JP2010128974A - 建物の防犯システム - Google Patents

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Abstract

【課題】不審者が建物の居住者に追従して建物内に侵入するのを防止することができる建物の防犯システムを提供する。
【解決手段】共用通路14Aの玄関ドア付近にいる人が第1戸別センサ21Aによって検知されると、コントローラ25Aは居住者が携帯する携帯電話29内に記憶されたID情報と記憶装置26Aに記憶されたID情報とが一致するか否かを判定する。また、共用通路14Aの玄関ドア付近にいる人を第2戸別センサ22Aによって検知する。これら各戸別センサ21A,22Aの検知信号に基づく検知結果と、居住者のID情報についての認証結果とに基づいて、コントローラ25Aは居住者とともに不審者がいるか否かを判定する。そして、居住者とともに不審者がいると判定された場合、コントローラ25Aは居住者が携帯する携帯電話29を振動させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、建物の防犯システムに関する。
共用玄関部を備えるマンション等の集合住宅において、居住者が共用玄関部の玄関ドアから集合住宅内に入った後、玄関ドアを施錠する前に、不審者が居住者に追従して集合住宅内に侵入する事態が生じうる。このような事態を回避すべく、マンション等の共用玄関部で把握された人数が入館を許可された人数よりも多い場合、警報メッセージを流して不審者を威嚇することで、不審者の入館を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、不審者の侵入を防止する技術としては、玄関ドア付近に設置された人感センサの検知結果に基づき照明を点灯させることで不審者を威嚇したり(例えば、特許文献2参照)、監視カメラによって不審者を監視したりするものも提案されている。
特開2006−120086号公報 特開平05−109487号公報
ところで、共用玄関部を備えていないアパートや長屋等の集合住宅においては、不審者が玄関ドア付近まで容易に近づくことができる。このため、上記特許文献1に記載されている構成によれば、居住者が玄関ドア付近に潜む不審者に気づかずにドアを開けることで、不審者が居住者に追従して室内に侵入するのを防止できないおそれがある。
また、監視カメラによる監視や上記特許文献2に記載されている構成によれば、居住者と不審者とを区別することができないため、不審者を特定して監視したり、威嚇したりすることができないおそれがある。したがって、不審者が居住者に追従して室内に侵入するのを防止する技術に関しては改善の余地を残すものとなっている。
なお、上記問題は共用玄関部を備えていないアパートや長屋等の集合住宅に限らず、屋内外を出入りする際に居住者に用いられる開口部が設けられた建物であって、同開口部に扉体が設けられた建物であれば同様に発生する問題である。
本発明は、不審者が建物の居住者に追従して建物内に侵入するのを防止することができる建物の防犯システムを提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明では、建物の居住者を特定する個人識別情報を含む識別信号に基づいて、前記建物の開口部に設けられた扉体の屋外側にいる前記居住者を認証する認証手段と、前記扉体の屋外側にいる人を検知する人検知手段と、前記認証手段の認証結果と前記人検知手段の検知結果とに基づいて、前記居住者と前記居住者以外の者とが混在しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて警戒制御を実行する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、扉体の屋外側に居住者と居住者以外の者とが混在しているか否かが判定される。そして、居住者とともに不審者がいるか否かに基づいて警戒制御が実行される。したがって、警戒制御内容によっては不審者が居住者に追従して建物内に侵入するのを抑制することも可能となる。
なお、人検知手段としては、人感センサを採用するとよい。この場合、撮像装置(例えば、監視カメラ)の撮像結果に基づく人の検知とは異なり、居住者のプライバシーを保護しつつ人を検知することができる。さらに、警戒制御の態様としては、不審者がいる旨の情報を居住者に報知したり、不審者に対して光(例えば、照明装置の点灯・点滅)や音(例えば、警報装置の鳴動)によって威嚇したりする等が例示される。
第2の発明では、第1の発明において、前記居住者以外の者の位置を追跡する追跡手段を備え、前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記追跡手段を制御することを特徴とする。
