JP2010133350A - 形状記憶合金を含むアクチュエータを用いた制御装置、制御方法およびレンズ駆動装置 - Google Patents

形状記憶合金を含むアクチュエータを用いた制御装置、制御方法およびレンズ駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】形状記憶合金(SMA)のヒステリシス特性に起因する応答遅れをキャンセルして、高速な応答を得ること。
【解決手段】形状記憶合金(444)を含むアクチュエータ(44)で可動部材(42)の位置をフィードバック制御する制御装置(100)は、可動部材(42)の位置を検出して、現在の検出位置を表す検出信号を出力する位置検出器(110)と、この検出信号で表された現在の検出位置と目標位置との間の偏差を演算する偏差演算器(120)と、偏差に基いて制御値を求める制御値演算器(134)と、制御値に基いて操作量である電圧を形状記憶合金(444)に印加する操作部(140)と、制御値と偏差とに基いて、形状記憶合金(444)のヒステリシス特性に起因する応答遅れをキャンセルするように、制御値演算器(134)の動作を制御する演算器制御器(138)と、を備える。
【選択図】 図13

Description

本発明は、形状記憶合金を含むアクチュエータを用いた制御装置および制御方法に関する。
この技術分野において周知のように、形状記憶合金(Shape Memory Alloy:SMA)とは、ある相(母相)で形成された合金が他の相にあるときに変形をうけても、母相にもどすと形状も再び元にもどる性質、つまり形状記憶効果(shape-memory effect)をもつ合金のことをいう。すなわち、形状記憶合金は、熱弾性マルテンサイト変態の逆変態に付随して顕著な形状記憶効果を示す。そのような形状記憶合金として、TiNi合金が知られている。
このような形状記憶合金(SMA)は、温度に対する形状変化にヒステリシス特性を持つことが知られている。すなわち、形状記憶合金(SMA)は、温度によって、「マルテンサイト相」と「オーステナイト相」との2つの相に変態し、その形状が変化する。形状記憶合金(SMA)では、それぞれの相に変態する温度が異なり、一般に以下のように呼ばれている。尚、オーステナイト相からマルテンサイト相への変態は「マルテンサイト変態」と呼ばれている。
Ms点は、SMAが放熱(冷却)し、オーステナイト相(母相)からマルテンサイト相に変化し始める温度である。Ms点は「マルテンサイト変態開始温度」或いは単に「変態開始温度」と呼ばれている。
Mf点とは、SMAがオーステナイト相(母相)から完全にマルテンサイト相に変化し終わる温度である。Mf点は「マルテンサイト変態完了温度」或いは単に「変態完了温度」と呼ばれている。尚、「マルテンサイト変態完了温度」および「変態完了温度」は、それぞれ、「マルテンサイト変態終了温度」および「変態終了温度」とも呼ばれる。ここで、Mf<Msである。
As点とは、SMAが加熱し、マルテンサイト相からオーステナイト相(母相)に変化し始める温度である。As点は「オーステナイト変態開始温度」或いは「逆変態開始温度」と呼ばれている。
Af点とは、SMAがマルテンサイト相から完全にオーステナイト相(母相)に変化し終わる温度である。Af点は「オーステナイト変態完了温度」或いは「逆変態完了温度」と呼ばれている。尚、「オーステナイト変態完了温度」および「逆変態完了温度」は、それぞれ、「オーステナイト変態終了温度」および「逆変態終了温度」とも呼ばれる。ここで、As<Afである。
すなわち、マルテンサイト変態は、Ms点で始まり、Mf点で完了して、母相(オーステナイト相)がすべてマルテンサイト相になる。マルテンサイト相から母相への逆変態は、As点で始まり、Af点で終了して、すべてが母相(オーステナイト相)になる。
特に、冷却方向の変態開始温度(Ms点)と加熱方向の逆変態完了温度(Af点)との間に差(Ms−Af)が生じることから、SMAはヒステリシス特性を示す。
このようなSMAのヒステリシス特性について、形状記憶合金(SMA)で形成したSMAコイルバネの場合を例に挙げて説明する。
図1は、SMAコイルバネのSMA温度とSMAバネ定数との関係を示した図である。図1において、横軸はSMA温度[℃]を示し、縦軸はSMAバネ定数[N/m]を示す。
SMAコイルバネに電流を流すなどしてSMAコイルバネを加熱したとする。この場合、図1の曲線(a)に示されるように、SMAコイルバネのバネ定数はAs点から徐々に上昇する。
SMAコイルバネがAf点以上の温度になると、図1の曲線(b)に示されるように、SMAコイルバネのバネ定数は飽和する。
SMAコイルバネへ流す電流をカットしたとする。この場合、SMAコイルバネの加熱時に飽和した温度(Af点)よりも下がっても、図1の曲線(c)に示されるように、SMAコイルバネのバネ定数は変化しない。
SMAコイルバネの加熱時に飽和した温度(Af点)よりもさらに低い温度(Ms点)となった時に、図1の曲線(d)に示されるように、SMAコイルバネのバネ定数は下がり始める。
ここで、このようなSMAコイルバネを用いてSMAアクチュエータを構成する場合、SMAコイルバネをその圧縮方向に付勢する付勢コイルバネと組み合わせて、SMAアクチュエータが構成される。SMAコイルバネが放熱して冷却されると、その剛性(バネ定数)が低下するので、付勢コイルバネによりSMAコイルバネは収縮する。すなわち、SMAがマルテンサイト相の状態にあるとき、SMAコイルバネは収縮した状態にある。一方、SMAコイルバネを加熱すると、その剛性(バネ定数)が上昇するので、付勢コイルバネの付勢力に抗して、SMAコイルバネは伸張する。すなわち、SMAがオーステナイト相(母相)の状態にあるとき、SMAコイルバネは伸張した状態にある。
このようなSMAアクチュエータを用いて、被駆動部材(可動部材)を駆動することができる。
図2は、上記SMAアクチュエータを用いて、被駆動部材(可動部材)の位置をフィードバック制御する、従来の制御方法を示すフローチャートである。尚、図示はしないが、従来の制御方法を実現する制御装置は、被駆動部材の位置を検出する位置検出器と、この位置検出器で検出された現在の検出位置と目標位置との偏差を求める偏差演算器(減算器)と、この偏差に基いて制御値(制御信号)を求めるPID制御器と、制御値(制御信号)に基いて操作量(電圧)を上記SMAアクチュエータのSMAコイルバネに印加する操作部(制御電源)とを有する。
制御が開始すると、偏差演算器(減算器)で上記偏差を測定する(ステップS101)。この偏差の測定は、SMAコイルバネの状態(加熱又は放熱)によらずに、常に行われる。引き続いて、PID制御器で、測定した偏差から制御値を決定する(ステップS102)。すなわち、測定した偏差に基いて、PID制御器は制御値を演算する。最後に、操作部は、制御値(制御信号)から操作量(電圧)を求めて、それをSMAコイルバネに印加する(ステップS103)。
また、従来からSMAを含むSMAアクチュエータを用いた制御装置が提案されている。
例えば、特開2001−273034号公報(以下、「特許文献1」と呼ぶ)は、形状記憶合金(SMA)を含むアクチュエータを用いて被駆動部材の位置を制御する制御装置を開示している。この特許文献1では、被駆動部材が手振補正機能付光学装置における手振補正光学系の例を開示している。特許文献1においては、所定寸法に形状記憶された形状記憶合金と、形状記憶合金に対して外力を負荷した寸法を変化させるスプリング等の付勢手段と、でアクチュエータを構成している。特許文献1に開示された制御装置は、形状記憶合金が記憶寸法に復帰する第1方向と、付勢手段が形状記憶合金の寸法を変化させる第2方向と、における被駆動部材の位置を当該アクチュエータで制御する。制御装置は、目標位置決定手段と、現在位置検出手段と、制御出力演算手段と、補正手段とを備える。目標位置決定手段は、被駆動部材を移動させるべき目標位置を決定する。現在位置検出手段は、被駆動部材の現在位置を検出する。制御出力演算手段は、目標位置と現在位置との差に対して演算により制御出力を求める。補正手段は、制御出力演算手段による演算結果に対して、アクチュエータの駆動制御を安定させるべく、形状記憶合金の加熱を抑える補正を行う。或いは、補正手段は、制御出力演算手段による演算結果に対して、オフセット電圧を加えることで、形状記憶合金に印加される電圧を補正する。
