JP2010126842A - 制振機能を有する複合繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維化における膠着がなく制振性能と伸縮性能とを兼ね備えた合成繊維を提供する。
【解決手段】2種の熱可塑性ポリマーが繊維軸方向に並列あるいは芯鞘構造を形成している複合繊維において、一方の熱可塑性ポリマーはビニル芳香族モノマーからなる数平均分子量2500〜4万のブロック(A)とイソプレンもしくはイソプレン−ブタジエン混合物からなり、数平均分子量が1万〜20万で3,4結合および1,2結合含有量が40%以上で、0℃以上にtanδの主分散のピークを有するブロック(B)より構成される数平均分子量が3万〜30万のブロック共重合体(X)からなり、他方は湿熱接着性は有するが、熱水溶解性はない樹脂(Y)で構成されており、ブロック共重合体(X)と湿熱接着性は有するが、熱水溶解性はない樹脂(Y)との重量比が80/20〜20/80であり、尚且つ繊維断面の周長の50%以上が樹脂(Y)で覆われた繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、制振性能に優れた繊維に関する。
近年生活様式の変化に伴い、静かさに対する要求が注目されるようになり、より優れた制振材が必要になってきた。繊維材料としても壁、床材、カーペット用下材など色々な利用法が期待されている。しかし、従来の繊維材料は特公昭55−42175号公報に記載されているように、合成繊維を長さ、幅方向に配列、重畳積層しその配列比率を規定するものや、特開昭60−199958号公報のように、ポリエチレンテレフタレート繊維を未延伸のまま不織布とし、その後熱収縮させ緻密な構造とするものなど、制振材料として期待できるものはあるが、構成繊維自体が制振性能を有するものでないためその効果は十分でなかった。素材自体が制振性能を有するものとしてはゴムのような物質が考えられるが、これを従来の合成繊維と同様に紡糸しても繊維同志の膠着が激しく単独での紡糸は実質的に不可能であった。一方、合成繊維にカサ高さや伸縮性を付与するために収縮特性のことなる異種のポリマーを貼合わせ構造とした潜在捲縮性の繊維が知られており、例えば、金属塩スルフォネート基を有する構成単位を数モル%共重合したエチレンテレフタレート主体の共重合ポリエステルとポリエチレンテレフタレートとが偏心的に接合され、熱処理によって50個/25mm以上の三次元捲縮を発現する伸縮性に優れたポリエステル系の複合繊維が特開昭62−78214号公報、特開平1−61511号公報等に提案されている。しかしながら、繊維化において、制振性能と伸縮性能とを兼ね備えた実用性の高い合成繊維は未だ開発されていないのが現状である。
そこで、本発明者らは、繊維素材自体が優れた制振性能を有しながら繊維として良好な潜在捲縮能をも備えたものについて鋭意検討した結果、特定のスチレン−イソプレン系ブロック共重合体(X)を一成分とし、湿熱接着性は有するが、熱水溶解性ではない樹脂(Y)を他成分とし、両者の溶融粘度の関係を特定化し、さらに繊維の周長における湿熱接着性は有するが、熱水溶解性ではない樹脂(Y)(以下、湿熱接着性樹脂(Y)と記載することもある。)の占有率を特定化させた繊維が、常温付近における優れた制振性能と潜在捲縮性能を示すことを見出だして本発明に到達した。
すなわち、本発明は、2種の熱可塑性ポリマーが並列あるいは芯鞘構造を形成している複合繊維において、一方の熱可塑性ポリマーはビニル芳香族モノマーからなる数平均分子量2500〜40000のブロック(A)とイソプレンもしくはイソプレン−ブタジエン混合物からなり、数平均分子量が10000〜200000で3,4結合および1,2結合含有量が40%以上で、0℃以上にtanδの主分散のピークを有するブロック(B)より構成される数平均分子量が30000〜300000のブロック共重合体(X)からなり、他方は湿熱接着性は有するが、熱水溶解性ではない樹脂(Y)で構成されており、ブロック共重合体(X)と湿熱接着性は有するが、熱水溶解性ではない樹脂(Y)との重量比が80/20〜20/80であり、尚且つ繊維断面の周長の50%以上が湿熱接着性は有するが、熱水溶解性ではない樹脂(Y)となるように配置されてなることを特徴とする繊維である。
そしてより好ましくは、湿熱接着性は有するが、熱水溶解性ではない樹脂(Y)がエチレン−ビニルアルコール系重合体であり、該重合体のエチレン単位の含有量が15%を越える場合である。
更に本発明は、前記記載の複合繊維を含む繊維構造体である。
本発明の複合繊維から湿熱接着による製造方法で、不織布構造体を容易に得ることが出来る。
