JP2010133719A - 摩擦試験機、摩擦試験方法及び摩擦試験の評価方法 - Google Patents

摩擦試験機、摩擦試験方法及び摩擦試験の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】利便性を向上するとともに摩擦試験の精度を向上できる摩擦試験機を提供する。
【解決手段】試料100上に載置される台座2と、台座2に形成された開口部4と、開口部4に配されて試料100に対向する面に摩擦用紙9が取り付けられる摺動子5と、摺動子5を開口部4内で直線往復運動させる駆動部11とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、段ボール紙等の試料の耐摩擦性を試験する摩擦試験機及び摩擦試験方法に関する。また本発明は、試料の摩擦試験結果を評価する摩擦試験の評価方法に関する。
段ボール紙等の試料の耐摩擦性を試験する従来の摩擦試験機は非特許文献1に開示されている。この摩擦試験機は一般にS形(サザーランド形)摩擦試験機と呼ばれ、試料を設置する試料台上に摺動子が配される。摺動子は試料台に対向する面に摩擦用紙が取り付けられ、駆動部によって所定半径で揺動して水平往復運動を行う。この時、摺動子は試料と密着させるため、駆動部から延びる摺動クランク棒に鉛直面内で上下移動及び傾斜が可能に取り付けられる。
試料台上には段ボール紙等の試料が止め具により固定され、駆動部の駆動によって摩擦用紙を取り付けた摺動子が試料と摺動する。摩擦用紙は一般に試料と同じ材質の段ボール紙等が用いられる。摺動子は所定回数往復した後に停止される。これにより、試料の摩擦試験が行われ、試料の状態を表1に示すように目視により判別して摩擦試験の結果が評価される。
Figure 2010133719
例えば、耐摩擦性が低い試料の場合は摩擦試験後の表面状態が悪く、評価ランクは4ランクや5ランクのようになる。このため、商品を運搬するときの梱包のための外装としては、評価ランクが1ランクや2ランクのようなものが要望される。
JIS K5701−1:2000,6.2.3 b)
しかしながら、上記従来の摩擦試験機によると、試料の所望位置を切り取って試料台上に設置して止め具で固定する必要があるため煩雑な作業を必要し、利便性が悪い問題があった。また、摺動子が傾斜自在で所定半径で揺動するため、試料には摺動子の径方向外側のエッジに接した部分に大きな荷重が加わる。このため、摺動子が摺動する範囲で摩擦による損傷度合が不均一になり、正確に評価できないため摩擦試験の精度に問題があった。
また、試料と同じ材質の段ボール紙等を摩擦用紙として用いると、所定回数の摺動によって試料に大きな変化がない場合がある一方で試料の表面が剥離する場合もある。これは、試料の表面の剥離時期が一定でないために所定回数の摺動で剥離時期に到達した場合と到達しない場合が生じることに依ると考えられる。これにより、試験結果が安定しない問題もあった。
加えて、摩擦試験の評価が目視により行われるため評価可能な熟練者を必要とする。この時、試料が多くなると時間が掛かるため多くの熟練者を必要とし、簡単に評価できる評価方法が望まれていた。
本発明は、利便性を向上するとともに摩擦試験の精度を向上できる摩擦試験機及び摩擦試験方法を提供することを目的とする。また本発明は、摩擦試験結果の評価を容易にできる摩擦試験の評価方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の摩擦試験機は、試料上に載置される台座と、前記台座に形成される開口部と、前記開口部に配されて試料に対向する面に摩擦用紙が取り付けられる摺動子と、前記摺動子を直線案内するガイド部と、前記摺動子を前記ガイド部の案内によって前記開口部内で直線往復運動させる駆動部とを備えたことを特徴としている。
