JP2010127246A - 排気ダクト - Google Patents

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Abstract

【課題】(1)ガスタービンの始動時及び停止時に発生する熱応力の発生を抑制すると共に低サイクル疲労を抑制する。
(2)長期的な使用が可能で、メンテナンスの労力を低減する。
【解決手段】ガスタービンに直結される排気ダクト1であって、筒状体を構成するダクトプレート2と、該ダクトプレート2の外周部から径方向外方に突出すると共に周方向に環状に設けられた補強リブ3と、ダクトプレート2の内周部に設けられ、ダクトプレート2の内周面2cのうち前記径方向において補強リブ3と重なる部分を、内周面2cと間隔を置いて覆ってダクトプレート2との間に断熱層を形成する遮熱板10とを備えていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本願発明は、ガスタービンに直結される排気ダクトに関するものである。
近年、ガスタービンの高効率化を図るために、ガスタービン燃焼室における流体の温度を高温化させる傾向にあり、これに伴って排気ガスの高温化が進んでいる。ガスタービン出口に接続される排気ダクトにおいては、上記排気ガスの高温化に対応するために、耐高温性に優れる材料が使用される一方、構造面においても熱応力を考慮した構造が必要とされている。
下記特許文献1には、次のようなエキスパンションジョイントで接続された前部ダクトブロックと後部ダクトブロックとからなる排気ダクトが開示されている。すなわち、このエキスパンションジョイントは、上記二つのダクトブロックとの各接続部に両ダクト端部外周にそれぞれ対向する面を有する二つのフレームと、これら二つのフレーム間に設けられた伸縮自在な部材と、フレームと該フレームが取付けられるダクト外周囲との間をそれぞれ連結する支持部材と、上記二つのダクトブロックの外部にそれぞれ一端が固定され、他端が各フレームの先端部周囲が伸縮自在な部材を引っ張る方向へ傾斜するのを防止するストッパとを備えたものであり、エキスパンションジョイントの熱応力による影響を緩和している。
特開平11−350976号公報
ところで、このような排気ダクトの一種として、筒状体を構成するダクトプレートの自重による曲げ応力を緩和するために、ダクトプレートの外周部から径方向外方に突出し、周方向に環状に設けられた補強リブを備えたものがある。
この種の排気ダクトでは、ガスタービンの稼働中に発生する熱応力の低減を図るために、ダクトプレートと補強リブとに同じ材料が用いられて熱膨張係数が等しくされると共に、ダクトプレートと補強リブとを囲繞する保温材が設けられて、ダクトプレート及び補強リブの熱放出量が略同一にされている。すなわち、ダクトプレートと補強リブとを略同一の温度とすることにより、両者の熱変形(熱膨張及び熱収縮)量の差分を小さくして、熱応力の低減を図るものである。
しかしながら、上記の構成では、ガスタービンの起動時及び停止時において、排気ガス等に直接晒されて熱の授受が行われるダクトプレートと、ダクトプレートと保温材とに挟まれて主にダクトプレートと熱の授受が行われる補強リブとで、温度差が生じる。このため、ダクトプレートと補強リブとに大きな熱応力が発生し、この繰り返しにより低サイクル疲労が発生してしまうという問題があった。これに起因して、排気ダクトの使用寿命が短期なものとなり、定期的なメンテナンスや交換作業が必要になるという問題があった。
本願発明は、このような事情を考慮してなされたもので、以下のことを目的とする。
(1)ガスタービンの始動時及び停止時に発生する熱応力の発生を抑制すると共に低サイクル疲労を抑制する。
(2)長期的な使用が可能で、メンテナンスの労力を低減する。
