JP2010124282A - アンテナコイル - Google Patents

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義孝 齋藤
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Abstract


【課題】 無線タグや非接触ICカード、あるいはRFID機能を具備した、携帯電話等の携帯電子機器等が、リーダライタ等と非接触で通信を行う際、前記リーダライタから発生した磁束を十分に捕らえ、小型でかつ高感度の通信が可能なアンテナコイルを提供する。
【解決手段】 長手方向の少なくとも一つの端部に、厚さ方向に突出する凸部110を有した、二つの同形状の平板状の第一の磁性体コア102および第二の磁性体コア103を具備し、各々の胴体部に、巻回数が同一で巻回方向が逆方向の、第一のコイル部104および第二のコイル部105を設け、前記第一の磁性体コア102の、前記凸部110を有した長手方向の前記端部と、前記第二の磁性体コア103の、前記凸部110を有した長手方向の前記端部との間に間隙部106を設けて相対させ、前記第一のコイル部104と前記第二のコイル部105のコイルの軸方向が一致するように並置して構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、外部機器と非接触で通信を行う、無線タグや非接触ICカード、あるいはRFID機能を具備した、携帯電話等の携帯電子機器等に用いられるアンテナコイルに関する。
近年、ユビキタス社会に向けた根幹技術として、RFID(Radio Frequency Identification)技術が注目されている。RFID技術は、無線等により、外部機器(以下、リーダライタという)と、無線タグや非接触ICカード等とが非接触で情報のやりとりを行なうものであり、日本国内においては、電波法で規定された、13.56MHz帯、あるいは2.45GHz帯の周波数を搬送波周波数として用いた無線通信技術が開発されている。そして、これら周波数帯に対応したRFID用のアンテナコイルに関する技術開発も進展している。特に、RFID機能を具備した、携帯電話等の携帯電子機器においては、これに搭載される、小型でかつ高感度の通信用アンテナコイルの要求が高まってきている。
RFID機能を具備した、携帯電話等の携帯電子機器については、例えば特許文献1、あるいは特許文献2に、RFID用のアンテナコイルを、携帯電子機器の内部に配設した構成のものが開示されている。
図7は、従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置を示す斜視図である。図7は、特許文献1に記載されている、従来のアンテナコイル301を用いたアンテナ装置300を示すものである。
図7に示すように、アンテナ装置300は、矩形状の回路基板307と、前記回路基板307上に実装された従来のアンテナコイル301とから構成されている。前記従来のアンテナコイル301は、磁性体コア302と、前記磁性体コア302の長手方向の中央部に、コイル部を有しない非巻回部を設けるとともに、第一のコイル部304および第二のコイル部305を、前記磁性体コア302の両端部の各々に設け、かつ前記第一のコイル部304の巻回方向と前記第二のコイル部305の巻回方向が互いに異なるよう構成したものである。
また、前記従来のアンテナコイル301は、前記磁性体コア302の軸方向、すなわち前記磁性体コア302の長手方向が、前記回路基板307の短手方向と平行になるよう配置され、前記回路基板307の短手方向に平行な磁束が、前記アンテナコイル301に鎖交するよう構成されている。この構成により、携帯電子機器(図示せず)とリーダライタ(図示せず)とが通信する際、前記アンテナ装置300が配設された前記携帯電子機器の主面、すなわち前記リーダライタと相対する面を、前記リーダライタの主面、すなわち前記携帯電子機器と相対する面に対して平行になるようにかざすと、前記リーダライタの主面から発生した、前記携帯電子機器の主面に対し垂直に向かう磁束を、前記磁性体コア302が誘導し、前記磁束を前記アンテナコイル301の前記第一のコイル部304および前記第二のコイル部305の各々に鎖交させることができる。したがって、前記携帯電子機器と前記リーダライタは良好に通信できるとしている。
さらに、前記従来のアンテナコイル301は、前記磁性体コア302の長手方向の長さをL、前記磁性体コア302の軸方向の中心線を前記回路基板307上に投影した仮想線と、前記回路基板307の外周との二つの交点の間の距離、すなわち前記回路基板307の短手方向の幅をMとしたとき、M≧L≧0.8Mを満たすようにすることで、前記磁性体コア302の磁気抵抗が低減され、前記磁性体コア302の軸方向と直交する向きの磁束を、前記アンテナコイル301の前記第一のコイル部304および前記第二のコイル部305の各々に集中通過させ、より効果的に鎖交させることができ、通信感度をさらに高めることができるとしている。
図10は、従来の他のアンテナコイルを用いたアンテナ装置を示す斜視図である。図10は、特許文献2に記載されている、従来のアンテナコイル401を用いたアンテナ装置400を示すものである。
図10に示すように、アンテナ装置400は、矩形状の回路基板407と、前記回路基板407上に実装された従来のアンテナコイル401とから構成されている。前記従来のアンテナコイル401は、平板状の第一の磁性体コア402と、平板状の第二の磁性体コア403と、フレキシブル基板409からなり、前記フレキシブル基板409は、コの字形状のシート状体であって、かつ前記コの字形状のシート状体の第一の端部の表面および前記コの字形状のシート状体の第二の端部の表面の双方に、第一の導体および第二の導体が形成されたものであり、前記第一の磁性体コア402および前記第二の磁性体コア403を、一定の間隙をおいて並置し、かつ前記第一の磁性体コア402および前記第二の磁性体コア403に対し、前記第一の磁性体コア402の表面に前記第一の導体が覆うように、および前記第二の磁性体コア403の表面に前記第二の導体が覆うように、前記フレキシブル基板409の両端部を巻装して、第一のコイル部404および第二のコイル部405が形成されるよう構成したものである。