この構成によると、摺動子に摩擦用紙が取り付けられ、台座が試料上に載置される。摺動子は台座の開口部に配されて摩擦用紙を介して試料に接する。摺動子は駆動部の駆動によってガイド部で直線案内されて直線往復運動し、試料と摩擦用紙とが摺動する。摺動子が所定回数往復すると駆動部が停止される。
また本発明は、上記構成の摩擦試験機において、前記ガイド部は前記台座に取り付けられるとともに前記摺動子を挟んで前記摺動子の移動方向に平行に延びることを特徴としている。この構成によると、摺動子は台座に設けたガイド部と摺動して直線案内され、往復運動を行う。
また本発明は、上記構成の摩擦試験機において、案内時の摩擦を軽減する摩擦軽減部材を、前記摺動子と前記ガイド部との接触部分に対応して設けたことを特徴としている。この構成によると、例えば、ガイド部上を転がるベアリングから成る摩擦軽減部材が摺動子に設けられる。
また本発明は、上記構成の摩擦試験機において、前記台座を試料に係止する係止部を設けたことを特徴としている。この構成によると、係止部により台座が固定され、台座の移動が防止される。
また本発明は、上記構成の摩擦試験機において、前記係止部は前記台座に螺合して下面から突出するネジ部を有し、前記ネジ部の先端を試料に押入して前記台座が係止されることを特徴としている。この構成によると、係止部のネジ部が台座に螺合して台座の下面から突出し、試料に押入されて台座が固定される。ネジ部を試料に押入できない場合は、係止部を反転してネジ部の先端が台座の下面よりも上方に配置される。
また本発明は、上記構成の摩擦試験機において、前記駆動部はクランク機構を構成するクランク棒が前記摺動子に回転自在に連結され、前記クランク棒に対して前記摺動子を上下に可動にしたことを特徴としている。この構成によると、駆動部のクランク機構によってクランク棒の一端が回転し、摺動子に回転自在に連結される他端が摺動子とともに直線往復運動する。摺動子はクランク棒に対して上下方向に移動して台座の下方の試料と面接触する。
また本発明は、上記構成の摩擦試験機において、加重するための錘を前記摺動子に載置して係合するための複数の突出ピンを、当該摺動子の上面に設けたことを特徴としている。この構成によると、錘に設けた孔を摺動子の上面の突出ピンに嵌合して錘が摺動子上に設置され、荷重の異なる摩擦試験が行われる。
また本発明は、上記各構成の摩擦試験機を用いて試料の摩擦試験を行う摩擦試験方法であって、前記摩擦用紙を研磨紙にしたことを特徴としている。この構成によると、摺動子に取り付けられる研磨紙が試料と摺動して摩擦試験が行われる。
また本発明は、試料の表面に摩擦用紙を摺動させて摩擦試験を行った結果を評価する摩擦試験の評価方法において、印刷部及び非印刷部を有した前記試料に対して摩擦用紙を摺動させて摩擦試験を行い、前記印刷部または前記非印刷部の摩擦試験前後の濃度変化を反射濃度計により検知し、該濃度変化に基いて評価を行うことを特徴としている。
この構成によると、試料の表面の印刷部と非印刷部とが一体に摺動子と摺動して摩擦試験が行われる。これにより、印刷部のインキが非印刷部に写り、印刷部の濃度が減少するとともに非印刷部の濃度が増加する。印刷部または非印刷部の摩擦試験前後の濃度変化が反射濃度計により検知される。そして、印刷部または非印刷部の濃度変化が大きいと耐摩擦性が低く、濃度変化が小さいと耐摩擦性が高いと評価される。
本発明によると、試料上に載置される台座に設けた開口部に摺動子が配されるため、試料の所望位置に摩擦試験機を設置して摩擦試験を行うことができる。このため、試料の所望位置を切り取る煩雑な作業の必要がなく、摩擦試験機の利便性を向上することができる。また、摺動子が直線往復運動するため、従来のように径方向で試料の損傷度合がばらつくことなく摺動子の摺動範囲の損傷度合が均一化される。従って、摩擦試験の精度を向上することができる。
また本発明によると、摩擦用紙として研磨紙を用いるので、摺動子の摺動回数に対して試料が安定して劣化するため摩擦試験の精度をより向上することができる。
