ところで、近年、画像形成装置の小型化を推進するために、クリーニング装置の小型化も要請されている。
ここで、従来例のクリーニング装置の小型化を図るために、各クリーニングブラシ、各回収ローラを小径化して互いに接近させる配置するとともに、ハウジングの高さ寸法を低減すべく、上記第1、第2の規制部材をそれぞれ上記第1、第2の回収ローラに対して略水平な姿勢で接触させる構成が想定される。このような構成では、上記第1、第2の規制部材の両方からトナーを上記トナー搬出部材の真上に落下させる配置が困難となり、上記第1、第2の規制部材のうち少なくとも一方からのトナーが上記トナー搬出部材の側方へ外れて落下する配置となる。この結果、落下したトナーがハウジング底部に滞り易くなり、好ましくない。
そこで、この発明の課題は、上記第1、第2の規制部材のうち少なくとも一方からのトナーがトナー搬出部材の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナーをハウジング外部へ円滑に排出でき、信頼性の高いクリーニング装置を提供することにある。
また、この発明の課題は、そのようなクリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の第1局面のクリーニング装置は、
周方向に移動する環状の像担持体上の残留トナーを取り除くクリーニング装置であって、
上記像担持体のうち周方向に関しての特定領域を覆うように上記特定領域の側方に配置されたハウジングを備え、上記ハウジングは上記特定領域と対向するハウジング側壁と上記ハウジング側壁の下部から上記特定領域の下部へ延びるハウジング底部とを有し、
上記ハウジング内の上部に配置された第1のクリーニング部を備え、
上記第1のクリーニング部は、上記特定領域の一部に接触する第1のクリーニングブラシと、上記第1のクリーニングブラシよりもハウジング側壁側に配置され、上記第1のクリーニングブラシ上のトナーを掻き取る第1の規制部材とを含み、
上記ハウジング内の下部に配置された第2のクリーニング部を備え、
上記第2のクリーニング部は、上記特定領域のうち上記第1のクリーニングブラシが接触する部分よりも下流側の部分に接触する第2のクリーニングブラシと、上記第2のクリーニングブラシよりもハウジング側壁側に配置され、上記第2のクリーニングブラシ上のトナーを掻き取る第2の規制部材とを含み、
上記ハウジング底部の一部である第1の領域に、この第1の領域に存在するトナーを上記ハウジングの外部へ搬出するトナー搬出部材が配置され、
上記ハウジング底部のうち上記第1の領域に対して水平方向に関して隣接した第2の領域に、上記第1の領域へ近づくにつれて高さが低くなるように傾斜した傾斜面が設けられ、
上記第1、第2の領域が占める範囲は、それぞれ上記第1、第2の規制部材の少なくとも一方が掻き取ったトナーが落下する範囲に相当し、
上記トナー搬出部材は上記傾斜面に落下したトナーを上から下へ巻き込む向きに回転することを特徴とする。
この明細書で、「環状の」像担持体とは、円筒状だけでなく、無端ベルト状である場合も含まれる。像担持体が無端ベルト状である場合は、ベルト全体の形状は閉ループを形成していれば足りる。例えば全体として偏平な略平板状であっても良いし、略凸多角形状であってもよいし、また、凹状であっても良い。ベルト全体の形状が略平板状である場合は、水平方向に対して傾斜して配置されても良い。
また、「残留トナー」とは、像担持体に対する処理(例えば上記像担持体から記録媒体への転写工程)後に上記像担持体上に残っているトナーを意味する。このような残留トナーの大部分は、正負いずれかの極性に帯電していると考えられる。
また、像担持体の特定領域の「側方に配置され」とは、真横に配置されている場合だけでなく、斜め上方や斜め下方に配置されている場合も含まれる。
この第1局面のクリーニング装置では、まず、上記像担持体が周方向に移動するにつれて、上記像担持体上の大部分の残留トナーが、上記第1のクリーニングブラシによって、上記像担持体から取り除かれる。上記第1のクリーニングブラシ上のトナーは第1の規制部材によって掻き取られる。上記第1の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記ハウジング側壁と上記第1の規制部材のハウジング側壁側の端部との間の隙間を通して、上記ハウジングの底部へ落下する。次に、上記第1のクリーニングブラシでクリーニングされなかった少量のトナーが、上記第1のクリーニングブラシよりも下流側に配置された上記第2のクリーニングブラシによって、上記像担持体から取り除かれる。上記第2のクリーニングブラシ上のトナーは第2の規制部材によって掻き取られる。上記第2の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記第2の規制部材の直下の、上記ハウジングの底部へ落下する。
ここで、上記ハウジング底部の一部である第1の領域に、この第1の領域に存在するトナーを上記ハウジングの外部へ搬出するトナー搬出部材が配置され、また、上記ハウジング底部のうち上記第1の領域に対して水平方向に関して隣接した第2の領域に、上記第1の領域へ近づくにつれて高さが低くなるように傾斜した傾斜面が設けられている。上記第1、第2の領域が占める範囲は、それぞれ上記第1、第2の規制部材の少なくとも一方が掻き取ったトナーが落下する範囲に相当する。この構成によれば、上記第1の領域に落下したトナーは、上記トナー搬出部材によって上記ハウジングの外部へ搬出される。上記第2の領域に落下したトナーは、上記傾斜面に沿って上記第1の領域へ向けて流れた後、上記第1の領域に配置された上記トナー搬出部材によって上記ハウジングの外部へ搬出される。
このように、上記第1、第2の規制部材のうち少なくとも一方からのトナーが上記第2の領域、つまりトナー搬出部材の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナーを上記トナー搬出部材によってハウジング外部へ円滑に排出できる。しかも、上記トナー搬出部材は上記傾斜面に落下したトナーを上から下へ巻き込む向きに回転するので、上記ハウジング内でのトナーの飛散が抑制される。したがって、信頼性が高まる。
なお、典型的な例では、上記第1のクリーニングブラシに対して、上記像担持体上の上記残留トナーの主たる帯電極性と逆極性のバイアス電圧が印加される。一方、上記第2のクリーニングブラシには、上記第1のクリーニングブラシと逆極性のバイアス電圧が印加される。その場合、まず、上記像担持体が周方向に移動するにつれて、上記像担持体上の大部分の残留トナーが、上記第1のクリーニングブラシによって機械的に掻き取られるとともに静電的に吸着されて、上記像担持体から取り除かれる。上記第1のクリーニングブラシ上のトナーは第1の規制部材によって掻き取られる。上記第1の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記ハウジング側壁と上記第1の規制部材のハウジング側壁側の端部との間の隙間を通して、上記ハウジングの底部へ落下する。次に、上記第1のクリーニングブラシでクリーニングされなかった少量の逆極性トナーが、上記第1のクリーニングブラシよりも下流側に配置された上記第2のクリーニングブラシによって機械的に掻き取られるとともに静電的に吸着されて、上記像担持体から取り除かれる。上記第2のクリーニングブラシ上のトナーは第2の規制部材によって掻き取られる。上記第2の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記第2の規制部材の直下の、上記ハウジングの底部へ落下する。
一実施形態のクリーニング装置では、上記傾斜面の水平方向に対する傾斜角度は、上記傾斜面上に落下したトナーを上記第1の領域へ向けて滑らせる角度以上であることを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、上記傾斜面の水平方向に対する傾斜角度のお蔭で、上記傾斜面上に落下したトナーが上記第1の領域へ向けて滑る。したがって、上記第2の領域に落下したトナーは、上記第1の領域へ向けて円滑に流れる。そして、上記第1の領域に配置された上記トナー搬出部材によって上記ハウジングの外部へ搬出される。
一実施形態のクリーニング装置では、上記傾斜角度は55°以上であることを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、上記傾斜角度は55°以上であるから、上記傾斜面上に落下したトナーが上記第1の領域へ向けて良く滑る。
一実施形態のクリーニング装置では、上記ハウジング内で上記第2のクリーニング部と上記ハウジング底部との間に、上記第1、第2の領域が占める範囲に落下したトナーが上記第2のクリーニングブラシの直下へ移動するのを妨げる水平方向仕切り部を備えたことを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、上記第1、第2の領域が占める範囲に落下したトナーが水平方向に移動しようとしても、上記水平方向仕切り部によって遮られて、上記第2のクリーニングブラシの直下へは達しない。特に、上記第2の領域が上記第1の領域よりも上記第2のクリーニングブラシ側に配置されている場合に、上記傾斜面に落下したトナーが上記傾斜面上に積層し上記第2のクリーニングブラシ側へ崩れて移動しようとしても、上記水平方向仕切り部によって遮られて、上記第2のクリーニングブラシの直下へは達しない。したがって、そのようなトナーが上記像担持体上に再度付着するという問題は生じない。したがって、このクリーニング装置によれば、像担持体上の残留トナーを確実に取り除くことができる。このことは、ときに、特に有利になる。
この発明の第2局面のクリーニング装置は、
周方向に移動する環状の像担持体上の残留トナーを取り除くクリーニング装置であって、
上記像担持体のうち周方向に関しての特定領域を覆うように上記特定領域の側方に配置されたハウジングを備え、上記ハウジングは上記特定領域と対向するハウジング側壁と上記ハウジング側壁の下部から上記特定領域の下部へ延びるハウジング底部とを有し、
上記ハウジング内の上部に配置された第1のクリーニング部を備え、
