以下、本発明について添付図面に基づいて説明する。
添付図面に示す本発明の一例の身体洗浄装置1は、制御装置2と共に浴室4に設置されて浴室4用の身体洗浄装置1を構成するものである。そして利用にあたっては、図4に示すように、浴室4の洗い場を構成する洗い場構成部材5としてのエプロン5aに身体洗浄装置1の泡洗浄剤出口部13を取り付けて、この泡洗浄剤出口部13から泡身体洗浄剤を吐出し、この泡身体洗浄剤によって入浴者の身体や毛髪を洗浄できるようになっている。
図3に示すように浴室4は、床を構成する床パン7a、壁を構成する四方の壁パネル8、天井を構成する天井パネル9を備えたユニットバスルームから成っている。床パン7aの半部を構成する洗い場7と反対側の半部は浴槽設置部7bとしてあり、該浴槽設置部7b上には浴槽6を設置している。浴槽6の上端部にはフランジ10aを周設してあり、浴槽6のフランジ10aの四方の外側端面のうち洗い場7側を除く三方の外側端面を浴室4の壁に沿わせている。なお、浴槽6の洗い場7側は、図3及び図4に示すように、エプロン5aによって覆い隠されて、洗い場7を構成している。
身体洗浄装置1は上記浴槽6のフランジ10aに取り付けられて、該身体洗浄装置1と浴槽6とで浴槽装置を構成する。本実施形態の身体洗浄装置1は、3箇所に並べて設置してあり、シャンプー又はリンス又はボディーソープから成る各身体洗浄剤を、身体洗浄装置1ごとに入れて使用するようになっている。この身体洗浄装置1を取り付けるに当たって、浴槽6のフランジ10aには、平面視で洗い場7側の隅部に対応する部分に3つの身体洗浄装置1を取り付けるための3個の取付孔11a(図3及び図4参照)を並設してあり(すなわち、一つの身体洗浄装置1に対して一つの取付孔11aを使用)、本例では取付孔11aを形成した浴槽6のフランジ10aを、身体洗浄装置1が取り付けられる取付板10としている。
また、浴槽6のエプロン5aにおいても、後述する泡身体洗浄剤の出口となる泡洗浄剤出口部13を取り付けるための取付孔11bと、その取付孔11bの下方に配線用孔(図示せ)が穿孔されており、その取付孔11bと配線用孔が3つ水平方向に並んで穿設されている。
身体洗浄装置1は上記フランジ10aの取付孔11aを形成した部分の下方である浴槽6の側壁と、浴室4の壁と、エプロン5aとで囲まれた空間に配設されている。
図1及び図2に示すように、身体洗浄装置1は、液体状の身体洗浄剤を溜める剤タンク12と、身体洗浄剤に空気を混入することにより生成される泡身体洗浄剤の出口となる泡洗浄剤出口部13と、剤タンク12と泡洗浄剤出口部13とを接続する剤供給路14と、剤タンク12から供給された身体洗浄剤を加圧して泡洗浄剤出口部13側に送り出す剤供給路14の途中に設けたポンプ15と、剤供給路14を流れる身体洗浄剤に空気を混入する剤供給路14の途中に設けたエゼクター部16とを備えている。
剤タンク12にはシャンプーやボディーソープ(石鹸水)やリンス等といった入浴者の身体や毛髪を洗うために使用される液体状の洗浄原液を、水で5〜10倍に希釈して得た身体洗浄剤が貯留される。剤タンク12は横長でその長手方向の泡洗浄剤出口部13側の上面部に剤投入口部17が設けられており、剤タンク12の下面部には剤排出口部18が設けられている。
図5に示すように、剤投入口部17は剤タンク12の上面部から上方に突設して筒状に形成され、前記フランジ10aの取付孔11aの下方に位置する下側筒体17aと、取付孔11aに上方から挿入される上側筒体17bとで構成してある。下側筒体17aの内周面に形成した雌ねじ部と上側筒体17bの外周面に形成した雄ねじ部を螺合することで両者は接続してある。下側筒体17aの上部には下側挟持部20として鍔20aを周設してあり、また上側筒体17bの上部の外径は下部の外径よりも大径として大径部21aを形成してあり、該大径部21aを上側挟持部21としている。剤投入口部17は前述のように取付孔11aに上方から挿入した上側筒体17bの下部を下側筒体17aに螺合することで、下側挟持部20及び上側挟持部21でこの間のフランジ10aの取付孔11aの周縁部を挟持し、これによりフランジ10aに取り付けてある。