建物の扉体の屋外側に居住者とともに不審者がいる状況下においては、居住者が扉体を解錠することなくその場から一時的に退避することが想定される。この場合、居住者は、不審者が扉体付近から去っているか否かを把握することができず、退避した後の対応を適切にとることができないおそれがある。この点、本発明によれば、追跡手段を備えるため、居住者は扉体付近から一時的に退避した後に、不審者の位置を把握することができる。これにより、居住者は、扉体付近に不審者がいないことを確認した後、安全に入室することが可能となる。
なお、追跡手段により追跡された不審者の位置に関する情報を、居住者が携帯する携帯機(例えば、携帯電話)に都度送信する手段をさらに備えるのが望ましい。これにより、居住者は建物又は玄関口から離れた場所に退避しても、不審者の位置を都度把握することができる。
第3の発明では、第1又は第2の発明において、前記居住者を対象とした報知動作を行う報知手段を備え、前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記報知動作を前記報知手段に行わせることを特徴とする。
本発明によれば、居住者を対象とした報知動作が行われるため、居住者は扉体を解錠する以前に不審者がいる旨を把握することができる。これにより、居住者は不審者に気づかずに扉体を解錠するのを未然に回避することができるため、その後の対応を適切にとることができる。なお、その後の対応としては、居住者がその場から一時的に退避したり、知人に連絡したりする等が挙げられる。
ここで、前記報知動作としては、居住者には察知可能である一方、不審者には察知不能又は察知困難なものであることが好ましい。このような報知動作を実現するものとしては第4の発明がある。すなわち、第4の発明では、第3の発明において、前記報知手段は前記居住者に携帯されて振動機能を有する携帯機であり、前記携帯機を振動させることで報知動作を行うことを特徴とする。
本発明によれば、居住者に携帯される携帯機(例えば、携帯電話)の振動によって報知動作が行われるため、居住者は扉体の屋外側に不審者がいる旨を不審者に極力気づかれずに把握することができ、その後の対応をより適切にとることができる。なお、携帯機が携帯電話によって具現化される場合には、その振動による報知動作の態様としては、通話等の通常の着信時とは異なるパターンの振動により報知動作が行われるのが望ましい。これにより、居住者は不審者が潜んでいる旨を的確に把握することができる。
第5の発明では、第1乃至第4のいずれか1の発明において、複数の住戸を有し、各住戸のそれぞれの玄関口に設けられた扉体に面するように共用通路部を備える建物に適用され、前記認証手段は前記共用通路部の前記扉体前にいる前記居住者を認証するものであり、前記人検知手段は前記共用通路部の前記扉体前にいる人を検知するものであることを特徴とする。
複数の住戸を有するとともに共用通路部を備える建物(例えばアパートや長屋等)においては、不審者が建物の扉体付近まで容易に近づくことができる場合がある。このため、不審者が居住者に追従して建物内に侵入する事態が生じやすい。この点、第5の発明によれば、このような事態が生じやすい構成の建物であって仮に共用玄関部を有しない場合であっても、共用通路部から各住戸へ入る前に不審者に対する適切な対処が可能となる。
ここで、建物の防犯システムが共用通路部を備える建物に適用される場合、第2の発明における追跡手段は、共用通路部の延びる方向に沿って設けられた複数の人感センサの検知結果に基づいて居住者以外の者(例えば、不審者)の位置を追跡するのが望ましい。共用通路部は各住戸のそれぞれの玄関口に設けられた扉体に面しているため、不審者が扉体付近から去っても、共用通路部のどこかに潜んでいるおそれがある。この点、上記構成によれば、追跡手段を低コストで且つ簡素に実現することができる。なお、共用通路部の中でも特に手摺に沿って人感センサを設けることが有効である。
第6の発明では、第5の発明において、前記制御手段は、前記認証手段により同じ建物における他の住戸の居住者が認証された場合、前記警戒制御の態様を変更することを特徴とする。
本発明によれば、他の住戸の居住者が認証された場合、警戒制御の態様を変更することにより、他の住戸の居住者を不審者と誤って把握することを回避することができる。これにより、不審者を特定して適切な警戒制御を実行させることができる。なお、警戒制御の変更態様として、他の住戸の居住者と判断される場合には特に報知を行わないものも含まれる。
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図1は本実施形態における集合住宅の概略を示す正面図、図2は集合住宅の1階部分の概略を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態の建物は2階建てアパート等の集合住宅10として具体化されている。本実施形態では、集合住宅10は、1階に複数の住戸11A〜11Cを有するとともに、2階に複数の住戸11D,11Eと管理室12とを有している。