上記第1のクリーニング部は、上記特定領域の一部に接触する第1のクリーニングブラシと、上記第1のクリーニングブラシよりもハウジング側壁側に配置され、上記第1のクリーニングブラシ上のトナーを吸着する第1の回収ローラと、上記第1の回収ローラよりもハウジング側壁側に配置され、上記第1の回収ローラ上のトナーを掻き取る第1の規制部材とを含み、
上記ハウジング内の下部に配置された第2のクリーニング部を備え、
上記第2のクリーニング部は、上記特定領域のうち上記第1のクリーニングブラシが接触する部分よりも下流側の部分に接触する第2のクリーニングブラシと、上記第2のクリーニングブラシよりもハウジング側壁側に配置され、上記第2のクリーニングブラシ上のトナーを吸着する第2の回収ローラと、上記第2の回収ローラよりもハウジング側壁側に配置され、上記第2の回収ローラ上のトナーを掻き取る第2の規制部材とを含み、
上記ハウジング底部の一部である第1の領域に、この第1の領域に存在するトナーを上記ハウジングの外部へ搬出するトナー搬出部材が配置され、
上記ハウジング底部のうち上記第1の領域に対して隣接した第2の領域に、上記第1の領域へ近づくにつれて高さが低くなるように傾斜した傾斜面が設けられ、
上記第1、第2の領域が占める範囲は、それぞれ上記第1、第2の規制部材の少なくとも一方が掻き取ったトナーが落下する範囲に相当し、
上記トナー搬出部材は上記傾斜面に落下したトナーを上から下へ巻き込む向きに回転することを特徴とする。
この第2局面のクリーニング装置では、まず、上記像担持体が周方向に移動するにつれて、上記像担持体上の大部分の残留トナーが、上記第1のクリーニングブラシによって、上記像担持体から取り除かれる。上記第1のクリーニングブラシ上のトナーは上記第1の回収ローラに転移し、上記第1の回収ローラ上のトナーは第1の規制部材によって掻き取られる。上記第1の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記ハウジング側壁と上記第1の規制部材のハウジング側壁側の端部との間の隙間を通して、上記ハウジングの底部へ落下する。次に、上記第1のクリーニングブラシでクリーニングされなかった少量のトナーが、上記第1のクリーニングブラシよりも下流側に配置された上記第2のクリーニングブラシによって、上記像担持体から取り除かれる。上記第2のクリーニングブラシ上のトナーは上記第2の回収ローラに転移し、上記第2の回収ローラ上のトナーは第2の規制部材によって掻き取られる。上記第2の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記第2の規制部材の直下の、上記ハウジングの底部へ落下する。
ここで、上記ハウジング底部の一部である第1の領域に、この第1の領域に存在するトナーを上記ハウジングの外部へ搬出するトナー搬出部材が配置され、また、上記ハウジング底部のうち上記第1の領域に対して隣接した第2の領域に、上記第1の領域へ近づくにつれて高さが低くなるように傾斜した傾斜面が設けられている。上記第1、第2の領域が占める範囲は、それぞれ上記第1、第2の規制部材の少なくとも一方が掻き取ったトナーが落下する範囲に相当する。この構成によれば、上記第1の領域に落下したトナーは、上記トナー搬出部材によって上記ハウジングの外部へ搬出される。上記第2の領域に落下したトナーは、上記傾斜面に沿って上記第1の領域へ向けて流れた後、上記第1の領域に配置された上記トナー搬出部材によって上記ハウジングの外部へ搬出される。
このように、上記第1、第2の規制部材のうち少なくとも一方からのトナーが上記第2の領域、つまりトナー搬出部材の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナーを上記トナー搬出部材によってハウジング外部へ円滑に排出できる。しかも、上記トナー搬出部材は上記傾斜面に落下したトナーを上から下へ巻き込む向きに回転するので、上記ハウジング内でのトナーの飛散が抑制される。したがって、信頼性が高まる。
なお、典型的な例では、上記第1の回収ローラに対して、上記像担持体上の上記残留トナーの主たる帯電極性と逆極性のバイアス電圧が印加される。この結果、上記第1のクリーニングブラシは、上記第1の回収ローラと同極性に帯電する。一方、上記第2の回収ローラには、上記第1のクリーニングブラシと逆極性のバイアス電圧が印加される。この結果、上記第2のクリーニングブラシは、上記第2の回収ローラと同極性に帯電する。その場合、まず、上記像担持体が周方向に移動するにつれて、上記像担持体上の大部分の残留トナーが、上記第1のクリーニングブラシによって機械的に掻き取られるとともに静電的に吸着されて、上記像担持体から取り除かれる。上記第1のクリーニングブラシ上のトナーは上記第1の回収ローラに転移し、上記第1の回収ローラ上のトナーは第1の規制部材によって掻き取られる。上記第1の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記ハウジング側壁と上記第1の規制部材のハウジング側壁側の端部との間の隙間を通して、上記ハウジングの底部へ落下する。次に、上記第1のクリーニングブラシでクリーニングされなかった少量の逆極性トナーが、上記第1のクリーニングブラシよりも下流側に配置された上記第2のクリーニングブラシによって機械的に掻き取られるとともに静電的に吸着されて、上記像担持体から取り除かれる。上記第2のクリーニングブラシ上のトナーは上記第2の回収ローラに転移し、上記第2の回収ローラ上のトナーは第2の規制部材によって掻き取られる。上記第2の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記第2の規制部材の直下の、上記ハウジングの底部へ落下する。
一実施形態のクリーニング装置では、上記傾斜面の水平方向に対する傾斜角度は、上記傾斜面上に落下したトナーを上記第1の領域へ向けて滑らせる角度以上であることを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、上記傾斜面の水平方向に対する傾斜角度のお蔭で、上記傾斜面上に落下したトナーが上記第1の領域へ向けて滑る。したがって、上記第2の領域に落下したトナーは、上記第1の領域へ向けて円滑に流れた後、上記第1の領域に配置された上記トナー搬出部材によって上記ハウジングの外部へ搬出される。
一実施形態のクリーニング装置では、上記傾斜角度は55°以上であることを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、上記傾斜角度は55°以上であるから、上記傾斜面上に落下したトナーが上記第1の領域へ向けて良く滑る。
一実施形態のクリーニング装置では、上記ハウジング内で上記第2のクリーニング部と上記ハウジング底部との間に、上記第1の領域から上記第2の領域までの範囲に落下したトナーが上記第2の回収ローラの直下へ移動するのを妨げる水平方向仕切り部を備えたことを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、上記第1、第2の領域が占める範囲に落下したトナーが水平方向に移動しようとしても、上記水平方向仕切り部によって遮られて、上記第2の回収ローラの直下へは達しない。特に、上記第2の領域が上記第1の領域よりも上記第2のクリーニングブラシ側に配置されている場合に、上記傾斜面に落下したトナーが上記傾斜面上に積層し上記第2のクリーニングブラシ側へ崩れて移動しようとしても、上記水平方向仕切り部によって遮られて、上記第2のクリーニングブラシの直下へは達しない。したがって、そのようなトナーが上記像担持体上に再度付着するという問題は生じない。したがって、このクリーニング装置によれば、像担持体上の残留トナーを確実に取り除くことができる。
この発明の第3局面のクリーニング装置では、
周方向に移動する環状の像担持体上の残留トナーを取り除くクリーニング装置であって、
上記像担持体のうち周方向に関しての特定領域を覆うように上記特定領域の側方に配置されたハウジングを備え、上記ハウジングは上記特定領域と対向するハウジング側壁と上記ハウジング側壁の下部から上記特定領域の下部へ延びるハウジング底部とを有し、
上記ハウジング内の上部に配置された第1のクリーニング部を備え、
上記第1のクリーニング部は、上記特定領域の一部に接触する第1のクリーニングブラシと、上記第1のクリーニングブラシよりもハウジング側壁側に配置され、上記第1のクリーニングブラシ上のトナーを掻き取る第1の規制部材とを含み、
上記ハウジング内の下部に配置された第2のクリーニング部を備え、
上記第2のクリーニング部は、上記特定領域のうち上記第1のクリーニングブラシが接触する部分よりも下流側の部分に接触する第2のクリーニングブラシと、上記第2のクリーニングブラシよりもハウジング側壁側に配置され、上記第2のクリーニングブラシ上のトナーを掻き取る第2の規制部材とを含み、
上記ハウジング底部の一部である第1の領域に、この第1の領域に存在するトナーを上記ハウジングの外部へ搬出するトナー搬出部材が配置され、
上記ハウジング底部のうち上記第1の領域に対して水平方向に関して隣接した第2の領域に、この第2の領域に存在するトナーを上記第1の領域へ向けて移動させるトナー移動部材が設けられ、
上記第1、第2の領域が占める範囲は、それぞれ上記第1、第2の規制部材の少なくとも一方が掻き取ったトナーが落下する範囲に相当することを特徴とする。
この第3局面のクリーニング装置では、まず、上記像担持体が周方向に移動するにつれて、上記像担持体上の大部分の残留トナーが、上記第1のクリーニングブラシによって、上記像担持体から取り除かれる。上記第1のクリーニングブラシ上のトナーは第1の規制部材によって掻き取られる。上記第1の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記ハウジング側壁と上記第1の規制部材のハウジング側壁側の端部との間の隙間を通して、上記ハウジングの底部へ落下する。次に、上記第1のクリーニングブラシでクリーニングされなかった少量のトナーが、上記第1のクリーニングブラシよりも下流側に配置された上記第2のクリーニングブラシによって、上記像担持体から取り除かれる。上記第2のクリーニングブラシ上のトナーは第2の規制部材によって掻き取られる。上記第2の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記第2の規制部材の直下の、上記ハウジングの底部へ落下する。
