JP2010121825A - 水圧試験方法及び水圧試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】純水装置や軟水処理装置の設置時期に関わらずに発電プラントの新規建設時で水圧試験を実施可能とするとともに、ボイラの防食、防錆を行う水圧試験方法及び水圧試験装置を提供する。
【解決手段】発電プラントの新規建設時に実施されるボイラの水圧試験方法において、前記ボイラ内に水圧を付与する水圧水として、市水、井戸水若しくは工業用水等の原水にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行うステップと、前記水圧試験終了後に純水で該ボイラを洗浄するステップとを備えた構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】発電プラントの新規建設時に実施されるボイラの水圧試験方法において、前記ボイラ内に水圧を付与する水圧水として、市水、井戸水若しくは工業用水等の原水にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行うステップと、前記水圧試験終了後に純水で該ボイラを洗浄するステップとを備えた構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、発電プラントの新規建設時に実施される水圧試験方法及び水圧試験装置に関するものであって、特に、純水装置や特殊ろ過機の設置が間に合わない状態で市水、井戸水若しくは工業用水等の原水を用いた水圧試験を可能にする発明である。
従来、発電プラントを構成するボイラ等の各機器は、水圧変化の有無等により漏洩箇所を検知する水圧試験が行われている。従来の水圧試験について、図3を用いて説明する。図3に示すように、市水、井戸水若しくは工業用水等の原水(以下、原水と称す)は、特殊ろ過機(逆浸透膜やイオン交換樹脂など)によって原水中の硬度成分濃度を下げる軟水処理装置56によって軟水処理され、軟水タンク54に軟水として一旦貯留される。
次に、軟水タンク54に貯留された軟水は、ヒドラジン添加装置58によりヒドラジンが添加され、ボイラ52に供給され、ボイラ52内を満たして水圧試験を行う。
なお、ここでは水圧試験を行う水圧水として軟水処理による軟水を用いているが、純水装置で生成される純水を用いてもよい。
次に、軟水タンク54に貯留された軟水は、ヒドラジン添加装置58によりヒドラジンが添加され、ボイラ52に供給され、ボイラ52内を満たして水圧試験を行う。
なお、ここでは水圧試験を行う水圧水として軟水処理による軟水を用いているが、純水装置で生成される純水を用いてもよい。
しかし、発電プラントの新規建設時では、純水装置や軟水処理装置の設置が遅れると、水圧試験に使用する軟水(例えばイオン交換水)の製造が遅れ、自給できないため水圧試験を実施することができず、工程が遅延する可能性がある。
また、工程の遅延を防ぐために、軟水を購入したり、仮設純水装置を設置したり軟水を確保しようとすると、コストが増大する。
また、工程の遅延を防ぐために、軟水を購入したり、仮設純水装置を設置したり軟水を確保しようとすると、コストが増大する。
さらに、軟水は硬度成分以外のアニオン成分、特に塩素イオン、硫酸イオンなどは、上記の軟水処理によっても除去されないため、ボイラ内の鉄系金属を防食、防錆するために、ヒドラジンなどの脱酸素剤の添加による脱酸素処理を軟水処理と併用する必要がある。
しかしながら、上記したように防錆剤として使用されているヒドラジンは毒性を有しており、また法規制対象品目に指定され、近年使用規制が敷かれ始めている。
しかしながら、上記したように防錆剤として使用されているヒドラジンは毒性を有しており、また法規制対象品目に指定され、近年使用規制が敷かれ始めている。
よって、これに代替えされるものとして、本出願人は特許文献1(特開平4−76397号公報)において、原水にアルカリ剤を添加してなる水圧試験の水圧水を提案している。
特許文献1によれば、水圧試験時に充分な純水の使用ができないときなどに、原水にアルカリ剤を添加して水圧水を生成し、腐食、発錆を防いでいる。なお、アルカリ剤としてアンモニア水、苛性ソーダ、リン酸ソーダなどが用いられている。
特許文献1によれば、水圧試験時に充分な純水の使用ができないときなどに、原水にアルカリ剤を添加して水圧水を生成し、腐食、発錆を防いでいる。なお、アルカリ剤としてアンモニア水、苛性ソーダ、リン酸ソーダなどが用いられている。
