JP2010133447A - 締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンド - Google Patents

締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンド Download PDF

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Abstract

【課題】 吊りバンドにおけるバンド締着部位のボルトに対する締着ナットの取り外しと締着ナットの再締着に伴う煩雑な作業を可及的に簡易になし得るようにする。
【解決手段】 ボルト3の先端にネジ部31より細径の円形軸部32を配置し、この円形軸部32を、軟質系合成樹脂製のナットキャップ5の断面円形筒状の脚部54によって被嵌するようにして、該ナットキャップ5を雌ネジ孔に嵌合配置した締着ナット4をボルト3の先端に仮止め保持自在とする。ナットキャップ5付きで締着ナット4を引抜いてバンド片1を開けられるから、配管6を受け入れた後にバンド片1を閉じて、ナットキャップ5の天板51を押えて、締着ナット4をボルト3の先端に押込めば、締着ナット4の再度の仮止め保持ができ、このとき締着ナット4をボルト頭34方向に僅かに移動すれば締着ナット4のネジ部31への螺合が可能となるから、締着部位の締着をすることができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、建築物の配管をスラブ乃至壁面に支持するに用いる配管バンドに関し、特に締着部位にナットを仮止め保持した締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンドに関する。
この種の配管バンドは、例えば吊りバンドにあっては、円周方向中間位置でヒンジ連結した一対のバンド片と、該バンド片の自由端に配置した各締着片と、該締着片を吊ボルトに吊支持するタンバックルと、上記一対のバンド片に配管を受け入れた後に上記締着片をタンバックルに下向きに配置した支持片を挟んで一体的に締着するボルトと締着ナットとを備え、該締着片をバンド締着部位としたものとされている。そして該吊りバンドは、その工場出荷乃至現場搬入の形態を、配管受け入れ後にバンド締着部位をボルトと締着ナットで締着した状態として行なうものとされており、このようにバンド締着部位のボルトと締着ナットの締着状態の形態としてその工場出荷乃至現場搬入を行なうのは、吊りバンド以外にも立バンド、レベルバンド、床バンド、U字バンド等を含めた各種配管バンドに一般的な形態とされている。
特開2001−108152号公報
この場合、ボルトと締着ナットがボルト締着部位に締着した状態に一体化していることによって、配管バンドによる配管作業に際して締着用のボルトやナットの紛失トラブルを避けることができ、例えば上記吊りバンドにあっては、バンド片、タンバックル、ボルト、締着ナットを現場でセットするような煩雑な作業を必要とすることなく、比較的効率的に配管作業を行なうことが可能となる。しかし乍ら、上記吊りバンドによる配管作業は、例えば締着してある締着ナットを回転操作してボルト軸方向に移動することによってボルトから取り外し、取り外した締着ナットを手持ちした状態で、ヒンジ連結した片側一方のバンド片を開いて開状態とし配管を受け入れて再度一対のバンド片を閉状態とした上、一対のハンド片の締着片を挿通したボルトのボルト軸先端に締着ナットを宛がって螺合し、該締着ナットを更に回転操作することによって再締着するように行なうものとされるところ、締着ナットをボルトから取り外す回転操作が、ボルト軸がある程度の長さを有するために煩雑であること、取り外した締着ナットをボルト軸の先端に宛がって螺合し、その後に回転操作して再締着することが煩雑であるといった問題点が残されており、吊りバンドのように、天井スラブに配管を吊り支持するため上方高所の配管作業にあって、このような煩雑さを可及的に解消する必要がある。その余の上記各種の配管バンドによる配管作業にあっても、その具体的な手順は異なるとしても、いずれもボルトから締着ナットを取り外して、配管受け入れ後にその再締着を行なう作業は共通に必須とされている。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、その解決課題とするところは、配管作業に伴うバンド締着部位におけるボルトからの締着バンド取り外しとその再締着を可及的に簡易になし得るようにすることにより、配管作業を可及的に容易化してその作業性を向上して使い勝手を良好とした締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンドを提供するにある。