また本発明によると、印刷部と非印刷部とを有する試料を摩擦試験し、印刷部または非印刷部の摩擦試験前後の濃度変化を反射濃度計により検知して該濃度変化に基づいて評価するので、摩擦試験結果の評価を熟練者を必要とせず誰でも容易に行うことができる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1、図2は実施形態の摩擦試験機を示す斜視図及び上面図である。摩擦試験機1は段ボール紙等の試料100(図3参照)上で摩擦用紙9(図8参照)を有した摺動子5を往復運動させて摩擦試験を行う。摩擦試験機1は試料100上に直接載置するための平板状の台座2を有している。台座2上には駆動部11及び制御回路等を含む電装ボックス10が設けられる。
電装ボックス10の上面には持運びを行うための把手3が設けられる。電装ボックス10の前面には表示部42及び入力部41が設けられる。表示部42は例えば、液晶表示素子等から成り、摩擦試験時の摺動子5が往復移動した回数を上段に表示して往復移動させる回数を下段に表示する。
入力部41は電源スイッチ20、スタートキー21、ストップキー22及びプリセットキー23を有する。電源スイッチ20は摩擦試験機1の電源を投入する。スタートキー21は摩擦試験機1による摩擦試験の開始を指示する。ストップキー22は摩擦試験の停止を指示する。プリセットキー23は表示部42の下方に配され、アップキー及びダウンキー(不図示)を有して摺動子5の移動回数をプリセットする。
電源スイッチ20、スタートキー21及びストップキー22はストローク方式による操作キーから成り、透明部材の操作部が表面に配されてその内部にLED等の表示素子が設けられる。例えば、電源スイッチ20は操作されると緑色に点灯して電源投入されていることを知らせる。
スタートキー21は操作されると青色に点灯して摩擦試験が開始されたことを示し、摩擦試験の終了時に消灯または他の色で点灯する。ストップキー22が操作されると赤色に点灯して摩擦試験途中で動作を停止した状態が表示される。これらは、一例であり、色の組み合わせ表示は任意に設定される。
また、電装ボックス10の前面下部には詳細を後述する回転レバー18及びクランク棒17の回転運動との干渉を回避するため、開口された窓部10aが設けられている。
台座2には試料100上に載置した際に試料100を臨む矩形の開口部4が電装ボックス10に隣接して形成されている。開口部4内には略直方体形状に形成される摺動子5が配される。摺動子5は後述する駆動部11の駆動によって開口部4内を前後に直線往復運動を行う。台座2には摺動子5の両側面に沿って延びる2つのガイド部6が取り付けられる。ガイド部6は、例えば断面L字型のアングルにより形成される。
摺動子5の上面には後述する錘30(図9参照)を支持する複数の突出ピン57が突設され、側面近傍に複数のベアリング50が設けられる。ベアリング50はガイド部6上を転がり、摺動子5がガイド部6によって直線案内される。ベアリング50によって摺動子5とガイド部6との摩擦を軽減する摩擦軽減部材が構成される。ベアリング50を摺動子5側に設けているが、ガイド部6側に設けて摺動子5の側面に接触するようにしてもよい。ベアリング50は各ガイド部6に面してそれぞれ2個設けられるがこれに限られず、それぞれ1個または3個以上設けてもよい。
尚、ベアリング50に替えて回転コロ等を用いてもよい。また、ベアリング50を省いて摺動子5の側面とガイド部6との摺動によって摺動子5を直線案内してもよい。この時、摩擦を軽減するためにガイド部6及び摺動子5の一方または両方の面に、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)をコーティングしてもよい。即ち、摺動子5が直線移動(往復移動)される時に摺動子5とガイド部6との接触による摩擦を軽減できる摩擦軽減部材を設けるようにすればよい。この摩擦軽減部材は上述したようにガイド部6と摺動子5との接触する部位に対応して設けられる。