一方、特許文献2(特開2007−138219号公報)には軟水にアンモニアを添加してボイラを防食する発明が開示されている。特許文献2は、詳しくは純水給水のボイラの運転停止後、アンモニアを添加したボイラ水を供給してボイラを満水にして保存し、ボイラを防食している。
しかしながら、特許文献1は水圧試験の水圧水として、アルカリ剤を添加した原水を用いることは水圧試験時に充分な純水の使用ができないときに有益であるが、原水に含まれる硬質成分がアルカリ剤によってpHを上げることで析出する析出物の処理方法についてまでは示されていない。
また、特許文献2はアンモニアを添加した軟水を用い、ボイラを長期間にわたって高い防食効果を得るものではあるが、軟水化していない原水については開示されておらず、またアンモニアを添加することによって発生する析出物の処理方法についても示されていない。また、特許文献2は発電運転停止中の保管やボイラの防食の発明であって、建設工事進捗の都合で軟水処理装置若しくは純水装置が間に合わないようなプラント機器の新規建設時には適用されない。
また、特許文献2はアンモニアを添加した軟水を用い、ボイラを長期間にわたって高い防食効果を得るものではあるが、軟水化していない原水については開示されておらず、またアンモニアを添加することによって発生する析出物の処理方法についても示されていない。また、特許文献2は発電運転停止中の保管やボイラの防食の発明であって、建設工事進捗の都合で軟水処理装置若しくは純水装置が間に合わないようなプラント機器の新規建設時には適用されない。
従って、本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、純水装置や軟水処理装置の設置時期に関わらずに発電プラントの新規建設時で水圧試験を実施可能とするとともに、ボイラの防食、防錆を行う水圧試験方法及び水圧試験装置を提供することを課題とする。
本発明は、かかる目的を達成するため、発電プラントの新規建設時に実施されるボイラの水圧試験方法において、
前記ボイラ内に水圧を付与する水圧水として、市水、井戸水若しくは工業用水(以下、原水と称す)にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行うステップと、前記水圧試験終了後に純水で該ボイラを洗浄するステップと、を備えることを特徴とする。
前記ボイラ内に水圧を付与する水圧水として、市水、井戸水若しくは工業用水(以下、原水と称す)にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行うステップと、前記水圧試験終了後に純水で該ボイラを洗浄するステップと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、前記ボイラ内に水圧を付与する水圧水として、原水にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行うステップと、前記水圧試験終了後に純水で該ボイラを洗浄するステップとを備えることにより、純水装置や軟水処理装置の設置時期に関わらず発電プラントの新規建設時で水圧試験を実施可能とするとともに、前記水圧試験終了後にボイラ内を純水で洗浄して腐食性を有する物質を除去しボイラの防食、防錆を行うことができる。
原水にアンモニアを添加することにより防食、防錆を有する水圧水を得ることができる一方、水中の硬質成分が析出する。この析出物をボイラ内にそのまま放置すると新たな防食を引き起こしボイラの性能低下を招くため、水圧試験終了後に純水で洗浄する。ここで用いられる純水は、発電プラントに設置される純水装置によって生成されるので、純水を外部から購入せずに試験を実施することができ、コストを押えることが可能である。
原水にアンモニアを添加することにより防食、防錆を有する水圧水を得ることができる一方、水中の硬質成分が析出する。この析出物をボイラ内にそのまま放置すると新たな防食を引き起こしボイラの性能低下を招くため、水圧試験終了後に純水で洗浄する。ここで用いられる純水は、発電プラントに設置される純水装置によって生成されるので、純水を外部から購入せずに試験を実施することができ、コストを押えることが可能である。
また、前記水圧試験終了後に水圧水に含まれる析出物を回収して満水保管し、前記純水を生成した後に該満水保管した析出物を除去することを特徴とする。