上記課題に沿って本発明は、バンド締着部位の締着を行うボルトのボルト軸のネジ部先端にネジ非形成の円形軸部を配置する一方、張出縁部を締着ナットの雌ネジ孔縁部に係合するように締着ナットの雌ネジ孔に嵌合したナットキャップの脚部を上記ボルトの円形軸部と雌ネジ孔間に介装して、ボルトの先端に締着ナットを仮止め保持自在として、円筒軸部においてナットキャップ嵌合状態で締着ナットを引抜くようにボルトからの締着ナットの取り外しをなし得るものとする一方、締着ナットを該円形軸部の先端に宛がった状態でナットキャップを押圧することによってその脚部で上記円形軸部を被嵌して締着ナットを再度仮止め保持の状態とするとともに該締着ナットを円形軸部からボルト軸のネジ部方向に押圧することによってネジ部先端に対する螺合とその後の回転操作によって締着ナットの再締着をなし得るものとして、締着ナット取り外しとその再締着に伴う煩雑な作業を可及的に解消したものであって、即ち請求項1に記載の発明を、配管受け入れ後のバンド締着部位を締着するボルトの先端にナットキャップを介して締着ナットを仮止め保持自在とした配管バンドであって、上記ボルトに、そのボルト軸に締着ナット螺合用のネジ部とその先端側のネジ非形成の円形軸部を配置し、上記ナットキャップに、天板、該天板の面内から片側に突出した脚部及び天板の外周に配置した張出縁部とを配置することによって、ナットキャップの脚部を上記ボルトの円形軸部と締着ナットの雌ネジ孔間に介装し且つ張出縁部を締着ナットの雌ネジ孔縁部に引掛状にして該ナットキャップを締着ボルトに装着して、該締着ボルトの上記仮止め保持を自在としてなることを特徴とする締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンドとしたものである。
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、上記ボルトの円形軸部による締着ナットの仮止め保持、再締着におけるナットキャップの脚部による円形軸部の受入れによる再度の仮止め保持を可及的に確実になし得るものとするように、これを、上記ボルト軸に配置した円形軸部の軸径を、上記ネジ部の外径よりネジ山の高さ分を細径とし且つナットキャップの脚部を該ネジ山の高さに相当する肉厚としてなることを特徴とする請求項1に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンドとしたものである。
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記ナットキャップが締着ナットの雌ネジ孔を密閉することによって、締着ナットの容易な取り外しと再締着に際してナットキャップの脚部による円形軸部の容易な受入れを阻害することなく、該取り外しと再装着を可及的にスムーズになし得るものとするように、これを、上記ナットキャップを、その天板にエア抜き孔を備えて形成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンドとしたものである。
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記ナットキャップを、適当な摩擦抵抗と弾性を備えることによって確実な仮止め保持と再度の仮止め保持を行なうものとするように、これを、上記ナットキャップを、エラストマー、EVA、ウレタンゴム、軟質ナイロン等の軟質系の合成樹脂製としてなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンドとしたものである。
