JP2010129435A - 燃料電池用膜電極接合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池に用いられる膜電極接合体を製造する際に、触媒層に対する保護フィルムの位置決めを不要とし、保護フィルムが触媒層にオーバーラップすることがないようにし、金属触媒を有効活用すること。
【解決手段】電解質膜1と、2枚の樹脂フィルム3、4の剥離可能な接合体からなる額縁状マスクMを準備し、電解質膜1と、額縁状マスクMを熱圧接合し、額縁状マスクMの開口部7内に電解質膜1に触媒インク6を塗布して触媒層6Aを形成し、2枚の樹脂フィルム3、4の内、電解質膜1に熱圧接合されていない樹脂フィルム4を剥離し、燃料電池に用いられる膜電極接合体10を製造する。
【選択図】図1
【解決手段】電解質膜1と、2枚の樹脂フィルム3、4の剥離可能な接合体からなる額縁状マスクMを準備し、電解質膜1と、額縁状マスクMを熱圧接合し、額縁状マスクMの開口部7内に電解質膜1に触媒インク6を塗布して触媒層6Aを形成し、2枚の樹脂フィルム3、4の内、電解質膜1に熱圧接合されていない樹脂フィルム4を剥離し、燃料電池に用いられる膜電極接合体10を製造する。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池用膜電極接合体の製造方法に関する。
膜電極接合体(MEMBRANE ELECTRODE ASSEMBLY;「MEA」と略す)を製造する際、触媒インクを電解質膜に塗布するときに、ロール状に巻かれた電解質膜を巻き出しながら、連続的かつ間欠的に触媒インク(金属触媒分散溶液)をダイコーティング法によって電解質膜に塗布することが一般的に行われている。
加えて、特許文献1に示されているように、MEAをロールトゥロール(ROLL TO ROLL)の量産ラインにおいて、触媒インクを電解質膜に塗布する際、一定の開口を有するマスクを電解質膜に配置し、そのマスクの開口の上から触媒インクを塗布し、その後使用済みのマスクを除去しMEAを製造することも行われている。
特開2006−12525号公報
ところが、前者の一般的なMEAの製造方法(触媒インクの電解質膜への塗布方法)では、触媒インクを、ダイコーティング法によって間欠的に電解質膜に塗布する場合があるが、その面形状は略矩形に限定されてしまう。
さらに、後者の特許文献1の製造方法による触媒インクの塗布方法では、電解質膜の周縁部を除く面に触媒インクを塗布することで触媒層を形成した後に、電解質膜の周縁部に額縁状の保護フィルムを貼り付けるため、保護フィルムの貼り付け位置の位置決めが煩雑となり、以下の不具合が発生する。
まず、保護フィルムの位置決めが好適に行われず、電解質膜の周縁部のみを保護フィルムによって保護すれば足りるところ、触媒層に額縁状の保護フィルムがオーバーラップしてしまいがちとなる。このオーバーラップ部分、すなわち保護フィルム下の触媒層は、触媒能力を失うため、燃料電池の発電に寄与できなくなる。そして、触媒材料に白金のような高価な金属を通常使用するところ、白金は高価であるため有効活用すべきであるが余分な材料コストがかかることになる。
同様に、保護フィルムが好適な位置からずれると、触媒層形成部分と、保護フィルムとの間に隙間部が発生することがある。隙間部があると、その下の電解質膜が保護されないため、燃料電池の耐久性を著しく低下させることになる。
同様に、保護フィルムが好適な位置からずれると、触媒層形成部分と、保護フィルムとの間に隙間部が発生することがある。隙間部があると、その下の電解質膜が保護されないため、燃料電池の耐久性を著しく低下させることになる。
なお、位置決めのし易さと隙間部を無くすために、触媒層領域をさらに大きくする対策を採ることも考えられるが、このようにすると、やはり同様に燃料電池の発電に寄与できない無駄な触媒層領域が発生し同様の理由で好ましくない。
本発明は、斯かる実情に鑑み、触媒層に対する保護フィルムの位置決めを不要とし、かつ、保護フィルムが触媒層にオーバーラップすることがなく、触媒材料を有効に活用することができる膜電極接合体の製造方法を提供することを目的とする。