すなわち、特許文献1では、形状記憶合金(SMA)を利用してアクチュエータを構成すると、形状記憶合金が加熱気味になることに起因してサーボ制御が不安定になるという問題を、最終ゲイン(演算結果)に対してオフセット電圧を加えることで解決している。
特開2003−125590号公報(以下、「特許文献2」と呼ぶ)は、高速応答性に優れた駆動装置及び駆動制御方法を開示している。この特許文献2では、第1状態に形状記憶された形状記憶合金と、この形状記憶合金を第1状態から第2状態へと変形させるバイアスバネ(変形手段)と、をそれぞれ可動部に接続してアクチュエータを構成している。第2状態にある形状記憶合金に対して電圧又は電流を印加することにより加熱を行い、加熱により第1状態へと変形した形状記憶合金の発生力でバイアスバネを変形させるとともに可動部を動作させる動作を連続的に行う。形状記憶合金の素材特性とバイアスバネの力量とのバランスで、アクチュエータの温度ヒステリシス又は印加電流ヒステリシスを小さくしている。
また、特開平7−72927号公報(以下、「特許文献3」と呼ぶ)は、ヒステリシスを含む非線形の形状記憶合金アクチュエータの制御を行うことが可能な形状記憶合金アクチュエータ制御装置を開示している。この形状記憶合金アクチュエータ制御装置は、ヒータを用いて形状記憶合金の加熱を行い、位置制御を行っている。形状記憶合金アクチュエータ制御装置は、形状記憶合金の温度とひずみ、応力のうち、少なくとも何れか2を計測するセンサと、形状記憶合金の温度とひずみ、応力の関係を記述したデータベースと、センサからの信号を記憶する記憶手段と、データベースと記憶手段のデータを用いて形状記憶合金を加熱するエネルギー量を演算する制御量演算手段と、を具備している。
さらに、特開2007−315352号公報(以下、「特許文献4」と呼ぶ)は、線状の形状記憶合金の両端に印加する電圧を制御することにより、その温度を制御して、形状記憶合金の長さを制御する長さ制御装置を開示している。この特許文献4に開示された長さ制御装置は、形状記憶合金に流れる電流値に基づいて、形状記憶合金の抵抗値を求める抵抗値算出手段と、求められた抵抗値を、形状記憶合金の目標長さに対応する抵抗値である目標抵抗値とすべく形状記憶合金の両端に印加する電圧値を求める電圧値算出手段と、求められた電圧値の電圧を形状記憶合金の両端に印加する電圧印加手段と、抵抗値算出手段によって求められた抵抗値と、目標抵抗値とに基づいて、電圧印加手段の動作を所定時間だけ禁止し、形状記憶合金の両端の電圧を印加させない動作禁止手段と、を備える。この特許文献4では、冷却時の応答速度を向上させるため、所定期間だけ形状記憶合金の両端に電圧を印加させないようにしている。
また、カメラのオートフォーカス用アクチュエータやズーム用アクチュエータとして、形状記憶合金を使用した(駆動装置)リニアアクチュエータが知られている。
例えば、特開2006−98829号公報(以下、「特許文献5」と呼ぶ)は、レンズを円滑に速やかに移動することができると共に、携帯情報端末機に組み込み可能に小型化されたレンズ駆動装置を開示している。この特許文献5に開示されたレンズ駆動装置は、レンズを保持するレンズ枠と、このレンズ枠を光軸方向にのみ移動可能に支持する筒状支持部を有する固定枠と、光軸方向に伸縮し得るコイルバネとを備えている。コイルバネは、筒状支持部の外側に露出して同心状に配置され、かつ、通電/非通電による温度変化により光軸方向に伸縮する、形状記憶合金により形成された形状記憶合金バネを含む。特許文献5に開示された実施形態として、コイルバネは、筒状支持部の外側に光軸を中心とする同心状に配置された前側コイルバネ及び後側コイルバネを備える。前側コイルバネ及び後側コイルバネはレンズ枠を光軸方向の前側及び後側から付勢する。前側コイルバネ及び後側コイルバネの少なくとも一方が形状記憶合金で形成されている。
また、特開2008−40193号公報(以下、「特許文献6」と呼ぶ)は、通電加熱タイプの形状記憶合金を用いてレンズの位置決めをできるようにしたカメラレンズを開示している。この特許文献6に開示されたカメラレンズは、四角形状のケースと、このケース内に該ケースの1箇所の隅部に形成された軸と、この軸にスラスト移動可能に取付けられる軸受を側面に備えるレンズが取付けられたレンズホルダと、このレンズホルダを常時収納方向に付勢できるように軸に取付けられた付勢スプリングと、この付勢スプリングの付勢力に抗してレンズホルダの軸受を突出方向に移動させる突出機構と、この突出機構を作動させる通電加熱タイプの形状記憶合金ワイヤとからなる。
特開2001−273034号公報(段落0028、0036) 特開2003−125590号公報 特開平7−72927号公報 特開2007−315352号公報 特開2006−98829号公報(段落0009〜0020、図1〜図5) 特開2008−40193号公報
前述した従来の制御方法では、次のような問題点がある。
図3は、従来の制御方法でのSMAアクチュエータの応答特性を示す特性図である。図3において、横軸は時間[msec]を示し、縦軸はアクチュエータ高さ[mm]とSMAへの印加電圧[V]とを示している。図3において、破線は目標位置を示し、図示の例では0.2mmである場合を示している。また、図3において、一点鎖線はSMAへの印加電圧、すなわち、操作量を示し、実線はアクチュエータ位置を示している。
前述したように、SMAにはヒステリシス特性がある。その結果、SMAコイルバネへの通電をオフにして操作量を減らしても、アクチュエータ位置が変化しない。このような状態にも拘わらず、操作量(印加電圧)を減らしてしまうと、ある時点で突然、アクチュエータ位置が変化する。SMAのヒステリシス特性により、アクチュエータ位置が変化しなかった期間で減少させ過ぎた操作量(印加電圧)の増加が間に合わない。その結果として、アクチュエータ位置が定まらない。
前述した特許文献1〜4に開示された制御装置においては、それぞれ、以下に述べるような問題点がある。
特許文献1に開示された制御装置は、演算結果に対してオフセット電圧を加えることで形状記憶合金が加熱気味になるのを防止し、これによってアクチュエータの駆動特性を安定させる技術的思想を開示しているに過ぎない。すなわち、特許文献1では、形状記憶合金のヒステリシス特性に起因する応答遅れについての認識が全くないので、それを解決する手段についても何ら開示せず示唆していない。そのため、特許文献1に開示された制御装置では、被駆動部材の位置を高精度に安定して制御することは困難である。
特許文献2は、形状記憶合金の素材特性とバイアスバネの力量とのバランスで、アクチュエータの温度ヒステリシス又は印加電流ヒステリシスを小さく技術的思想を開示している。すなわち、特許文献2では、アクチュエータのヒステリシスそのものを小さくしようとする技術的思想を開示しているだけであり、ヒステリシスそのものを完全に無くすことはできない。そのため、特許文献2に開示された駆動制御方法でも、形状記憶合金のヒステリシス特性に起因する応答遅れが伴ってしまう。その結果、特許文献2に開示された駆動制御方法では、可動部の動作を高精度に安定して制御することが困難である。
特許文献3に開示された形状記憶合金アクチュエータ制御装置では、形状記憶合金を加熱するためのヒータが必要になると共に、形状記憶合金の温度とひずみ、応力の関係を記述したデータベースが必要となり、部品点数が増加してしまう。
特許文献4に開示された長さ制御装置では、形状記憶合金(SMA)が、温度に応じて抵抗値及び長さが一意に求められるということを前提としている。しかしながら、実際には、形状記憶合金(SMA)は、温度に対してヒステリシス特性を有している(図1参照)。このように、特許文献4は、形状記憶合金(SMA)のヒステリシス特性を何ら考慮していないので、形状記憶合金の長さを高精度に制御することは困難である。
尚、特許文献5および6は、レンズ駆動装置を開示するのみで、その制御装置や制御方法については何ら開示していない。
したがって、本発明の課題は、形状記憶合金(SMA)のヒステリシス特性に起因する応答遅れをキャンセルして、高速な応答を得ることができる、形状記憶合金を含むアクチュエータを用いた制御装置および制御方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、説明が進むにつれて明らかになるだろう。
