JP2010126532A - 抗真菌剤の吸収促進 - Google Patents
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Abstract
【課題】難治性で再発しやすい白癬に対し、抗真菌剤の治療効果を高める新たな投与方法を患者に提供する。また、とりわけ難治性の爪白癬および角質増殖型足白癬に対し、抗真菌剤を内服せずに治療する新たな投与方法を提供する。
【解決手段】ゲラニオール、リナロール、ネロリドールなどのテルペンアルコール、およびそれらを成分として含むパルマローザ油、ラベンダー油、パチュリ油などの植物精油は、単独またはそれらの2種類以上をテルビナフィンなどの抗真菌剤と組み合わせて、患部およびその周辺の皮膚または爪などに直接投与すると、抗真菌剤の吸収性を著しく高め、感染部位におけるその濃度を高めることができる。本投与方法によって、この副作用の危険を大きく軽減することが可能となる。
【選択図】なし
【解決手段】ゲラニオール、リナロール、ネロリドールなどのテルペンアルコール、およびそれらを成分として含むパルマローザ油、ラベンダー油、パチュリ油などの植物精油は、単独またはそれらの2種類以上をテルビナフィンなどの抗真菌剤と組み合わせて、患部およびその周辺の皮膚または爪などに直接投与すると、抗真菌剤の吸収性を著しく高め、感染部位におけるその濃度を高めることができる。本投与方法によって、この副作用の危険を大きく軽減することが可能となる。
【選択図】なし
Description
本発明は、抗真菌剤を植物精油またはその成分と組み合わせて、患部およびその周辺部位に直接投与することを特徴とする、爪白癬および角質増殖型足白癬を含む白癬の治療法に関する。
白癬は、トリコフィトン属、エピデルモフィトン属、およびミクロスポルム属の真菌による感染によって引き起こされるが、起因菌としてはTrichophyton rubrum、T.mentagrophytes、Epidermophyton floccusumの順に多い。白癬菌は角化した皮膚の組織、すなわち角質層や毛髪および爪に侵入・発育し、局所の感染(白癬)を引き起こす。
白癬はあらゆるヒトの疾患の中でもっとも罹患率が高く、ほぼ世界のすべての地域において人口の10%以上が常時罹患しているといわれている。日本においても患者数は1千万人を超えるものと推定されている。患者数がもっとも多いのが足白癬で、俗に「水虫」といわれ、次いで爪白癬が多い。
白癬の治療は、一般的には抗真菌薬を直接患部に接触させることによってなされているが、難治性であり再発を繰り返しやすい。とくに爪白癬および角質増殖型足白癬の場合、薬物の外用ではその表皮浸透性が不充分で治療効果が弱く、そのため抗真菌剤を半年以上の長期にわたって内服しないと完全に治癒しないといわれている。内服治療の場合、とくに高齢者において、肝臓障害などの副作用の危険性が指摘されている。
白癬はあらゆるヒトの疾患の中でもっとも罹患率が高く、ほぼ世界のすべての地域において人口の10%以上が常時罹患しているといわれている。日本においても患者数は1千万人を超えるものと推定されている。患者数がもっとも多いのが足白癬で、俗に「水虫」といわれ、次いで爪白癬が多い。
白癬の治療は、一般的には抗真菌薬を直接患部に接触させることによってなされているが、難治性であり再発を繰り返しやすい。とくに爪白癬および角質増殖型足白癬の場合、薬物の外用ではその表皮浸透性が不充分で治療効果が弱く、そのため抗真菌剤を半年以上の長期にわたって内服しないと完全に治癒しないといわれている。内服治療の場合、とくに高齢者において、肝臓障害などの副作用の危険性が指摘されている。
難治性で再発しやすい白癬に対し、従来の抗真菌剤を用いた治療方法の効果を高めることは重要な課題である。また、とくに高齢者において副作用の危険性が高い薬剤の内服に代えて、安全性が高く簡便な爪白癬および角質増殖型足白癬の治療方法の開発は、早期に達成すべき重要な課題となっている。
本発明者らは、抗真菌剤の外用による白癬の治療方法に関して種々検討した結果、抗真菌剤に、抗真菌活性のある精油またはテルペンアルコールを組み合わせると、薬剤の皮膚透過性が向上し、その血中濃度が著しく高まることを見出した。ここでいうテルペンアルコールとは、1分子中の炭素数が10個のモノテルペンアルコールと、15個のセスキテルペンアルコールを指す。