(発明の態様)
以下、発明の態様を示し、それらについて説明する。なお、(1)項及び(2)項が、請求項1及び請求項2に対応する。
以下、発明の態様を示し、それらについて説明する。なお、(1)項及び(2)項が、請求項1及び請求項2に対応する。
(1)開口部を備える剥離可能な樹脂フィルムが接合された額縁状マスクを準備する準備工程と、電解質膜に前記額縁状マスクを、プレスにより接合するプレス工程と、前記電解質膜に接合された前記額縁状マスクの上から、触媒インクを塗布し、触媒層を形成する塗布工程と、前記樹脂フィルムを剥離する除去工程とを含むことを特徴とする燃料電池に用いられる膜電極接合体の製造方法。
本項によれば、額縁状マスクの開口形状及び大きさが触媒層の形状及び大きさ(面寸法)となるため、額縁状マスクの開口形状を変更することで触媒層の形状及び大きさを簡単に変更することができる。そのため従来のダイコーターによる塗布では触媒層の面形状が略矩形状に限定されていたが、触媒層をいかなる面形状にも可変することができる。
また、本項によれば、開口部を備える剥離可能な樹脂フィルムが接合体された額縁状マスクは、2枚の額縁状の樹脂フィルム[後述するが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)製樹脂フィルムとPEN(ポリエチレンナフレタート)製樹脂フィルム]の接合体からなる。そして、電解質膜に接合される額縁状の樹脂フィルム(PEN)が、触媒層の外縁周辺部に形成されるため触媒層を取り囲むのと同時にその下に存在する電解質膜を保護する保護フィルムとなる。そして、同時に額縁状の保護フィルムの開口部上方から観察される電解質の形成領域に向けて触媒インクが塗布されるため、額縁状の樹脂フィルムと触媒層がオーバーラップすることがない。
また、本項によれば、触媒インクの塗布・乾燥後、外側の樹脂フィルムを剥離するときに、額縁状の開口からはみ出た外側の樹脂フィルム上の触媒インクが、同時に回収され、その中から触媒金属を抽出し触媒金属を再利用可能となる。
また、本項によれば、開口部を備える剥離可能な樹脂フィルムが接合体された額縁状マスクは、2枚の額縁状の樹脂フィルム[後述するが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)製樹脂フィルムとPEN(ポリエチレンナフレタート)製樹脂フィルム]の接合体からなる。そして、電解質膜に接合される額縁状の樹脂フィルム(PEN)が、触媒層の外縁周辺部に形成されるため触媒層を取り囲むのと同時にその下に存在する電解質膜を保護する保護フィルムとなる。そして、同時に額縁状の保護フィルムの開口部上方から観察される電解質の形成領域に向けて触媒インクが塗布されるため、額縁状の樹脂フィルムと触媒層がオーバーラップすることがない。
また、本項によれば、触媒インクの塗布・乾燥後、外側の樹脂フィルムを剥離するときに、額縁状の開口からはみ出た外側の樹脂フィルム上の触媒インクが、同時に回収され、その中から触媒金属を抽出し触媒金属を再利用可能となる。
なお、開口部を備える剥離可能な樹脂フィルムのうち、電解質膜に形成されかつ保護フィルムとなる樹脂フィルムには電解質膜との接合面に両者間のプレス接合を補助するために、例えば、0.数μm程度の極薄のアクリル層を設けることが好ましい。
(2)前記樹脂フィルムは、微粘着剤により接着されていることを特徴とする(1)に記載の膜電極接合体の製造方法。
本項は、樹脂フィルムを剥離可能に接合するための接着手段を例示するものであって、その手段を微粘着剤とし、樹脂フィルムを剥離容易にするものである。この微粘着剤には、アクリル系接着剤が好適であるが、熱可塑性樹脂の接着剤を使用することもできる。
(3)前記電解質膜は、キャリアフィルム上にあらかじめ形成されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の膜電極接合体の製造方法。