ここで、上記ハウジング底部の一部である第1の領域に、この第1の領域に存在するトナーを上記ハウジングの外部へ搬出するトナー搬出部材が配置され、また、上記ハウジング底部のうち上記第1の領域に対して水平方向に関して隣接した第2の領域に、この第2の領域に存在するトナーを上記第1の領域へ向けて移動させるトナー移動部材が設けられている。上記第1、第2の領域が占める範囲は、それぞれ上記第1、第2の規制部材の少なくとも一方が掻き取ったトナーが落下する範囲に相当する。この構成によれば、上記第1の領域に落下したトナーは、上記トナー搬出部材によって上記ハウジングの外部へ搬出される。上記第2の領域に落下したトナーは、上記トナー移動部材よって上記第1の領域へ向けて移動された後、上記第1の領域に配置された上記トナー搬出部材によって上記ハウジングの外部へ搬出される。
このように、上記第1、第2の規制部材のうち少なくとも一方からのトナーが上記第2の領域、つまりトナー搬出部材の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナーを上記トナー搬出部材によってハウジング外部へ円滑に排出できる。したがって、信頼性が高まる。
なお、典型的な例では、上記第1のクリーニングブラシに対して、上記像担持体上の上記残留トナーの主たる帯電極性と逆極性のバイアス電圧が印加される。一方、上記第2のクリーニングブラシには、上記第1のクリーニングブラシと逆極性のバイアス電圧が印加される。その場合、まず、上記像担持体が周方向に移動するにつれて、上記像担持体上の大部分の残留トナーが、上記第1のクリーニングブラシによって機械的に掻き取られるとともに静電的に吸着されて、上記像担持体から取り除かれる。上記第1のクリーニングブラシ上のトナーは第1の規制部材によって掻き取られる。上記第1の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記ハウジング側壁と上記第1の規制部材のハウジング側壁側の端部との間の隙間を通して、上記ハウジングの底部へ落下する。次に、上記第1のクリーニングブラシでクリーニングされなかった少量の逆極性トナーが、上記第1のクリーニングブラシよりも下流側に配置された上記第2のクリーニングブラシによって機械的に掻き取られるとともに静電的に吸着されて、上記像担持体から取り除かれる。上記第2のクリーニングブラシ上のトナーは第2の規制部材によって掻き取られる。上記第2の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記第2の規制部材の直下の、上記ハウジングの底部へ落下する。
一実施形態のクリーニング装置では、
上記トナー搬出部材は、上記像担持体の上記特定領域の幅方向に沿ったこのトナー搬出部材が有する第1の回転中心の周りに回転し、
上記トナー移動部材は、上記トナー搬出部材の上記第1の回転中心と平行な、このトナー移動部材が有する第2の回転中心の周りに、上記トナー搬出部材の回転の向きと同じ向きに回転し、
上記トナー移動部材のうち上記第2の回転中心よりも下側の部分が上記トナーを上記第1の領域へ向けて移動させることを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、上記第2の領域に堆積しようとするトナーが、上記トナー移動部材よって上記第1の領域へ向けて円滑に移動される。
一実施形態のクリーニング装置では、上記ハウジング底部で、上記第2の領域の高さが上記第1の領域の高さよりも高いことを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、上記第2の領域に堆積しようとするトナーが、上記第2の領域の高さと上記第1の領域の高さとの差によって、上記第1の領域へ向けて円滑に移動される。
一実施形態のクリーニング装置では、鉛直方向に見たとき、上記トナー移動部材の可動範囲が上記トナー搬出部材の可動範囲に対して隣接またはオーバラップしていることを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、鉛直方向に見たとき、上記トナー移動部材の可動範囲と上記トナー搬出部材の可動範囲との間に隙間がない。したがって、上記第1、第2の規制部材から落下したトナーが上記第2の領域と上記第1の領域との境界またはその近傍に堆積することがない。したがって、上記第2の領域に落下したトナーが上記第1の領域へ円滑に流れる。
一実施形態のクリーニング装置では、
上記トナー搬出部材は、上記第1の回転中心に沿って螺旋状に連続した羽根を有するスクリューを有し、
上記トナー移動部材は、上記第2の回転中心に沿って一定の断面を有し、かつ上記第2の回転中心から径方向に放射状に延びるパドルを有することを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、上記第2の領域に落下したトナーは、上記トナー移動部材の上記パドルによって上記第1の領域へ向けて円滑に移動される。上記第2の領域から上記第1の領域に移動されたトナーや、上記第1の領域に直接落下したトナーは、上記第1の領域に配置された上記トナー搬出部材の上記スクリューによって上記ハウジングの外部へ円滑に搬出される。
この発明の第4局面のクリーニング装置は、
周方向に移動する環状の像担持体上の残留トナーを取り除くクリーニング装置であって、
上記像担持体のうち周方向に関しての特定領域を覆うように上記特定領域の側方に配置されたハウジングを備え、上記ハウジングは上記特定領域と対向するハウジング側壁と上記ハウジング側壁の下部から上記特定領域の下部へ延びるハウジング底部とを有し、
上記ハウジング内の上部に配置された第1のクリーニング部を備え、
上記第1のクリーニング部は、上記特定領域の一部に接触する第1のクリーニングブラシと、上記第1のクリーニングブラシよりもハウジング側壁側に配置され、上記第1のクリーニングブラシ上のトナーを吸着する第1の回収ローラと、上記第1の回収ローラよりもハウジング側壁側に配置され、上記第1の回収ローラ上のトナーを掻き取る第1の規制部材とを含み、
上記ハウジング内の下部に配置された第2のクリーニング部を備え、
上記第2のクリーニング部は、上記特定領域のうち上記第1のクリーニングブラシが接触する部分よりも下流側の部分に接触する第2のクリーニングブラシと、上記第2のクリーニングブラシよりもハウジング側壁側に配置され、上記第2のクリーニングブラシ上のトナーを吸着する第2の回収ローラと、上記第2の回収ローラよりもハウジング側壁側に配置され、上記第2の回収ローラ上のトナーを掻き取る第2の規制部材とを含み、
上記ハウジング底部の一部である第1の領域に、この第1の領域に存在するトナーを上記ハウジングの外部へ搬出するトナー搬出部材が配置され、
上記ハウジング底部のうち上記第1の領域に対して水平方向に関して隣接した第2の領域に、この第2の領域に存在するトナーを上記第1の領域へ向けて移動させるトナー移動部材が設けられ、
上記第1、第2の領域が占める範囲は、それぞれ上記第1、第2の規制部材の少なくとも一方が掻き取ったトナーが落下する範囲に相当することを特徴とする。
この第4局面のクリーニング装置では、まず、上記像担持体が周方向に移動するにつれて、上記像担持体上の大部分の残留トナーが、上記第1のクリーニングブラシによって、上記像担持体から取り除かれる。上記第1のクリーニングブラシ上のトナーは上記第1の回収ローラに転移し、上記第1の回収ローラ上のトナーは第1の規制部材によって掻き取られる。上記第1の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記ハウジング側壁と上記第1の規制部材のハウジング側壁側の端部との間の隙間を通して、上記ハウジングの底部へ落下する。次に、上記第1のクリーニングブラシでクリーニングされなかった少量のトナーが、上記第1のクリーニングブラシよりも下流側に配置された上記第2のクリーニングブラシによって、上記像担持体から取り除かれる。上記第2のクリーニングブラシ上のトナーは上記第2の回収ローラに転移し、上記第2の回収ローラ上のトナーは第2の規制部材によって掻き取られる。上記第2の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記第2の規制部材の直下の、上記ハウジングの底部へ落下する。
ここで、上記ハウジング底部の一部である第1の領域に、この第1の領域に存在するトナーを上記ハウジングの外部へ搬出するトナー搬出部材が配置され、また、上記ハウジング底部のうち上記第1の領域に対して水平方向に関して隣接した第2の領域に、この第2の領域に存在するトナーを上記第1の領域へ向けて移動させるトナー移動部材が設けられている。上記第1、第2の領域が占める範囲は、それぞれ上記第1、第2の規制部材の少なくとも一方が掻き取ったトナーが落下する範囲に相当する。この構成によれば、上記第1の領域に落下したトナーは、上記トナー搬出部材によって上記ハウジングの外部へ搬出される。上記第2の領域に落下したトナーは、上記トナー移動部材よって上記第1の領域へ向けて移動された後、上記第1の領域に配置された上記トナー搬出部材によって上記ハウジングの外部へ搬出される。
このように、上記第1、第2の規制部材のうち少なくとも一方からのトナーが上記第2の領域、つまりトナー搬出部材の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナーを上記トナー搬出部材によってハウジング外部へ円滑に排出できる。したがって、信頼性が高まる。