ある種の植物精油または精油成分が他の薬剤の皮膚浸透性を高めること、中でもリモネンの効果が顕著であることは周知の事実である。そこで本発明者らは、リモネンを豊富に含むグレープフルーツ油を用いて、抗真菌剤テルビナフィンの経皮投与に対する影響を、血中濃度を指標にして調べてみた。予想に反し、グレープフルーツ油と組み合わせた場合でもテルビナフィンの血中濃度の上昇は極めて僅かであり、本薬剤に対するリモネンの皮膚浸透促進効果は弱く実用的な意味はないものと判断した。
そこで本発明者らは、他の植物精油および精油成分に対して検討をおこない、その結果、パルマローザ油およびその主成分のゲラニオールが、皮膚に投与されたテルビナフィンの血中濃度をそれぞれ著しく高めることを見出した。これは従来の知見からは予想できない新たな発見である。またラベンダー油とその主成分のリナロール、パチュリ油とその主成分のパチュリアルコール、クロモジ油とその副成分のネロリドールについても、それぞれ程度の違いはあるものの同様の効果を見出し、本発明を完成させた。
これらの精油およびその主成分であるテルペンアルコールは、いずれも白癬菌に対する抗真菌活性があり、抗真菌剤との相乗作用が期待される。とくにゲラニオールの抗白癬菌活性は高く、最小発育阻止濃度(MIC)は0.02%であった。またネロリドールのMICは0.04%であった。一方、ネロリドールと構造の極めて近似したファルネソールには、テルビナフィンに対する皮膚浸透性促進効果は認められなかった。したがって現時点では、どのような植物精油または精油成分が、抗真菌剤の経皮吸収促進効果を有するか否かを、予め予測することは困難である。
抗真菌活性のある精油および精油成分は他にもあるが、いずれも副作用が報告されており、安全性に問題がある。そのようなものとして、例えば以下のものがあげられる。
シナモンバーク油とその成分のシンナムアルデヒド、レモングラス油とその成分のシトラール、タイム油とその成分のチモール、オレガノ油とその成分のカルバクロール。しかしながら、それらの精油および精油成分は、いずれも皮膚刺激性が強い。ちなみに化学的には、シンナムアルデヒドとシトラールはアルデヒド類、チモールとカルバクロールはフェノール類に分類される。
ローズマリー油とその成分のカンファー、スペアミント油とその成分のカルボンなどにも抗真菌活性があるが、いずれも中枢神経系への刺激作用が報告されている。ちなみに化学的には、カンファーとカルボンはいずれもケトン類に分類され、アルコール類に次ぐ抗真菌活性を有している。
ゲラニオール、リナロール、ネロリドールといったテルペンアルコールは、とくに注意すべき副作用がなく安全性が高い。また前述の通り抗真菌活性も高く、抗真菌剤の皮膚浸透促進剤としては最も適していると結論づけた。
ある種の植物精油または精油成分が他の薬剤の皮膚浸透性を高めること、中でもリモネンの効果が顕著であることは周知の事実である。そこで本発明者らは、リモネンを豊富に含むグレープフルーツ油を用いて、抗真菌剤テルビナフィンの経皮投与に対する影響を、血中濃度を指標にして調べてみた。予想に反し、グレープフルーツ油と組み合わせた場合でもテルビナフィンの血中濃度の上昇は極めて僅かであり、本薬剤に対するリモネンの皮膚浸透促進効果は弱く実用的な意味はないものと判断した。
そこで本発明者らは、他の植物精油および精油成分に対して検討をおこない、その結果、パルマローザ油およびその主成分のゲラニオールが、皮膚に投与されたテルビナフィンの血中濃度をそれぞれ著しく高めることを見出した。これは従来の知見からは予想できない新たな発見である。またラベンダー油とその主成分のリナロール、パチュリ油とその主成分のパチュリアルコール、クロモジ油とその副成分のネロリドールについても、それぞれ程度の違いはあるものの同様の効果を見出し、本発明を完成させた。
これらの精油およびその主成分であるテルペンアルコールは、いずれも白癬菌に対する抗真菌活性があり、抗真菌剤との相乗作用が期待される。とくにゲラニオールの抗白癬菌活性は高く、最小発育阻止濃度(MIC)は0.02%であった。またネロリドールのMICは0.04%であった。一方、ネロリドールと構造の極めて近似したファルネソールには、テルビナフィンに対する皮膚浸透性促進効果は認められなかった。したがって現時点では、どのような植物精油または精油成分が、抗真菌剤の経皮吸収促進効果を有するか否かを、予め予測することは困難である。
抗真菌活性のある精油および精油成分は他にもあるが、いずれも副作用が報告されており、安全性に問題がある。そのようなものとして、例えば以下のものがあげられる。
