JP2010123106A - 造形対象物の偏位検出方法及び当該検出に基づく造形対象物の偏位補正方法 - Google Patents

造形対象物の偏位検出方法及び当該検出に基づく造形対象物の偏位補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 三次元造形方法において、造形対象物が、本来の位置から偏位している状態を速やかに検出し、かつ当該検出に基づいて、当該偏位を補正する方法を提供すること。
【解決手段】 最も遠い位置にある軌跡に沿って移動した際、負荷電流又は負荷電力の急変によって前記検出を行い、当該検出の後に、工具1を造形対象物2の外側表面に沿って切削に必要な回転を伴わずに順次移動させることによって、偏位している位置の中心座標位置(O’)を算出し、予め予定した軌跡による中心座標位置(O)の方向に移動させると共に、前記各軌跡のうち、各中心座標位置から最も遠いか、最も近い座標位置を一致させることによる造形対象物2の偏位検出及び補正方法及び当該補正方法に対応するソフトウエアを作成するCAMシステム。
【選択図】 図3

Description

本発明は、所定の一次元方向(Z軸方向)と直交する二次元平面方向(x,y平面方向)において工具の回転中心を基準として、造形対象物に対し最も遠い位置から最も近い位置の領域範囲内に、予め設定した複数個の軌跡に沿って工具を移動させながら順次切削を行うことによる三次元造形方法において、造形対象物の位置が偏位していることを検出する方法、及び当該検出に基づいて偏位を補正する方法に関するものである。
前記三次元造形方法は、既に周知であり、特に図8に示すように、一次元方向(Z軸方向)に沿って、造形対象物2を複数層区分し、各層毎に二次元方向(x,y方向)において、造形対象物2の最も遠い位置から最も近い位置による領域に複数個の工具の回転中心11が移動する軌跡を設定し、工具1を当該軌跡に沿って回転させながら移動することによる切削工法は、近年頻繁に採用されている。
このような三次元造形方法においては、工具を移動させる装置に対し、造形対象物が予定された位置に配置されることを当然の前提としており、このような前提に従って、工具が回転(自転)を行いながら、切削を順次実現するが、偶発的なアクシデントによって造形対象物が本来の予定した位置に配置されていないことが、極めて例外的とはいえ、生ずる場合がある。
このような場合には、本来予定した位置から偏位された位置に配置されているが故に、本来予定した造形を実現することは、当然不可能である。
したがって、前記配置の場合には、可及的速やかに偏位を発見し、工具の回転及び公転を伴う移動を中止したうえで、偏位を補正することを不可欠とする。
しかるに、前記三次元造形方法においては、そのような偏位を作動段階にて検出し、かつ当該検出に基づいて偏位を補正する技術は、これまで開発されている訳ではない。
因みに、特許文献1においては、工作機器の作動において、駆動用モータの負荷電流を検出し、当該負荷電流の電流値と許容範囲の基準と比較することによって、当該許容範囲を超えた場合に異常である旨の検出を行っているが、このような検出によって、実際に発見し得るのは、工具の折れ損、破損又は造形対象物の焼付であって、前記本来の位置からの偏位の検出にまで及んでいる訳ではない。
同様に、特許文献2及び同3においても、それぞれ負荷電流値又は消費電力値をそれぞれ基準値と対比したうえで、異常値を検出しているが、結局、検出によって発見しているのは、工具の折れ損の予知などの異常状態であって、これまた造形対象物の偏位の検出にまで至っている訳ではない。
特開平5−116056号公報 特開平6−99335号公報 特開2005−22052号公報
本発明は、造形対象物に対し、最も遠い位置から最も近い位置の領域内に設定した複数個の軌跡に沿った工具の回転を伴う移動を原因とする切削による三次元造形方法において、造形対象物が、本来予定していた配置の位置から偏位している状態を可及的速やかに検出し、かつ当該検出に基づいて、当該偏位を補正する方法を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明の基本構成は、
(1)所定の一次元方向(Z軸方向)と直交する二次元平面方向(x,y平面方向)において工具の回転中心を基準として、造形対象物に対し最も遠い位置から最も近い位置の領域範囲内に、予め設定した複数個の軌跡に沿って工具を移動させながら順次切削を行うことによる三次元造形方法において、前記複数個の軌跡のうち造形対象物から最も遠い位置にある軌跡(「予定遠方軌跡」と略称する。)に沿った移動に際し、工具の回転を伴う移動によって生ずる負荷電流又は負荷電力を測定し、当該測定値が切削が行われる場合の基準範囲よりも低い状態から当該基準範囲よりも高い状態に急変することによって、造形対象物の設置位置が本来の位置から偏位している状態を検出し、工具の移動を中止することによる造形対象物の偏位検出方法、
(2)前記(1)の検出方法において、測定値が基準位置よりも低い値から高い値に急変する位置(P1)が検出された後に、造形対象物に沿って工具を切削に必要な回転を伴わずに造形物表面に沿って一巡する移動を行わせることによって、偏位している造形対象物に対し工具の切削半径だけ外側に位置している軌跡(以下「偏位外側軌跡」と略称する。)を設定したうえで、偏位外側軌跡の中心座標位置(O’)の座標を算定し、偏位外側軌跡上において、当該中心座標位置(O’)から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(R)を算定する一方、予定遠方軌跡によって囲まれる図形の中心座標位置(O)を算定すると共に、当該中心座標位置(O)から最も遠いか、又は最も近い座標位置(S)を算定し、造形対象物の偏位したことによる中心座標位置(O’)を予定遠方軌跡による中心座標位置(O)に合致させると共に、偏位外側軌跡において算定された中心座標位置(O’)から最も遠いか、最も近い座標位置(R)を予定遠方軌跡の中心座標位置(O)から最も遠いか、最も近い座標位置(S)に合致させるように、NCコントローラによって造形対象物を移動することによる造形対象物の偏位補正方法。
