JP2010133709A - 超音波画像表示装置及び超音波画像表示方法 - Google Patents

超音波画像表示装置及び超音波画像表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料表面の微細構造を確認することができ、さらに、試料の奥行き側の立体的な構造を容易に確認することができる超音波画像表示装置を提供すること。
【解決手段】超音波画像表示装置1において、超音波トランスデューサ13は、樹脂プレート9の上面91に超音波の焦点を合わせた状態で超音波伝達媒体W1及び樹脂プレート9を介して下面92側から生体組織8に超音波の集束ビームを照射するとともに、生体組織8からの反射波を受信して電気信号に変換する。その生体組織8の表面からの反射波信号に基づいて音響インピーダンスが算出され、その算出値に基づいて組織表面の音響インピーダンス像が生成される。超音波の二次元走査による超音波焦点群を擬似的な点音源群とみなして信号処理を行うことにより、生体組織8の立体画像が生成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波を利用して試料の超音波像を表示する超音波画像表示装置及び超音波画像表示方法に関するものである。
従来、医療分野では、生体組織の診断を行う装置として、超音波顕微鏡を応用した製品の開発が進められており、高解像度で生体組織の観察が可能なものが実用化されている。光学顕微鏡では生体組織における化学的性質の違いを例えば染色によって区別するのに対し、超音波顕微鏡では物理的性質の違いを無染色で区別することができる。つまり、超音波顕微鏡を用いる場合には、染色を行わなくても生体組織診断を行うことができるといった利点がある。
具体的には、超音波顕微鏡を用いる場合、生体組織などの試料に超音波を照射しその反射波を検出することにより、音響パラメータ(音響インピーダンス、音速、減衰などのパラメータ)を算出して、その算出値に応じた超音波像(音響インピーダンス像、音速像、減衰像など)を表示する。本発明者らはパルス励起型の超音波顕微鏡を利用して生体組織の音響インピーダンス像を表示する超音波画像検査装置をすでに提案している(例えば、特許文献1参照)。この超音波画像検査装置では、図13に示されるように、樹脂プレート80(透過部材)の上面に生体組織81を密着させて支持し、その生体組織81の周縁となる位置にリファレンス部材82を設けている。そして、超音波振動子83から樹脂プレート80を介して生体組織81及びリファレンス部材82に超音波Sを照射する。
ここで、リファレンス部材82においてその表面と直交する角度で照射される超音波(入射波)Sと反射波Sとは次式(1)の関係が成り立つ。
ただし、Zは樹脂プレート80の音響インピーダンスであり、Zはリファレンス部材82の音響インピーダンスである。
また、生体組織81においてその表面と直交する角度で照射される超音波Sと反射波Sとは次式(2)の関係が成り立つ。
ただし、Zは生体組織81の音響インピーダンスである。
従って、上記式(1),(2)から生体組織81の音響インピーダンスZは、次式(3)により求められる。
この超音波画像検査装置において、音響インピーダンスZを測定しながら超音波Sの照射点を二次元走査することにより、二次元の音響インピーダンス像が得られる。音響インピーダンスZは、組織の硬さに関連するパラメータであり、音響インピーダンス像によって生体組織81の性状を観察することができる。
特開2006−78408号公報
ところで、上記の音響インピーダンス像は、生体組織81の表面画像であるため、その表面における組織の構造は確認することが可能であるが、その奥行き側の組織の構造は確認することができない。例えば、生体組織81に癌組織が含まれる場合、組織表面における癌組織の分布は確認することができるが、その奥行き側の立体的な分布は確認することができない。
組織内部の構造を確認する場合、生体組織81の内部で反射した超音波の反射波信号を取得し、その反射波信号に基づいて断層画像(Bモード画像)を生成する方法が考えられる。しかしながら、上記超音波画像検査装置では、所定の集束角にて樹脂プレート80の上面に集束するよう超音波の集束ビームが照射されている。このため、生体組織81の内部に超音波が伝搬する際にはその集束ビームが広がってしまうため、分解能が低下して鮮明なBモード画像を生成することができない。一方、鮮明なBモード画像を得るために超音波の集束角を小さくすると、組織表面における音響インピーダンス像の解像度が低下して、微細な表面構造が確認できなくなるといった問題が生じる。
この対策としては、超音波画像検査装置において、超音波の焦点を可変するための機構を設けたり、超音波の焦点距離や集束角が異なる超音波振動子に交換したりして、生体組織81の表面画像(音響インピーダンス像)と断層画像(Bモード画像)とを別々に取得する方法も考えられる。