さらに、前記従来のアンテナコイル401は、前記フレキシブル基板409の前記第一の導体からなる前記第一のコイル部404のコイルの軸方向と、前記フレキシブル基板409の前記第二の導体からなる前記第二のコイル部405のコイルの軸方向とが一致し、かつ前記第一のコイル部404の巻回方向と、前記第二のコイル部405の巻回方向とが互いに逆方向となるよう構成したもので、前記第一のコイル部404と前記第二のコイル部405は、前記フレキシブル基板409に形成された接続導体を介して接続するよう構成したものである。
また、前記従来のアンテナコイル401は、前記アンテナコイル401のコイルの軸方向の長さをA、前記第一の磁性体コア402と前記第二の磁性体コア403の間の距離をBとしたとき、0.6A≧B≧0.4Aを満たすようにすることで、携帯電子機器(図示せず)とリーダライタ(図示せず)とが通信する際、前記アンテナ装置400が配設された前記携帯電子機器の主面を、前記リーダライタの主面に対して平行になるようにかざすと、前記リーダライタの主面から発生した、前記携帯電子機器の主面に対し垂直に向かう磁束を、前記第一の磁性体コア402および前記第二の磁性体コア403が誘導し、前記磁束を前記アンテナコイル401の前記第一のコイル部404および前記第二のコイル部405の各々に鎖交させることができる。したがって、前記携帯電子機器と前記リーダライタは良好に通信できるとしている。
さらに、前記従来のアンテナコイル401は、前記アンテナコイル401のコイルの軸方向の長さをA、前記コイルの軸方向の前記アンテナコイル401の中心線を、前記アンテナコイル401が実装される矩形状の前記回路基板407上に投影した仮想線と、前記回路基板407の外周との二つの交点の間の距離、すなわち前記回路基板407の短手方向の幅をCとしたとき、C≧A≧0.8Cを満たすようにすることで、前記第一の磁性体コア402および第二の磁性体コア403の磁気抵抗が低減され、前記第一の磁性体コア402および第二の磁性体コア403の軸方向と直交する向きの磁束を、前記アンテナコイル401の前記第一のコイル部404および前記第二のコイル部405の各々に集中通過させ、より効果的に鎖交させることができ、通信感度をさらに高めることができるとしている。
特開2008−035464号公報 特開2008−048376号公報
一般に、図7または図10に示したような、従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置が、携帯電子機器の内部に配設される場合、前記アンテナ装置は、前記携帯電子機器の主面と、前記アンテナ装置を構成する回路基板上に実装された前記アンテナコイルの長手方向とが、平行になるように配設される。また、前記携帯電子機器を使用するユーザーは、内部に前記アンテナ装置が配設された、前記携帯電子機器の主面を、リーダライタの主面に対して平行になるようにかざして、前記携帯電子機器と前記リーダライタとの通信を行なう。
図8は、アンテナ装置の主面とリーダライタの主面が平行して正対する場合の、従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の側断面の一例、およびリーダライタの主面から発生した磁束経路の一例を示す図である。また、図中の矢印は磁力線の方向を示している。
図8は、図7に示した従来のアンテナコイル301を用いたアンテナ装置300に係り、携帯電子機器(図示せず)の主面と、リーダライタ308の主面とが平行となる場合、すなわち前記アンテナ装置300の長手方向と前記リーダライタ308の主面とが平行となる場合、さらに換言すれば、前記アンテナ装置300を構成する回路基板307上に実装された前記アンテナコイル301の長手方向と、前記リーダライタ308の主面とが平行となる場合の状態を示している。なお、ここで表記した前記アンテナ装置300の主面とは、前記回路基板307上で前記アンテナコイル301が実装されている面側のことを指す。
図8に示すように、リーダライタ308の主面から発生した磁束φは、アンテナ装置300に対してほぼ垂直に向かう。前記磁束φのうち、前記アンテナ装置300の中央部に向かう磁束φは、アンテナコイル301を構成する磁性体コア302によって誘導され、前記磁性体コア302の内部を進行する。すなわち前記磁束φは、前記磁性体コア302の中央部から、前記磁性体コア302の長手方向の一方の向きと、前記磁性体コア302の長手方向の他方の向きの二手に分かれ、進行方向をほぼ90度曲げて進行する。この結果、二手に分かれた前記磁束φは、第一のコイル部304および第二のコイル部305の各々に対してほぼ均等に鎖交することができる。
このように、図7に示したアンテナ装置300の長手方向とリーダライタ308の主面とが平行となる場合、すなわちアンテナコイル301の長手方向とリーダライタ308の主面から発生した磁束φとが直交する場合であっても前記磁束φを捕らえ、前記アンテナコイル301は、携帯電子機器とリーダライタ308との通信を確保するのに十分な鎖交磁束を得ることができる。
図11は、アンテナ装置の主面とリーダライタの主面が平行して正対する場合の、従来の他のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の側断面の一例、およびリーダライタの主面から発生した磁束経路の一例を示す図である。また、図中の矢印は磁力線の方向を示している。
図11は、図10に示した従来のアンテナコイル401を用いたアンテナ装置400に係り、携帯電子機器(図示せず)の主面と、リーダライタ408の主面とが平行となる場合、すなわち前記アンテナ装置400の長手方向と前記リーダライタ408の主面とが平行となる場合、さらに換言すれば、前記アンテナ装置400を構成する回路基板407上に実装された前記アンテナコイル401の長手方向と、前記リーダライタ408の主面とが平行となる場合の状態を示している。なお、ここで表記した前記アンテナ装置400の主面とは、前記回路基板407上で前記アンテナコイル401が実装されている面側のことを指す。