(3)前記(1)の検出方法において、測定値が基準範囲よりも低い値から高い値に急変する位置(P1)の座標を、NCコントローラのコンピュータに記録すると共に、予定遠方軌跡に沿って工具を逆方向に移動することによって、前記測定値が基準範囲よりも低い値から当該基準範囲よりも高い値に急変する位置(P2)を検出し、かつ前記位置(P2)の座標を、前記コンピュータに記録させたうえで、前記急変する2箇所の座標位置(P1,P2)の何れか一方から他方に向かって、切削に必要な工具の回転を伴わずに造形物表面のうち、前記逆方向に移動した予定遠方軌跡の領域から離れる側に位置している表面に接触させながら移動させることによって、偏位外側軌跡の各座標を複数個の区分に沿って前記コンピュータに記録させ、偏位外側軌跡上において、前記急変する2箇所の座標位置(P1,P2)を結ぶ直線(P12)と同一長さであって、かつ当該直線と平行な直線を形成し得るような2箇所の座標位置(Q1,Q2)を前記コンピュータによって算定し、前記急変する2箇所の座標位置(P1,P2)及び前記のようにコンピュータによって算定された2箇所の座標位置(Q1,Q2)によって形成される菱形(◇P1221)の中心座標位置を算定することによって、偏位外側軌跡の中心座標位置(O’)の座標を算定し、偏位外側軌跡上において、当該中心座標位置(O’)から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(R)を算定する一方、予定遠方軌跡によって囲まれる図形の中心座標位置(O)を算定すると共に、当該中心座標位置(O)から最も遠いか、又は最も近い座標位置(S)を算定し、造形対象物の偏位したことによる中心座標位置(O’)を予定遠方軌跡による中心座標位置(O)に合致させると共に、偏位外側軌跡において算定された中心座標位置(O’)から最も遠いか、最も近い座標位置(R)を予定遠方軌跡の中心座標位置(O)から最も遠いか、最も近い座標位置(S)に合致させるように、NCコントローラによって造形対象物を移動することによる造形対象物の偏位補正方法、
(4)CADシステムと連動し、かつ以下のようなソフトウエアを作成するCAMシステム。
1 予定遠方軌跡を工具が移動している段階において、前記(1)記載の負荷電流又は負荷電力の測定値の急変状態を入力として作動の開始指令、
2 工具に対し、本来の位置から偏位している造形対象物の外側表面に対し、偏位外側軌跡に沿って、切削に必要な回転を伴わずに一巡する旨の指令及びCADシステムに対し、当該一巡した偏位外側軌跡の作成指令、並びに当該偏位外側軌跡の各座標を複数個の区分に沿って記録させる指令、
3 前記2の複数個の軌跡に基づく偏位外側軌跡の中心座標位置(O’)の算定指令及び当該算定された中心座標位置(O’)の記録指令、
4 前記3による中心座標位置(O’)から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(R)の算定及び当該算定された座標位置の記録指令、
5 予定遠方軌跡によって囲まれる図形の中心座標位置(O)の算定及び当該算定された中心座標位置(O)の記録指令、
6 前記5による中心座標位置(O)から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(S)の算定及び当該算定された座標位置の記録指令、
7 造形対象物を移動させる外部のメカニズムに対し、偏位外側軌跡の中心座標位置(O’)を予定遠方軌跡の中心座標位置(O)にシフトさせ、偏位外側軌跡の中心座標位置(O')から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(R)を予定遠方軌跡の中心座標位置にシフトさせることに対応した移動指令、
(5)CADシステムと連動し、かつ以下のようなソフトウエアを作成するCAMシステム。
1 予定遠方軌跡を工具が移動している段階において、前記(1)記載の負荷電流又は負荷電力の測定値の急変状態を入力として作動の開始指令、
2 予定遠方軌跡における前記測定値が急変する位置(P1)の座標の記録指令、
3 工具に対し、予定遠方軌跡に沿って、本来設定された移動方向と逆方向への移動指令、及び逆方向移動に伴って、改めて負荷電流又は負荷電力の測定値が急変する位置(P2)の座標の記録指令、
4 工具に対し、前記急変する2箇所の座標位置(P1,P2)の何れか一方から他方に向かって、切削に必要な工具の回転を伴わずに造形物表面のうち、前記逆方向に移動した予定遠方軌跡の領域から離れる側に位置している表面に接触させながら移動させながら移動している指令及びCADシステムに対し、当該移動による偏位外側軌跡の作成指令、並びに当該偏位外側軌跡の各座標を複数個の区分に沿って前記コンピュータに記録させる指令、
5 偏位外予定軌跡上において、前記急変する2箇所の領域(P1,P2)を結ぶ直線(P12)と同一長さであって、かつ平行な直線を形成し得るような2箇所の座標位置(Q1,Q2)を算定すべき旨の計算指令、及び当該計算に基づいて特定した2箇所の座標位置(Q1,Q2)の座標位置の記録指令、