上記目的を達成するために、本願発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本願発明に係る排気ダクトは、ガスタービンに直結される排気ダクトであって、筒状体を構成するダクトプレートと、該ダクトプレートの外周部から径方向外方に突出すると共に周方向に環状に設けられた補強リブと、前記ダクトプレートの内周部に設けられ、前記ダクトプレートの内周面のうち前記径方向において前記補強リブと重なる部分を、前記内周面と間隔を置いて覆って前記ダクトプレートとの間に断熱層を形成する遮熱板とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、ダクトプレートの内周面のうち、径方向において補強リブと重なる部分を、内周面と間隔を置いて覆ってダクトプレートとの間に断熱層を形成する遮熱板を備えるので、この補強リブと重なる部分の内周面が排気ダクトの流路に直接晒されず、断熱層を介して排気ガス等と熱の授受を行うこととなる。これにより、ガスタービンの起動時や停止時において、補強リブと重なる部分の内周面の温度変化が、排気ダクトの流路に直接晒された場合と比較して緩やかなものとなり、急激な温度変化が生じない。
一方、補強リブは、主にダクトプレートと熱の授受が行われ、ダクトプレートの温度変化に従って緩やかに温度が変化する。
すなわち、ガスタービンの起動時及び停止時において、ダクトプレートと補強リブとの温度変化の速度の差分が小さいものとなり、ダクトプレートと補強リブとで大きな温度差が生じない。
従って、ダクトプレートと補強リブとに熱応力が発生することを抑制することができると共に、低サイクル疲労が発生することを抑制することができる。
よって、長期的な使用が可能で、メンテナンスの労力を低減することが可能となる。
また、前記遮熱板は、複数の遮熱板片が熱変形可能に周方向に連設してなることを特徴とする。
この構成によれば、前記遮熱板は、複数の遮熱板片が熱変形可能に周方向に連設してなるので、遮熱板片が熱変形しても周方向に拘束を受けず、自らの熱変形によって熱応力が生じない。
また、既存の排気ダクトの内径の大きさに関わらず、容易に遮熱板を取り付けることが可能となる。
また、前記遮熱板は、互いに隣接する二つの遮熱板片が間隙を置いて連設され、これら隣接する二つの遮熱板片のうちの一方に設けられ、これら隣接する二つの遮熱板片の双方に重なって前記間隙を被覆する被覆板片を備えることを特徴とする。
この構成によれば、互いに隣接する二つの遮熱板片が間隙を置いて連設され、この間隙を被覆する被覆板片を備えるので、隣接する遮熱板片の相互干渉を避けて遮熱板片を熱変形させることができる。これにより、隣接する二つの遮熱板片間が相互に拘束を受けず、熱応力が生じない。
また、前記遮熱板片を前記径方向に係止すると共に、前記周方向にスライド可能なスライド係止体を備えることを特徴とする。
この構成によれば、スライド係止体を備えるので、簡易な構成で遮熱板を径方向に係止すると共に周方向に熱変形させることが可能となる。
また、前記ダクトプレートの内周面から前記径方向内方に向けて突出する突出壁を備え、前記遮熱板は、前記突出壁の下流側に隣接して設けられることを特徴とする。
この構成によれば、ダクトプレートの内周面に突出壁を備え、遮熱板が突出壁の下流側に隣接して設けられるので、排気ガスが断熱層に流れ込むことを抑制する。
また、前記遮熱板は、上流側の端部に前記ダクトプレート側に延出する延出部が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、上流側端部に前記ダクトプレート側に延出する延出部が形成されているので、排気ガスが断熱層に流れ込むことを抑制する。
すなわち、断熱効果が高められ、ダクトプレートと補強リブとの温度差をさらに縮小することができる。
また、前記断熱層には繊維材料からなる断熱材が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、断熱層には繊維材料からなる断熱材が設けられているので、断熱効果が高められ、ダクトプレートと補強リブとの温度差をさらに縮小することができる。