図11に示すように、リーダライタ408の主面から発生した磁束φは、アンテナ装置400に対してほぼ垂直に向かう。前記磁束φのうち、前記アンテナ装置400の中央部に向かう磁束φは、アンテナコイル401を構成する、第一の磁性体コア402および第二の磁性体コア403によって誘導され、前記第一の磁性体コア402および前記第二の磁性体コア403の内部を進行する。すなわち前記磁束φは、前記アンテナコイル401の中央部から、前記第一の磁性体コア402の長手方向の向きと、前記第二の磁性体コア403の長手方向の向きの二手に分かれ、進行方向をほぼ90度曲げて進行する。この結果、二手に分かれた前記磁束φは、第一のコイル部404および第二のコイル部405の各々に対してほぼ均等に鎖交することができる。
このように、図10に示したアンテナ装置400の長手方向とリーダライタ408の主面とが平行となる場合、すなわちアンテナコイル401の長手方向とリーダライタ408の主面から発生した磁束φとが直交する場合であっても前記磁束φを捕らえ、前記アンテナコイル401は、携帯電子機器とリーダライタ408との通信を確保するのに十分な鎖交磁束を得ることができる。
ところが、従来のアンテナコイルからなるアンテナ装置を内部に配設した携帯電子機器を使用するユーザーが、前記携帯電子機器の主面を、リーダライタの主面に対して平行にかざさないで使用し、前記携帯電子機器の主面と前記リーダライタの主面とが、ある角度をもって正対している場合、前記アンテナコイルを構成する第一のコイル部および第二のコイル部を鎖交する磁束が均等に配分されず、前記アンテナコイルが、前記携帯電子機器との通信を確保するのに十分な鎖交磁束を得ることができないという問題がある。
図9は、アンテナ装置の主面とリーダライタの主面がある角度をもって正対する場合の、従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の側断面の一例、およびリーダライタの主面から発生した磁束経路の一例を示す図である。また、図中の矢印は磁力線の方向を示している。
図9は、図7に示した従来のアンテナコイル301を用いたアンテナ装置300に係り、携帯電子機器(図示せず)の主面と、リーダライタ308の主面とが、ある角度をもって正対している場合、すなわち前記アンテナ装置300の長手方向と前記リーダライタ308の主面とがある角度をもって正対している場合、さらに換言すれば、前記アンテナ装置300を構成する回路基板307上に実装された前記アンテナコイル301の長手方向と、前記リーダライタ308の主面とが、ある角度をもって正対している場合の状態を示している。
図9に示すように、リーダライタ308から発生した磁束φと、アンテナ装置300を構成するアンテナコイル301の長手方向とは直交しない。したがって、前記磁束φは、前記アンテナコイル301を構成する磁性体コア302の中央部から、前記磁性体コア302の長手方向の一方の向きと、前記磁性体コア302の長手方向の他方の向きの二手に分かれて、前記磁性体コア302の内部を進行するが、傾斜した前記磁性体コア302の上方に向かい、前記アンテナコイル301を構成する第一のコイル部304に鎖交する磁束φと、傾斜した前記磁性体コア302の下方に向かい、前記アンテナコイル301を構成する第二のコイル部305に鎖交する磁束φの各々は、均等とはならない。
すなわち前記リーダライタ308から発生した磁束φは、前記アンテナコイル301が傾斜、つまり前記磁性体コア302が傾斜したことによって、傾斜した前記磁性体コア302の上方へ向かう方が通り易いため、前記磁性体コア302の下方へはほとんど通らない。この結果、前記第一のコイル部304に鎖交する磁束φの量が、前記第二のコイル部305に鎖交する磁束φの量を上回り、前記第一のコイル部304に鎖交する鎖交磁束と、前記第二のコイル部305に鎖交する鎖交磁束とのバランスが崩れ、前記アンテナコイル301の通信感度の低下を招く可能性がある。そのため携帯電子機器とリーダライタ308とが、通信できなくなるという問題があった。
図12は、アンテナ装置の主面とリーダライタの主面がある角度をもって正対する場合の、従来の他のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の側断面の一例、およびリーダライタの主面から発生した磁束経路の一例を示す図である。また、図中の矢印は磁力線の方向を示している。
図12は、図10に示した従来のアンテナコイル401を用いたアンテナ装置400に係り、携帯電子機器(図示せず)の主面と、リーダライタ408の主面とが、ある角度をもって正対している場合、すなわち前記アンテナ装置400の長手方向と前記リーダライタ408の主面とがある角度をもって正対している場合、さらに換言すれば、前記アンテナ装置400を構成する回路基板407上に実装された前記アンテナコイル401の長手方向と、前記リーダライタ408の主面とが、ある角度をもって正対している場合の状態を示している。
図12に示すように、リーダライタ408から発生した磁束φと、アンテナ装置400を構成するアンテナコイル401の長手方向とは直交しない。したがって、前記磁束φは、前記アンテナ装置400の中央部から、前記アンテナコイル401を構成する第一の磁性体コア402の長手方向の向きと、前記アンテナコイル401を構成する第二の磁性体コア403の長手方向の向きの二手に分かれて、前記第一の磁性体コア402および前記第二の磁性体コア403の内部を進行するが、傾斜した前記アンテナコイル401の上方にある前記第一の磁性体コア402の方に向かい、前記アンテナコイル401を構成する第一のコイル部404に鎖交する磁束φと、傾斜した前記アンテナコイル401の下方にある前記第二の磁性体コア403の方に向かい、前記アンテナコイル401を構成する第二のコイル部405に鎖交する磁束φの各々は、均等とはならない。
すなわち前記リーダライタ408から発生した磁束φは、前記アンテナコイル401が傾斜したことによって、傾斜した前記アンテナコイル401の上方にある前記第一の磁性体コア402へ向かう方が通り易いため、前記アンテナコイル401の下方にある前記第二の磁性体コア403へはほとんど通らない。この結果、前記第一のコイル部404に鎖交する磁束φの量が、前記第二のコイル部405に鎖交する磁束φの量を上回り、前記第一のコイル部404に鎖交する鎖交磁束と、前記第二のコイル部405に鎖交する鎖交磁束とのバランスが崩れ、前記アンテナコイル401の通信感度の低下を招く可能性がある。そのため携帯電子機器とリーダライタ408とが、通信できなくなるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、無線タグや非接触ICカード、あるいはRFID機能を具備した携帯電子機器等と、リーダライタ等との間で、非接触で通信を行う際に、前記無線タグや前記非接触ICカード、あるいは前記携帯電子機器等に具備されるアンテナコイルの長手方向と、前記リーダライタ等の主面との相対的な位置関係が、平行状態を維持しない場合であっても、前記リーダライタの主面から発生した磁束を確実に捕らえ、前記アンテナコイルを構成する複数のコイル部に鎖交する必要十分な鎖交磁束を得て、前記無線タグや前記非接触ICカード、あるいはRFID機能を具備した前記携帯電子機器等が、前記リーダライタ等と高感度で通信できる小型のアンテナコイルを提供することにある。