本項によれば、電解質膜がキャリアフィルムに保護(バックアップ)されながら、膜電極接合体を製造することによって、電解質膜を破損する不具合の発生を抑制することができる。特に、本発明の製造方法を、ロールトゥロールのラインで量産する際には、準備材料や膜電極接合体をウェブ状(帯状、長尺状)に形成し、それを巻き出しロールに巻き、上流端部を巻取りロールに固定して、ロールの巻取り・巻き出し動作により各部材を搬送する。この搬送時に、一定の張力が各部材にかかるが、キャリアテープが電解質膜やその他のウェブ状の構成要素をバックアップし、各部材を搬送中の張力から保護することができる。そのため、本項によれば、さらに安定した、MEAのロールトゥロールの量産が可能となる。
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造方法を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法。
本項は、上記の膜電極接合体の製造方法の各工程を含む燃料電池の製造方法を例示する。すなわち、当該膜電極接合体の製造方法の各工程に加え、さらに、ガス拡散層、必要な撥水層、セパレータの各接合工程、加えて、単セルをスタックするスタック工程、スタックされた複数の単セルを締結する工程等をさらに含むことで所望の燃料電池が製造可能である。
本項は、上記の膜電極接合体の製造方法の各工程を含む燃料電池の製造方法を例示する。すなわち、当該膜電極接合体の製造方法の各工程に加え、さらに、ガス拡散層、必要な撥水層、セパレータの各接合工程、加えて、単セルをスタックするスタック工程、スタックされた複数の単セルを締結する工程等をさらに含むことで所望の燃料電池が製造可能である。
前記(1)項から(4)項の燃料電池の方法において、前記マスク除去工程で剥離された外側の樹脂フィルムに塗布された触媒インクを回収し、その中から触媒金属を抽出することで、触媒層以外の箇所に塗布された触媒インク中から触媒金属を再利用(リサイクリング)することができる。
(5)(1)から(4)のいずれか1項に記載の膜電極接合体の製造方法により製造された膜電極接合体。
本項は、上記の膜電極接合体の製造方法によって製造される膜電極接合体を示す。
本項は、上記の膜電極接合体の製造方法によって製造される膜電極接合体を示す。
(6)(5)に記載の膜電極接合体を含むことを特徴とする燃料電池。
本項は、(5)の膜電極接合体を含む燃料電池を示す。
本項は、(5)の膜電極接合体を含む燃料電池を示す。
(7)固体高分子形燃料電池又はダイレクトメタノール形燃料電池であることを特徴とする(6)に記載の燃料電池。
本項は、上記膜電極接合体を含む燃料電池を例示する。
本項は、上記膜電極接合体を含む燃料電池を例示する。
(8)燃料電池用の触媒層を、触媒インクの塗布により電解質膜に形成する際に用いられ、かつ、前記触媒層の周縁部に形成される額縁状マスクであって、該額縁状マスクは、剥離容易な樹脂フィルムを含むことを特徴とする燃料電池の触媒層形成のための保護フィルム。
本項は、(1)項においても説明した、燃料電池の触媒層の形成に用いられる保護フィルムの単体について例示するものである。
本発明によれば、触媒層に対する保護フィルムの位置決めを不要とし、かつ、保護フィルムが触媒層にオーバーラップすることがなく、触媒材料を有効活用することができる膜電極接合体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、発明を実施する形態の例であって、図中、同一の符号を付した部分は同一物を表わす。
<本実施形態>
図1は、本実施形態に係るMEAを製造する方法の各工程を説明するための概念的な斜視図である。
本実施形態に係るMEAを製造する方法は、図1に示すように、(1)準備工程、(2)プレス工程、(3)塗布工程、及び(4)マスク除去工程を含む。これらの工程を、図1を参照しながら、以下説明する。
図1は、発明を実施する形態の例であって、図中、同一の符号を付した部分は同一物を表わす。
<本実施形態>
図1は、本実施形態に係るMEAを製造する方法の各工程を説明するための概念的な斜視図である。
本実施形態に係るMEAを製造する方法は、図1に示すように、(1)準備工程、(2)プレス工程、(3)塗布工程、及び(4)マスク除去工程を含む。これらの工程を、図1を参照しながら、以下説明する。