この場合、各画像を取得するための準備作業が煩雑となることに加え、装置コストが嵩んでしまうといった問題が生じる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、試料表面の微細構造を確認することができ、さらに、試料の奥行き側の立体的な構造を容易に確認することができる超音波画像表示装置及び超音波画像表示方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、試料に超音波を照射し、その超音波の反射波信号に基づいて、前記試料の超音波像を表示する超音波画像表示装置であって、前記試料を密着させるための第1面と、その第1面の反対側に位置しかつ超音波伝達媒体を接触させるための第2面とを有し、超音波を透過しうる透過部材と、前記第1面上に焦点を合わせた状態で前記超音波伝達媒体及び前記透過部材を介して前記第2面側から前記試料に超音波の集束ビームを照射するとともに、前記試料からの反射波を受信して電気信号に変換する焦点型超音波振動子と、前記超音波の集束ビームを前記第1面に沿って二次元的に走査させる二次元走査手段と、試料表面からの反射波信号に基づいて音響パラメータを算出し、その音響パラメータに基づいて試料表面の超音波像を生成するための画像生成処理を行う第1画像生成手段と、前記超音波の集束ビームの二次元走査により前記第1面上に集束した超音波焦点群を擬似的な点音源群とみなして信号処理を行うことにより、それら点音源群から出た超音波が試料内部の任意の深さ位置にて集束すると仮定した場合における超音波の仮想集束ビームの反射波信号を取得し、その反射波信号に基づいて試料内部の超音波像を生成するための画像生成処理を行う第2画像生成手段とを備えたことを特徴とする超音波画像表示装置をその要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、透過部材の第1面に試料が密着され、その第1面の反対側に位置する第2面には超音波伝達媒体が接触される。そして、焦点型超音波振動子により、透過部材の第1面上に焦点を合わせた状態で超音波伝達媒体及び透過部材を介して第2面側から試料に超音波の集束ビームが照射される。この集束ビームは、二次元走査手段によって二次元的に走査され、試料で反射した超音波が焦点型超音波振動子により受信され電気信号に変換される。その後、第1画像生成手段により、試料表面からの反射波信号に基づいて音響パラメータが算出され、その音響パラメータに基づいて試料表面の超音波像を生成するための画像生成処理が行われる。さらに、第2画像生成手段によって、超音波の集束ビームの二次元走査により第1面上に集束した超音波焦点群を擬似的な点音源群とみなして反射波信号の信号処理が行われる。そして、その信号処理により、それら点音源群から出た超音波が試料内部の任意の深さ位置にて集束すると仮定した場合における超音波の仮想集束ビームの反射波信号が取得される。その反射波信号に基づいて試料内部の超音波像を生成するための画像生成処理が行われる。このようにすれば、試料表面に焦点を合わせた超音波の集束ビームによって、画像分解能の高い表面画像を得ることができ、さらに、試料の内部画像も得ることができる。
前記超音波の集束ビームの集束角は、15度以上であることが好ましく20度以上であることがより好ましい。また、超音波の焦点距離は5mm以下であることが好ましい。このようにすれば、試料表面における超音波像の画像分解能を十分に高めることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記試料表面からの反射波信号及び前記試料内部からの反射波信号を取得してメモリに記憶するための信号取得手段を備えたことをその要旨とする。
請求項2に記載の発明によれば、信号取得手段により、試料表面からの反射波信号及び試料内部からの反射波信号が取得されメモリに記憶される。そして、このメモリに記憶された反射波信号に基づいて、第1画像生成手段及び第2画像生成手段による画像生成処理を効率よく迅速に行うことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記第2画像生成手段は、複数の点音源の位置ベクトルと、所定深さ位置にある任意の被測定点の位置ベクトルとに基づいて、反射波の時間差を考慮することにより、前記被測定点に擬似集束した超音波の反射波信号を取得し、その反射波信号に基づいて前記試料内部の画像データを生成することをその要旨とする。
請求項3に記載の発明によれば、試料内部における任意の被測定点での超音波の反射波信号を取得することができる。そして、各反射波信号に基づいて試料内部の画像データが生成され、その画像データにより試料内部の超音波像を得ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記第1画像生成手段が生成した試料表面の画像データと、前記第2画像生成手段が生成した試料内部の画像データとに基づいて、前記試料の表面画像、断面画像及び立体画像を表示可能な表示手段を備えることをその要旨とする。
請求項4に記載の発明によれば、試料の表面画像、断面画像及び立体画像を表示手段に表示させることができるので、試料の表面構造及び内部構造を容易に確認することができる。
請求項5に記載の発明は、超音波を二次元走査しながら試料に照射し、その超音波の反射波信号に基づいて、前記試料の超音波像を表示する超音波画像表示方法であって、超音波を透過しうる透過部材の第1面に前記試料を密着させ、超音波振動子により、前記第1面上に超音波の焦点を合わせた状態で超音波伝達媒体及び前記透過部材を介してその透過部材の第2面側から前記試料に超音波の集束ビームを照射するステップと、前記試料表面からの反射波信号及び前記試料内部からの反射波信号を取得するステップと、前記試料表面からの反射波信号に基づいて音響パラメータを算出し、その音響パラメータに基づいて前記試料表面の超音波像を生成するための画像生成処理を行うステップと、前記超音波の集束ビームの二次元走査により前記第1面上に集束した超音波焦点群を擬似的な点音源群とみなして信号処理を行うことにより、それら点音源群から出た超音波が試料内部の任意の深さ位置にて集束すると仮定した場合における超音波の仮想集束ビームの反射波信号を取得し、その反射波信号に基づいて試料内部の超音波像を生成するための画像生成処理を行うステップとを含むことを特徴とする超音波画像表示方法をその要旨とする。