即ち、本発明によれば、平板状の磁性体の胴体部に導体を巻回してなる第一のコイル部を有した、平板状の第一の磁性体コアと、平板状の磁性体の胴体部に導体を巻回してなる第二のコイル部を有した、平板状の第二の磁性体コアを並置して構成したアンテナコイルであって、前記第一の磁性体コアは、前記第一の磁性体コアの長手方向の、少なくとも一つの端部にあって、前記第一の磁性体コアの厚さ方向に突出する凸部を有し、かつ前記第二の磁性体コアは、前記第二の磁性体コアの長手方向の、少なくとも一つの端部にあって、前記第二の磁性体コアの厚さ方向に突出する凸部を有してなり、前記第一のコイル部のコイルの軸方向と、前記第二のコイル部のコイルの軸方向とが一致し、かつ前記第一のコイル部の巻回方向と、前記第二のコイル部の巻回方向とが互いに逆方向となるよう構成するとともに、前記第一の磁性体コアの前記凸部と、前記第二の磁性体コアの前記凸部とが相対するよう、前記第一の磁性体コアと前記第二の磁性体コアを離間して並置したアンテナコイルが得られる。
本発明のアンテナコイルは、導体、例えば絶縁被覆された銅線を複数回巻回したコイル部を、二つの平板状の磁性体コアの胴体部の各々の任意の箇所に設け、二つの平板状の前記磁性体コアが長手方向に並ぶように、二つの前記磁性体コアの長手方向の端部のいずれか一方の各々が、相対するよう並置したものであって、前記コイル部の各々は、互いに巻き方向が逆方向であって、かつ各々のコイルの軸方向が一致、すなわち二つの前記コイル部のコイルの軸が同一線上にあるように、また、前記磁性体コアの長手方向の少なくとも一つの端部は、前記磁性体コアの厚さ方向に突出する凸部を有し、二つの前記磁性体コアの前記凸部を有した端部どうしを向かい合あわせ、向かい合わせた二つの前記端部が、前記アンテナコイルの中央部にくるように、二つの前記磁性体コアを、前記磁性体コアの長手方向に離間して並置した構成とするのが好適である。これにより、前記アンテナコイルを構成する前記磁性体コアの前記凸部がもたらすヨーク機能、すなわち外部から受ける磁束を引き込み易くする機能により、二つの前記コイル部の各々に必要十分な鎖交磁束を得ることができ、小型で高感度のアンテナコイルを得ることができる。
本発明によれば、前記第一のコイル部のコイル巻回数と、前記第二のコイル部のコイル巻回数は、同一である前記アンテナコイルが得られる。
本発明のアンテナコイルは、少なくとも長手方向の一方の端部に凸部を有した、二つの平板状の磁性体コアを構成要素とし、二つの前記磁性体コアの各々に設けた、二つのコイル部の各々のコイル巻回数が、等しくなるよう構成したものが好適である。これにより、前記アンテナコイルが外部から受ける磁束は、前記アンテナコイルを構成する、二つの前記磁性体コアの前記凸部によって誘導されて前記磁性体コアの内部を進行し、前記アンテナコイルの長手方向にあって、離間して配置された、二つの前記コイル部の各々に鎖交する鎖交磁束によって生じる、各々の起電力のバランスが保たれ、高感度のアンテナコイルを得ることができる。
本発明によれば、前記第一の磁性体コアの形状と、前記第二の磁性体コアの形状は、同一である前記アンテナコイルが得られる。
本発明のアンテナコイルは、前記アンテナコイルを構成する、少なくとも長手方向の一方の端部に凸部を有した、二つの平板状の磁性体コアを、同一形状となるよう構成したものが好適である。これにより、前記アンテナコイルを構成する、二つの前記磁性体コアの前記凸部が誘導して前記磁性体コアの内部を進行する磁束は、前記磁性体コアの各々でほぼ等量となり、両者のバランスが保たれ高感度のアンテナコイルを得ることができる。
本発明によれば、前記第一の磁性体コアの長手方向の長さ、および前記第二の磁性体コアの長手方向の長さをX、前記第一の磁性体コアと前記第二の磁性体コアの長手方向の間の距離をYとしたとき、0.1X≧Y>0を満たす前記アンテナコイルが得られる。
本発明のアンテナコイルは、前記アンテナコイルを構成する、少なくとも長手方向の一方の端部に凸部を有した、二つの平板状の磁性体コアの前記端部どうしを向かい合あわせ、向かい合わせた二つの前記端部が、前記アンテナコイルの中央部にくるように、二つの前記磁性体コアを、前記磁性体コアの長手方向に並置したものであって、向かい合わせた二つの前記端部は、密着することなく一定の間隔、すなわち前記磁性体コアの長手方向の長さをX、長手方向に並置した二つの前記磁性体コアの間の距離、換言すれば間隙部の距離をYとしたとき、0.1X≧Y>0を満たす間隔を確保して、二つの前記磁性体コアが離間するように構成したものが好適である。これにより、外部から受ける磁束の入射角度変化に対する結合係数kの変化の大きさを小さく抑えることができる。
上述した構成とすることによって、本発明は、以下のような効果を奏する。すなわち本発明は、平板状の磁性体コアの長手方向の少なくとも一方の端部に、前記磁性体コアの厚さ方向に突出する凸部を設けるとともに、同形状の前記磁性体コアを二つ用意して、各々に導体を巻回してなり、互いの巻き方向が逆方向で、かつ互いのコイルの軸方向が一致するコイル部を設け、さらに二つの前記磁性体コアの、前記凸部を設けた長手方向の端部どうしを向かい合わせて相対し、かつ相対した前記端部は一定の距離をおいて並置して構成したものであり、これによって前記アンテナコイルは、外部から受ける磁束の入射角度の許容範囲を拡大することができ、受信感度の低下を回避することができる。