このように満水保管することにより、原水にアンモニアを添加することによって析出物が析出したとしても、発電プラントに設置される純水装置が稼働されて純水が生成するまでのあいだ、ボイラ内を防食、防錆して長期保管することができる。
このように満水保管することにより、原水にアンモニアを添加することによって析出物が析出したとしても、発電プラントに設置される純水装置が稼働されて純水が生成するまでのあいだ、ボイラ内を防食、防錆して長期保管することができる。
さらに、前記水圧試験終了後に水圧水に含まれる析出物を前記ボイラ内に回収して満水保管し、前記純水を生成した後にボイラ内に希酸を添加し、該水圧水に含まれる析出物を溶解除去させることを特徴とする。
このように、純水が生成された段階でボイラ内に希酸を添加し、該水圧水に含まれる析出物を溶解除去させることにより、ボイラ内に満水保管した析出物を除去することができ、ボイラの防食、防錆を行うことができる。
このように、純水が生成された段階でボイラ内に希酸を添加し、該水圧水に含まれる析出物を溶解除去させることにより、ボイラ内に満水保管した析出物を除去することができ、ボイラの防食、防錆を行うことができる。
また、前記原水にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行うステップとして、前記ボイラの前段に給水タンクを配設して前記原水を一旦貯留し、該原水にアンモニアを添加して析出物を沈降させて分離し上澄み液を前記水圧試験の水圧水として用いるとともに、該水圧試験終了後に水圧水に含まれる析出物を前記給水タンク内に回収して満水保管し、前記純水を生成した後に給水タンク内の析出物を分離除去させることを特徴とする。
このように、前記ボイラの前段に給水タンクを配設して前記原水を一旦貯留し、該原水にアンモニアを添加して析出物を沈降させて分離し上澄み液を前記水圧試験の水圧水として用いることにより、原水に含まれる硬質成分をボイラ内へ持ち込むことを防ぐので、ボイラ内で析出物を析出させることなく水圧試験を行うことができる。
このように、前記ボイラの前段に給水タンクを配設して前記原水を一旦貯留し、該原水にアンモニアを添加して析出物を沈降させて分離し上澄み液を前記水圧試験の水圧水として用いることにより、原水に含まれる硬質成分をボイラ内へ持ち込むことを防ぐので、ボイラ内で析出物を析出させることなく水圧試験を行うことができる。
これらを好適に実施する装置の発明として、発電プラントの新規建設時に実施されるボイラの水圧試験装置において、
前記ボイラ内に水圧を付与する水圧水として、市水、井戸水若しくは工業用水(以下、原水と称す)にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行う水圧試験手段と、純水を生成する純水生成手段と、該純水生成手段とボイラの間に前記水圧水をボイラへ供給するラインと並行して配設される純水供給ラインと、前記水圧試験終了後に該純水供給ラインを経て供給される純水で該ボイラを洗浄するボイラ洗浄手段と、を備えることを特徴とする。
前記ボイラ内に水圧を付与する水圧水として、市水、井戸水若しくは工業用水(以下、原水と称す)にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行う水圧試験手段と、純水を生成する純水生成手段と、該純水生成手段とボイラの間に前記水圧水をボイラへ供給するラインと並行して配設される純水供給ラインと、前記水圧試験終了後に該純水供給ラインを経て供給される純水で該ボイラを洗浄するボイラ洗浄手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記水圧試験手段を経た水圧水に含まれる析出物を回収して満水保管する満水保管手段をさらに備え、前記純水生成手段で純水を生成して該満水保管した析出物を除去することを特徴とする。
さらに、前記満水保管手段で析出物を回収する満水保管部が前記ボイラであって、前記水圧試験手段を経た水圧水に含まれる析出物を前記ボイラ内に回収して満水保管し、前記純水生成手段で純水を生成した後にボイラ内に希酸を添加する希酸添加手段を備え、該希酸添加手段により該水圧水に含まれる析出物を溶解除去させることを特徴とする。
さらに、前記満水保管手段で析出物を回収する満水保管部が前記ボイラであって、前記水圧試験手段を経た水圧水に含まれる析出物を前記ボイラ内に回収して満水保管し、前記純水生成手段で純水を生成した後にボイラ内に希酸を添加する希酸添加手段を備え、該希酸添加手段により該水圧水に含まれる析出物を溶解除去させることを特徴とする。