請求項5に記載の発明によれば、透過部材の第1面に試料が密着され、その第1面の反対側に位置する第2面には超音波伝達媒体が接触される。そして、焦点型超音波振動子により、透過部材の第1面上に焦点を合わせた状態で超音波伝達媒体及び透過部材を介して第2面側から試料に超音波の集束ビームが照射される。この集束ビームは二次元的に走査され、試料表面及び試料内部で反射した超音波が焦点型超音波振動子により受信され電気信号に変換される。その後、試料表面からの反射波信号に基づいて音響パラメータが算出され、その音響パラメータに基づいて試料表面の超音波像を生成するための画像生成処理が行われる。さらに、超音波の集束ビームの二次元走査により第1面上に集束した超音波焦点群を擬似的な点音源群とみなして反射波信号の信号処理が行われる。そして、その信号処理により、それら点音源群から出た超音波が試料内部の任意の深さ位置にて集束すると仮定した場合における超音波の仮想集束ビームの反射波信号が取得される。その反射波信号に基づいて試料内部の超音波像を生成するための画像生成処理が行われる。このようにすれば、試料表面に焦点を合わせた超音波の集束ビームによって、画像分解能の高い表面画像を得ることができ、さらに、試料の内部画像も得ることができる。
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によると、試料表面の微細構造を確認することができ、さらに、試料の奥行き側の立体的な構造を容易に確認することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本実施の形態における超音波画像表示装置を示す概略構成図であり、図2はその超音波画像表示装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、本実施の形態の超音波画像表示装置1は、パルス励起型超音波顕微鏡2と、パーソナルコンピュータ(パソコン)3とを備える。パルス励起型超音波顕微鏡2は、試料ステージ4を有する顕微鏡本体5と、試料ステージ4の下方に設置された超音波プローブ6とを備える。そのパルス励起型超音波顕微鏡2の超音波プローブ6がパソコン3と電気的に接続されている。
本実施の形態の試料ステージ4は、ユーザの手動操作により、水平方向(即ちX方向及びY方向)に移動できるように構成されている。この試料ステージ4には、生体組織8を載置した樹脂プレート9(透過部材)が固定されている。なお、生体組織8は、例えば、ラットの小脳から切り出した脳組織であり、300μm〜400μmの厚さを有する。また、樹脂プレート9としては、超音波を透過する材料(例えば、ポリスチレン)からなる厚さ0.8mm程度の樹脂板が用いられている。この樹脂プレート9の上面91(第1面)において生体組織8のセット部の周縁に例えばシリコーン樹脂の硬化物からなるリファレンス部材10が設けられている。
超音波プローブ6は、水などの超音波伝達媒体W1を貯留可能な貯留部11をその先端部に有するプローブ本体12と、プローブ本体12の略中心部に配置される超音波トランスデューサ13(焦点型超音波振動子)と、プローブ本体12を前記試料ステージ4の面方向に沿って二次元的に走査するためのX−Yステージ14(二次元走査手段)とを備える。プローブ本体12の貯留部11は上部が開口しており、その貯留部11の開口側を上向きにした状態で超音波プローブ6が試料ステージ4の下方に設置されている。
超音波トランスデューサ13は、先端部に凹面15が形成された円柱状の真鍮16と、その凹面15上を覆うように設けられたPVDF(ポリフッ化ビニリデン)フィルムからなるフィルムセンサ17とを備える。超音波トランスデューサ13は、パルス励起されることでフィルムセンサ17が振動し、樹脂プレート9の下面92(第2面)側から生体組織8に対して、有限の集束角を有する超音波の集束ビームを照射する。この超音波の集束ビームは、貯留部11の超音波伝達媒体W1を介して円錐状に集束されて樹脂プレート9の上面91(生体組織8の表面)で焦点を結ぶようになっている。なお、超音波トランスデューサ13としては、口径2.4mm、焦点距離3.2mm、集束角22°、超音波の帯域幅10MHz〜100MHzの仕様のものを用いている。
図2に示されるように、超音波プローブ6は、超音波トランスデューサ13と、X−Yステージ14と、パルス発生回路21と、受信回路22と、送受波分離回路23と、検波回路24と、A/D変換回路25と、エンコーダ26と、コントローラ27とを備える。
X−Yステージ14は、超音波の照射点を二次元的に機械走査させるためのXステージ14X及びYステージ14Yを備えるとともに、それぞれのステージ14X,14Yを駆動するモータ28X,28Yを備えている。これらのモータ28X,28Yとしては、ステッピングモータやリニアモータが使用される。
各モータ28X,28Yにはコントローラ27が接続されており、該コントローラ27の駆動信号に応答してモータ28X,28Yが駆動される。これらモータ28X,28Yの駆動により、Xステージ14Xを連続走査(連続送り)するとともに、Yステージ14Yを間欠送りとなるよう制御することで、X−Yステージ14の高速走査が可能となっている。