本発明のアンテナコイルは、長手方向の少なくとも一つの端部に、厚さ方向に突出する凸部を有した、二つの同形状の平板状の磁性体コア、すなわち第一の磁性体コアおよび第二の磁性体コアを具備し、前記第一の磁性体コアおよび前記第二の磁性体コアの胴体部の各々の任意の箇所に、導体、例えば絶縁被覆された銅線を複数回巻回してなり、巻回数が同一で、巻回方向が逆方向となる、第一のコイル部および第二のコイル部を各々設け、前記第一の磁性体コアの、前記凸部を有した長手方向の前記端部と、前記第二の磁性体コアの、前記凸部を有した長手方向の前記端部とを離間して、すなわち間隙部を設けて相対するとともに、前記第一のコイル部と前記第二のコイル部のコイルの軸方向が一致するように並置して構成したものである。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態のアンテナコイルについて、図1、図2および図3に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態のアンテナコイルを示す斜視図である。図2は、アンテナ装置の主面とリーダライタの主面が平行して正対する場合の、本発明の第1の実施の形態のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の側断面の一例、およびリーダライタの主面から発生した磁束経路の一例を示す図である。図3は、アンテナ装置の主面とリーダライタの主面がある角度をもって正対する場合の、本発明の第1の実施の形態のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の側断面の一例、およびリーダライタの主面から発生した磁束経路の一例を示す図である。なお、図2および図3の図中の矢印は磁力線の方向を示している。また、ここで表記したアンテナ装置100の主面とは、回路基板107上でアンテナコイル101が実装されている面側のことを指す。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナコイル101は、少なくとも磁性体コアとコイル部を構成要素としたものである。前記磁性体コアは、フェライト等からなる平板状の磁性体の長手方向の端部の一方に、厚さ方向に突出した凸部110を設けたものである。そして、この同形状の前記磁性体コアを二つ用意して、各々を第一の磁性体コア102および第二の磁性体コア103とし、各々に被覆銅線を複数回巻回したコイル部、すなわち第一のコイル部104および第二のコイル部105を設けている。前記第一のコイル部104は、前記第一の磁性体コア102の胴体部の中央部に、および前記第二のコイル部105は、前記第二の磁性体コア103の胴体部の中央部に配されており、各々の巻回数は同一で互いの巻き方向は逆方向である。
そして、前記第一の磁性体コア102および前記第二の磁性体コア103が同一平面上にあるように、前記第一の磁性体コア102および前記第二の磁性体コア103の、前記凸部110を有した端部どうしを相対するように向かい合わせ、一定の間隔をおいて、すなわち間隙部106を設けて並置したものである。
また、図2あるいは図3に示すように、図1に示した本発明の第1の実施の形態のアンテナコイル101は、ガラスエポキシ等の回路基板107上に実装して固定され、アンテナ装置100を構成する。ただしこのときの前記アンテナコイル101の前記回路基板107上への実装は、前記凸部110が前記回路基板107の反対側を向くようになされている。そして前記アンテナコイル101を具備した前記アンテナ装置100の主面、すなわち外部磁界の検出面は、前記凸部110が突出している側となる。
図2に示すように、アンテナ装置100の主面を、リーダライタ108の主面に対して、平行にかざした場合、前記リーダライタ108から発生した磁束φは、前記アンテナ装置100のアンテナコイル101の中央部にある、第一の磁性体コア102の凸部110および第二の磁性体コア103の凸部110から誘導され、前記第一磁性体コア102および前記第二の磁性体コア103の内部を進行する。すなわち前記磁束φは、前記アンテナコイル101の中央部から、前記第一の磁性体コア102へ向かうものと、前記第二の磁性体コア103へ向かうものの二手に分かれ、進行方向をほぼ90度曲げて進行する。この結果、二手に分かれた前記磁束φは、第一のコイル部104および第二のコイル部105の各々に対してほぼ均等に鎖交することができる。すなわち前記アンテナコイル101は、前記リーダライタ108から発生した、通信に必要な磁束を十分に捕らえることができる。
さらに、図3に示すように、アンテナ装置100の主面を、リーダライタ108の主面に対して、ある角度をもってかざした場合であっても、前記リーダライタ108から発生した磁束φは、前記アンテナ装置100のアンテナコイル101の中央部にある、第一の磁性体コア102の凸部110および第二の磁性体コア103の凸部110がもつヨーク機能、すなわち前記磁束φを引き込み易くする機能により、従来のアンテナコイルに比べて、より多くの前記磁束φが、ほぼ均等に前記第一磁性体コア102および前記第二の磁性体コア103の内部を進行することができ、二手に分かれた前記磁束φは、第一のコイル部104および第二のコイル部105の各々に対してほぼ均等に鎖交することができる。すなわち前記アンテナコイル101は、前記リーダライタ108から発生した、通信に必要な磁束を十分に捕らえることができる。
(実施例)
以下、上述した本発明の第1の実施の形態のアンテナコイルの実施例について図1、図2および図3を参照しながら説明する。
アンテナコイル101を構成する磁性体コアは、平板状のフェライト材からなるものであり、長手方向の長さが25mm、短手方向の幅が5mm、厚さが1.5mmであって、長手方向の端部の一方に、長さが1.5mm、幅が5mm、厚さが1.2mmの凸部110を有する。また、磁性体コアの品質係数Qは、Q=80であるものを用いた。同一形状の前記磁性体コアを二つ用意し、各々を第一の磁性体コア102および第二の磁性体コア103とした。
前記アンテナコイル101を構成するコイル部は、前記凸部110が相対するように、前記第一の磁性体コア102と前記第二の磁性体コア103を並置した状態において、前記第一の磁性体コア102の長手方向の中央部と、前記第二の磁性体コア103の長手方向の中央部とに対し、絶縁被覆された銅線を、各々5ターンずつ巻回してなる分割巻きを施した、第一のコイル部104および第二のコイル部105からなる一つの繋がった巻線であり、前記第一の磁性体コア102に設けた前記第一のコイル部104の巻回方向と、前記第二の磁性体コア103に設けた前記第二のコイル部105の巻回方向は、互いに逆方向となるようにした。なお、前記第一のコイル部104の外側のコイル端は、前記第一の磁性体コア102の長手方向の前記凸部110を有しない端部のエッジから2mmの位置となるようし、前記第二のコイル部105の外側のコイル端は、前記第二の磁性体コア103の長手方向の前記凸部110を有しない端部のエッジから2mmの位置となるようした。