また、開口部4の側壁によってガイド部を形成して摺動子5を直線案内してもよく、リニアガイドによりガイド部を形成して摺動子5を直線案内してもよい。
台座2の前部の2箇所のほぼ角部分には摩擦試験機1を試料100上に係止する係止部60が設けられる。図3に示すように、係止部60は台座2に設けたネジ孔2aに螺合するネジ部60aを有している。係止部60をネジ孔2aにネジ締めして台座2の下面から突出させ、試験範囲101を開口部4に対向して台座2が段ボール紙等の試料100上に設置される。
この時、ネジ部60aの先端が試料100に押入され、摩擦試験機1が試料100上に固定される。尚、係止部60のネジ部60aの先端部分を円錐形状に形成してもよい。ネジ部60aを押入できない試料(プラスチック等)の場合は係止部60を反転してネジ部60aの先端が台座2の下面よりも上方に配置され、摩擦試験機1は自重によって固定される。
図4は駆動部11の詳細を示す斜視図である。駆動部11は減速機15が取り付けられたモータ12を有し、脚部14aにより台座2上に設置される取付け台14上に減速機15が取り付けられる。減速機15はモータ12のモータ軸(不図示)に対して減速機15から導出される連結軸19(図2参照)の回転を数10分の1〜数100分の1程度に減速する。減速機15は一般的な構成でよく、モータ軸に固定された駆動ギアと連結軸19固定された出力ギアとの間にギア比を徐々に大きくした複数の従動ギアを噛合せて構成される。
連結軸19は取付け台14の下方に突出し、回転レバー18(図2参照)が固定される。回転レバー18の一端には係止ピン7を介して回転自在にクランク棒17の後端が連結される。クランク棒17の前端は係止ピン8を介して回転自在に摺動子5に連結される。これにより、クランク機構16が構成されて回転運動を直線運動に変換し、モータ軸の回転によって摺動子5が矢印Aに示すように直線往復運動を行う。
即ち、図2に示すように、回転レバー18の係止ピン7が取り付けられる一端が前端に配されると、摺動子5が前端に配される。この状態から回転レバー18が±90゜回転した位置では摺動子5は5’で示す位置に配され、180゜回転した位置では摺動子5は後端(5”で示す)に配される。
この時、簡単な構成のクランク機構16によって摺動子5を往復運動させ、減速機15によってモータ12を減速するため、トルクの小さい軽量のモータ12を使用することができる。また、ガイド部6と摺動子5との摩擦がベアリング50により軽減されるため、更にトルクの小さいモータ12を使用することができる。従って、摩擦試験機1の小型軽量化を図ることができる。
図5に示すように、摺動子5はクランク棒17に対して着脱自在になっている。係止ピン8は摺動子5に設けられたネジ孔51aに螺合されるネジ部8aが下端に形成され、ローレット加工されたボス部(摘み部)8bが上端に形成される。ネジ部8aとボス部8bとの間は円柱形状の回転支持部8cが形成され、クランク棒17に形成された円形の孔部17aに貫通される。ボス部8bは孔部17aよりも大きな直径に形成されている。
図6に示すように、係止ピン8を孔部17aに挿通してネジ部8a(図5参照)が摺動子5のネジ孔51aに螺合される。これにより、摺動子5が係止ピン8を介してクランク機構16に連結され、クランク棒17に対して回転自在に支持される。この時、ボス部8bによって摺動子5の脱落が防止される。
係止ピン8の回転支持部8cは孔部17aに隙間を有して挿通され、クランク棒17の厚みよりも十分に長く形成される。このため、クランク棒17は軸方向の相対移動及び若干の傾斜が可能になっており、摺動子5が上下に可動するとともに前後及び左右方向に僅かに傾斜することができる。これにより、摺動子5の下面を試料100に密着させることができる。また、係止ピン8を取外すと摺動子5がクランク機構16(クランク棒17)より離脱され、摩擦用紙9の着脱が可能となる。