請求項5乃至請求項9に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記配管バンドをそれぞれ好ましい形態のものとして、上記使い勝手を良好とした各締着部位ナット仮止め保持の配管バンドを提供するように、請求項5に記載の発明を、上記配管バンドを、円周方向中間位置でヒンジ連結した対向するバンド片の自由端に形成した締着片をバンド締着部位とし、該締着片によってタンバックルの支持片を挟んで締着ナットで締着するようにした吊りバンドとしてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンドとし、請求項6に記載の発明を、上記配管バンドを、円周方向中間位置でヒンジ連結した対向するバンド片の自由端に形成した締着片をバンド締着部位とし、該締着片によって取付足の支持片を挟んで締着ナットで締着するようにした立バンドとしてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンドとし、請求項7に記載の発明を、上記配管バンドを、上下一対のバンド片の長手方向両側の自由端に形成した締着片をバンド締着部位とし、該締着片によって基板上に起立した一対のボルトに挿通して上下の締着ナットで締着するようにし且つその上位の締着ナットに対して上記ナットキャップを装着したレベルバンドとしてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンドとし、請求項8に記載の発明を、上記配管バンドを、前後一対のバンド片の長手方向両側の自由端に形成した締着片をバンド締着片とし、該締着片を相互に対接して締着するようにした床バンドとしてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンドとし、請求項9に記載の発明を、上記配管バンドを、U字ボルトの各ボルト軸を挿通した基板の下面をバンド締着部位とし、該挿通したボルト軸に基板を挟んで締着ナットで締着するようにしたU字バンドとしてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンドとしたものである。
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
本発明は以上のとおりに構成したから、バンド締着部位の締着を行なうボルトのボルト軸のネジ部先端にネジ非形成の円形軸部を配置する一方、張出縁部を締着ナットの雌ネジ孔縁部に係合するように締着ナットの雌ネジ孔に嵌合したナットキャップの脚部を上記ボルトの円形軸部と雌ネジ孔間に介装して、ボルトの先端に締着ナットを仮止め保持自在として、ボルト軸先端方向にナットキャップ嵌合状態で締着ナットを引抜くようにボルトからの締着ナットの取り外しをなし得るものとする一方、締着ナットを該円形軸部の先端に宛がった状態でナットキャップを押圧することによってその脚部で上記円形軸部を被嵌して締着ナットを再度仮止め保持の状態とするとともに該締着ナットを円形軸部からボルト軸のネジ部方向に押圧することによってネジ部先端に対する螺合とその後の回転操作によって締着ナットの再締着をなし得るものとして、配管作業に伴うバンド締着部位におけるボルトからの締着バンド取り外しとその再締着を可及的に簡易になし得るようにして、配管作業を可及的に容易化してその作業性を向上して使い勝手を良好とした締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンドを提供することができる。
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、上記ボルトの円形軸部による締着ナットの仮止め保持、再締着におけるナットキャップの脚部による円形軸部の受入れによる再度の仮止め保持を可及的に確実になし得るものとすることができる。
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記ナットキャップが締着ナットの雌ネジ孔を密閉することによって、締着ナットの容易な取り外しと再締着に際してナットキャップの脚部による円形軸部の容易な受入れを阻害することなく、該取り外しと再装着を可及的にスムーズになし得るものとすることができる。
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記ナットキャップを、適当な摩擦抵抗と弾性を備えることによって確実な仮止め保持と再度の仮止め保持を行なうものとすることができる。