6 前記測定値が急変する2箇所の座標位置(P1,P2)、及び前記算定及び記録された2箇所の座標位置(Q1,Q2)によって形成される菱形(◇P1221)の中心座標位置(O’)の算定指令((P1,Q2)又は(P2,Q1)の中心座標位置の座標(O’)の算定指令)、及び当該座標位置(O’)の記録指令、
7 前記6による中心座標位置(O’)から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(R)の算定及び当該算定された座標位置の記録指令、
8 予定遠方軌跡によって囲まれる図形の中心座標位置(O)の算定及び当該算定された中心座標位置(O)の記録指令、
9 前記8による中心座標位置(O)から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(S)の算定及び当該算定された座標位置の記録指令、
10 造形対象物を移動させる外部のメカニズムに対し、偏位外側軌跡の中心座標位置(O’)を予定遠方軌跡の中心座標位置(O)にシフトさせ、偏位外側軌跡の中心座標位置(O')から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(R)を予定遠方軌跡の中心座標位置にシフトさせることに対応した移動指令、
からなる。
前記基本構成(1)によって、造形対象物が本来予定している配置位置よりも偏位していることを速やかに検出することを可能とし、前記偏位によるアクシデントを避けることができ、前記基本構成(2)及び(3)によって工具の偏位した位置を自動的かつ正確に補正することが可能となり、手作業の場合に比し、有効かつ効率的な補正を行うことができ、前記基本構成(4)及び(5)のように、CAMシステムが作成したソフトウエアに基づいて、前記補正を一般的に利用することが可能となる。
実施例1の作動状況を示すフローチャートである。 実施例3の作動状況を示すフローチャートである。 前記基本構成(1)の構成に関連して、工具が移動を開始し、かつ予定遠方軌跡に沿って移動する状態を示す側断面図であり、(a)は、造形対象物が本来の位置にある場合を示しており、(b)は、造形対象物が本来の位置から偏差した場合を示す。 前記基本構成(2)の構成を実現するために工具が移動する状態を示す側断面図である。 前記基本構成(3)の構成を実現するために工具が移動する状態を示す側断面図である。 前記基本構成(4)のソフトウエアに対応するフローチャートである。 前記基本構成(5)のソフトウエアに対応するフローチャートである。 三次元造形方法の典型例である各層毎の切削に基づく造形システムに関する基本概念を示す側面図である。
工具の回転(自転)による切削は、図3(a)に示すように、予め配置した位置から、切削位置に突入し、工具の回転中心11は造形対象物2から軌跡に沿って移動するが、当該移動及びこれに伴う回転によって切削を行っている場合には、切削に必要な負荷電流又は負荷電力は、所定の基準範囲内にあり、しかもそのような基準範囲は、経験則によって当然設定することが可能である。
造形対象物2が本来予定している設定位置から偏位している場合には、図3(b)に示すように、回転中心11が予定遠方軌跡3に沿って移動している筈であるにも拘らず、工具1の空転が継続する一方(前記空転の状況を回転方向に沿った点線の矢印によって示す。)、工具1が造形対象物2の内部に対する突入が開始することにならざるを得ない(そのような突入が生ずる回転中心の位置をP1によって示す。)。
但し、造形対象物2が、前記予定遠方軌跡3から完全に離れている場合には、空転が継続しているに過ぎないが、そのような場合は、通常あり得ない以上、本発明の偏位の対象外である。
前記空転の場合には、負荷電流又は負荷電力は、明らかに前記基準範囲を下回った値が検出され、逆に突入が開始した段階では、電流値又は電力値は、明らかに前記基準範囲を上回った状態となって検出され、電流又は電力の測定値は、基準範囲を上回った場合に急変することになる。
このような状況を反映して、前記基本構成(1)においては、検出された電流値又は電力値が基準範囲を下回る状態から、基準範囲を上回る状態に急変することを要件としている。
尤も、造形対象物2において、所定の深さの溝を形成する場合には、工具1が回転しながら造形対象物2の内側に所定の距離範囲を以って食い込み、かつ突入することから、前記要件と混同するが如くである。
しかしながら、溝の形成は、予定遠方軌跡3に沿って移動した段階では、通常行われていない。
たとえ、例外的に予定遠方軌跡3に沿った移動に際し、溝を形成するとしても、その場合には、工具1の移動速度を低下させることによって、急激な負荷の増加を避け、検出された電流値又は電力値が基準範囲を超えないような措置を講ずることによって対処できる(尚、このような措置については、例えば、特開2001−154718号公報に記載されている。)。
工具1が折れることによって、先端部位が存在しない場合には、工具1が予定遠方軌跡3に突入しても、依然として空転が継続する場合がある。
しかしながら、この場合には、工具1が当該軌跡の全周を移動しても、空転が継続していることから、造形対象物2の偏位の場合と峻別することができる。
他方、工具1が曲折している場合には、曲折による突出部分が造形対象物2の表面に局所的に突入し、基準範囲を超える過大電流又は過大電力が検出される場合がある。