本発明の第1の態様によれば、形状記憶合金(444)を含むアクチュエータ(44)で可動部材(42)の位置を、形状記憶合金に対する通電を制御することにより、フィードバック制御する制御装置(100;100A)において、可動部材(42)の位置を検出して、現在の検出位置を表す検出信号を出力する位置検出器(110)と、この検出信号で表された現在の検出位置と目標位置との間の偏差を演算する偏差演算器(120)と、偏差に基いて制御値を求める制御値演算器(134)と、制御値に基いて操作量である電圧を形状記憶合金(444)に印加する操作部(140)と、制御値と偏差とに基いて、形状記憶合金(444)のヒステリシス特性に起因する応答遅れをキャンセルするように、制御値演算器(134)の動作を制御する演算器制御器(138;138A)と、を備えたことを特徴とする、形状記憶合金を含むアクチュエータを用いた制御装置(100;100A)が得られる。
本発明の第1の態様による制御装置(100;100A)において、演算器制御器(138;138A)は、制御値に基いて、形状記憶合金(444)が加熱状態か放熱状態かを判断する加熱/放熱検出器(150)と、この熱/放熱検出器で放熱状態と判断された場合に起動され、偏差に基いて制御値演算器(134)の動作を制御する演算器制御部(160;170)と、から構成されてよい。加熱/放熱検出器(150)は、今回の制御値をラッチして、前回の制御値を出力する制御値ラッチ回路(152)と、今回の制御値と前回の制御値とを比較し、今回の制御値が前回の制御値以下のときに、制御値比較結果として、形状記憶合金(444)が放熱状態であることを示す起動信号を演算器制御部(160;170)へ送出する制御値比較器(154)と、から構成されてよい。
本発明の第1の態様による制御装置(100)において、演算器制御部は、偏差に基いて制御値演算器(134)での演算のオン/オフを決定する演算オン/オフ決定器(160)から構成されてよい。この場合、演算オン/オフ決定器(160)は、今回の偏差をラッチして、前回の偏差を出力する偏差ラッチ回路(162)と、今回の偏差と前回の偏差とを比較し、今回の偏差と前回の偏差とが等しいとき、一致信号として、制御値演算器(134)の演算をオフさせる演算オフ信号を出力する偏差比較器(164)と、から構成されてよい。
本発明の第1の態様による制御装置(100A)において、演算器制御部は、偏差に基いて制御値演算器(134)のゲインを制御するゲイン制御器(170)から構成されてよい。この場合、ゲイン制御器(170)は、今回の偏差をラッチして、前回の偏差を出力する偏差ラッチ回路(172)と、今回の偏差と前回の偏差とを比較し、今回の偏差と前回の偏差とが等しいとき、一致信号を出力する偏差比較器(174)と、一致信号に応答して、制御値演算器(134)のゲインを抑制するゲイン抑制器(176)と、から構成されてよい。
本発明の第1の態様による制御装置(100;100A)において、可動部材が、レンズ(AFL)を保持するレンズホルダ(422)から構成されてよい。この場合、アクチュエータは、レンズホルダを光軸(O)方向のみに移動するアクチュエータ(44)から構成される。
本発明の第2の態様によれば、形状記憶合金(444)を含むアクチュエータ(44)で可動部材(42)の位置を、形状記憶合金に対する通電を制御することにより、フィードバック制御する制御方法(100;100A)において、可動部材(42)の位置を検出して、現在の検出位置を表す検出信号を出力する位置検出ステップ(110)と、この検出信号で表された現在の検出位置と目標位置との間の偏差を演算する偏差演算ステップ(120)と、偏差に基いて制御値を求める制御値演算ステップ(134;S204))と、制御値に基いて操作量である電圧を形状記憶合金(444)に印加する操作ステップ(140)と、制御値と偏差とに基いて、形状記憶合金(444)のヒステリシス特性に起因する応答遅れをキャンセルするように、制御値演算ステップの動作を制御する演算制御ステップ(138;138A、S202,S203,S208)と、を含む、形状記憶合金を含むアクチュエータを用いた制御方法が得られる。
上記第2の態様による制御方法において、演算制御ステップは、制御値に基いて、形状記憶合金(444)が加熱状態か放熱状態かを判断する加熱/放熱検出ステップ(S202)と、この加熱/放熱検出ステップで放熱状態と判断された場合に起動され、偏差に基いて制御値演算ステップ(S204)の動作を制御する動作制御ステップ(S203;S208)と、を有することが望ましい。加熱/放熱検出ステップ(S202)は、今回の制御値と前回の制御値とを比較し、今回の制御値が前回の制御値以下のときに、制御値比較結果として、形状記憶合金(444)が放熱状態であることを示す起動信号を動作制御ステップ(S203)へ送出するものでよい。
上記第2の態様による制御方法において、動作制御ステップは、偏差に基いて制御演算ステップ(S204)での演算のオン/オフを決定する演算オン/オフ決定ステップ(S203)から成ってよい。この場合、演算オン/オフ決定ステップ(S203)は、今回の偏差と前回の偏差とを比較し、今回の偏差と前回の偏差とが等しいとき、一致信号として、制御演算ステップ(S204)での演算をオフするステップから成る。
上記第2の態様による制御方法において、動作制御ステップは、偏差に基いて制御演算ステップ(S204)でのゲインを制御するゲイン制御ステップ(S203,S208)から成ってよい。この場合、ゲイン制御ステップは、今回の偏差と前回の偏差とを比較し、今回の偏差と前回の偏差とが等しいとき、一致信号を出力する偏差比較ステップ(S203)と、一致信号に応答して、制御演算ステップ(S204)でのゲインを抑制するゲイン抑制ステップ(S208)と、から成る。
上記第2の態様による制御方法において、可動部材(42)は、例えば、レンズ(AFL)を保持するレンズホルダ(422)から構成されてよい。この場合、アクチュエータ(44)は、レンズホルダ(422)を光軸(O)方向のみに移動するアクチュエータから構成される。
本発明の第3の態様によれば、レンズ(AFL)を保持するレンズホルダ(422)と、レンズホルダを光軸(O)方向にのみ移動可能に支持するハウジング(30)と、光軸(O)方向に伸縮し得るコイルバネと、を備えたレンズ駆動装置(20)において、ハウジング(30)は略直方体形状をしており、ハウジング内の当該ハウジングの四隅中の第1の隅で、光軸(O)方向に延在する主軸(38)を備え、レンズホルダ(422)は、その側面に、主軸(38)にスライド移動可能に取り付けられた主軸受け(4222)を有し、コイルバネは、主軸受け(4222)を間に挟んで、それぞれ、主軸(38)の前側及び後側に取り付けられた前側コイルバネ(442)及び後側コイルバネ(444)から構成され、前側コイルバネ(442)及び後側コイルバネ(444)の少なくとも一方は、形状記憶合金により形成された形状記憶合金バネからなり、レンズ駆動装置(20)は、形状記憶合金バネ(444)に対する通電を制御する制御装置(100;100A)を備え、制御装置(100;100A)は、レンズホルダ(422)の位置を検出して、現在の検出位置を表す検出信号を出力する位置検出器(110)と、この検出信号で表された現在の検出位置と目標位置との間の偏差を演算する偏差演算器(120)と、偏差に基いて制御値を求める制御値演算器(134)と、制御値に基いて操作量である電圧を形状記憶合金バネ(444)に印加する操作部(140)と、制御値と偏差とに基いて、形状記憶合金バネ(444)のヒステリシス特性に起因する応答遅れをキャンセルするように、制御値演算器(134)の動作を制御する演算器制御器(138;138A)と、を備えたことを特徴とする、レンズ駆動装置(20)が得られる。