請求項5乃至請求項9に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記配管バンドをそれぞれ好ましい形態のものとして、上記使い勝手を良好とした各締着部位ナット仮止め保持の配管バンドを提供することができる。
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば、Aは、本例にあって、円周方向中間位置でヒンジ12連結した対向するバンド片1の自由端に形成した締着片11をバンド締着部位とし、該締着片11によってタンバックル2の支持片22を挟んでボルト3と締着ナット4で締着するようにした吊りバンドとした配管バンドであり、該配管バンドAは、配管6受け入れ後のバンド締着部位を締着するボルト3の先端にナットキャップ5を介して締着ナット4を仮止め保持自在としてあり、このとき上記ボルト3に、そのボルト軸に締着ナット4螺合用のネジ部31とその先端側のネジ非形成の円形軸部32を配置し、上記ナットキャップ5に、天板51、該天板51の面内から片側に突出した脚部54及び天板51の外周に配置した張出縁部52とを配置することによって、ナットキャップ5の脚部54を上記ボルト3の円形軸部32と締着ナット4の雌ネジ孔間に介装し且つ張出縁部52を締着ナット4の雌ネジ孔縁部に引掛状にして該ナットキャップ5を締着ボルト4に装着して、該締着ボルト4の上記仮止め保持自在としてある。
本例の配管バンドAは、吊りバンドとして、円周方向中間位置でヒンジ連結した一対のバンド片1と、該バンド片1の自由端に配置した各締着片11と、該締着片11を天井スラブからの吊ボルトに吊支持するタンバックル2と、上記一対のバンド片1に配管6を受け入れた後に上記締着片11をタンバックル2に下向きに配置した支持片22を挟んで一体的に締着するボルト3と締着ナット4とを備えて、該締着片11をバンド締着部位としたものとしてあり、本例の配管バンドAにあっては、更にボルト3を挿通した側の一方の締着片11の内側、即ち他方の締着片11との対向面側にボルト3を挿通した後に該ボルト3の抜止めを行なうように、ボルト軸の軸径に合せて、これより僅かに径小とした透孔を有する、例えば合成樹脂シートによる抜止め部材23を配置し、その透孔に各ボルト3を挿通することによって、締着片11の内側においてボルト3を保持し、締着ナット4の取り外しに際して、ボルト3を手押さえしなくても該ボルト3が締着片11から抜け落ちて、タンバックル2からバンド片1が落下するようなことのないようにしてある。
本例の一対のバンド片1は、各バンド片1を半円とするように円周方向下端において該バンド片1に加工設置したヒンジ12によって連結してあり、各バンド片1は、その自由端、即ち上側に該バンド片1を垂直に立ち上げるように起立片とした締着片11を配置するとともに該締着片11は、その面内に上記ボルト3をそれぞれ受入れる透孔を透設したものとしてある。一方、タンバックル2は、上端に上記吊ボルトの下端に螺合する水平ナット21と、該水平ナット21を回転自在に保持して、上記締着片11の透孔の位置に応じて透孔を透設した垂下片22を配置したものとしてある。
本例のボルト3は、例えばM6×20の六角ボルトを用いるものとしてあり、そのボルト軸を、ボルト頭側のネジ部31と、該ネジ部31の先端の円形軸部32とを備えたものとしてあり、本例にあって該円形軸部32は、その軸径を、上記ネジ部31の外径よりネジ山の高さ分を細径としたものとしてある。
即ち該ボルト3は、そのボルト軸の長さを上記六角ボルト表示長さ20mmに応じて2cmとする一方、その長手方向ボルト頭側の1.5cm弱部分にネジ部31として雄ネジを形成し、その残余長さの0.5cm強部分を先端の円形軸部32としてあり、このとき該円形軸部32は、その外径を、上記雄ネジの1mmのネジ山を外周から除いた、例えば0.5cm程度(正確には4.6mm)としてあり、また本例の円形軸部32は、該外径と、その縮小した先端面の、例えば0.4cmの外径との間を湾曲面で連結するようにして先端に1mm程度長さの先細り状とした上記ナットキャップ5の脚部54に対する嵌合ガイド33を配置したものとしてある。
本例の締着ナット4は、上記六角ボルト用のM6の六角ナットを用いるものとしてあり、その側面高さを0.5cm、外径を1cm強、雌ネジ孔の内径を上記雄ネジに合せた0.5cm弱としてあり、これによって上記ボルト軸先端の円形軸部32に遊嵌し且つボルト軸のネジ部31に対して螺合することにより、上記締着部位における締着を行うようにしてある。
