第1の発明は、原料と水蒸気との改質反応により水素含有ガスを生成させる改質部と、改質部の改質温度を検出する改質温度検出部と、改質部を通過した水素含有ガス中の一酸化炭素と水蒸気とを反応させる変成触媒を有する変成部と、改質反応に必要な熱を供給する燃焼部と、改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断する検出部と、運転制御部と、を少なくとも備え、運転制御部は、改質温度検出部で検出される改質温度に基づいて燃焼部の動作を制御するとともに、検出部の計測値に基づいて改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断する構成を有する水素生成装置である。
この構成により、燃焼部の動作を改質温度検出部の改質温度の検出値に基づいて制御するとともに、その検出値が正しいか否かを検出部の計測値で判断し、最適に制御できる。その結果、改質温度検出部と検出部の2段階で燃焼部の動作を制御して、運転に最適な水素含有ガスを安定に供給する改質部を備えた水素生成装置を実現できる。
第2の発明は、第1の発明において、変成部に変成温度を検出する変成温度検出部を設け、運転制御部は、検出部の計測値である、変成温度検出部で検出される変成温度に基づいて、改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断して制御する。これにより、変成温度を検出部の計測値として、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して制御できる。
第3の発明は、第2の発明において、運転制御部は、改質温度の検出値が予め設定される改質温度閾値内で、かつ変成温度の検出値が予め設定される変成温度閾値外である場合に、改質温度検出部の検出値が異常と判断して制御する。これにより、改質温度検出部の動作不良を短期間で判断して水素生成装置を制御できる。
第4の発明は、第1の発明において、変成部を通過した水素含有ガス中の一酸化炭素と空気とを反応させる選択酸化触媒を有する選択酸化部と、選択酸化部の選択酸化温度を検出する選択酸化温度検出部とを設け、運転制御部は、検出部の計測値である、選択酸化温度検出部で検出される選択酸化温度に基づいて、改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断して制御する。これにより、選択酸化温度を検出部の計測値として、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して制御できる。
第5の発明は、第3または第4の発明において、運転制御部は、改質温度の検出値が予め設定される改質温度閾値内で、かつ選択酸化温度の検出値が予め設定される選択酸化温度閾値外である場合に、改質温度検出部の検出値が異常と判断して制御する。これにより、改質温度検出部の動作不良を短期間で判断して水素生成装置を制御できる。
第6の発明は、第1、第2または第4のいずれかの発明において、燃焼部に、イオン電流値を用いて燃焼部での燃焼状態を検出する燃焼検出部を設け、運転制御部は、検出部の計測値である、燃焼検出部で検出されるイオン電流値に基づいて、改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断して制御する。これにより、イオン電流値、またはイオン電流値と変成温度、あるいはイオン電流、変成温度と選択酸化温度を検出部の計測値として、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して制御できる。
第7の発明は、第3、第5または第6のいずれかの発明において、運転制御部は、改質温度の検出値が予め設定される改質温度閾値内で、かつ燃焼検出部で検出されるイオン電流値が予め設定される電流値閾値外である場合に、改質温度検出部の検出値が異常と判断して制御する。これにより、改質温度検出部の動作不良を短期間で判断して水素生成装置を制御できる。
第8の発明は、第2、第4または第6のいずれかの発明において、変成部に変成冷却手段をさらに設け、運転制御部は、検出部の計測値である、変成温度検出部で検出される変成温度に基づいて変成冷却手段の動作を制御するとともに、変成冷却手段の動作に基づいて改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断して制御する。これにより、変成温度、または選択酸化温度あるいはイオン電流値を検出部の計測値とし、さらに変成冷却手段の動作により、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して制御できる。
第9の発明は、第8の発明において、運転制御部は、改質温度の検出値が予め設定される改質温度閾値内で、かつ変成冷却手段の動作が予め設定される変成冷却手段閾値外である場合に、改質温度検出部の検出値が異常と判断して制御する。これにより、改質温度検出部の動作不良を短期間で判断して水素生成装置を制御できる。
第10の発明は、第4の発明において、選択酸化部に選択酸化冷却手段をさらに設け、運転制御部は、検出部の計測値である、選択酸化温度検出部で検出される選択酸化温度に基づいて選択酸化冷却手段の動作を制御するとともに、選択酸化冷却手段の動作に基づいて改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断して制御する。これにより、選択酸化温度またはイオン電流値を検出部の計測値とし、さらに選択酸化冷却手段の動作により、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して制御できる。
第11の発明は、第10の発明において、運転制御部は、改質温度の検出値が予め設定される改質温度閾値内で、かつ選択酸化冷却手段の動作が予め設定される選択酸化冷却手段閾値外である場合に、改質温度検出部の検出値が異常と判断して制御する。これにより、改質温度検出部の動作不良を短期間で判断して水素生成装置を制御できる。
第12の発明は、第1の発明において、運転制御部は、検出部の計測値である、改質温度検出部で検出される改質温度が、所定の改質温度に到達するまでの到達時間に基づいて、改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断して制御する。これにより、所定の改質温度に到達するまでの到達時間を用いて、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して制御できる。
第13の発明は、第12の発明において、運転制御部は、到達時間が予め設定される時間閾値外である場合に、改質温度検出部の検出値が異常と判断して制御する。これにより、改質温度検出部の動作不良を短期間で判断して水素生成装置を制御できる。
第14の発明は、原料と水蒸気との改質反応により水素含有ガスを生成させる改質部と、改質部の改質温度を検出する改質温度検出部と、改質部を通過した水素含有ガス中の一酸化炭素と水蒸気とを反応させる変成触媒を有する変成部と、改質反応に必要な熱を供給する燃焼部と、水素含有ガスおよび酸素含有ガスが供給されて発電する燃料電池と、改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断する検出部と、運転制御部と、を少なくとも備え、運転制御部は、改質温度検出部で検出される改質温度に基づいて燃焼部の動作を制御するとともに、検出部の計測値に基づいて改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断する構成を有する燃料電池発電システムである。
この構成により、燃焼部の動作を改質温度検出部の改質温度の検出値に基づいて制御するとともに、その検出値が正しいか否かを検出部の計測値で判断し、最適に制御できる。その結果、改質温度検出部と検出部の2段階で燃焼部の動作を制御して、安全で信頼性の高い燃料電池発電システムを実現できる。
第15の発明は、第14の発明において、燃料電池の発電電圧値を検出する電圧検出部を設け、運転制御部は、検出部の計測値である、電圧検出部で検出される発電電圧値に基づいて、改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断して制御する。これにより、発電電圧を検出部の計測値として、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して制御できる。
第16の発明は、第15の発明において、運転制御部は、改質温度の検出値が予め設定される改質温度閾値内で、かつ電圧検出部で検出される発電電圧値が予め設定される電圧値閾値外である場合に、改質温度検出部の検出値が異常と判断して制御する。これにより、改質温度検出部の動作不良を短期間で判断して燃料電池発電システムを制御できる。
第17の発明は、第15の発明において、変成部に変成温度を検出する変成温度検出部をさらに設け、運転制御部は、検出部の計測値である、変成温度検出部で検出される変成温度、および電圧検出部で検出される発電電圧値に基づいて、改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断して制御する。これにより、発電電圧と変成温度を検出部の計測値として、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して制御できる。
第18の発明は、第17の発明において、運転制御部は、改質温度の検出値が予め設定される改質温度閾値内で、かつ変成温度の検出値が予め設定される変成温度閾値外であり、かつ電圧検出部で検出される発電電圧値が予め設定される電圧値閾値外で場合に、改質温度検出部の検出値が異常と判断して制御する。これにより、改質温度検出部の動作不良を短期間で判断して燃料電池発電システムを制御できる。
第19の発明は、第15の発明において、変成部を通過した水素含有ガス中の一酸化炭素と空気とを反応させる選択酸化触媒を有する選択酸化部と、選択酸化部の選択酸化温度を検出する選択酸化温度検出部とを、さらに設け、運転制御部は、検出部の計測値である、選択酸化温度検出部で検出される選択酸化温度および電圧検出部で検出される発電電圧値に基づいて、改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断して制御する。これにより、発電電圧と、変成温度または選択酸化温度とを検出部の計測値として、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して制御できる。
第20の発明は、第19の発明において、運転制御部は、改質温度の検出値が予め設定される改質温度閾値内で、かつ選択酸化温度の検出値が予め設定される選択酸化温度閾値外で、かつ電圧検出部で検出される発電電圧値が予め設定される電圧値閾値外である場合に、改質温度検出部の検出値が異常と判断して制御する。これにより、改質温度検出部の動作不良を短期間で判断して燃料電池発電システムを制御できる。
第21の発明は、第15の発明において、燃焼部にイオン電流値を用いて燃焼部での燃焼状態を検出する燃焼検出部を設け、運転制御部は、検出部の計測値である、燃焼検出部で検出されるイオン電流値および電圧検出部で検出される発電電圧値に基づいて、改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断して制御する。これにより、イオン電流値と、発電電圧または変成温度あるいは選択酸化温度とを検出部の計測値として、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して制御できる。
第22の発明は、第21の発明において、運転制御部は、改質温度の検出値が予め設定される改質温度閾値内で、かつ燃焼検出部で検出されるイオン電流値が予め設定される電流値閾値外で、かつ電圧検出部で検出される発電電圧値が予め設定される電圧値閾値外で場合に、改質温度検出部の検出値が異常と判断して制御する。これにより、改質温度検出部の動作不良を短期間で判断して燃料電池発電システムを制御できる。
第23の発明は、第17の発明において、変成部に変成冷却手段をさらに設け、運転制御部は、検出部の計測値である、変成温度検出部で検出される変成温度に基づいて変成冷却手段の動作を制御するとともに、変成冷却手段の動作に基づいて改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断して制御する。これにより、変成温度および発電電圧と、選択酸化温度またはイオン電流値とを検出部の計測値とし、さらに変成冷却手段の動作により、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して制御できる。
