JP2010133433A - ねじ部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転工具に担持された状態で締結させる部材のねじ穴又は患者の口腔外まで確実に移送することができるねじ部材を提供する。
【解決手段】雄ねじ部2が設けられているねじ部材1の頭部3に、回転工具9先端部のテーパー状をなし外周面に係合用凸部11が設けられている係合部10の係合用凸部11と係合するように内周面に係合用凹部5を有し奥部に段部6を有する穴部4が設けられているねじ部材1を、穴部4の内周面がねじ部材1の中心軸線7と平行な断面において、ねじ部材1の頭部3から奥部及び段部6から奥部に行くに従ってねじ部材1の中心軸線7と平行か又は接近しており、且つ回転工具9の係合用凸部11と係合する係合用凹部5の係合部位8a,8bが、ねじ部材1の頭部3との成す角度及び段部6との成す角度が90±5度のエッジ状を成す構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転工具(ドライバ)により締め付けられるねじ部材であって、特に歯科分野においてインプラント治療に好適に使用されるねじ部材に関するものである。
例えば、歯科分野でのインプラント治療においては多くのねじ部材が使用されている。具体的には、2回法と称されているインプラント治療の場合において説明すると、一次手術においてインプラントフィクスチャー埋入後にインプラントフィクスチャーと骨とのオッセオインテグレーション(骨結合)が完了するまでの間インプラントフィクスチャーに暫定的に締結されてインプラントフィクスチャーの口腔内側を保護するカバースクリュー、二次手術において歯肉を開いて露出させたインプラントの口腔内側に暫定的に締結されて歯肉形成を促進するヒーリングアバットメント、二次手術完了後に歯科用補綴物を作製するための印象採得時に印象用コーピングをインプラントフィクスチャーに締結するために使用するガイドピン、インプラントフィクスチャーにアバットメントを締結するためのアバットメントスクリュー、歯科用補綴物を固定する基台となるゴールドシリンダーをアバットメントに締結するゴールドスクリュー、歯科技工士が歯科用補綴物を作製する際に歯科用補綴物を固定する基台となるゴールドシリンダーをアバットメントに締結するろう着用スクリュー等が挙げられる。
これらのねじ部材は、頭部に設けられた係合部に係合する回転工具によって、インプラントフィクスチャーのような部材のねじ穴に締結されるのであるが、この作業は一般に患者の口腔内で行われることから、ねじ穴の中心軸とねじ部材の中心軸とを完全に一致させた状態で締付け作業を行うことが必要であり、そのためにはねじ部材の中心軸がねじ穴の中心軸と完全に一致する位置まで移送させることが必要である。
しかしながら、インプラント治療では一般に衛生面から直接ねじ部材を手に持つことができないため、ねじ部材を回転工具に担持させた状態で締結させる部材のねじ穴まで移送して締め付けを行うことになるが、その移送の際に患者の口腔内でねじ部材を落下させてしまう等の問題が生じる。
また、これらのねじ部材は一度締結した後に締結を解除して取り外す必要がある場合が多いが、この場合に締結を解除したねじ部材は回転工具に担持された状態で口腔外に簡単に移送されることが必要である。
このようなインプラント治療における問題に対して、テーパー状となっている回転工具の先端部をねじ部材の頭部に設けられている穴部に差し込んだ際に穴部の頭部側端縁に生じる楔作用によって、ねじ部材を回転工具に担持させる能力の向上を図ろうとする技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、ねじ部材を回転工具に担持させるべく回転工具の先端部をねじ部材の頭部に設けられている穴部に強い力で差し込むことによって、ねじ部材の頭部に設けられている穴部の頭部側端縁の係合部位が削れた場合に、ねじ部材と回転工具との間には楔作用が生じなくなるため、ねじ部材を回転工具に担持させた状態で移送させることができなくなるのである。特に、カバースクリューのように一度締結した後に締結を解除して取り外す必要があるねじ部材の場合には、回転工具の先端部がねじ部材の頭部に設けられている穴部に少なくとも2回以上強い力で差し込まれるため、ねじ部材の頭部に設けられている穴部の頭部側端縁の係合部位が削れてねじ部材を回転工具に担持させた状態で移送させることができなくなる可能性が高い。