更に本発明の複合繊維を含む繊維構造体により、制振性、吸音性を発現することが出来る。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の複合繊維の一成分に用いられるブロック共重合体のブロック(A)は、ビニル芳香族モノマー、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン等のモノマーの重合反応により形成されるブロックであり、最も好ましいのはスチレンである。ビニル芳香族ブロック(A)の数平均分子量は2500〜40000の範囲であるが、分子量が2500未満では、ブロック共重合体の制振性能が低下し、分子量が40000を越えるとブロック共重合体の溶融粘度が高くなり過ぎ、紡糸調子が悪くなる。好ましくは、3000〜38000の範囲である。また、ビニル芳香族ブロック(A)のブロック共重合体(X)中での割合は、5重量%〜50重量%の範囲のものが好ましく用いられる。この割合が5重量%未満の場合、ブロック共重合体の機械的性質が不充分となり、逆に50重量%を越えると粘度が著しく高くなるため紡糸調子が悪くなり、巻取が不能となるか、仮に、巻き取れたとしても制振性能が低下するので好ましくない。
また、ブロック共重合体のブロック(B)はイソプレン、またはイソプレン−ブタジエンを併用したモノマーから構成されているのが好ましい。これ以外のモノマーを使用した場合、例えば、ブタジエン単独の場合、1,2結合含有量を増やしても制振性能を発現する温度は0℃未満であり、実際に使用される温度での機能は得られず、実用上の意義は少ない。これに対し、イソプレンの場合、本発明の3,4結合および1,2結合含有量(以下これらを総称してビニル結合含有量ということがある。)を特定量とすることによって、概ね0℃から50℃前後までの実用的な温度範囲で制振性能を発揮することが可能であり、実用上極めて有意義である。イソプレン−ブタジエンを併用する場合、イソプレンの割合が40%以上であれば0℃以上で制振性能を発揮する。併用する場合のブロック(B)の形態としてはランダム、ブロックまたはテーパードのいずれでも良い。ブロック共重合のブロック(B)は3,4結合含有量と1,2結合含有量とを足した量が40%以上のもの(100%でも良い)が用いられる。ビニル結合含有量が40%より少ない場合は、通常の使用温度領域で十分な制振性能が得られないので好ましくない。また、ブロック共重合体(X)の粘弾性測定により得られるtanδ(損失正接)の主分散のピークの温度が0℃以上であることが必要である。0℃よりも低い温度にしかピークがない場合にも通常の温度領域で十分な制振性能が得られない。また、ブロック(B)の数平均分子量は10000〜200000の範囲のものが用いられる。分子量が上記範囲より小さい場合には、弾性的性質を損ない好ましくない。逆に、大きすぎる場合にはブロック共重合体(X)の溶融粘度が高くなり、紡糸不調の原因となる。好ましくは、15000〜195000の範囲である。
本発明において、上記ブロック共重合体(X)の数平均分子量は30000〜300000の範囲にあることが必要である。分子量が30000未満では芯成分自体の強度、伸度等の機械的性質が低下し、繊維自体の性質を低下させてしまうので好ましくない。また、300000を越えると粘度が上昇し紡糸が不調となり性能も低下する。好ましくは80000〜250000の範囲がよい。また、ブロック共重合体(X)のブロック形態はA(BA)、(AB)で示される。ここでAは芳香族ビニルモノマーからなるブロック、Bはイソプレンまたはイソプレン−ブタジエンからなるブロックを示し、nは1以上の整数である。このうち、A−B−Aの形態のものが最も好ましく用いられる。
このようなブロック共重合体(X)は公知の種々の方法で製造することが可能である。例えば、まず、(イ)アルキルリチウム化合物を開始剤として芳香族ビニル化合物、イソプレンまたはイソプレン−ブタジエンを逐次重合体させる方法、(ロ)芳香族ビニル化合物、次いで、イソプレンまたはイソプレン−ブタジエンを重合し、これをカップリング剤によりカップリングする方法、あるいは(ハ)ジリチウム化合物を開始剤としてイソプレンまたはイソプレン−ブタジエン、次いで芳香族ビニル化合物を逐次重合させる方法等が挙げられる。アルキルリチウム化合物の例としてはアルキル残基の炭素原子数が1〜10のアルキル化合物が挙げられるが、特にメチルリチウム、エチルリチウム、ペンチルリチウム、ブチルリチウムが好ましい。カップリング剤としてはジクロロメタン、ジブロムメタン、ジクロロエタン、ジブロムエタン、ジブロムベンゼン等が用いられる。ジリチウム化合物の例としてはナフタレンジリチウム、ジリチオヘキシルベンゼン等があげられる。使用量は求める分子量により決定されるものであるが、重合に用いられる全モノマー100重量部に対し、概ね開始剤0.01〜0.2重量部、カップリング剤0.04〜0.8重量部程度の範囲で用いられる。