第24の発明は、第23の発明において、運転制御部は、改質温度の検出値が予め設定される改質温度閾値内で、かつ変成冷却手段の動作が予め設定される変成冷却手段閾値外である場合に、改質温度検出部の検出値が異常と判断して制御する。これにより、改質温度検出部の動作不良を短期間で判断して燃料電池発電システムを制御できる。
第25の発明は、第19の発明において、選択酸化部に選択酸化冷却手段をさらに設け、運転制御部は、検出部の計測値である、選択酸化温度検出部で検出される選択酸化温度に基づいて選択酸化冷却手段の動作を制御するとともに、選択酸化冷却手段の動作に基づいて改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断して制御する。これにより、発電電圧と変成温度または選択酸化温度、あるいは発電電圧とイオン電流値または変成温度あるいは選択酸化温度とを検出部の計測値とし、さらに選択酸化冷却手段の動作により、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して制御できる。
第26の発明は、第25の発明において、運転制御部は、改質温度の検出値が予め設定される改質温度閾値内で、かつ選択酸化冷却手段の動作が予め設定される選択酸化冷却手段閾値外である場合に、改質温度検出部の検出値が異常と判断して制御する。これにより、改質温度検出部の動作不良を短期間で判断して燃料電池発電システムを制御できる。
第27の発明は、第14の発明において、運転制御部は、検出部の計測値である、改質温度検出部で検出される改質温度が、所定の改質温度に到達するまでの到達時間に基づいて、改質温度検出部の検出値が適正かどうかを判断して制御する。これにより、所定の改質温度に到達するまでの到達時間を用いて、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して制御できる。
第28の発明は、第27の発明において、運転制御部は、到達時間が予め設定される時間閾値外である場合に、改質温度検出部の検出値が異常と判断して制御する。これにより、改質温度検出部の動作不良を短期間で判断して燃料電池発電システムを制御できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
まず、以下に本発明の燃料電池発電システムの構成について、詳細に説明する。
図1は、本発明の燃料電池発電システムを示す概略構成図である。
図1に示すように、燃料電池発電システム100は、水素含有ガスを生成させる水素生成装置1と、水素生成装置1から供給された水素含有ガスを用いて発電を行う燃料電池8と、水素生成装置1から燃料電池8へ水素含有ガスを供給する水素ガス供給経路12と、燃料電池8で排出される水素含有ガス(アノードオフガス)を水素生成装置1の燃焼部2に供給するオフガス経路14と、燃焼ガス供給経路15とを備えている。
そして、オフガス経路14には、水素生成装置1から水素含有ガスの供給を封止する封止部9が設けられ、封止部9は水素生成装置バイパス経路11と燃料電池バイパス経路13に接続されている。また、水素ガス供給経路12には、水素生成装置1から水素含有ガスの供給を封止する封止部9Aが設けられ、封止部9Aは燃料電池バイパス経路13に接続されている。ここで、封止部9,9Aは、複数の電磁弁を組み合わせた構成(詳細説明は省略する)からなり、水素ガス供給経路12、水素生成装置バイパス経路11および燃料電池バイパス経路13から供給されるガスの流通を切り替える切替機能も備えている。
また、燃料電池8は、酸素含有ガスとしての空気を供給する燃料電池空気ブロア17と、燃料電池8の発電電圧を検出する電圧検出部28を備えている。そして、燃料電池8の他の構成は、一般的な固体高分子型の燃料電池と同等であるので詳細な説明は省略する。
また、燃料電池発電システム100は、水を供給する水供給部3と、炭化水素系の原料に含まれる硫黄成分を吸着して除去する脱硫部5と、原料と水とを用いて水素含有ガスを生成させる水素生成装置1と、原料の流量(原料流量)を制御する原料供給部4と、原料供給部4や水供給部3の動作を少なくとも制御する運転制御部16とを備えている。なお、脱硫部5に供給される炭化水素系の原料は、炭化水素などの少なくとも炭素および水素元素から構成される有機化合物を含む原料であればよく、例えばメタンを主成分とする都市ガス、天然ガス、LPGなどである。
そして、図1に示すように、本実施の形態では、原料の供給源として、例えば都市ガスのガスインフラライン6を用い、そのガスインフラライン6が脱硫部5に接続されている。なお、脱硫部5は、上流側および下流側に配置された脱硫接続部7に着脱可能な形状を有し、脱硫部5の硫黄成分に対する吸着量が飽和して吸着特性が低下した場合に、新しい脱硫部5と交換できる構成となっている。このとき、脱硫部5には、都市ガス中の付臭成分である硫黄化合物を吸着させる、ゼオライト系吸着除去剤が充填されている。
また、脱硫接続部7は、原料の流通を制御する、例えば電磁弁で構成される弁機能も有している。なお、脱硫部5は、水添脱硫(水素化脱硫)を用いた構成としてもよい。
また、水供給部3は、流量調節機能を有するポンプを有している。
また、原料供給部4は、脱硫部5と水素生成装置1とを接続する原料供給経路10に配置され、水素生成装置1に供給される原料の流量を制御することによって、ガスインフラライン6から脱硫部5に供給される原料の流量を制御している。なお、原料供給部4は、脱硫部5に供給される原料の流量を制御できればよく、脱硫部5の上流側に配置してもよい。本実施の形態では、原料供給部4はブースターポンプを有し、例えば入力する電流パルスや入力電力などを制御することにより、脱硫部5に供給される原料の流量を調節できる。
また、運転制御部16は、水素生成装置1の運転動作を制御する制御部で、原料供給部4から水素生成装置1に供給される原料の供給量、水供給部3から水素生成装置1に供給される水の供給量などの制御および脱硫接続部7や封止部9,9Aの動作の制御を行う。さらに、以下で詳細に説明するように、改質温度検出器で検出される改質温度に基づいて燃焼部の動作を制御するとともに、変成部で検出される変成温度などの検出部の計測値に基づいて、改質温度検出部の検出値が適正かを判断して、改質部の動作を最適に制御する。
また、運転制御部16は、燃料電池8の運転動作も制御するが、詳細な説明は省略する。
なお、運転制御部16は、例えば半導体メモリーやCPUなどにより構成される。そして、水素生成装置1の運転動作シーケンス、原料積算流量などの運転情報を記憶して状況に応じた適切な動作条件を演算するとともに、水供給部3や原料供給部4などの運転に必要な動作条件を指令する。
以下に、本発明の実施の形態1における水素生成装置について、図面を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態1の燃料電池発電システム100における水素生成装置1を示す要部断面図である。
図2に示すように、水素生成装置1は、水蒸気発生部23と、改質部20と、変成部25とを少なくとも備えている。ここで、水蒸気発生部23は、水供給部3から供給される水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに、原料と水蒸気の混合ガスを予熱する。そして、改質部20は、原料と水蒸気との改質反応を進行させる。さらに、変成部25は、改質部20で生成した水素含有ガス中の一酸化炭素と水蒸気とを変成反応させて、水素含有ガスの一酸化炭素濃度を低減させる。なお、変成部25を通過した後の水素含有ガス中に残留する一酸化炭素を、空気供給部19から変成部25を通過した後の水素含有ガスに供給される空気を用いて、主に酸化させて除去する選択酸化部26を設けてもよい。
このとき、改質部20には、例えばRu系の改質触媒、変成部25には、例えばCu−Zn系の変成触媒、選択酸化部26には、例えばRu系の選択酸化触媒を有している。
また、水素生成装置1は、改質部20における改質触媒(あるいは水素含有ガス)の温度(反応温度)を検出する改質温度検出部21、変成部25における変成触媒(あるいは水素含有ガス)の温度(反応温度)を検出する変成温度検出部33、選択酸化部における選択酸化触媒(あるいは水素含有ガス)の温度(反応温度)を検出する選択酸化温度検出部34を備えている。そして、改質部20と水蒸気発生部23は、内筒31を介して燃焼部2で発生させた燃焼排ガスと、中筒32を介して改質部20で生成され、変成部25、選択酸化部26を通過する水素含有ガスとが、それぞれ熱交換される構成となっている。
また、水素生成装置1は、改質部20における改質反応に必要な反応熱を供給するための、例えば燃焼ガスを燃焼させるバーナーなどからなる燃焼部2を備えている。このとき、燃焼部2で燃焼させる燃焼ガスは、燃焼ガス供給経路15を介して燃焼部2に供給される。さらに、燃焼部2は、燃焼部2の燃焼状態を検知する、例えばフレームロッドなどの燃焼検出部22と、燃焼部2に燃料用空気を供給する、例えば燃焼ファンなどの燃焼空気供給部18とを備えている。なお、フレームロッドは、火炎が形成されるときに発生するイオンに電圧を印加し、その時に流れるイオン電流値を測定するデバイスである。
そして、水素生成装置1で生成された水素含有ガスは、図1に示す水素ガス供給経路12を介して燃料電池8に供給される。
なお、上記改質部20、変成部25および選択酸化部26の一般的な構成については、図示や詳細な説明を省略する。
つぎに、水素生成装置の運転動作について、具体的に説明する。
以下では、燃料電池発電システムの起動時、通常の発電時および停止時の運転動作を、水素生成装置1の動作を中心に説明する。
まず、燃料電池発電システムの起動時から通常の発電時までの水素生成装置1の運転動作について、説明する。
すなわち、停止状態から水素生成装置1を起動させる場合、運転制御部16からの指令により、原料供給部4から水素生成装置バイパス経路11を通し、封止部9、燃焼ガス供給経路15を経由して、原料を燃焼部2に供給される。そして、燃焼部2で原料が燃焼することにより、水素生成装置1の加熱を開始する。
つぎに、加熱開始後に、水素生成装置1(改質部20)に原料供給経路10を経由して原料が、また水供給部3により水が供給し、水と原料との改質反応を開始する。本実施の形態では、メタンを主成分とする都市ガス(13A)を原料とを例に説明する。このとき、水供給部3から水は、都市ガスの平均分子式中の炭素原子数1モルに対して水蒸気が3モル(スチームカーボン比(S/C)で3程度)程度になるように制御して供給される。これにより、水素生成装置1では、改質部20で水蒸気改質反応、変成部25で変成反応、選択酸化部26で一酸化炭素の選択酸化反応が進行し、水素含有ガスが生成する。
そして、生成させた水素含有ガスの一酸化炭素濃度が、所定濃度(例えば、ドライガスベースで20ppm以下)に減少するまで、封止部9,9A、燃料電池バイパス経路13を経由して、循環して燃焼部2に供給される。このとき、運転制御部16は、改質温度検出部21で検出される改質温度に基づいて、改質部20、変成部25、選択酸化部26が各反応に適した温度になるように、燃焼部2の燃焼を制御する。
つぎに、水素生成装置1に供給された原料が燃焼部2に供給され、燃焼部2での燃焼状態が安定化した後は、水素生成装置バイパス経路11からの原料の供給を停止する。
つぎに、水素生成装置1で生成された水素含有ガスの一酸化炭素の濃度を所定濃度まで減少させた後、水素ガス供給経路12を通して水素含有ガスを燃料電池8に供給する。これにより、燃料電池8で水素含有ガス中の水素と酸素含有ガス中の酸素とが反応し、定常的な発電動作が開始する。
つぎに、燃料電池8のアノードから排出されるアノードオフガスは、オフガス経路14、燃焼ガス供給経路15を経由して燃焼部2に供給される。このとき、アノードオフガス流量は、改質温度検出部21で検出される改質温度に基づいて、原料供給部4からの原料の供給量が、運転制御部16により制御される。
以下に、燃料電池発電システムの運転停止時の水素生成装置1の運転動作について、説明する。
すなわち、燃料電池発電システム100の運転を停止させる場合、運転制御部16は、封止部9,9Aを作動させることにより、燃料電池8への水素含有ガスの供給を停止し、燃料電池バイパス経路13を経由して燃焼部2に供給するように指令して制御する。
つぎに、水供給部3と原料供給部4に指令して、水と原料の供給を停止することにより水素生成装置1の動作を停止させる。このとき、水素生成装置1の停止動作時に、水素生成装置1内に外気の混入を極力防止する動作を併設して行うことが好ましい。なお、外気の混入を防止する動作とは、例えば封止部9,9Aを動作させて水素生成装置1を封止する動作や、水素生成装置1が降温して体積減少する量に相当する量の原料を供給する動作などである。