特表2001−500768号
そこで本発明は、回転工具の先端部をねじ部材の頭部に設けられている穴部に強い力で差し込んだ場合であっても、回転工具に担持させた状態で締結させる部材のねじ穴まで移送して締め付けを行うことができ、一度締結した後に締結を解除して取り外すために回転工具の先端部をねじ部材の頭部に設けられている穴部に少なくとも2回以上強い力で差し込んだ場合であっても締結を解除したねじ部材を回転工具に担持させた状態で移送させることができるねじ部材を提供することを課題とする。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、雄ねじ部が設けられているねじ部材の頭部に、回転工具先端部のテーパー状をなし外周面に係合用凸部が設けられている係合部の係合用凸部と係合するように内周面に係合用凹部を有し奥部に段部を有する穴部が設けられているねじ部材を、該穴部の内周面がねじ部材の中心軸線と平行な断面において、該ねじ部材の頭部から奥部に行くに従って該ねじ部材の中心軸線と平行か又は該ねじ部材の中心軸線に接近していると共に、該ねじ部材の段部から奥部に行くに従っても該ねじ部材の中心軸線と平行か又は該ねじ部材の中心軸線に接近しており、且つ該回転工具の係合用凸部と同時に係合する係合用凹部の係合部位が、該ねじ部材の頭部との成す角度が90±5度のエッジ状を成し、且つ該段部との成す角度が90±5度のエッジ状を成す構成とすれば、
回転工具の先端部をねじ部材の頭部に設けられている穴部に強い力で差し込んだ場合であっても、回転工具先端部のテーパー状をなし外周面に係合用凸部が設けられている係合部の係合用凸部が、ねじ部材の頭部に設けられている穴部の頭部側端縁に形成されている係合用凹部の係合部位及びねじ部材の頭部に設けられている穴部の奥部に設けられている段部の端縁に形成されている係合用凹部の係合部位でそれぞれ同時に係合するため、これらの係合部位が削れることなくねじ部材と回転工具との間に楔作用が生じて、ねじ部材は回転工具に確実に担持された状態で締結させる部材のねじ穴まで移送して締め付けを行うことができるばかりでなく、一度締結した後に締結を解除して取り外す必要があるねじ部材のように回転工具の先端部がねじ部材の頭部に設けられている穴部に少なくとも2回以上強い力で差し込まれても、ねじ部材の頭部に設けられている穴部の係合部位が削れてねじ部材を回転工具に担持させた状態で移送させることができなくなることがないことを究明して本発明を完成したのである。
即ち本発明は、雄ねじ部が設けられているねじ部材の頭部に、回転工具先端部のテーパー状をなし外周面に係合用凸部が設けられている係合部の係合用凸部と係合するように内周面に係合用凹部を有し奥部に段部を有する穴部が設けられているねじ部材であって、該穴部の内周面がねじ部材の中心軸線と平行な断面において、該ねじ部材の頭部から奥部に行くに従って該ねじ部材の中心軸線と平行か又は該ねじ部材の中心軸線に接近していると共に、該ねじ部材の段部から奥部に行くに従っても該ねじ部材の中心軸線と平行か又は該ねじ部材の中心軸線に接近しており、且つ該回転工具の係合用凸部と同時に係合する係合用凹部の係合部位が、該ねじ部材の頭部との成す角度が90±5度のエッジ状を成し、且つ該段部との成す角度が90±5度のエッジ状を成していることを特徴とするねじ部材である。
また、ねじ部材の頭部に設けられている穴部の奥部を回転工具の係合用凸部と同時に係合する係合用凹部の係合部位を有する2段以上の段部から構成させれば、より確実にねじ部材は回転工具に担持された状態で締結させる部材のねじ穴まで移送して締め付けを行うことができるばかりでなく、一度締結した後に締結を解除して取り外す必要があるねじ部材のように回転工具の先端部がねじ部材の頭部に設けられている穴部に少なくとも2回以上強い力で差し込まれても、ねじ部材の頭部に設けられている穴部の係合部位が削れてねじ部材を回転工具に担持させた状態で移送させることができなくなるという現象がより生じ難いので好ましいのである。