上記第3の態様によるレンズ駆動装置(20)において、演算器制御器(138;138A)は、制御値に基いて、形状記憶合金バネ(444)が加熱状態か放熱状態かを判断する加熱/放熱検出器(150)と、この加熱/放熱検出器で放熱状態と判断された場合に起動され、偏差に基いて制御値演算器(134)の動作を制御する演算器制御部(160;170)と、から構成されてよい。加熱/放熱検出器(150)は、今回の制御値をラッチして、前回の制御値を出力する制御値ラッチ回路(152)と、今回の制御値と前回の制御値とを比較し、今回の制御値が前回の制御値以下のときに、制御値比較結果として、形状記憶合金バネ(444)が放熱状態であることを示す起動信号を演算器制御部(160;170)へ送出する制御値比較器(154)と、から構成されてよい。演算器制御部は、偏差に基いて制御値演算器(134)での演算のオン/オフを決定する演算オン/オフ決定器(160)から構成されてよい。この場合、演算オン/オフ決定器(160)は、例えば、今回の偏差をラッチして、前回の偏差を出力する偏差ラッチ回路(162)と、今回の偏差と前回の偏差とを比較し、今回の偏差と前回の偏差とが等しいとき、一致信号として、制御値演算器(134)の演算をオフさせる演算オフ信号を出力するする偏差比較器(164)と、から構成される。その代わりに、演算器制御部は、偏差に基いて制御値演算器のゲインを制御するゲイン制御器(170)から構成されてよい。この場合、ゲイン制御器(170)は、例えば、今回の偏差をラッチして、前回の偏差を出力する偏差ラッチ回路(172)と、今回の偏差と前回の偏差とを比較し、今回の偏差と前回の偏差とが等しいとき、一致信号を出力する偏差比較器(174)と、一致信号に応答して、制御値演算器(134)のゲインを抑制するゲイン抑制器(176)と、から構成される。
尚、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例に過ぎず、これらに限定されないのは勿論である。
本発明では、制御値と偏差とに基いて、形状記憶合金のヒステリシス特性に起因する応答遅れをキャンセルするように、制御値演算器の動作を制御しているので、高速な応答を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図4乃至図11を参照して、本発明の一実施の形態による制御装置が適用されるレンズ駆動装置20について説明する。図4はレンズ駆動装置20の外観を斜め前方上方から観た斜視図である。図5はレンズ駆動装置20を、中間フレーム32と上側カバー36とを省いた状態で、斜め前方上方から観た斜視図である。換言すれば、図5は図4に示したレンズ駆動装置20のオートフォーカスレンズ駆動ユニット40を、斜め前方上方から観た斜視図である。図6はレンズ駆動装置20を斜め前方上方から観た分解斜視図である。図7は図5に示したオートフォーカスレンズ駆動ユニット40の平面図である。図8はレンズ駆動装置20を、中間フレーム32と上側カバー36とを省いた状態で、斜め後方上方から観た斜視図である。換言すれば、図8はオートフォーカスレンズ駆動ユニット40を、斜め後方上方から観た斜視図である。図9はレンズ駆動装置20を斜め後方上方から観た分解斜視図である。図10はレンズ駆動装置20を、中間フレーム32、上側カバー36、及びレンズバレル421を省いた状態で、斜め後方上方から観た斜視図である。図11はレンズ駆動装置20を、中間フレーム32、上側カバー36、及びレンズ可動部42を省いた状態で、斜め後方上方から観た斜視図である。
ここでは、図4乃至図11に示されるように、直交座標系(X,Y,Z)を使用している。図4乃至図11に図示した状態では、直交座標系(X,Y,Z)おいて、X軸は前後方向(奥行方向)であり、Y軸は左右方向(幅方向)であり、Z軸は上下方向(高さ方向)である。
図示のレンズ駆動装置20は、例えば、オートフォーカスレンズ駆動ユニット40のレンズ駆動部44として使用される。その場合、図4乃至図11に示す例においては、上下方向Zがレンズの光軸O方向である。
但し、実際の使用状況においては、光軸O方向、すなわち、Z軸方向が前後方向となる。換言すれば、Z軸の上方向が前方向となり、Z軸の下方向が後方向となる。
図4に示されるように、レンズ駆動装置20は、後述するオートフォーカスレンズ駆動装置40を覆う略直方体形状の筐体(ハウジング)30を備える。換言すれば、筐体(ハウジング)30内に、オートフォーカスレンズ駆動ユニット40が配置される。筐体(ハウジング)30は、中空の中間フレーム32と、アクチュエータ・ベース34と、上側カバー36とを含む。中間フレーム32は、上側カバー36とアクチュエータ・ベース34との間に設けられている。中間フレーム32は、略四角筒形状をしている。
一方、図示はしないが、アクチュエータ・ベース34の中央部には、基板に配置された撮像素子が搭載される。この撮像素子は、可動レンズ(後述する)により結像された被写体像を撮像して電気信号に変換する。撮像素子は、例えば、CCD(charge coupled device)型イメージセンサ、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)型イメージセンサ等により構成される。
図6乃至図9を参照して、筐体(ハウジング)30内には、左奥側に案内軸37が設けられている。この案内軸37は、光軸Oと平行に延在している。案内軸37は筐体(ハウジング)30のアクチュエータ・ベース34上に立設している。この光軸Oを間に挟んで、案内軸38と反対側である右手前側には、円柱状の駆動軸38が設けられている。駆動軸38も、光軸Oと平行に延在して、筐体(ハウジング)30のアクチュエータ・ベース34上に立設している。すなわち、案内軸37と駆動軸38とは、光軸Oまわりに回転対称な位置に配置されている。
尚、駆動軸38は主軸とも呼ばれ、案内軸37は副軸とも呼ばれる。換言すると、駆動軸(主軸)38は、ハウジング30内の当該ハウジング30の四隅中の第1の隅で、光軸O方向に延在している。案内軸(副軸)37は、レンズホルダ422(後述する)を間に挟んで、ハウジング30内の第1の隅と対角線上で対向する第2の隅に設けられている。すなわち、案内軸(副軸)37は、ハウジング30内で、駆動軸(主軸)38に対して光軸Oに関して2回回転対称である位置に設けられている。
オートフォーカスレンズ駆動ユニット40は、レンズ可動部42とレンズ駆動部44とから構成される。レンズ駆動部44は、レンズ可動部42を光軸O方向に摺動可能に支持しながら、後述するようにレンズ可動部42を駆動する。
レンズ可動部42は、可動レンズであるオートフォーカスレンズAFLを保持するレンズバレル(レンズアセンブリ)421を含む。レンズバレル421は、略円筒状の可動鏡筒(レンズホルダ)422内に保持・固定される。レンズホルダ422の内周壁には雌ネジ(図示せず)が切られている。一方、レンズバレル421の外周壁には、上記雌ネジに螺合される雄ネジ(図示)が切られている。従って、レンズバレル421をレンズホルダ422に装着するには、レンズバレル421をレンズホルダ422に対して光軸O周りに回転して光軸O方向に沿って螺合することにより、レンズバレル421をレンズホルダ422内に収容し、接着剤などによって互いに接合する。
レンズホルダ422は、左奥側で半径方向外側に延びる第1の延在部(第1の係合部)4221を有する。第1の延在部(第1の係合部)4221は、半径方向外側に開いた略U字状の窪み4221uを有し、この窪み4221u内に上記案内軸37が収容されている。すなわち、第1の延在部(第1の係合部)4221は、案内軸(副軸)37にスライド移動可能に取り付けられている。そのため、第1の延在部(第1の係合部)4221は副軸受けとも呼ばれる。案内軸(副軸)37と第1の延在部(副軸受け)4221との組み合わせは、レンズホルダ422の主軸38の回りの回転を防止して、レンズホルダ422を光軸O方向にのみリニアに案内する案内機構として働く。
また、レンズホルダ422は、右手前側で半径方向外側に延びる第2の延在部(第2の係合部)4222を有する。第2の延在部(第2の係合部)4222は、駆動軸(主軸)38が挿通する貫通穴4222tを有する。すなわち、第2の延在部(第2の係合部)4222は、駆動軸(主軸)38にスライド移動可能に取り付けられている。そのため、第2の延在部(第2の係合部)4222は主軸受けとも呼ばれる。
このような構成により、レンズ可動部42は、筐体(ハウジング)30に対して光軸O方向にのみ移動可能である。
レンズホルダ422と、レンズバレル(レンズアセンブリ)421との組み合わせによって、オートフォーカスレンズ駆動ユニット40のレンズ可動部42が構成される。
次に、図4乃至図11に加えて図12をも参照して、オートフォーカスレンズ駆動ユニット40のレンズ駆動部44について説明する。図12はレンズ駆動部44を拡大して示す右側面図である。図示のレンズ駆動部44は、光軸O方向に伸縮し得るコイルバネから構成される。詳述すると、レンズ駆動部(コイルバネ)44は、第2の延在部(主軸受け)4222を間に挟んで、それぞれ、主軸(駆動軸)38の上側及び下側に設けられた上側コイルバネ442及び下側コイルバネ444とから構成される。