イソプレンまたはイソプレン−ブタジエン部分のミクロ構造としてビニル結合含有量を40%以上、かつ、0℃以上にtanδの主分散のピークを持つようにするためにはイソプレンまたはイソプレン−ブタジエンの重合の際に共触媒としてルイス塩基が用いられる。ルイス塩基の例としてはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、トリエチルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン等のアミン系化合物等があげられる。これらのルイス塩基の使用量は重合触媒のリチウムのモル数に対し概ね0.1〜1000倍の範囲で用いられる。重合の際には制御を容易にするために溶媒を使用するのが好ましい。溶媒としては重合触媒に対し不活性な有機溶媒が使用される。特に、炭素数が6から12の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素が好ましく用いられる。その例としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン等があげられる。重合はいずれの重合法による場合も、0〜80℃の温度範囲で0.5〜50時間の範囲で行われる。
得られたブロック共重合体を必要に応じて水添反応に付すことにより、イソプレンまたはイソプレン−ブタジエンからなるブロック中の炭素−炭素二重結合の一部または全部が水添される。水添反応は、反応および触媒に対して不活性な溶媒に溶解した状態で、公知の水添触媒により分子状態の水素を反応させる方法が好ましく用いられる。使用される触媒としては、ラネーニッケル、あるいはPt,Pd,Ru,Rh,Ni等の金属をカーボン、アルミナ、硅藻土等の単体に担持させたもの等の不均一触媒または遷移金属とアルキルアルミニウム化合物、アルキルリチウム化合物等の組み合わせからなるチーグラー系の触媒等が用いられる。反応は、水素圧が常圧ないし200kg/cm、反応温度が常温ないし250℃、反応時間が0.1〜100時間の範囲で行われる。反応後のブロック共重合体は、反応液をメタノール等により凝固させた後、加熱あるいは減圧乾燥させるか、反応液を沸騰水中に注ぎ溶剤を共沸させ除去した後、加熱あるいは減圧乾燥をすることにより得られる。水添率は要求される物性のレベルにより決定されるが、耐熱性および耐候性を重視する場合、50%以上、好ましくは70%以上に水添するのがよい。
湿熱接着性は有するが熱水溶解性はない樹脂(Y)とは、100℃の沸騰水で10分間煮沸して、溶解前の重量の90%以上が固相として保持され、尚且つ高温水蒸気によって容易に実現可能な温度において、流動または容易に変形して接着機能を発現可能であればよい。具体的には、熱水(例えば、80〜150℃、特に95〜100℃程度)で軟化して自己接着または他の繊維に接着可能な熱可塑性樹脂、例えば、セルロース系樹脂(C1−3アルキルセルロースエーテル、ヒドロキシC1−3アルキルセルロースエーテル、カルボキシC1−3アルキルセルロースエーテルまたはその塩など)、ポリビニル系樹脂(ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ビニルアルコール系重合体(エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリビニルアセタールなど)、アクリル系共重合体およびそのアルカリ金属塩、変性ビニル系共重合体、親水性の置換基を導入したポリマー(スルホン酸基やカルボキシル基、ヒドロキシル基などを導入したポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン又はその塩など)、脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリ乳酸系樹脂などが挙げられる。さらに、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、熱可塑性エラストマーなどのうち、熱水(高温水蒸気)の温度で軟化して接着機能を発現可能な樹脂も含まれる。これらの樹脂は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち特に、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が本発明の構成において望ましい。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体において、エチレン単位の含有量(共重合割合)は、例えば、15モル%を越えて60モル%以下であり、好ましくは20〜55モル%、さらに好ましくは30〜50モル%程度である。エチレン単位がこの範囲にあることにより、湿熱接着性を有するが、熱水溶解性はないという特異な性質がより広範な熱水温度域で得られる。