また、本実施の形態においては、Xステージ14Xに対応してエンコーダ26が設けられ、エンコーダ26によりXステージ14Xの走査位置が検出される。具体的に、走査範囲(例えば、縦横3mmの走査範囲)を300×300個の測定点(ピクセル)に分割した場合、1回のX方向(水平方向)の走査が300分割される。そして、各測定点の位置がエンコーダ26によって検出されパソコン3に取り込まれる。パソコン3はそのエンコーダ26の出力に同期して駆動制御信号を生成して、その駆動制御信号をコントローラ27に供給する。コントローラ27は、この駆動制御信号に基づいてモータ28Xを駆動する。また、コントローラ27は、エンコーダ26の出力信号に基づきX方向の1ラインの走査が終了した時点でモータ28Yを駆動して、Yステージ14YをY方向に1ピクセル分移動させる。
さらに、コントローラ27は、駆動制御信号に同期してトリガ信号を生成してパルス発生回路21に供給する。これにより、パルス発生回路21において、そのトリガ信号に同期したタイミングで励起パルスが生成される。その励起パルスが送受波分離回路23を介して超音波トランスデューサ13に供給される結果、超音波トランスデューサ13から超音波が照射される。
図3には、X−Yステージ14の移動に伴う超音波の走査範囲R1の一例を示している。この例では、走査範囲R1の右下の隅にリファレンス部材10が配置されるようになっており、その位置から走査が開始される。そして、矢印で示すように、生体組織8の表面に沿ってX方向及びY方向に二次元的に走査が順次行われる。
超音波トランスデューサ13のフィルムセンサ17は、送受波兼用の素子であり、生体組織8で反射した超音波(反射波)を電気信号に変換する。そして、その超音波の反射波信号は、送受波分離回路23を介して受信回路22に供給される。受信回路22は、信号増幅回路を含んで構成されていて、反射波信号を増幅して検波回路24に出力する。
検波回路24は、生体組織8からの反射波信号を検出するための回路であり、図示しないゲート回路を含む。本実施の形態の検波回路24は、超音波トランスデューサ13で受信した反射波信号のなかから生体組織8の反射波信号を抽出する。この反射波信号としては、組織表面からの反射波信号と組織内部からの反射波信号とを含む。そして、検波回路24で抽出された反射波信号は、A/D変換回路25に供給されてA/D変換された後、パソコン3に転送される。
パソコン3は、CPU31、I/F回路32、メモリ33、記憶装置34、入力装置35、及び表示装置36を備え、それらはバス37を介して相互に接続されている。
CPU31は、メモリ33を利用して制御プログラムを実行し、システム全体を統括的に制御する。制御プログラムとしては、X−Yステージ14による二次元走査を制御するためのプログラム、音響インピーダンスを算出するためのプログラム、音響インピーダンス像などの超音波像を表示するためのプログラムなどを含む。
I/F回路32は、超音波プローブ6との間で信号の授受を行うためのインターフェース(具体的には、USBインターフェース)である。I/F回路32は、超音波プローブ6に制御信号(コントローラ27への駆動制御信号)を出力したり、超音波プローブ6からの転送データ(A/D変換回路25から転送されるデータなど)を入力したりする。
表示装置36は、例えば、LCDやCRTなどのカラーディスプレイであり、生体組織8の画像(音響インピーダンス像など)や各種設定の入力画面を表示するために用いられる。入力装置35は、キーボードやマウス装置などであり、ユーザからの要求や指示、パラメータの入力に用いられる。
記憶装置34は、磁気ディスク装置や光ディスク装置などであり、制御プログラム及び各種のデータを記憶している。なお、この記憶装置34に記憶されるデータとしては、樹脂プレート9の音響インピーダンスやリファレンス部材10の音響インピーダンスを含む。具体的には、例えば、樹脂プレート9の音響インピーダンス値は、2.49×10Ns/mであり、リファレンス部材10の音響インピーダンス値は、1.0×10Ns/mである。
CPU31は、入力装置35による指示に従い、プログラムやデータを記憶装置34からメモリ33へ転送し、それを逐次実行する。なお、CPU31が実行するプログラムとしては、メモリカード、フレキシブルディスク、光ディスクなどの記憶媒体に記憶されたプログラムや、通信媒体を介してダウンロードしたプログラムでもよく、その実行時には記憶装置34にインストールして利用する。
本実施の形態の超音波画像表示装置1は、従来技術と同様に、音響インピーダンス像を表示する機能を有している。さらに、超音波画像表示装置1では、その音響インピーダンス像の表示機能に加えて、立体画像を表示する機能を備えている。具体的には、超音波の集束ビームを二次元走査して生体組織8の表面からの反射波信号を取得する。そして、その組織表面の反射波信号に基づいて、音響インピーダンスを求め、その音響インピーダンスに応じた表面画像(音響インピーダンス像)を表示する。
また、超音波の集束ビームを二次元走査する際に、生体組織8の内部からの反射波信号を取得して、その反射波信号の信号処理を行うことにより、組織内部の情報を取得する。具体的には、超音波の集束ビームの二次元走査により樹脂プレート9の上面91上に集束した超音波焦点群(本実施の形態では、300×300個の焦点群)を擬似的な点音源群とみなして開口合成のための処理を行う。この処理によって、各点音源群から出た超音波が組織内部の任意の深さ位置にて集束すると仮定した場合における超音波の仮想集束ビームの反射波信号を取得する。
ここでは、擬似的な点音源の位置ベクトルをpi(xi,yi,zi)とし、任意の深度d(深さ位置)の面上にある被測定点の位置ベクトルをq(x,y,z)とする。そして、図4に示されるように、各点音源piから出た超音波の仮想集束ビームをq点に擬似集束させる。この場合の反射波u(t)は、次式(4)によって得ることができる。