ナットキャップ5は、上記天板51と、その下面に一体に配置した脚部54と、天板51の外周を張出した張出縁部52とを備えて、例えばエラストマー、EVA、ウレタンゴム、軟質ナイロン等の軟質系の合成樹脂製、例えばEVAによる成形部材としてあり、このとき本例のナットキャップ5は、これを、その天板51にエア抜き孔53を備えて形成したものとしてあり、本例にあってその脚部54は、これを断面円形の円筒形としてある。
即ちナットキャップ5は、天板51の外径を上記雌ネジ孔の内径に略合せた5cm強とし、張出縁部52の外径を7cm強、例えば7.2cmとする一方、脚部54の外径を、天板51と略同径の5cm強、該脚部54の天板51下面からの突出高さを3.5cm程度としたものとしてあり、従って該ナットキャップ5の脚部54を、締着ナット4の雌ネジ孔に嵌合した際、ナットキャップ5の張出縁部52が該締着ナット4の雌ネジ孔の外周縁部に対接し且つ雌ネジ孔に0.5mm程度の高さを残してその嵌合を行うようにしてある。
このとき該ナットキャップ5の天板51及び張出縁部52は同肉厚の0.5mm程度とする一方、ナットキャップ5の、上記円筒形とした脚部54は、これを上記ボルト軸に形成したネジ部31、即ち雄ネジのネジ山の高さに相当する肉厚としてあり、本例にあってネジ山高さを上記1mmとしたことから、該脚部54の肉厚は、これを、その1/2の0.5mmより僅かに薄肉化した、例えば0.数mm程度薄肉の0.4mm乃至0.4mm弱をその設定肉厚としてある。
これによって本例の脚部54は、その外径を、上記ボルト軸のネジ部31の外径、即ち締着ナット4の雌ネジ孔の内径6mmより径小とし、その内径を、円形軸部32の外径0.5cm弱より僅かに径大とするようにして、締着ナット4の雌ネジ孔に対して嵌合し且つボルト軸の円形軸部32に対して被嵌する円筒形をなすものとのとしてある。
ナットキャップ5のエア抜き孔53は、例えば天板51の中央位置に該天板51を貫通するように透設した透孔によるものとしてあり、その内径は、これを1〜3mm程度の天板51内に納まり且つ脚部54内部にエア圧が加わったときにそのエアを排出することによって、脚部54内部のエア圧の上昇を回避するものとしてあり、本例にあって該エア抜き孔53は、天板51中央位置の1mm程度の円形孔によるものとしてある。
このように形成したナットキャップ5は、締着ナット4の雌ネジ孔に脚部54を嵌合するように該締着ナット4に装着し、締着ナット4の雌ネジ孔の外周縁部に張出縁部52が対接した状態で、その天板51を指で押さえて、開放した側の雌ネジ孔にボルト軸の円形軸部32を受け入れるように、ボルト軸側に締着ナット4を押圧することによって、該ボルト軸の円形軸部32を該ナットキャップ5の脚部54で被嵌するように装着すれば、ボルト3に対する締着ナット4の仮止め保持を行うことができる。そして、該締着ナット4の仮止め保持の状態で、ナットキャップ5の天板51を押えることなく、締着ナット4を指先でボルト頭34方向に押圧すれば、締着ナット4はナットキャップ5を円形軸部32に残して移動して、ボルト軸のネジ部31に至るから、該締着ナット4を螺合方向に指先で回転操作すれば、仮止め保持の状態から直接にボルト3のネジ部31に螺合進行してその締着をなし得る一方、締着を解除するときは、締着ナット4を螺合解除の逆方向に指先で回転操作すれば、締着ナット4はネジ部31から円形軸部32に被嵌したナットキャップ5の脚部54に至るとともに該脚部54が締着ナット4の雌ネジ孔に嵌合するに至るから、該締着ナット4を円筒軸部32から引き抜くようにすれば、該締着ナット4はナットキャップ5を嵌合した状態でボルト3から取り外すことができる。即ち、本例にあって、ナットキャップ5の脚部54を、ネジ部31のネジ山の高さに相当する肉厚として、該脚部54が、円形軸部32に内接し且つ雌ネジ孔に外接する形態としつつも、上記仮止め保持乃至再度の仮止め保持を可能としたのは、ナットキャップ5の材質を上記適当な摩擦抵抗と弾性を備えるものとしたこと乃至該脚部54の形状を捲れの生じ難い上記円筒形としたことが、円形軸部32に嵌合ガイド33を配置したことと相俟って有効に作用するためと見られる。
