JP2010128232A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着ベルトの局所を加熱する局所加熱方式を採用した画像形成装置において、定着ベルト全周を適切に加熱することが可能な複合機を提供する。
【解決手段】無端状の定着ベルト401が掛けられた定着ローラ402を回転する駆動手段603と、定着ヒータ311により定着ベルト401を局所的に加熱する加熱手段604とを備えた複合機100において、上記定着ローラ402の回転軸に連結され、当該回転軸の回転数に対応する周波数のパルス信号を出力するエンコーダ405と、所定の回転数に対応する周波数のパルス信号が入力されると、上記加熱手段604による定着ベルト401の加熱を許可し、当該パルス信号の入力が停止されると、上記加熱手段604による定着ベルト401の加熱を不許可とする加熱許否手段605とを備えることを特徴とする複合機100を提供する。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置に関し、詳しくは、定着ベルトの局所を加熱する局所加熱方式を採用した画像形成装置において、定着ベルト全周を適切に加熱することが可能な画像形成装置に関する。
近年、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置には、定着装置としてベルト式(ベルトタイプ)の定着装置が搭載されている。
ベルト式の定着装置は、エンドレスの定着ベルトと、定着ベルトを回転する駆動手段と、定着ベルトを局所的に加熱する加熱手段とを有する構成をしている。当該構成では、当該駆動手段により回転され、加熱手段により加熱された定着ベルトにシート等の記録媒体を接触させて未定着画像(トナー像)を加熱定着(仮定着も含む)する。
ここで、定着ベルトは加熱手段により局所的に加熱されるが、回転されることにより、ベルト全周が満遍なく均一に加熱される。そして、定着ベルトの温度を検知する温度検知手段を含む温調系により、温度検知手段の検知温度が予め設定した温度である所定温度に維持されるように加熱手段に対する供給電力が制御されて、定着ベルトの温調がなされている。
上述した定着ベルトを局所的に加熱する定着装置では、温度調整時は常に定着ベルトの走行(回転)を行わなければならない。当該走行を行わないと、加熱手段が加熱している定着ベルト部分が局所的に高温になり、定着ベルトの耐久寿命が著しく低下したり、定着ベルトの熱変形が発生したり、高温の程度が著しい場合は、定着ベルトから発火や発煙が発生する。
一方で、定着ベルトは走行しつづけると、定着ベルトの表層にクラック(切れ目)が発生するため、定着ベルトの総回転時間には制限(寿命)がある。そのため、画像形成装置のスタンバイ時には、検知温度に応じて停止と回転を交互に行う構成が知られている。当該構成により、定着ベルトへの負荷を小さくすることができるとしている。
しかしながら、スタンバイ時に停止時及び回転時とも加熱を行う局所加熱方式では、停止時に加熱された領域が回転により再び加熱領域に到達するとその部分だけベルトへの負荷が大きくなるという問題がある。一方で、ベルトを支持している支持部材等のベルトと接触する部材は熱容量が大きく暖まりにくいという問題がある。
上記問題を解決するために、特開2007−272033号公報(特許文献1)には、エンドレスのベルトと、このベルトを回転する駆動手段と、ベルトを局所的に加熱する加熱手段と、ベルトと接触する接触部材とを有し、前記駆動手段によりベルトが回転し、記録材を挟持搬送するニップ部を通過させることで記録材上の画像を加熱する像加熱装置を前提とする技術が開示されている。
当該技術において、スタンバイ時にはベルトが停止した状態で加熱が行われる停止期間とベルトを回転させる回転期間とを有し、回転期間の回転が停止するときには回転が開始する前に停止状態で加熱手段により加熱が行われた領域の少なくとも一部が接触部材とベルトとが接触する領域と重なるように停止する像加熱装置が開示されている。当該像加熱装置により、待機時からの一枚目画像形成の生産性を落とすことなく、しかも定着ベルトの寿命を延ばすことができるとしている。
特開2007−272033号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、定着ベルトを回転する駆動手段が適切に回転することを前提とした技術であり、当該駆動手段に不具合が発生した場合には対応することが出来ないという問題がある。
つまり、当該技術では、加熱された定着ベルトが回転されることにより、定着ベルト全周が均一に加熱され、当該定着ベルトの一部分の温度を検知することにより、定着ベルト全周の温度を推定して、後の制御が行われる。そのため、定着ベルト全周の温度が不均一である場合、言い換えると、何らかの原因により、駆動手段に不具合が発生し、定着ベルトが円滑に回転していない場合、当該技術は採用することが出来ない。
定着ベルトが円滑に回転していない場合、加熱手段は定着ベルトの局所を加熱する一方で、温度検知手段はほとんど加熱されていない定着ベルトの一部分の温度を検知することになる。そうすると、例えば、画像形成装置の制御部では、温度検知手段が検知した温度は未だに所定温度に達していないと認定する一方で、現実には、定着ベルトの局所が著しく加熱されることとなる。その結果、上述した定着ベルトの耐久寿命の低下、定着ベルトの熱変形、定着ベルトから発火や発煙の発生等の問題が招来する。
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、定着ベルトの局所を加熱する局所加熱方式を採用した画像形成装置において、定着ベルト全周を適切に加熱することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、無端状の定着ベルトが掛けられたローラを回転する駆動手段と、定着ヒータにより定着ベルトを局所的に加熱する加熱手段とを備えた画像形成装置を前提とする。
当該画像形成装置は、主に、定着ベルト式で、電磁誘導加熱方式の定着装置(いわゆるIH定着(Induction Heating fixing)装置)を備えた画像形成装置に採用されるが、定着ヒータにより定着ベルトを局所的に加熱する加熱方式であれば、他の加熱方式の定着装置を備えた画像形成装置でも採用可能である。
当該画像形成装置において、上記ローラの回転軸に連結され、当該回転軸の回転数に対応する周波数のパルス信号を出力するエンコーダと、所定の回転数に対応する周波数のパルス信号が入力されると、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を許可し、当該パルス信号の入力が停止されると、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を不許可とする加熱許否手段とを備える。
上記エンコーダは、例えば、速度検知センサーに基づいて構成され、ローラの回転数(アナログ信号)をパルス数(デジタル信号)に変換するよう構成される。当該変換方式には、光電式、ブラシ式、磁気式等を採用することが可能である。
所定の回転数とは、例えば、画像形成可能な状態でのローラの回転数やプレヒート時でのローラの回転数など、定常状態の回転数が該当する。
上記加熱許否手段は、入力されたパルス信号が所定の回転数に対応する周波数のパルス信号と判定可能であれば、例えば、所定の時間内にパルス信号の入力が停止されると、所定の出力信号を発生するウォッチドッグタイマと、出力信号と、定着ベルトの加熱を制御する所定の制御信号とを論理和する論理和回路とを組み合せて構成しても構わない。また、加熱許否手段は、入力されたパルス信号の周期を計測するカウンタと、所定のメモリに記憶された、所定の回転数に対応する周期と、計測されたパルス信号の周期とを比較して、加熱の許否を判定する判定手段とから構成しても構わない。
さらに、当該画像形成装置は、エンコーダから出力されるパルス信号が入力されると、入力されたパルス信号の周波数が、所定の回転数に対応する周波数に基づいて決定された所定の範囲に含まれるか否かを判定するパルス信号判定手段を備え、上記パルス信号判定手段が判定した結果、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲に含まれる場合、当該パルス信号判定手段が、上記加熱許否手段に、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を許可させ、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲外である場合、当該パルス信号判定手段が、上記加熱許否手段に、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を不許可とさせるよう構成することができる。