前述したように、実際の使用状況においては、光軸O方向、すなわち、Z軸方向が前後方向となるので、上側コイルバネ442及び下側コイルバネ444は、それぞれ、前側コイルバネ及び後側コイルバネとも呼ばれる。
前側コイルバネ(上側コイルバネ)442は、中間フレーム34の天面と主軸受け4222との間に配置されている。後側コイルバネ(下側コイルバネ)444は、主軸受け4222とアクチュエータ・ベース34との間に配置されている。
図示の例では、前側コイルバネ442は、ステンレス鋼(SUS)製の付勢バネから構成され、後側コイルバネ444は、形状記憶合金(SMA)により形成された形状記憶合金バネから構成されている。周知のように、「形状記憶合金」とは、予め与えられた変形歪が、特定の温度領域において、ゼロとなって元の形状に回復する性質を持つ金属である。形状記憶合金は、例えば、TiNi合金からなる。
すなわち、前側コイルバネ(付勢バネ)442は、第2の延在部(主軸受け)4222を下方向(後方向)を付勢するように作用する。一方、後側コイルバネ(形状記憶合金バネ)444は、駆動回路(図示せず)から通電されると、図9の矢印Aで示されるように、伸張する。その結果、第2の延在部(主軸受け)4222を介して、前側コイルバネ(付勢バネ)442は、図9の矢印Bで示されるように、収縮する。
一方、後側コイルバネ(形状記憶合金バネ)444への通電を停止すると、後側コイルバネ(形状記憶合金バネ)444は自然に冷却される。その結果、前側コイルバネ(付勢バネ)442の付勢力より、後側コイルバネ(形状記憶合金バネ)444は、第2の延在部(主軸受け)4222を介して、収縮する。
すなわち、後側コイルバネ(形状記憶合金バネ)444は、その通電/非通電による温度変化により光軸O方向に伸縮し、レンズホルダ422を光軸O方向に駆動する。
尚、本実施の形態では、前側コイルバネ442をステンレス鋼製の付勢バネから構成し、後側コイルバネ444を形状記憶合金により形成された形状記憶合金バネから構成しているが、これに限定されない。例えば、前側コイルバネ442を形状記憶合金により形成された形状記憶合金バネから構成し、後側コイルバネ444をステンレス鋼製の付勢バネから構成しても良い。或いは、前側コイルバネ442と後側コイルバネ444の両方を形状記憶合金により形成された形状記憶合金バネから構成してもよい。
このように、レンズ駆動部44は、形状記憶合金(SMA)を含むので、SMAアクチュエータとも呼ばれる。
レンズ駆動部44とレンズ可動部42とは、図5乃至図9に示されるように、光軸Oに対して並置されている。したがって、フォーカスレンズ駆動ユニット40を低背化することができる。その結果、駆動装置20も低背化することができる。
図6、図9、および図11に示されるように、レンズ駆動装置20は、後側コイルバネ(形状記憶合金バネ)444に通電するための通電部材52と、後側コイルバネ(形状記憶合金バネ)444を、当該後側コイルバネ(形状記憶合金バネ)444の端面で通電部材52と電気的に接続する電気的接続部材54とを備える。
通電部材52は、アクチュエータ・ベース34上に形成(搭載)される、円弧状の第1及び第2の導体パターン521及び522と、第1の導体パターン521に一端が半田で接続された導線523とを有する。図示の第1及び第2の導体パターン521及び522は銅製のパターンから成る。図示の導線523は、銅製のリッツ線から成る。
一方、電気的接続部材54は、後側コイルバネ(形状記憶合金バネ)444の第1の端部444aを導線523を介して第1の導体パターン521と電気的に接続する第1の電気的接続部材541と、後側コイルバネ(形状記憶合金バネ)444の第2の端部444bを第2の導体パターン522と電気的に接続する第2の電気的接続部材542とから構成されている。
図13を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置100について説明する。図示の制御装置100は、図4乃至図9に示されたレンズ駆動装置20(オートフォーカスレンズ駆動ユニット40)のレンズ可動部42(レンズホルダ422)の位置を、図12に示したレンズ駆動部(SMAアクチュエータ)44を用いて、形状記憶合金コイルバネ444の通電を制御することにより、フィードバック制御する装置である。
図示の制御装置100は、レンズ可動部42(レンズホルダ422)の位置(アクチュエータ位置)を検出して、現在の検出位置を表す検出信号を出力するアクチュエータ位置検出器110と、この検出信号で表される現在の検出位置と外部コントローラから供給されるアクチュエータ位置指令値で表される目標位置と間の偏差を求め、その偏差を表す偏差信号を出力する偏差演算器120と、この偏差信号に基いて、制御信号を出力するPIDコントローラ130と、制御信号に基いてレンズ駆動部(SMAアクチュエータ)44へ操作量である電圧を印加する制御電源(操作部)140とを備えている。
図示の制御電源(操作部)140は、レンズ駆動部(SMAアクチュエータ)44へ印加する電圧として、0〜3.3Vの電圧を印加する。後述する制御値の最大値が100%であるとする。この場合、制御値が0%のとき、制御電源(操作部)140は操作量(印加電圧)として0Vを出力し、制御値が100%のとき、制御電源(操作部)140は操作量(印加電圧)として3.3Vを出力する。
図示のPIDコントローラ130は、A/D変換器132と、コントロール値演算器134と、D/A変換器136と、演算器制御器138とを有する。
A/D変換器132は、偏差信号をデジタルの偏差値に変換する。コントロール値演算器134は、偏差値に対して周知のPID演算を施して上記制御値を演算する。コントロール値演算器134は、比例ゲインGpと積分ゲインGiと微分ゲインGdとを持つ。上述したように、コントロール値演算器134は、最大値を100%とする制御値を出力する。D/A変換器136は、制御値をアナログの制御信号に変換する。演算器制御器138は、制御値と偏差値とに基いて、形状記憶合金コイルバネ444のヒステリシス特性をキャンセルするように、コントロール値演算器134の動作を制御する。
図14は、図13に示した制御装置100に使用される演算器制御器138の構成を示すブロック図である。演算器制御器138は、加熱/放熱検出器150と演算オン/オフ決定器160とから構成される。
加熱/放熱検出器150は、制御値に基いて、形状記憶合金コイルバネ444が加熱状態か放熱状態かを判断する。詳述すると、加熱/放熱検出器150は、制御値ラッチ回路152と制御値比較器154とから構成される。制御値ラッチ回路152は、今回の制御値をラッチして、前回の制御値を出力する。制御値比較器154は、今回の制御値と前回の制御値とを比較し、制御値比較結果を出力する。前回の制御値が今回の制御値以下のとき、制御値比較器154は、制御値比較結果として、形状記憶合金コイルバネ444が放熱状態であることを示す起動信号を出力する。
演算オン/オフ決定器160は、加熱/放熱検出器150で放熱状態と判断されたときに起動される。すなわち、演算オン/オフ決定部160は、加熱/放熱検出器150から供給される起動信号に応答して、起動される。演算オン/オフ決定器160は、偏差に基いて、後述するように、コントロール値演算器134での演算のオン/オフを決定する。
詳述すると、演算オン/オフ決定器160は、偏差ラッチ回路162と偏差比較器164とから構成される。偏差ラッチ回路162は、今回の偏差値をラッチして、前回の偏差値を出力する。偏差比較器164は、今回の偏差値と前回の偏差値とを比較する。今回の偏差値と前回の偏差値とが等しいとき、偏差比較器164は、一致信号として、コントロール値演算器134の演算をオフさせる演算オフ信号を出力する。とにかく、演算オン/オフ決定器160は、加熱/放熱検出器150で放熱状態と判断された場合に起動され、偏差値に基いてコントロール値演算器134の動作を制御する演算器制御部として働く。
尚、コントロール値演算器134は、演算オフ信号に応答して、制御値の演算を停止して、前回の制御値をそのまま今回の制御値として出力する。
