過した当接部分5は、自然冷却(または強制冷却)により冷却硬化して固相接合し、この結果、当接部分5を所定長さに亘って接合できる。
また、各凸部10も所定長さに亘って形成される。
なお、回転体4を進行方向とは逆の方向に所定角度だけ傾倒した状態で移動させることで、スムーズな移動を可能にしても良い。
また、実施例1では、回転体4を当接部分5に対して進行方向に移動させているが、これら両者は相対移動すれば良い。
実施例1では、前述したように、両凹部6,6の内側同士間の寸法をW1、両凹部6,6の外側同士間の寸法W2、回転体の直径をD1とした場合に、W1≦D1≦W2となるように設定されている。
そして、摩擦撹拌接合時において、各凹部6,6内に該各凹部6,6の周辺部位の余肉が変形して突出した凸部10をそれぞれ形成している。
これにより、塑性流動域の流動した当接部分5が接合面に隆起して接合屑(所謂バリ)になるのを防止でき、接合屑の発生を抑制できる。
なお、D1<W1、或いはD1>W2とした場合には、各凹部6,6の周辺部位の余肉を所望のように凹部6内に逃がすことができないため、凸部10を形成できず、接合面に接合屑が発生してしまう。
実施例1では、各凹部6,6を除く両被接合部材1,2の下面における当接部分5の周辺を支持部材3で支持しているため、両被接合部材1,2の素材や厚みに依らず、安定して凸部10を形成できる。
実施例1では、ショルダ部7に材料ならし部7aを形成しているため、公知の特開2003−290937と同様に、材料ならし部7aと第2被接合部材2の上面とを非常に接近させることができ、接合屑の発生をなお一層抑制できる。
なお、公知の特開2001−205454号公報のものと同様に回転体4の材料ならし部7aの内側を窪んだ形状に形成しても良い。
この際、この発明では接合屑の発生を抑制できるため、材料ならし部7aの半径方向幅を2mmよりも小さい値に設定しても構わない。
また、材料ならし部7aを省略することもでき、この場合、従来の発明に比べて、回転体4の形状の簡素化を図ることができる。
(1)第1被接合部材1及び第2被接合部材2の上面に互いに衝合した当接部分5を形成し、回転体4を回転させて当接部分5に埋入した後、これら両者を当接部分5に沿って相対移動させることにより、該当接部分5を摩擦撹拌接合する方法において、両被接合部材1,2を下方から支持する支持部材3を重ねて配置すると共に、この支持部材3の上面における当接部分5の両側位置に凹部6をそれぞれ形成し、両凹部6,6の内側同士間の寸法をW1、両凹部6,6の外側同士間の寸法W2、回転体4の直径をD1とした場合に、W1≦D1≦W2とし、摩擦撹拌接合時に各凹部6内に突出した凸部10をそれぞれ形成した。
これにより、接合屑の発生を抑制できる。
実施例2において、実施例1と同様の構成部材については同じ符号を付してその説明は省略し、相違点のみ詳述する。
また、第1被接合部材1の端部1aには、段付き形状の段部21が該第1被接合部材1の長手方向に亘って一体形成されている。
これにより、両被接合部材1,2の上面に互いに衝合する当接部分5が該両被接合部材1,2の長手方向に亘って形成されている。
さらに、支持部材3の段部22の隅部23に第1被接合部材1の段部21の先端部21aと第2被接合部材2の下面との間で囲まれた空間24が形成されている。
その他、実施例2の回転体4のプローブ部8の下端は実施例1に比べて下方に延設されている。
[摩擦撹拌接合について]
両被接合部材1,2の当接部分5を接合するには、先ず、図7、8に示すように、コントロールユニットからの指令信号により、産業用ロボットアームが駆動して、回転体4のプローブ部8を当接部分5の接合開始位置の真上に配置させる。
この摺接に伴って摩擦熱が発生し、当接部分5におけるプローブ部8の摺接箇所近傍が軟化して塑性流動しながら広がる。
このプローブ部8及びショルダ部7が挿入によって、塑性流動域が、なお一層撹拌されて広がると同時に、空間24内に該空間24の周辺部位の余肉が変形して突出した凸部25が形成される。
この回転体4が通過した当接部分5は、自然冷却(または強制冷却)により冷却硬化して固相接合し、この結果、当接部分5を所定長さに亘って接合できる。
また、凸部25も所定長さに亘って形成される。
なお、回転体4を進行方向とは逆の方向に所定角度だけ傾倒した状態で移動させることで、スムーズな移動を可能にすることもできる。
また、実施例2では、回転体4を当接部分5に対して進行方向に移動させているが、これら両者は相対移動すれば良い。