集合住宅10の各住戸11A〜11Eには、玄関口(開口部)の扉体を構成する玄関ドア13A〜13Eがそれぞれ設けられている。集合住宅10の1階には、各玄関ドア13A〜13Cに面するように共用通路14Aが設けられ、集合住宅10の2階には、各玄関ドア13D,13Eと管理室12とに面するように共用通路14Bが設けられている。共用通路14Aと共用通路14Bとは階段15Aで連絡されており、共用通路14Aと屋外とは階段15Bで連絡されている。これら共用通路14A,14B及び階段15A,15Bにより共用通路部が構成されている。
集合住宅10には、各共用通路14A,14Bに沿うように通路手摺16A,16Bが設けられているとともに、階段15Aに沿うように階段手摺16Cが設けられている。
共用通路14A,14Bに面した外壁面のうち各玄関ドア13A〜13Eの近傍位置には、玄関ドア付近を照らす照明装置17A〜17Eと、送受信機18A〜18Eとがそれぞれ設けられている。これらの送受信機18A〜18Eは無線通信部を備えており、所定の領域を通信範囲として、居住者に携帯される携帯機としての携帯電話29(図3参照)との間で無線通信が可能となっている。
玄関ドア13C付近には、必要に応じて所定の領域の撮像を行う監視カメラ19が設けられている。監視カメラ19は、共用通路14Aにいる人を撮像することができる。なお、図示しないが、監視カメラ19は、集合住宅10の共用通路14B及び階段15Aにいる人も撮像できるように適宜設けられている。
共用通路14A,14Bに面した外壁面のうち各玄関ドア13A〜13Eの近傍位置には、人検知手段としての複数の人感センサが設けられている。詳しくは、玄関ドア13A〜13Eの上方に第1戸別センサ21A〜21Eがそれぞれ設けられており、第1戸別センサ21A〜21Eよりも上方には第2戸別センサ22A〜22Eがそれぞれ設けられている。これらの各戸別センサ21A〜21E,22A〜22Eは、玄関ドア13A〜13E付近における共用通路14A,14Bの所定領域を検知領域として人が存在することを検知するセンサである。
これらの各戸別センサ21A〜21E,22A〜22Eの検知領域について、図2を用いて説明する。なお、図2は玄関ドア13Aに対応して設けられた第1戸別センサ21A及び第2戸別センサ22Aの検知領域を例示している。この例では、第1戸別センサ21Aによって玄関ドア13Aに比較的近い領域A1にいる人(例えば、居住者P1)が検知される。また、第2戸別センサ22Aによって領域A1を取り囲むようにして玄関ドア13Aから比較的遠い領域A2にいる人(例えば、不審者P2)が検知される。
通路手摺16A,16B及び階段手摺16Cには、人感センサが適宜設けられている。詳しくは、通路手摺16A,16Bの共用通路14A,14B側の面及び階段手摺16Cの階段15A側の面には、共用センサ23A〜23Gが設けられている。これらの共用センサ23A〜23Gは、共用通路14A,14B及び階段15Aの所定の領域を検知領域として人が存在することを検知するセンサであり、共用通路14A,14B及び階段15Aの延びる方向に沿って所定間隔おきに配置されている。
なお、これらの各戸別センサ21A〜21E,22A〜22E及び共用センサ23A〜23Gとしては、赤外線式や超音波式、熱線式のものを採用することができる。また、各戸別センサ21A〜21E,22A〜22E及び共用センサ23A〜23Gの設置個数や、設置位置は上述したものに限らず任意に決定してもよい。さらに、これらのセンサは、所定の高さ以上のものを検知できるように設けられているのが望ましい。これにより、犬や猫等の動物を人と誤って検知する事態を回避することができる。
共用通路14Aと階段15Bとの境界付近には、出入口センサ24が設けられている。出入口センサ24は、共用通路14Aと階段15Bとの境界を通過する人を検知するラインセンサである。詳しくは、このセンサは投光機と受光機との組み合わせからなっており、投光機から照射される赤外線を受光機が検出するように配置されている。
共用センサ23A〜23Gや出入口センサ24の検知領域について、先に示した図2を用いて説明する。なお、図2は、共用通路14Aや階段15A,15Bにおけるセンサの検知領域を例示している。
通路手摺16Aの共用通路14A側に設けられた共用センサ23A〜23Cによって、領域R1〜R3にいる人が検知され、階段手摺16Cの階段15A側に設けられた共用センサ23F,23Gによって、領域R4,R5にいる人が検知される。さらに、出入口センサ24によって、共用通路14Aと階段15Bとの境界を通過する人が検知される。