なお、典型的な例では、上記第1の回収ローラに対して、上記像担持体上の上記残留トナーの主たる帯電極性と逆極性のバイアス電圧が印加される。この結果、上記第1のクリーニングブラシは、上記第1の回収ローラと同極性に帯電する。一方、上記第2の回収ローラには、上記第1のクリーニングブラシと逆極性のバイアス電圧が印加される。この結果、上記第2のクリーニングブラシは、上記第2の回収ローラと同極性に帯電する。その場合、まず、上記像担持体が周方向に移動するにつれて、上記像担持体上の大部分の残留トナーが、上記第1のクリーニングブラシによって機械的に掻き取られるとともに静電的に吸着されて、上記像担持体から取り除かれる。上記第1のクリーニングブラシ上のトナーは上記第1の回収ローラに転移し、上記第1の回収ローラ上のトナーは第1の規制部材によって掻き取られる。上記第1の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記ハウジング側壁と上記第1の規制部材のハウジング側壁側の端部との間の隙間を通して、上記ハウジングの底部へ落下する。次に、上記第1のクリーニングブラシでクリーニングされなかった少量の逆極性トナーが、上記第1のクリーニングブラシよりも下流側に配置された上記第2のクリーニングブラシによって機械的に掻き取られるとともに静電的に吸着されて、上記像担持体から取り除かれる。上記第2のクリーニングブラシ上のトナーは上記第2の回収ローラに転移し、上記第2の回収ローラ上のトナーは第2の規制部材によって掻き取られる。上記第2の規制部材によって掻き取られたトナーは、例えば上記第2の規制部材の直下の、上記ハウジングの底部へ落下する。
一実施形態のクリーニング装置では、
上記トナー搬出部材は、上記像担持体の上記特定領域の幅方向に沿ったこのトナー搬出部材が有する第1の回転中心の周りに回転し、
上記トナー移動部材は、上記トナー搬出部材の上記第1の回転中心と平行な、このトナー移動部材が有する第2の回転中心の周りに、上記トナー搬出部材の回転の向きと同じ向きに回転し、
上記トナー移動部材のうち上記第2の回転中心よりも下側の部分が上記トナーを上記第1の領域へ向けて移動させることを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、上記第2の領域に堆積しようとするトナーが、上記トナー移動部材よって上記第1の領域へ向けて円滑に移動される。
一実施形態のクリーニング装置では、
上記ハウジング底部で、上記第2の領域の高さが上記第1の領域の高さよりも高いことを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、上記第2の領域に堆積しようとするトナーが、上記第2の領域の高さと上記第1の領域の高さとの差によって、上記第1の領域へ向けて円滑に移動される。
一実施形態のクリーニング装置では、
鉛直方向に見たとき、上記トナー移動部材の可動範囲が上記トナー搬出部材の可動範囲に対して隣接またはオーバラップしていることを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、鉛直方向に見たとき、上記トナー移動部材の可動範囲と上記トナー搬出部材の可動範囲との間に隙間がない。したがって、上記第1、第2の規制部材から落下したトナーが上記第2の領域と上記第1の領域との境界またはその近傍に堆積することがない。したがって、上記第2の領域に落下したトナーが上記第1の領域へ円滑に流れる。
一実施形態のクリーニング装置では、
上記トナー搬出部材は、上記第1の回転中心に沿って螺旋状に連続した羽根を有するスクリューを有し、
上記トナー移動部材は、上記第2の回転中心に沿って一定の断面を有し、かつ上記第2の回転中心から径方向に放射状に延びるパドルを有することを特徴とする。
この一実施形態のクリーニング装置では、上記第2の領域に落下したトナーは、上記トナー移動部材の上記パドルによって上記第1の領域へ向けて円滑に移動される。上記第2の領域から上記第1の領域に移動されたトナーや、上記第1の領域に直接落下したトナーは、上記第1の領域に配置された上記トナー搬出部材の上記スクリューによって上記ハウジングの外部へ円滑に搬出される。
この発明の画像形成装置は、上記クリーニング装置を備えた画像形成装置である。
この発明の画像形成装置では、上記クリーニング装置において、上記第1、第2の規制部材のうち少なくとも一方からのトナーが上記第2の領域、つまりトナー搬出部材の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナーを上記トナー搬出部材によってハウジング外部へ円滑に排出できる。したがって、画像形成装置の信頼性が向上する。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、一実施形態のクリーニング装置125を備えたカラータンデム方式の画像形成装置100の断面構造を示している。この画像形成装置100は、本体ケーシング101内の略中央に、3個のローラ102、104、106に巻回された周方向に移動する環状の像担持体としての中間転写ベルト108を備えている。3個のローラのうち2個のローラ102、104は、図において左側に上下に互いに離間して配置され、残りのローラ106は図において右側に配置されている。中間転写ベルト108はこれらのローラ102、104、106によって支持されて矢印X方向に回転駆動される。
中間転写ベルト108の下方には、図において左側から順に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーに対応する画像形成部としての作像ユニット110Y、110M、110C、110Kが並べて配置されている。
各作像ユニット110Y、110M、110C、110Kは、それらが取り扱うトナー色の違いを除いて全く同様に構成されている。具体的には、例えばイエローの作像ユニット110Yは、感光体ドラム190と、帯電装置191と、露光装置192と、トナーを用いて現像を行う現像装置193と、クリーナ装置195とを一体にして構成されている。中間転写ベルト108を挟んで感光体ドラム190と対向する位置に、1次転写ローラ194が設けられている。画像形成時には、まず帯電装置191によって感光体ドラム190の表面が一様に帯電され、続いて、露光装置192によって、図示されない外部装置から入力された画像信号に応じて感光体ドラム190の表面が露光されて、そこに潜像が形成される。次に、現像装置193によって、感光体ドラム190の表面上の潜像が現像されてトナー画像となる。このトナー画像は、感光体ドラム190と1次転写ローラ194との間の電圧印加によって、中間転写ベルト108に転写される。感光体ドラム190の表面上の転写残トナーは、クリーナ装置195によってクリーニングされる。
中間転写ベルト108が矢印X方向に移動するに伴って、各作像ユニット110Y、110M、110C、110Kによって中間転写ベルト108上に4色のトナー画像が重ねて形成される。
中間転写ベルト108の左側には、中間転写ベルト108の表面から残留トナーを取り除くクリーニング装置125と、このクリーニング装置125によって取り除かれたトナー回収ボックス126とが設けられている。中間転写ベルト108の右側には、用紙のための搬送路124を挟んで2次転写ローラ112が設けられている。本体ケーシング101内の右上部には、トナーを用紙に定着させるための定着ユニット130が設けられている。定着ユニット130は、図1の紙面に対して垂直に延在する加熱ローラ131と加圧ローラ132とを備えている。この例では、加熱ローラ131に図示しない加熱源が内蔵されている。加圧ローラ132は、図示しないばねによって加熱ローラ131へ向かって付勢されている。これにより、加熱ローラ131と加圧ローラ132とは定着のためのニップ部を形成している。トナー像が転写された用紙Sがこのニップ部を通ることにより、その用紙Sにトナー画像が定着される。また、本体ケーシング101の下部には、記録媒体としての用紙Sを収容した給紙カセット116が設けられている。
画像形成時には、用紙Sは給紙ローラ118によって給紙カセット116から搬送路124へ1枚ずつ送り出され、搬送ローラ120によって中間転写ベルト108と2次転写ローラ112との間のトナー転写位置へ送り込まれる。一方、既述のように、各作像ユニット110Y、110M、110C、110Kによって中間転写ベルト108上に4色のトナー画像が重ねて形成されている。上述のトナー転写位置に送り込まれた用紙Sに、この中間転写ベルト108上の4色のトナー画像が、2次転写ローラ112によって転写される。トナー像が転写された用紙Sは、定着ユニット130の加熱ローラ131と加圧ローラ132とが作るニップ部を通して搬送され、加熱および加圧を受ける。これにより、その用紙Sにトナー画像が定着される。そして、トナー画像が定着された用紙Sは、排紙ローラ121によって、本体ケーシング101の上面に設けられた排紙トレイ部122へ排出される。
図2は、上記クリーニング装置125の具体的な構成例(符号125Aで示す。)を示している。
このクリーニング装置125Aは、中間転写ベルト108のうち周方向に関しての特定領域をなす湾曲領域19を覆うように、湾曲領域19の側方に配置された絶縁材料からなるハウジング14を備えている。ハウジング14と湾曲領域19との間はシール21、22で塞がれている。湾曲領域19は、この例では中間転写ベルト108のうちローラ104を巻回した円弧状の部分に相当する。動作時には、中間転写ベルト108の湾曲領域19は、ローラ104とともに図2において矢印aで示す反時計回りに回転しながら移動する。
クリーニング装置125Aのところへ来る中間転写ベルト108上には、上記2次転写ローラ112による転写工程で用紙に転写されなかった残留トナー99が付着している。この例では、中間転写ベルト108上の残留トナー99の主たる帯電極性は正であり、大部分の残留トナー99は正に帯電しているものとする。
ハウジング14は、湾曲領域19と対向し鉛直方向に設けられた平板状の側壁14aと、天板14bと、底部14c,14d,14e,14fを備えている。天板14bはハウジング側壁14aの上部から湾曲領域19の上部へ延び、また、底部14c,14d,14e,14fはハウジング側壁14aの下部から湾曲領域19の下部へ延びている。以下では、図2においてハウジング側壁14aを左側、湾曲領域19側を右側と呼ぶ。