エチレン単位の割合が少なすぎると、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が、低温の蒸気(水)で容易に膨潤またはゲル化し、水に一度濡れただけで形態が変化し易い。一方、エチレン単位の割合が多すぎると、吸湿性が低下し、吸熱により繊維融着が発現し難くなる為、実用性のある強度の確保が困難となる。エチレン単位の割合が、特に30〜50モル%の範囲にあると、シートまたは板状への加工性が特に優れる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体におけるビニルアルコール単位の鹸化度は、例えば、90〜99.99モル%程度であり、好ましくは95〜99.98モル%、さらに好ましくは96〜99.97モル%程度である。鹸化度が小さすぎると、熱安定性が低下し、熱分解やゲル化によって安定性が低下する。一方、鹸化度が大きすぎると、繊維自体の製造が困難となる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体の粘度平均重合度は、必要に応じて選択できるが、例えば、200〜2500、好ましくは300〜2000、さらに好ましくは400〜1500程度である。重合度がこの範囲にあると、紡糸性と湿熱接着性とのバランスに優れる。
本発明の複合繊維製造時におけるブロック共重合体(X)と湿熱接着性樹脂(Y)の重量比は8/2〜2/8であることが好ましい。この範囲外では複合繊維の紡糸、延伸等の工程性が悪化しやすく、しかも所望の性能を発現させることが困難な場合がある。従って、7/3〜3/7がより好ましい。さらに、本発明においては、繊維の周長の50%以上、好ましくは55%以上が湿熱接着性樹脂(Y)で占められていることが必要である。50%未満であると繊維化における繊維同士の膠着が著しくなるので好ましくない。このようなコントロールは両成分の重量比率および溶融粘度差に大きく左右されるものであり慎重に断面設計をしなければならない。
また、必要に応じて、紡糸油剤にシリコン系油剤を付与してブロック共重合体を被覆したり、ブロック共重合体にセラミックスや金属酸化物等の無機微粒子を添加することによって該共重合体の表面に微細な凹凸を形成し繊維間における重合体同士の接触部分を減少させて紡糸してもよい。
本発明の複合繊維製造時は、従来公知のサイドバイサイド型または芯鞘型複合繊維の製造装置を使用し、上記のような点に留意して製造することが可能であり、紡糸原糸は延伸、熱固定することによって製造することができ、長短両繊維の製法に適用可能である。また、芯鞘型複合繊維では同芯でも偏芯させてもよい。さらに、断面は円形以外の各種異型断面であってもよく、繊維表面に露出しているブロック共重合体同志が膠着を生じないように設計された異形断面であってもよい。
本発明に用いる繊維の好適な繊度は、用途によって0.4dtex〜50dtexの範囲で任意に決めることができる。好ましくは、0.7dtex〜40dtexである。
また、本発明の複合繊維には、必要に応じて各種添加剤を配合してもよく、例えば、金属粉末、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機粒子や酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、架橋剤、耐熱剤、蛍光増白剤、着色剤、抗菌剤、芳香剤等を含有していてもよい。
該繊維が有する制振特性、吸音特性を活かして種々の用途展開が可能であり、短繊維や長繊維として織物、編物、不織布等の布帛を構成し、カーテン、壁装材、床材、天井材などの内装インテリア材、車両等の内装材、また、該繊維を詰綿として用いて堅綿等の詰物製品としても好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中、数平均分子量はGPC法により求め、分子構造の同定はNMRスペクトルの測定により行い、4.8ppm、5.8ppmの3,4結合、1,2結合のピークと5.3ppmの1,4結合のピークの比から、3,4結合、1,2結合の含有率を算出し、tanδのピーク温度は、レオバイブロン(オリエンティック社製)により粘弾性スペクトルを測定することにより求めた。また、捲縮数の測定は、JISL−1015−7−12−1の方法により測定した。
参考例
乾燥し窒素で置換された耐圧反応器で、溶媒としてシクロヘキサン、重合触媒としてn−ブチルモノマー、イソプレンモノマー、スチレンモノマーの順に添加し重合した。得られたA−B−A型共重合体をシクロヘキサン中で、水添触媒として行い、表1に示す分子特性を有するブロック共重合体(1)(2)(3)を得た。
Figure 2010126842
《実施例1〜3》