ここで、本実施形態では、各戸別センサ21A〜21E,22A〜22Eからの検知信号等は、各住戸11A〜11Eの室内にそれぞれ設けられたコントローラに入力されるようになっている。コントローラは、各住戸11A〜11Eにおける防犯管理を統括的に行うものである。
次に、上記防犯システムの電気的構成について図3に基づいて説明する。なお、玄関ドア13A〜13Eの屋外側付近にそれぞれ設けられる装置及びセンサ類や、各住戸11A〜11Eの室内にそれぞれ設けられたコントローラについては、いずれも共通している。したがって、以下においては、一の住戸11A及びその住戸11Aの玄関ドア13A付近に設けられるもののみ説明する。
住戸11Aの室内に設けられるコントローラ25Aは、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを備えて構成されている。コントローラ25Aは、居住者を特定する個人識別情報(ID情報)等を記憶するRAMからなる記憶装置26Aを有している。
コントローラ25Aには、受信回路27Aと送信回路28Aとを備えて構成される送受信機18Aが接続されている。コントローラ25Aは、居住者に携帯される携帯電話29との間で送受信機18Aを介して通信可能となっている。具体的には、居住者に携帯される携帯電話29が送受信機18Aの送受信範囲に進入すると、携帯電話29は、あらかじめ携帯電話29内の図示しない記憶装置に記憶された居住者のID情報を含む識別信号を送信する。なお、この送受信範囲は、前記領域A1,A2の占める範囲とほぼ同一となるように設定されているため、領域A1,A2にある携帯電話29との間で送受信がなされることとなる。この識別信号は、受信回路27Aを介してコントローラ25Aに入力される。また、コントローラ25Aからの出力信号は、送信回路28Aによって送信される。この出力信号は、携帯電話29によって受信される。
記憶装置26Aに記憶されているID情報は、携帯電話29に記憶されているID情報に対応したものである。コントローラ25Aに携帯電話29からのID情報を含む識別信号が入力されると、コントローラ25AはID情報の認証を行う。具体的には、入力された識別信号に含まれるID情報が記憶装置26Aに記憶されているID情報と一致するか否かを判定する。
コントローラ25Aの入力側には、第1戸別センサ21A及び第2戸別センサ22Aが接続されている。コントローラ25Aにはこれら各センサからの検知信号が入力され、これらの検知信号に基づいてコントローラ25Aは先の図2に示した領域A1又はA2に人がいるか否かを判定する。
コントローラ25Aの出力側には、照明装置17Aや住戸11Aの室内に設けられる表示装置30Aが接続されている。コントローラ25Aは、各戸別センサ21A,22Aからの検知信号及び送受信機18Aで受信される携帯電話29からの識別信号に基づいて、照明装置17Aや表示装置30Aに対して指令信号を出力する。これにより、照明装置17Aの点灯状態や表示装置30Aの表示状態を操作することができる。
コントローラ25Aを含む各住戸11A〜11Eのコントローラには、集合住宅10の管理室12に設けられる管理サーバ31が接続されている。管理サーバ31は、各種情報を記憶するRAM等からなる記憶装置31aを有している。
管理サーバ31には、共用センサ23A〜23Gや出入口センサ24が接続されている。これら各センサからの検知信号は、管理サーバ31に入力される。管理サーバ31は、これらの検知信号に基づいて先の図2に示した領域R1〜R5に人がいるか否かを判定したり、共用通路14Aと階段15Bとの境界を人が通過したか否かを判定したりする。
また、管理サーバ31には、監視カメラ19が接続されている。監視カメラ19によって撮像される映像の情報は、記憶装置31aに記憶される。
管理サーバ31は、通信媒体(例えば、電力線やLANケーブル等)を介してコントローラ25Aとの間で通信可能となっている。具体的には、管理サーバ31は、コントローラ25Aからの各種指令信号に応じて、共用センサ23A〜23Gや出入口センサ24の検知信号に基づく人の存在の有無に関する情報や監視カメラ19の映像情報等をコントローラ25Aへ送信する。
管理サーバ31には、インターネット32を介して集合住宅10を管理する管理会社の管理コンピュータ33が接続されている。これにより、管理会社は、管理サーバ31を介して集合住宅10の防犯状況を把握することができる。ここで、本実施形態では、集合住宅10の居住者のID情報を管理コンピュータ33に入力することで管理サーバ31の記憶装置31aに記憶させ、この記憶されたID情報に基づいて記憶装置26AのID情報が更新される構成としている。