本願発明に係る排気ダクトによれば、ダクトプレートの内周面のうち、径方向において補強リブと重なる部分を、内周面と間隔を置いて覆ってダクトプレートとの間に断熱層を形成する遮熱板を備えるので、この補強リブと重なる部分の内周面が排気ダクトの流路に直接晒されず、断熱層を介して排気ガス等と熱の授受を行うこととなる。これにより、ガスタービンの起動時や停止時において、補強リブと重なる部分の内周面の温度変化が、排気ダクトの流路に直接晒された場合と比較して緩やかなものとなり、急激な温度変化が生じない。
一方、補強リブは、主にダクトプレートと熱の授受が行われ、ダクトプレートの温度変化に従って緩やかに温度が変化する。
すなわち、ガスタービンの起動時及び停止時において、ダクトプレートと補強リブとの温度変化の速度の差分が小さいものとなり、ダクトプレートと補強リブとで大きな温度差が生じない。
従って、ダクトプレートと補強リブとに熱応力が発生することを抑制することができると共に、低サイクル疲労が発生することを抑制することができる。
よって、長期的な使用が可能で、メンテナンスの労力を低減することが可能となる。
以下、図面を参照し、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るガスタービンシステムSの下流側の一部を示した概略構成図である。図1に示すように、このガスタービンシステムSは、ガスタービンTの最下流側に位置する後部排気室Rに直結される排気ダクト1と、この排気ダクト1に第一エキスパンションE1を介して接続されたスクウェアダクトDと、このスクウェアダクトDに第二エキスパンションE2を介して接続された排ガスボイラ接続口Bを備えている。
図2は、本実施形態に係る排気ダクト1を側面から見た一部断面図であり、図3は、図2におけるI−I線断面図であり、図4は、図2における要部IIの拡大図である。なお、図3においては、理解容易のために補強リブ3を表記している。
排気ダクト1は、図2及び図3に示すように、ダクトプレート2と、補強リブ3と、図4に示すように、保温材5と(図2及び図3において不図示)、遮熱板10と、複数のスライド係止体20と、断熱材30と、ダクトプレート2と接合された突出壁40とを備えている。
ダクトプレート2は、図2及び図3に示すように、円筒状体に形成されたものであり、ガスタービンTの後部排気室Rに直結されたものである。
このダクトプレート2は、後部排気室Rと同一の材料が用いられており、具体的には、マルテンサイト系ステンレス鋼(SUS410)が用いられている。すなわち、補強リブ3とダクトプレート2の熱膨張率が等しくされて、後部排気室Rの接合部r1と、ダクトプレート2の接合部2aとの間で径方向の熱変形量が略等しくなるようにされている。
補強リブ3は、ダクトプレート2の自重による曲げ応力を緩和するために設けられたものである。
この補強リブ3は、図1から図3に示すように、ダクトプレート2の外周面2bから径方向外方に突出しており、径方向の断面形状が略矩形とされたものである。このような補強リブは、図3に示すように、外周面2bに沿ってダクトプレート2の周方向に環状に設けられている。
この補強リブ3は、ダクトプレート2と同一のステンレス鋼(SUS410)が用いられている。すなわち、補強リブ3とダクトプレート2との熱膨張率が等しくされている。
保温材5は、図4に示すように、ダクトプレート2と補強リブ3とを外方から周方向に囲繞して、これらダクトプレート2と補強リブ3とを外面保温している。この保温材5は、ガスタービンTの稼動中におけるダクトプレート2及び補強リブ3の熱放出量を略等しくして、両者の温度を略同一にするために設けられている。
遮熱板10は、ダクトプレート2との間に断熱層を形成するものであり、遮熱板片11と、被覆板片12とを備えている。
遮熱板片11は、図5に示すように、厚さ方向に湾曲した板状の部材であり、長手方向に直交する厚さ断面が円弧状となっている(図5(b)参照)。