すなわち、各点音源piから出た超音波の反射波fi(t)について、各点音源piとq点との距離に応じた時間差分を調整し、それら反射波を足し合わせることで仮想集束ビームの反射波u(t)が得られる。なお、式(4)におけるcは組織音速である。そして、反射波u(t)のデータに基づいて組織内部の画像データを生成し、この画像データに基づいて、生体組織8の立体画像を表示する。
次に、本実施の形態において、生体組織8の超音波像を表示させるための処理例について図5のフローチャートを用いて説明する。
まず、超音波プローブ6の初期動作として、CPU31からの指示に基づいてコントローラ27によりモータ28X,28Yが駆動され、走査位置がリファレンス部材10に位置するようにX−Yステージ14が移動される。またこのとき、励起パルスがトランスデューサ13に供給されると、リファレンス部材10に超音波が照射され、その反射波が検波回路24で検出される。そして、CPU31は、A/D変換回路25で変換されたデジタルデータをI/F回路32を介して取得し、そのデータをリファレンス部材10の反射波のデータとしてメモリ33に記憶する(ステップ100)。
その後、CPU31からの指示に基づいてコントローラ27によりモータ28X,28Yが駆動され、X−Yステージ14による二次元走査が開始される。CPU31は、エンコーダ26の出力に基づいて測定点の座標データを取得する(ステップ110)。そして、生体組織8に超音波が照射され、その反射波が検波回路24で検出される。CPU31は、A/D変換回路25で変換されたデジタルデータをI/F回路32を介して取得し、そのデータを生体組織8の反射波のデータとして座標データに関連付けてメモリ33に記憶する(ステップ120)。なおここでは、組織表面での反射波の信号強度に加え、組織内部からの反射波のデータが記憶される。
その後、第1画像生成手段としてのCPU31は、リファレンス部材10及び生体組織8の表面での反射波の信号強度と、リファレンス部材10及び樹脂プレート9の音響インピーダンスとを用いて、上記の式(3)に対応した演算処理を行い測定点での音響インピーダンスZtを算出する。そして、CPU30は、その音響インピーダンスZtを用いてカラー変調処理を行い、音響インピーダンスZtの大きさに応じた表面画像(音響インピーダンス像)の画像データを生成し、測定点の座標データに関連付けて該画像データをメモリ33に記憶する(ステップ130)。これの具体例を挙げると、音響インピーダンスZtの値が大きくなるほど赤色系の色調を強くし、音響インピーダンスZtの値が小さくなるほど青色系の色調を強くするような画像処理を行う。
CPU31は、全ての測定点での処理が終了し、1画面分の画像データが取得されたか否かを判断する(ステップ140)。ここで、全データが取得されていない場合、CPU31は、ステップ110に戻って、ステップ110〜140の処理を繰り返し実行する。そして、全データが取得された場合には、該データを表示装置36に転送して、図6に示すような音響インピーダンス像41を表示させる(ステップ150)。
次に、CPU31は、生体組織8の立体画像を表示するか否かを判定する(ステップ160)。具体的には、音響インピーダンス像41が表示されている表示装置36の画面に、立体画像を表示させるか否かを選択するための表示ボタンを表示させる。ここで、作業者は、表示された音響インピーダンス像41を確認する。その結果、生体組織8において癌組織などの患部が見つかり、その奥行き構造を検査したい場合、作業者は、入力装置35を操作して、その表示ボタンを選択する。一方、奥行き構造の検査が不要と判定した場合には、表示装置36の画面に表示されている終了ボタンを選択する。
ステップ160において、CPU31は、作業者によるボタン操作を判定し、終了ボタンが選択された場合には、ステップ170,180を省略して図5の処理を終了する。一方、立体画像の表示ボタンが選択された場合、第2画像生成手段としてのCPU31は、各測定点における組織内部の反射波信号のデータをメモリ31から読み出し、上記の式(4)に対応する演算処理を行う。これにより、組織内部の被測定点に擬似集束した超音波の反射波信号を取得し、反射波信号に基づいて組織内部の画像データを生成する(ステップ170)。そして、CPU31は、生成した画像データを表示装置36に転送して、図7に示すような立体画像42を表示させ(ステップ180)、図5の処理を終了する。
本発明者は、上記超音波画像表示装置1の効果を確認するため、十円玉をターゲットとして観察実験を行った。なおこの観察実験では、図8に示されるように、ポリスチレンからなるシャーレ43を透過部材として用いている。そして、そのシャーレ43内において、スペーサ44を利用して底面から0.45mmの距離となる位置に十円玉45を水平に設置し、その十円玉45が浸かるよう純水W2を満たした状態で十円玉45の観察を行った。
具体的な観察部分としては、十円玉45の建物(京都宇治平等院鳳凰堂)の左側廊下部分(4mm×4mm)であり、その表面に超音波の焦点を合わせて取得した超音波像46を図9に示している。
また、十円玉45の表面から0.45mm手前にあるシャーレ43の底面上に焦点を結んで取得した超音波像47を図10に示している。この場合、超音波の集束角が22°であり焦点からの距離が0.45mmとなるため、超音波のスポット径は0.36mmと大きくなる。このため、焦点よりも奥行き側にある十円玉45の超音波像47がボケてしまう。