ところで、集合住宅10においては、共用玄関部を備えて不審者を排除するように構成されていない場合には、不審者が玄関ドア13A付近まで比較的容易に近づくことができる。このため、居住者が玄関ドア13A付近に潜む不審者に気づかずに玄関ドア13Aを開けることで、不審者が居住者に追従して室内に侵入するおそれがある。そこで、本実施形態では、コントローラ25Aによって、各戸別センサ21A,22Aの検知結果と、居住者のID情報の認証結果とに基づいて、玄関ドア13A付近に居住者とともに不審者がいるか否かを特定する処理が行われる。
次に、コントローラ25Aによって実行される制御処理について図4に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、本制御処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
まずステップS11において、第1戸別センサ21Aからの検知信号を取得する。その後、ステップS12では、ステップS11において取得された検知信号に基づいて先の図2に示した領域A1において人が検知されたか否かを判定する。人が検知された場合にはステップS13に進み、人が検知されていない場合には本処理を終了する。続くステップS13では居住者が携帯する携帯電話29からの識別信号を取得するとともに、ステップS14では第2戸別センサ22Aからの検知信号を取得する。
ステップS15では、ステップS13において取得された携帯電話29からの識別信号に含まれるID情報が記憶装置26Aに記憶されているID情報と一致しているか否かを判定する。取得されたID情報と記憶装置26Aに記憶されている住戸11Aの居住者のID情報とが一致している場合には、ステップS16に進み、ステップS14において取得された検知信号に基づいて先の図2に示した領域A2において人が検知されたか否かを判定する。
ステップS16において人が検知されていない場合には本処理を終了し、人が検知された場合にはステップS17に進む。この場合、認証された人数よりも各戸別センサ21A,22Aで検知された人数の方が多いため、玄関ドア13A付近には居住者P1とともに不審者P2がいると判断する。
ステップS17では、不審者がいる旨を居住者に報知する処理を実行する。具体的には、送受信機18Aから携帯電話29へ指令信号を送信し、居住者に携帯される携帯電話29を振動させる(携帯電話29のバイブレータ機能を作動させる)ことで居住者に報知する。これにより、居住者は、不審者に気づかずに玄関ドア13Aを解錠するのを未然に回避することができる。さらに、居住者は、不審者がいる旨を振り返らずに把握することができるため、不審者がいる旨を不審者に極力気づかれずに把握することができる。これにより、居住者は、その場から一時的に退避したり知人に連絡したりする等の適切な対応をとることができる。ここで、携帯電話29のバイブレータ機能による振動パターンは、通常の着信時とは異なるものとしている。これにより、居住者は、不審者が近くにいる旨を的確に把握することができる。
なお、居住者を対象とした報知のみならず、不審者がいる旨を管理会社に連絡したり、警備機関等へ通報したりする構成としてもよい。不審者がいるような状況下においては、居住者が適切な対応をとる時間がなかったり、混乱状態になったりする事態が想定される。したがって、上記構成とすることで、居住者が適切な対応をとることができない場合であっても警備機関の警備員等が来てくれるため、居住者の安全を確保することができる。また、上記報知処理とともに監視カメラ19による撮像を行う構成としてもよい。
続くステップS18では、不審者の位置を追跡する処理を実行する。玄関ドア13A付近に居住者とともに不審者がいる状況下においては、居住者は玄関ドア13Aを解錠することなくその場から一時的に退避することが想定される。そこで、本実施形態では、複数の共用センサ23A〜23Gや出入口センサ24の検知信号に基づいて管理サーバ31に不審者の位置を追跡させる。そして、管理サーバ31によって追跡された不審者の位置に関する情報をコントローラ25Aが取得し、携帯電話29に都度送信する。
この追跡処理について、図5のタイムチャートを用いて説明する。なお、本処理は、ステップS16において人(不審者P2)が検知されたことをトリガとして実行される。
例えば不審者P2が領域R1内にいることで、共用センサ23Aから検知信号が出力される。そして、不審者P2が領域R1から階段15Bに向かって進むことで領域R2,R3に進入すると、共用センサ23B,23Cから検知信号が出力される。その後、不審者P2が共用通路14Aと階段15Bとの境界を通過すると、出入口センサ24から検知信号が出力される。管理サーバ31は、これらの検知信号に基づいて不審者P2の位置を追跡し、不審者P2の位置に関する情報を携帯電話29に送信する。例えば、携帯電話29に「不審者は○○○号室の前にいます」「不審者は建物の外に出ました」等のメッセージを送信する。これにより、居住者は集合住宅10から離れた場所に退避しても、不審者の位置を把握することができる。さらに、不審者の位置の追跡をこれらのセンサの検知信号(検知・非検知信号)のみに基づいて行うため、監視カメラ19による撮像データを処理する場合に比べて、追跡処理を行うための構成を低コストで且つ簡素に実現することができる。