準備工程:この工程では、キャリアフィルム2の上に形成された電解質膜1と、2枚の樹脂フィルム3、4の剥離可能な接合体からなる額縁状マスクMとを準備する。電解質膜1は、燃料電池に使用される公知のもの、例えば、ナフィオン(登録商標)、ダウ膜(登録商標)、フレミオン(登録商標)又はアシプレックス(登録商標)を使用することができる。2枚の樹脂フィルム3、4の剥離可能な接合体からなる額縁状マスクMには、樹脂フィルム3、4について、同形状同寸法の開口部7が打ち抜き加工されて形成されている。開口部7の形状、寸法が、後述する触媒層の形状、寸法となる。また、図1に示すように、樹脂フィルム3の上に樹脂フィルム4が形成されるが、樹脂フィルム3、4は、0.数μmの厚さで塗布された例えばアクリル系の微粘着性材料(接着剤)で接合されており、後述の塗布工程の塗布圧力では剥がれない程度の接着力で接合されていることが好ましい。樹脂フィルム3の厚さは、触媒層(図1(4)の参照番号6A参照)に応じて適宜決定すればよいが、その材料はPENとすることが好ましい。これは、電解質膜1の周縁部を保護するために、必要な強度を有し、燃料電池の耐久性向上に寄与可能であり、さらにエンジニアリングプラスチックとして普及しており材料コストの点で優位であるためである。樹脂フィルム4の厚さは樹脂フィルム3から剥離容易とするために、適度な靭性と柔軟性を兼ね備えた比較的薄いものが好ましく、その材料はPETとすることが好ましい。これは、PETが最も普及している樹脂の一つであり材料コストの点で優位であり、さらに、剥離後の樹脂フィルム4は、後のリサイクリング工程で燃焼、廃棄され、触媒金属と分離されて再利用はされず、なるべく材料コストを抑える必要があるためである。
さらに、この準備工程では、保護フィルム3と電解質膜1とを接合し易くするために保護フィルム3と電解質膜1が接合し易い層、例えばアクリル層をあらかじめ保護フィルム3に1μm以下の厚さで形成しておくことが好ましい。また、本実施形態ではキャリアフィルム2を用いているが、キャリアフィルム2を用いずに当該MEAを製造することも可能である。
さらに、この準備工程では、保護フィルム3と電解質膜1とを接合し易くするために保護フィルム3と電解質膜1が接合し易い層、例えばアクリル層をあらかじめ保護フィルム3に1μm以下の厚さで形成しておくことが好ましい。また、本実施形態ではキャリアフィルム2を用いているが、キャリアフィルム2を用いずに当該MEAを製造することも可能である。
プレス工程:この工程では、キャリアフィルム2と接合された電解質膜1と、2枚の樹脂フィルム3、4の剥離可能な接合体からなる額縁状マスクMとを重ね合わせ、その状態で固定し、両側面の上下を金属もしくはゴムロールでサンドイッチしプレス処理を行い一体構造を得る。プレス処理条件は、温度については、樹脂フィルム3、4及び微粘着性材料の分解温度よりも低く、電解質膜の軟化温度付近の温度であることが好ましく、圧力は、温度条件にもよるが例えば温度を110℃としたときには2MPaから4MPa程度とすることが好ましい。ただし、以上のパラメータは、この範囲に限定されるものではなく、樹脂フィルム3、4及び/又は電解質膜1の膜厚や材料種、その他の条件によって適宜変更することができる。
塗布工程:キャリアフィルム2、電解質膜1、樹脂フィルム3(保護フィルム)3及び樹脂フィルム4からなる一体構造体を、図示しない固定手段により固定し、スプレー塗装により、塗布ノズルNを用いて開口部7に向けて触媒インク6を吹き付ける。
触媒インク6の塗布方法は、スプレー塗装以外の塗装方法であってもよく、例えば、インクジェット、ダイコーティング、静電塗装を用いることができる。塗布された触媒インク6は、自然乾燥によって乾燥させてもよいが、製造時間を短縮するためには、触媒インク6を温風又は輻射熱によって乾燥させることが好ましい。
触媒インク6の塗布方法は、スプレー塗装以外の塗装方法であってもよく、例えば、インクジェット、ダイコーティング、静電塗装を用いることができる。塗布された触媒インク6は、自然乾燥によって乾燥させてもよいが、製造時間を短縮するためには、触媒インク6を温風又は輻射熱によって乾燥させることが好ましい。