上記パルス信号判定手段が、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲に含まれるか否かを判定しても、パルス信号の周期が所定の範囲に含まれるか否かを判定しても構わない。
所定の範囲は、ユーザにより画像形成装置に応じて適宜設定可能な範囲である。例えば、所定のパルス信号の周波数の1/2の周波数からパルス信号の周波数までの範囲が設定される。なお、所定のパルス信号の周波数の1/3、1/4等から範囲の開始点を設定しても構わない。また、周波数を周期に換算すると、所定のパルス信号の周期から当該パルス信号の周期の2倍の周期までの範囲が設定される。なお、パルス信号の周期が2倍の周期となることは、言い換えると、ローラの回転数が低速(減速)していることに対応する。
さらに、当該画像形成装置は、上記加熱許否手段が、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を不許可とすると、画像形成装置に備えられた表示部に、定着ベルトの加熱が不許可である旨を示す加熱不許可画面を表示させる不許可画面表示手段を備えるよう構成することができる。
表示部は、画像形成装置の操作部に備えられたタッチパネルでも、画像形成装置に備えられた液晶ディスプレイでも構わない。
本発明の画像形成装置によれば、上記ローラの回転軸に連結され、当該回転軸の回転数に対応する周波数のパルス信号を出力するエンコーダと、所定の回転数に対応する周波数のパルス信号が入力されると定着ベルトの加熱を許可し、当該パルス信号の入力が停止されると定着ベルトの加熱を不許可とする加熱許否手段とを備えるよう構成している。
これにより、ローラの回転数が所定の回転数を満たす場合、すなわち、定着ベルトが所定の回転数で回転する場合に、定着ベルトの加熱が許可されることとなる。そのため、定着ベルトが所定の回転数で回転していない場合には、定着ベルトが加熱されることはなく、定着ベルトの局所が著しく加熱される事態を確実に排除することが可能となる。その結果、局所の著しい加熱によって発生する定着ベルトの耐久寿命の低下、定着ベルトの熱変形、定着ベルトからの発火や発煙等を適切に防止することが可能となる。
さらに、エンコーダから出力されるパルス信号が入力されると、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲に含まれるか否かを判定するパルス信号判定手段を備え、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲に含まれる場合、上記パルス信号判定手段が、上記加熱許否手段に定着ベルトの加熱を許可させ、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲外である場合、上記加熱許否手段に定着ベルトの加熱を不許可とさせるよう構成することができる。
これにより、所定の範囲を満たすパルス信号であれば、定着ベルトの加熱が許可されることとなる。そのため、定着ベルトの加熱許可の条件に幅を持たせて、画像形成装置を柔軟に対応させることが可能となる。また、所定の範囲を満たさないパルス信号が出力される場合、例えば、長期使用によって、定着ベルトを回転するローラの磨耗が著しい場合は、定着ベルトの回転が円滑でないと判定され、定着ベルトが加熱されることはない。そのため、定着ベルトは回転するものの、その定着ベルトの局所が著しく加熱されるという事態を確実に排除することが可能となり、局所の著しい加熱によって発生する定着ベルトの耐久寿命の低下等を適切に防止することが可能となる。また、ユーザ等が、所定の範囲を画像形成装置のスペックに応じて適宜変更することにより、定着ベルトの局所を加熱する局所加熱方式を採用した画像形成装置を機動的に対応させることも可能となる。
さらに、上記加熱許否手段が、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を不許可とすると、画像形成装置に備えられた表示部に、定着ベルトの加熱が不許可である旨を示す加熱不許可画面を表示させる不許可画面表示手段を備えるよう構成することができる。
これにより、定着ベルトの加熱が不許可とされた場合は、定着ヒータの加熱が不許可である旨を示す加熱不許可画面を表示して、その旨をユーザに知らせることが可能となる。そのため、ユーザに定着ベルトの回転が円滑でない原因を早期に発見させ、迅速に定着ベルト近傍の部材をユーザに修復させることが可能となり、結果として、メンテナンス管理の強化を図ることが可能となる。
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。また、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
<画像形成装置>
以下に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
図1は、画像形成装置の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
なお、本発明の画像形成装置は、例えばプリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピーサービス、スキャナサービス、ファクシミリサービス、プリンタサービス等を備えた画像形成装置として機能する。以下に、例えばコピーサービスを利用する場合の複合機100(MFP:Multi Function Peripheral)の動作を簡単に説明する。
ユーザが複合機100を使用してコピー機能を実行する場合、原稿を複合機100の上面に備えられている原稿台に載置する。続いて、ユーザがコピー機能に関連する設定を上記操作部101(タッチパネルを含む)から入力し、当該操作部101に設けられたスタートキーを押下して、複合機100が印刷処理を開始する。
複合機100が印刷処理を開始すると、画像読取部102において、光源103から照射された光が、上記原稿台に置かれた原稿に反射される。反射された光は、ミラー104、105、106によって撮像素子107に導かれる。導かれた光は上記撮像素子107により光電変換されて、上記原稿に対応する画像データが生成される。なお、上記画像読取部102は、複合機100のスキャン機能を実行する際にも駆動される。
上記画像データは、複合機100の側壁に接続されたケーブル108を介して複合機100に送信される場合もある。この場合は、上記複合機100がファクシミリ送受信機能やプリント機能を実行する場合である。
さて、上記画像データをトナー像として転写する駆動部が画像形成部109である。上記画像形成部109には感光体ドラム110が備えられている。上記感光体ドラム110は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器111、露光ユニット112、現像器113、転写器114、クリーニングユニット115などが配置されている。
上記帯電器111は、上記感光体ドラム110の表面を一様に帯電させる。上記露光ユニット112は、帯電された上記感光体ドラム110の表面に、上記画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。上記現像器113は、搬送された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、上記転写器114により、記録媒体(例えば、シート)に転写される。上記クリーニングユニット115は、上記感光体ドラム110の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、上記感光体ドラム110が回転することにより実行される。
上記シートは、上記複合機100に備えられた複数の給紙カセット116から搬送される。搬送される時は、上記シートはピックアップローラ117により何れか1つの上記給紙カセット116から搬送路へ引き出される。上記各給紙カセット116には、それぞれ異なる紙種のシートが収容されており、上記画像形成に関する設定に基づいてシートが給紙される。
搬送路に引き出された上記シートは、搬送ローラ118やレジストローラ119により感光体ドラム110と転写器114の間に送り込まれる。送り込まれると、上記シートは上記転写器114により上記トナー像が転写され、定着装置121に搬送される。また、搬送ローラ118に搬送されるシートは、複合機100の側面に備えられた手差しトレイ120から搬送される場合もある。
上記トナー像が転写されたシートが上記定着装置121に備えられた定着部122と加圧部123の間を通過すると、上記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像がシートに定着される。熱をシートに供給する上記定着部122の定着ベルト(図示せず)の熱量は定着ヒータ(図示せず)を介し、紙種に応じて最適に設定され、上記定着が適切に行われる。なお、定着ベルトの近傍には、その定着ベルトの温度を検知可能なサーミスタ(図示せず)が備えられており、画像形成部109が、温度変動に対応するサーミスタの電気抵抗の変動を検知することにより当該定着ベルトの加熱、言い換えると定着ヒータの加熱を制御する(後述する)。上記可視像がシートに定着されて画像形成が終了し、当該シートは印刷物として複合機100の側壁に設けられた排紙トレイ124に積載され、収容される。