シナモンバーク油とその成分のシンナムアルデヒド、レモングラス油とその成分のシトラール、タイム油とその成分のチモール、オレガノ油とその成分のカルバクロール。しかしながら、それらの精油および精油成分は、いずれも皮膚刺激性が強い。ちなみに化学的には、シンナムアルデヒドとシトラールはアルデヒド類、チモールとカルバクロールはフェノール類に分類される。
ローズマリー油とその成分のカンファー、スペアミント油とその成分のカルボンなどにも抗真菌活性があるが、いずれも中枢神経系への刺激作用が報告されている。ちなみに化学的には、カンファーとカルボンはいずれもケトン類に分類され、アルコール類に次ぐ抗真菌活性を有している。
ゲラニオール、リナロール、ネロリドールといったテルペンアルコールは、とくに注意すべき副作用がなく安全性が高い。また前述の通り抗真菌活性も高く、抗真菌剤の皮膚浸透促進剤としては最も適していると結論づけた。
本発明の植物精油または精油成分を、抗真菌剤と組み合わせて患部およびその周辺部位に直接投与する、または温水に分散させて足浴を施行すると、感染部位における抗真菌剤の濃度が速やかに上昇し、難治性かつ再発しやすい白癬に対しより効果的な治療を行うことができる。また、中でも難治性の爪白癬および角質増殖型足白癬に対して本発明の治療方法を適用すると、感染部位における抗真菌剤の濃度が上昇し、そのため薬剤を経口投与することなく治療することができる。その治療効果の機序としては、薬剤が爪または皮膚を介して感染部位に直接高濃度で到達する他、感染部位周辺の毛細血管に薬剤が高濃度で吸収され、吸収された薬剤が再び感染部位に向かって再吸収されることが考えられる。
本発明の投与方法は、従来の経皮投与による方法と比較して薬剤の効果が増強されるため、速やかな治療効果が期待される。また従来の経口投与による方法と比較して、薬剤が肝臓を介した一次代謝を受けないため、副作用が軽減する他、同一量の薬剤で比較すると治療効果の向上が期待される。皮膚や爪への外用は、患者への身体的、精神的負荷が少なく、個人または家庭での治療が容易である。また植物精油や精油成分は、天然原料として化粧品などに使用されてきた実績があり、安全な使用方法が確立されている。精油や精油成分は安価で入手容易であり、そのため極めて実用的である。さらに精油や精油成分は芳香があり、それによるリラックス効果も期待される。
本発明の投与方法は、従来の経皮投与による方法と比較して薬剤の効果が増強されるため、速やかな治療効果が期待される。また従来の経口投与による方法と比較して、薬剤が肝臓を介した一次代謝を受けないため、副作用が軽減する他、同一量の薬剤で比較すると治療効果の向上が期待される。皮膚や爪への外用は、患者への身体的、精神的負荷が少なく、個人または家庭での治療が容易である。また植物精油や精油成分は、天然原料として化粧品などに使用されてきた実績があり、安全な使用方法が確立されている。精油や精油成分は安価で入手容易であり、そのため極めて実用的である。さらに精油や精油成分は芳香があり、それによるリラックス効果も期待される。
本発明による爪白癬および角質増殖型足白癬を含む白癬の治療は、抗真菌剤を経口投与せず、皮膚や爪に薬剤を直接投与することによっておこなう。本発明の薬剤とは、抗真菌剤と、以下の植物精油または精油成分から選ばれた単材または複数の材とを組合せたものであり、皮膚および爪を介した抗真菌剤の浸透性を大幅に改善したものである。
本発明に用いられる植物精油とその成分は以下の通りである。パルマローザ油とその主成分のゲラニオール、ラベンダー油とその主成分のリナロール、パチュリ油とその主成分のパチュリアルコール、クロモジ油とその副成分のネロリドール。またローズウッド油、ローズゼラニウム油、レモンユーカリ油、ペパーミント油、ネロリ油といった植物精油も、それぞれ同様な効果を期待して用いることができる。
本発明に用いることのできる抗真菌剤は以下の通りである。テルビナフィン、クロトリマゾール、ミコナゾール、エコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、クロコナゾール、スルコナゾール、ビフォナゾール、ネチコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、ブテナフィン、トルナフテート、リラナフタート、アモロフィン、ボリコナゾール、イトラコナゾール、ルリコナゾール。