以下に、本実施の形態の発明のポイントである、改質温度検出部の検出値が適正かどうか判断する検出部の動作について、詳細に説明する。
つまり、改質温度検出部の検出値が正しく、精度よく改質部の改質反応が制御される場合には、問題ない。しかし、何らかの原因で、改質温度検出部の検出値が、実際の値と異なる値を運転制御部に返し、その値に基づいて改質部を制御する場合、安全性や信頼性、発電効率の低下などの問題を生じる。そのため、改質検出部の検出値が適正かどうか判断することが重要となる。
本実施の形態の水素生成装置1では、改質温度検出部21と変成温度検出部33を検出部として、改質温度検出部21で検出される改質温度と変成温度検出部33で検出される変成温度の計測値に基づいて、改質温度検出部21で検出される改質温度が適正かどうかを判断するものである。
以下に、発電時における、検出部の具体的な動作について説明する。
まず、改質温度検出部21で検出された改質温度が、実際の温度より低い場合、運転制御部16は改質温度を設定温度になるように制御する。その結果、改質温度検出部21の検出値が適正な場合よりも、原料供給部4からの原料の供給量は増加し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も増加する。これにより、改質温度検出部21で検出される改質温度は設定温度で制御される。しかし、実際の温度は設定温度より高くなるため、燃焼排ガス温度が上昇する。その結果、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する変成部25の変成温度の計測値が上昇する。
一方、改質温度検出部21で検出された改質温度が、実際の温度より高い場合、運転制御部16は改質温度を設定温度になるように制御する。その結果、改質温度検出部21の検出値が適正な場合よりも、原料供給部4からの原料の供給量は減少し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も減少する。これにより、改質温度検出部21で検出される改質温度は設定温度で制御される。しかし、実際の改質温度は設定温度より低くなるため、燃焼排ガス温度が下降する。その結果、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する変成部25の変成温度の計測値が下降する。
つまり、検出部の計測値である、改質温度検出部21の改質温度と変成温度検出部33の変成温度の変化を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できることになる。
そして、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より低いと判断した場合、変成温度検出部33で検出する変成温度が低下するように、改質温度検出部21で検出する改質温度の設定温度を下げるように運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より高いと判断した場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
なお、本実施の形態では、改質温度検出部21の検出温度が適正かどうかを、変成温度検出部33の変成温度の計測値から運転制御部16で判断し制御する例で説明したが、これに限られない。例えば、改質温度検出部21の検出値に応じて、予め改質温度検出部21で検出する改質温度に改質温度閾値、変成温度検出部33で検出する変成温度に変成温度閾値を設けて制御してもよい。具体的には、運転制御部16は、改質温度閾値内で、かつ変成温度閾値外である場合、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外で異常であると判断して燃料電池発電システム100の運転を停止させる制御をする。ここで、改質温度閾値や変成温度閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば、燃料電池8での発電や燃料電池発電システム100が不安定となる、転化率、生成水素量や燃料電池8における水素利用率あるいは発電効率の低下などに対する、改質温度検出部21で検出する改質温度と変成温度検出部33で検出する変成温度との関係に基づいて設定される。また、改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対する、改質温度と変成温度との関係に基づいて設定してもよい。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
まず、改質温度と変成温度の計測値に基づいて、改質温度が異常であること検出し判断する。
つぎに、変成温度の計測値と、予め測定して、例えば記憶部に設定された改質温度と変成温度との関係から変成温度が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として改質温度を制御する。このとき、変成温度検出部33の変成温度が適正範囲内であることを検出することにより、改質温度検出部21の検出値が適正検出値の範囲外であることを判断する。これにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを、より正確に判断して制御できる。
具体的には、まず、改質温度の計測値が、実際の温度より低いと判断(検出)された場合、その時の変成温度の計測値と、予め測定して設定された改質温度と変成温度との関係から変成温度が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として、原料供給部4からの原料の供給量を減少させて、改質温度検出部21の改質温度を改質温度設定値になるように制御する。このとき、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出している場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い改質温度および燃焼排ガス温度が下降する。その結果、変成温度検出部33で検出される変成温度は適正範囲外に下降する。
しかし、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出していない場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い改質温度および燃焼排ガス温度が下降するが、変成温度検出部33で検出される変成温度が適正範囲内となる。その結果、改質温度検出部21の検出値が正確に検出されていないことが容易に判断できる。なお、改質温度検出部21の改質温度の計測値が、実際の温度より高く検出している場合、上記と逆の動作により、容易に判断できる。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
つまり、水素生成装置1の起動時において、改質温度が実際の温度より低く検出される場合、検出された低い改質温度で燃焼部2の動作が制御される。そのため、所定の改質温度に到達するまでの到達時間が、改質温度の検出値が適正な場合より長くなることに基づいて判断するものである。具体的には、改質温度が実際の温度より低く検出される場合、所定の改質温度に到達するときには、実際の温度は所定の改質温度より高くなるとともに、燃焼排ガス温度も上昇する。その結果、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する変成部25の変成温度の計測値が上昇する。
一方、改質温度が実際の温度より高く検出される場合、所定の改質温度に到達するまでの到達時間は、改質温度の検出値が適正な場合より短くなる。具体的には、改質温度が所定の改質温度に到達するときには、実際の温度は所定の改質温度より低くなるとともに、燃焼排ガス温度も下降する。その結果、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する変成部25の変成温度の計測値が下降する。
これにより、検出部の計測値である、改質温度と変成温度の変化を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できる。
そして、改質温度検出部21の改質温度が、実際の温度より低く検出したと判断した場合、変成温度検出部33の変成温度を低下するように、所定の改質温度の設定温度を下げて運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より高く検出された判断した場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
つまり、改質温度検出部21の検出値、例えば所定の改質温度に応じて、予め改質温度検出部21で検出する改質温度に改質温度閾値、変成温度検出部33で検出する変成温度に変成温度閾値を設けて制御してもよい。具体的には、運転制御部16は、改質温度閾値内で、かつ変成温度閾値外である場合、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断して燃料電池発電システム100の運転を停止させる制御をする。ここで、改質温度閾値や変成温度閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば、改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対する、改質温度と変成温度との関係に基づいて設定される。
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2における水素生成装置について説明する。なお、実施の形態2における水素生成装置は、改質温度検出部の検出値が適正かどうか判断する検出部が、実施の形態1と異なる。他の構成や各動作は、実施の形態1の水素生成装置および燃料電池発電システム100と、ほぼ同じであるので説明を省略する場合がある。
つまり、検出部として、改質温度検出部と選択酸化温度検出部を用い、改質温度検出部の反応温度と選択酸化温度検出部の選択酸化温度を検出値として用いた点で、実施の形態1と異なる。
そこで、以下では、改質温度検出部通の検出値が適正かどうか判断する検出部である、改質温度検出部と選択酸化検出部の動作を主に、詳細に説明する。
以下に、発電時における、検出部の具体的な動作について説明する。
まず、改質温度検出部21で検出された改質温度が、実際の温度より低い場合、運転制御部16は改質温度を設定温度になるように制御する。その結果、改質温度検出部21の検出値が適正な場合よりも、原料供給部4からの原料の供給量は増加し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も増加する。これにより、改質温度検出部21で検出される改質温度は設定温度で制御される。しかし、実際の温度は設定温度より高くなるため、燃焼排ガス温度が上昇する。その結果、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する選択酸化部26の選択酸化温度の計測値が上昇する。
一方、改質温度検出部21で検出された改質温度が、実際の温度より高い場合、運転制御部16は改質温度を設定温度になるように制御する。その結果、改質温度検出部21の検出値が適正な場合よりも、原料供給部4からの原料の供給量は減少し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も減少する。これにより、改質温度検出部21で検出される改質温度は設定温度で制御される。しかし、実際の温度は設定温度より低くなるため、燃焼排ガス温度が下降する。その結果、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する選択酸化部26の選択酸化温度の計測値が下降する。
つまり、検出部の計測値である、改質温度検出部21の改質温度と選択酸化温度検出部の選択酸化温度の変化を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できることになる。
そして、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より低いと判断した場合、選択酸化温度検出部34で検出する選択酸化温度が低下するように、改質温度検出部21で検出する改質温度の設定温度を下げて運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より高いと判断した場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