上記手順により、複合機100はコピー機能をユーザに提供する。また、複合機100が他の機能を提供する場合は、上記画像読取部102と上記画像形成部109とが駆動して提供する。以下、ユーザから所定の処理条件(コピー機能に関連する設定)を受け付けたり、所定の画面をタッチパネル上に表示する手段を条件受付手段(後述する)、が追う読取部102にて原稿の画像を読み取り、画像形成部109にて、受け付けた指示と読み取った画像データとに基づいて画像形成を実行する手段を画像形成手段(後述する)と称する。
図2は、複合機100に備えられた操作部101の外観の一例を示す図である。ユーザは、上記操作部101を用いて、上述のような機能提供についての設定条件等を入力する。設定条件の入力等が行なわれる際に、上記操作部101に備えられたタッチパネル201、タッチペン202、操作キー203が用いられる。
上記タッチパネル201には、上述した設定条件を入力する機能と、入力された設定条件等を表示する機能とが兼ね備えられている。すなわち、タッチパネル201上に表示された画面内の選択項目等を押下することによって、選択項目等に関連付けられた設定条件の入力が行われる。また、入力された項目等は、その背景色を白色からグレー色へ変更してタッチパネル201上に表示されるため、ユーザによって随時視認される。また、複合機100にエラーや緊急事態が発生した場合、タッチパネル201には、ユーザに対してエラー等を知らせるための画面が表示される。表示された画面に従って、ユーザはエラーや緊急事態に対応することができる。なお、タッチパネル201上に表示された、定着ベルトの加熱が不許可である旨を示す加熱不許可画面については、後述する。
タッチパネル201の近傍には、タッチペン202が備えられており、ユーザがそのタッチペン202の先をタッチパネル201に接触させると、タッチパネル201下方に設けられたセンサーが接触先を検知する。そのため、タッチペン202の接触により、キーボード画面のキーの押下や所定の手書き情報の入力が可能である。
さらに、タッチパネル201近傍には、所定数の操作キー203が設けられ、例えば、テンキー204、スタートキー205、クリアキー206、ストップキー207、リセットキー208、電源キー209が備えられている。なお、上記テンキー204は、部数や倍率を設定する際に具体的な数字の入力に用いられる。
次に、図3を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、複合機100における制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305、直流電源(図示せず)からサーミスタ306を介して入力される直流電源電圧の電圧値であるアナログ信号を温度データとしてデジタル信号に変換するA/D部(A/D変換器)307、トライアック等からなるスイッチング素子308へ当該CPU301からの制御信号(オン信号またはオフ信号)を送信するI/O部309を内部バス310によって接続している。
直流電源は、例えば、外部電源からの交流電圧を所定の電圧値を有する直流電圧に整流する整流器等に基づいて構成される。複合機100と接続された、外部に設けられる商用電源の交流電源(図示せず)は、交流電源電圧をスイッチング素子308を介して定着ヒータ311に印加(入力)するよう構成される。従って、上記CPU301が当該スイッチング素子308のオンオフ状態を制御することにより、定着ヒータ311に印加される交流電源電圧を制御することが可能である。定着ヒータ311に交流電源電圧が印加されると、定着ヒータ311は加熱を開始する。
上記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、上記ROM302、上記HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ305とデータや指示を授受し、上記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、上記CPU301は、A/D部307からのデータを授受し、所定の制御信号(例えば、オン信号に対応するHI信号、オフ信号に対応するLOW信号)をI/O部309を介してスイッチング素子308に送信し、スイッチング素子308のオンオフ状態を制御する。上記駆動部以外の後述する各手段(図6、図9に示す)についても、上記CPU301がプログラムを実行するとともに、データや指示を授受することで当該各手段を実現する。上記ROM302や上記HDD304には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
<第一の実施形態>
次に図4を参照しながら、第一の実施形態に係る複合機の定着装置の主な構成について説明する。図4は、第一の実施形態に係る複合機の定着装置の主な構成を示す図である。なお、第一の実施形態に直接には関係しない各部の詳細は省略している。また、以下では、図4の上下方向を定着装置の上下方向とし、図1の左右方向を定着装置の前後方向として説明する。また、図4の破線矢印は、紙の搬送方向を示す。
第一の実施形態に係る複合機の定着装置は、定着ベルト式で、電磁誘導加熱方式の定着装置(IH定着装置)である。
定着装置121の定着部122には、定着ヒータ311から局所的に熱を印加される、無端状で可撓性の定着ベルト401と、定着ベルト401が巻き掛けられ、その定着ベルト401に回転を伝達する定着ローラ402と、定着ローラ402に巻き掛けられた定着ベルト401がさらに巻き掛けられて、その定着ベルト401に所定の張力を印加する定着テンションローラ403と、定着ヒータ311が加熱する定着ベルト401の局所である加熱対象位置の近傍で、定着ベルト401の外周表面に接触され、その接触位置の温度を検知するサーミスタ306とが備えられている。なお、加熱対象位置は、図4に示すように、定着装置121の後方に対して定着ベルト401の上方の一部分の位置であり、加熱対象位置の近傍は、定着装置121の後方に対して定着ベルト401の後方の一部分の位置である。
定着ローラ402の回転軸と定着テンションローラ403の回転軸とは相互に平行で、定着装置121の機床に対して平行に配置される。そのため、定着ローラ402と定着テンションローラ403とに巻き掛けられた定着ベルト401の側面(定着装置121の前後方向に対して定着ベルト401の左右側面)の周端部は、ほぼ楕円形を有しており、その楕円形の長軸が定着装置121の機床に対して平行に配置される。また、定着ローラ402の回転軸が、定着装置121の前方の左側面に対して時計回りに回転すると、定着テンションローラ403と定着ベルト401とが当該左側面に対して時計回りに回転する。
定着ローラ402の回転軸には、定着ローラ402に回転を伝達する定着モータ404の回転軸と連結するよう構成され、その定着ローラ402の回転軸に、当該回転軸が所定の回転角度だけ回転すると、その回転に対応して所定のエンコーダパルス(以下、パルス信号)を出力するエンコーダ405が備えられている。エンコーダ405が出力するパルス信号は、CPU301に入力され、当該CPU301が、その周波数を定着ローラ402の回転数として検出・監視する。なお、周波数は、周期に換算可能である。また、パルス信号の周波数は、エンコーダ405を構成するパルス板の寸法、スリット数等に応じて適宜変更可能である。
定着装置121の加圧部123には、定着装置121の下方、言い換えると、定着ベルト401の下方で、紙(トナー像が転写されたシート)の搬送経路Pを介して当該定着ベルト401の位置と対向する位置に、搬送される紙に圧力を印加する加圧ベルト406が設けられる。当該加圧ベルト406は、回転を伝達する加圧ローラ407に巻き掛けられる。加圧ローラ407は、定着ローラ402の下方で、紙の搬送経路Pを介して当該定着ローラ402の位置と対向する位置に配置される。また、加圧ローラ407に巻き掛けられた加圧ベルト406に所定の張力を印加する加圧テンションローラ408が備えられる。加圧テンションローラ408は、定着テンションローラ403の下方で、紙の搬送経路Pを介して当該定着テンションローラ403の位置と対向する位置に配置される。
加圧ローラ407の回転軸と加圧テンションローラ408の回転軸とは相互に平行で、定着装置121の機床に対して平行に配置され、さらに、図示しない加圧手段により加圧ローラ407の回転軸と加圧テンションローラ408の回転軸とが相互に平行を保持したまま、定着装置121の上下方向に移動可能となるよう構成される。そのため、加圧ローラ407の回転軸と加圧テンションローラ408の回転軸とが上方へ移動すると、加圧ベルト406を介して定着ベルト401に所定のニップ圧を有するニップ部が形成される。トナー像を有するシートが当該ニップ部を通過すると、熱と圧力とが印加され、可視像が形成されることになる。
