JP2010136703A - 非重合体カテキン類の非ガレート体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の非重合体カテキン類の非ガレート体の製造方法は、次の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする。
(1)非重合体カテキン類中のガレート体率が50質量%以上である茶抽出物をタンナーゼ処理する工程。
(2)タンナーゼ処理後の茶抽出物を合成吸着剤に接触させ、次いで合成吸着剤に有機溶媒水溶液又は塩基性水溶液を接触させて非重合体カテキン類を溶出させる工程。
(3)工程(2)で得られた溶出液を晶析する工程。
【選択図】なし
Description
(1)非重合体カテキン類中のガレート体率が50質量%以上である茶抽出物をタンナーゼ処理する工程、
(2)タンナーゼ処理後の茶抽出物を合成吸着剤に接触させ、次いで合成吸着剤に有機溶媒水溶液又は塩基性水溶液を接触させて非重合体カテキン類を溶出させる工程、
(3)工程(2)で得られた溶出液を晶析する工程
を含む、非重合体カテキン類の非ガレート体の製造方法を提供するものである。
本発明の非重合体カテキン類の非ガレート体の製造方法は、上記のとおり、工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする。以下、各工程について詳細に説明する。
本発明に係る工程(1)は、茶抽出物をタンナーゼ処理する工程である。
本発明で用いる茶抽出物は、非重合体カテキン類中のガレート体率が50質量%以上であるが、非ガレート体を効率よく得る点から、60質量%以上、更に70質量%以上、特に80質量%以上であることが好ましい。なお、非重合体カテキン類中のガレート体率は100質量%であってもよく、その上限は特に限定されるものではない。また、茶抽出物としては、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が40質量%以上、60質量%以上、更に80質量%以上、特に93質量%以上であることが好ましい。なお、固形分中の非重合体カテキン類の含有量の上限は特に限定されないが、製造コストの観点から、98質量%であることが好ましい。
このようにしてタンナーゼ処理後の茶抽出物が得られるが、タンナーゼ処理後の茶抽出物は次工程にそのまま使用しても、必要により濾過、濃縮等を行ってもよい。
本発明に係る工程(2)は、タンナーゼ処理後の茶抽出物を合成吸着剤に接触させて茶抽出物中に含まれる非重合体カテキン類を合成吸着剤に吸着させ、次いで合成吸着剤に有機溶媒水溶液又は塩基性水溶液を接触させて非重合体カテキン類を溶出させる工程である。これにより、カフェイン及び没食子酸等の夾雑物が低減化され、より一層高純度の非重合体カテキン類の非ガレート体を得ることができる。
アルカリ性水溶液のアルカリ濃度は、溶出させる非重合体カテキン類濃度の制御が容易な点から、0.001〜4質量%、更に0.005〜1質量%、特に0.008〜0.2質量%、殊更0.01〜0.08質量%であることが好ましい。なお、塩基性水溶液は、有機溶媒と混合して用いてもよい。
本発明に係る工程(3)は、工程(2)で得られた溶出液を晶析する工程である。
本工程においては、高純度の非ガレート体を簡便に得るために、溶出液に有機溶媒が混入している場合には公知の方法にて脱溶剤することが好ましい。また、溶出液中の非重合体カテキン類の濃度は1〜25質量%、更に2〜15質量%、特に3〜10質量%であることが、晶析後の固液分離の点から好ましい。晶析時の温度としては、溶出液を20℃以下に冷却することが好ましく、非ガレート体を優先的に結晶化させる点から、冷却温度は−20〜10℃、更に−10〜9℃、特に0〜7℃であることが好ましい。また、冷却時間は2時間以上、更に2〜24時間、特に4〜12時間であることが好ましい。このような晶析条件を採用することで、非ガレート体の結晶を選択的にかつ効率的に析出させることができる。
また、得られた非重合体カテキン類の非ガレート体は、固形分中に非重合体カテキン類の非ガレート体を、93〜100質量%、更に94〜100質量%、特に95〜99.9質量%含有することができる。
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式SCL-10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
固形分中の非重合体カテキン類の含有量が95質量%であり、かつ非重合体カテキン類中のガレート体率が99.9質量%(エピガロカテキンガレート98質量%、エピカテキンガレート1.9質量%、エピカテキン0.1質量%)である茶抽出物(テアビゴ、DSM Nutritional Japan社製)100gをイオン交換水19Kgに溶解し、次いでタンナーゼ(タンナーゼKTFH、500Unit/g、キッコーマン社製)10gを添加し室温にて2.5時間加水分解反応を行った。次いで、50℃、2.5kpaの条件下で減圧濃縮し、タンナーゼ処理後の茶抽出物を得た。