なお、本実施の形態では、改質温度検出部21の改質温度の検出値が適正かどうかを、選択酸化部26の選択酸化温度の計測値から運転制御部16で判断し制御する例で説明したが、これに限られない。例えば、改質温度検出部21の検出値に応じて、予め改質温度検出部21で検出する改質温度に改質温度閾値、選択酸化温度検出部34で検出する選択酸化温度に選択酸化温度閾値を設けて制御してもよい。ここで、改質温度閾値と選択酸化温度閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば、燃料電池8での発電や燃料電池発電システム100が不安定となる、転化率、生成水素量や燃料電池8における水素利用率あるいは発電効率の低下などに対する、改質温度検出部21で検出する改質温度と選択酸化温度検出部34変成温度検出部33で検出する選択酸化温度との関係に基づいて設定される。また、改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対する、改質温度と選択酸化温度との関係に基づいて設定してもよい。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
まず、改質温度と選択酸化温度の計測値に基づいて、改質温度が異常であることを検出し判断する。
つぎに、選択酸化温度の計測値と、予め測定して、例えば記憶部に設定された改質温度と選択酸化温度との関係から選択酸化温度が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として改質温度を制御する。このとき、選択酸化温度検出部34の選択酸化温度が適正範囲内であることを検出することにより、改質温度検出部21の検出値が適正検出値の範囲外であることを判断する。これにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを、より正確に判断して制御できる。
具体的には、まず、改質温度の計測値が、実際の温度より低いと判断(検出)された場合、その時の選択酸化温度の計測値と、予め測定して設定された改質温度と選択酸化温度との関係から選択酸化温度が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として、原料供給部4からの原料の供給量を減少させて、改質温度検出部21の改質温度を改質温度設定値になるように制御する。このとき、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出している場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い改質温度および燃焼排ガス温度が下降する。その結果、選択酸化温度検出部34で検出される選択酸化温度は適正範囲外に下降する。
しかし、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出していない場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い改質温度および燃焼排ガス温度が下降するが、選択酸化温度検出部34で検出される選択酸化温度が適正範囲内となる。その結果、改質温度検出部21の検出値が正確に検出されていないことが容易に判断できる。なお、改質温度検出部21の改質温度の計測値が、実際の温度より高く検出している場合、上記と逆の動作により、容易に判断できる。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
つまり、水素生成装置1の起動時において、改質温度が実際の温度より低く検出される場合、検出された低い改質温度に基づいて燃焼部2の動作が制御される。そのため、所定の改質温度に到達するまでの到達時間が、改質温度の検出値が適正な場合より長くなる。
そこで、改質温度検出部を検出部とし、到達時間を検出値として、それに基づいて運転制御部16で判断し制御するものである。
具体的には、改質温度が所定の改質温度に到達するときには、実際の温度は所定の改質温度より高くなるとともに、燃焼排ガス温度も上昇する。その結果、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する選択酸化部26の選択酸化温度の計測値が上昇する。
一方、改質温度が実際の温度より高く検出される場合、所定の改質温度に到達するまでの到達時間は、改質温度の検出値が適正な場合より短くなる。具体的には、改質温度が所定改質温度に到達するときには、実際の温度は所定の改質温度より低くなるとともに、燃焼排ガス温度も下降する。その結果、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する選択酸化部26の選択酸化温度の計測値が下降する。
これにより、検出部の計測値である、改質温度と選択酸化温度の変化を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できる。
そして、改質温度検出部21の改質温度が、実際の温度より低く検出したと判断した場合、選択酸化温度検出部34の選択酸化温度を低下するように、所定の改質温度の設定温度を下げて運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21の改質温度が、実際の温度より高く検出されたと判断した場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
つまり、改質温度検出部21の検出値、例えば所定の改質温度に応じて、予め改質温度検出部21で検出する改質温度に改質温度閾値、選択酸化温度検出部34で検出する選択酸化温度に選択酸化温度閾値を設けて制御してもよい。具体的には、運転制御部16は、改質温度閾値内で、かつ選択酸化温度閾値外である場合、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外で異常であると判断して燃料電池発電システム100の運転を停止させる制御をする。ここで、改質温度閾値や選択酸化温度閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば、改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対して、改質温度と選択酸化温度との関係に基づいて設定される。
(実施の形態3)
以下に、本発明の実施の形態3における水素生成装置について説明する。なお、実施の形態3における水素生成装置は、改質温度検出部の検出値が適正かどうか判断する検出部が、実施の形態1と異なる。他の構成や各動作は、実施の形態1の水素生成装置および燃料電池発電システム100と、ほぼ同じであるので説明を省略する場合がある。
つまり、検出部として、改質温度検出部と燃焼検出部を用い、改質温度検出部の反応温度と燃焼検出部のイオン電流値を検出値として用いた点で、実施の形態1と異なる。
そこで、以下では、改質温度検出部通の検出値が適正かどうか判断する検出部である、改質温度検出部と燃焼検出部の動作を主に、詳細に説明する。
以下に、発電時における、検出部の具体的な動作について説明する。
まず、改質温度検出部21で検出された改質温度が、実際の温度より低い場合、運転制御部16は改質温度を設定温度になるように制御する。その結果、改質温度検出部21の検出値が適正な場合よりも、原料供給部4からの原料の供給量は増加し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も増加する。これにより、改質温度検出部21で検出される改質温度は設定温度で制御されるが、実際の温度は設定温度より高くなる。なお、通常、改質部20の反応は、触媒の活性が十分であれば、一定の圧力状態の下でほぼ温度だけで一義的に組成等が決定される平衡反応である。そのため、改質温度が高くなると、水素への転化率が上昇、つまり水素濃度が増加し有機化合物濃度が減少する。そして、水素含有ガス、さらには燃焼部2に供給されるアノードオフガス中の有機化合物濃度が減少する。その結果、燃焼部2で燃焼する火炎中の有機化合物濃度が減少するので、燃焼検出部22で検出されるイオン電流値が減少することになる。
一方、改質温度検出部21で検出された改質温度が、実際の温度より高い場合、運転制御部16は、改質温度を設定温度になるように制御する。その結果、改質温度検出部21の検出値が適正な場合よりも、原料供給部4からの原料の供給量は減少し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も減少する。これにより、改質温度検出部21で検出される改質温度は設定温度で制御される。しかし、実際の温度は設定温度より低くなるため、水素への転化率が下降、つまり、水素濃度が減少し、有機化合物濃度が増加する。さらに、水素含有ガス、さらには燃焼部2に供給されるアノードオフガス中の有機化合物濃度が増加する。その結果、燃焼部2で燃焼する火炎中の有機化合物濃度が増加するので、燃焼検出部22で検出するイオン電流値が増加することになる。
つまり、検出部の計測値である、改質温度検出部21の改質温度と燃焼検出部のイオン電流値の変化を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できることになる。
そして、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より低いと判断した場合、燃焼検出部22で検出するイオン電流値を増加するように、改質温度検出部21で検出する温度の設定温度を下げて運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より高いと判断場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
なお、本実施の形態では、改質温度検出部21の改質温度の検出値が適正かどうかを、燃焼検出部22のイオン電流値の計測値から運転制御部16で判断し制御する例で説明したが、これに限られない。例えば、改質温度検出部21の検出値に応じて、予め改質温度検出部21で検出する改質温度に改質温度閾値、燃焼検出部22で検出するイオン電流値に電流値閾値を設けて制御してもよい。
具体的には、運転制御部16が、改質温度閾値内で、かつ電流値閾値外であることを計測した場合、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断して制御する。ここで、改質温度閾値や電流値閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば、燃料電池8での発電や燃料電池発電システム100が不安定となる、転化率、生成水素量や燃料電池8における水素利用率あるいは発電効率の低下などに対して、改質温度検出部21で検出する改質温度と燃焼検出部22で検出するイオン電流値との関係に基づいて設定される。また、改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対して、改質温度とイオン電流値との関係に基づいて設定してもよい。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
まず、改質温度とイオン電流値の計測値に基づいて、改質温度の異常であることを検出し判断する。
つぎに、イオン電流値の計測値と、予め測定して、例えば記憶部に設定された改質温度とイオン電流値との関係からイオン電流値が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として改質温度を制御する。このとき、燃焼検出部22のイオン電流値が適正範囲内であることを検出することにより、改質温度検出部21の検出値が適正検出値の範囲外であることを判断する。これにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを、より正確に判断して制御できる。
具体的には、まず、改質温度の計測値が、実際の温度より低いと判断(検出)された場合、その時のイオン電流値の計測値と、予め測定して設定された改質温度とイオン電流値との関係からイオン電流値が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として、原料供給部4からの原料の供給量を減少させて、改質温度検出部21の改質温度を改質温度設定値になるように制御する。このとき、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出している場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い改質温度および水素への転化率が下降する。そして、水素濃度が減少して有機化合物濃度が増加するとともに、水素含有ガスや燃焼部2に供給されるアノードオフガス中の有機化合物濃度も増加する。その結果、燃焼部2で燃焼する火炎中の有機化合物濃度が増加するため、燃焼検出部22で検出されるイオン電流値は適正範囲外に上昇する。