なお、図13に示したPIDコントローラ130の代わりに、プログラムによって動作するマイクロコンピュータを用いてもよい。その場合、マイクロコンピュータは、偏差演算器(減算器)120からの偏差信号を入力する入力ユニット(A/D変換器132)と、制御信号を出力する出力ユニット(D/A変換器136)と、演算を実行する演算処理ユニット(図示せず)とから構成され得る。演算処理ユニットは、図13に示されたコントロール値演算器134および演算器制御器138に相当する演算を実行する。演算処理ユニットは、プログラムやデータを記憶する記憶部(ROMやRAM)と、この記憶部に格納されたプログラムに従って、入力ユニット、出力ユニット、および記憶部を制御するための処理部(CPU)とから成る。
図15は、PIDコントローラ130を上記マイクロコンピュータで実現した場合に、記憶部に格納されたプログラムに従って動作する、演算処理ユニット(処理部)の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図15を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る制御方法について説明する。
制御が開始すると、演算処理ユニットは、偏差演算器(減算器)120で測定された偏差信号(偏差値)を得る(ステップS201)。引き続いて、演算処理ユニットは、形状記憶合金コイルバネ444が加熱状態か放熱状態かを判断する(ステップS202)。この判断は、前回の制御値と今回の制御値とを比較することによって行なわれる。すなわち、今回の制御値が前回の制御値以下である場合、演算処理ユニットは、形状記憶合金コイルバネ444が放熱状態であると判断する。
形状記憶合金コイルバネ444が放熱状態であると判断したとき(ステップS202のNo)、演算処理ユニットは、今回の偏差と前回の偏差とを比較し、偏差に差がない場合、ヒステリシス特性による形状記憶合金の状態が保持されている状態であると判断する(ステップS203)。
一方、形状記憶合金コイルバネ444が加熱状態であると判断したとき(ステップS202のYes)又は上記ステップS203において今回の偏差と前回の偏差とに差が有ると判断された場合(ステップS203のNo)、演算処理ユニットは、上記測定した偏差(得た偏差)に対して、周知のPID制御器で行われている演算を施して、制御値を決定する(ステップS204)。すなわち、測定した偏差に基いて、演算処理ユニット(PID制御器)は制御値を演算する。
上記ステップS203において、今回の偏差と前回の偏差とに差が無いと判断された場合(ステップS203のYes)、演算処理ユニットは、ステップS204をスキップして、PID制御器による制御値の演算を行わない。すなわち、演算処理ユニットは、前回の制御値をそのまま今回の制御値として出力する。
引き続いて、演算処理ユニットは、制御値を記憶部に記憶し(ステップS205)、偏差を記憶部に記録する(ステップS206)。最後に、演算処理ユニットは、出力ユニット(D/A変換器136)を介して、制御電源(操作部)140に制御信号を供給し、制御電源(操作部)140から操作量(電圧)を形状記憶合金コイルバネ444に印加させる(ステップS207)。
図16は、図13に示した制御装置100(図15に示した制御方法)でのSMAアクチュエータ44の応答特性を示す特性図である。図16において、横軸は時間[msec]を示し、縦軸はアクチュエータ高さ[mm]と形状記憶合金コイルバネ444への印加電圧[V]とを示している。図16において、破線は目標位置を示し、図示の例では0.2mmである場合を示している。また、図16において、一点鎖線は形状記憶合金コイルバネ444への印加電圧、すなわち、操作量を示し、実線はアクチュエータ位置を示している。
本発明の第1の実施の形態に係る制御装置100(制御方法)では、前述したように、形状記憶合金コイルバネ444が放熱状態で、かつ今回の偏差と前回の偏差との間に差がない場合、形状記憶合金コイルバネ444への操作量(印加電圧)を変化させない。その結果、形状記憶合金コイルバネ444への操作量(印加電圧)を保持することができる。
その後、形状記憶合金コイルバネ444が、図1に示したヒステリシス特性のMs点(変態開始温度)を超えて、SMAアクチュエータ44の位置が急激に下がったとする。上述したように、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置100(制御方法)では、形状記憶合金コイルバネ444への操作量(印加電圧)を保持しているので、すぐに操作量(印加電圧)を増やすことができる。
また、図16の細い破線で示されるような、SMAアクチュエータ44のアンダーシュートを抑えることができる。その結果、アクチュエータ位置制御の応答速度が速くなり、安定性も改善することができる。
図17を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る制御装置100Aについて説明する。図示の制御装置100Aは、PIDコントローラの構成および動作が後述するように相違している点を除いて、図13に示した制御装置100と同様の構成を有し、動作をする。したがって、PIDコントローラに130Aの参照符号を付してある。
図示のPIDコントローラ130Aは、演算器制御器の構成および動作が後述するように相違している点を除いて、図13に示したPIDコントローラ130と同様の構成を有し、動作をする。したがって、演算器制御器に138Aの参照符号を付してある。図13に示したものと同様の機能を有するものには同一の参照符号を付し、説明の簡略化のために、以下では異なる点についてのみ説明する。
図18は、図17に示した制御装置100Aに使用される演算器制御器138Aの構成を示すブロック図である。演算器制御器138Aは、加熱/放熱検出器150とゲイン制御器170とから構成される。
加熱/放熱検出器150は、図14に示した加熱/放熱検出器150と同様な構成を有し動作をするので、その説明を省略する。
ゲイン制御器170は、偏差ラッチ回路172と、偏差比較器174と、ゲイン抑制器176とから構成される。偏差ラッチ回路172および偏差比較器174は、それぞれ、図14に示した偏差ラッチ回路162および偏差比較器164と同様の構成を有し動作をするので、それらの説明については省略する。
ゲイン抑制器176は、偏差比較器174から供給される一致信号に応答して、コントロール値演算器134(図17)のゲインを抑制する。すなわち、ゲイン抑制器176は、コントロール値演算器134(図17)のゲインを抑制するゲイン抑制信号をコントロール値演算器134(図17)に供給する。
とにかく、ゲイン抑制器170は、加熱/放熱検出器150で放熱状態と判断された場合に起動され、偏差値に基いてコントロール値演算器134の動作を制御する演算器制御部として働く。
尚、コントロール値演算器134は、上記ゲイン抑制信号に応答して、そのゲイン(比例ゲインGp、積分ゲインGi、微分ゲインGd)を抑制する。
なお、図17に示したPIDコントローラ130Aの代わりに、プログラムによって動作するマイクロコンピュータを用いてもよい。その場合、マイクロコンピュータは、偏差演算器(減算器)120から偏差信号を入力する入力ユニット(A/D変換器132)と、制御信号を出力する出力ユニット(D/A変換器136)と、演算を実行する演算処理ユニット(図示せず)とから構成され得る。演算処理ユニットは、図17に示されたコントロール値演算器134および演算器制御器138Aに相当する演算を実行する。演算処理ユニットは、プログラムやデータを記憶する記憶部(ROMやRAM)と、この記憶部に格納されたプログラムに従って、入力ユニット、出力ユニット、および記憶部を制御するための処理部(CPU)とから成る。
図19は、PIDコントローラ130Aを上記マイクロコンピュータで実現した場合に、記憶部に格納されたプログラムに従って動作する、演算処理ユニット(処理部)の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図19を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る制御方法について説明する。
演算処理ユニットは、ステップ208が付加されている点を除いて、図15に示したフローチャートと同様の動作をする。したがって、図15に示されたものと同様のステップには同一の参照符号を付し、説明の簡略化のために、以下では相違点についてのみ説明する。