上記吊りバンドとした配管バンドAにあっては、一般に、その自由端に形成した締着部位をなす締着片11のボルト3の円筒軸部32に締着ナット4を仮止め保持するか、該締着ナット4を更にネジ部31に螺装して締着した上、タンバックル2を一対のバンド片1の円周内に収納するようにした工場出荷形態乃至現場搬入形態とするところ、該配管バンドAを用いた配管作業は、タンバックル2をバンド片1の円周内から外側に起立し、その仮止め保持の状態で、締着ナット4を円筒軸部32から引き抜いて、締着ナット4をボルト3から取り外し、締着片11をボルト3から抜けば、片側一方のバンド片1を開放して配管6の受け入れが可能となり、配管6受け入れ後に該片側一方のバンド片1を閉鎖し、その締着片11の透孔にボルト3を挿通し、ボルト3の先端に締着ナット4を装着して再度仮止め保持状態とした上、締着ナット4をボルト頭34方向に押圧してそのネジ部31に螺合するようにすれば、その締着部位における締着を行うことができる。
このとき本例の配管バンドAは、上記ボルトの抜止め部材23を配置したから、該抜止め部材23がボルト3を常時保持する結果、締着ナット4の仮止め保持状態で、該ボルト4が締着片11の透孔内でその長手方向に揺動するのを可及的に防止でき、従って、上記仮止め保持の状態を工場出荷形態としても、例えば輸送時の振動によって締着ナット4にその抜け方向の外力が作用するのを防止できるとともに、配管作業にあっては、ボルト3から締着ナット4を取り外しても、該ボルト3が抜け落ちて、バンド片1がタンバックル2から落下するような可能性を解消できる。このため配管作業における締着ナット4の取り外しに際しては、該締着ナット4を手持ちすれば、ボルト3の手押さえが不要となるから、配管6のバンド片1受け入れを容易に行うことができ、作業性を極めて良好とすることができる。
図示した例は以上のとおりとしたが、上記の吊りバンド以外の配管バンドにあっても同様にボルト軸に円形軸部を形成し、該円形軸部にナットキャップを装着した締着ナットを仮止め保持するようにして、同じく作業性を向上することが可能である。即ち、上記配管バンドを、円周方向中間位置でヒンジ連結した対向するバンド片の自由端に形成した締着片をバンド締着部位とし、該締着片によって取付足の支持片を挟んで締着ナットで締着するようにした立バンドとすること、上記配管バンドを、上下一対のバンド片の長手方向両側の自由端に形成した締着片をバンド締着部位とし、該締着片によって基板上に起立した一対のボルトに挿通して上下の締着ナットで締着するようにし且つその上位の締着ナットに対して上記ナットキャップを装着したレベルバンドとすること、上記配管バンドを、前後一対のバンド片の長手方向両側の自由端に形成した締着片をバンド締着片とし、該締着片を相互に対接して締着するようにした床バンドとすること、更に、上記配管バンドを、U字ボルトの各ボルト軸を挿通した基板の下面をバンド締着部位とし、該挿通したボルト軸に基板を挟んで締着ナットで締着するようにしたU字バンドとすることが可能であり、いずれも上記吊りバンドと同様にその締着ナットの仮止め保持を行って、それぞれ締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンドとすることができる。
また上記円形軸部の長さを締着ナットの側面高さより僅かに、例えば上記例のように該円形軸部を0.5cm強程度とし、ナット側面高さより1〜2mm程度長いものとすれば、締着ナットの僅かな幅の押圧によってネジ部への移動とこれに対する螺合が可能となるから、該円形軸部の長さは、一般にこの程度で足りるが、円形軸部の長さを更に長くすることも可能であり、この場合、締着に必要なネジ部の長さを確保できれば、締着ナット押圧による移動の幅が長くなるのみで、特段の問題を生じることはない。
更に、締着ナットに蝶ナットを用いること、ナットキャップの脚部を、例えば円形軸部の被嵌に際してその開きを促進して、該円形軸部の被嵌を容易化する如くに、脚部の円周方向にこれを複数区分するようにスリットを配置すること、この場合、必要に応じてナットキャップを半硬質樹脂等のものとすること等を含めて、本発明の実施に当って、配管バンド、ボルトの円形軸部、ナットキャップ、締着ボルトの形状、構造、材質、これらの関係、これらに対する付加等は、上記発明の要旨に反しない限り、様々な形態のものとすることができる。