図7は摩擦試験機1の制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路は電装ボックス10内に設けられる回路基板を有し、制御部40は回路基板に実装されるCPUによって各部を制御する。制御部40には表示部42、入力部41、モータ駆動部43及び移動検知センサ44に接続され、内部にROM45及びRAM46を有している。
ROM45は入出力インターフェース(不図示)を介して入力される入力部41からの入力内容に応じて制御部40が制御を実行するプログラムが格納される。RAM46は制御部40によるシーケンス制御を実行する過程で必要な情報を逐次記憶する。また、RAM46はカウンタとしても動作するように構成されている。モータ駆動部43は制御部40の制御によってモータ12を回転駆動させる。
移動検知センサ44は発光素子及び受光素子を有した反射型のフォトセンサ等から成り、回転レバー18の回転を監視する。即ち、移動検知センサ44の発光素子が回転レバー18の係止ピン7近傍を照射する位置に配置され、受光素子は発光素子に隣接して配置される。
これにより、発光素子の出射光が回転レバー18が1回転する毎に回転レバー18で反射し、反射光を受光素子で受光して回転レバー18の回転した回数が検知される。これにより、摺動子5の往復運動した回数が検知される。移動検知センサ44の検知信号は制御部40に入力され、摺動子5の往復運動した回数が表示部42の上段に表示される。移動検知センサ44によってクランク棒17の移動を監視してもよく、摺動子5の移動を監視してもよい。
図8は摺動子5を下方から見た斜視図を示している。摺動子5は直方体形状の基台51に試料100と対向する面側にゴム板52を両面テープ等の粘着部材で粘着している。基台51の摺動面の大きさは50.8mm×95.5mmであり、ゴム板52は厚さ8mm、硬さ50〜53Hsである。また、摺動子5の重量は908±10gであり、往復移動のストロークは57±1mm、往復速度は43±2回/分である。これらは、JIS K5701-1:2000,6.2.3 b)(以下、単に「JIS K5701−1」という)に対応した値になっている。
摺動子5のゴム板52表面には摩擦用紙9が取り付けられる。基台51の前後面にはネジ孔51bが形成され、ネジ孔51bに螺合される手締め可能な摘み部を有したネジ54によって係止部材53が取り付けられる。係止部材53は断面L字型に形成され、上端が摺動子5の上面に掛止される。係止部材53の下端には、く字状に屈曲された係止爪53aが形成される。
係止部材53のネジ54を緩め、一方の係止爪53aと基台51との間に形成される隙間に摩擦用紙9の一端が挿入される。ネジ54の締め付けによって摩擦用紙9の一端が基台51と係止爪53aに挟まれて係止(固定)される。摩擦用紙9の他端は弛みが生じないように反対側の係止部材53の係止爪53aと基台51との間に挿入され、ネジ54が締付けられる。これにより、摩擦用紙9がゴム板52の表面に張架される。
図9は摺動子5に錘30を取り付けた状態を示す側面図である。錘30はJIS K5701−1に対応して908±10gに形成され、摺動子5に取り付けることにより加重して1816gの荷重で摩擦試験を行うことができる。錘30には摺動子5の上面に設けた突出ピン57に対応して複数の貫通孔31が形成される。突出ピン57を貫通孔31に挿通することによって錘30が着脱自在に摺動子5上に取り付けられる。
この時、クランク棒17との干渉を回避する凹部33が錘30の後部に設けられる。また、係止ピン8との干渉を回避する貫通孔32が凹部33の上方に形成される。更に、摺動子5上のベアリング50との干渉を回避する凹部(不図示)が錘30の下面に形成されている。
上記構成の摩擦試験機1において、摺動子5に摩擦用紙9が取り付けられ、段ボール紙等の試料100上に台座2を載置して係止部60により摩擦試験機1が係止される。この時、開口部4が所望の試験範囲101(図3参照)に対向して設置される。摺動子5は自重によって垂下するとともに試料100の表面形状(状態)に合致するようにして圧接される。