この遮熱板片11は、凹面11aと凸面11bとを法線方向に貫通する複数の貫通孔を有している。この貫通孔は、遮熱板片11の長手方向両側に6つずつ(2行3列)形成されている。この複数の貫通孔は、八つの大径孔11cと、一つの基準孔11dとからなり、1行目2列目(長手方向における一端11e,他端11fのうち、一端11eの端縁に沿って形成された三つの貫通孔のうち二番目の貫通孔)に基準孔11dが形成されている。
なお、大径孔11cは、孔径がd1となっており、基準孔11dは、孔径d2となっている。
また、遮熱板片11は、一端11e,他端11fの端縁に沿って凹面11aから法線方向に延出する一端延出部(延出部)11gと他端延出部11hとを有している。
この遮熱板片11は、図4に示すように、凸面11bをダクトプレート2の内周面2cに沿わして内周面2cと間隔を置いた状態で、ダクトプレート2の周方向に複数連設されて、全体的に環状に並べられている(図3参照)。この状態においては、一端11eがガスタービンT側に位置しており、互いに隣接する二つの遮熱板片11が間隙C(図6)を介して隣接している。
図6は、遮熱板10の要部拡大図であって、図2における要部IIIの拡大図であり、図7は、図6におけるIV−IV線断面図である。
なお、図7においては、理解容易のため、遮熱板10、遮熱板片11及び被覆板片12を直線で表示しているが、本来は湾曲している。
被覆板片12は、厚さ方向に湾曲した細長の板状部材であり、遮熱板片11と同様に長手方向に直交する厚さ断面が円弧状となっている(図7においては、真直なものとして表示している。)
この被覆板片12は、凸面12aを隣接する二つの遮熱板片11の双方の凹面11aに対向させた状態で、これら隣接する二つの遮熱板片11に亘って重ねられ、間隙Cを被覆している。この状態において、これら隣接する二つの遮熱板片11の一方に溶接接合されている。
なお、遮熱板片11及び被覆板片12は、ダクトプレート2と同一のステンレス鋼(SUS410)が用いられ、補強リブ3及びダクトプレート2と熱膨張率が等しくされている。
スライド係止体20は、遮熱板片11を径方向に固定すると共に、周方向にスライドさせて熱変形可能に係止する。
各スライド係止体20は、図7に示すように、二つのスライド板21と、スライドピン22と、二つの六角ナット23とから構成されている。
二つのスライド板21は、図6及び図7に示すように、それぞれ中空円盤状の部材であり、内孔21aにスライドピン22が嵌挿されている。
スライドピン22は、図7に示すように、孔径d2(実際にはd2よりも僅かに小さい)のものであり、外周に雄ネジ部が形成されて六角ナット23と螺合している。このスライドピン22は、一端がダクトプレート2の内周面2cに溶接接合されている。
六角ナット23は、ナット外径が大径孔11cよりも小さいものである。
このような構成のスライド係止体20は、遮熱板片11の各大径孔11c及び基準孔11dに取り付けられている。具体的には、スライドピン22の雄ネジ部の基端側に一方の六角ナット23が螺着した状態で、スライドピン22が一方のスライド板21、遮熱板片11、他方のスライド板21の順で挿入され、この上から他方の六角ナット23が螺着している。すなわち、スライドピン22に螺着した二つの六角ナット23が、二つのスライド板21を上下から挟んで押圧している。
基準孔11dに取り付けられたスライド係止体20は、六角ナット23によって固定された二つのスライド板21が、遮熱板片11の径方向の移動を係止し、孔径d2の基準孔11dに挿入されたスライドピン22が周方向の移動を係止している。
一方、大径孔11cに取り付けられたスライド係止体20は、六角ナット23によって固定された二つのスライド板21が、遮熱板片11の径方向の移動を係止すると共に、遮熱板片11が、孔径d3と孔径d2の差分d4だけ周方向及び軸方向に、二つのスライド板21の間をスライド可能とする。
なお、基端側の一方の六角ナット23は、予め定められた位置で廻り止め溶接され、他方の六角ナット23は、図6に示すように、遮熱板片11の長手方向に隣接する六角ナット23とロックワイヤ25で締結されて廻り止めがされている。