除去工程:触媒インク6の乾燥後、樹脂フィルム4を樹脂フィルム3から剥離する。そうすると、図1の(4)のように、額縁状の樹脂フィルム3の開口7内であって電解質膜1の上に、触媒層6Aが形成される。
このようにして、触媒層6Aが樹脂フィルム3にオーバーラップせずに形成され、もって、額縁状の樹脂フィルム3が、電解質膜1、特に周縁部を保護する額縁状の保護フィルム3として機能する。保護フィルム3は、電解質膜1の周縁部を保護すると共に、後工程で触媒層6Aと保護フィルム3からなる面に形成されるガス拡散層(不図示)のカーボンクロス又はカーボンペーパーから発生する毛羽の電解質膜1(特にその周縁部)への突き刺さりを防止し、もって、電解質膜1を境界としたアノード-カソード間に起こる短絡やクロスリーク発生を防止する。
このようにして、触媒層6Aが樹脂フィルム3にオーバーラップせずに形成され、もって、額縁状の樹脂フィルム3が、電解質膜1、特に周縁部を保護する額縁状の保護フィルム3として機能する。保護フィルム3は、電解質膜1の周縁部を保護すると共に、後工程で触媒層6Aと保護フィルム3からなる面に形成されるガス拡散層(不図示)のカーボンクロス又はカーボンペーパーから発生する毛羽の電解質膜1(特にその周縁部)への突き刺さりを防止し、もって、電解質膜1を境界としたアノード-カソード間に起こる短絡やクロスリーク発生を防止する。
図1の(4)に示された樹脂フィルム4の除去工程後、樹脂フィルム4に付着された触媒インク6Bを、樹脂フィルム4ごと回収する。そして、樹脂フィルムに塗布された触媒インクから触媒金属を抽出し、触媒金属を触媒インクの材料として再利用することができる。特に、白金のように高価な触媒金属が触媒インクに含まれる場合が多いため、このようにして触媒金属を再利用することが好ましい。
<実施例>
(1)準備工程:
樹脂フィルム3(保護フィルム3)、樹脂フィルム4、電解質膜1は、以下のようなものを準備した(本実施例ではキャリアフィルム2は使用しなかった)。
・樹脂フィルム3(保護フィルム3)について;
材料種;PEN、膜厚;25μm
電解質膜1と接合する面に数μmの厚さのアクリル層を形成した。
・樹脂フィルム4(剥離フィルム4)について;
材料種;PET、膜厚;50μm
樹脂フィルム3と樹脂フィルム4を接合する面にアクリル系微粘着剤を0.3μm程度の厚さで塗布した。このとき、樹脂フィルム3と樹脂フィルム4とが容易に剥離できるように、両部材間の接合強度を0.01N/cmとなるようにした。
・電解質膜1
材料種;ナフィオン(登録商標)
(1)準備工程:
樹脂フィルム3(保護フィルム3)、樹脂フィルム4、電解質膜1は、以下のようなものを準備した(本実施例ではキャリアフィルム2は使用しなかった)。
・樹脂フィルム3(保護フィルム3)について;
材料種;PEN、膜厚;25μm
電解質膜1と接合する面に数μmの厚さのアクリル層を形成した。
・樹脂フィルム4(剥離フィルム4)について;
材料種;PET、膜厚;50μm
樹脂フィルム3と樹脂フィルム4を接合する面にアクリル系微粘着剤を0.3μm程度の厚さで塗布した。このとき、樹脂フィルム3と樹脂フィルム4とが容易に剥離できるように、両部材間の接合強度を0.01N/cmとなるようにした。
・電解質膜1
材料種;ナフィオン(登録商標)
上記の樹脂フィルム3、樹脂フィルム4を重ね合わせた構造体に対し、開口部7が形成されるように打ち抜き加工を行って、マスク体Mを形成した。
(2)プレス工程:
マスク体Mと電解質膜1とを、110℃、3MPaの条件で熱圧接合し、3層構造体を形成した。電解質膜1と樹脂フィルム3は、樹脂フィルム3が保護フィルムとして機能し燃料電池の耐久性を向上する必要があるため、両部材間の接合強度を、樹脂フィルム3と樹脂フィルム4の接合強度よりも強い1.5N/cmとした。
マスク体Mと電解質膜1とを、110℃、3MPaの条件で熱圧接合し、3層構造体を形成した。電解質膜1と樹脂フィルム3は、樹脂フィルム3が保護フィルムとして機能し燃料電池の耐久性を向上する必要があるため、両部材間の接合強度を、樹脂フィルム3と樹脂フィルム4の接合強度よりも強い1.5N/cmとした。