一方、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出していない場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い改質温度および水素への転化率が下降する。そして、水素濃度が減少して有機化合物濃度が増加するとともに、水素含有ガスや燃焼部2に供給されるアノードオフガス中の有機化合物濃度も増加する。しかし、燃焼部2で燃焼する火炎中の有機化合物濃度が増加しても、燃焼検出部22で検出されるイオン電流値は適正範囲内となる。その結果、改質温度検出部21の検出値が正確に検出されていないことが容易に判断できる。なお、改質温度検出部21の改質温度の計測値が、実際の温度より高く検出している場合、上記と逆の動作により、容易に判断できる。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
つまり、水素生成装置1の起動時において、改質温度検出部21で検出される改質温度が実際の温度より低く検出される場合、検出された改質温度に基づいて、燃焼部2の動作が制御される。そのため、所定の改質温度に到達するまでの到達時間が、改質温度の検出値が適正な場合より長くなる。
そこで、改質温度検出部を検出部とし、到達時間を検出値として、それに基づいて運転制御部16で判断し制御するものである。
つまり、改質温度が所定の改質温度に到達するときには、実際の温度は所定の改質温度より高くなるため、改質反応による水素への転化率が上昇する。そして、水素濃度が増加して有機化合物濃度が減少する。さらに、燃料電池バイパス経路13を通して燃焼部2に供給される水素含有ガス中の有機化合物濃度が減少する。その結果、燃焼部2で燃焼する火炎中の有機化合物濃度が減少するため、燃焼検出部22で検出されるイオン電流値が減少する。
一方、改質温度が、実際の温度より高く検出される場合、所定の改質温度に到達するまでの到達時間は、改質温度検出部21の検出値が適正な場合より短くなる。
つまり、改質温度が所定の改質温度に到達するときには、実際の温度は所定の改質温度より低くなるため、改質反応による水素への転化率が下降する。そして、水素濃度が減少して有機化合物濃度が増加する。さらに、燃料電池バイパス経路13を通して燃焼部2に供給される水素含有ガス中の有機化合物濃度が増加する。その結果、燃焼部2で燃焼する火炎中の有機化合物濃度が増加するため、燃焼検出部22で検出するイオン電流値が増加する。
つまり、検出部の計測値である、改質温度検出部21の改質温度と燃焼検出部のイオン電流値の変化を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できることになる。
そして、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より低いと判断した場合、燃焼検出部22で検出するイオン電流値を増加するように、改質温度検出部21で検出する温度の設定温度を下げて運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より高いと判断場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
つまり、改質温度検出部21の検出値、例えば所定の改質温度に応じて、予め改質温度検出部21で検出する改質温度に改質温度閾値、燃焼検出部22で検出するイオン電流値に電流値閾値を設けて制御してもよい。具体的には、運転制御部16は、改質温度閾値内で、かつ電流値閾値外である場合、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断して燃料電池発電システム100の運転を停止させる制御をする。ここで、改質温度閾値や電流値閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対して、改質温度とイオン電流値との関係に基づいて設定される。
(実施の形態4)
以下に、本発明の実施の形態4における燃料電池発電システムについて説明する。なお、実施の形態4における燃料電池発電システムは、改質温度検出部の検出値が適正かどうか判断する検出部が、実施の形態1と異なる。他の構成や各動作は、実施の形態1の燃料電池発電システム100と、ほぼ同じであるので説明を省略する場合がある。
つまり、本実施の形態の燃料電池発電システム100では、検出部として、改質温度検出部と燃料電池に設けた電圧検出部を用い、改質温度検出部の反応温度と電圧検出部の発電電圧値を検出値として用いた点で、実施の形態1と異なる。
そこで、以下では、改質温度検出部の検出値が適正かどうか判断する検出部である、改質温度検出部と電圧検出部の動作を主に、詳細に説明する。
以下に、発電時における、検出部の具体的な動作について説明する。
まず、改質温度検出部21で検出された改質温度が、実際の温度より低い場合、運転制御部16は改質温度を設定温度になるように制御する。その結果、改質温度検出部21の検出値が適正な場合よりも、原料供給部4からの原料の供給量は増加し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も増加する。これにより、改質温度検出部21で検出される改質温度は設定温度に制御されるが、実際の温度は設定温度より高くなる。なお、通常、改質部20の反応は、触媒の活性が十分であれば、一定の圧力状態の下でほぼ温度だけで一義的に組成等が決定される平衡反応である。そのため、改質温度が高くなると、水素への転化率が上昇、つまり、水素濃度が増加する。その結果、燃料電池8の電圧検出部で検出される発電電圧値が上昇する。
一方、改質温度検出部21で検出された改質温度が、実際の温度より高い場合、運転制御部16は、改質温度を設定温度になるように制御する。その結果、改質温度検出部21の検出値が適正な場合より、原料供給部4からの原料の供給量は減少し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も減少する。これにより、改質温度検出部21の改質温度は設定温度に制御されるが、実際の温度は設定温度より低くなる。そのため、改質温度が低くなることにより、改質反応による水素への転化率が下降、つまり、水素濃度が減少する。その結果、燃料電池8の電圧検出部で検出される発電電圧値が下降する。
つまり、検出部の計測値である、改質温度検出部21の改質温度と電圧検出部の発電電圧値の変化を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できることになる。
そして、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より低いと判断した場合、電圧検出部28で検出する発電電圧値が下降するように、改質温度検出部21で検出する改質温度の設定温度を下げて運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より高いと判断した場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
なお、本実施の形態では、改質温度検出部21の改質温度の検出値が適正かどうかを、燃料電池8に設けた電圧検出部28の発電電圧値の計測値から運転制御部16で判断し制御する例で説明したが、これに限られない。例えば、改質温度検出部21の検出値に応じて、予め改質温度検出部21で検出する温度に改質温度閾値、電圧検出部28で検出する発電電圧値に電圧値閾値を設けて制御してもよい。
具体的には、運転制御部16が改質温度閾値内で、かつ電圧値閾値外であることを計測した場合、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断して制御する。ここで、改質温度閾値や電圧値閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば、燃料電池8での発電や燃料電池発電システム100が不安定となる、転化率、生成水素量、燃料電池8における水素利用率あるいは発電効率の低下などに対して、改質温度検出部21の改質温度と電圧検出部28の発電電圧値との関係に基づいて設定される。また、改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対して、改質温度検出部21の改質温度と電圧検出部28の発電電圧値との関係に基づいて設定してもよい。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
まず、改質温度と発電電圧値の計測値に基づいて、改質温度の異常であることを検出し判断する。
つぎに、発電電圧値の計測値と、予め測定して、例えば記憶部に設定された改質温度と発電電圧値との関係から発電電圧値が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として改質温度を制御する。このとき、電圧検出部28の発電電圧値が適正範囲内であることを検出することにより、改質温度検出部21の検出値が適正検出値の範囲外であることを判断する。これにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを、より正確に判断して制御できる。
具体的には、まず、改質温度の計測値が、実際の温度より低いと判断(検出)された場合、その時の発電電圧値の計測値と、予め測定して設定された改質温度と発電電圧値との関係から発電電圧値が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として、原料供給部4からの原料の供給量を減少させて、改質温度検出部21の改質温度を改質温度設定値になるように制御する。このとき、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出している場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い改質温度および水素への転化率が下降する。その結果、水素濃度が減少するため、電圧検出部28で検出される発電電圧値は適正範囲外に下降する。
しかし、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出していない場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い改質温度および水素への転化率が下降し、水素濃度が減少するが、電圧検出部28で検出される発電電圧値は適正範囲内となる。その結果、改質温度検出部21の検出値が正確に検出されていないことが容易に判断できる。なお、改質温度検出部21の改質温度の計測値が、実際の温度より高く検出している場合、上記と逆の動作により、容易に判断できる。
(実施の形態5)
以下に、本発明の実施の形態5における燃料電池発電システムについて説明する。なお、実施の形態5における燃料電池発電システムは、改質温度検出部の検出値が適正かどうか判断する検出部が、実施の形態1と異なる。他の構成や各動作は、実施の形態1の燃料電池発電システム100と、ほぼ同じであるので説明を省略する場合がある。
つまり、本実施の形態の燃料電池発電システム100では、検出部として、変成温度検出部、選択酸化温度検出部と燃焼検出部とをさらに用い、変成温度検出部の変成温度、選択酸化温度検出部の選択酸化温度と燃焼検出部のイオン電流値をさらに検出値として用いた点で、実施の形態4と異なる。
そこで、以下では、改質温度検出部通の検出値が適正かどうか判断する検出部である、改質温度検出部、変成温度検出部、選択酸化温度検出部、燃焼検出部と電圧検出部の動作を主に、詳細に説明する。
以下に、発電時における、検出部の具体的な動作について説明する。