断熱材30は、図4及び図7に示すように、遮熱板10とダクトプレート2との間に設けられている。本実施形態では、断熱材30として生体溶解性ファイバーを用いており、湾状の塊とした生体溶解性ファイバーをワイヤーメッシュで覆ってブロック体とし、このブロック体を複数個、ダクトプレート2の内周面に環状に連設している。なお、各ブロック体は、スライドピン22に突き刺しており、この上から上述した手順でスライド係止体20が設けられる。
図8は、排気ダクト1の要部断面図であって、図4における要部Vを示した図である。
突出壁40は、ダクトプレート2の内周面2cから径方向内方に向けて環状に突出しており、上流側において遮熱板10の一端延出部11gに隣接している。
次に、上記の構成からなる排気ダクト1の動作について説明する。
まず、図1に示すように、ガスタービンTを起動すると、ガスタービンTが後部排気室Rから排気ダクト1に排気ガスを排出する。この排気ガスは、約600℃であり、比較的に高温のものである。
この排気ダクト1に排出された排気ガスは、第一エキスパンションE1を介してスクウェアダクトD、第二エキスパンションE2を介して排ガスボイラ接続口Bに順に流れていく。このように、排気ガスが排気ダクト1の内部を連続的に通過していき、排気ダクト1の温度を上昇させる。
排気ダクト1に流入した排気ガスのうち、径方向外側に流れる排気ガスは、図2に示すように内周面2cに接触しながら下流側に流れ、図8に示す突出壁40に衝突する。その後、遮熱板10の表面(遮熱板片11の凹面11a,被覆板片12の凹面12b)に接触しながら、さらに下流側へと流れていく。この際、突出壁40と一端延出部11gが重ねられているため、排気ガスは遮熱板片11と内周面2cとの間に流入し難くなっている。なお、各下流側の端部(他端11f側)から回り込むようにして、遮熱板片11と内周面2cとの間に流入しようとする排気ガスは、他端延出部11hによって流入が阻止される。
このようにして、遮熱板10の表面を流れた排気ガスは、第二エキスパンションE2へと流出していく。
遮熱板10の表面を流れる排気ガスにより、遮熱板10の温度が上昇していく。そして、この遮熱板10の熱が、断熱材30を介して、遮熱板10に覆われた内周面2cに伝わり、ダクトプレート2の温度が緩やかに上昇していく。さらに、このダクトプレート2の熱が、補強リブ3に伝わってダクトプレート2と共に補強リブ3の温度が緩やかに上昇していく。
上記遮熱板10の温度の上昇により、遮熱板10が熱膨張する。
具体的には、遮熱板片11が基準孔11d(図5参照)に位置決めされた状態で周方向に熱膨張する。ここで、各大径孔11cにおけるスライド係止体20に着目すると、図9に示すように、スライドピン22を基準にして、遮熱板片11がスライド板21間において周方向両側にスライドし、孔径d3が孔径d3´に広がる。隣接する二つの遮熱板片11においては、二つの遮熱板片11の周方向の熱膨張によって間隙Cが間隙C´に狭まると共に、一方の遮熱板片11(11A)に溶接された被覆板片12が他方の遮熱板片11(11B)側に変位する。この被覆板片12は、変位しても間隙C´(間隙C)を継続して被覆する。
このように、遮熱板片11が一の基準孔11dにおけるスライド係止体20によって位置決めされると共に、大径孔11cにおけるスライド係止体20によって周方向にスライドして熱膨張する。このように、各遮熱板片11の周方向の熱膨張が拘束を受けないため、自らの熱膨張によって熱応力が生じない。
また、複数の遮熱板片11の周方向の熱膨張が、間隙Cに吸収されて、遮熱板片11同士が相互に拘束を受けずに独立して熱膨張するため、隣接する二つの遮熱板片11間が相互に拘束を受けず、熱応力が生じない。