(3)塗布工程:
白金担持カーボン粒子からなる触媒用粉体及びナフィオン(登録商標)成分の電解質を水とエタノールからなる溶媒に十分に分散させた触媒インク6を、3層構造体の上から開口部7をマスクとしてノズルNを用いてスプレー塗装を行った。
白金担持カーボン粒子からなる触媒用粉体及びナフィオン(登録商標)成分の電解質を水とエタノールからなる溶媒に十分に分散させた触媒インク6を、3層構造体の上から開口部7をマスクとしてノズルNを用いてスプレー塗装を行った。
(4)除去工程:
塗装後の触媒インクを温風乾燥した後、マスク体Mのうち、上層にある樹脂フィルム4を剥離した。樹脂フィルム4には(3)の塗布工程ではみ出した触媒6Bが付着していたため、該付着した触媒6B中の白金金属を回収し再利用するようにした。
塗装後の触媒インクを温風乾燥した後、マスク体Mのうち、上層にある樹脂フィルム4を剥離した。樹脂フィルム4には(3)の塗布工程ではみ出した触媒6Bが付着していたため、該付着した触媒6B中の白金金属を回収し再利用するようにした。
以上により、触媒層6Aの面寸法と保護フィルム3の額縁の内寸法とが一致する、額縁状保護フィルム3付き電解質膜8からなるMEA10を得た。
すなわち、本実施例によれば、額縁状保護フィルム3を電解質膜1に形成、固着してから、触媒インク6を当該額縁の開口7を有するマスクMの上から触媒層6Aをスプレー塗布により形成したため、従来必要であった触媒層6Aに対する保護フィルム3の位置決めが不要となり、かつ、保護フィルム3が触媒層にオーバーラップしなくなり、高価な白金触媒を有効活用できるMEA10(ハーフ状のMEA)を得た(「ハーフ状のMEA」とは、アノード極側又はカソード極側のいずれか一方にのみ触媒層が形成されているMEAを指す)。
この後、ハーフ状のMEA10からキャリアフィルム2を剥離して、同様にして電解質膜1の反対の面に触媒層を形成して、電解質膜1の両面に触媒層を有するMEAを作製した。作製されたMEAには、さらにその両面に順に、ガス拡散層、必要な撥水層を接合し、所望の電力が得られるように、複数の単セルが隣同士導通接続し、燃料電池を製造することができる。このようにして製造された燃料電池は、固体高分子形燃料電池又はダイレクトメタノール形燃料電池に好適に使用される。
尚、本発明の膜電極接合体の製造方法は、上記の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、図1を参照しながら上述した実施形態又は実施例では、一定面寸法を有する1枚のMEA(実施形態ではキャリアフィルム付きMEA、実施例ではキャリアフィルム無しのMEA)の製造方法を説明した。しかし、ウェブ状(長尺状、帯状)の電解質膜1、キャリアフィルム2、樹脂フィルム3、樹脂フィルム4の両端部が巻き出しロールと巻取りロールで搬送されるロールトゥロールの量産ラインに設定し、両ロール間のいずれかにおいて、上述した製造方法を同様に実施することで、MEAを連続的に製造することもできる。このようにして連続的に製造され巻取りロールに巻き取られたウェブ状のMEAは、例えば、1枚のMEA単位毎に分離するようにして打ち抜き加工され単体とし、燃料電池の各単位セルに組み込まれる。
1:電解質膜、3、4:樹脂フィルム、6:触媒インク、6A:触媒層、7:開口部、M:額縁状マスク、10:膜電極接合体
Claims (2)
- 開口部を備える剥離可能な樹脂フィルムが接合された額縁状マスクを準備する準備工程と、
電解質膜に前記額縁状マスクをプレスにより接合するプレス工程と、
前記電解質膜に接合された前記額縁状マスクの上から、触媒インクを塗布し、触媒層を形成する塗布工程と、
前記樹脂フィルムを剥離する除去工程と、
を含むことを特徴とする燃料電池に用いられる膜電極接合体の製造方法。 - 前記樹脂フィルムは、微粘着剤により剥離容易に接着されていることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
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