定着ローラ402、定着テンションローラ403、加圧ローラ407、加圧テンションローラ408は、いずれも、中空芯金の外周面に耐熱性ゴム等の弾性材層を形成した弾性ローラであり、同一の半径と、同一の軸の長さを有するよう構成される。
また、定着ベルト401と加圧ベルト406は、いずれも、基層としての金属ベルト(例えばNi)の外周面にシリコーンゴム等の弾性表層を形成した電磁誘導発熱性の部材である。
定着ローラ402と加圧ローラ406とには、定着装置121の前方の左側面に対して時計回りに所定の回転数(回転速度)で回転を伝達するモータ(定着モータ404、加圧モータ409)がそれぞれ連結されている。定着モータ404、加圧モータ409には、回転を制御する駆動回路410が接続され、当該駆動回路410が定着ローラ402の回転数と加圧ローラ406の回転数とが同等となるよう、同期制御等を行う。当該駆動回路410は、CPU301と接続され、CPU301からの所定の制御信号により制御される。
定着ヒータ311は、誘導加熱コイルと、例えばフェライトコアや積層コア等の磁性体コアとを有し、当該定着ヒータ311に交流電源電圧が印加されると、その誘導加熱コイルに磁束を発生させるよう構成される。当該磁束によって、定着ヒータ311は、その誘導加熱コイルとの対向位置を、定着ベルト401の加熱対象位置として局所的に誘導加熱する。なお、定着ヒータ311の誘導加熱コイルの寸法、性能と、定着装置121の構成上の理由により、定着ヒータ311は、定着ベルト401を局所的に加熱することになる。誘導加熱コイルを流れる交流電流の周波数に応じて、磁束の発生の程度、すなわち、発生する熱量の程度が変動するため、定着ヒータ311に印加される交流電源電圧の周波数は随時調整される。定着ヒータ311に印加される交流電源電圧は、上述したスイッチング素子308を介して、CPU301が制御する。
上記CPU301が、定着ヒータ311により定着ベルト401を加熱するとともに、加圧手段を介して定着ベルト401と加圧ベルト407とを加圧した状態で、定着ローラ402と加圧ローラ407を介して定着ベルト401と加圧ベルト407とを回転することにより、定着装置全体121(定着部122の定着ベルト401、加圧部123の加圧ベルト、定着ローラ402、定着テンションローラ403、加圧ローラ407、加圧テンションローラ408等)に熱が供給される。
定着ベルト401の外周表面の温度を検知するために、定着ヒータ311の加熱対象位置の近傍にサーミスタ306が備えられており、そのサーミスタ306は定着ベルト401の加熱対象位置の近傍に接触するよう配置される。そのため、サーミスタ306の温度は、定着ベルト全周401ではなく、定着ベルト401の局所的な位置の温度に対応する。サーミスタ306が温度を検知している際に、定着ベルト401が所定の回転数で回転していると、サーミスタ306の温度は、定着ベルト全周401の温度として見積もられる。サーミスタ306から出力される所定の信号(直流電源電圧の電圧値)はA/D部307を介してCPU301に入力される。CPU301は、入力されたデジタルデータ信号を温度に換算して、定着ベルト401の温度を検出・監視する。なお、定着装置121の構成上の理由、サーミスタ306の検出精度等の理由により、サーミスタ306が定着ベルト401に接触する位置が、定着ベルト401の加熱対象位置と重複しない構成を採用する。
次に図5を参照しながら、第一の実施形態に係る複合機の主要な回路構成について説明する。図5は、第一の実施形態に係る複合機の主要な回路を示す図である。なお、第一の実施形態に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
図5に示すように、CPU301が駆動回路410を介して、定着モータ404を所定の回転数で回転させると、当該定着モータ404と連結した定着ローラ402は定着ベルト401を回転する。例えば、画像形成を実行する場合、CPU301が定着可能な状態へ移行するために、定着モータ404(定着ローラ402)を定着可能な回転数(以下、コピー駆動時の回転数とする)で回転する。定着ローラ402が回転すると、定着ローラ402の回転軸に備えられたエンコーダ405がその回転に対応するパルス信号(コピー駆動時の回転数に対応するパルス信号)を出力する。当該エンコーダ405は、複合機100の制御回路の第一のウォッチドッグタイマ501と接続されており、その回転数に対応する周波数のパルス信号が、第一のウォッチドッグタイマ501に入力される。
ここで、第一のウォッチドッグタイマ501とは、所定の時間内にパルス信号の入力が停止されると、定着ヒータ311に接続されたスイッチング素子307のオフ信号に対応する出力信号を発生する回路のことであり、レジスタ、カウンタ、信号発生回路から構成される。
第一のウォッチドッグタイマ501では、所定の時間として、コピー駆動時の回転数に対応する周期(周波数)が設定されている。コピー駆動時に対応して定着ローラ402の回転から発生するパルス信号が第一のウォッチドッグタイマ501に入力されると、第一のウォッチドッグタイマ501がアクティブ状態となり、スイッチング素子308のオフ信号に対応する出力信号を発生しない。一方、パルス信号が所定の時間内に第一のウォッチドッグタイマ501に入力されなくなると、第一のウォッチドッグタイマ501が非アクティブ状態となり、第一のウォッチドッグタイマ501はオフ信号に対応する出力信号を発生する。発生された出力信号は、第一の論理和回路502(OR回路)に入力される。
第一の論理和回路502の入力端子には、第一のウォッチドッグタイマ501の出力端子と接続されているとともに、CPU301の出力端子とも接続されており、当該CPU301の出力端子からスイッチング素子308の制御信号(オン信号またはオフ信号)が第一の論理和回路502に入力される。そのため、第一の論理和回路502は、第一のウォッチドッグタイマ501からの出力信号と、CPU301からのスイッチング素子308の制御信号とを論理和する。さらに、第一の論理和回路502の出力端子は、スイッチング素子308の入力端子に接続されている。
当該構成により、第一のウォッチドッグタイマ501がアクティブ状態である場合、第一のウォッチドッグタイマ501は出力信号を発生しないため、第一の論理和回路502がCPU301からのスイッチング素子308の制御信号を論理和し、CPU301が第一の論理和回路502を介して制御信号をスイッチング素子308に入力する。この場合は、CPU301が適切に定着ヒータ311の加熱を制御する、すなわち、CPU301が定着ヒータ311に交流電源電圧を適切に印加する。
一方、第一のウォッチドッグタイマ501が非アクティブ状態となると、第一のウォッチドッグタイマ501は出力信号を発生するため、第一の論理和回路502が当該出力信号とCPU301からのスイッチング素子308の制御信号を論理和し、CPU301がオフ信号に対応する出力信号をスイッチング素子308に入力する。この場合は、スイッチング素子308はオフ状態となり、定着ヒータ311に対する交流電源電圧の印加が停止される。
なお、後述する各手段(図6に示す)は、図3で説明した回路に加えて、図5で説明した主要な回路により構成される。
次に図6乃至図7を参照しながら、定着ベルトの局所を加熱する局所加熱方式を採用した画像形成装置において、定着ベルト全周を適切に加熱する手順について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る複合機の機能ブロック図である。図6は、本発明の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。
例えば、複合機100が待機時での消費電力を抑えた状態であるスリープ状態である場合に、ユーザが、複合機100に備えられた操作部101を触れると、条件受付手段601が当該接触を検知し、複合機100のスリープ状態を解除して、当該スリープ状態から画像形成可能な状態へ移行する。
上記スリープ状態では、制御回路にのみ所定の直流電圧が印加されている状態であり、複合機100の定着装置121に備えられた定着ヒータ311には、交流電源電圧が印加されていない状態であるとする。言い換えると、上記スリープ状態では、加熱手段602が、定着ヒータ311に交流電源電圧を入力するスイッチング素子308(図示せず)をオフ状態に制御して、定着ヒータ206に交流電源電圧が印加されないように制御(維持)している。
一方、上記画像形成可能な状態とは、画像読取部309で読み取られた画像に対応するトナー像を即時にシートに定着することが可能な状態をいう。画像形成可能な状態であれば、定着ヒータ311に交流電源電圧が印加されて、定着ベルト401が定着可能な温度で加熱された状態であり、さらに、その定着ベルト401が巻き掛けられた定着ローラ402が所定の回転数(コピー動作時の回転数とする)で回転を維持している状態である。定着ヒータ311に対する交流電源電圧の印加と、定着ベルト401の回転の維持とにより、定着装置全体121の温度が定着可能な温度を維持することになる。