図10の超音波像47の画像構築に用いたものと同じデータを用いて、上述した開口合成の処理(上記の式(4)に対応した演算処理)を施して、超音波像を再構築した。図11には、その再構築した超音波像48を示している。図10の超音波像47と比較して、図11の超音波像48では建物の輪郭線が鮮明となり、ボケの少ない画像に修復されている。このように、超音波画像表示装置1において、開口合成を利用した超音波像の画像構築が有効であることを確認することができた。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の超音波画像表示装置1では、組織表面に焦点を合わせた超音波の集束ビームによって、画像分解能の高い音響インピーダンス像41(表面画像)を得ることができる。また、超音波の集束ビームの超音波焦点群を擬似的な点音源群とみなして信号処理を行うことにより、生体組織8の立体画像42を生成することができる。従って、生体組織8の表面の微細構造を確認することができるとともに、生体組織8の奥行き側の立体的な構造を容易に確認することができる。
(2)本実施の形態の超音波画像表示装置1では、超音波を二次元走査する際に、組織表面からの反射波信号及び組織内部からの反射波信号を取得してメモリ33に記憶している。この場合、各反射波信号を別々のタイミングで取得する必要がなく、メモリ33に記憶した反射波信号のデータを用いて、音響インピーダンス像41の画像生成処理と、立体画像42の画像生成処理とを効率よく迅速に行うことができる。
(3)本実施の形態の超音波画像表示装置1では、生体組織8の音響インピーダンス像41と生体組織8の立体画像42とを表示装置36に表示させることができるので、生体組織8の表面構造及び内部構造を容易に確認することができる。
(4)本実施の形態の超音波画像表示装置1では、超音波の集束ビームの二次元走査による超音波焦点群を擬似的な点音源群とみなして反射波信号の信号処理が行われている。これら擬似的な点音源群は、樹脂プレート9の上面91に沿って規則正しく並んでいるので、開口合成のための信号処理を適切に行うことができ、仮想集束ビームの反射波信号をより正確に取得することができる。
(5)本実施の形態の超音波画像表示装置1において、パルス励起型超音波顕微鏡2やパソコン3のハード構成は、従来技術と同じ構成を用いることができ、パソコン3に組み込まれる制御プログラムの部分が新規となっている。この場合、超音波の焦点の可変機構などの新規な構成を設ける必要がなく、装置コストを抑えることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態を図12に基づき説明する。
本実施の形態の超音波画像表示装置51は、超音波プローブユニット52とパソコン3とを備える。この超音波プローブユニット52は、第1の実施の形態におけるパルス励起型超音波顕微鏡2と同等の機能を有する。但し、パルス励起型超音波顕微鏡2が据え置き型の機器であるのに対し、本実施の形態の超音波プローブユニット52は、携帯が可能なハンディタイプの機器である。また、超音波画像表示装置51を構成するパソコン3は、第1の実施の形態と同じ構成である。
超音波プローブユニット52は、超音波プローブ53と、先端部にその超音波プローブ53を着脱可能なハンドピース部54とを備える。この超音波プローブ53は、超音波を二次元走査しながら生体組織に照射して、その生体組織からの反射波を電気信号に変換して出力する機能を有している。ハンドピース部54はいわゆる把持部であって、手で把持可能な長さ及び直径を有している。使用者はハンドピース部54を手で持ち、超音波プローブ53をラット56の小脳(インビボの脳組織)57に直接当てるようにする。
本実施の形態の超音波プローブ53は、プローブケース61(透過部材)と、超音波トランスデューサ62(焦点型超音波振動子)と、第1ロータ部63及び第2ロータ部64(二次元走査手段)と、リファレンス部材65とを備える。プローブケース61は、生体組織とは異なる既知の音響インピーダンスを有し、超音波を透過しうる材料(例えば、アクリル樹脂)を用いて、先端部が略半球形状に形成されている。プローブケース61の内部には、超音波伝達媒体W1が充填されている。このプローブケース61において、外表面が生体組織を密着させるための第1面となり、内表面が超音波伝達媒体W1を接触させるための第2面となる。
また、プローブケース61の内部には第1ロータ部63及び第2ロータ部64が収納されており、ケース先端側に設けられた第1ロータ部63の外周面には、超音波トランスデューサ62が設けられている。このトランスデューサ62が照射する超音波は、超音波伝達媒体W1を介して円錐状に収束されてプローブケース61の外表面で焦点を結ぶようになっている。
本実施の形態において、第1ロータ部63は、超音波プローブユニット52の短手方向と平行な回転軸63aを介してハウジング67に回転可能に支持されている。また、第2ロータ部64は、超音波プローブユニット52の長手方向と平行な回転軸64aを介してハウジング67を支持しており、そのハウジング67とともに第1ロータ部63を回転させる。これらロータ部63,64は、回転速度や回転位置が制御可能な周知の電動モータで構成される。
また、プローブケース61の外表面において超音波の照射点が走査される範囲内には、リファレンス部材65が設けられている。本実施形態のリファレンス部材65は、例えば、シリコーン樹脂により形成される。従って、リファレンス部材65は、アクリル樹脂からなるプローブケース61とは異なる既知の音響インピーダンスを有している。
超音波プローブユニット52におけるハンドピース部54内には、各ロータ部63,64を駆動制御するロータ制御回路71、超音波を送受信するための信号処理回路72、電気信号の入出力を行うためのI/F回路73などが設けられている。I/F回路73としては、パソコン等の標準インターフェースであるUSBインターフェースが用いられる。