さらにまた、前記原水にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行う水圧試験手段は、前記ボイラの前段に配置され前記原水を一旦貯留する給水タンクと、該原水にアンモニアを添加して析出物を沈降させて分離し上澄み液を前記水圧試験の水圧水として用いる手段とで構成され、
前記水圧試験手段を経た水圧水に含まれる析出物を前記給水タンク内に回収して満水保管し、前記純水生成手段で純水を生成した後に給水タンク内の析出物を分離除去させることを特徴とする。
これにより、上記した方法発明と同様の効果を得ることができる。なお、以上述べた各構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
前記水圧試験手段を経た水圧水に含まれる析出物を前記給水タンク内に回収して満水保管し、前記純水生成手段で純水を生成した後に給水タンク内の析出物を分離除去させることを特徴とする。
これにより、上記した方法発明と同様の効果を得ることができる。なお、以上述べた各構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
以上記載のごとく本発明によれば、前記ボイラ内に水圧を付与する水圧水として、原水にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行うステップと、前記水圧試験終了後に純水で該ボイラを洗浄するステップとを備えることにより、純水装置や軟水処理装置の設置時期に関わらず発電プラントの新規建設時で水圧試験を実施可能とするとともに、前記水圧試験終了後にボイラ内を純水で洗浄して腐食性を有する物質を除去しボイラの防食、防錆を行うことができる。また、純水は発電プラントに設置される純水装置によって生成されるので、純水を外部から購入せずに試験を実施することができ、コストを押えることが可能である。
前記水圧試験終了後に水圧水に含まれる析出物を回収して満水保管し、前記純水を生成した後に該満水保管した析出物を除去することにより、原水にアンモニアを添加することによって析出物が析出したとしても、発電プラントに設置される純水装置が稼働されて純水が生成するまでのあいだ、ボイラ内を防食、防錆して長期保管することができる。
また、純水が生成された段階でボイラ内に希酸を添加し、該水圧水に含まれる析出物を溶解除去させることにより、ボイラ内に満水保管した析出物を除去することができ、ボイラの防食、防錆を行うことができる。
さらに、前記ボイラの前段に給水タンクを配設して前記原水を一旦貯留し、該原水にアンモニアを添加して析出物を沈降させて分離し上澄み液を前記水圧試験の水圧水として用いることにより、原水に含まれる硬質成分をボイラ内へ持ち込むことを防ぐので、ボイラ内で析出物を析出させることなく水圧試験を行うことができる。
前記水圧試験終了後に水圧水に含まれる析出物を回収して満水保管し、前記純水を生成した後に該満水保管した析出物を除去することにより、原水にアンモニアを添加することによって析出物が析出したとしても、発電プラントに設置される純水装置が稼働されて純水が生成するまでのあいだ、ボイラ内を防食、防錆して長期保管することができる。
また、純水が生成された段階でボイラ内に希酸を添加し、該水圧水に含まれる析出物を溶解除去させることにより、ボイラ内に満水保管した析出物を除去することができ、ボイラの防食、防錆を行うことができる。
さらに、前記ボイラの前段に給水タンクを配設して前記原水を一旦貯留し、該原水にアンモニアを添加して析出物を沈降させて分離し上澄み液を前記水圧試験の水圧水として用いることにより、原水に含まれる硬質成分をボイラ内へ持ち込むことを防ぐので、ボイラ内で析出物を析出させることなく水圧試験を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態1における水圧試験の装置図、図2は本発明の実施形態2における水圧試験の装置図である。
図1は本発明の実施形態1における水圧試験の装置図、図2は本発明の実施形態2における水圧試験の装置図である。
水質は国や季節によって優位に変化するが、プラント機器の腐食へ影響を及ぼす成分は表1に示すものである。表1に示すように、市水にはCa,Mg等の硬質成分が含まれているため、防食剤や防錆剤を添加する。