電源スイッチ20が操作されると電源が投入されたことを示すLEDが点灯される。そして、摺動子5の往復移動回数がプリセットキー23によりプリセットされて表示部42の下段に表示され、スタートキー21を操作すると摩擦試験が開始される。摩擦試験が開始されると、駆動部11のモータ12が駆動され、摺動子5が試験範囲101を直線往復運動する。これにより、摺動子5の摩擦用紙9が試料100の試験範囲101と摺動する。
摺動子5が一往復される毎に移動検知センサ44により検知され、制御部40によってRAM46のカウンタ領域に定めたカウンタを+1づつインクリメントする。RAM46のカウンタの値は表示部42の上段に表示される。カウンタの値がプリセット値と同一になると制御部40によってモータ12が停止される。モータ12の停止によって摺動子5の往復移動が停止して摩擦試験を終了する。
摩擦用紙9は試料100と同じ材質の段ボール紙等で形成すると、所定回数の摺動によって試料100に大きな変化がない場合がある一方で試料の表面が剥離する場合もある。これにより、試験結果が安定しないために摩擦試験の常時正確な評価を行えない。このため、摩擦用紙9に試験に応じた粗さ(例えば、#3000)の耐水性の研磨紙を用いるとよい。これにより、摺動子5の摺動回数に応じて試料100が比較的安定してリニアに劣化する。従って、所定の摺動回数に対して安定した試験結果が得られ、摩擦試験の精度を向上でき、正確な評価を行うことができる。
尚、製品を梱包する段ボール紙等の梱包材同士が搬送時に互いに擦れ合う際の梱包材の耐久性を試験する場合等において、摩擦用紙9を試料100と同じ材質の段ボール紙等にしてもよい。この時、段ボール紙は厚みが大きいため係止部材53により取り付けることが困難である。
このため、図10に示すように、摺動子5のゴム板52を基台51より取り外し、基台51の下面に段ボール紙から成る摩擦用紙102を両面粘着テープ等によって貼り付ける。この時、摩擦用紙102は摺動子5の貼付け面と同様の大きさまたはそれより小さい大きさにカットされる。ゴム板52の重量を20g以下に形成してゴム板52の脱着前後で摺動子5の重量を908±10gの範囲に維持すると、JIS K5701−1に対応した試験を行うことができる。
係止ピン8の回転支持部8cはクランク棒17の孔部17a内を上下に移動可能になっているため、摺動子5の高さが変化しても摩擦用紙102と試料100とを密着させることができる。尚、孔部17a(クランク棒17の厚さ方向)に対して係止ピン8の回転支持部8cが十分長い場合はゴム板52上に摩擦用紙102を直接貼着してもよい。
図11は摩擦用紙9を摺動子5に取り付けるための他の構成を示している。摺動子5の基台51の背面側には手締め可能な摘み部を有するネジ54が前後に2つ設けられ、ネジ54によって係止部材58が取り付けられる。係止部材58は両端に係止爪58aを有した断面コ字型に形成される。
係止部材58のネジ54を緩め、一方の係止爪58aと基台51との間に形成される隙間に摩擦用紙9の一端が挿入される。ネジ54の締め付けによって摩擦用紙9の一端が基台51の背面と係止爪58aに挟まれて係止(固定)される。摩擦用紙9の他端は弛みが生じないように反対側の係止部材58の係止爪58aと基台51の背面との間に挿入され、ネジ54が締付けられる。これにより、摩擦用紙9がゴム板52の表面に張架される。
摩擦試験が終了すると、試料100を評価者の目視によって前述の表1に示すように試験結果の評価が行われる。この時、熟練を要する評価を簡単にするために試料100の濃度変化を反射濃度計で検知して評価してもよい。