本発明の実施に際しては、精油または精油成分に抗真菌剤の原末を直接溶解または懸濁して投与することも可能であるが、実用的には軟膏やゲル剤のような塗布剤、またはスプレー製品のような外用剤の形態が使いやすい。精油または精油成分は、エタノールやプロピレングリコールのような適当な溶剤を用いることにより、完全に透明な液体として調製することができる。またジェルナチュレなどの水性ゲル剤やソルビライザーのような精油分散剤を使用して水に懸濁することも可能である。個人または家庭で使用する場合は、刺激性や経済性を考慮して精油または精油成分をキャリアーオイルに予め希釈して投与するのが実際的である。そのためのキャリアーオイルとして、ファーナス油、ホホバ油、スイートアーモンド油、ニーム油、セントジョンズワート油などの植物油があげられる。またお湯に抗真菌剤および植物精油または精油成分を加えて足浴を施すことによっても同様の効果が期待される。
本発明に用いられる植物精油とその成分は以下の通りである。パルマローザ油とその主成分のゲラニオール、ラベンダー油とその主成分のリナロール、パチュリ油とその主成分のパチュリアルコール、クロモジ油とその副成分のネロリドール。またローズウッド油、ローズゼラニウム油、レモンユーカリ油、ペパーミント油、ネロリ油といった植物精油も、それぞれ同様な効果を期待して用いることができる。
本発明に用いることのできる抗真菌剤は以下の通りである。テルビナフィン、クロトリマゾール、ミコナゾール、エコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、クロコナゾール、スルコナゾール、ビフォナゾール、ネチコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、ブテナフィン、トルナフテート、リラナフタート、アモロフィン、ボリコナゾール、イトラコナゾール、ルリコナゾール。
本発明の実施に際しては、精油または精油成分に抗真菌剤の原末を直接溶解または懸濁して投与することも可能であるが、実用的には軟膏やゲル剤のような塗布剤、またはスプレー製品のような外用剤の形態が使いやすい。精油または精油成分は、エタノールやプロピレングリコールのような適当な溶剤を用いることにより、完全に透明な液体として調製することができる。またジェルナチュレなどの水性ゲル剤やソルビライザーのような精油分散剤を使用して水に懸濁することも可能である。個人または家庭で使用する場合は、刺激性や経済性を考慮して精油または精油成分をキャリアーオイルに予め希釈して投与するのが実際的である。そのためのキャリアーオイルとして、ファーナス油、ホホバ油、スイートアーモンド油、ニーム油、セントジョンズワート油などの植物油があげられる。またお湯に抗真菌剤および植物精油または精油成分を加えて足浴を施すことによっても同様の効果が期待される。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1.パルマローザ油のテルビナフィン吸収促進に対するマウス試験による評価
実施例1.パルマローザ油のテルビナフィン吸収促進に対するマウス試験による評価
パルマローザ油1.6g、テルビナフィン塩酸塩80または160mgを、それぞれエタノール10mLに溶解し、37℃の温水200mLに添加してよく撹拌する。その中にヘアレスマウス(Hos:HR−1、4週齢)2匹を入れて遊泳させた。5分または8分後にマウスをエーテルによって麻酔し、心臓採血によって血液0.5mLを採取した。採取した血液に少量の重曹粉末を加えてから酢酸エチル0.5mLを加えて抽出し、ガスクロマトによって分析した。ガスクロマト分析は、GLサイエンス社の353B型ガスクロマト装置を用い、TC−5カラム(0.5mm×30m)を装着して、60℃より毎分5℃の昇温速度で280℃まで加温して実施した。テルビナフィンおよびゲラニオールのピーク面積から、それぞれ検量線に従って血中濃度を計算し、以下の結果を得た。テルビナフィンは、単独使用では血中に全く検出されず、パルマローザ油の添加によって初めて検出された。また、その血中濃度はテルビナフィンの使用量に依存して上昇した。表1に実験の成績を示す。
テルビナフィン塩酸塩20mgをエタノール0.2mLに加えて加温溶解し、これをパルマローザ油とファーナスオイル1:1混合液0.8mLに加えてよく撹拌する。こうして調製した試験薬剤50μLを、ヘアレスマウス(Hos:HR−1、6週齢)の背中に塗布し、ガラス棒で均一に広げた。20分後、マウスをエーテルで麻酔し、心臓採血によって血液0.5mLを採取した。採取した血液に少量のヘパリンと重曹粉末を加えてから酢酸エチル0.5mLを加えて抽出し、ガスクロマトによって分析した。分析条件は実施例1と同様とし、以下の結果を得た。テルビナフィンおよびゲラニオールの血中濃度は、それぞれ16μg/mL、1.35μg/mLであった。