なお、これらのセンサの検知信号に基づいて、検知対象物の動作速度が所定の閾値以上であると判定された場合、上記追跡処理を中断する構成としてもよい。さらには、それが通路床面に近い箇所で行われていることを中断の判定条件として追加してもよい。これらにより、共用通路14A等を走って通過するだけの動物を人として誤検知することを回避することができる。
さて、図4の説明に戻り、先のステップS15において取得された識別信号に含まれるID情報と記憶装置26Aに記憶されているID情報とが一致していない場合には、ステップS19に進む。ステップS19では、ステップS13において取得されたID情報が記憶装置26Aに記憶されている住戸11A以外の住戸11B〜11Eの居住者(以下、他の居住者)のID情報と一致しているか否かを判定する。取得されたID情報と記憶装置26Aに記憶されている他の居住者のID情報とが一致している場合には、ステップS20に進む。この場合、玄関ドア13A付近にいる人が不審者ではなく他の居住者であると判断する。
ステップS20では、玄関ドア13A付近にいる人が不審者ではない旨を通知する処理を実行する。具体的には、居住者が在宅の場合、室内に設けられた表示装置30Aに玄関ドア13A付近にいる人が他の居住者である旨の情報を表示する。このとき、表示装置30Aに「他の居住者が玄関前を通過中です」等と表示することで居住者にその旨を通知することができる。なお、居住者が不在の場合には、表示装置30Aによる表示を行わない構成としてもよいし、携帯電話29に送信する構成としてもよい。
先のステップS19において取得されたID情報と記憶装置26Aに記憶されている他の居住者のID情報とが一致していない場合には、ステップS21に進む。ステップS21では、第1戸別センサ21Aによって人が検知されている時間(検知継続時間)が所定時間以上であるか否かを判定する。これにより、集合住宅10を訪問する来訪者や新聞配達員、一時的に通り過ぎる動物等を不審者として誤判定することを回避することができる。
ステップS21において継続検知時間が所定時間以上でない場合には本処理を終了し、検知された場合にはステップS22に進む。この場合、玄関ドア13A付近に不審者がいると判断される。ステップS22では、不審者に対して威嚇する処理を実行する。具体的には、照明装置17Aを点滅させることで不審者を威嚇した後、本処理を終了する。
この威嚇処理について、図6のタイムチャートを用いて説明すると、例えば時刻t1において領域A1に不審者が進入することで、第1戸別センサ21Aから検知信号が出力される。そして、この検知信号が所定時間T継続して出力されると、時刻t2において照明装置17AがON状態となり、その後所定周期でON状態とOFF状態とに切り替えることで照明装置17Aを点滅させる。これにより、不審者を威嚇することができる。なお、照明装置17Aによる威嚇とともに、監視カメラ19で不審者を撮像する構成としてもよい。また、居住者が在宅の場合には表示装置30Aに「玄関ドア付近に不審者がいます」等と表示する構成としてもよい。
また、来客情報(例えば、来訪者の来訪時刻)をあらかじめコントローラ25Aに登録する手段を備える構成としてもよい。これにより、来訪者が不審者と判定されることで威嚇されるのを回避することができるため、来訪者が不快な思いをするのを回避することができる。また、威嚇処理を行うか否かを居住者が任意に選択してコントローラ25Aに設定することができる手段をさらに備える構成としてもよい。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
各戸別センサ21A,22Aの検知信号に基づく検知結果と、携帯電話29から送信されるID情報を含む識別信号とに基づく認証結果とに基づいて、玄関ドア13A付近に居住者とともに不審者がいるか否かを判定するようにした。これにより、玄関ドア13A付近に居住者とともに不審者がいるか否かを、居住者自身が何らの手続をとることもなく特定することができる。
また、居住者とともに不審者がいる場合、不審者がいる旨を居住者に報知するようにした。これにより、居住者は、不審者に気づかずに玄関ドア13Aを解錠してしまうことを未然に回避することができる。したがって、不審者が居住者に追従して住戸11A内に侵入するのを防止することができる。さらに、居住者に携帯される携帯電話29を振動させて居住者に報知することで、居住者は不審者がいる旨を振り返らずに把握することができる。したがって、居住者は、不審者がいる旨を不審者に極力気づかれずに把握することができるため、居住者にとってはその後の対応を適切にとり易くなる。