吊りバンドの分解斜視図である。 吊りバンドの出荷状態を示す正面図である。 ボルト、ナットキャップ、締着ナットの関係を示す分解図である。 図1の締着部位の部分拡大図である。 ボルトの円形軸部への締着ナット仮止め保持状態を示す部分拡大正面図である。 ナットキャップの拡大断面図である。
符号の説明
A 配管バンド
1 バンド片
11 締着片
12 ヒンジ
2 タンバックル
21 水平ナット
22 支持片
23 抜止め部材
3 ボルト
31 ネジ部
32 円形軸部
33 嵌合ガイド
34 ボルト頭
4 締着ナット
5 ナットキャップ
51 天板
52 張出縁部
53 エア抜き孔
54 脚部
6 配管

Claims (9)

  1. 配管受け入れ後のバンド締着部位を締着するボルトの先端にナットキャップを介して締着ナットを仮止め保持自在とした配管バンドであって、上記ボルトに、そのボルト軸に締着ナット螺合用のネジ部とその先端側のネジ非形成の円形軸部を配置し、上記ナットキャップに、天板、該天板の面内から片側に突出した脚部及び天板の外周に配置した張出縁部とを配置することによって、ナットキャップの脚部を上記ボルトの円形軸部と締着ナットの雌ネジ孔間に介装し且つ張出縁部を締着ナットの雌ネジ孔縁部に引掛状にして該ナットキャップを締着ボルトに装着して、該締着ボルトの上記仮止め保持を自在としてなることを特徴とする締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンド。
  2. 上記ボルト軸に配置した円形軸部の軸径を、上記ネジ部の外径よりネジ山の高さ分を細径とし且つナットキャップの脚部を該ネジ山の高さに相当する肉厚としてなることを特徴とする請求項1に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンド。
  3. 上記ナットキャップを、その天板にエア抜き孔を備えて形成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンド。
  4. 上記ナットキャップを、エラストマー、EVA、ウレタンゴム、軟質ナイロン等の軟質系の合成樹脂製としてなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンド。
  5. 上記配管バンドを、円周方向中間位置でヒンジ連結した対向するバンド片の自由端に形成した締着片をバンド締着部位とし、該締着片によってタンバックルの支持片を挟んで締着ナットで締着するようにした吊りバンドとしてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンド。
  6. 上記配管バンドを、円周方向中間位置でヒンジ連結した対向するバンド片の自由端に形成した締着片をバンド締着部位とし、該締着片によって取付足の支持片を挟んで締着ナットで締着するようにした立バンドとしてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンド。
  7. 上記配管バンドを、上下一対のバンド片の長手方向両側の自由端に形成した締着片をバンド締着部位とし、該締着片によって基板上に起立した一対のボルトに挿通して上下の締着ナットで締着するようにし且つその上位の締着ナットに対して上記ナットキャップを装着したレベルバンドとしてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンド。
  8. 上記配管バンドを、前後一対のバンド片の長手方向両側の自由端に形成した締着片をバンド締着片とし、該締着片を相互に対接して締着するようにした床バンドとしてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンド。
  9. 上記配管バンドを、U字ボルトの各ボルト軸を挿通した基板の下面をバンド締着部位とし、該挿通したボルト軸に基板を挟んで締着ナットで締着するようにしたU字バンドとしてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の締着部位ナット仮止め保持自在の配管バンド。

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