実施例3.キャリアーオイルによって塗布した場合のマウス試験による評価(2)
実施例3.キャリアーオイルによって塗布した場合のマウス試験による評価(2)
テルビナフィン塩酸塩10mgをエタノール0.2mLに加えて加温溶解し、これをゲラニオール40mgを溶かしたファーナスオイル0.8mLに加えてよく撹拌する。こうして調製した試験薬剤50μLを、実施例2と同様にヘアレスマウスの背中に塗布し、15分および30分後に採血して分析に供した。分析の結果、テルビナフィンの血中濃度は、それぞれ0.14および0.13μg/mLであった。
実施例4.プロピレングリコールに溶かして塗布した場合のマウス試験による評価(1)
実施例4.プロピレングリコールに溶かして塗布した場合のマウス試験による評価(1)
テルビナフィン塩酸塩20mgをエタノール0.2mLに加えて加温溶解し、これをネロリドール100mgを溶かしたプロピレングリコール0.8mLに加えてよく撹拌する。こうして調製した試験薬剤50μLを、実施例2と同様にヘアレスマウスの背中に塗布し、30分後に採血して分析に供した。分析の結果、テルビナフィンおよびネロリドールの血中濃度は、それぞれ6.1および0.60μg/mLであった。
実施例5.プロピレングリコールに溶かして塗布した場合のマウス試験による評価(2)
実施例5.プロピレングリコールに溶かして塗布した場合のマウス試験による評価(2)
ネロリドールに代えてラベンダー油とパチュリ油を用い、実施例4と同様の試験を実施した。塗布15分後のテルビナフィンの血中濃度は、それぞれ0.18および0.16μg/mLであった。
Claims (4)
- ゲラニオール、リナロール、ネロリドール各植物精油成分、およびパルマローザ油、ラベンダー油、パチュリ油各植物精油の中から、いずれか1種類、または2種類以上を選んで抗真菌剤と組み合わせ、患部およびその周辺部位に直接投与することを特徴とする白癬の治療方法
- 請求項1に記載した白癬を、爪白癬および角質増殖型足白癬とする治療方法
- 請求項1に記載した抗真菌剤を、テルビナフィンとする白癬の治療方法
- 請求項2に記載した抗真菌剤を、テルビナフィンとする爪白癬および角質増殖型足白癬の治療方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008328700A JP2010126532A (ja) | 2008-11-28 | 2008-11-28 | 抗真菌剤の吸収促進 |
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ID=42327152
Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012144449A (ja) * | 2011-01-07 | 2012-08-02 | Nippon Nohyaku Co Ltd | ルリコナゾールの皮膚浸透性を向上させる配合処方 |
WO2016039229A1 (ja) * | 2014-09-12 | 2016-03-17 | マルハニチロ株式会社 | 抗真菌ペプチドとテルペンアルコールとを含有する抗真菌組成物 |
-
2008
- 2008-11-28 JP JP2008328700A patent/JP2010126532A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012144449A (ja) * | 2011-01-07 | 2012-08-02 | Nippon Nohyaku Co Ltd | ルリコナゾールの皮膚浸透性を向上させる配合処方 |
WO2016039229A1 (ja) * | 2014-09-12 | 2016-03-17 | マルハニチロ株式会社 | 抗真菌ペプチドとテルペンアルコールとを含有する抗真菌組成物 |
CN107073064A (zh) * | 2014-09-12 | 2017-08-18 | 玛鲁哈日鲁株式会社 | 含有抗真菌肽和萜烯醇的抗真菌组合物 |
CN110075271A (zh) * | 2014-09-12 | 2019-08-02 | 玛鲁哈日鲁株式会社 | 含有抗真菌肽和萜烯醇的抗真菌组合物 |
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