剤投入口部17を構成する上側筒体17bの上端部は浴槽6のフランジ10aよりも上方に突出し、フランジ10a上に流れる水等が剤投入口部17の上端開口から流入することを防止している。上側筒体17bの上端部には有蓋筒状の投入口キャップ23が着脱自在に取り付けられ、投入口キャップ23を取り外すことで剤投入口部17から剤タンク12内に身体洗浄剤を補充できるようになっている。投入口キャップ23の外周部の内面には爪部(図示せず)を形成してあり、投入口キャップ23で上側筒体17bの上端部を被嵌し、該投入口キャップ23を回転することで爪部を上側筒体17bの外周面に形成した係止溝(図示せず)に係脱自在に係止し、これにより投入口キャップ23は上側筒体17bに対して着脱自在となっている。
図5に示すように、投入口キャップ23を上側筒体17bの上端部に取付けた状態で投入口キャップ23の下端とフランジ10aの上面との間に隙間25aが形成される。またこの取付状態で、投入口キャップ23の外周部の内周面と上側筒体17bの上端部の外周面との間に隙間25bが形成されるように、投入口キャップ23の外周部の内径は上側筒体17bの上端部の外径よりもやや長くしている。また上側筒体17bの外周部の上端面には周方向に複数の突起24を形成してあり、投入口キャップ23を上側筒体17bの上端部に取付けた状態では、前記複数の突起24上に投入口キャップ23の上面部を載置され、これにより投入口キャップ23の上面部と上側筒体17bの上端部との間で、且つ、隣り合う突起24間には隙間25cが形成されようにしている。即ち本例では、上側筒体17bの上端部の外径よりもやや長い内径を有する投入口キャップ23の外周部で側隙間形成手段を構成し、前記複数の突起24で上隙間形成手段を構成している。
剤タンク12の内部は、隙間25c、25b、25aを順に介して外部(即ちフランジ10a上方の浴室4内)に連通している。即ち投入口キャップ23は剤投入口部17を完全な密閉状態で閉塞するものではなく、非密閉状態で剤投入口部17に被嵌されるようになっている。なお図5の27は剤投入口部17に着脱自在に設けたストレーナであり、該ストレーナ27により剤投入口部17から剤タンク12内に補充される身体洗浄剤に含まれるゴミ等を捕集できるようになっている。
ここで図1及び図2に示すように剤タンク12の上面部において剤投入口部17側と長手方向における反対側の部分は、剤投入口部17を設けた部分よりも一段高くなっており、これにより剤タンク12の剤投入口部17とは反対側の部分の上端部に、空気溜まり部28を形成している。空気溜まり部28は、剤タンク12の上面部の剤投入口部17を設けた部分よりも高い位置にあるため、剤投入口部17から剤タンク12に液体状の身体洗浄剤を一杯まで補充しても、空気溜まり部28には身体洗浄剤が充填されずに空気が溜まる部分となる。
空気溜まり部28は、剤投入口部17と反対側に行く程徐々に幅(剤タンク12の長手方向と平面視で直交する方向における寸法)を小さくした主部28と、主部28から剤投入口部17側に突出する排出口形成部28bとで構成してあり、排出口形成部28bの幅は主部28の排出口形成部28b側の端部の幅よりも短くしてある。この空気溜まり部28の排出口形成部28bの幅方向の側面部には空気排出口部29を設けてあり、該空気排出口部29は後述の剤供給路14の途中に設けた空気取込口部53に空気供給路55を介して連通するようになっている。
剤供給路14はポンプ15よりも上流側の上流側流路30と、ポンプ15よりも下流側の下流側流路31で構成してある。