表2は、表1の市水に各種薬品を加えた試験水を作り、その中に試験片を浸し発錆の有無及び発錆の進行状況を観察した材料腐食評価試験結果である。比較として、ヒドラジン500ppm(No.7)と亜硝酸ソーダ1000ppm(No.8)を用いた。
表2は、表1の市水に各種薬品を加えた試験水を作り、その中に試験片を浸し発錆の有無及び発錆の進行状況を観察した材料腐食評価試験結果である。比較として、ヒドラジン500ppm(No.7)と亜硝酸ソーダ1000ppm(No.8)を用いた。
表2によれば、
(1)薬剤無添加の市水No.1は浸漬後、徐々に発錆が進行した。
(2)市水をアンモニア添加してpH9.0〜9.5に調整したNo.2とNo.3は、2日目以降で発錆が多量に見られた。
(3)市水をアンモニア添加してpH10.5以上調整したNo.5とNo.6は、60日間経過しても全く発錆は見られなかった。
よって、表2よりアンモニアでpH10.5以上に調整すれば、防食、防錆が達成されることがわかった。
(1)薬剤無添加の市水No.1は浸漬後、徐々に発錆が進行した。
(2)市水をアンモニア添加してpH9.0〜9.5に調整したNo.2とNo.3は、2日目以降で発錆が多量に見られた。
(3)市水をアンモニア添加してpH10.5以上調整したNo.5とNo.6は、60日間経過しても全く発錆は見られなかった。
よって、表2よりアンモニアでpH10.5以上に調整すれば、防食、防錆が達成されることがわかった。
以下に述べる実施形態では、原水にアンモニアを添加してpH10.5以上に調整したものを水圧水として使用する。
なお、アンモニアの添加濃度は、使用する市水、井戸水若しくは工業用水等の原水の水質条件や保存期間によって事前に確認して調整する必要があるが、10〜500mg/l程度とする。
なお、アンモニアの添加濃度は、使用する市水、井戸水若しくは工業用水等の原水の水質条件や保存期間によって事前に確認して調整する必要があるが、10〜500mg/l程度とする。
(実施形態1)
実施形態1に係る水圧試験について図1を用いて説明する。
図1に示す水圧試験装置は、水圧試験の対象となるボイラ2と、原水をボイラ2へ供給する原水供給ライン17と、原水にアンモニアを供給するアンモニア供給装置4と、アンモニア供給装置4によってアンモニアを供給される原水のpHを測定するpH計6とで構成される。
また、その他の構成として、純水を生成する純水装置8と、純水装置8によって生成される純水を貯留する純水タンク12と、純水をボイラ2へ供給する純水供給ライン16と、希酸添加装置14とを備えている。
実施形態1に係る水圧試験について図1を用いて説明する。
図1に示す水圧試験装置は、水圧試験の対象となるボイラ2と、原水をボイラ2へ供給する原水供給ライン17と、原水にアンモニアを供給するアンモニア供給装置4と、アンモニア供給装置4によってアンモニアを供給される原水のpHを測定するpH計6とで構成される。
また、その他の構成として、純水を生成する純水装置8と、純水装置8によって生成される純水を貯留する純水タンク12と、純水をボイラ2へ供給する純水供給ライン16と、希酸添加装置14とを備えている。
原水は、アンモニア供給装置4とpH計6によってpH10.5以上に調整され、原水供給ライン17をとおってボイラ2へ供給され、水圧試験の水圧水として用いられる。上述したように、原水をアンモニアでpH10.5以上に調整されてなる水圧水は、防食、防錆効果があるため、建設工事進捗の都合で純水装置8により純水が生成されてなくても水圧試験を行うことができる。
ボイラ2の水圧試験を行った後、ボイラ2には原水の硬質成分がアンモニアによって析出される析出物3が沈降する。この析出物3はそのまま放置すると熱負荷運転時に伝熱阻害を引き起こし、ボイラ2の性能低下を招くため、水圧試験終了後、析出物3は長期間ボイラ2で満水保管される。満水保管することにより2〜3ヶ月は腐食を防いで保管することができる。
満水保管された析出物3は、純水装置8によって純水の準備ができた段階で、希酸添加装置14によちボイラ内へ希酸を添加して溶解除去される。ここで用いる希酸は、クエン酸、塩酸、酢酸等の薄い酸液である。
水圧試験持には建設工事進捗の都合で純水装置8が稼働されていなかったとしても、満水保管をすることによって純水が生成されるまで待機することができる。純水が生成された後、希酸を添加して析出物を除去し、ボイラ2内を純水で洗浄する。
これにより、プラント機器の新規建設でも低コストで水圧試験を行うことができるとともに、ボイラの防食・防錆を達成することができる。