前記第一のコイル部104を設けた前記第一の磁性体コア102、および前記第二のコイル部105を設けた前記第二の磁性体コア103は、前記第一の磁性体コア102の、前記凸部110を有した長手方向の端部と、前記第二の磁性体コア103の、前記凸部110を有した長手方向の端部との間に0.5mmの距離をおいて、すなわち0.5mmの間隙部106を設けて相対するとともに、前記第一のコイル部104と前記第二のコイル部105のコイルの軸方向が一致するように並置し、長手方向の長さが90mm、短手方向の幅が45mmの回路基板107上に、前記アンテナコイル101の長手方向と前記回路基板107の短手方向が平行となるように実装して、本発明のアンテナコイル101を用いたアンテナ装置100を構成した。
(実験例)
以下、上述した本発明の第1の実施の形態の実施例に示したアンテナコイルを用いたアンテナ装置と、従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の感度比較の実験例について、図1、図2、図3および図4を参照しながら説明する。
図4は、アンテナコイルの間隙部の距離と結合係数kの関係を示す図である。
図4は、アンテナコイル101の間隙部106、すなわち第一の磁性体コア102の、凸部110を有した長手方向の端部と、第二の磁性体コア103の、凸部110を有した長手方向の端部との間の距離を変化させたときの、前記アンテナコイル101がリーダライタ108から受ける磁束φとの結合係数kの変化を示している。ただし、図4に示した横軸、すなわち前記間隙部106の距離については、前記第一の磁性体コア102および前記第二の磁性体コア103の長手方向の長さをX、前記間隙部106の距離をYとしたときの、Xに対するYの割合(Y/X)で示している。
本実験で使用した、本発明のアンテナコイル101を用いたアンテナ装置100の、アンテナコイル101および回路基板107の形状、寸法、配置および構成等は、上述した本発明の第1の実施の形態の実施例に示したものと同様のものである。
また、比較のための従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置として、図7に示したような、平板状の磁性体コアに離間して二つのコイル部を設けて構成したアンテナコイルと回路基板からなるアンテナ装置を用いた。なお、前記磁性体コアは、本発明のアンテナコイル101の磁性体コアと同一材料であり、長手方向の長さが50mm、短手方向の幅が5mm、厚さが1.5mmの平板の長手方向の中央部に、長さが3mm、幅が5mm、厚さが1.2mmの凸部を有するのものとした。前記磁性体コアに離間して設けた二つのコイル部の巻回数、巻回方向および配置等は、本発明のアンテナコイル101と同様である。また、前記回路基板の形状および寸法、前記回路基板上への実装時の配置等も本発明のアンテナコイル101を用いたアンテナ装置100と同様である。
実験は、本発明のアンテナコイル101を用いたアンテナ装置100の主面と、従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の主面の各々を、図2に示したように、リーダライタ108の主面に対し、水平方向から20度傾いた状態で正対させて、前記リーダライタ108から発生した磁束φを受けるようにしたものであり、そのときの各々の結合係数kを計測して比較した。
図4において、実線で示したものが、本発明のアンテナコイル101を用いた場合の実験結果である。また黒丸で示したものが、従来のアンテナコイルを用いた場合の実験結果である。なお、破線は、本発明のアンテナコイル101を用いた場合の実験結果と従来のアンテナコイルを用いた場合の実験結果とを比較するための補助線である。
図4に示すように、本発明のアンテナコイル101を用いたアンテナ装置100は、Y/Xが0.1以下であれば、従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置と比較して、結合係数kの値が大きくなることが実験により明らかとなった。すなわち第一の磁性体コア102および第二の磁性体コア103の長手方向の長さXと、間隙部106の距離Yを、0.1X≧Y>0となるように設定することで、アンテナコイル101がリーダライタ108とある角度をもって正対して通信を行なう場合であっても、高感度で送受信可能なアンテナコイル101を得ることができる。
したがって、このような構成とすることにより、例えば携帯電話等の携帯電子機器の内部に、本発明のアンテナコイルを用いたアンテナ装置を配設し、前記携帯電子機器とリーダライタとが通信を行なう際、前記携帯電子機器の主面と前記リーダライタの主面が、ある角度をもって正対する場合であっても、前記アンテナコイルは、リーダライタが発生する磁束を十分に捕らえて高感度の通信を実現できる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態のアンテナコイルについて、図5に基づいて説明する。
図5は、本発明の第2の実施の形態のアンテナコイルを示す斜視図である。図5に示すように、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナコイル201は、少なくとも磁性体コアとコイル部を構成要素としたものである。前記磁性体コアは、フェライト等からなる平板状の磁性体の長手方向の端部の両方に、厚さ方向に突出した凸部210を設けたものである。そして、この同形状の前記磁性体コアを二つ用意して、各々を第一の磁性体コア202および第二の磁性体コア203とし、各々に被覆銅線を複数回巻回したコイル部、すなわち第一のコイル部204および第二のコイル部205を設けている。前記第一のコイル部204は、前記第一の磁性体コア202の胴体部の中央部に、および前記第二のコイル部205は、前記第二の磁性体コア203の胴体部の中央部に配されており、各々の巻回数は同一で互いの巻き方向は逆方向である。