上流側流路30は、剤タンク12の剤排出口部18とポンプ15の吸込口部15aを接続する流路であって、剤タンク12の下面部から下方に垂設してあり、該上流側流路30の下流端は剤タンク12よりも下方の位置でポンプ15の吸込口部15aに接続してある。つまり、上流側流路30及びポンプ15の吸込口部15aの上端は剤タンク12よりも下方に位置し、剤タンク12内に貯留された身体洗浄剤が剤タンク12とポンプ15の吸込口部15aの落差を利用してポンプ15の吸込口部15aに供給されるようになっている。従って、身体洗浄剤を泡洗浄剤出口部13に送り出すためのポンプ15を、本例のように非自吸式ポンプとすることができ、これによりポンプ15の小型化及びコストダウンを実現できる。また上流側流路30は剤タンク12の下面部から下方に垂設したものであるので、該上流側流路30において身体洗浄剤に含まれる空気は剤タンク12側に抜けやすく、ポンプ15のエア噛みが防止されている。
上流側流路30は、縦管32、センサケース34、エゼクター管35で構成されている。縦管32の上端部は剤タンク12の剤排出口部18に連通接続してある。図6に示すようにセンサケース34の内部には有底縦筒状の流路構成部36を形成してあり、該流路構成部36の上端部はセンサケース34の上面部に設けた接続用キャップ33を介して縦管32の下端部に連通接続してあり、また流路構成部36の下端部の側面部にはエゼクター管接続口部37を形成している。
センサケース34の流路構成部36は縦管32の内径よりも大径に形成してあり、該流路構成部36内には、身体洗浄剤の水位を検出する水位センサ38を配置している。水位センサ38は流路構成部36の底面部に形成したセンサ取付用孔部39に下端部を水密的に取り付けて固定してある。水位センサ38はフロートセンサからなり、流路構成部36の底面部から上方に突出する柱状部40と、柱状部40に上下に移動自在に設けた浮子41を備えている。柱状部40のエゼクター管接続口部37よりも上方に位置する部分にはリードスイッチ(図示せず)を内蔵している。リードスイッチは浮子41がリードスイッチと同レベルに位置した際に該浮子41に設けた磁石(図示せず)の磁力によりON/OFFが切り替えられるものであり、制御装置2はこのリードスイッチのON/OFFにより流路構成部36内の身体洗浄剤の水位が所定レベル以下であるか否かを検知し、流路構成部36に連通する剤タンク12内が空であるか否かを検知する。
センサケース34の泡洗浄剤出口部13側の外側面には、連結用筒部42を一体に突設している。連結用筒部42の内側には前述のエゼクター管接続口部37が設けてあり、該エゼクター管接続口部37には略横管状のエゼクター管35の一端部を連通接続している。エゼクター管35の他端部は連結用筒部42の端部開口から外側方に突出して、ポンプケース44に収納したポンプ15の吸込口部15aに連通接続してあり、これにより上流側から順に設けた縦管32、接続用キャップ33の内側に形成された流路部、流路構成部36、エゼクター管35で上流側流路30が構成される。
エゼクター管35の内部には上流側流路30の一部を構成する絞り部51を形成している。絞り部51は下流側に行く程径が小さくなるテーパー筒状に形成してあり、絞り部51の外周面とエゼクター管35の内周面との間には環状の空間52を形成している。エゼクター管35の上面部には、空間52に連通するエゼクター部16として空気取込口部53を形成している。空気取込口部53にはセンサケース34に設けた空気取込管54の一端を連結用筒部42内において接続してあり、空気取込管54の他端はセンサケース34の連結用筒部42に設けた孔部78を貫通して上方に突出している。センサケース34から上方に突出した空気取込管54の他端は、図1の一点鎖線で示したホースを介して剤タンク12の空気排出口部29に連通接続してあり、即ちエゼクター管35に設けた空気取込口部53は、空気取込管54及びホースから成る空気供給路55を介して剤タンク12の空気排出口部29に接続され、これによりエゼクター管35内の空間52は空気溜まり部28に連通する。