即ち、試料100上の試験範囲101(図3参照)に印刷部と非印刷部とが設けられる場合は、摺動子5の摺動によって印刷部のインキが非印刷部に写る。これにより、印刷部の濃度が減少するとともに非印刷部の濃度が増加する。試験前後の印刷部または非印刷部の濃度変化を反射濃度計によって検知し、濃度変化が大きいと耐摩擦性が低く、濃度変化が小さいと耐摩擦性が高いと判断する。反射濃度計は閉ざされた測定面に標準光を照射したときの反射率を測定し、周囲の明るさに影響されない。このため、摩擦試験の安定した評価を行うことができる。
図12は反射濃度計で検知した濃度変化による評価と目視による評価との比較を示す図である。縦軸は10個の試料を濃度変化の小さいものから順に並べて試料番号1〜10を付している。横軸は各試料番号1〜10の試料の評価者の目視による順位を示している。図中、円の直径が評価された度数に比例している。
尚、試料100は試験範囲101に図13に示す一マスの一辺が25mmの黒色の印刷部と非印刷部とが並んだ市松模様のテストチャートが印刷されたものを用いている。また、反射濃度計としてグレタグマクベス社製のRD918を用い、テストチャートの非印刷部を濃度測定した。
同図によると、評価者による順位と反射濃度計による順位とがほぼ一致する。従って、反射濃度計によって摩擦試験結果の評価を熟練者を必要とせず誰でも容易に行うことができる。尚、所定のパターンのテストチャートを段ボール製梱包材等の製品に予め設けておくことにより、摩擦試験の抜取り試験を容易に行うことができる。
本実施形態によると、試料100上に載置される台座2に設けた開口部4に摺動子5が配されるため、試料100の所望位置に摩擦試験機1を設置して摩擦試験を行うことができる。このため、試料の所望位置を切り取る煩雑な作業の必要がなく、摩擦試験機1の利便性を向上することができる。また、摺動子5が直線往復運動するため、従来のように径方向で試料100の損傷度合がばらつくことなく摺動子5の摺動範囲の損傷度合が均一化される。従って、摩擦試験の精度を向上することができる。
また、試料100を試料台上に固定する止め具を必要としないため、摩擦試験機1の軽量化を図ることができる。
また、摺動子5を挟んで摺動子5の移動方向に平行に延びるガイド部6を台座2に設けたので、摺動子5を簡単に精度良く直線案内することができる。従って、均一な摩擦試験を行うことができる。
尚、ガイド部6の長さ(摺動子5が移動する方向の長さ)を摺動子5が直線的に往復移動する可動範囲と同じ長さに形成すると、段ボール100の摩擦試験部位に一致させて摩擦試験機1を載置する目安となる。摺動子5の可動範囲は、例えば図2において、摺動子5で示す位置での先端(図面左側)から可動した5"で示す位置の後端(図面右側)までの距離である。
また、案内時の摩擦を軽減する摩擦軽減部材を摺動子5とガイド部6との接触部分に対応して設けたので、摺動摩擦を軽減してモータ12のトルクを小さくすることができる。
また、台座2を試料に係止する係止部60を設けたので、摩擦試験中の摩擦試験機1の移動を防止することができる。従って、摩擦試験を安定して均一に行うことができる。
また、係止部60は台座2に螺合して下面から突出するネジ部60aの先端を試料100に押入されるので、台座2を係止する係止部60を容易に実現することができる。
また、駆動部11のクランク機構16を構成するクランク棒17が摺動子5に回転自在に連結され、クランク棒17に対して摺動子5を上下に可動にしたので、摺動子5の下面を容易に試料100に密着させて正確な摩擦試験を行うことができる。
また、摺動子5の上面に突設した複数の突出ピン57により錘30を支持するので、錘30を容易に着脱して荷重の異なる摩擦試験を容易に行うことができる。
また、摩擦用紙9として研磨紙を用いるので、摺動子5の摺動回数に対して試料100が安定して劣化するため摩擦試験の精度をより向上することができる。
また、印刷部と非印刷部とを有する試料100を摩擦試験し、印刷部または非印刷部の摩擦試験前後の濃度変化を反射濃度計により検知して該濃度変化に基づいて評価するので、摩擦試験結果の評価を熟練者を必要とせず誰でも容易に行うことができる。
本発明によると、段ボール紙等の試料の耐摩擦性を試験する摩擦試験機及び摩擦試験方法に利用することができる。