ハウジング14内の上部には、湾曲領域19の一部に接触する導電性材料からなる第1のクリーニングブラシとしてのクリーニングブラシ1と、このクリーニングブラシ1よりも左側に配置され、クリーニングブラシ1上のトナーを掻き取る導電性材料からなる第1の規制部材としての規制部材3とが配置されている。
クリーニングブラシ1は、ハウジング14の長手方向両端で回転自在に支持されており、動作時には図示しない駆動源によって、図2において矢印bで示す反時計回りに回転される(クリーニングブラシ1は中間転写ベルト108に対して接触部では相対的にカウンタ方向に移動する。)。
規制部材3は、上下一対の保持部材9、11に挟まれた状態でハウジング14に対して固定されている。上側の保持部材9は平板状であり、保持部材9の左右の端部9a,9bは規制部材3に沿って配置されている。一方、下側の保持部材11は、断面L字状に屈曲されている。詳しくは、保持部材11の左側の端部11aは規制部材3に沿って配置されているが、右側の端部11bは斜め右下へ向かって屈曲されている。規制部材3は、上側の保持部材9とともに、上面に載ったトナーが左側へ流れるように、左側の端部が右側の端部より低くなる向きに傾斜している。
保持部材9、規制部材3、保持部材11の左側の端部9a、3a、11aは、略揃った位置にある。以下では、保持部材9、規制部材3、保持部材11の左側の端部9a、3a、11aを、単に「規制部材3の左側の端部3a」という。規制部材3の左側の端部3aとハウジング側壁14aとの間には、水平方向に関して隙間20nが設けられている。
この例では、クリーニングブラシ1と規制部材3と保持部材9、11とが第1のクリーニング部を構成している。
また、ハウジング14内の下部には、湾曲領域19のうちクリーニングブラシ1が接触する部分よりも下流側の部分に接触する導電性材料からなる第2のクリーニングブラシとしてのクリーニングブラシ4と、このクリーニングブラシ4よりも左側に配置され、クリーニングブラシ4上のトナーを掻き取る導電性材料からなる第2の規制部材としての規制部材6とが配置されている。
クリーニングブラシ4は、ハウジング14の長手方向両端で回転自在に支持されており、動作時には図示しない駆動源によって、図2において矢印cで示す反時計回りに回転される(クリーニングブラシ4は中間転写ベルト108に対して接触部では相対的にカウンタ方向に移動する。)。
なお、この例では、トナーを効率良く回収するために、クリーニングブラシ1,4が中間転写ベルト108に対して、接触部で相対的にカウンタ方向に移動する設定にしている。ただし、クリーニングブラシ1,4の駆動トルクを低減する観点からは、クリーニングブラシ1,4が中間転写ベルト108に対して、接触部で相対的に同方向に移動するのが望ましい。
規制部材6は、上下一対の保持部材8、13に挟まれた状態でハウジング14に対して固定されている。上側の保持部材8は平板状であり、保持部材8の左右の端部8a,8bは規制部材6に沿って配置されている。一方、下側の保持部材13は、断面L字状に屈曲されている。詳しくは、保持部材13の左側の端部13aは規制部材6に沿って配置されているが、右側の端部13bは斜め右下へ(ハウジング底部の後述の突起部14dへ)向かって屈曲されている。規制部材6は、上側の保持部材8とともに、上面に載ったトナーが左側へ流れるように、左側の端部が右側の端部より低くなる向きに傾斜している。
この例では、クリーニングブラシ4と規制部材6と保持部材8、13とが第2のクリーニング部を構成している。
保持部材8、規制部材6、保持部材13の左側の端部8a、6a、13aは、略揃った位置にある。以下では、保持部材8、規制部材6、保持部材13の左側の端部8a、6a、13aを、単に「規制部材6の左側の端部6a」という。規制部材6の左側の端部6aとハウジング側壁14aとの間には、水平方向に関して隙間20wが設けられている。水平方向に関して、第2のクリーニング部におけるこの隙間20wは、第1のクリーニング部における隙間20nよりも広く設定されている。
第2のクリーニング部よりも下方に位置するハウジング14の底部には、側壁14a側から順に、第2の領域として傾斜面14sと、第1の領域としての凹状のトナー受け部14cと、上方へ突起した突起部14dと、突起部14dから斜め右下へ傾斜した側面を有する窪み部14eと、湾曲領域19に対向する端部14fとが設けられている。傾斜面14sは、トナー受け部14cへ近づくにつれて高さが低くなるように、この例では斜め右下へ傾斜している。トナー受け部14cは、次に述べる搬送スクリュー15の可動範囲に沿って略半円状に窪んでいる。
トナー受け部14cには、トナー搬出部材としての搬送スクリュー15が設けられている。動作時には、搬送スクリュー15は、この搬送スクリュー15の中心の周りに、図示しない駆動源によって、図2において矢印dで示す反時計回りに回転される(なお、図2中には搬送スクリュー15の可動範囲が円で示されている。)これにより、このトナー受け部14cに落下したトナーは、ハウジング14の長手方向に搬送され、ハウジング14外へ排出される(具体的には、図1中に示したトナー回収ボックス126へ排出される。)。
窪み部14eの左側の斜面には、水平方向仕切り部としての弾性シート23が取り付けられている。弾性シート23は、窪み部14eの左側の斜面斜め上方へ延在してクリーニングブラシ4に接している。
ハウジング14は、図2中に示す中間転写ベルト108(湾曲領域19)の幅方向に沿って、すなわち図2の紙面に対して垂直な方向に細長く延在している。上述のクリーニングブラシ1、規制部材3、保持部材9,11、クリーニングブラシ4、規制部材6、および保持部材12,10は、ハウジング14の長手方向の一方の端部から他方の端部まで、図2中に示した断面と同じ断面を有して細長く延在している。搬送スクリュー15は、ハウジング14の長手方向の一方の端部から他方の端部まで延在し、さらにハウジング14の図示しない手前の壁面を貫通してハウジング14外へ突出している。
図2中に示すように、動作時には、バイアス電圧印加部としての電源31,32からクリーニングブラシ1とクリーニングブラシ4とに互いに逆極性のバイアス電圧が印加される。この例では、クリーニングブラシ1に対して、中間転写ベルト108上の残留トナー99の主たる帯電極性(正)と逆極性の負電圧が印加される。一方、クリーニングブラシ4には、クリーニングブラシ1と逆極性の正電圧が印加される。ローラ104は接地されている。
中間転写ベルト108が図2において矢印aで示す周方向に移動すると、まず、中間転写ベルト108上の大部分の正帯電した残留トナー99が、クリーニングブラシ1によって機械的に掻き取られるとともに静電的に吸着されて、中間転写ベルト108から取り除かれる。クリーニングブラシ1上のトナーは規制部材3によって掻き取られる。規制部材3によって掻き取られたトナーは、規制部材3や保持部材9の上面に載って左側へ流れ、そして、規制部材3の端部3aから下方へ、具体的にはハウジング側壁14aと規制部材6の左側の端部6aとの間の隙間20wを通してハウジング14の底部へ落下する。
次に、クリーニングブラシ1でクリーニングされなかった少量の負帯電した逆極性トナーが、クリーニングブラシ1よりも下流側に配置されたクリーニングブラシ4によって機械的に掻き取られるとともに静電的に吸着されて、中間転写ベルト108から取り除かれる。クリーニングブラシ4上のトナーは規制部材6によって掻き取られる。これにより、中間転写ベルト108が効率良くクリーニングされる。規制部材6によって掻き取られたトナーは、規制部材6や保持部材8の上面に載って左側へ流れ、そして、規制部材6の端部3aから下方へ、つまりハウジング14の底部へ落下する。
なお、クリーニングブラシ4は、2次転写工程のない作像時以外の転写ベルト上の制御用トナーパターン、および紙詰まり時に転写ベルト上に残るトナー画像を主に吸着することになる。
ここで、上述の傾斜面14s、トナー受け部14cが占める範囲は、それぞれ規制部材3、6の少なくとも一方が掻き取ったトナーが落下する範囲に相当する。この例では、規制部材3の左側の端部3aからのトナー91は、ハウジング底部の傾斜面14s上に落下する。また、規制部材6の左側の端部6aからのトナー92は、トナー受け部14cに落下する。
この構成によれば、トナー受け部14cに落下したトナー92は、搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。傾斜面14sに落下したトナー91は、傾斜面14sに沿ってトナー受け部14cへ向けて流れた後、トナー受け部14cに配置された搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。
このように、規制部材3の左側の端部3aからのトナー91がトナー受け部14cに配置された搬送スクリュー15の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナー91を搬送スクリュー15によってハウジング外部へ円滑に排出できる。しかも、搬送スクリュー15は、傾斜面14sに落下したトナーを上から下へ巻き込む向き(矢印dで示す)に回転する。また、トナー受け部14cは、搬送スクリュー15の可動範囲に沿って略半円状に窪んでいる。これらの結果、ハウジング14内でのトナーの飛散が抑制される。したがって、信頼性が高まる。
傾斜面14sの水平方向に対する傾斜角度は、傾斜面14s上に落下したトナーをトナー受け部14cへ向けて滑らせるように、55°以上であるのが望ましい。傾斜角度が55°以上であれば、傾斜面14s上に落下したトナーをトナー受け部14cへ向けて円滑に滑らせることができる。
また、既述のように、第2のクリーニング部とハウジング底部との間に、水平方向仕切り部としての弾性シート23が取り付けられている。この弾性シート23により、傾斜面14sやトナー受け部14cに落下したトナー91,92が搬送スクリュー15によって巻き上げられて右側へ移動しようとしても、クリーニングブラシ4の直下へは達しない。したがって、そのようなトナーが中間転写ベルト108上に再度付着するという問題は生じない。したがって、このクリーニング装置によれば、中間転写ベルト108上の残留トナーを確実に取り除くことができる。