上記によりポンプ15を駆動した場合には、エゼクター管35内の身体洗浄剤の流れにより絞り部51の先端近傍で負圧が発生し、この負圧により剤タンク12の空気溜まり部28にある空気が空気供給路55を介してエゼクター管35内に供給されると共に、浴室4内の空気が前述の投入口キャップ23及びフランジ10a間の隙間25a、投入口キャップ23と剤投入口部17との間に形成した25b、25c、剤投入口部17を順に介して剤タンク12内に供給される。このとき、エゼクター管35はいわゆるベンチュリー管形状となっているから、縮径部での減圧環境と、拡径部での高圧環境と、を順に流れることとなり、この身体洗浄剤は急激な圧力変動を受ける。これにより、エゼクター管の下流側の拡径部での高圧環境による加圧によって、気泡が分割されて微細気泡が得られるようになっている。この結果、エゼクター管35内を流れる空気取込口部53からの空気が混合された身体洗浄剤は、微細気泡状態の身体洗浄剤(つまり泡身体洗浄剤)となり、この微細気泡状態の身体洗浄剤(泡身体洗浄剤)がポンプ15側に送られるようになる。
ポンプ15は前述したように非自吸式ポンプであり、尚且つ非防水ポンプである。ポンプ15は非防水ポンプであるが故に、図1及び図6に示すように防水用のポンプケース44内に収納してあり、これにより周囲の浴室4内の環境と遮断して水や湿気によるポンプ15の故障を防止している。なおこのポンプ15としてはインペラ式、ダイヤフラム式、プランジャ式などのいずれのタイプのポンプを用いても良いが、好ましくは泡身体洗浄剤を攪拌する機能を備えたインペラ式やダイヤフラム式のポンプを用いて、吐出される泡身体洗浄剤に含まれる気泡をより微細化するのが良い。泡身体洗浄剤に含まれる気泡の径を微細化すると、気泡の表面積が大きくなって汚れに対する接触効率が高まり洗浄力が高まるという利点があるからであり、より好ましくは上記インペラ式やダイヤフラム式ポンプを採用して、気泡の径を10〜100μmの範囲で且つボイド率が50〜80%の泡身体洗浄剤(いわゆる、マイクロバブル)を吐出するのが良い。
図6に示すようにポンプ15の側面に設けた吸込口部15aに対向するポンプケース44の外側面部の下部には連通孔57を形成してあり、センサケース34から突出したエゼクター管35の端部はこの連通孔57を挿通してポンプ15の吸込口部15aに接続してある。ポンプケース44の外側面部の連通孔57の周縁部にはセンサケース34の連結用筒部42の外周面に周設した鍔部58をねじ具59(図2参照)により固着してあり、これによりセンサケース34はポンプケース44に取り付けてある。
下流側流路31はポンプ15の吐出口部15bと泡洗浄剤出口部13を接続する流路であって、ポンプケース44の上面部に貫設したポンプケース44とは別体の接続口部63と、該接続口部63と浴槽6のエプロン5aに設けた泡洗浄剤出口部13を連通接続する下流側管64とで構成してある。接続口部63の上流側はポンプ15の上面に設けた吐出口部15bにポンプケース44内において連通接続してある。なお、ポンプケース44の上面部と接続口部63の接続部分や、センサケース34とポンプケース44の接続部分はシール材などを用いて密閉しており、これによりポンプケース44の内側空間は連通孔57と後述の連通孔部60を除いて密閉されている。
ポンプケース44のセンサケース34と反対側の外側面部の上部には連通孔部60を形成している。連通孔部60にはフレキシブルなホースから成る接続管61の一端部を接続してあり、図8に示すように接続管61の他端部は浴室4の壁に貫設した外部連通管19の浴室4側に連通接続している。なお接続管61をフレキシブルなホースで構成したのは、外部連通管19の施工位置が現場毎に異なった場合や、近傍に給湯管などが存在する場合に対応するためであり、これにより接続管61の施工は容易なものとなっている。
また図6のように、ポンプケース44の内側空間は上記連通孔部60よりも下方に位置する連結用筒部42を介してセンサケース34内に形成した排水用空間部45に連通しており、該排水用空間部45は連結用筒部42を除いて密閉状態とした空間を形成している。排水用空間部45はセンサケース34の下部に形成してあり、詳しくは、センサケース34内において流路構成部36の底部とセンサケース34の下面部の間に形成している。排水用空間部45の底面を構成するセンサケース34の下面部には、挿通用孔部46を設けている。水位センサ38は、挿通用孔部46及びセンサ取付用孔部39を介してセンサケース34の流路構成部36内に挿入され、センサ取付用孔部39に取り付けられる。挿通用孔部46には、該孔部46を閉塞してセンサケース34の下面部の一部を構成する蓋47を着脱自在に取り付けている。