まず、改質温度検出部21で検出された改質温度が、実際の温度より低い場合、運転制御部16は改質温度を設定温度になるように制御する。その結果、改質温度検出部21の検出値が適正な場合よりも、原料供給部4からの原料の供給量は増加し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も増加する。これにより、改質温度検出部21で検出される改質温度は設定温度に制御されるが、実際の温度は設定温度より高くなる。その結果、燃焼排ガス温度も上昇するため、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する変成部25の変成温度および選択酸化部26の選択酸化温度も上昇する。なお、通常、改質部20の反応は、触媒の活性が十分であれば、一定の圧力状態の下でほぼ温度だけで一義的に組成等が決定される平衡反応である。そのため、改質温度が高くなると、水素への転化率が上昇、つまり、水素濃度が増加して有機化合物濃度が減少するとともに、水素含有ガスや燃焼部2に供給されるアノードオフガス中の有機化合物濃度が減少する。そして、燃焼部2で燃焼する火炎中の有機化合物濃度の減少により、燃焼検出部22で検出されるイオン電流値が減少する。また、水素濃度が増加すると、燃料電池8の電圧検出部で検出される発電電圧が上昇する。
一方、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より高い場合、運転制御部16は、改質温度を設定温度になるように制御する。その結果、改質温度検出部21の検出値が適正な場合より、原料供給部4からの原料の供給量は減少し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も減少する。これにより、改質温度検出部21で検出される改質温度は設定温度に制御されるが、実際の温度は設定温度より低くなる。その結果、燃焼排ガス温度も下降するため、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する変成部25の変成温度および選択酸化部26の選択酸化温度も下降する。また、改質温度が低くなると、水素への転化率が下降、つまり、水素濃度が減少して有機化合物濃度が増加するとともに、水素含有ガスや燃焼部2に供給されるアノードオフガス中の有機化合物濃度が増加する。そして、燃焼部2で燃焼する火炎中の有機化合物濃度が増加により、燃焼検出部22で検出するイオン電流値が増加する。また、水素濃度が減少すると、燃料電池8の電圧検出部で検出される発電電圧が下降する。
つまり、検出部の計測値である、改質温度、変成温度、選択酸化温度、イオン電流値および発電電圧値の変化を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できることになる。
そして、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より低いと判断した場合、変成温度検出部33の変成温度、選択酸化温度検出部34の選択酸化温度を低下させ、燃焼検出部22のイオン電流値を増加させ、さらに電圧検出部28の発電電圧値が下降するように、改質温度検出部21の改質温度の設定温度を下げて運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より高いと判断した場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
なお、本実施の形態では、改質温度検出部21の改質温度の検出値が適正かどうかを、変成温度、選択酸化温度、イオン電流値および発電電圧値の計測値から運転制御部16で判断し制御する例で説明したが、これに限られない。例えば、改質温度検出部21の検出値に応じて、予め改質温度に対して改質温度閾値、変成温度に対して変成温度閾値、選択酸化温度に対して選択酸化温度閾値、イオン電流値に対して電流値閾値および発電電圧値に対して電圧値閾値を設けて制御してもよい。
具体的には、運転制御部16が改質温度閾値内で、かつ変成温度閾値外、選択酸化温度閾値外、電流値閾値外および電圧値閾値外であることを計測した場合で、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断する制御する。ここで、改質温度閾値、変成温度閾値、選択酸化温度閾値、電流値閾値および電圧値閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば、燃料電池8での発電や燃料電池発電システム100が不安定となる、転化率、生成水素量、燃料電池8における水素利用率あるいは発電効率の低下などに対して、改質温度検出部21で検出する改質温度、変成温度、選択酸化温度、イオン電流値および発電電圧値との関係に基づいて設定される。また、改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対して、改質温度、変成温度、選択酸化温度、イオン電流値および発電電圧値との関係に基づいて設定してもよい。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
まず、改質温度、変成温度、選択酸化温度、イオン電流値および発電電圧値の計測値に基づいて、改質温度の異常であることを検出し判断する。
つぎに、変成温度、選択酸化温度、イオン電流値および発電電圧値の計測値と、予め測定して、例えば記憶部に設定された改質温度と、変成温度、選択酸化温度、イオン電流値および発電電圧値との関係から変成温度、選択酸化温度、イオン電流値および発電電圧値が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として改質温度を制御する。このとき、変成温度、選択酸化温度、イオン電流値および発電電圧値が適正範囲内であることを検出することにより、改質温度検出部21の検出値が適正検出値の範囲外であることを判断する。これにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを、より正確に判断して制御できる。
具体的には、まず、改質温度の計測値が、実際の温度より低いと判断(検出)された場合、その時の変成温度、選択酸化温度、イオン電流値および発電電圧値の計測値と、予め測定して設定された改質温度と、変成温度、選択酸化温度、イオン電流値および発電電圧値との関係から変成温度、選択酸化温度、イオン電流値および発電電圧値が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として、原料供給部4からの原料の供給量を減少させて、改質温度検出部21の改質温度を改質温度設定値になるように制御する。このとき、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出している場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い改質温度および燃焼排ガス温度が下降するため、変成温度や選択酸化温度が適正範囲外に下降する。また、改質温度が低くなることにより、水素への転化率が下降、つまり、水素濃度が減少して有機化合物濃度が増加する。そして、水素含有ガスや燃焼部2に供給されるアノードオフガス中の有機化合物濃度が増加する。その結果、燃焼部2で燃焼する火炎中の有機化合物濃度が増加し、燃焼検出部22で検出するイオン電流値が適正範囲外に増加する。さらに、水素濃度が減少することにより、電圧検出部28で検出される発電電圧値が適正範囲外に下降する。
一方、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出していない場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い改質温度および燃焼排ガス温度が下降するが、変成温度や選択酸化温度が、適正範囲外となる。また、改質温度が低くなることにより、水素への転化率が下降、つまり、水素濃度が減少して有機化合物濃度が増加する。そして、水素含有ガスや燃焼部2に供給されるアノードオフガス中の有機化合物濃度が増加する。そのため、燃焼部2で燃焼する火炎中の有機化合物濃度が増加し、燃焼検出部22で検出するイオン電流値が上昇するが適正範囲内となる。また、水素濃度が減少することにより、電圧検出部28で検出される発電電圧値が下降するが、適正範囲内となる。
これにより、改質温度検出部21の検出値が正確に検出されていないことが容易に判断できる。なお、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より高く検出されている場合は、上記と逆の動作により、容易に判断し制御できる。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
つめり、燃料電池発電システム100の起動時において、改質温度が実際の温度より低く検出される場合、検出された低い改質温度に基づいて燃焼部2の動作が制御される。そのため、所定の改質温度に到達するまでの到達時間は、改質温度検出部21が適正な場合より長くなる。
そこで、改質温度検出部を検出部とし、到達時間を検出値として、それに基づいて運転制御部16で判断し制御するものである。
具体的には、改質温度が所定の改質温度に到達するときには、実際の温度は所定の改質温度より高くなるとともに、燃焼排ガス温度も上昇する。その結果、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する変成部25の変成温度や選択酸化部26の選択酸化温度の計測値も上昇する。なお、通常、改質部20の反応は、触媒の活性が十分であれば、一定の圧力状態の下でほぼ温度だけで一義的に組成等が決定される平衡反応である。そのため、改質温度が高くなると、水素への転化率が上昇、つまり水素濃度が増加して有機化合物濃度が減少する。そして、燃料電池バイパス経路13を通して燃焼部2に供給される水素含有ガス中の有機化合物濃度が減少する。その結果、燃焼部2で燃焼する火炎中の有機化合物濃度が減少するので、燃焼検出部22で検出されるイオン電流値が減少することになる。
一方に、改質温度が実際の温度より高く検出される場合、所定の改質温度に到達するまでの到達時間は、改質温度の検出値が適正な場合より短くなる。具体的には、改質温度が所定の改質温度に到達するときには、実際の温度は所定の改質温度より低くなるとともに、燃焼排ガス温度も下降する。その結果、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する変成部25の変成温度や選択酸化部26の選択酸化温度も下降する。また、改質温度が低くなると、水素への転化率が下降、つまり水素濃度が減少して有機化合物濃度が増加する。そして、燃料電池バイパス経路13を通して燃焼部2に供給される水素含有ガス中の有機化合物濃度が増加する。その結果、燃焼部2で燃焼する火炎中の有機化合物濃度が増加するので、燃焼検出部22で検出するイオン電流値が増加する。
これにより、検出部の計測値である、改質温度までの到達時間から、変成温度、選択酸化温度およびイオン電流値の変化を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できる。
そして、改質温度検出部21の改質温度が、実際の温度より低く検出したと判断した場合、変成温度検出部33の変成温度を低下、選択酸化温度検出部34の選択酸化温度を低下、燃焼検出部22のイオン電流値を増加させるように、所定の改質温度の設定温度を下げて運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21の改質温度が、実際の温度より高く検出された場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
つまり、改質温度検出部21の検出値、例えば所定の改質温度に応じて、予め改質温度に改質温度閾値、変成温度に変成温度閾値、選択酸化温度に選択酸化温度閾値およびイオン電流値に電流値閾値を設けて制御してもよい。具体的には、運転制御部16は、改質温度閾値内で、変成温度閾値外、選択酸化温度閾値外および電流値閾値外である場合、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断して燃料電池発電システム100の運転を停止させる制御をする。ここで、改質温度閾値、変成温度閾値、選択酸化温度閾値および電流値閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば、改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対して、改質温度、変成温度、選択酸化温度およびイオン電流値の関係に基づいて設定される。
なお、本実施の形態では、改質温度検出部21、変成温度検出部33、選択酸化温度検出部34、燃焼検出部22および電圧検出部28のすべてを含む構成の燃料電池発電システムを例に説明したが、これに限られない。例えば、改質温度の検出値の異常または適正かどうかの判断に必要な2つ以上の構成を適宜選択して含む燃料電池発電システムであればよいことはいうまでもない。
(実施の形態6)