しかしながら、このような曲折状態の場合には、異常な切削音が発生すること、更には単なる曲折の場合には、工具の回転中心11が予定遠方軌跡3に沿って移動を開始した段階にて直ちに前記異常音が発生することから、造形対象物2の偏位の場合の測定値の急変と峻別することは、十分可能である。
このように、前記基本構成(1)は、他のアクシデントとの峻別も可能であって、現実の検出方法として、客観性を有している。
前記基本構成(2)の基本原理について説明する。
前記基本構成(2)においては、図4に示すように、測定値の急変状態を原因として、コンピュータの指令に基づいて、当初から工具1に対し、切削に必要な回転を伴わずに造形物2表面に接触させながら一巡するように移動させ、かつ移動した位置につき、所定の区分(実際には、x方向又はy方向の何れか一方の等間隔分の数値表示による区分)に基づいて、順次座標位置を設定しており、このような座標位置の設定によって、偏位している造形対象物2につき、切削が行われていない状態の表面に対し、工具1の回転径(r)だけ離れた偏位外側軌跡4をコンピュータにおいて記録させている。
前記のような一巡に基づく偏位外側軌跡4を形成させたうえで、偏位外側軌跡4の中心座標位置(O’)を算出している。
上記のように、一巡する偏位外側軌跡4を形成する際、測定値の急変が生じた位置(P1)の記録は必ずしも必要な要件ではなく、しかも前記一巡した偏位外側軌跡4の形成を当該検出した位置(P1)からスタートすることも必ずしも必要ではない(但し、実際には作動の便宜上、当該位置からスタートする場合が多い。)。
前記中心座標位置(O’)は、偏位外側軌跡4を構成する基準位置(Cutting Location:通常「CL」と略称されている)のx軸方向及びy軸方向の平均値を算定することによって特定することができる。
予定遠方軌跡3の中心座標位置(O)もまた、図4に示すように、当然存在している。
このような場合、偏位外側軌跡4による図形の中心座標位置(O’)は、予定遠方軌跡3の中心座標位置(O)という本来の位置から偏位している。
このような状況を考慮し、前記基本構成(2)においては、中心座標位置(O’)を、予定遠方軌跡3によって囲まれる図形の中心座標位置(O)に移動させることによって、偏位の補正を行っている。
しかしながら、そのような中心座標位置同士の偏位の補正だけでは、偏位外側軌跡4によって囲まれる図形の中心座標位置(O’)を基準とする角度方向まで補正したことにはならない。
このような状況を考慮し、前記基本構成(2)においては、偏位外側軌跡4及び予定遠方軌跡3において、各中心座標位置(O’及びO)から最も遠いか、最も近い座標位置(R及びS)の座標位置をそれぞれ算定したうえで、これらの位置もまた、合致するような偏位の補正、即ち移動を行っている。
尚、各中心座標位置(O’及びO)から最も遠いか、最も近い座標位置(R及びS)の特定は、偏位外側軌跡4及び予定遠方軌跡3の各座標位置と各中心座標位置(O’及びO)との距離を順次算定し、当該距離が最大値又は最小値となる座標位置を選択すれば良い。
このように、偏位外側軌跡4によって囲まれる図形の中心座標位置(O’)を予定遠方軌跡3によって囲まれた図形の中心座標位置(O)に一致させると共に、前者の中心座標位置から最も遠いか、最も近い位置(R)を、後者の中心座標位置から最も遠いか、最も近い位置(S)に一致させることによって偏位した造形対象物2が、本来の位置に補正されることになる。
但し、造形対象物2の平面方向の形状が円形である場合には、最も遠いか、最も近い位置を特定することは不可能である。
しかしながら、このような場合には、双方の中心座標位置(O’及びO)の合致を以って、偏位を補正することが可能である以上、前記のように最も遠いか、最も近い位置を特定することができないことを特に問題視する必要はない。
前記基本構成(3)の基本原理について説明する。
前記基本構成(3)においては、当初、測定値が急変した位置(P1)の座標をコンピュータに記録したうえで、工具の回転中心11をこれまで移動してきた予定遠方軌跡3上において、図5の点線矢印によって示すように、逆方向に移動させ、更に測定値が同じように急変する位置、即ち電流値又は電力値が基準範囲よりも低い値から高い値に急変する位置(P2)を検出し、当該位置の座標位置をコンピュータに記録させているが、これらの記録によって、図5に示すように、予定遠方軌跡3と、工具の回転中心11が偏位した造形対象物2の周囲に沿って移動した場合の偏位外側軌跡4との2個の交点(P1及びP2)の座標位置を記録したことになる。
前記基本構成(3)では、図5の実線矢印に示すように、前記のように測定値が急変した2箇所の位置(P1及びP2)の一方から他方に向けて、工具1を造形対象物2のうち、前記逆方向に移動した予定遠方軌跡3の領域から離れる側に位置している表面に接触させた状態にて移動させ、かつ移動した位置につき、所定の区分に基づいて順次座標位置を設定し、かつ偏位外側軌跡4をコンピュータにおいて記録させることは、前記(2)の基本構成の場合と同様である。
尚、造形対象物2の表面のうち、予定遠方軌跡3のうち、前記のように、工具1を逆方向に移動している領域から離れた側の表面を選択しているのは、当該表面領域を囲む偏位外側軌跡4上に、前記のように測定値が急変する位置を結ぶ直線(P12)と平行であって、かつ長さが等しい直線(Q12)が存在し、かつ後者の直線を選択することによって、偏位外側軌跡4によって囲まれる図形の中心座標位置(O’)を特定し得ることに由来している。
そして、工具1が偏位した造形対象物2に接触しながら移動する場合には、当該接触及び移動によって、切削を伴わない回転が生じていることになる。