実施例2では、前述したように、第1被接合部材1の段部21と第2被接合部材2との重ね代をW3、回転体4の半径をD2とした場合に、W3≦D2となるように設定している。
そして、摩擦撹拌接合時において、空間24内に該空間24の周辺部位の余肉が変形して突出した凸部25を形成している。
これにより、塑性流動域の流動した当接部分5が接合面に隆起して接合屑(所謂バリ)になるのを防止でき、接合屑の発生を抑制できる。
なお、W3>D2とした場合には、隅部9の周辺部位の余肉を所望のように逃がすことができないため、凸部25を形成できず、接合屑が発生してしまう。
実施例2では、空間24を除く両被接合部材1,2の下面を支持部材3で支持しているため、両被接合部材1,2の素材や厚みに依らず、安定して凸部25を形成でき、凸部25の成形性が良い。
(2)厚みが異なる第1被接合部材1と第2被接合部材2の上面に互いに衝合した当接部分5を形成し、第1被接合部材1の当接部分5側端部に段付き形状の段部21を一体形成すると共に、この段部21の上面に第2被接合部材2を重ねて配置し、回転体4を回転させて当接部分5に埋入した後、これら両者を当接部分5に沿って相対移動させることにより、該当接部分5を摩擦撹拌接合する方法において、両被接合部材1,2を下方から支持する段付き形状の支持部材3を重ねて配置すると共に、この支持部材3の段部22の隅部23に第1被接合部材1の段部21の先端部21aと第2被接合部材2の下面との間で囲まれた空間24を形成し、第1被接合部材1の段部21と第2被接合部材2との重ね代をW3、回転体4の半径をD2とした場合に、W3≦D2とし、摩擦撹拌接合時に空間24内に突出した凸部25を形成した。
これにより、(1)と同様の作用・効果を得ることができる。
例えば、一般的には回転体の当接部分に沿う移動方向(図11の矢印X2方向)とは反対方向(図11の矢印X3方向)と該回転体の回転方向(図11の矢印X1方向)とが一致する後退側(第2被接合部材2側)に、より多くの接合屑が発生し易いため、実施例2では、この後退側に空間24を配置しているが、必ずしもこの限りではない。
即ち、接合屑の発生位置や形状は、回転体の傾斜方向、傾斜角度、回転動作(正転、逆転、または正転と逆転の交互回転等)、移動方向(直線状、曲線状)、及び移動動作(往復動)、当接部分の状態(平坦、曲面)等の各種条件によって変わるため、接合屑の発生を抑制するために空間24の配置方向や回転体の動作の最適な組み合わせを単に特定したものは、全てこの発明の範疇となる。
1a、2a 端部
2 第2被接合部材
3 支持部材
4 回転体
5 当接部分
6 凹部
7 ショルダ部
7a 材料ならし部
8 プローブ部
10 凸部
21 段部
21a 先端部
22 段部
23 隅部
24 空間
25 凸部
Claims (2)
- 2つの被接合部材の厚み方向一方面側に互いに衝合した当接部分を形成し、
回転体を回転させて前記当接部分に埋入した後、これら両者を当接部分に沿って相対移動させることにより、該当接部分を摩擦撹拌接合する方法において、
前記両被接合部材を厚み方向他方面側から支持する支持部材を重ねて配置すると共に、この支持部材の厚み方向一方面における前記当接部分の両側位置に凹部をそれぞれ形成し、
前記両凹部の内側同士間の寸法をW1、前記両凹部の外側同士間の寸法W2、前記回転体の直径をD1とした場合に、W1≦D1≦W2とし、
前記摩擦撹拌接合時に前記各凹部内に突出した凸部をそれぞれ形成したことを特徴とする摩擦撹拌接合方法。 - 厚みが異なる厚肉被接合部材と薄肉被接合部材の厚み方向一方面側に互いに衝合した当接部分を形成し、
前記厚肉被接合部材の当接部分側端部に段付き形状の段部を一体形成すると共に、この段部の厚み方向一方面に前記薄肉被接合部材を重ねて配置し、
回転体を回転させて前記当接部分に埋入した後、これら両者を当接部分に沿って相対移動させることにより、該当接部分を摩擦撹拌接合する方法において、
前記両被接合部材を厚み方向他方面側から支持する段付き形状の支持部材を重ねて配置すると共に、この支持部材の段部の隅部に前記厚肉被接合部材の段部の先端部と前記薄肉被接合部材の他方面との間で囲まれた空間を形成し、
前記厚肉被接合部材の段部と前記薄肉被接合部材との重ね代をW3、上記回転体の半径をD2とした場合に、W3≦D2とし、
前記摩擦撹拌接合時に前記空間内に突出した凸部を形成したことを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
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