図3は、上記クリーニング装置125Aの変形例(符号125Bで示す。)を示している。図3において、図2中の構成要素と対応する構成要素には同じ符号を用いている。これにより、説明の重複を適宜省略する(以下同様。)。
このクリーニング装置125Bでは、ハウジング14の底部に、側壁14a側から順に、第1の領域としての凹状のトナー受け部14c′と、第2の領域としての斜め右下へ傾斜した傾斜面14s′と、上方へ突起した突起部14dと、突起部14dから斜め右下へ傾斜した側面を有する窪み部14eと、湾曲領域19に対向する端部14fとが設けられている。トナー受け部14c′は、既述の搬送スクリュー15の可動範囲に沿って略半円状に窪んでいる。傾斜面14s′は、トナー受け部14c′へ近づくにつれて高さが低くなるように、この例では斜め左下へ傾斜している。
動作時には、搬送スクリュー15は、図示しない駆動源によって、図3において矢印d′で示す時計回りに回転される。
ここで、上述の傾斜面14s′、トナー受け部14c′が占める範囲は、それぞれ規制部材3、6の少なくとも一方が掻き取ったトナーが落下する範囲に相当する。この例では、規制部材3の左側の端部3aからのトナー91は、トナー受け部14c′に落下する。また、規制部材6の左側の端部6aからのトナー92は、ハウジング底部の傾斜面14s′上に落下する。
この構成によれば、トナー受け部14c′に落下したトナー91は、搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。傾斜面14s′に落下したトナー92は、傾斜面14s′に沿ってトナー受け部14c′へ向けて流れた後、トナー受け部14c′に配置された搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。
このように、規制部材6の左側の端部6aからのトナー92がトナー受け部14c′に配置された搬送スクリュー15の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナー92を搬送スクリュー15によってハウジング外部へ円滑に排出できる。しかも、搬送スクリュー15は、傾斜面14s′に落下したトナーを上から下へ巻き込む向き(矢印d′で示す)に回転する。また、トナー受け部14c′は、搬送スクリュー15の可動範囲に沿って略半円状に窪んでいる。これらの結果、ハウジング14内でのトナーの飛散が抑制される。したがって、信頼性が高まる。
また、このクリーニング装置125Bでは、図2のクリーニング装置125Aと同様に、第2のクリーニング部とハウジング底部との間に、水平方向仕切り部としての弾性シート23が取り付けられている。この弾性シート23により、トナー受け部14c′に落下したトナー92が搬送スクリュー15によって巻き上げられて右側へ移動しようとしても、クリーニングブラシ4の直下へは達しない。また、傾斜面14s′に落下したトナー91が傾斜面14s′上に積層し右側へ崩れて移動しようとしても、クリーニングブラシ4の直下へは達しない。したがって、そのようなトナーが中間転写ベルト108上に再度付着するという問題は生じない。したがって、このクリーニング装置によれば、中間転写ベルト108上の残留トナーを確実に取り除くことができる。
図4は、図2のクリーニング装置125Aの別の変形例(符号125Cで示す。)を示している。
このクリーニング装置125Cでは、クリーニングブラシ4の駆動トルクを低減する観点からは、クリーニングブラシ4が中間転写ベルト108に対して、接触部で相対的に同方向、つまり矢印c′で示す時計回りに移動している。
また、このクリーニング装置125Cでは、図2のクリーニング装置125Aの第2のクリーニング部の上下一対の保持部材8、13に代えて、規制部材6は、上下一対の保持部材12、10に挟まれた状態でハウジング14に対して固定されている。上側の保持部材12は、断面L字状に屈曲されている。詳しくは、保持部材12の左側の端部12aは規制部材6に沿って配置されているが、保持部材12は、右側の端部12bが斜め右上へ向かうように屈曲されている。一方、下側の保持部材10は平板状であり、保持部材10の左右の端部10a,10bは規制部材6に沿って配置されている。保持部材12は、規制部材6とともに、上面に載ったトナーがL字のコーナ部に溜まるように、左側の端部12aよりコーナ部が低くなる向きに傾斜している。規制部材6によって掻き取られたトナー92は、規制部材6の右側の端部6bからハウジング14の底部へ、この例ではトナー受け部14cに落下する。
この例では、クリーニングブラシ4と規制部材6と保持部材12、10とが第2のクリーニング部を構成している。
この構成によれば、図2のクリーニング装置125Aにおけるのと同様に、トナー受け部14cに落下したトナー92は、搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。傾斜面14sに落下したトナー91は、傾斜面14sに沿ってトナー受け部14cへ向けて流れた後、トナー受け部14cに配置された搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。
このように、規制部材3の左側の端部3aからのトナー91がトナー受け部14cに配置された搬送スクリュー15の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナー91を搬送スクリュー15によってハウジング外部へ円滑に排出できる。しかも、搬送スクリュー15は、傾斜面14sに落下したトナーを上から下へ巻き込む向き(矢印dで示す)に回転する。また、トナー受け部14cは、搬送スクリュー15の可動範囲に沿って略半円状に窪んでいる。これらの結果、ハウジング14内でのトナーの飛散が抑制される。したがって、信頼性が高まる。
図5は、図4のクリーニング装置125Cの変形例(符号125Dで示す。)を示している。
このクリーニング装置125Dでは、ハウジング14内は、絶縁材料からなる仕切り部材7によって上部と下部とに仕切られている。
ハウジング14内の上部には、湾曲領域19の一部に接触する導電性材料からなる第1のクリーニングブラシとしてのクリーニングブラシ1と、このクリーニングブラシ1よりも左側に配置され、クリーニングブラシ1上のトナーを吸着する導電性材料からなる第1の回収ローラとしての回収ローラ2と、この回収ローラ2よりも左側に配置され、回収ローラ2上のトナーを掻き取る導電性材料からなる第1の規制部材としての規制部材3とが配置されている。この例では、クリーニングブラシ1、規制部材3に加えて、回収ローラ2が第1のクリーニング部に含まれている。
クリーニングブラシ1は、ハウジング14の長手方向両端で回転自在に支持されており、動作時には図示しない駆動源によって、図5において矢印bで示す反時計回りに回転される(クリーニングブラシ1は中間転写ベルト108に対して接触部では相対的にカウンタ方向に移動する。)。
回収ローラ2は、クリーニングブラシ1と同様に、ハウジング14の長手方向両端で回転自在に支持されており、動作時には図示しない駆動源によって、図5において矢印eで示す反時計回りに回転される(回収ローラ2はクリーニングブラシ1に対して相対的にカウンタ方向に移動する。)。
なお、この例では、トナーを効率良く回収するために、回収ローラ2がクリーニングブラシ1に対して、接触部で相対的にカウンタ方向に移動する設定にしている。ただし、回収ローラ2の駆動トルクを低減する観点からは、回収ローラ2がクリーニングブラシ1に対して、接触部で相対的に同方向に移動するのが望ましい。
規制部材3は、図4の例と同様に、上下一対の保持部材9、11に挟まれた状態でハウジング14に対して固定されている。保持部材9、11は、規制部材3の長手方向に関して互いに離間して複数箇所(この例では2箇所)に設けられた図示しないボス穴を通して、複数のネジ27で固定されている。保持部材9、11は、規制部材3を保持すると共に、規制部材3の剛性を高めて、規制部材3を回収ローラ2に対して長手方向に関して均一な押圧力で当接するために働く。
また、ハウジング14内の下部には、湾曲領域19のうちクリーニングブラシ1が接触する部分よりも下流側の部分に接触する導電性材料からなる第2のクリーニングブラシとしてのクリーニングブラシ4と、このクリーニングブラシ4よりも左側に配置され、クリーニングブラシ4上のトナーを吸着する導電性材料からなる第2の回収ローラとしての回収ローラ5と、この回収ローラ5よりも左側に配置され、回収ローラ5上のトナーを掻き取る導電性材料からなる第2の規制部材としての規制部材6とが配置されている。この例では、クリーニングブラシ4、規制部材6に加えて、回収ローラ5が第2のクリーニング部に含まれている。
クリーニングブラシ4は、ハウジング14の長手方向両端で回転自在に支持されており、動作時には図示しない駆動源によって、図5において矢印cで示す反時計回りに回転される(クリーニングブラシ4は中間転写ベルト108に対してカウンタ方向に移動する。)。
回収ローラ5は、クリーニングブラシ4と同様に、ハウジング14の長手方向両端で回転自在に支持されており、動作時には図示しない駆動源によって、図5において矢印fで示す時計回りに回転される(回収ローラ5はクリーニングブラシ4に対して接触部では相対的に同じ方向に移動する。)。
規制部材6は、図4の例と同様に、上下一対の保持部材12、10に挟まれた状態でハウジング14に対して固定されている。保持部材12、10は、規制部材6の長手方向に関して互いに離間して複数箇所(この例では2箇所)に設けられた図示しないボス穴を通して、複数のネジ28で固定されている。保持部材12、10は、規制部材6を保持すると共に、規制部材6の剛性を高めて、規制部材6を回収ローラ5に対して長手方向に関して均一な押圧力で当接するために働く。
仕切り部材7は、水平方向に関して実質的に湾曲領域19から、規制部材3の左側の端部3aと規制部材6の左側の端部6aとの間に相当する位置まで連続的に延在している。