前記基本構成(2)では、前記2箇所の測定値が急変する位置を結んだ直線(P12)と等距離であり、かつ平行であって、しかも偏位外側軌跡4上にあるような直線(Q12)を算定し、前記平行な直線の双方を結ぶことによって得られる菱形(◇P1221)の中心座標位置(O’)を特定しているが、当該中心座標位置(O’)は、偏位外側軌跡4によって囲まれる図形の中心座標位置に該当している。
即ち、前記図形においても、二次元方向面(x,y方向面)における中心座標位置(x方向及びy方向の平均位置)は、必ず存在しており、当該中心座標位置は、偏位外側軌跡4において、任意に選択された複数個(2個以上)の2点の組み合わせの全てについて対称中心に該当し得る状態にある(換言するならば、偏位外側軌跡4の任意の1点に対し、当該中心座標位置を基準とする対称な点は、偏位外側軌跡4上において選択されるという関係にある。)。
このような場合、前記菱形(◇P1221)の各頂点は、偏位外側軌跡4上にある以上、相向かい合う頂点の中心座標位置(O')は、単に前記菱形中心座標位置に該当するだけでなく、偏位外側軌跡4によって囲まれている前記図形の中心座標位置(O’)にも該当している。
逆に、前記中心座標位置(O’)を基準として、前記2箇所の測定値が急変する位置(P1及びP2)と対称の位置は、必ず前記軌跡上に存在しており、しかも前記中心座標位置と、前記2箇所の測定値が急変する位置とによる三角形(△P12O’)と、前記中心座標位置(O’)を基準として、前記急変する位置と対称の位置にある2点(Q1及びQ2)とによって形成される三角形(△Q12O’)とは合同である以上、双方の合い向かい合う辺(P12及びQ12)とは、長さが等しく、しかも双方の対応し合う角度(∠P12O’と∠Q21O’及び∠P21O’と∠Q12O’)とは、相互に等しいという関係にある。
したがって、前記測定値が急変する位置を結ぶ直線(P12)と、前記対称の位置にある2点を結ぶ直線(実際には、Q12)とは、前記のように、測定値が急変する位置を結ぶ直線(P12)と長さが等しく、かつ平行であって、前記軌跡上に存在する直線(Q12)と、本来一致している。
換言するならば、前記のように、測定値が急変する位置を結ぶ直線(P12)と長さが等しく、かつ平行であって、前記軌跡上に存在する2点を結ぶ直線(Q12)は、前記軌跡による図形の中心座標位置(O’)を基準として、対称な点を結ぶ直線として必ず存在しているのである。
尚、前記のように、測定値が急変する位置を結ぶ直線(P12)と長さが等しく、かつ平行であって、前記軌跡上に存在する2点を結ぶ直線(Q12)を形成する2点(Q1及びQ2)については、コンピュータに記録されている偏位外側軌跡4における2個の座標((x1’,y1’)、及び座標(x2’,y2’))同士の組み合わせについて、そのような距離及び平行状態を充足するか否かという要件に即して順次組み合わせかつ選択することによって実現され、その具体的な計算手法は、実施例2において後述するとおりである。
偏位外側軌跡4の中心座標位置(O’)を算定した後の造形対象物2の位置の補正は、前記(2)の基本構成の場合と同様である。
前記基本構成(4)のCAMシステムによって作成されたソフトウエアの作動機能は、前記(2)の基本構成に対応しており、具体的な作動は、図6のフローチャートに示すとおりである。
図6のフローチャートに示すように、たとえアクシデントによって造形対象物2が本来の位置から偏位したとしても、CADシステムと連動しているCAMシステムが作成したソフトウエアに基づいて作動するコンピュータの指令によって、前記(2)の補正を客観的に実現することが可能となる。
尚、偏位外側軌跡4の中心座標位置(O’)を予定遠方軌跡3の中心座標位置(O)へのシフトと一致するような移動としては、x軸方向及びy軸方向の座標位置の変化に対応した移動を外部のメカニズムに指令する方法と、当該シフトに対応する移動距離、及び移動角度を算定して、外部のメカニズムに指令する方法との双方を選択することができる。
同様に、偏位外側軌跡4において中心座標位置(O’)から最も遠いか、最も近い座標位置(R)から予定遠方軌跡3の中心座標位置(O)から最も遠いか、最も近い座標位置(S)へのシフトの場合においても、前記選択が可能である。
前記基本構成(5)のCAMシステムによって作成されたソフトウエアの作動機能は、前記(3)の基本構成に対応しており、具体的な作動は、図7のフローチャートに示すとおりである。
図7のフローチャートに示すように、たとえアクシデントによって造形対象物2が本来の位置から偏位したとしても、CADシステムと連動しているCAMシステムが作成したソフトウエアに基づいて作動するコンピュータの指令によって、前記(3)の補正を客観的に実現することが可能となる。
尚、各座標位置のシフトに対応する移動が当該シフトされる各座標位置間の距離及び角度に基づいて行われることは、図6のフローチャートの場合と同様である。
以下、実施例に即して説明する。
実施例1は、前記(1)の基本構成において、工具の回転中心11が予定遠方軌跡3の移動を終了した段階にて、負荷電流又は負荷電力の測定を自動的に停止することを特徴としており、かつその作動順序は、図1のフローチャートに示すとおりである。
造形対象物2が本来の位置から偏位していることは、工具1が予定遠方軌跡3を移動することによって検出される以上、それより内側の軌跡に沿って移動する際、負荷電流又は負荷電力を測定することは、不要であるばかりか、無意味である。
このような状況を考慮し、実施例1においては、工具の回転中心11が予定遠方軌跡3を移動した後において、前記測定を中止するような制御を行っており、このような制御によって造形対象物2の偏位の検出と効率的な工具1の作動とを両立させている。