本発明に係るねじ部材は、雄ねじ部が設けられているねじ部材の頭部に、回転工具先端部のテーパー状をなし外周面に係合用凸部が設けられている係合部の係合用凸部と係合するように内周面に係合用凹部を有し奥部に段部を有する穴部が設けられているねじ部材であって、該穴部の内周面がねじ部材の中心軸線と平行な断面において、該ねじ部材の頭部から奥部に行くに従って該ねじ部材の中心軸線と平行か又は該ねじ部材の中心軸線に接近していると共に、該ねじ部材の段部から奥部に行くに従っても該ねじ部材の中心軸線と平行か又は該ねじ部材の中心軸線に接近しており、且つ該回転工具の係合用凸部と同時に係合する係合用凹部の係合部位が、該ねじ部材の頭部との成す角度が90±5度のエッジ状を成し、且つ該段部との成す角度が90±5度のエッジ状を成すから、回転工具の先端部をねじ部材の頭部に設けられている穴部に強い力で差し込んだ場合であっても、回転工具先端部のテーパー状をなし外周面に係合用凸部が設けられている係合部の係合用凸部が、ねじ部材の頭部に設けられている穴部の頭部側端縁に形成されている係合用凹部の係合部位及びねじ部材の頭部に設けられている穴部の奥部に設けられている段部の端縁に形成されている係合用凹部の係合部位に同時に係合するため、これらの係合部位が削れることなくねじ部材と回転工具との間に楔作用が生じることによって、ねじ部材は回転工具に確実に担持された状態で締結させる部材のねじ穴まで移送して締め付けを行うことができるのである。また、一度締結した後に締結を解除して取り外す必要があるねじ部材のように回転工具の先端部がねじ部材の頭部に設けられている穴部に少なくとも2回以上強い力で差し込まれる場合が生じても、回転工具先端部のテーパー状をなし外周面に係合用凸部が設けられている係合部の係合用凸部が、ねじ部材の頭部に設けられている穴部の頭部側端縁に形成されている係合用凹部の係合部位及びねじ部材の頭部に設けられている穴部の奥部に設けられている段部の端縁に形成されている係合用凹部の係合部位に同時に係合するため、ねじ部材の頭部に設けられている穴部の係合部位が削れてねじ部材を回転工具に担持させた状態で移送させることができなくなることがないのである。
また、ねじ部材の頭部に設けられている穴部の奥部が回転工具の係合用凸部と同時に係合する係合用凹部の係合部位を有する2段以上の段部から構成されている態様では、より確実にねじ部材は回転工具に担持された状態で締結させる部材のねじ穴まで移送して締め付けを行うことができるばかりでなく、一度締結した後に締結を解除して取り外す必要があるねじ部材のように回転工具の先端部がねじ部材の頭部に設けられている穴部に少なくとも2回以上差し込まれても、ねじ部材の頭部に設けられている穴部の係合部位が削れてねじ部材を回転工具に担持させた状態で移送させることができなくなるという現象がより生じ難いので好ましいのである。
以下、図面を用いて本発明に係るねじ部材の実施例について詳細に説明する。
図1は本発明に係るねじ部材が、ねじ部材の頭部に設けられた穴部の頭部側端縁の係合用凹部の係合部位及び穴部の奥部に設けられている段部の端縁の係合用凹部の係合部位で回転工具と係合している状態を示す断面図、図2は本発明に係るねじ部材の一実施例を示す斜視図、図3は本発明に係るねじ部材と係合する回転工具の一実施例を示す斜視図である。
図面中、1は本発明に係るねじ部材であり、雄ねじ部2と頭部3とを有する。このねじ部材1としては、例えば歯科分野においてインプラント治療を行う際に使用されるカバースクリューや、ヒーリングアバットメントや、印象用コーピングをインプラントフィクスチャーに締結するために使用するガイドピンや、インプラントフィクスチャーにアバットメントを締結するためのアバットメントスクリューや、歯科用補綴物を固定する基台となるゴールドシリンダーをアバットメントに締結するゴールドスクリューや、歯科技工士が歯科用補綴物を作製する際に歯科用補綴物を固定する基台となるゴールドシリンダーをアバットメントに締結するろう着用スクリュー等を挙げることができ、このようなねじ部材1は生体親和性の点から一般にチタン又はチタン合金等の材料から構成される。
雄ねじ部2は、ねじ部材1が締結される部材のねじ穴に螺入されることによって、ねじ部材1をねじ部材1が締結される部材に締結する役割を果たす。例えば、ねじ部材1がカバースクリューの場合には、雄ねじ部2がインプラントフィクスチャーの口腔内側に設けられたねじ穴に螺入されることによって、ねじ部材1であるカバースクリューはインプラントフィクスチャーの口腔内側に締結される。
頭部3には、図3に示されているような先端部がテーパー状であり且つ外周面に係合用凸部11が設けられている係合部10を有する回転工具9を差し込むことができるように穴部4が設けられている。