仕切り部材7は、左側から順に、左側の端部7aのレベルから右斜め上方へ傾斜した斜面7sと、上方へ断面凸状に湾曲した湾曲部7bと、この湾曲部7bに対して相対的に窪んだ窪み部7cと、この窪み部7cの底レベルから湾曲領域19に沿って上方へ立ち上がる端部7dとを有している。仕切り部材7の左側の端部7aとハウジング側壁14aとの間には、水平方向に関して隙間20が設けられている。水平方向に関して、この隙間20は、第1のクリーニング部における上記隙間20nよりも広く、かつ、第2のクリーニング部における上記隙間20wよりも狭く設定されている。
仕切り部材7の湾曲部7bの上面には、上方へ突起したリブ7eが設けられている。一方、仕切り部材7の湾曲部7bの下面には、下方へ突起したリブ7fが設けられている。
上述のクリーニングブラシ1、回収ローラ2、規制部材3、クリーニングブラシ4、回収ローラ5、規制部材6および仕切り部材7は、ハウジング14の長手方向の一方の端部から他方の端部まで、図5中に示した断面と同じ断面を有して細長く延在している。搬送スクリュー15は、ハウジング14の図4において手前の壁面を貫通してハウジング14外へ突出している。
動作時には、バイアス電圧印加部としての電源31,32から回収ローラ2と回収ローラ5とに互いに逆極性のバイアス電圧が印加される。この例では、回収ローラ2に対して、中間転写ベルト108上の残留トナー99の主たる帯電極性(正)と逆極性の負電圧が印加される。この結果、クリーニングブラシ1は、回収ローラ2と同極性の負に帯電する。一方、回収ローラ5には、回収ローラ2と逆極性の正電圧が印加される。この結果、クリーニングブラシ4は、回収ローラ5と同極性の正に帯電する。ローラ104は接地されている。
中間転写ベルト108が図5において矢印aで示す周方向に移動すると、まず、中間転写ベルト108が周方向に移動するにつれて、中間転写ベルト108上の大部分の残留トナー99が、クリーニングブラシ1によって機械的に掻き取られるとともに静電的に吸着されて、中間転写ベルト108から取り除かれる。クリーニングブラシ1上のトナーは回収ローラ2に転移し、回収ローラ2上のトナーは規制部材3によって掻き取られる。規制部材3によって掻き取られたトナーは、規制部材3や保持部材9の上面に載って左側へ流れ、そして、規制部材3の端部3aから下方へ落下する。
この例では、規制部材3の左側の端部3aは、仕切り部材7左側の端部7aや、規制部材6の左側の端部6aよりもハウジング側壁14aに接近している。したがって、規制部材3の端部3aから下方へ落下したトナーは、仕切り部材7上や規制部材6上には落ちず、ハウジング14の底部、具体的には傾斜面14s上へ円滑に落下する。
次に、クリーニングブラシ1でクリーニングされなかった少量の逆極性トナーが、クリーニングブラシ1よりも下流側に配置されたクリーニングブラシ4によって機械的に掻き取られるとともに静電的に吸着されて、中間転写ベルト108から取り除かれる。クリーニングブラシ4上のトナーは回収ローラ5に転移し、回収ローラ5上のトナーは規制部材6によって掻き取られる。規制部材6によって掻き取られたトナーは、ハウジング14の底部、具体的にはトナー受け部14cへ落下する。
この構成によれば、図2のクリーニング装置125Aにおけるのと同様に、トナー受け部14cに落下したトナーは、搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。傾斜面14sに落下したトナーは、傾斜面14sに沿ってトナー受け部14cへ向けて流れた後、トナー受け部14cに配置された搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。
このように、規制部材3の左側の端部3aからのトナーがトナー受け部14cに配置された搬送スクリュー15の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナー91を搬送スクリュー15によってハウジング外部へ円滑に排出できる。しかも、搬送スクリュー15は、傾斜面14sに落下したトナーを上から下へ巻き込む向き(矢印dで示す)に回転する。また、トナー受け部14cは、搬送スクリュー15の可動範囲に沿って略半円状に窪んでいる。これらの結果、ハウジング14内でのトナーの飛散が抑制される。したがって、信頼性が高まる。
また、このクリーニング装置125Dでは、第1のクリーニング部のクリーニングブラシ1や回収ローラ2、規制部材3からトナーが直下へ落下したり飛散したりしても、仕切り部材7によって遮られて、第2のクリーニング部へは達しない。したがって、そのようなトナーが第2のクリーニング部から中間転写ベルト108上に再度飛散して付着するという問題は生じない。したがって、このクリーニング装置125Dによれば、中間転写ベルト108上の残留トナー99を確実に取り除くことができる。また、クリーニングブラシ4に付着するトナーが減少するので、クリーニングブラシ4に接触した規制部材6の掻き取り能力が良好に維持される。したがって、信頼性が高まる。また、仕切り部材7は絶縁材料からなるので、第1のクリーニング部と第2のクリーニングとの間を電気的に絶縁でき、したがって、安全性を高めることができる。
なお、仕切り部材7の湾曲部7b上に落ちたトナーは、湾曲部7bによって左右に分けられる。これにより、ハウジング14内で仕切り部材7の上方において、規制部材3側(左側)の空間から湾曲領域19側(右側)の空間へのトナーの移動、つまりトナーの逆流が防止される。湾曲部7bによって左側に分けられたトナーは、湾曲部7bの左側の斜面7sに沿って左側へ流れて、仕切り部材7の左側の端部7aから下方へ落下する。この例では、仕切り部材7の左側の端部7aは、規制部材6の左側の端部6aよりもハウジング側壁14aに接近している。したがって、仕切り部材7の左側の端部7aから下方へ落下したトナーは、規制部材6上には落ちず、ハウジング14の底部、具体的には傾斜面14s上へ円滑に落下する。既述のように、傾斜面14sに落下したトナーは、傾斜面14sに沿ってトナー受け部14cへ向けて流れた後、トナー受け部14cに配置された搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。また、湾曲部7bによって右側に分けられたトナーは、湾曲部7bの右側の湾曲面に沿って右側へ流れて、直接窪み部7c上に落ちたトナーとともに、窪み部7cに溜まってゆく。
また、第1のクリーニング部における保持部材11の右側の端部11bは、仕切り部材7の湾曲部7bの上面に設けられたリブ7eに接近している(これを「第1の水平方向仕切り部」と呼ぶ。)。この第1の水平方向仕切り部によって、ハウジング14内で第1のクリーニング部と仕切り部材7との間の空間が、水平方向に関して規制部材3側(左側)と湾曲領域19側(右側)とに仕切られる。これにより、ハウジング14内で仕切り部材7の上方において、左側の空間から右側の空間へのトナーの移動、つまりトナーの逆流が、防止される。
また、第2のクリーニング部における保持部材12の右側の端部12bは、仕切り部材7の湾曲部7bの下面に設けられたリブ7fに接近している(これを「第2の水平方向仕切り部」と呼ぶ。)。この第2の水平方向仕切り部によって、ハウジング14内で第2のクリーニング部と仕切り部材7との間の空間が、水平方向に関して規制部材6側(左側)と湾曲領域19側(右側)とに仕切られる。これにより、ハウジング14内で仕切り部材7の下方において、左側の空間から右側の空間へのトナーの移動、つまりトナーの逆流が、防止される。つまり、第2のクリーニング部において、保持部材12のL字のコーナ部に溜まったトナーが湾曲部7bの右側へ流れるのが防止される。
また、このクリーニング装置125Dでは、図2のクリーニング装置125Aと同様に、第2のクリーニング部とハウジング底部との間を仕切るように、弾性シート23が取り付けられている(この例では、これを「第3の水平方向仕切り部」と呼ぶ。)。この第3の水平方向仕切り部としての弾性シート23により、傾斜面14sやトナー受け部14cに落下したトナー91,92が搬送スクリュー15によって巻き上げられて右側へ移動しようとしても、クリーニングブラシ4の直下へは達しない。したがって、そのようなトナーが中間転写ベルト108上に再度付着するという問題は生じない。したがって、このクリーニング装置によれば、中間転写ベルト108上の残留トナーを確実に取り除くことができる。
図6は、図2のクリーニング装置125Aのさらに別の変形例(符号125Eで示す。)を示している。
このクリーニング装置125Eでは、ハウジング14の底部に、側壁14a側から順に、第2の領域としての凹状のトナー受け部14iと、第1の領域としての凹状のトナー受け部14cと、上方へ突起した突起部14dと、突起部14dから斜め右下へ傾斜した側面を有する窪み部14eと、湾曲領域19に対向する端部14fとが設けられている。
トナー受け部14cには、図2のクリーニング装置125Aにおけるのと同様に、トナー搬出部材としての搬送スクリュー15が設けられている。動作時には、搬送スクリュー15は、この搬送スクリュー15の中心の周りに、図示しない駆動源によって、図6において矢印dで示す反時計回りに回転される。
トナー受け部14iには、トナー移動部材としての回転パドル17が設けられている。この回転パドル17は、ハウジング14の長手方向の一方の端部から他方の端部まで、同じ断面(図8に関して後に詳述する。)を有して細長く延在している(図6中には回転パドル17の可動範囲が、搬送スクリュー15の可動範囲と同様に円で示されている。)。動作時には、回転パドル17は、この回転パドル17の中心の周りに、図示しない駆動源によって、図6において矢印hで示す反時計回り、つまり搬送スクリュー15の回転の向きと同じ向きに回転される。そして、回転パドル17は、トナー受け部14iに存在するトナー91を、矢印91′で示すようにトナー受け部14cへ向けて移動させる。
この例では、規制部材3によって掻き取られたトナー91は、規制部材3の左側の端部3aからハウジング14の底部へ、この例ではトナー受け部14iに落下する。一方、規制部材6によって掻き取られたトナー92は、規制部材6の左側の端部6aからハウジング14の底部へ、図2のクリーニング装置125Aにおけるのと同様に、トナー受け部14cに落下する。