そこで、条件受付手段601は、画像形成手段602に、画像形成可能な状態へ移行する旨の命令Aを送信する。画像形成手段602が当該命令Aを受信すると、画像形成手段602が、駆動手段603に、定着ローラ402をコピー動作時の回転数で回転する旨の命令B(定着ローラの回転開始の命令)を送信する(図7:S101)。
さらに、画像形成手段602は、加熱手段604に、定着ヒータ311に交流電源電圧を印加させ、定着ベルト401の温度を定着可能な温度まで上昇させる旨の命令C(定着ベルトの昇温開始の命令)を送信する(図7:S102)。
上記加熱手段604には、後述する加熱許否手段605と接続されており、加熱許否手段605が加熱手段604を監視している。加熱許否手段605は、エンコーダ405から出力されるパルス信号に基づいた判定の結果により、加熱手段604による定着ベルト401の加熱の許否を実行するよう構成されており、画像形成手段602が加熱手段604に上記命令Cを送信した時点では、加熱手段604は定着ベルト401を加熱することはできない。
一方、上記命令Bを受信した駆動手段603は、コピー動作時の回転数で定着ローラ402の回転を開始する。定着ローラ402が回転を開始すると、定着ローラ402に巻き掛けられた定着ベルト401が回転を開始し、定着ローラ402の回転軸に備えられたエンコーダ405が、その回転数に対応する周波数のパルス信号(コピー動作時のパルス信号とする)を出力する(図7:S103)。定着ローラ402の回転軸の部材、寸法、エンコーダ405のスリット数等に応じて変動するものの、例えば、定着ローラ402のコピー動作時の回転数を2200rpmとし、定着ローラ402の回転軸に取り付けられたパルス板のスリット数を4箇所とすると、出力されるコピー動作時のパルス信号の周波数は143Hz、その周期は、7msecと設定される。
エンコーダ405は、加熱許否手段605と接続されており、エンコーダ405から出力されたパルス信号は、加熱許否手段605に入力される。加熱許可手段605にパルス信号が入力されると、加熱許可手段605が、入力されたパルス信号がコピー動作時のパルス信号か否かを判定する(図7:S104)。
判定方法は、以下の方法が挙げられる。例えば、加熱許否手段605が、図5で示した第一のウォッチドッグタイマ501と第一の論理和回路502とから構成される場合、第一のウォッチドッグタイマ501に関する所定の時間を、コピー動作時のパルス信号の周期(上述では、7msec)に設定する。上記命令Cを受信した加熱手段604が定着ヒータ311に交流電源電圧を印加しようとする場合に、加熱許否手段605がエンコーダ405からのパルス信号を所定の時間内に受信すると、加熱許否手段605は、入力されたパルス信号がコピー動作時のパルス信号であると判定する。なお、当該判定の場合、加熱許否手段605が、加熱手段604が定着ヒータ311を制御する制御信号のみを論理和し、定着ベルト401の加熱を許可する。定着ベルト401の加熱(開始)が許可されると、加熱手段604は定着ヒータ311に交流電源電圧を印加して、定着ベルト401を加熱する。一方、加熱許否手段605が所定の時間内にエンコーダ405からのパルス信号を受信しなくなる、すなわち、エンコーダ405からのパルス信号が所定の時間内に加熱許否手段605に入力されないと、加熱許否手段605は、入力されたパルス信号がコピー動作時のパルス信号でないと判定する。なお、当該判定の場合、加熱許否手段605が、加熱手段604が定着ヒータ311を制御する制御信号と第一のウォッチドッグタイマ501の出力信号とを論理和し、定着ベルト401の加熱を不許可とする。定着ベルト401の加熱(開始)が不許可とされると、加熱手段604は定着ベルト401を加熱することができない。
また、加熱許否手段605が上述した構成を取る必要は無く、例えば、加熱許否手段605が、エンコーダ405から入力されたパルス信号のHI信号から時間を計時して、当該パルス信号のHI信号から後続のパルス信号のHI信号までの時間を計測し、所定のメモリに記憶された、コピー動作時のパルス信号の周期と比較し、計測した時間とその周期とが一致しているか否かを判定するよう構成してもよい。なお、周期を周波数に変換しても構わない。
当該判定の結果、加熱許否手段605が、入力されたパルス信号がコピー動作時のパルス信号であると判定すると、加熱許否手段605が、定着ベルト401が所定の回転数で適切に回転していることを認識し、加熱手段604に、定着ベルト401の加熱を許可する(図7:S104YES→S105)。
定着ベルト401の加熱を許可する方法は、上述した第一の論理和回路502を採用する方法以外にも、例えば、加熱手段604が、定着ヒータ206に交流電源電圧を入力するスイッチング素子308へ送信する制御信号(オンオフ信号)を接続する方法、定着ヒータ311への交流電源電圧の印加を開始する方法等が該当する。
加熱手段604は、上記加熱許否手段605による加熱の許可を受けてから、定着ベルト401の加熱を開始する(図7:S106)。具体的には、加熱手段604が、定着ヒータ311に交流電源電圧を印加し、定着ベルト401を局所的に加熱する。
当該構成により、定着ベルト401が所定の回転数で適切に回転してから、定着ヒータ311による定着ベルト401の局所的加熱が開始されるため、定着ベルト401に与えられる熱量が偏在することなく、定着ベルト全周401を適切に加熱することが可能となる。
さらに、加熱手段604は、定着ベルト401の局所であり、定着ヒータ311の加熱対象位置に該当しない局所の温度を検知するサーミスタ306を介して、定着ベルト401の温度を検知する。これにより、加熱手段604は、定着ヒータ311により定着ベルト401を加熱しながら、サーミスタ306により定着ベルト401の温度を監視し、定着ベルト401および定着装置全体121を定着可能な温度まで加熱することになる。なお、定着装置全体121が定着可能な温度まで加熱される際も、上記加熱許否手段605は、エンコーダ405からのパルス信号を受信し、加熱手段604による加熱の許否を実行する、つまり、加熱許否手段605は加熱手段604を監視する(図7:S107NO→S104)。
定着装置全体121が定着可能な温度まで加熱されると、加熱手段604は、定着ベルトの昇温を完了した旨(定着装置全体の昇温を完了した旨)の命令Dを画像形成手段602に送信する(図7:S107YES→S108)。画像形成手段602は、当該命令Dに基づいて定着ベルト401の昇温完了を確認する。さらに、画像形成手段602は、他の状態(条件)、例えば、感光体ドラム110が画像形成可能な回転速度に到達した状態等を確認して、画像形成可能な状態への移行を完了する。この後、例えば、画像形成手段602が、条件受付手段601を介してユーザからコピーする旨の命令を受信すると、画像形成を実行することになる。
一方、駆動手段603が、定着ローラ402の回転を開始したにも関わらず、定着ローラ402が適切に回転しない場合、エンコーダ405が定着ローラ402の回転軸を介してコピー動作時のパルス信号を出力しないこととなる。定着ローラ402が適切に回転しない場合は、例えば、長期使用による定着ローラ402、定着ベルト401の磨耗、損傷の発生、定着ベルト401の熱変形による張力の変動、定着ローラ402、定着ベルト自体401の破損等が原因として挙げられる。また、これらの場合に、エンコーダ405がパルス信号を発生しない場合を加えても構わない。これらの場合では、エンコーダ405から、コピー動作時のパルス信号の周波数と異なる周波数のパルス信号(不適合パルス信号とする)が出力される(図7:S103)。
加熱許否手段605が、入力された不適合パルス信号がコピー動作時のパルス信号か否かを判定した結果、パルス信号がコピー動作時パルス信号でないと判定すると、定着ベルト401が所定の回転数で適切に回転していないことを認識し、加熱手段604に、定着ベルト401の加熱を不許可とする(図7:S104NO→S109)。この場合、加熱手段604は、画像形成手段602から命令Cを受信しても、加熱許否手段605により、定着ヒータ311に交流電源電圧を印加することが出来ず、定着ベルト401の加熱を開始することが出来なくなる。
定着ベルト401の加熱を不許可する方法は、上述した第一の論理和回路502を採用する方法以外にも、例えば、加熱手段604が、定着ヒータ311に交流電源電圧を入力するスイッチング素子308へ送信する制御信号(オンオフ信号)を遮断する方法、定着ヒータへの交流電源電圧の印加を遮断する方法等が該当する。