これらにより、複数の住戸11A〜11Eを有し共用通路14A,14Bが設けられるとともに当該共用通路14A,14Bへの侵入が比較的容易な集合住宅10であっても、不審者が居住者に追従して各住戸11A〜11Eの室内に侵入する事態を回避することが可能となる。
さらに、人感センサである各戸別センサ21A,22Aによって領域A1,A2にいる人を検知する構成とした。これにより、カメラ等により他の居住者を撮像するなどの処理が行われることがないため、各居住者のプライバシーを保護しつつ人を検知することができる。
また、共用通路14A,14B及び階段15Aに設けられた共用センサ23A〜23Gや出入口センサ24からの検知信号に基づいて、不審者の位置を追跡し、不審者の位置に関する情報を居住者が携帯する携帯電話29に都度送信するようにした。このため、居住者は玄関ドア13Aから離れた場所に一時的に退避した後に、不審者の位置を把握することができる。これにより、居住者は、玄関ドア13A付近に不審者がいないことを確認した後、安全に入室することができる。
また、不審者の位置の追跡を複数の共用センサ23A〜23Gや出入口センサ24からの検知信号に基づいて実行した。これにより、不審者の位置の追跡処理を行うための構成を低コストで且つ簡素に実現することができる。特に、各共用センサ23A〜23Gを通路手摺16A,16Bや階段手摺16Cに設置するようにしたので、共用通路14A,14B及び階段15Aからなる共用通路部に沿って各共用センサ23A〜23Gを簡単に設置することができ、共用通路部全域において不審者の追跡が可能となる。
また、他の居住者が認証された場合、照明装置17Aによる威嚇を行わないこととした。これにより、不審者以外の者に威嚇を行うのを極力回避することができるため、威嚇精度を向上させることができるとともに、他の居住者に不快な思いをさせるのを回避することができる。
さらに、記憶装置26Aに記憶されるID情報を管理コンピュータ33から入力して更新することができるようにした。この入力を各居住者の入居時に管理者によって行われるようにすれば、居住者が自らID情報を記憶装置26Aに記憶させる必要がないし、面識のない集合住宅10の居住者のID情報が他の居住者に知られることも回避できる。
なお、本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施してもよい。
(1)威嚇処理として照明装置17Aを点滅させることで不審者を威嚇するようにしたが、これを変更してもよい。例えば、警報装置が設けられる場合には警報装置の鳴動によって不審者を威嚇してもよいし、照明装置17Aと警報装置とを組み合わせて威嚇するようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、人検知手段としての人感センサ(各戸別センサ21A,22A)によって人を検知する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、撮像装置(監視カメラ19)の撮像結果に基づいて人を検知したり、人感センサと撮像装置との双方を利用して人を検知したりする構成としてもよい。但し、居住者のプライバシーを侵害するおそれがあることを考慮すると、人感センサによって人を検知する構成とするのが望ましい。
(3)上記実施形態では、携帯電話29を振動させることで居住者に対して不審者がいる旨を報知するようにしたが、これを変更してもよい。例えば、居住者に対して携帯電話29からの音(例えば、着信音)や光(表示画面の点滅等)によって報知してもよい。但し、不審者がいることを居住者が把握する際に、このことを不審者に気づかれるおそれがあることを考慮すると、携帯電話29を振動させることで居住者に対して報知するのが望ましい。携帯電話29に限らず、照明装置17Aや警報装置により居住者に報知するものであってもよい。
(4)上記実施形態では、携帯電話29に記憶されたID情報に基づいて居住者が認証される構成としたが、これを変更してもよい。例えば、車両の電子キーや通信機能を有するICカードに記憶されたID情報に基づいて居住者が認証される構成であってもよい。この場合、不審者がいる旨を居住者に報知する際に、照明装置17Aの光度を変更して点灯させる等、居住者の所持品以外の報知手段により居住者に報知するとよい。これにより、不審者に極力気づかれることなく居住者に報知することができる。
(5)上記実施形態では、記憶装置26Aに記憶されるID情報を管理コンピュータ33から入力する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、各住戸11A〜11Eにおいて、コントローラにID情報を入力する手段をそれぞれ備えることで居住者がID情報を入力する構成としてもよい。特に、他の居住者と不審者とを区別しない場合には管理コンピュータ33は不要である。