この構成によれば、トナー受け部14cに落下したトナー92は、搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。トナー受け部14iに落下したトナー91は、回転パドル17によってトナー受け部14cへ向けて移動された後、トナー受け部14cに配置された搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。
このように、規制部材3の左側の端部3aからのトナー91がトナー受け部14cに配置された搬送スクリュー15の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナー91を回転パドル17と搬送スクリュー15とによってハウジング外部へ円滑に排出できる。しかも、搬送スクリュー15は、トナー受け部14iからのトナーを上から下へ巻き込む向き(矢印dで示す)に回転する。また、この例では、トナー受け部14i、14cは、それぞれ回転パドル17の可動範囲、搬送スクリュー15の可動範囲に沿って略半円状に窪んでいる。これらの結果、ハウジング14内でのトナーの飛散が抑制される。したがって、信頼性が高まる。
また、この例では、鉛直方向、例えば真上から見たとき、回転パドル17の可動範囲は搬送スクリュー15の可動範囲に隣接している。おり、回転パドル17の可動範囲と搬送スクリュー15の可動範囲との間には隙間がない。したがって、規制部材3、6から落下したトナー91、92がトナー受け部14iとトナー受け部14cとの境界またはその近傍に堆積することがない。したがって、トナー受け部14iに落下したトナーがトナー受け部14cへ円滑に流れる。
また、この例では、トナー受け部14iの高さは、トナー受け部14cの高さよりも高く設定されている。したがって、トナー受け部14iの高さとトナー受け部14cの高さとの差によって、トナー受け部14iに堆積しようとするトナーがトナー受け部14cへ向けて円滑に流れる。
図7は、図6の上記クリーニング装置125Eの変形例(符号125Fで示す。)を示している。
このクリーニング装置125Fでは、ハウジング14の底部に、側壁14a側から順に、第1の領域としての凹状のトナー受け部14c′と、第2の領域としての凹状のトナー受け部14i′と、上方へ突起した突起部14dと、突起部14dから斜め右下へ傾斜した側面を有する窪み部14eと、湾曲領域19に対向する端部14fとが設けられている。
トナー受け部14c′には、トナー搬出部材としての搬送スクリュー15が設けられている。動作時には、搬送スクリュー15は、この搬送スクリュー15の中心の周りに、図示しない駆動源によって、図7において矢印d′で示す時計回りに回転される。
トナー受け部14i′には、トナー移動部材としての回転パドル17が設けられている。この回転パドル17は、ハウジング14の長手方向の一方の端部から他方の端部まで、同じ断面(図8に関して後に詳述する。)を有して細長く延在している(図7中には回転パドル17の可動範囲が、搬送スクリュー15の可動範囲と同様に円で示されている。)。動作時には、回転パドル17は、この回転パドル17の中心の周りに、図示しない駆動源によって、図7において矢印h′で示す時計回り、つまり搬送スクリュー15の回転の向きと同じ向きに回転される。そして、回転パドル17は、トナー受け部14i′に存在するトナー92を、矢印92′で示すようにトナー受け部14c′へ向けて移動させる。
ここで、上述のトナー受け部14c′、14i′が占める範囲は、それぞれ規制部材3、6の少なくとも一方が掻き取ったトナーが落下する範囲に相当する。この例では、規制部材3の左側の端部3aからのトナー91は、トナー受け部14c′に落下する。また、規制部材6の左側の端部6aからのトナー92は、トナー受け部14i′に落下する。
この構成によれば、トナー受け部14c′に落下したトナー91は、搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。トナー受け部14i′に落下したトナー92は、回転パドル17によってトナー受け部14c′へ向けて移動された後、トナー受け部14c′に配置された搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。
このように、規制部材6の左側の端部6aからのトナー92がトナー受け部14c′に配置された搬送スクリュー15の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナー92を回転パドル17と搬送スクリュー15とによってハウジング外部へ円滑に排出できる。しかも、搬送スクリュー15は、トナー受け部14i′からのトナーを上から下へ巻き込む向き(矢印d′で示す)に回転する。また、この例では、トナー受け部14i′、14c′は、それぞれ回転パドル17の可動範囲、搬送スクリュー15の可動範囲に沿って略半円状に窪んでいる。これらの結果、ハウジング14内でのトナーの飛散が抑制される。したがって、信頼性が高まる。
図8は、図5のクリーニング装置125Dの変形例(符号125Hで示す。)を示している。図5の例から図8の例への変形の態様は、図2の例から図6の例への変形の態様と同じである。
すなわち、クリーニング装置125Hは、図5の例に対して、傾斜面14sに代えて第2の領域としての凹状のトナー受け部14iを備え、このトナー受け部14iにトナー移動部材としての回転パドル17を備えている。
動作時には、回転パドル17は、この回転パドル17の中心の周りに、図示しない駆動源によって、図8において矢印hで示す反時計回り、つまり搬送スクリュー15の回転の向きと同じ向きに回転される。そして、回転パドル17は、トナー受け部14iに存在するトナーがトナー受け部14cへ向けて移動させる。
トナー受け部14cには、トナー搬出部材としての搬送スクリュー15が設けられている。動作時には、搬送スクリュー15は、この搬送スクリュー15の中心の周りに、図示しない駆動源によって、図8において矢印dで示す反時計回りに回転される。
この例では、図5のクリーニング装置125Dにおけるのと同様に、規制部材3によって掻き取られたトナー91は、規制部材3の左側の端部3aからハウジング14の底部へ、この例ではトナー受け部14iに落下する。一方、規制部材6によって掻き取られたトナー92は、規制部材6の左側の端部6aからハウジング14の底部へ、図2のクリーニング装置125Aにおけるのと同様に、トナー受け部14cに落下する。
この構成によれば、トナー受け部14cに落下したトナー92は、搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。トナー受け部14iに落下したトナー91は、回転パドル17によってトナー受け部14cへ向けて移動された後、トナー受け部14cに配置された搬送スクリュー15によってハウジング14の外部へ搬出される。
このように、規制部材3の左側の端部3aからのトナー91がトナー受け部14cに配置された搬送スクリュー15の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナー91を回転パドル17と搬送スクリュー15とによってハウジング外部へ円滑に排出できる。しかも、搬送スクリュー15は、トナー受け部14iからのトナーを上から下へ巻き込む向き(矢印dで示す)に回転する。また、この例では、トナー受け部14i、14cは、それぞれ回転パドル17の可動範囲、搬送スクリュー15の可動範囲に沿って略半円状に窪んでいる。これらの結果、ハウジング14内でのトナーの飛散が抑制される。したがって、信頼性が高まる。
この図8の例において、第1のクリーニング部における保持部材11の右側の端部11bと、仕切り部材7の湾曲部7bの上面に設けられたリブ7eとが、「第1の水平方向仕切り部」を構成している。第2のクリーニング部における保持部材12の右側の端部12bと、仕切り部材7の湾曲部7bの下面に設けられたリブ7fとが、「第2の水平方向仕切り部」を構成している。また、このクリーニング装置125Dでは、図2のクリーニング装置125Aと同様に、第2のクリーニング部とハウジング底部とを仕切るように、「第3の水平方向仕切り部」としての弾性シート23が設けられている。これらの「第1の水平方向仕切り部」、「第2の水平方向仕切り部」、「第3の水平方向仕切り部」による作用効果は、図5のクリーニング装置125Dにおけるのと同様である。
なお、図8の断面から分かるように、上述の搬送スクリュー15は、この搬送スクリュー15の長手方向に沿って螺旋状に連続した羽根を有している。この搬送スクリュー15がこの搬送スクリュー15の中心(第1の回転中心)の周りに矢印dで示す反時計回りに回転されると、螺旋状の羽根がトナー受け部14cに存在するトナーがこの搬送スクリュー15の長手方向に移動される。
また、回転パドル17は、この回転パドル17の長手方向に沿ってL字状の一定の断面(図8中に示す)を有するパドルを有している。この回転パドル17のL字の2辺は、それぞれ回転パドル17の中心(第2の回転中心)から径方向に放射状に延びている。この回転パドル17が矢印hで示す反時計回りに回転されると、上記パドルのL字の2辺がそれぞれこの回転パドル17の中心の下側に来たときに、トナー受け部14iに存在するトナーがトナー受け部14cへ向けて移動される。
なお、回転パドル17は、この回転パドル17の中心から径方向に放射状に延びるI字状の一定の断面を有するパドルを有していても良い。
図1に示した画像形成装置100では、クリーニング装置125A,125B,125C,125E,125F,125Hにおいて、上記第1、第2の規制部材3、6のうち少なくとも一方からのトナーが搬送スクリュー15の側方へ外れて落下する配置であっても、落下したトナーを搬送スクリュー15によってハウジング外部へ円滑に排出できる。したがって、画像形成装置の信頼性が向上する。
なお、クリーニングブラシ1,4および回収ローラ2,5を、駆動ギヤを介して共通の駆動源で駆動するようにしても良い。
以上の実施形態では、クリーニング装置は、中間転写ベルト108のうちローラ104を巻回した湾曲領域19の側方に設けられたが、これに限られるものではない。この発明のクリーニング装置は、像担持体の特定領域として平坦な領域に設けられても良い。