水圧試験持には建設工事進捗の都合で純水装置8が稼働されていなかったとしても、満水保管をすることによって純水が生成されるまで待機することができる。純水が生成された後、希酸を添加して析出物を除去し、ボイラ2内を純水で洗浄する。
これにより、プラント機器の新規建設でも低コストで水圧試験を行うことができるとともに、ボイラの防食・防錆を達成することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る水圧試験について図2を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、図1に示した実施形態1と同じ構成の部分には説明を省略するため同じ符号を示している。
実施形態1と同様に、図2に示す水圧試験装置は、水圧試験の対象となるボイラ2と、原水にアンモニアを供給するアンモニア供給装置4と、アンモニア供給装置4によってアンモニアを供給される原水のpHを測定するpH計6と、純水を生成する純水装置8と、純水装置8によって生成される純水を貯留する純水タンク12と、純水をボイラ2へ供給する純水供給ライン16とで構成される。
次に、実施形態2に係る水圧試験について図2を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、図1に示した実施形態1と同じ構成の部分には説明を省略するため同じ符号を示している。
実施形態1と同様に、図2に示す水圧試験装置は、水圧試験の対象となるボイラ2と、原水にアンモニアを供給するアンモニア供給装置4と、アンモニア供給装置4によってアンモニアを供給される原水のpHを測定するpH計6と、純水を生成する純水装置8と、純水装置8によって生成される純水を貯留する純水タンク12と、純水をボイラ2へ供給する純水供給ライン16とで構成される。
また、その他の構成として、前記ボイラ2の前段に配置され原水を一旦貯留する給水タンク10を備えている。給水タンク10では、原水にアンモニアを添加して析出物3を沈降させて分離し上澄み液を得ることができる。この上澄み液は水圧試験の水圧水として、上澄み液供給ライン18を経てボイラ2へ供給される。上澄み液である水圧水は、防食、防錆効果があるため、建設工事進捗の都合で純水装置8により純水が生成されてなくても水圧試験を行うことができる。
なお、実施形態1と同様に、給水タンク10でもアンモニア供給装置4とpH計6によってpH10.5以上に調整される。
なお、実施形態1と同様に、給水タンク10でもアンモニア供給装置4とpH計6によってpH10.5以上に調整される。
ボイラ2の水圧試験を行った後、給水タンク10には析出物3が沈降するため、実施形態1と同様に満水保管することにより腐食を防いで長期間保管することができる。
満水保管された析出物3は、純水装置8によって純水の準備ができた段階で、給水タンク10内の析出物3を分離除去する。
水圧試験持には建設工事進捗の都合で純水装置8が稼働されていなかったとしても、満水保管をすることによって純水が生成されるまで待機することができる。純水が生成された後、給水タンク10内の析出物3を分離除去するとともに、ボイラ2内を純水で洗浄する。
満水保管された析出物3は、純水装置8によって純水の準備ができた段階で、給水タンク10内の析出物3を分離除去する。
水圧試験持には建設工事進捗の都合で純水装置8が稼働されていなかったとしても、満水保管をすることによって純水が生成されるまで待機することができる。純水が生成された後、給水タンク10内の析出物3を分離除去するとともに、ボイラ2内を純水で洗浄する。
これにより、プラント機器の新規建設でも低コストで水圧試験を行うことができるとともに、ボイラの防食・防錆を達成することができる。
さらに、実施形態2では前記ボイラの前段に配設した給水タンクにより、原水に含まれる硬質成分をボイラ内へ持ち込むことを防ぐので、ボイラ内で析出物を析出させることなく水圧試験を行うことができる。
さらに、実施形態2では前記ボイラの前段に配設した給水タンクにより、原水に含まれる硬質成分をボイラ内へ持ち込むことを防ぐので、ボイラ内で析出物を析出させることなく水圧試験を行うことができる。
本発明によれば、純水装置や軟水処理装置の設置時期に関わらずに水圧試験を実施可能とするとともに、ボイラの防食、防錆を行うことができるので、発電プラントの新規建設時での水圧試験方法及び水圧試験装置への適用に際して有益である。