実施例2は、前記(2)の基本構成において、最初に測定値の急変が検出された位置(P1)及び逆方向に移動することによって更に検出された測定値の急変位置(P2)につき、直交座標(x,y座標)における各距離(x1−x2,y1−y2)を算定し、偏位外側軌跡4において、予め複数個の座標位置を予定遠方軌跡3の場合と同じように設定したうえで、2個の座標(座標(x1’,y1’)、及び座標(x2’,y2’))の組み合わせについて、差し引き計算を行い(x1’−x2’,y1’−y2’の計算を行い)、前記算定に係る各距離(x1−x2,y1−y2)との差が、所定の誤差のうちであるδ以下であるか否か(|x1’−x2’−x1+x2|、及び|y1’−y2’−y1+y2|が所定の誤差δ以下であるか否か)を判定したうえで、前記誤差範囲内にある2個の座標(座標(x1’,y1’)、及び座標(x2’,y2’))の位置を結ぶ直線につき、前記2箇所の測定値の急変位置を結ぶ直線(P12)と同一距離であり、かつ平行な直線(Q12)である旨の判定を行うことを特徴としている。
既に、実施形態の項において説明したように、測定値が急変するような2点を結ぶ直線(P12)と長さが等しく、かつ平行であって、しかも偏位外側軌跡4上に存在するような直線(Q12)は必ず存在する。
そして、実施例2においては、既にコンピュータにおいて記録されている偏位外側軌跡4上の各座標の組み合わせ(座標(x1’,y1’)、及び座標(x2’,y2’)の組み合わせ)を順次選択し、かつ前記差し引き計算を行うことによって、上記直線(Q12)を充足し得るような2個の座標位置を特定して選択している。
前記2箇所の測定値の急変位置を結ぶ直線(P12)の距離及び方向は、当該2箇所の座標位置の差(x1−x2,y1−y2)によって既に判明している。
このような場合、コンピュータによって記録されている偏位外側軌跡4上において2箇所の座標を選択し、かつ同様の差(x1’−x2’,y1’−y2’)による計算を行ったとしても、前記距離及び方向を充足すること、即ち前記2箇所の測定値の急変位置を結ぶ直線(P12)の座標に基づく差(x1−x2,y1−y2)と同一の値が実現するとは限らない(この点は、偏位外側軌跡4上の各座標が、所定の区分に即して設定されることに起因している。)。
しかしながら、双方の差し引き計算による数値が完全に一致せずとも、所定の誤差範囲、具体的には、偏位外側軌跡4において、各座標を区分している区分単位(x軸方向又はy軸方向における最小の区分単位)以下の数値を誤差範囲と設定することによって、当該誤差範囲内にある2箇所の座標を選択することができる(具体的には、(x1’,y1’)を選択したうえで、次に偏位外側軌跡4上の他の座標(x2’,y2’)を順次設定し、|x1’−x2’−x1+x2|、及び|y1’−y2’−y1+y2|の何れも、前記誤差δ以下であるか否かを判別し、該当する2個の座標位置の組み合わせを選択すれば良い。)。
上記のような偏位外側軌跡4上の2箇所の座標位置の選択によって、実施例2においては、偏位外側軌跡4によって囲まれる図形の中心座標位置(O’)を速やかに算出することが可能となる。
実施例3は、前記(5)の基本構成に基づく実施例2に対応して、CADシステムと結合しているCAMシステムによって、下記のソフトウエアを作成することを特徴としており、その作動順序は、図2のフローチャートに示すとおりである。
1 記録された2箇所の測定値の急変位置(P1,P2)の直交座標(x,y座標)における各距離(x1−x2,y1−y2)の算定、及び当該算定値のシフトレジスターにおける記録、
2 CADシステムによって作成された偏位外側軌跡において、第1座標(x1’,y1’)を前記測定値が急変した2箇所の座標位置(P1,P2)の何れか一方に近い位置から順次第1の座標位置(x1’,y1’)を順次選択すべき旨の指令及び前記2箇所の座標位置(P1,P2)の他方から近い位置の順に、第2の座標位置(x2’,y2’)を順次選択すべき旨の指令、
3 第1の座標位置(x1’,y1’)を順次特定したうえで、第2の座標位置(x1’,y1’)を順次変化させながら、第1の座標位置と第2の座標位置との各座標における各距離(x1’−x2’,y1’−y2’)と前記2箇所の測定値の急変位置の直交座標における各距離(x1−x2,y1−y2)との差の算定(x1’−x2’−x1+x2,y1’−y2’−y1+y2)の算定、
4 前記3の差の絶対値が所定の誤差δであるか否かの判定(|x1’−x2’−x1+x2|≦δ,|y1’−y2’−y1+y2|≦δの判定)、
5 前記4の判定要件を充足する第1の座標(x1’,y1’)及び第2の座標(x2’,y2’)の特定及びこれらの座標位置の記録。
このように、実施例3は、実施例2の平行な直線(Q12)の特定のために必要な具体的なソフトウエアを作成し、かつ現に前記平行直線を特定させている点に技術的価値が存在する。
本発明は、工具の二次元の平面方向における切削移動に基づく三次元造形方法の全分野において利用することが可能である。
1 工具
11 工具の回転中心
2 造形対象物
3 予定遠方軌跡
4 偏位外側軌跡

Claims (8)