当該構成により、定着ベルト401が所定の回転数で適切に回転していないにも関わらず、定着ヒータ311による定着ベルト401の局所的加熱が開始されることはない。なお、定着装置全体121が定着可能な温度まで加熱される際も、上記加熱許否手段605は、加熱手段604を監視しているため(図7:S107NO→S104)、例えば、加熱手段604が、定着ベルト401を加熱している間に、何らかの原因(ユーザが誤って複合機100と物理的に衝突した等)により、定着ベルト401が所定の回転数で適切に回転しなくなった場合でも、エンコーダ405から発生されるパルス信号は、不適合パルス信号となるため、加熱許否手段605が、エンコーダ405を介して、定着ベルト401が所定の回転数で適切に回転していないことを認識し、加熱手段605に、定着ベルト401の加熱を不許可する。
加熱許否手段605が、加熱手段604に対して定着ベルト401の加熱を不許可とすると、加熱許否手段605を監視していた不許可画面表示手段606は、条件受付手段601を介して、操作部101のタッチパネル201(表示部)に、定着ベルト401の加熱が不許可である旨を示す加熱不許可画面を表示させる(図6:S110)。なお、上記不許可画面表示手段606が加熱不許可画面を表示する場合は、画像形成手段602が命令Cを加熱手段604に送信したにも関わらず、加熱許否手段605が、定着ベルト401の加熱を不許可とする場合である。
上記加熱不許可画面には、図2に示すように、例えば、定着ベルト401を適切に回転することができない旨のエラーメッセージ2001「定着ベルトが適切に回転されません。」と、定着ヒータ311の加熱を停止する旨のメッセージ2002「定着ヒータの加熱を停止しました。」と、ユーザに管理者またはサービスマンへの連絡を促す旨のメッセージ2003「管理者またはサービスマンに連絡してください。」と、管理者またはサービスマンの連絡先2004とが表示される。なお、条件受付手段601が上記加熱不許可画面を表示すると、ユーザが操作部101を介して所定の設定条件を入力したとしても、その入力を一切受け付けることなく、当該加熱不許可画面を表示するよう構成される。
当該構成により、ユーザに、定着装置121が緊急事態であり、定着ベルト401に異常が発生している旨を知らせ、管理者またはサービスマンへの連絡を促すことが可能となる。さらに、定着ベルト401が適切に回転しない状態で、ユーザが操作部101を介して定着ヒータ311を加熱させることがないため、定着ベルト401の局所的加熱による発火、発煙を防止することが可能となる。
このように、上記定着ローラの回転軸に連結され、当該回転軸の回転数に対応する周波数のパルス信号を出力するエンコーダと、所定の回転数に対応する周波数のパルス信号が入力されると定着ベルトの加熱を許可し、当該パルス信号の入力が停止されると定着ベルトの加熱を不許可とする加熱許否手段とを備えるよう構成している。
これにより、定着ローラの回転数が所定の回転数を満たす場合、すなわち、定着ベルトが所定の回転数で回転する場合に、定着ベルトの加熱が許可されることとなる。そのため、定着ベルトが所定の回転数で回転していない場合には、定着ベルトが加熱されることはなく、定着ベルトの局所が著しく加熱される事態を確実に排除することが可能となる。その結果、局所の著しい加熱によって発生する定着ベルトの耐久寿命の低下、定着ベルトの熱変形、定着ベルトからの発火や発煙等を適切に防止することが可能となる。
さらに、上記加熱許否手段が、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を不許可とすると、複合機に備えられた表示部に、定着ベルトの加熱が不許可である旨を示す加熱不許可画面を表示させる不許可画面表示手段を備えるよう構成することができる。
これにより、定着ベルトの加熱が不許可とされた場合は、定着ヒータの加熱が不許可である旨を示す加熱不許可画面を表示して、その旨をユーザに知らせることが可能となる。そのため、ユーザに定着ベルトの回転が円滑でない原因を早期に発見させ、迅速に定着ベルト近傍の部材をユーザに修復させることが可能となり、結果として、メンテナンス管理の強化を図ることが可能となる。
<第二の実施形態>
次に図8乃至10を参照しながら、定着ベルトの局所を加熱する局所加熱方式を採用した第二の実施形態の画像形成装置において、定着ベルト全周を適切に加熱する手順について説明する。第一の実施形態と比較して、第二の実施形態の異なる点は、さらに、エンコーダから出力されるパルス信号が入力されると、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲に含まれるか否かを判定するパルス信号判定手段を備える点である。そして、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲に含まれる場合、上記パルス信号判定手段が、上記加熱許否手段に定着ベルトの加熱を許可させ、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲外である場合、上記加熱許否手段に定着ベルトの加熱を不許可とさせる点である。その他の点については、第一の実施形態と同様であるため、第一の実施形態の説明において用いた図面(図1乃至図7)も適宜参照しながら、第二の実施形態について説明する。
図8を参照しながら、第二の実施形態に係る複合機の主要な回路構成について説明する。図8は、第二の実施形態に係る複合機の主要な回路を示す図である。なお、第二の実施形態に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
図8に示すように、第一の実施形態に係る複合機の主要な回路には、第二のウォッチドッグタイマ801と、第二の論理和回路802とが新たに備えられている。
制御回路の第二のウォッチドッグタイマ801は、エンコーダ405と接続されており、定着ローラ402の回転数に対応する周波数のパルス信号が、第一のウォッチドッグタイマ501とともに第二のウォッチドッグタイマ801に入力されるよう構成される。第一のウォッチドッグタイマ501については、第一の実施形態と同様の作用効果を有するため、説明は割愛する。
ここで、第二のウォッチドッグタイマ801とは、所定の時間内にパルス信号の入力が停止されると、CPU301に対して異常信号に対応する出力信号を発生する回路のことであり、レジスタ、カウンタ、信号発生回路から構成される。異常信号とは、異常が発生したことを示す信号のことである。
第二のウォッチドッグタイマ801では、所定の時間として、コピー動作時のパルス信号の周期に基づいて決定される時間が設定されている。例えば、所定の時間は、コピー動作時のパルス信号の周期の2倍の時間が設定される。この設定では、第一のウォッチドッグタイマ501の所定の時間と比較して、第二のウォッチドッグタイマ801の所定の時間は、長く設定されることになる。当該設定とすると、第二のウォッチドッグタイマ801に入力されるパルス信号の周波数が、コピー動作時のパルス信号の周波数よりも低い場合、言い換えると、コピー動作時のパルス信号の周波数の1/2の周波数からコピー動作時のパルス信号の周波数までの所定の範囲に含まれる場合であっても、第二のウォッチドッグタイマ801はアクティブ状態となる。つまり、コピー動作時のパルス信号に限られず、所定の回転数に対応する周波数に基づいて決定された所定の範囲に含まれるパルス信号であっても、第二のウォッチドッグタイマ801はアクティブ状態となる。なお、当該設定は、定着ベルト401の加熱を継続しても定着ベルト401への熱量が偏在されない程度のパルス信号の周波数、定着ベルト401の加熱を継続しても定着ローラ402の回転が許容される程度のパルス信号の周波数等に基づいて設定される。
当該所定の時間内にパルス信号が第二のウォッチドッグタイマ801に入力されると、第二のウォッチドッグタイマ801がアクティブ状態となり、異常信号に対応する出力信号を発生しない。一方、パルス信号が所定の時間内にウォッチドッグタイマに入力されなくなると、第二のウォッチドッグタイマ801が非アクティブ状態となり、第二のウォッチドッグタイマ801は異常信号に対応する出力信号を発生する。発生された出力信号は、第二の論理和回路802(OR回路)に入力される。
第二の論理和回路802の入力端子には、第二のウォッチドッグタイマ801の出力端子と接続されているとともに、CPU301の出力端子とも接続されており、当該CPU301の出力端子から、定着ベルト401の回転は正常である旨を示す信号(以下、正常信号とする)が第二の論理和回路802に入力される。正常信号は、例えば、定着ベルト401の加熱を継続しても定着ベルト401の熱量が偏在されない回転数、定着ローラ402の回転の状態、定着モータ404の回転速度の設定等に基づいて設定される。第二の論理和回路802は、第二のウォッチドッグタイマ801からの出力信号と、CPU301からの正常信号とを論理和する。さらに、第二の論理和回路802の出力端子は、CPU301の入力端子に接続されている。