参考例で得られたポリマー(1、2、3)をそれぞれ一成分として芯成分に配置し、エチレン含有量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体をもう一方の成分として鞘成分に配置し、両成分の重量比率をブロック共重合体/エチレン−ビニルアルコール共重合体=50/50で複合紡糸(紡糸温度240℃、巻取速度800m/分)し、常法に従って湿熱延伸を行い、単繊維繊度5.0dtex、繊維長51mmの芯鞘型複合繊維を得た。次に、該複合繊維100%をカーディングし、水流絡合にて交絡させて、目付約0.15kg/mの不織布を得た。作成した不織布の25℃におけるtanδを測定し、制振性能を評価した結果を表2に示した。実施例1〜3においては、いずれも工程性に問題なく、良好な制振性能が得られた。
《実施例4》
両成分の重量比率をブロック共重合体/エチレン−ビニルアルコール共重合体=75/25に変更する以外は、実施例1と同様に繊維化を行い、不織布作成を実施した。得られた不織布の制振性能を評価した結果、良好であった。
《実施例5》
両成分の重量比率をブロック共重合体/エチレン−ビニルアルコール共重合体=25/75に変更する以外は、実施例1と同様に繊維化を行い、不織布作成を実施した。得られた不織布の制振性能を評価した結果、良好であった。
《実施例6》
両成分の重量比率をブロック共重合体/エチレン−ビニルアルコール共重合体=50/50にし、両ポリマーをサイドバイサイド型に変更する以外は、実施例1と同様に繊維化を行い、不織布作成を実施した。得られた不織布の制振性能を評価した結果、良好であった。
《実施例7》
参考例で得られたポリマー1を一成分として芯成分に配置し、ポリ乳酸樹脂をもう一方の成分として鞘成分に配置し、両成分の重量比率をブロック共重合体/ポリ乳酸樹脂=50/50で複合紡糸(紡糸温度240℃、巻取速度800m/分)し、常法に従って湿熱延伸を行い、単繊維繊度5.0dtex、繊維長51mmの芯鞘型複合繊維を得た。次に、該複合繊維100%をカーディングし、水流絡合にて交絡させて、目付約0.15kg/mの不織布を得た。作成した不織布の25℃におけるtanδを測定し、制振性能を評価した結果を表2に示した。良好な制振性能が得られた。
《比較例1》
ブロック共重合体中のブロックAの分子量を2000と変更する以外は実施例1と同様に実施した。比較例1では、繊維化は問題なかったものの制振性能が不良であった。
《比較例2》
ブロック共重合体中のブロックAの分子量を44000と変更する以外は実施例1と同様に実施した。比較例2では、ブロック共重合体の溶融粘度が高い為、紡糸不可能であった。
《比較例3》
ブロック共重合体中のブロックBの分子量を9000と変更する以外は実施例1と同様に実施した。比較例3では、繊維化は可能であったが、制振性能が不良であった。
《比較例4》
ブロック共重合体中のブロックBの分子量を220000と変更する以外は実施例1と同様に実施した。比較例4では、ブロック共重合体の溶融粘度が高いため、紡糸不可能であった。
《比較例5》
ブロック共重合体中のブロックBのビニル結合量を35%と変更する以外は実施例1と同様に実施した。繊維化は良好であったが、制振性能に乏しいものしか得られなかった。
《比較例6》
両成分の重量比率をブロック共重合体/エチレン−ビニルアルコール共重合体=85/15に変更する以外は、実施例1と同様に繊維化を試みたが、紡糸して巻き取ることが不可能であった。
《比較例7》
両成分の重量比率をブロック共重合体/エチレン−ビニルアルコール共重合体=15/85に変更する以外は、実施例1と同様に繊維化を試みたが、紡糸の際に断糸が多く、工程性不調であった。
Figure 2010126842

Claims (3)

  1. 2種の熱可塑性ポリマーが繊維軸方向に並列あるいは芯鞘構造を形成している複合繊維において、一方の熱可塑性ポリマーはビニル芳香族モノマーからなる数平均分子量2500〜40000のブロック(A)とイソプレンもしくはイソプレン−ブタジエン混合物からなり、数平均分子量が10000〜200000で3,4結合および1,2結合含有量が40%以上で、0℃以上にtanδの主分散のピークを有するブロック(B)より構成される数平均分子量が30000〜300000のブロック共重合体(X)からなり、他方は湿熱接着性は有するが、熱水溶解性ではない樹脂(Y)で構成されており、ブロック共重合体(X)と前記湿熱接着性樹脂(Y)との重量比が80/20〜20/80であり、尚且つ繊維断面の周長の50%以上が樹脂(Y)で覆われていることを特徴とする繊維。
  2. 前記樹脂(Y)がエチレン単位の含有量が15モル%を越える量であるエチレン−ビニルアルコール系重合体である請求項1に記載の繊維。
  3. 請求項1に記載の繊維を含む繊維構造体。
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