図10(a)は、遮熱板10に覆われた部分のダクトプレート2と補強リブ3との温度差を示すグラフであって、ガスタービンTの起動から停止までを示したグラフである。このグラフにおいて、tはダクトプレート2の温度、t31は補強リブ3の側壁の温度、T32は補強リブ3の角部の温度、T33は補強リブ3の天板の温度を意味している(図4参照)。すなわち、実線で示したものがダクトプレート2及び補強リブ3の側壁の温度差、破線で示したものがダクトプレート2と補強リブ3の角部の温度差、一点鎖線で示したものがダクトプレート2と補強リブ3の天板の温度差をそれぞれ示している。図10(b)は、排気ダクト1と同様の構成のダクトプレートであって、遮熱板10を備えないものを比較の対象として示したものである。
図10(a)に示すように、排気ダクト1は、ガスタービンTの起動後において、ダクトプレート2と補強リブ3とで50℃以内の温度差が生じ、ガスタービンTの停止後に温度差が70℃程度になった後に、温度差が緩やかに減少していく。また、ダクトプレート2と補強リブ3との温度差の範囲が99.9℃となった。
一方、図10(b)に示すように、遮熱板10を備えない排気ダクトにおいては、起動後と停止時にダクトプレートと補強リブとに激しい温度差が生じ、この温度差の範囲が347.1℃となった。
以上説明した通り、本実施形態に係る排気ダクト1によれば、ダクトプレート2の内周面2cのうち、径方向において補強リブ3と重なる部分を、内周面2cと間隔を置いて覆ってダクトプレート2との間に断熱層を形成する遮熱板10を備えるので、この補強リブ3と重なる部分の内周面2cが排気ダクト1の流路に直接晒されず、断熱層を介して排気ガス等と熱の授受を行うこととなる。これにより、ガスタービンTの起動時や停止時において、補強リブ3と重なる部分の内周面2cの温度変化が、排気ダクト1の流路に直接晒された場合と比較して緩やかなものとなり、急激な温度変化が生じない。
一方、補強リブ3は、ダクトプレート2と断熱材30に挟まれているので、主にダクトプレート2と熱の授受が行われ、ダクトプレート2の温度変化に従って緩やかに温度が変化する。
すなわち、ガスタービンTの起動時及び停止時において、ダクトプレート2と補強リブ3との温度変化の速度の差分が小さいものとなり、ダクトプレート2と補強リブ3とで大きな温度差が生じない。
従って、ダクトプレート2と補強リブ3とに熱応力が発生することを抑制することができると共に、低サイクル疲労が発生することを抑制することができる。
よって、長期的な使用が可能で、メンテナンスの労力を低減することが可能となる。
また、遮熱板10は、複数の遮熱板片11が熱変形可能に周方向に連設してなるので、遮熱板片11の熱変形が周方向に拘束を受けず、自らの熱変形によって熱応力が生じない。
また、既存の排気ダクト1の内径の大きさに関わらず、容易に遮熱板10を取り付けることが可能となる。
また、互いに隣接する二つの遮熱板片11が間隙Cを置いて連設され、この間隙Cを被覆する被覆板片12を備えるので、隣接する遮熱板片11の相互干渉を避けて遮熱板片11を熱変形させることができる。これにより、隣接する二つの遮熱板片11間が相互に拘束を受けず、熱応力が生じない。
また、スライド係止体20を備えるので、簡易な構成で遮熱板10を径方向に係止すると共に周方向に熱変形させることが可能となる。
また、ダクトプレート2の内周面2cに突出壁40を備え、遮熱板10が突出壁40の下流側に隣接して設けられるので、排気ガスが断熱層に流れ込むことを抑制する。
また、上流側端部にダクトプレート2側に延出する一端延出部11gが形成されているので、排気ガスが断熱層に流れ込むことを抑制する。
すなわち、断熱効果が高められ、ダクトプレート2と補強リブ3との温度差をさらに縮小することができる。
また、断熱層には繊維材料からなる断熱材30が設けられているので、断熱効果が高められ、ダクトプレート2と補強リブ3との温度差をさらに縮小することができる。