この超音波画像表示装置51の超音波プローブ53では、プローブケース61を介してリファレンス部材65に超音波を照射し、リファレンス部材65での反射波を測定する。また、プローブケース61を介して生体組織表面に超音波を照射し、生体組織表面での反射波を測定する。そして、各反射波の強度と、リファレンス部材65及びプローブケース61の音響インピーダンスとを用いて、上記の式(3)に対応した演算処理を行い生体組織の音響インピーダンスZを算出する。
本実施の形態の超音波画像表示装置51を用いる場合、例えば、ラット56の頭蓋骨を切開して小脳57を露出させる。そして、露出した小脳(生体組織)57に超音波プローブ53を直接接触させ、その状態で第1ロータ部63及び第2ロータ部64を駆動させることで、超音波を二次元走査しながら生体組織57に照射する。このとき、組織表面からの反射波の強度に基づいて、各測定点での音響インピーダンスを算出する。そして、画像処理を行うことにより各測定点での音響インピーダンスに対応した画像データが生成され、その画像データに基づいて音響インピーダンス像が表示される。
また、超音波を二次元走査する際に、生体組織57の内部からの反射波信号を取得して、その反射波信号の信号処理を行うことにより、組織内部の情報を取得する。具体的には、プローブケース61の外表面上に集束した超音波焦点群を擬似的な点音源群とみなし、それら点音源群から出た超音波の仮想集束ビームの反射波信号に基づいて、組織内部の画像データが生成される。そして、この画像データに基づいて、組織内部の立体画像が表示される。
このように、本実施の形態の超音波画像表示装置51によれば、第1の実施の形態と同様に、生体組織57の表面の微細構造を確認することができるとともに、生体組織57の奥行き側の立体的な構造を容易に確認することができる。さらに、超音波画像表示装置51を用いれば、動物の体内にある生きた脳組織を直接観察することができるので、成長に伴う脳組織の発達などを確認することができる。
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施の形態では、生体組織8,57の音響インピーダンス像41(表面画像)と立体画像42とを表示装置36に表示させるものであったが、これ以外に生体組織8,57の断面画像を表示させてもよい。なおこの場合、例えば、表示装置36に表示されている音響インピーダンス像41や立体画像42を確認し、入力装置35を操作することにより、表示すべき断面画像の位置を指定する。これにより、断面画像に対応する被測定点での画像データを、立体画像42の画像データから取得して、その画像データを表示装置36に転送することにより断面画像を表示させる。
・上記各実施の形態では、超音波の二次元走査により得られる超音波焦点群を擬似的な点音源群として信号処理を行うものであるが、この信号処理において、全ての超音波焦点を擬似的な点音源とする必要はなく、任意の焦点を擬似点音源として設定してもよい。具体的には、擬似点音源の数が多くなるほど、立体画像42の画像分解能を高めることができるが、CPU31の処理負荷が増して、画像表示にかかる時間が長くなってしまう。従って、立体画像42の分解能や画像表示のリアルタイム性を考慮して、擬似点音源の数を設定できるように構成してもよい。
・上記各実施の形態において、ラットの小脳における生体組織8,57を観察するものであったが、ラット以外の動物の生体組織を観察してもよい。また、脳以外の神経組織や、神経組織以外の臓器(心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓など)の組織を観察してもよい。
・上記各実施の形態では、生体組織8,57の表面の音響インピーダンスZを測定してその表面画像として音響インピーダンス像41を表示せるものであったが、これに限定されるものではない。例えば、密度や体積弾性率などの音響パラメータを測定して、それら音響パラメータに応じた超音波像を表示させるように構成してもよい。
・上記第1の実施の形態では、生体組織8の下方から超音波を照射する倒立型の超音波顕微鏡2を用いるものであったが、生体組織8の上方から超音波を照射する超音波顕微鏡を用いてもよい。
・上記各実施の形態において、パソコン3を用いて超音波画像表示装置1,51を構成したが、それ以外にワークステーションなどのコンピュータを用いてもよい。また、音響インピーダンス像を表示するための表示装置36は、パソコン3に一体的に設けられるものであったが、パソコン3と別体で設けてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1乃至4のいずれか1項において、前記第1面上において前記二次元走査手段により超音波が走査される範囲内に配置され、前記透過部材の音響インピーダンス値と異なる既知の音響インピーダンス値を有するリファレンス部材を備え、前記音響パラメータは、前記透過部材及び前記リファレンス部材の音響インピーダンスと、前記リファレンス部材及び前記試料からの反射波信号とに基づいて算出される音響インピーダンスであることを特徴とする超音波画像表示装置。
(2)請求項1乃至4のいずれか1項において、前記第2画像生成手段が実行する信号処理は、前記擬似的な点音源群による超音波の開口合成のための処理であることを特徴とする超音波画像表示装置。
(3)請求項1乃至4のいずれか1項において、前記超音波の周波数は10MHz以上であることを特徴とする超音波画像表示装置。