  1. 所定の一次元方向(Z軸方向)と直交する二次元平面方向(x,y平面方向)において工具の回転中心を基準として、造形対象物に対し最も遠い位置から最も近い位置の領域範囲内に、予め設定した複数個の軌跡に沿って工具を移動させながら順次切削を行うことによる三次元造形方法において、前記複数個の軌跡のうち造形対象物から最も遠い位置にある軌跡(請求項2以下の記載において、「予定遠方軌跡」と略称する。)に沿った移動に際し、工具の回転を伴う移動によって生ずる負荷電流又は負荷電力を測定し、当該測定値が切削が行われる場合の基準範囲よりも低い状態から当該基準範囲よりも高い状態に急変することによって、造形対象物の設置位置が本来の位置から偏位している状態を検出し、工具の移動を中止することによる造形対象物の偏位検出方法。
  2. 工具の回転中心が予定遠方軌跡の移動を終了した段階にて、負荷電流又は負荷電力の測定を自動的に停止することを特徴とする請求項1記載の造形対象物の偏位検出方法。
  3. 請求項1の検出方法において、測定値が基準位置よりも低い値から高い値に急変する位置(P1)が検出された後に、造形対象物に沿って工具を切削に必要な回転を伴わずに造形物表面に沿って一巡する移動を行わせることによって、偏位している造形対象物に対し工具の切削半径だけ外側に位置している軌跡(以下「偏位外側軌跡」と略称する。)を設定したうえで、偏位外側軌跡の中心座標位置(O’)の座標を算定し、偏位外側軌跡上において、当該中心座標位置(O’)から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(R)を算定する一方、予定遠方軌跡によって囲まれる図形の中心座標位置(O)を算定すると共に、当該中心座標位置(O)から最も遠いか、又は最も近い座標位置(S)を算定し、造形対象物の偏位したことによる中心座標位置(O’)を予定遠方軌跡による中心座標位置(O)に合致させると共に、偏位外側軌跡において算定された中心座標位置(O’)から最も遠いか、最も近い座標位置(R)を予定遠方軌跡の中心座標位置(O)から最も遠いか、最も近い座標位置(S)に合致させるように、NCコントローラによって造形対象物を移動することによる造形対象物の偏位補正方法。
  4. 請求項1の検出方法において、測定値が基準範囲よりも低い値から高い値に急変する位置(P1)の座標を、NCコントローラのコンピュータに記録すると共に、予定遠方軌跡に沿って工具を逆方向に移動することによって、前記測定値が基準範囲よりも低い値から当該基準範囲よりも高い値に急変する位置(P2)を検出し、かつ前記位置(P2)の座標を、前記コンピュータに記録させたうえで、前記急変する2箇所の座標位置(P1,P2)の何れか一方から他方に向かって、切削に必要な工具の回転を伴わずに造形物表面のうち、前記逆方向に移動した予定遠方軌跡の領域から離れる側に位置している表面に接触させながら移動させることによって、偏位外側軌跡の各座標を複数個の区分に沿って前記コンピュータに記録させ、偏位外側軌跡上において、前記急変する2箇所の座標位置(P1,P2)を結ぶ直線(P12)と同一長さであって、かつ当該直線と平行な直線を形成し得るような2箇所の座標位置(Q1,Q2)を前記コンピュータによって算定し、前記急変する2箇所の座標位置(P1,P2)及び前記のようにコンピュータによって算定された2箇所の座標位置(Q1,Q2)によって形成される菱形(◇P1221)の中心座標位置を算定することによって、偏位外側軌跡の中心座標位置(O’)の座標を算定し、偏位外側軌跡上において、当該中心座標位置(O’)から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(R)を算定する一方、予定遠方軌跡によって囲まれる図形の中心座標位置(O)を算定すると共に、当該中心座標位置(O)から最も遠いか、又は最も近い座標位置(S)を算定し、造形対象物の偏位したことによる中心座標位置(O’)を予定遠方軌跡による中心座標位置(O)に合致させると共に、偏位外側軌跡において算定された中心座標位置(O’)から最も遠いか、最も近い座標位置(R)を予定遠方軌跡の中心座標位置(O)から最も遠いか、最も近い座標位置(S)に合致させるように、NCコントローラによって造形対象物を移動することによる造形対象物の偏位補正方法。
  5. 最初に測定値の急変が検出された位置(P1)及び逆方向に移動することによって更に検出された測定値の急変位置(P2)につき、直交座標(x,y座標)における各距離(x1−x2,y1−y2)を算定し、前記逆方向に移動した予定遠方軌跡の領域から離れる側に位置している偏位外側軌跡において、予め複数個の座標位置を予定遠方軌跡の場合と同じように設定したうえで、2個の座標(座標(x1’,y1’)、及び座標(x2’,y2’))の組み合わせについて、差し引き計算を行い(x1’−x2’,y1’−y2’の計算を行い)、前記算定に係る各距離(x1−x2,y1−y2)との差が、所定の誤差のうちであるδ以下であるか否か(|x1’−x2’−x1+x2|、及び|y1’−y2’−y1+y2|が所定の誤差δ以下であるか否か)を判定したうえで、前記誤差範囲内にある2個の座標((x1’,y1’)、及び座標(x2’,y2’))の位置を結ぶ直線につき、前記2箇所の測定値の急変位置を結ぶ直線(P12)と同一距離であり、かつ平行な直線(Q12)である旨の判定を行うことを特徴とする請求項4記載の造形対象物の偏位補正方法。
  6. CADシステムと連動し、かつ以下のようなソフトウエアを作成するCAMシステム。
    1 予定遠方軌跡を工具が移動している段階において、請求項1記載の負荷電流又は負荷電力の測定値の急変状態を入力として作動の開始指令、
    2 工具に対し、本来の位置から偏位している造形対象物の外側表面に対し、偏位外側軌跡に沿って、切削に必要な回転を伴わずに一巡する旨の指令及びCADシステムに対し、当該一巡した偏位外側軌跡の作成指令、並びに当該偏位外側軌跡の各座標を複数個の区分に沿って記録させる指令、