図15に示すフローチャートでは、ステップS203において今回の偏差と前回の偏差とが同じと判断されたとき(ステップS203のYes)とき、演算処理ユニットは、ステップS204をスキップして、ステップS205の処理を実行している。
すなわち、上述した本発明の第1の実施の形態に係る制御装置100(制御方法)では、形状記憶合金コイルバネ444が放熱状態で、かつ今回の偏差と前回の偏差とに差がない場合、形状記憶合金コイルバネ444への操作量(印加電圧)を保持している。
これに対して、図19に示すフローチャートにおいては、ステップS203において今回の偏差と前回の偏差とが同じと判断されたとき(ステップS203のYes)とき、演算処理ユニットは、PID制御器のゲインを下げる(抑制)する処理を行って(ステップS208)、ステップS204の処理を実行している。
これにより、本発明の第2の実施の形態に係る制御装置100A(制御方法)では、形状記憶合金コイルバネ444が放熱状態で、かつ今回の偏差と前回の偏差との間に差がない場合、形状記憶合金コイルバネ444への操作量(印加電圧)を徐々に減少させるようにしている。
その後、形状記憶合金コイルバネ444が、図1に示したヒステリシス特性のMs点(変態開始温度)を超えて、SMAアクチュエータ44の位置が急激に下がったとする。上述したように、本発明の第2の実施の形態に係る制御装置100A(制御方法)では、形状記憶合金コイルバネ444への操作量(印加電圧)を徐々に減少させているので、すぐに操作量(印加電圧)を増やすことができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る制御装置100A(制御方法)でも、図16の細い破線で示されるような、SMAアクチュエータ44のアンダーシュートを抑えることができる。その結果、アクチュエータ位置制御の応答速度が速くなり、安定性も改善することができる。
以上、本発明についてその好ましい実施の形態によって説明してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲内で、種々の変形が当業者によって可能であるのは明らかである。例えば、上述した実施の形態では、可動部材がオートフォーカスレンズ駆動ユニットのレンズ可動部である場合を例に挙げて説明しているが、これに限定されず、種々のものに適用可能なのは勿論である。例えば、可動部材は、特許文献1、2に開示されているような手振補正機能付光学装置における手振補正光学系(手振補正機構)などであってもよい。また、加熱/放熱検出器や、演算オン/オフ決定器、ゲイン制御器の構成も上述した実施の形態のものに限定されず、種々の構成のものを採用しても良い。さらに、演算器制御器の構成も上述した実施の形態のものに限定されず、制御値と偏差とに基づいて、形状記憶合金のヒステリシス特性に起因する応答遅れをキャンセルするように、制御値演算器の動作を制御するものであればどのような構成であっても構わない。また、上述した実施の形態では、制御電源(操作部)140が0〜3.3Vの範囲の電圧を印加しているが、電圧の範囲はこの限りでは無い。
SMAコイルバネのSMA温度とSMAバネ定数との関係を示した図である。 SMAアクチュエータを用いて、被駆動部材(可動部材)の位置をフィードバック制御する、従来の制御方法を示すフローチャートである。 従来の制御方法でのSMAアクチュエータの応答特性を示す特性図である。 本発明に係る制御装置が適用される、レンズ駆動装置の外観を斜め前方上方から観た斜視図である。 図4に示したレンズ駆動装置のオートフォーカスレンズ駆動ユニットを、斜め前方上方から観た斜視図である。 図4に示したレンズ駆動装置を斜め前方上方から観た分解斜視図である。 図5に示したオートフォーカスレンズ駆動ユニットの平面図である。 図5に示したオートフォーカスレンズ駆動ユニットを、斜め後方上方から観た斜視図である。 図4に示したレンズ駆動装置を斜め後方上方から観た分解斜視図である。 図4に示したレンズ駆動装置を、中間フレーム、上側カバー、及びレンズバレルを省いた状態で、斜め後方上方から観た斜視図である。 図4に示したレンズ駆動装置を、中間フレーム、上側カバー、及びレンズ可動部を省いた状態で、斜め後方上方から観た斜視図である。 図5に示したオートフォーカスレンズ駆動ユニットのレンズ駆動部(SMAアクチュエータ)を拡大して示す右側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置を示すブロック図である。 図13に示した制御装置に使用される演算器制御器の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御方法を説明するフローチャートである。 図13に示した制御装置(図15に示した制御方法)でのSMAアクチュエータの応答特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置を示すブロック図である。 図17に示した制御装置に使用される演算器制御器138Aの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御方法を説明するフローチャートである。
符号の説明
20 レンズ駆動装置
30 筐体(ハウジング)
32 中間フレーム
34 アクチュエータ・ベース
36 上側カバー
37 案内軸(副軸)
38 駆動軸(主軸)
40 オートフォーカスレンズ駆動ユニット
42 レンズ可動部(可動部材)
421 レンズバレル(レンズアセンブリ)
422 レンズホルダ
4221 第1の延在部(第1の係合部、副軸受け)
4221u 窪み
4222 第2の延在部(第2の係合部、主軸受け)
4222t 貫通孔
44 レンズ駆動部(コイルバネ、SMAアクチュエータ)
442 前側コイルバネ(上側コイルバネ、付勢バネ)
444 後側コイルバネ(下側コイルバネ、形状記憶合金コイルバネ)
444a 第1の端部
444b 第2の端部
52 通電部材
521 第1の導体パターン
522 第2の導体パターン
523 導線
54 電気的接続部材
541 第1の電気的接続部材
5412 カシメ具(パイプ状電極)
542 第2の電気的接続部材
5422 カシメ具
100,100A 制御装置
110 アクチュエータ位置検出器
120 偏差演算器
130,130A PIDコントローラ
132 A/D変換器
134 コントロール値演算器
136 D/A変換器
138,138A 演算器制御器
140 制御電源(操作部)
150 加熱/放熱検出器
152 制御値ラッチ回路
154 制御値比較器
160 演算オン/オフ決定器
162 偏差ラッチ回路
164 偏差比較器
170 ゲイン制御器
172 偏差ラッチ回路
174 偏差比較器
176 ゲイン抑制器
O レンズの光軸
AFL オートフォーカスレンズ

Claims (23)

  1. 形状記憶合金を含むアクチュエータで可動部材の位置を、前記形状記憶合金に対する通電を制御することにより、フィードバック制御する制御装置において、
    前記可動部材の位置を検出して、現在の検出位置を表す検出信号を出力する位置検出器と、
    該検出信号で表された現在の検出位置と目標位置との間の偏差を演算する偏差演算器と、
    前記偏差に基いて制御値を求める制御値演算器と、
    前記制御値に基いて操作量である電圧を前記形状記憶合金に印加する操作部と、
    前記制御値と前記偏差とに基いて、前記形状記憶合金のヒステリシス特性に起因する応答遅れをキャンセルするように、前記制御値演算器の動作を制御する演算器制御器と、
    を備えたことを特徴とする、形状記憶合金を含むアクチュエータを用いた制御装置。
  2. 前記演算器制御器は、
    前記制御値に基いて、前記形状記憶合金が加熱状態か放熱状態かを判断する加熱/放熱検出器と、
    該加熱/放熱検出器で放熱状態と判断された場合に起動され、前記偏差に基いて前記制御値演算器の動作を制御する演算器制御部と、
    を有する請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記加熱/放熱検出器は、
    今回の制御値をラッチして、前回の制御値を出力する制御値ラッチ回路と、