当該構成により、第二のウォッチドッグタイマ801がアクティブ状態である場合、第二のウォッチドッグタイマ801は出力信号(異常信号に該当する)を発生しないため、第二の論理和回路802がCPU301からの正常信号を論理和し、CPU301が第二の論理和回路802を介して正常信号を受信する。当該正常信号を受信したCPU301は、入力されたパルス信号の周波数が、コピー動作時のパルス信号の周波数に基づいて決定される所定の範囲に含まれること、言い換えると、定着ローラ402は適切に回転していることを認識する。
一方、第二のウォッチドッグタイマ801が非アクティブ状態となると、第二のウォッチドッグタイマ801は出力信号を発生するため、第二の論理和回路802が、その出力信号とCPU301からの正常信号とを論理和し、CPU301が当該出力信号を受信する。当該出力信号を受信したCPU301は、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲外であることを認識し、定着ローラ402は適切に回転していないこと、すなわち、定着ベルト401の回転に異常が発生していることを認識する。異常が発生していることを認識したCPU301は、第一の論理和回路501を介してスイッチング素子308に入力する制御信号をオフ信号とし、スイッチング素子308はオフ状態となり、定着ヒータ311に対する交流電源電圧の印加が停止される。
後述する各手段(図9に示す)は、図3、図5で説明した回路に加えて、図8で説明した主要な回路により構成される。
次に図9乃至図10を参照しながら、定着ベルトの局所を加熱する局所加熱方式を採用した画像形成装置において、定着ベルト全周を適切に加熱する手順について説明する。図9は、第二の実施形態に係る複合機の機能ブロック図である。図10は、第二の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。
例えば、複合機100がスリープ状態である場合に、ユーザが、複合機100に備えられた操作部101を触れると、条件受付手段601が当該接触を検知し、複合機100のスリープ状態を解除して、当該スリープ状態から画像形成可能な状態へ移行する。
条件受付手段601は、画像形成手段602に、画像形成可能な状態へ移行する旨の命令Aを送信する。画像形成手段602が当該命令Aを受信すると、画像形成手段602が、駆動手段603に、定着ローラ402をコピー動作時の回転数で回転する旨の命令Bを送信する(図10:S201)。
さらに、画像形成手段602は、加熱手段604に、定着ヒータ311に交流電源電圧を印加させ、定着ベルト401の温度を定着可能な温度まで上昇させる旨の命令Cを送信する(図10:S202)。
上記加熱手段604には、第一の実施形態で示した加熱許否手段605と接続されており、加熱許否手段605が加熱手段604を監視している。加熱許否手段605は、後述するパルス信号判定手段901の判定の結果により、加熱手段604による定着ベルト401の加熱の許否を実行するよう構成されており、画像形成手段602が加熱手段604に上記命令Cを送信した時点では、加熱手段604は定着ベルト401を加熱することはできない。
一方、上記命令Bを受信した駆動手段603は、コピー動作時の回転数で定着ローラ402の回転を開始する。定着ローラ402が回転を開始すると、定着ローラ402に巻き掛けられた定着ベルト401が回転を開始し、定着ローラ402の回転軸に備えられたエンコーダ405が、その回転数に対応する周波数のパルス信号(コピー動作時のパルス信号)を出力する(図10:S203)。
エンコーダ405は、パルス信号判定手段901と接続されており、エンコーダ405から出力されたパルス信号は、パルス信号判定手段901に入力される。パルス信号判定手段901にパルス信号が入力されると、パルス信号判定手段901が、入力されたパルス信号の周波数が、コピー動作時の回転数に対応する周波数に基づいて決定された所定の範囲に含まれるか否かを判定する(図10:S204)。
判定方法は、以下の方法が挙げられる。例えば、パルス信号判定手段901が、図8で示した第二のウォッチドッグタイマ801と第二の論理和回路802とから構成される場合、第二のウォッチドッグタイマ801に関する所定の時間を、コピー動作時のパルス信号の周期の2倍の周期(例えば、14msec)に設定する。上記命令Cを受信した加熱手段604が定着ヒータ311に交流電源電圧を印加しようとする場合に、パルス信号判定手段901がエンコーダ405からのパルス信号を所定の時間内に受信すると、パルス信号判定手段901は、入力されたパルス信号の周波数がコピー動作時の回転数に対応する周波数に基づいて決定された所定の範囲に含まれると判定する。なお、当該判定の場合、パルス信号判定手段901が、画像形成手段602から入力される正常信号のみを論理和し、加熱許否手段604に、定着ベルト401の加熱を許可させる。一方、パルス信号判定手段901が所定の時間内にエンコーダ405からのパルス信号を受信しなくなる、すなわち、エンコーダ405からのパルス信号が所定の時間内にパルス信号判定手段901に入力されないと、パルス信号判定手段901は、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲外であると判定する。なお、当該判定の場合、パルス信号判定手段901が、画像形成手段602から入力される正常信号と第二のウォッチドッグタイマ801の出力信号とを論理和し、加熱許否手段605に、定着ベルト401の加熱を不許可とさせる。
また、パルス信号判定手段901が上述した構成を取る必要は無く、例えば、パルス信号判定手段901が、エンコーダ405から入力されたパルス信号のHI信号から時間を計時して、当該パルス信号のHI信号から後続のパルス信号のHI信号までの時間を計測し、所定のメモリに記憶された、コピー動作時のパルス信号の周期の2倍の周期と比較し、計測した時間とその周期とが一致しているか否かを判定するよう構成しても構わない。なお、周期を周波数に変換しても構わない。
当該判定の結果、パルス信号判定手段901が、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲に含まれると判定すると、パルス信号判定手段901が、定着ベルトが適切に回転していることを認識し、加熱許否手段605に、定着ベルトの加熱を許可させる(図10:S204YES→S205)。
加熱許否手段605が、加熱手段604に定着ベルトの加熱を許可すると、加熱手段604は、上記加熱許否手段605による加熱の許可を受けてから、定着ベルト401の加熱を開始する(図10:S206)。
さらに、加熱手段604は、定着ヒータ311により定着ベルト401を加熱しながら、サーミスタ306により定着ベルト401の温度を監視し、定着ベルト401および定着装置全体121を定着可能な温度まで加熱する。定着装置全体121が定着可能な温度まで加熱される際も、上記パルス信号判定手段901は、エンコーダ405からのパルス信号を受信し、判定処理を繰り返す。つまり、パルス信号判定手段901は加熱許否手段605、加熱手段604、エンコーダ405を監視する(図10:S207NO→S204)。
定着装置全体121が定着可能な温度まで加熱されると、加熱手段604は、定着ベルト401の昇温を完了した旨の命令Dを画像形成手段602に送信する(図10:S207YES→S208)。この後、画像形成手段602は、画像形成可能な状態への移行を完了することになる。
一方、駆動手段603が、定着ローラ402の回転を開始したにも関わらず、定着ローラ402が適切に回転せず、エンコーダ405が所定の範囲外のパルス信号を出力する場合、パルス信号判定手段901が、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲外であると判定する。当該判定の後に、パルス信号判定手段901が、定着ベルト401が適切に回転していないことを認識し、加熱許否手段605に、定着ベルト401の加熱を不許可とさせる(図10:S204NO→S209)。
この場合、加熱許否手段605が、上記加熱手段604による定着ベルト401の加熱を不許可とするため、加熱手段604は、画像形成手段から命令Cを受信しても、定着ヒータ206に交流電源電圧を印加することが出来ず、定着ベルト401の加熱を開始することが出来なくなる。
加熱許否手段605が、加熱手段604に対して定着ベルト401の加熱を不許可とすると、加熱許否手段605を監視していた不許可画面表示手段606は、条件受付手段601を介して、操作部101のタッチパネル201(表示部)に、第一の実施形態で示したように加熱不許可画面を表示させる(図10:S210)。
なお、上述で説明しなかったが、加熱許否手段605の判定手順については、第一の実施形態と同様であるため、説明は割愛する。