(4)請求項1乃至4のいずれか1項において、前記超音波の集束ビームの集束角は15度以上であることを特徴とする超音波画像表示装置。
(5)請求項1乃至4のいずれか1項において、前記超音波の焦点距離は5mm以下であることを特徴とする超音波画像表示装置。
(6)請求項1乃至4のいずれか1項において、前記試料は生体組織であることを特徴とする超音波画像表示装置。
(7)請求項1乃至4のいずれか1項において、前記焦点型超音波振動子と前記二次元走査手段とを備えた超音波顕微鏡を含んで構成されることを特徴とする超音波画像表示装置。
本発明を具体化した第1の実施の形態の超音波画像表示装置を示す概略構成図。 超音波画像表示装置の電気的な構成を示すブロック図。 超音波の走査範囲を示す説明図。 擬似的な点音源から出た超音波の仮想集束ビームを示す説明図。 音響インピーダンス像の生成処理を示すフローチャート。 生体組織の音響インピーダンス像を示す説明図。 生体組織の立体像を示す説明図。 超音波画像表示装置による十円玉の観察実験を示す説明図。 十円玉の超音波像を示す説明図。 十円玉の超音波像を示す説明図。 十円玉の超音波像を示す説明図。 本発明を具体化した第2の実施の形態の超音波画像表示装置を示す概略構成図。 従来の音響インピーダンスの測定方法を示す説明図。
符号の説明
1,51…超音波画像表示装置
8,57…試料としての生体組織
9…透過部材としての樹脂プレート
13,62…焦点型超音波振動子としての超音波トランスデューサ
14…二次元走査手段としてのX−Yステージ
31…第1画像生成手段及び第2画像生成手段としてのCPU
41…表面画像としての音響インピーダンス像
42…立体画像
61…透過部材としてのプローブケース
63…二次元走査手段を構成する第1ロータ部
64…二次元走査手段を構成する第2ロータ部
91…透過部材の第1面としての上面
92…透過部材の第2面としての下面
W1…音波伝達媒体

Claims (5)

  1. 試料に超音波を照射し、その超音波の反射波信号に基づいて、前記試料の超音波像を表示する超音波画像表示装置であって、
    前記試料を密着させるための第1面と、その第1面の反対側に位置しかつ超音波伝達媒体を接触させるための第2面とを有し、超音波を透過しうる透過部材と、
    前記第1面上に焦点を合わせた状態で前記超音波伝達媒体及び前記透過部材を介して前記第2面側から前記試料に超音波の集束ビームを照射するとともに、前記試料からの反射波を受信して電気信号に変換する焦点型超音波振動子と、
    前記超音波の集束ビームを前記第1面に沿って二次元的に走査させる二次元走査手段と、
    試料表面からの反射波信号に基づいて音響パラメータを算出し、その音響パラメータに基づいて試料表面の超音波像を生成するための画像生成処理を行う第1画像生成手段と、
    前記超音波の集束ビームの二次元走査により前記第1面上に集束した超音波焦点群を擬似的な点音源群とみなして信号処理を行うことにより、それら点音源群から出た超音波が試料内部の任意の深さ位置にて集束すると仮定した場合における超音波の仮想集束ビームの反射波信号を取得し、その反射波信号に基づいて試料内部の超音波像を生成するための画像生成処理を行う第2画像生成手段と
    を備えたことを特徴とする超音波画像表示装置。
  2. 前記試料表面からの反射波信号及び前記試料内部からの反射波信号を取得してメモリに記憶するための信号取得手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像表示装置。
  3. 前記第2画像生成手段は、複数の点音源の位置ベクトルと、所定深さ位置にある任意の被測定点の位置ベクトルとに基づいて、反射波の時間差を考慮することにより、前記被測定点に擬似集束した超音波の反射波信号を取得し、その反射波信号に基づいて前記試料内部の画像データを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の超音波画像表示装置。
  4. 前記第1画像生成手段が生成した試料表面の画像データと、前記第2画像生成手段が生成した試料内部の画像データとに基づいて、前記試料の表面画像、断面画像及び立体画像を表示可能な表示手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波画像表示装置。
  5. 超音波を二次元走査しながら試料に照射し、その超音波の反射波信号に基づいて、前記試料の超音波像を表示する超音波画像表示方法であって、
    超音波を透過しうる透過部材の第1面に前記試料を密着させ、超音波振動子により、前記第1面上に超音波の焦点を合わせた状態で超音波伝達媒体及び前記透過部材を介してその透過部材の第2面側から前記試料に超音波の集束ビームを照射するステップと、
    前記試料表面からの反射波信号及び前記試料内部からの反射波信号を取得するステップと、
    前記試料表面からの反射波信号に基づいて音響パラメータを算出し、その音響パラメータに基づいて前記試料表面の超音波像を生成するための画像生成処理を行うステップと、
    前記超音波の集束ビームの二次元走査により前記第1面上に集束した超音波焦点群を擬似的な点音源群とみなして信号処理を行うことにより、それら点音源群から出た超音波が試料内部の任意の深さ位置にて集束すると仮定した場合における超音波の仮想集束ビームの反射波信号を取得し、その反射波信号に基づいて試料内部の超音波像を生成するための画像生成処理を行うステップと
    を含むことを特徴とする超音波画像表示方法。
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