蓋47の中央部には上下に貫通する水抜孔48を穿設してあり、該水抜孔48は連通孔部60及び連結用筒部42よりも下方に位置して、弾性変形可能な水抜弁50により閉塞されている。水抜弁50は通常時は自身の弾性により閉じた状態を維持し、この状態では排水用空間部45に連通するポンプケース44の内側空間は連通孔部60を除いて密閉状態となる。従ってポンプケース44の内側空間は、周囲の浴室4内の環境と遮断されて防水性が確実に保たれている。またポンプケース44内には、剤供給路14内の身体洗浄剤が漏れ出し、この身体洗浄剤がポンプケース44内及びこれに連通する排水用空間部45に溜まってポンプ15を故障させる恐れがあるが、この場合には排水用空間部45に溜まった身体洗浄剤の液圧により、水抜弁50が弾性変形して開くように設定してある。従って万一ポンプケース44内に身体洗浄剤が漏れ出したとしても、この身体洗浄剤を水抜弁50を介してセンサケース34の外部に排出でき、これにより液漏れによるポンプ15の故障を防止できる。なお水抜弁50から排出した身体洗浄剤はセンサケース34の下方の床パン7aの浴槽設置部7b上に落下し、浴槽設置部7bに設けた排水口(図示せず)から排水されるようになっている。
図4に示すように浴室の洗い場を構成する一構成部材である浴槽6のエプロン5aに設けた泡洗浄剤出口部13は洗い場7側に臨んで設置してあり、この泡洗浄剤出口部13は吐出口66が洗い場7側突出して設けられた出口部カバー65により覆われている。詳しくは、以下のようにして設置される。
図7に示すように、泡洗浄剤出口部13は、浴槽6のエプロン5aに設けられた取付孔11b部分の浴槽6側に位置する外側筒状体13aと、取付孔11bに洗い場7側から挿入される内側筒状体13bとで構成してあり、外側筒状体13aの内周面に形成した雌ねじ部と、内側筒状体13bの外周面に形成した雄ねじ部とを螺合することで両者は接続してある。外側筒状体13aの洗い場7側の端部には鍔68を周設してあり、また内側筒状体13bの洗い場7側の外径は浴槽6側の外径よりも大径とした大径部69を形成している。泡洗浄剤出口部13は、前述のように取付孔11bに洗い場7側から挿入した内側筒状体13bの浴槽6側の端部を、外側筒状体13aと螺合することで、鍔68及び大径部69でこの間のエプロン5aの取付孔11bの外縁部分を挟持し、これによりエプロン5aに取り付けるようになっている。
泡洗浄剤出口部13を構成する内側筒状体13bの浴槽6側の端部には、外側筒状体13aよりも浴槽6側に突出する下流側管接続口部70を形成してあり、該下流側管接続口部70に下流側管64を接続してある。また、内側筒状体13bの洗い場7側の端面には、Oリング71が嵌め込まれており(図1参照)、出口部カバー65を取り付けた状態では、内側筒状体13bから吐出される泡身体洗浄剤が吐出口66へ至るまでに外部に漏れないようにシールするようになっている。
このように構成された泡洗浄剤出口部13を覆う出口部カバー65は、上部に泡身体洗浄剤が吐出される吐出口66が設けられており、下部にはポンプ15を駆動させるための操作部68が設けられている。
この吐出口66は、浴槽6に設けられたエプロン5aから洗い場7側に向けて突設してあり、泡身体洗浄剤は下方に向けて吐出されるようになっている。また、出口部カバー65の吐出口66の背面側には、エプロン5aから突出している泡洗浄剤出口部13の一部分(つまり、内側筒状体13bの大径部69)を収容することのできる収容凹所67が設けられている。この収容凹所67の略中央部には、前面に設けられた吐出口66と連通した孔が穿設されており、収容凹所67に内側筒状体13bの大径部69が収まった状態で、該収容凹所67の底部(即ち、収容凹所67の洗い場7側の側面)に前記Oリング71が当接して押しつぶされると共に、ポンプ15から吐出口66まで連通するようになっている。