以下に、本発明の実施の形態6における燃料電池発電システムについて説明する。なお、実施の形態6における燃料電池発電システムは、改質温度検出部の検出値が適正かどうか判断する検出部が、実施の形態4と異なる。他の構成や各動作は、実施の形態1の燃料電池発電システム100と、ほぼ同じであるので説明を省略する場合がある。
つまり、本実施の形態の燃料電池発電システム100では、変成部25に変成冷却手段35を備え、その変成部を冷却する頻度で改質温度検出部の検出値が適正かどうか判断する点で、実施の形態4とは異なる。なお、変成冷却手段35は、変成部25を冷却できる手段であればよく、例えば変成ファンによる空冷、水供給部3から供給される水による水冷等で構成される。そして、以降では、変成冷却手段として水供給部3から供給される水を用いる例で説明する。
そこで、以下では、改質温度検出部の検出値が適正かどうか判断する検出部である、改質温度検出部と変成冷却手段の動作を主に、詳細に説明する。
以下に、発電時における、検出部の具体的な動作について説明する。
まず、改質温度検出部21で検出された改質温度が、実際の温度より低い場合、運転制御部16は改質温度を設定温度になるように制御する。その結果、改質温度検出部21の検出値が適正な場合よりも、原料供給部4からの原料の供給量は増加し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も増加する。これにより、改質温度検出部21で検出される改質温度は設定温度に制御されるが、実際の温度は設定温度より高くなる。さらに、燃焼排ガス温度も上昇するため、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する変成部25の変成温度も上昇する。その結果、変成温度に基づいて制御する変成冷却手段35の動作頻度が増加する。つまり、変成冷却手段35である、水供給部3から供給される水の流量が増加ことになる。なお。変成冷却手段35として、変成ファンを用いた場合には、変成ファンの動作頻度が増加する。
一方、改質温度検出部21で検出された改質温度が、実際の温度より高い場合運転制御部16は、改質温度を設定温度に制御する。その結果、改質温度検出部21が適正な場合より、原料供給部4からの原料の供給量は減少し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も減少する。これにより、改質温度検出部21の改質温度は設定温度に制御されるが、実際の温度は設定温度より低くなる。さらに、燃焼排ガス温度も下降するため、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する変成部25の変成温度も下降する。その結果、変成温度に基づいて制御する変成冷却手段35の動作頻度が減少する。つまり、変成冷却手段35である、水供給部3から供給される水の流量が減少することになる。なお、変成冷却手段35として、変成ファンを用いた場合には、変成ファンの動作頻度が減少する。
つまり、検出部の計測値である、改質温度検出部21の改質温度、変成冷却手段35の動作頻度を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できることになる。
そして、改質温度検出部21の改質温度が、実際の温度より低いと判断した場合、変成冷却手段35の動作頻度が減少するように、改質温度検出部21で検出する改質温度の設定温度を下げて運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21の改質温度が、実際の温度より高い判断した場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
なお、本実施の形態では、改質温度検出部21の改質温度の検出値が適正かどうかを、変成部に設けた変成冷却手段の動作頻度の計測値から運転制御部16で判断し制御する例で説明したが、これに限られない。例えば、改質温度検出部21の検出値に応じて、予め改質温度検出部21で検出する改質温度に改質温度閾値、変成冷却手段35の動作頻度に変成冷却手段閾値を設けて制御してもよい。
具体的には、運転制御部16が改質温度閾値内で、変成冷却手段閾値外であることを計測した場合、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断して制御する。ここで、改質温度閾値や変成冷却手段閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば燃料電池8での発電や燃料電池発電システム100が不安定となる、転化率、生成水素量や燃料電池8における水素利用率あるいは発電効率の低下などに対して、改質温度検出部21の改質温度と変成冷却手段35の動作頻度との関係に基づいて設定される。また、改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対して、改質温度検出部21の改質温度と変成温度検出部33で検出する変成温度との関係に基づいて設定してもよい。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
まず、改質温度と変成冷却手段35の動作頻度の計測値に基づいて、改質温度の異常であることを検出し判断する。
つぎに、変成冷却手段の動作頻度の計測値と、予め測定して、例えば記憶部に設定された改質温度と、変成冷却手段の動作頻度との関係から変成冷却手段の動作頻度が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として改質温度を制御する。このとき、変成冷却手段の動作頻度が適正範囲内であることを検出することにより、改質温度検出部21の検出値が適正検出値の範囲外であることを判断する。これにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを、より正確に判断して制御できる。
具体的には、まず、改質温度の計測値が、実際の温度より低いと判断(検出)された場合、その時の変成冷却手段の動作頻度の計測値と、予め測定して設定された改質温度と、変成冷却手段の動作頻度との関係から変成冷却手段の動作頻度が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として、原料供給部4からの原料の供給量を減少させるとともに、アノードオフガス量を減少させて、改質温度検出部21の改質温度を改質温度設定値になるように制御する。このとき、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出している場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い改質温度および燃焼排ガス温度が下降する。その結果、変成冷却手段35の動作頻度が適正範囲外に減少する。
しかし、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出していない場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い、改質温度および燃焼排ガス温度が下降しても変成冷却手段35の動作頻度が適正範囲内となる。
その結果、改質温度検出部21の検出値が正確に検出されていないことが容易に判断できる。なお、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より高く検出されている場合は、上記と逆の動作により、容易に判断し制御できる。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
つまり、燃料電池発電システム100の起動時において、改質温度検出部21の改質温度が、実際の温度より低く検出された場合、検出された改質温度に基づいて、燃焼部2の動作が制御される。そのため、所定の改質温度に到達するまでの到達時間は、改質温度検出部21の検出値が適正な場合より長くなる。
そこで、改質温度検出部を検出部とし、到達時間を検出値として、それに基づいて運転制御部16で判断し制御するものである。
つまり、改質温度が所定の改質温度に到達するときには、実際の温度は所定の改質温度より高くなるため、燃焼排ガス温度も上昇する。そして、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する変成部25の変成温度も上昇する。その結果、変成温度の検出値に基づいて制御する変成冷却手段35の動作頻度が増加する。そのとき、変成冷却手段35である、水供給部3から供給される水の流量が増加することになる。なお、変成冷却手段35として、ファンを用いた場合には、ファンの動作頻度が増加する。
一方、改質温度が、実際の温度より高く検出される場合、所定の改質温度に到達するまでの到達時間は、改質温度検出部21の検出値が適正な場合より短くなる。
つまり、改質温度が所定の改質温度に到達するときには、実際の温度は所定の改質温度より低くなるため、燃焼排ガス温度も下降する。そして、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する変成部25の変成温度も下降する。その結果、変成温度に基づいて制御する変成冷却手段35の動作頻度が減少する。そのとき、変成冷却手段35である、水供給部3から供給される水の流量が減少することになる。なお、変成冷却手段35として、ファンを用いた場合には、ファンの動作頻度が減少する。
つまり、検出部の計測値である、改質温度検出部21の改質温度と変成冷却手段35の動作頻度を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できることになる。
そして、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より低いと判断した場合、変成冷却手段35の動作頻度が減少するように、所定の改質温度の設定温度を下げて運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21で検出する改質温度が、実際の温度より高いと判断した場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
つまり、改質温度検出部21の検出値、例えば所定の改質温度に応じて、予め改質温度検出部21の改質温度に改質温度閾値、変成冷却手段35の動作頻度に変成冷却手段閾値を設けて制御してもよい。具体的には、運転制御部16は、改質温度閾値内で、かつ変成冷却手段閾値外である場合、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断して燃料電池発電システム100の運転を停止させる制御をする。ここで、改質温度閾値や変成冷却手段閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対して、改質温度と変成冷却手段35の動作頻度との関係に基づいて設定される。
(実施の形態7)
以下に、本発明の実施の形態7における燃料電池発電システムについて説明する。なお、実施の形態7における燃料電池発電システムは、改質温度検出部の検出値が適正かどうか判断する検出部が、実施の形態4と異なる。他の構成や各動作は、実施の形態1の燃料電池発電システム100と、ほぼ同じであるので説明を省略する場合がある。
つまり、本実施の形態の燃料電池発電システム100では、選択酸化部26に選択酸化冷却手段36を備え、その選択酸化部を冷却する頻度で改質温度検出部の検出値が適正かどうか判断する点で、実施の形態4とは異なる。なお、選択酸化冷却手段36は、選択酸化部26を冷却する手段であればよく、例えば選択酸化ファンによる空冷、水供給部3から供給される水による水冷等で構成される。そして、以降では、選択酸化冷却手段として水供給部3から供給される水を用いる例で説明する。
そこで、以下では、改質温度検出部の検出値が適正かどうか判断する検出部である、改質温度検出部と選択酸化冷却手段の動作を主に、詳細に説明する。
以下に、発電時における、検出部の具体的な動作について説明する。
まず、改質温度検出部21で検出された改質温度が、実際の温度より低い場合、運転制御部16は、改質温度を設定温度になるように制御する。その結果、改質温度検出部21の検出値が適正な場合よりも、原料供給部4からの原料の供給量は増加し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も増加する。これにより、改質温度検出部21で検出される改質温度は設定温度に制御されるが、実際の温度は設定温度より高くなる。さらに、燃焼排ガス温度も上昇するので、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する選択酸化部26の選択酸化温度も上昇する。その結果、選択酸化温度に基づいて制御する選択酸化冷却手段36の動作頻度は増加する。つまり、選択酸化冷却手段36である、水供給部3から供給される水の流量が増加する。なお、選択酸化冷却手段36として、選択酸化ファンを用いた場合、選択酸化ファンの動作頻度が増加する。