次いで、合成吸着剤SP−70(三菱化学(株)製)1925mLを充填したステンレスカラム(内径72mm×高さ500mm)に、SV=1(h-1)、BV=2(v/v)の条件で50質量%エタノール水溶液を通液した後、SV=5(h-1)、BV=5(v/v)の条件で水を通液して洗浄した。次いで、タンナーゼ処理後の茶抽出物6777g(3.5倍容量対合成吸着剤)を、SV=1(h-1)、BV=3.5の条件でカラムに通液し透過液を廃棄した。次いで、通液速度がSV=1(h-1)、BV=1.5の条件で水を通液し洗浄した。水洗後、SV=1(h-1)、BV=1.5の条件で50質量%エタノール水溶液を通液して、溶出液2868gを回収した。
次いで、溶出液を50℃、1.5kPaの条件下で6倍に減圧濃縮した(溶出液中の非重合体カテキン類の濃度7質量%)。この濃縮物を「精製濃縮物1」とする。この濃縮物を5℃に冷却し12時間静置した。次いで、NO.2のろ紙を載せたブフナー漏斗により固液分離を行い非重合体カテキン類の非ガレート体の結晶を得た。結晶中の非重合体カテキン類のガレート体率は0質量%であり、固形分中の非ガレート体の含有量は95.7質量%(エピガロカテキンの含有量は94.1質量%)、没食子酸含有量は0.11質量%であった。
酵素活性5000Unit/gのタンナーゼを1g使用し、工程(2)における通液条件を表1に記載のものに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により非重合体カテキン類の非ガレート体の結晶を得た。結晶中の非重合体カテキン類のガレート体率は0質量%であり、固形分中の非ガレート体の含有量は99.9質量%(エピガロカテキン体の含有量は98質量%)、没食子酸含有量は0.04質量%であった。
固形分中の非重合体カテキン類の含有量が92質量%であり、かつ非重合体カテキン類中のガレート体率が100質量%(ガロカテキンガレート100質量%)である茶抽出物(Zhejiang Yixin Pharm社製)100gをイオン交換水20Kgに溶解し、次いでタンナーゼ(タンナーゼKTFH、5000Unit/g、キッコーマン社製)1gを添加し、室温にて3時間加水分解反応を行った。次いで、50℃、2.5kpaの条件下で減圧濃縮し、タンナーゼ処理後の茶抽出物を18000g得た。
次いで、実施例1と同様の洗浄方法により洗浄したステンレスカラムを用い、タンナーゼ処理後の茶抽出物18000g(9.4倍容量対合成吸着剤)を、SV=1(h-1)、BV=9.4の条件でカラムに通液し透過液を廃棄した。次いで、通液速度がSV=1(h-1)、BV=2の条件で水を通液し洗浄した。水洗後、SV=1(h-1)、BV=1.75の条件で50質量%エタノール水溶液を通液して、溶出液3025gを回収した。次いで、溶出液を50℃、1.5kPaの条件下で6倍に減圧濃縮した。この濃縮物を「精製濃縮物2」とする。
次いで、この濃縮物を5℃に冷却し12時間静置した。次いで、NO.2のろ紙を載せたブフナー漏斗により固液分離を行い非重合体カテキン類の非ガレート体の結晶を得た。結晶中の非重合体カテキン類のガレート体率は0質量%であり、固形分中の非ガレート体の含有量は94質量%、没食子酸含有量は0.14質量%であった。
実施例1における「精製濃縮物1」を用いた。
実施例3における「精製濃縮物2」を用いた。
Claims (6)
- 次の工程(1)〜(3):
(1)非重合体カテキン類中のガレート体率が50質量%以上である茶抽出物をタンナーゼ処理する工程、
(2)タンナーゼ処理後の茶抽出物を合成吸着剤に接触させ、次いで合成吸着剤に有機溶媒水溶液又は塩基性水溶液を接触させて非重合体カテキン類を溶出させる工程、
(3)工程(2)で得られた溶出液を晶析する工程
を含む、非重合体カテキン類の非ガレート体の製造方法。 - 工程(1)において、茶抽出物として、固形分中の非重合体カテキン類濃度が40質量%以上であるものを用いる、請求項1記載の製造方法。
- 工程(1)において、酵素活性が3000Unit/g以上のタンナーゼを用いる、請求項1又は2記載の製造方法。
- 工程(3)において、20℃以下の温度で晶析する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 当該非重合体カテキン類の非ガレート体が固形分中に非重合体カテキン類の非ガレート体を93〜100質量%含有するものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 茶抽出物として、緑茶抽出物を用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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