本発明の実施形態の摩擦試験機を示す斜視図 本発明の実施形態の摩擦試験機を示す上面図 本発明の実施形態の摩擦試験機の設置状態を示す斜視図 本発明の実施形態の摩擦試験機の駆動部の詳細を示す斜視図 本発明の実施形態の摩擦試験機の摺動子の取付け状態を示す斜視図 本発明の実施形態の摩擦試験機の摺動子の取付け状態を示す側面図 本発明の実施形態の摩擦試験機の制御回路の構成を示すブロック図 本発明の実施形態の摩擦試験機の摺動子を下方から見た斜視図 本発明の実施形態の摩擦試験機の摺動子に錘を取り付けた状態を示す側面図 本発明の実施形態の摩擦試験機の摺動子に段ボール紙から成る摩擦用紙を取り付けた状態を示す側面図 本発明の実施形態の摩擦試験機の摺動子の他の構成を示す側面図 本発明の実施形態の摩擦試験後の反射濃度計で検知した濃度変化による評価と目視による評価との比較を示す図 図12の評価を行った試料のテストチャートを示す平面図
符号の説明
1 摩擦試験機
2 台座
4 開口
5 摺動子
6 ガイド部
7、8 係止ピン
9、102 摩擦用紙
10 電装ボックス
11 駆動部
12 モータ
15 減速機
16 クランク機構
17 クランク棒
18 回転レバー
19 連結軸
20 電源スイッチ
21 スタートキー
22 ストップキー
23 プリセットキー
30 錘
40 制御部
41 入力部
42 表示部
43 モータ駆動部
44 移動検知センサ
50 ベアリング
51 基台
52 ゴム版
53、58 係止部材
54 ネジ
57 突出ピン
60 係止部
60a ネジ部
100 試料
101 試験範囲

Claims (9)

  1. 試料上に載置される台座と、前記台座に形成された開口部と、前記開口部に配されて試料に対向する面に摩擦用紙が取り付けられる摺動子と、前記摺動子を直線案内するガイド部と、前記摺動子を前記ガイド部の案内によって前記開口部内で直線往復運動させる駆動部とを備えたことを特徴とする摩擦試験機。
  2. 前記ガイド部は前記台座に取り付けられるとともに前記摺動子を挟んで前記摺動子の移動方向に平行に延びることを特徴とする請求項1に記載の摩擦試験機。
  3. 案内時の摩擦を軽減する摩擦軽減部材を、前記摺動子と前記ガイド部との接触部分に対応して設けたことを特徴とする請求項2に記載の摩擦試験機。
  4. 前記台座を試料に係止する係止部を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の摩擦試験機。
  5. 前記係止部は前記台座に螺合して下面から突出するネジ部を有し、前記ネジ部の先端を試料に押入して前記台座が係止されることを特徴とする請求項4に記載の摩擦試験機。
  6. 前記駆動部はクランク機構を構成するクランク棒が前記摺動子に回転自在に連結され、前記クランク棒に対して前記摺動子を上下に可動にしたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の摩擦試験機。
  7. 加重するための錘を前記摺動子に載置して係合するための複数の突出ピンを、当該摺動子の上面に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の摩擦試験機。
  8. 請求項1〜請求項7に記載の摩擦試験機を用いて試料の摩擦試験を行う摩擦試験方法であって、前記摩擦用紙を研磨紙にしたことを特徴とする摩擦試験方法。
  9. 試料の表面に摩擦用紙を摺動させて摩擦試験を行った結果を評価する摩擦試験の評価方法において、印刷部及び非印刷部を有した前記試料に対して摩擦用紙を摺動させて摩擦試験を行い、前記印刷部または前記非印刷部の摩擦試験前後の濃度変化を反射濃度計により検知し、該濃度変化に基いて評価を行うことを特徴とする摩擦試験の評価方法。
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