このように、エンコーダから出力されるパルス信号が入力されると、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲に含まれるか否かを判定するパルス信号判定手段を備え、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲に含まれる場合、上記パルス信号判定手段が、上記加熱許否手段に定着ベルトの加熱を許可させ、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲外である場合、上記加熱許否手段に定着ベルトの加熱を不許可とさせるよう構成することができる。
これにより、所定の範囲を満たすパルス信号であれば、定着ベルトの加熱が許可されることとなる。そのため、定着ベルトの加熱許可の条件に幅を持たせて、複合機を柔軟に対応させることが可能となる。また、所定の範囲を満たさないパルス信号が出力される場合、例えば、長期使用によって、定着ベルトを回転するローラの磨耗が著しい場合は、定着ベルトの回転が円滑でないと判定され、定着ベルトが加熱されることはない。そのため、定着ベルトは回転するものの、その定着ベルトの局所が著しく加熱されるという事態を確実に排除することが可能となり、局所の著しい加熱によって発生する定着ベルトの耐久寿命の低下等を適切に防止することが可能となる。また、ユーザ等が、所定の範囲を定着装置のスペックに応じて適宜変更することにより、定着ベルトの局所を加熱する局所加熱方式を採用した複合機を機動的に対応させることも可能となる。
なお、第一の実施形態乃至第二の実施形態では、条件受付手段が画像形成可能な状態へ移行する場合について説明したが、他の場合であっても適用可能である。例えば、画像形成装置の定着装置では、画像形成可能な状態(定着可能な状態)以外であっても、定着ローラを回転させながら、定着ベルトを加熱する場合がある。具体的には、画像形成可能な状態の前段階であるプレヒート状態では、定着モータ、定着ローラ、定着ヒータの寿命や騒音等を考慮し、定着ローラを低速回転又は間欠回転させながら、定着ベルトを加熱する。当該状態であっても、第一の実施形態乃至第二の実施形態を採用すれば、定着ベルト全周を適切に加熱することが可能となる。
プレヒート状態において、第一の実施形態乃至第二の実施形態を採用する場合、条件受付手段は、画像形成手段に、プレヒート状態へ移行する旨の命令Eを送信すると、画像形成手段が、駆動手段に、定着ローラをプレヒート時の回転数で回転する旨の命令Fを送信するとともに、加熱手段に、定着ヒータに交流電源電圧を印加させ、定着ベルトの温度をプレヒートの温度(常温よりも高く、定着可能な温度よりも低い温度)まで上昇させる旨の命令Gを送信することになる。
なお、プレヒート状態では、定着ローラのプレヒート時の回転数を800rpmとし、定着ローラの回転軸に取り付けられたパルス板のスリット数を4箇所とすると、出力されるプレヒート時のパルス信号の周波数は53Hz、その周期は、19msecと設定される。第一のウォッチドッグタイマの所定の時間と、第二のウォッチドッグタイマの所定の時間は、当該プレヒート時のパルス信号の周波数に基づいて決定されることは言うまでもない。
また、本発明の実施形態を構成する各手段の全部または一部を、所定の回路素子(例えば、ウォッチドッグタイマ、周知の論理和回路、ダイオード、オペアンプ、抵抗、トランジスタ、スイッチング素子等)とハードウェア資源(例えば、制御素子、演算素子であるCPU等)を組み合わせて、回路として実現しても構わない。
例えば、無端状の定着ベルトが掛けられたローラを回転する駆動手段と、定着ヒータにより定着ベルトを局所的に加熱する加熱手段とを備えた画像形成装置において、上記ローラの回転軸に連結され、当該回転軸の回転数に対応する周波数のパルス信号を出力するエンコーダと、所定の回転数に対応する周波数のパルス信号が入力されると、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を許可し、当該パルス信号の入力が停止されると、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を不許可とする加熱許否回路とを備えるよう構成しても構わない。当該構成としても、本発明の作用効果を奏する。
また、本発明の実施形態では、複合機が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段の全部または一部を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。上記構成では、上記プログラムを複合機に読み出させ、その複合機が上記各手段を実現する。その場合、上記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる記憶方法として提供することも可能である。
また、第一の実施形態乃至第二の実施形態では、コピー機能との処理に関して採用したが、例えば、ファクシミリ送受信機能、プリント機能、後処理機能等の処理にでも採用できる。
以上のように、本発明にかかる画像形成装置は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、定着ベルトの局所を加熱する局所加熱方式を採用した画像形成装置において、定着ベルト全周を適切に加熱することが可能な画像形成装置として有効である。
本発明の実施形態に係る複合機内部の全体構成を示す概念図である。 複合機に備えられた操作部の外観の一例を示す図である。 複合機における制御系ハードウェアの概略構成図である。 第一の実施形態に係る複合機の定着装置の主な構成を示す図である。 第一の実施形態に係る複合機の主要な回路を示す図である。 第一の実施形態に係る複合機の機能ブロック図である。 第一の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。 第二の実施形態に係る複合機の主要な回路を示す図である。 第二の実施形態に係る複合機の機能ブロック図である。 第二の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。
符号の説明
100 複合機
306 サーミスタ
308 スイッチング素子
311 定着ヒータ
401 定着ベルト
402 定着ローラ
404 定着モータ
405 エンコーダ
501 第一のウォッチドッグタイマ
502 第一の論理和回路
601 条件受付手段
602 画像形成手段
603 駆動手段
604 加熱手段
605 加熱許否手段
606 不許可画面表示手段
801 第二のウォッチドッグタイマ
802 第二の論理和回路
901 周波数判定手段

Claims (3)

  1. 無端状の定着ベルトが掛けられたローラを回転する駆動手段と、定着ヒータにより定着ベルトを局所的に加熱する加熱手段とを備えた画像形成装置において、
    上記ローラの回転軸に連結され、当該回転軸の回転数に対応する周波数のパルス信号を出力するエンコーダと、
    所定の回転数に対応する周波数のパルス信号が入力されると、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を許可し、当該パルス信号の入力が停止されると、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を不許可とする加熱許否手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. さらに、エンコーダから出力されるパルス信号が入力されると、入力されたパルス信号の周波数が、所定の回転数に対応する周波数に基づいて決定された所定の範囲に含まれるか否かを判定するパルス信号判定手段を備え、
    上記パルス信号判定手段が判定した結果、入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲に含まれる場合、当該パルス信号判定手段が、上記加熱許否手段に、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を許可させ、
    入力されたパルス信号の周波数が所定の範囲外である場合、当該パルス信号判定手段が、上記加熱許否手段に、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を不許可とさせることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. さらに、上記加熱許否手段が、上記加熱手段による定着ベルトの加熱を不許可とすると、画像形成装置に備えられた表示部に、定着ベルトの加熱が不許可である旨を示す加熱不許可画面を表示させる不許可画面表示手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017167333A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 株式会社リコー 定着装置、画像形成装置

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