2 ボイラ
3 析出物
4 アンモニア供給装置
8 純水装置
10 給水タンク
12 純水タンク
14 希酸添加装置
3 析出物
4 アンモニア供給装置
8 純水装置
10 給水タンク
12 純水タンク
14 希酸添加装置
Claims (8)
- 発電プラントの新規建設時に実施されるボイラの水圧試験方法において、
前記ボイラ内に水圧を付与する水圧水として、市水、井戸水若しくは工業用水(以下、原水と称す)にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行うステップと、前記水圧試験終了後に純水で該ボイラを洗浄するステップと、を備えることを特徴とする水圧試験方法。 - 前記水圧試験終了後に水圧水に含まれる析出物を回収して満水保管し、前記純水を生成した後に該満水保管した析出物を除去することを特徴とする請求項1記載の水圧試験方法。
- 前記水圧試験終了後に水圧水に含まれる析出物を前記ボイラ内に回収して満水保管し、前記純水を生成した後にボイラ内に希酸を添加し、該水圧水に含まれる析出物を溶解除去させることを特徴とする請求項2記載の水圧試験方法。
- 前記原水にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行うステップとして、前記ボイラの前段に給水タンクを配設して前記原水を一旦貯留し、該原水にアンモニアを添加して析出物を沈降させて分離し上澄み液を前記水圧試験の水圧水として用いるとともに、該水圧試験終了後に水圧水に含まれる析出物を前記給水タンク内に回収して満水保管し、前記純水を生成した後に給水タンク内の析出物を分離除去させることを特徴とする請求項2記載の水圧試験方法。
- 発電プラントの新規建設時に実施されるボイラの水圧試験装置において、
前記ボイラ内に水圧を付与する水圧水として、市水、井戸水若しくは工業用水(以下、原水と称す)にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行う水圧試験手段と、純水を生成する純水生成手段と、該純水生成手段とボイラの間に前記水圧水をボイラへ供給するラインと並行して配設される純水供給ラインと、前記水圧試験終了後に該純水供給ラインを経て供給される純水で該ボイラを洗浄するボイラ洗浄手段と、を備えることを特徴とする水圧試験装置。 - 前記水圧試験手段を経た水圧水に含まれる析出物を回収して満水保管する満水保管手段をさらに備え、前記純水生成手段で純水を生成して該満水保管した析出物を除去することを特徴とする請求項5記載の水圧試験装置。
- 前記満水保管手段で析出物を回収する満水保管部が前記ボイラであって、前記水圧試験手段を経た水圧水に含まれる析出物を前記ボイラ内に回収して満水保管し、前記純水生成手段で純水を生成した後にボイラ内に希酸を添加する希酸添加手段を備え、該希酸添加手段により該水圧水に含まれる析出物を溶解除去させることを特徴とする請求項6記載の水圧試験装置。
- 前記原水にアンモニアを添加してなる水圧水を用いて水圧試験を行う水圧試験手段は、前記ボイラの前段に配置され前記原水を一旦貯留する給水タンクと、該原水にアンモニアを添加して析出物を沈降させて分離し上澄み液を前記水圧試験の水圧水として用いる手段とで構成され、
前記水圧試験手段を経た水圧水に含まれる析出物を前記給水タンク内に回収して満水保管し、前記純水生成手段で純水を生成した後に給水タンク内の析出物を分離除去させることを特徴とする請求項6記載の水圧試験装置。
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2008
- 2008-11-18 JP JP2008294550A patent/JP2010121825A/ja not_active Withdrawn
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CN115575054A (zh) * | 2022-10-19 | 2023-01-06 | 中国电建集团山东电力建设第一工程有限公司 | 一种临时火力发电站锅炉水压试验系统 |
WO2024082961A1 (zh) * | 2022-10-19 | 2024-04-25 | 中国电建集团山东电力建设第一工程有限公司 | 一种临时火力发电站锅炉水压试验系统 |
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