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本願発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上述した実施の形態では、遮熱板片11の間に間隙を形成し、この間隙Cを被覆板片12で被覆する構成としたが、間隙を設けずに遮熱板片の縁部を重ねる構成としてもよい。この構成においては、遮熱板片の縁部の薄さを調整して、縁部が互い違いに重なるようにしてもよい。
本願発明の実施形態に係るガスタービンシステムSの下流側の一部を示した概略構成図である。 本願発明の実施形態に係る排気ダクト1を側面から見た一部断面図である。 本願発明の実施形態に係る排気ダクト1の内部構成図であって、図2におけるI−I線断面図である。 本願発明の実施形態に係る排気ダクト1の要部拡大図であって、図2における要部IIの拡大図である。 本願発明の実施形態に係る遮熱板片11を示す図であって、図5(a)は、上面図であり、図5(b)は、正面図である。 本願発明の実施形態に係る排気ダクト1の要部拡大図であって、図2における要部IIIの拡大図である。 本願発明の実施形態に係るスライド係止体20の概略構成図であって、図6におけるIV−IV線断面図である。なお、図7においては、理解容易のため、遮熱板10、遮熱板片11及び被覆板片12を直線で表示しているが、本来は湾曲している。 本願発明の実施形態に係る排気ダクト1の要部断面図であって、図4における要部Vを示した図である。 本願発明の実施形態に係る排気ダクト1の動作説明図である。 本願発明の実施形態に係る遮熱板10に覆われた部分のダクトプレート2と補強リブ3との温度差を示すグラフを示したものであり、遮熱板10を備えない排気ダクトを対象として示している。
符号の説明
1…排気ダクト
2…ダクトプレート
2b…外周面
2c…内周面
3…補強リブ
5…保温材
10…遮熱板
11…遮熱板片
11g…一端延出部(延出部)
12…被覆板片
20…スライド係止体
30…断熱材
40…突出壁
C…間隙
T…ガスタービン

Claims (7)

  1. ガスタービンに直結される排気ダクトであって、
    筒状体を構成するダクトプレートと、
    該ダクトプレートの外周部から径方向外方に突出すると共に周方向に環状に設けられた補強リブと、
    前記ダクトプレートの内周部に設けられ、前記ダクトプレートの内周面のうち前記径方向において前記補強リブと重なる部分を、前記内周面と間隔を置いて覆って前記ダクトプレートとの間に断熱層を形成する遮熱板とを備えていることを特徴とする排気ダクト。
  2. 前記遮熱板は、複数の遮熱板片が周方向に熱変形可能に連設してなることを特徴とする請求項1に記載の排気ダクト。
  3. 前記遮熱板は、互いに隣接する二つの遮熱板片が間隙を置いて連設され、
    これら隣接する二つの遮熱板片のうちの一方に設けられ、これら隣接する二つの遮熱板片の双方に重なって前記間隙を被覆する被覆板片を備えることを特徴とする請求項2に記載の排気ダクト。
  4. 前記遮熱板片を前記径方向に係止すると共に、前記周方向にスライドさせて熱変形可能なスライド係止体を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の排気ダクト。
  5. 前記ダクトプレートの内周面から前記径方向内方に向けて突出する突出壁を備え、
    前記遮熱板は、前記突出壁の下流側に隣接して設けられることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の排気ダクト。
  6. 前記遮熱板は、上流側の端部に前記ダクトプレート側に延出する延出部が形成されていることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の排気ダクト。
  7. 前記断熱層には繊維材料からなる断熱材が設けられていることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の排気ダクト。
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