そして、前記第一の磁性体コア202および前記第二の磁性体コア203が同一平面上にあるように、前記第一の磁性体コア202および前記第二の磁性体コア203の、前記凸部210を有した端部どうしを相対するように向かい合わせ、一定の間隔をおいて、すなわち間隙部206を設けて並置したものである。
また、図5に示した本発明の第2の実施の形態のアンテナコイル201は、本発明の第1の実施の形態のアンテナコイルの場合と同様に、ガラスエポキシ等の回路基板上に実装して固定され、アンテナ装置を構成する。ただしこのときの前記アンテナコイル201の前記回路基板上への実装は、本発明の第1の実施の形態のアンテナコイルの場合と同様に、前記凸部210が前記回路基板の反対側を向くようになされている。そして前記アンテナコイル201を具備した前記アンテナ装置の主面、すなわち外部磁界の検出面は、前記凸部210が突出している側となる。
(実施例)
以下、上述した本発明の第2の実施の形態のアンテナコイルの実施例について図5を参照しながら説明する。
アンテナコイル201を構成する磁性体コアは、平板状のフェライト材からなるものであり、長手方向の長さが25mm、短手方向の幅が5mm、厚さが1.5mmであって、長手方向の端部の両方に、長さが1.5mm、幅が5mm、厚さが1.2mmの凸部210を有する。また、磁性体コアの品質係数Qは、Q=80であるものを用いた。同一形状の前記磁性体コアを二つ用意し、各々を第一の磁性体202コアおよび第二の磁性体コア203とした。
前記アンテナコイル201を構成するコイル部は、前記凸部210が相対するように、前記第一の磁性体コア202と前記第二の磁性体コア203を並置した状態において、前記第一の磁性体コア202の長手方向の中央部と、前記第二の磁性体コア203の長手方向の中央部とに対し、絶縁被覆された銅線を、各々7ターンずつ巻回してなる分割巻きを施した、第一のコイル部204および第二のコイル部205からなる一つの繋がった巻線であり、前記第一の磁性体コア202に設けた前記第一のコイル部204の巻回方向と、前記第二の磁性体コア203に設けた前記第二のコイル部205の巻回方向は、互いに逆方向となるようにした。なお、前記第一のコイル部204の外側のコイル端は、前記第一の磁性体コア202の長手方向の、前記第二の磁性体コア203の端部と相対しない側の端部のエッジから2mmの位置となるようし、前記第二のコイル部205の外側のコイル端は、前記第二の磁性体コア203の長手方向の、前記第一の磁性体コア202の端部と相対しない側の端部のエッジから2mmの位置となるようした。
前記第一のコイル部204を設けた前記第一の磁性体コア202および前記第二のコイル部205を設けた前記第二の磁性体コア203は、前記第一の磁性体コア202の、前記凸部210を有した長手方向の端部と、前記第二の磁性体コア203の、前記凸部210を有した長手方向の端部との間に0.4mmの距離をおいて、すなわち0.4mmの間隙部206を設けて相対するとともに、前記第一のコイル部204と前記第二のコイル部205のコイルの軸方向が一致するように並置し、長手方向の長さが90mm、短手方向の幅が45mmの回路基板(図示せず)上に、前記アンテナコイル201の長手方向と前記回路基板の短手方向が平行となるように実装して、本発明のアンテナコイル201を用いたアンテナ装置(図示せず)を構成した。
(実験例)
以下、上述した本発明の第2の実施の形態の実施例に示したアンテナコイルを用いたアンテナ装置と、従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の感度比較の実験例について、図5および図6を参照しながら説明する。
図6は、アンテナコイル/リーダライタ間の対向角度と結合係数kの関係を示す図である。
図6は、回路基板にアンテナコイル201を実装して構成したアンテナ装置の主面と、リーダライタ(図示せず)の主面が正対したときの対向角度、すなわち前記リーダライタの主面に対して、前記アンテナ装置の主面とが平行となる正対した状態から、前記アンテナ装置を徐々に傾かせて角度を変化させたときの、前記アンテナコイル201が前記リーダライタから受ける磁束との結合係数kの変化を示している。
本実験で使用した、本発明のアンテナコイル201を用いたアンテナ装置の、アンテナコイル201および回路基板の形状、寸法、配置および構成等は、上述した本発明の第2の実施の形態の実施例に示したものと同様のものである。
また、比較のための従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置は、磁性体コアの長手方向の中央部に、長さが3mm、幅が5mm、厚さが1.2mmの凸部を、また前記磁性体コアの長手方向の両端部の各々に、長さが1.5mm、幅が5mm、厚さが1.2mmの凸部を設けて、前記磁性体コアに離間して設けた二つのコイル部の巻回数を各々7ターンとした以外は、上述した本発明の第1の実施の形態の実験例で用いたものと同様である。
実験は、本発明のアンテナコイル201を用いたアンテナ装置の主面と、従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の主面の各々を、リーダライタの主面に対し平行となる正対した状態から、徐々に傾きを与えて対向角度を変化させながら、前記リーダライタから発生した磁束を受けるようにしたものであり、そのときの結合係数kを計測して比較した。
図6において、実線で示したものが、本発明のアンテナコイル201を用いた場合の実験結果である。また破線で示したものが、従来のアンテナコイル201を用いた場合の実験結果である。
図6に示すように、対向角度が大きくなる場合であっても、本発明のアンテナコイル201を用いたアンテナ装置は、従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置と比較して、結合係数kの値が大きくなることが実験により明らかとなった。すなわちアンテナコイル201とリーダライタとの対向角度が大きい状態で正対して通信を行なう場合であっても、高感度で送受信可能なアンテナコイル201を得ることができる。