一方、改質温度検出部21で検出された改質温度が、実際の温度より高い場合、運転制御部16は、改質温度を設定温度に制御する。その結果、改質温度検出部21の検出値が適正な場合よりも、原料供給部4からの原料の供給量は減少し、燃料電池8からのアノードオフガス流量も減少する。これにより、改質温度検出部21の改質温度は設定温度に制御されるが、実際の温度は設定温度より低くなる。さらに、燃焼排ガス温度も下降するため、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する選択酸化部26の選択酸化温度も下降する。その結果、選択酸化温度に基づいて制御する選択酸化冷却手段36の動作頻度が減少する。つまり、選択酸化冷却手段36である、水供給部3から供給される水の流量が減少することになる。なお、選択酸化冷却手段36として、選択酸化ファンを用いた場合には、選択酸化ファンの動作頻度が減少する。
つまり、検出部の計測値である、改質温度検出部21の改質温度、選択酸化冷却手段36の動作頻度を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できることになる。
そして、改質温度検出部21の改質温度が、実際の温度より低いと判断した場合、選択酸化冷却手段36の動作頻度が減少するように、改質温度検出部21で検出する改質温度の設定温度を下げて運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21の改質温度が、実際の温度より高い判断した場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
なお、本実施の形態では、改質温度検出部21の改質温度の検出値が適正かどうかを、変成部に設けた選択酸化冷却手段の動作頻度の計測値から運転制御部16で判断し制御する例で説明したが、これに限られない。例えば、改質温度検出部21の検出値に応じて、予め改質温度検出部21で検出する改質温度に改質温度閾値、選択酸化冷却手段36の動作頻度に選択酸化冷却手段閾値を設けて制御してもよい。
具体的には、運転制御部16が改質温度閾値内で、選択酸化冷却手段閾値外であることを計測した場合、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断して制御する。ここで、改質温度閾値や選択酸化冷却手段閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば燃料電池8での発電や燃料電池発電システム100が不安定となる、転化率、生成水素量や燃料電池8における水素利用率あるいは発電効率の低下などに対して、改質温度と選択酸化冷却手段36の動作頻度との関係に基づいて設定される。また、改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対して、改質温度と選択酸化温度検出部34の選択酸化温度との関係に基づいて設定してもよい。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
まず、改質温度と選択酸化冷却手段36の動作頻度の計測値に基づいて、改質温度の異常であることを検出し判断する。
つぎに、選択酸化冷却手段の動作頻度の計測値と、予め測定して、例えば記憶部に設定された改質温度と、選択酸化冷却手段の動作頻度との関係から選択酸化冷却手段の動作頻度が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として改質温度を制御する。このとき、選択酸化冷却手段の動作頻度が適正範囲内であることを検出することにより、改質温度検出部21の検出値が適正検出値の範囲外であることを判断する。これにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを、より正確に判断して制御できる。
具体的には、まず、改質温度の計測値が、実際の温度より低いと判断(検出)された場合、その時の選択酸化冷却手段の動作頻度の計測値と、予め測定して設定された改質温度と、選択酸化冷却手段の動作頻度との関係から選択酸化冷却手段の動作頻度が適正範囲内となるときの改質温度を算出する。そして、新たに算出した温度を設定温度として、原料供給部4からの原料の供給量を減少させるとともに、アノードオフガス量を減少させて、改質温度検出部21の改質温度を改質温度設定値になるように制御する。このとき、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出している場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い改質温度および燃焼排ガス温度が下降する。その結果、選択酸化冷却手段36の動作頻度が適正範囲外に減少する。
しかし、改質温度検出部21が改質温度を正確に検出していない場合、アノードオフガスの流量の減少に伴い、改質温度および燃焼排ガス温度が下降しても選択酸化冷却手段36の動作頻度が適正範囲内となる。
その結果、改質温度検出部21の検出値が正確に検出されていないことが容易に判断できる。なお、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より高く検出されている場合は、上記と逆の動作により、容易に判断し制御できる。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
つまり、燃料電池発電システム100の起動時において、改質温度検出部21の改質温度が、実際の温度より低く検出された場合、検出された改質温度に基づいて、燃焼部2の動作が制御される。そのため、所定の改質温度に到達するまでの到達時間は、改質温度検出部21の検出値が適正な場合より長くなる。
そこで、改質温度検出部を検出部とし、到達時間を検出値として、それに基づいて運転制御部16で判断し制御するものである。
つまり、改質温度が所定の改質温度に到達するときには、実際の温度は所定の改質温度より高くなるため、燃焼排ガス温度も上昇する。そして、改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する選択酸化部26の選択酸化温度も上昇する。その結果、選択酸化温度に基づいて制御する選択酸化冷却手段36の動作頻度は増加することになる。そのとき、選択酸化冷却手段36である、水供給部3から供給される水の流量が増加する。なお、選択酸化冷却手段36として、選択酸化ファンを用いた場合には、選択酸化ファンの動作頻度が増加する。
一方、改質温度が、実際の温度より高く検出される場合、所定の改質温度に到達するまでの到達時間は、改質温度検出部21の検出値が適正な場合より短くなる。
つまり、改質温度が所定の改質温度に到達するときには、実際の温度は所定の改質温度より低くなるため、燃焼排ガス温度も下降する。そして。改質部20の下流側で、かつ燃焼排ガス流路と隣接する選択酸化部26の選択酸化温度も下降する。その結果、選択酸化温度に基づいて制御する選択酸化冷却手段36の動作頻度は減少することになる。そのとき、選択酸化冷却手段36である、水供給部3から供給される水の流量が減少する。なお、選択酸化冷却手段36として、選択酸化ファンを用いた場合には、選択酸化ファンの動作頻度が減少する。
つまり、検出部の計測値である、改質温度検出部21の改質温度と選択酸化冷却手段36の動作頻度を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できることになる。
そして、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より低いと判断した場合、選択酸化冷却手段36の動作頻度が減少するように、所定の改質温度の設定温度を下げて運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21で検出する改質温度が、実際の温度より高いと判断した場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
つまり、改質温度検出部21の検出値、例えば所定の改質温度に応じて、予め改質温度検出部21の改質温度に改質温度閾値、選択酸化冷却手段36の動作頻度に選択酸化冷却手段閾値を設けて制御してもよい。具体的には、運転制御部16は、改質温度閾値内で、かつ選択酸化冷却手段閾値外である場合、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断して燃料電池発電システム100の運転を停止させる制御をする。ここで、改質温度閾値や選択酸化冷却手段閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対して、改質温度と選択酸化冷却手段36の動作頻度との関係に基づいて設定される。
(実施の形態8)
以下に、本発明の実施の形態8における水素生成装置について説明する。なお、実施の形態8における水素生成装置は、改質温度検出部の検出値が適正かどうか判断する検出部が、実施の形態1と異なる。他の構成や各動作は、実施の形態1の水素生成装置と、ほぼ同じであるので説明を省略する場合がある。
本実施の形態の水素生成装置1は、起動時において、改質温度検出部21を検出部とし、改質温度検出部21で検出される改質温度の所定の改質温度に到達するまでの到達時間を計測値として、それに基づいて、改質温度検出部21で検出する改質温度は適正かどうか(異常でないこと)を判断するものである。
以下に、起動時における、検出部の具体的な動作について説明する。
まず、水素生成装置1の起動時において、改質温度が実際の温度より低い場合、検出された低い改質温度に基づいて、燃焼部2の動作が制御される。そのため、所定の改質温度に到達するまでの到達時間が、改質温度検出部21が適正な場合より長くなる。
一方、改質温度が実際の温度より高い場合、検出された高い改質温度に基づいて、燃焼部2の動作が制御される。そのため、所定の改質温度に到達するまでの到達時間は、改質温度検出部21が適正な場合より短くなる。
これにより、検出部の計測値である、運転制御部16で計測される到達時間の変化を運転制御部16で判断することにより、改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断できる。
そして、改質温度検出部21の改質温度が、実際の温度より低く検出したと判断した場合、所定の改質温度に到達するまでの到達時間が短くなるように、所定の改質温度を低く設定して運転制御部16で制御する。なお、改質温度検出部21で検出される改質温度が、実際の温度より高く検出された判断した場合は、その逆の動作で制御する。
さらに、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断した場合、燃料電池発電システム100の運転を停止する。
また、以下に示す方法で改質温度検出部21の検出値が適正かどうかを判断してもよい。
つまり、改質温度検出部21の改質温度が、所定の改質温度に到達するまでの到達時間に応じて、予め所定の改質温度に到達するまでの到達時間に時間閾値を設けて制御してもよい。具体的には、運転制御部16は、所定の改質温度に到達するまでの到達時間が時間閾値外であることを検出することにより、改質温度検出部21の検出値が適正でなく、適正検出値の範囲外と判断して制御する。ここで、時間閾値は、以下の関係を予め測定して設定されるものである。つまり、例えば、改質部20、変成部25、選択酸化部26における各触媒の高温化または低温化による劣化、水素含有ガス中の一酸化炭素濃度の上昇(ドライガスベースで20ppm以上)などに対して、所定の改質温度に到達するまでの到達時間に基づいて設定される。また、起動から発電への移行時に、燃料電池8での発電や燃料電池発電システム100が不安定となる、転化率、生成水素量や燃料電池8における水素利用率あるいは発電効率の低下などに対して、所定の改質温度に到達するまでの到達時間に基づいて設定してもよい。
なお、上記各実施の形態では、改質温度検出部、変成温度検出部、選択酸化温度検出部、燃焼検出部、電圧検出部、変成冷却手段および選択酸化冷却手段のすべてを含む構成の水素生成装置または燃料電池発電システムを例に説明したが、これに限られない。例えば、改質温度の検出値が適正でなく、例えば異常であることを検出できる構成であれば、各実施の形態の構成を適宜選択されて用いてもよいことはいうまでもない。