本実施形態の操作部68は、押している間だけポンプ15を駆動させ、手を放すと元の状態に戻ると共にポンプ15の駆動を停止させる、いわゆるモーメンタリ型のプッシュスイッチを採用している。この操作部68のプッシュスイッチ68aは平面視矩形状で形成されており、浴槽6のエプロン5aに設けた泡洗浄剤出口部13の取付孔11bの下方に設けた配線用孔に、そのプッシュスイッチ68aの電気配線を挿通して引き出せるようになっている。このプッシュスイッチ68aの電気配線は、浴室4の天井裏に設けた制御装置2に接続され、この制御装置2においてポンプ15の駆動を制御するようになっている。
このような出口部カバー65は、上記のように、エプロン5aに取り付けられた泡洗浄剤出口部13を覆うようにして取り付けられる。詳しくは、出口部カバー65の収容凹所67をエプロン5aから突出した内側筒状体13bの大径部69に嵌め込むようにして出口部カバー65を配設し、エプロン5aと出口部カバー65はねじ等の固着具によって螺合して固設されている。このとき、出口部カバー65の背面の外周部にはパッキンが配設してあるため、エプロン5aと出口部カバー65を固着具によって螺合して固設することで、出口部カバー65とエプロン5aとで囲まれる空間は水密状態となり、操作部68の電気配線の保護が図られている。
ここで、上記ポンプケース44内のポンプ15及びセンサケース34内の水位センサ38の夫々に接続した電気配線79は、接続管61及び外部連通管19を介して浴室4の壁裏に引き出され、図3に示すように、浴室4の天井裏に設けた制御装置2に接続される。ここで図6に示すポンプ15を収納したポンプケース44の内側空間は外部連通管19を介して浴室4の外部に連通しているので、ポンプケース44内は浴室4の外部と同環境、即ち浴室4内のように湿気を含まず乾燥した状態となり、これにより非防水式のポンプ15及びポンプ15に接続される電気配線79の保護が図られている。なお水位センサ38に接続した電気配線はセンサケース34の排水用空間部45から連結用筒部42を介してポンプケース44内に導入され、この後、接続管61及び外部連通管19を介して浴室4の壁裏に引き出される。本実施形態の身体洗浄装置1は、3箇所に並んで設置してあるから、浴室4の壁裏に引き出された各身体洗浄装置1の各電気配線79は、集合して纏められ、制御装置2に接続するようにしている。
制御装置2は浴室4のエプロン5aに設けた操作部68や、浴室4の壁面に設けた表示部3や、浴室4の隣室等に設けた主電源スイッチ72を介して電源に接続してある。また制御装置2は水位センサ38により流路構成部36内の身体洗浄剤の水位が所定レベル以下であることを検知した場合には、ポンプ15を強制停止すると共に、表示部3に設けたランプにより剤タンク12内の身体洗浄剤が空になったことを報知する。なおこの報知手段としては前記表示部3に限定されるものではなく、音声などであっても良い。また制御装置2はタイマーにより身体洗浄装置1の連続使用時間(即ちポンプ15の運転時間)が所定時間を越えることでもポンプ15を強制停止するように設定してあり、即ちポンプ15は水位センサ38とタイマーとで空運転が二重に防止されている。
上記身体洗浄装置1を用いて、入浴者が体を洗ったり毛髪を洗ったりするには、浴槽6のエプロン5aに設けた泡洗浄剤出口部13の下方に設けられた操作部68としてのプッシュスイッチ68aを押下してポンプ15の運転を開始させる。ポンプ15を運転すると、前述したように剤タンク12内の身体洗浄剤が上流側流路30に流れると共に、エゼクター部16からこの身体洗浄剤に空気が混入されてマイクロバブルとなり、次にポンプ15及び下流側流路31を経て泡洗浄剤出口部13に至り、この後、浴室4の洗い場7に向けて吐出口から吐出される。