    3 前記2の複数個の軌跡に基づく偏位外側軌跡の中心座標位置(O’)の算定指令及び当該算定された中心座標位置(O’)の記録指令、
    4 前記3による中心座標位置(O’)から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(R)の算定及び当該算定された座標位置の記録指令、
    5 予定遠方軌跡によって囲まれる図形の中心座標位置(O)の算定及び当該算定された中心座標位置(O)の記録指令、
    6 前記5による中心座標位置(O)から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(S)の算定及び当該算定された座標位置の記録指令、
    7 造形対象物を移動させる外部のメカニズムに対し、偏位外側軌跡の中心座標位置(O’)を予定遠方軌跡の中心座標位置(O)にシフトさせ、偏位外側軌跡の中心座標位置(O')から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(R)を予定遠方軌跡の中心座標位置にシフトさせることに対応した移動指令。
  7. CADシステムと連動し、かつ以下のようなソフトウエアを作成するCAMシステム。
    1 予定遠方軌跡を工具が移動している段階において、請求項1記載の負荷電流又は負荷電力の測定値の急変状態を入力として作動の開始指令、
    2 予定遠方軌跡における前記測定値が急変する位置(P1)の座標の記録指令、
    3 工具に対し、予定遠方軌跡に沿って、本来設定された移動方向と逆方向への移動指令、及び逆方向移動に伴って、改めて負荷電流又は負荷電力の測定値が急変する位置(P2)の座標の記録指令、
    4 工具に対し、前記急変する2箇所の座標位置(P1,P2)の何れか一方から他方に向かって、切削に必要な工具の回転を伴わずに造形物表面のうち、前記逆方向に移動した予定遠方軌跡の領域から離れる側に位置している表面に接触させながら移動させながら移動している指令及びCADシステムに対し、当該移動による偏位外側軌跡の作成指令、並びに当該偏位外側軌跡の各座標を複数個の区分に沿って前記コンピュータに記録させる指令、
    5 偏位外予定軌跡上において、前記急変する2箇所の領域(P1,P2)を結ぶ直線(P12)と同一長さであって、かつ平行な直線を形成し得るような2箇所の座標位置(Q1,Q2)を算定すべき旨の計算指令、及び当該計算に基づいて特定した2箇所の座標位置(Q1,Q2)の座標位置の記録指令、
    6 前記測定値が急変する2箇所の座標位置(P1,P2)、及び前記算定及び記録された2箇所の座標位置(Q1,Q2)によって形成される菱形(◇P1221)の中心座標位置(O’)の算定指令((P1,Q2)又は(P2,Q1)の中心座標位置の座標(O’)の算定指令)、及び当該座標位置(O’)の記録指令、
    7 前記6による中心座標位置(O’)から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(R)の算定及び当該算定された座標位置の記録指令、
    8 予定遠方軌跡によって囲まれる図形の中心座標位置(O)の算定及び当該算定された中心座標位置(O)の記録指令、
    9 前記8による中心座標位置(O)から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(S)の算定及び当該算定された座標位置の記録指令、
    10 造形対象物を移動させる外部のメカニズムに対し、偏位外側軌跡の中心座標位置(O’)を予定遠方軌跡の中心座標位置(O)にシフトさせ、偏位外側軌跡の中心座標位置(O')から最も遠いか、最も近い位置にある座標位置(R)を予定遠方軌跡の中心座標位置にシフトさせることに対応した移動指令。
  8. CADシステムと連動し、かつ以下のソフトウエアを作成することを特徴とする請求項7記載のソフトウエアを作成するCAMシステム。
    1 記録された2箇所の測定値の急変位置(P1,P2)の直交座標(x,y座標)における各距離(x1−x2,y1−y2)の算定、及び当該算定値のシフトレジスターにおける記録、
    2 CADシステムによって作成された偏位外側軌跡において、第1座標(x1’,y1’)を前記測定値が急変した2箇所の座標位置(P1,P2)の何れか一方に近い位置から順次第1の座標位置(x1’,y1’)を順次選択すべき旨の指令及び前記2箇所の座標位置(P1,P2)の他方から近い位置の順に、第2の座標位置(x2’,y2’)を順次選択すべき旨の指令、
    3 第1の座標位置(x1’,y1’)を順次特定したうえで、第2の座標位置(x1’,y1’)を順次変化させながら、第1の座標位置と第2の座標位置との各座標における各距離(x1’−x2’,y1’−y2’)と前記2箇所の測定値の急変位置の直交座標における各距離(x1−x2,y1−y2)との差の算定(x1’−x2’−x1+x2,y1’−y2’−y1+y2)の算定、
    4 前記3の差の絶対値が所定の誤差δであるか否かの判定(|x1’−x2’−x1+x2|≦δ,|y1’−y2’−y1+y2|≦δの判定)、
    5 前記4の判定要件を充足する第1の座標(x1’,y1’)及び第2の座標(x2’,y2’)の特定及びこれらの座標位置の記録。
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