    前記今回の制御値と前記前回の制御値とを比較し、前記今回の制御値が前記前回の制御値以下のときに、制御値比較結果として、前記形状記憶合金が放熱状態であることを示す起動信号を前記演算器制御部へ送出する制御値比較器と、
    から構成される、請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記演算器制御部は、前記偏差に基いて前記制御値演算器での演算のオン/オフを決定する演算オン/オフ決定器から構成される、請求項2又は3に記載の制御装置。
  5. 前記演算オン/オフ決定器は、
    今回の偏差をラッチして、前回の偏差を出力する偏差ラッチ回路と、
    前記今回の偏差と前記前回の偏差とを比較し、前記今回の偏差と前記前回の偏差とが等しいとき、一致信号として、前記制御値演算器の演算をオフさせる演算オフ信号を出力する偏差比較器と、
    から構成される、請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記演算器制御部は、前記偏差に基いて前記制御値演算器のゲインを制御するゲイン制御器から構成される、請求項2又は3に記載の制御装置。
  7. 前記ゲイン制御器は、
    今回の偏差をラッチして、前回の偏差を出力する偏差ラッチ回路と、
    前記今回の偏差と前記前回の偏差とを比較し、前記今回の偏差と前記前回の偏差とが等しいとき、一致信号を出力する偏差比較器と、
    前記一致信号に応答して、前記制御値演算器のゲインを抑制するゲイン抑制器と、
    から構成される、請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記可動部材が、レンズを保持するレンズホルダから構成され、
    前記アクチュエータが、前記レンズホルダを光軸方向のみに移動するアクチュエータから成る、請求項1乃至7のいずれか1つに記載の制御装置。
  9. 形状記憶合金を含むアクチュエータで可動部材の位置を、前記形状記憶合金に対する通電を制御することにより、フィードバック制御する制御方法において、
    前記可動部材の位置を検出して、現在の検出位置を表す検出信号を出力する位置検出ステップと、
    該検出信号で表された現在の検出位置と目標位置との間の偏差を演算する偏差演算ステップと、
    前記偏差に基いて制御値を求める制御値演算ステップと、
    前記制御値に基いて操作量である電圧を前記形状記憶合金に印加する操作ステップと、
    前記制御値と前記偏差とに基いて、前記形状記憶合金のヒステリシス特性に起因する応答遅れをキャンセルするように、前記制御値演算ステップの動作を制御する演算制御ステップと、
    を含む、形状記憶合金を含むアクチュエータを用いた制御方法。
  10. 前記演算制御ステップは、
    前記制御値に基いて、前記形状記憶合金が加熱状態か放熱状態かを判断する加熱/放熱検出ステップと、
    該加熱/放熱検出ステップで放熱状態と判断された場合に起動され、前記偏差に基いて前記制御値演算ステップの動作を制御する動作制御ステップと、
    を有する請求項9に記載の制御方法。
  11. 前記加熱/放熱検出ステップは、
    今回の制御値と前回の制御値とを比較し、前記今回の制御値が前記前回の制御値以下のときに、制御値比較結果として、前記形状記憶合金が放熱状態であることを示す起動信号を前記動作制御ステップへ送出する、請求項10に記載の制御方法。
  12. 前記動作制御ステップは、前記偏差に基いて前記制御演算ステップでの演算のオン/オフを決定する演算オン/オフ決定ステップから成る、請求項10又は11に記載の制御方法。
  13. 前記演算オン/オフ決定ステップは、
    今回の偏差と前回の偏差とを比較し、前記今回の偏差と前記前回の偏差とが等しいとき、一致信号として、前記制御演算ステップでの演算をオフする、請求項12に記載の制御方法。
  14. 前記動作制御ステップは、前記偏差に基いて前記制御演算ステップでのゲインを制御するゲイン制御ステップから成る、請求項10又は11に記載の制御方法。
  15. 前記ゲイン制御ステップは、
    今回の偏差と前回の偏差とを比較し、前記今回の偏差と前記前回の偏差とが等しいとき、一致信号を出力する偏差比較ステップと、
    前記一致信号に応答して、前記制御演算ステップでのゲインを抑制するゲイン抑制ステップと、
    から成る、請求項14に記載の制御方法。
  16. 前記可動部材が、レンズを保持するレンズホルダから構成され、
    前記アクチュエータが、前記レンズホルダを光軸方向のみに移動するアクチュエータから成る、請求項9乃至15のいずれか1つに記載の制御方法。
  17. レンズを保持するレンズホルダと、前記レンズホルダを光軸方向にのみ移動可能に支持するハウジングと、前記光軸方向に伸縮し得るコイルバネと、を備えたレンズ駆動装置において、
    前記ハウジングは略直方体形状をしており、
    前記ハウジング内の当該ハウジングの四隅中の第1の隅で、前記光軸方向に延在する主軸を備え、
    前記レンズホルダは、その側面に、前記主軸にスライド移動可能に取り付けられた主軸受けを有し、
    前記コイルバネは、前記主軸受けを間に挟んで、それぞれ、前記主軸の前側及び後側に設けられた前側コイルバネ及び後側コイルバネから構成され、
    前記前側コイルバネ及び前記後側コイルバネの少なくとも一方は、形状記憶合金により形成された形状記憶合金バネからなり、
    前記レンズ駆動装置は、前記形状記憶合金バネに対する通電を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、
    前記レンズホルダの位置を検出して、現在の検出位置を表す検出信号を出力する位置検出器と、
    該検出信号で表された現在の検出位置と目標位置との間の偏差を演算する偏差演算器と、
    前記偏差に基いて制御値を求める制御値演算器と、
    前記制御値に基いて操作量である電圧を前記形状記憶合金バネに印加する操作部と、
    前記制御値と前記偏差とに基いて、前記形状記憶合金バネのヒステリシス特性に起因する応答遅れをキャンセルするように、前記制御値演算器の動作を制御する演算器制御器と、
    を備えたことを特徴とする、レンズ駆動装置。
  18. 前記演算器制御器は、
    前記制御値に基いて、前記形状記憶合金バネが加熱状態か放熱状態かを判断する加熱/放熱検出器と、
    該加熱/放熱検出器で放熱状態と判断された場合に起動され、前記偏差に基いて前記制御値演算器の動作を制御する演算器制御部と、
    を有する請求項17に記載のレンズ駆動装置。
  19. 前記加熱/放熱検出器は、
    今回の制御値をラッチして、前回の制御値を出力する制御値ラッチ回路と、
    前記今回の制御値と前記前回の制御値とを比較し、前記今回の制御値が前記前回の制御値以下のときに、制御値比較結果として、前記形状記憶合金バネが放熱状態であることを示す起動信号を前記演算器制御部へ送出する制御値比較器と、
    から構成される、請求項18に記載のレンズ駆動装置。
  20. 前記演算器制御部は、前記偏差に基いて前記制御値演算器での演算のオン/オフを決定する演算オン/オフ決定器から構成される、請求項18又は19に記載のレンズ駆動装置。
  21. 前記演算オン/オフ決定器は、
    今回の偏差をラッチして、前回の偏差を出力する偏差ラッチ回路と、
    前記今回の偏差と前記前回の偏差とを比較し、前記今回の偏差と前記前回の偏差とが等しいとき、一致信号として、前記制御値演算器の演算をオフさせる演算オフ信号を出力するする偏差比較器と、
    から構成される、請求項20に記載のレンズ駆動装置。
  22. 前記演算器制御部は、前記偏差に基いて前記制御値演算器のゲインを制御するゲイン制御器から構成される、請求項18又は19に記載のレンズ駆動装置。
  23. 前記ゲイン制御器は、
    今回の偏差をラッチして、前回の偏差を出力する偏差ラッチ回路と、
    前記今回の偏差と前記前回の偏差とを比較し、前記今回の偏差と前記前回の偏差とが等しいとき、一致信号を出力する偏差比較器と、
    前記一致信号に応答して、前記制御値演算器のゲインを抑制するゲイン抑制器と、
    から構成される、請求項22に記載のレンズ駆動装置。
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