本実施形態の身体洗浄装置1は、図3及び図4に示すように、浴槽6のエプロン5aに操作部68を並べて設置してあり、エプロン5aに向かって右からシャンプー用、リンス用、ボディーソープ用の泡洗浄剤出口部13(吐出口66)が並設されている。つまり、入浴者が身体や毛髪を洗浄するに当たり、シャンプーやリンスやボディーソープのうちから選択して操作部68を操作することにより、所望の泡身体洗浄剤が各泡洗浄剤出口部13(吐出口66)から吐出される。この吐出口66から吐出された泡身体洗浄剤を手やスポンジ等に取り、これにより毛髪を洗ったり、身体を洗ったりすることができる。
図1に示すように上記身体洗浄装置1は、構成する部品、即ち剤投入口部17、剤タンク12、縦管32、センサケース34、連結用筒部42、エゼクター管35、ポンプケース44、ポンプ15、下流側管64、接続管61、泡洗浄剤出口部13等は全て一体的に連結してあり、これにより身体洗浄装置1は全体が一つのユニットとなっている。
そして身体洗浄装置1は工場などの現場へ搬送される前の段階で予め組み立てられた状態で上記のようにユニット化され、このユニット化された身体洗浄装置1を現場で設置するようにしてある。つまり上記ユニット化された身体洗浄装置1を浴槽6のフランジ10a(取付板10)に取り付けるには、剤投入口部17を、既述の下側筒体17aと上側筒体17bの螺合により、フランジ10aの取付孔11aに取り付けて、ユニット化された身体洗浄装置1をフランジ10aに吊下げる。本実施形態の身体洗浄装置1は、3箇所に並設して設置してあるから、このようにユニット化してあることで簡単に設置することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態の身体洗浄装置1を浴室4に設置することによって、従来のシャンプーやボディーソープ等をいれたボトル容器を浴室4内に置いておく必要がなくなり、その上、浴室4内には操作部68と吐出口66とがコンパクトに整然と並べて設置されているから、浴室4の外観における高級感を損なうことがない。また、従来のように上方から下方に向けて頭部を押し下げてシャンプー等を吐出させるポンピング式のボトル容器においては、シャンプー等を使用する度に頭部の押し下げを繰り返す必要があり、しかも、シャンプー等の残量が少なくなると押し下げる作業を何度も繰り返す必要があり、非常に煩わしいものであった。しかし、本発明のような身体洗浄装置1は、操作部68を設けてポンプ15を駆動するようにしているので、操作部68をワンタッチで押下させることができ、従来のような煩わしさを解消することができる。
また、本実施形態の身体洗浄装置1は、微細気泡による泡身体洗浄剤を使用して、入浴者の身体や毛髪を洗浄することができるから、従来のものよりも洗浄効果が高い。
なお上記ユニット化された身体洗浄装置1は剤投入口部17のみで支持するものであっても良いし、剤投入口部に加えて図9に示すように浴室4の壁に支持金具81を取り付け、この支持金具81で補助的に身体洗浄装置1を支持しても良い。またこの場合は身体洗浄装置1をバランス良く支持するために、図9のように支持金具81で剤タンク12の剤投入口部17と反対側の端部及びポンプケース44を支持するのが良い。なお図9の82はスペーサである。また上記実施形態では身体洗浄装置1が取り付けられる取付板10を浴室4に設置した浴槽6のフランジ10aで構成したが、取付板10はこれに限定されるものではなく、例えば浴室4の壁に設けられるカウンタ80(図4参照)の上面部などであっても良い。
さらに、本実施形態においては、泡洗浄剤出口部13を洗い場構成部材5の一例としてのエプロン5aに固設したが、その泡洗浄剤出口部13は洗い場7側に臨んでいれば、エプロン5aでなくても良く、特に限定されない。また、操作部68は吐出口66の近くに設けてあるが、浴室4内に設置してあれば良く、望ましくは、入浴者が洗い場7を使用する際に手の届き易い場所、例えば、カウンタ80の洗い場7側の面に設置しても良い。