この穴部4は、図2に示されているように回転工具9の係合用凸部11と係合するように係合用凹部5を内周面に有していると共に、段部6が奥部に設けられている。また、穴部4の内周面は、ねじ部材1の中心軸線7と平行な断面において、奥部に行くに従ってねじ部材1の中心軸線7と平行か僅かに接近している。更に、係合用凹部5には、頭部3との成す角が90±5度のエッジ状を成す係合部位8aと、段部6との成す角が90±5度のエッジ状を成す係合部位8bとが設けられている。穴部4をこのような構成とすることによって、回転工具9の係合用凸部11が係合部位8a及び8bに同時に係合してねじ部材1と回転工具9との間に楔作用が生じることから、回転工具9の先端部を穴部4に強い力で差し込んだ場合であっても、これらの係合部位8a及び8bは削れることはなく、ねじ部材1は回転工具9に確実に担持された状態で締結させる部材のねじ穴まで移送して締め付けを行うことができるのである。また、このような構成を有する穴部4では回転工具9の係合用凸部11は係合用凹部5の係合部位8a及び8bで同時に係合することから、ねじ部材1を締結される部材のねじ穴に締結する際に生じる回転工具9のトルクに対しても係合用凹部5のねじ部材1の中心軸線7と垂直な断面における形状が変形することがないため、ねじ部材1と回転工具9との間に生じる楔作用が損なわれることはないのである。更に、穴部4の奥部に回転工具9の係合用凸部11と同時に係合する係合用凹部5の係合部位を有する段部6を2段以上設けて回転工具9との係合部位を穴部4の奥部方向に3部位以上とする構成とすれば、より確実にねじ部材1は回転工具9に担持された状態で締結される部材のねじ穴まで移送して締め付けることができて好ましいのである。また上記説明はねじ部材1を締結される部材に締結する場合について行ったが、一度締結した後に締結を解除して取り外す必要があるねじ部材1の場合には、回転工具9の先端部がねじ部材1の頭部3に設けられている穴部4に少なくとも2回以上強い力で差し込まれることになるが、回転工具9の係合用凸部11が係合部位8a及び8bに同時に係合してねじ部材1と回転工具9との間に楔作用が生じることから、回転工具9の先端部を穴部4に強い力で差し込んだ場合であっても、これらの係合部位8a及び8bは削れることはなく締結を解除したねじ部材1を回転工具9に担持させた状態で移送させることができるのである。また、穴部4のねじ部材1の中心軸線7と垂直な断面における形状は、係合用凹部5を有するものであれば特に制限はなく、六角形状や八角形状等の多角形状のものとすることもできる。
本発明に係るねじ部材が、ねじ部材の頭部に設けられた穴部の頭部側端縁の係合用凹部の係合部位及び穴部の奥部に設けられている段部の端縁の係合用凹部の係合部位で回転工具と係合している状態を示す断面図である。 本発明に係るねじ部材の一実施例を示す斜視図である。 本発明に係るねじ部材と係合する回転工具の一実施例を示す斜視図である。
符号の説明
1 ねじ部材
2 雄ねじ部
3 頭部
4 穴部
5 係合用凹部
6 段部
7 中心軸線
8a,8b 係合用部位
9 回転工具
10 係合部
11 係合用凸部

Claims (2)

  1. 雄ねじ部(2)が設けられているねじ部材(1)の頭部(3)に、回転工具(ドライバ)(9)先端部のテーパー状をなし外周面に係合用凸部(11)が設けられている係合部(10)の係合用凸部(11)と係合するように内周面に係合用凹部(5)を有し奥部に段部(6)を有する穴部(4)が設けられているねじ部材(1)であって、
    該穴部(4)の内周面がねじ部材(1)の中心軸線と平行な断面において、該ねじ部材(1)の頭部(3)から奥部に行くに従って該ねじ部材(1)の中心軸線(7)と平行か又は該ねじ部材(1)の中心軸線(7)に接近していると共に、該ねじ部材(1)の段部(6)から奥部に行くに従っても該ねじ部材(1)の中心軸線(7)と平行か又は該ねじ部材(1)の中心軸線(7)に接近しており、且つ該回転工具(9)の係合用凸部(11)と同時に係合する係合用凹部(5)の係合部位(8a,8b)が、該ねじ部材(1)の頭部(3)との成す角度が90±5度のエッジ状を成し、且つ該段部(6)との成す角度が90±5度のエッジ状を成していることを特徴とするねじ部材(1)。
  2. ねじ部材(1)の頭部(3)に設けられている穴部(4)の奥部に、回転工具(9)の係合用凸部(11)と同時に係合する係合用凹部(5)の係合部位を有する2段以上の段部(6)が設けられている請求項1に記載のねじ部材(1)。
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