したがって、このような構成とすることにより、例えば携帯電話等の携帯電子機器の内部に、本発明のアンテナコイルを用いたアンテナ装置を配設し、前記携帯電子機器とリーダライタとが通信を行なう際、前記携帯電子機器の主面と前記リーダライタの主面の対向角度の許容範囲を広げることができ、前記アンテナコイルは、小型であって、かつリーダライタが発生する磁束を十分に捕らえて高感度の通信を実現できる。
また本発明は、例示したようなRFID機能を具備した携帯電話等の携帯電子機器等に用いられる小型のアンテナコイル、あるいは無線タグや非接触ICカード等の小型のアンテナコイルとして用いるのが好適であるが、これに限定されず、例えばテレビやラジオの受信アンテナ、あるいは携帯電話等の移動体通信装置の通信用アンテナ等として用いてもよく、特に、使用環境により、前記受信アンテナあるいは前記通信用アンテナの対向角度が一定に保てない状態が想定されるときは、本発明のアンテナコイルを用いるとよい。
以上、実施例を用いて、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれることは勿論である。
本発明の第1の実施の形態のアンテナコイルを示す斜視図。 アンテナ装置の主面とリーダライタの主面が平行して正対する場合の、本発明の第1の実施の形態のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の側断面の一例、およびリーダライタの主面から発生した磁束経路の一例を示す図。 アンテナ装置の主面とリーダライタの主面がある角度をもって正対する場合の、本発明の第1の実施の形態のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の側断面の一例、およびリーダライタの主面から発生した磁束経路の一例を示す図。 アンテナコイルの間隙部の距離と結合係数kの関係を示す図。 本発明の第2の実施の形態のアンテナコイルを示す斜視図。 アンテナコイル/リーダライタ間の対向角度と結合係数kの関係を示す図。 従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置を示す斜視図。 アンテナ装置の主面とリーダライタの主面が平行して正対する場合の、従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の側断面の一例、およびリーダライタの主面から発生した磁束経路の一例を示す図。 アンテナ装置の主面とリーダライタの主面がある角度をもって正対する場合の、従来のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の側断面の一例、およびリーダライタの主面から発生した磁束経路の一例を示す図。 従来の他のアンテナコイルを用いたアンテナ装置を示す斜視図。 アンテナ装置の主面とリーダライタの主面が平行して正対する場合の、従来の他のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の側断面の一例、およびリーダライタの主面から発生した磁束経路の一例を示す図。 アンテナ装置の主面とリーダライタの主面がある角度をもって正対する場合の、従来の他のアンテナコイルを用いたアンテナ装置の側断面の一例、およびリーダライタの主面から発生した磁束経路の一例を示す図。
符号の説明
100,300,400 アンテナ装置
101,201,301,401 アンテナコイル
302 磁性体コア
102,202,402 第一の磁性体コア
103,203,403 第二の磁性体コア
104,204,304,404 第一のコイル部
105,205,305,405 第二のコイル部
106,206 間隙部
107,307,407 回路基板
108,308,408 リーダライタ
409 フレキシブル基板
110,210 凸部
φ 磁束
X 本発明のアンテナコイルの第一の磁性体コアの長手方向の長さ、および第二の磁性体コアの長手方向の長さ
Y 本発明のアンテナコイルの第一の磁性体コアと第二の磁性体コアの長手方向の間の距離
L 従来のアンテナコイルの磁性体コアの長手方向の長さ
M 回路基板の短手方向の幅
A 従来のアンテナコイルのコイルの軸方向の長さ
B 従来のアンテナコイルの第一の磁性体コアと第二の磁性体コアの間の距離
C 回路基板の短手方向の幅

Claims (4)

  1. 平板状の磁性体の胴体部に導体を巻回してなる第一のコイル部を有した、平板状の第一の磁性体コアと、
    平板状の磁性体の胴体部に導体を巻回してなる第二のコイル部を有した、平板状の第二の磁性体コアを並置して構成したアンテナコイルであって、
    前記第一の磁性体コアは、前記第一の磁性体コアの長手方向の、少なくとも一つの端部にあって、前記第一の磁性体コアの厚さ方向に突出する凸部を有し、
    かつ前記第二の磁性体コアは、前記第二の磁性体コアの長手方向の、少なくとも一つの端部にあって、前記第二の磁性体コアの厚さ方向に突出する凸部を有してなり、
    前記第一のコイル部のコイルの軸方向と、前記第二のコイル部のコイルの軸方向とが一致し、
    かつ前記第一のコイル部の巻回方向と、前記第二のコイル部の巻回方向とが互いに逆方向となるよう構成するとともに、
    前記第一の磁性体コアの前記凸部と、前記第二の磁性体コアの前記凸部とが相対するよう、前記第一の磁性体コアと前記第二の磁性体コアを離間して並置したことを特徴とするアンテナコイル。
  2. 前記第一のコイル部のコイル巻回数と、前記第二のコイル部のコイル巻回数は、同一であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナコイル。
  3. 前記第一の磁性体コアの形状と、前記第二の磁性体コアの形状は、同一であることを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載のアンテナコイル。
  4. 前記第一の磁性体コアの長手方向の長さ、および前記第二の磁性体コアの長手方向の長さをX、前記第一の磁性体コアと前記第二の磁性体コアの長手方向の間の距離をYとしたとき、
    0.1X≧Y>0を満たすことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のアンテナコイル。
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