(6)上記実施形態では、他の居住者に対しては威嚇処理を行わなかったが、これを変更してもよい。例えば、通常であれば居住者が他の居住者の玄関前に長く立ち止まらないと考えられることから、他の居住者が一定時間検知されたときには当該他の居住者が不審者であるとして威嚇処理を行う構成としてもよい。なお、居住者と他の居住者とがともに認証される場合は、報知処理や威嚇処理を行わない構成としてもよい。これにより、共用通路14A,14Bでの立ち話等をしている場合に不必要な処理がなされることを回避し得る。
(7)上記実施形態では、各戸別センサ21A,22Aの検知領域は固定のものとしたが、これらのセンサの検知領域を可変としてもよい。この場合、時刻によって検知領域を変更することが考えられる。例えば、人通りが少ない夜間は検知領域を広くすることで、なるべく早く不審者を察知することができる。一方、人通りが夜間より多い昼間は検知領域を狭くすることで、単なる通行人による報知処理や威嚇処理の誤作動を防止することができる。このような検知領域の変更は、各戸別センサ21A,22Aの角度を自動調整するアクチュエータを備えること等よって実現することができる。
(8)上記実施形態では、共用センサ23A〜23Gが各手摺に設けられていたが、これを変更してもよい。例えば、集合住宅10の共用スペース(共用通路14A,14Bや階段15A)の天井に設けられてもよい。この場合、高位から人を検知することができるため、検知領域に死角ができるのを回避することができる。
本実施形態の集合住宅を示す正面図。 集合住宅の1階部分を示す平面図。 防犯システムの電気的構成を示すブロック図。 防犯制御処理を示すフローチャート。 追跡処理の概要を示すタイムチャート。 威嚇処理の概要を示すタイムチャート。
符号の説明
10…集合住宅、11A〜11E…住戸、13A〜13E…玄関ドア、14A,14B…共用通路、15A,15B…階段、16A,16B…通路手摺、16C…階段手摺、21A〜21E…人検知手段としての第1戸別センサ、22A〜22E…人検知手段としての第2戸別センサ、23A〜23G…共用センサ、24…出入口センサ、25A…認証手段,判定手段,制御手段としてのコントローラ、29…報知手段,携帯機としての携帯電話、31…追跡手段としての管理サーバ。

Claims (6)

  1. 建物の居住者を特定する個人識別情報を含む識別信号に基づいて、前記建物の開口部に設けられた扉体の屋外側にいる前記居住者を認証する認証手段と、
    前記扉体の屋外側にいる人を検知する人検知手段と、
    前記認証手段の認証結果と前記人検知手段の検知結果とに基づいて、前記居住者と前記居住者以外の者とが混在しているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて警戒制御を実行する制御手段と
    を備えることを特徴とする建物の防犯システム。
  2. 前記居住者以外の者の位置を追跡する追跡手段を備え、
    前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記追跡手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の建物の防犯システム。
  3. 前記居住者を対象とした報知動作を行う報知手段を備え、
    前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記報知動作を前記報知手段に行わせることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の防犯システム。
  4. 前記報知手段は前記居住者に携帯されて振動機能を有する携帯機であり、前記携帯機を振動させることで報知動作を行うことを特徴とする請求項3に記載の建物の防犯システム。
  5. 複数の住戸を有し、各住戸のそれぞれの玄関口に設けられた扉体に面するように共用通路部を備える建物に適用され、
    前記認証手段は前記共用通路部の前記扉体前にいる前記居住者を認証するものであり、
    前記人検知手段は前記共用通路部の前記扉体前にいる人を検知するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の建物の防犯システム。
  6. 前記制御手段は、前記認証手段により同じ建物における他の住戸の居住者が認証された場合、前記警戒制御の態様を変更することを特徴とする請求項5に記載の建物の防犯システム。
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