JP2010118902A - 路側通信機及び無線通信方法 - Google Patents
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【解決手段】キャリアセンス方式による車車間通信を行う車載通信機3と、路側通信機2とは、無線通信が可能である。車載通信機3同士が直接的に行う車車間通信の際の電波の送信出力の低下を要求する指令情報を記憶する記憶部24と、記憶させた前記指令情報を車載通信機3に送信するデータ送信部23Bとを備えている。
【選択図】 図3
Description
この交通システムは、主に、インフラ側の無線通信装置である複数の路側通信機と、各車両に搭載される無線通信装置である車載通信機(移動通信機)とによって構成される。
そして、路側通信機は例えば交差点付近に設置され、この交差点に進入する車両に搭載された車載通信機同士が無線通信(車車間通信)を行うことにより、交差点における車両の安全性を向上させることができる。
このマルチアクセス方式としては、周波数分割多重(FDMA:Frequency Division Multiple Access)や符号分割多重(CDMA:Code Division Multiple Access)があるが、路側通信機が設置されていないエリア等で、車載通信機のみでの通信が想定される車車間通信としてのマルチアクセス方式としては、例えばCSMA(Carrier Sense Multiple Access)に代表される自律的なランダムアクセス方式を採用するのが好ましい。
また、特に都市部では、交差点同士が比較的近い距離に設けられているため、各交差点近傍にいる移動通信機同士で車車間通信を行おうとしても、一方の交差点にある移動通信機から送信した電波が、他方の交差点にある移動通信装置に容易に届いてしまい、当該他方の交差点の移動通信装置は、情報の送信を行うことができない。
この場合、路側通信機が電波を送信している領域である通信エリアに、移動通信機が進入し指令情報を受信しても、当該移動通信機が路側通信機から遠ければ、電波の送信出力又は電波の受信感度をさほど低下させないで、当該移動通信機との無線通信が可能となるようにする。一方、移動通信機が路側通信機に近づけば、電波の送信出力又は電波の受信感度を大きく低下させても、当該移動通信機との無線通信が可能となる状態が得られる。
この場合、路側通信機が電波を送信している領域である通信エリアに、移動通信機が進入し指令情報を受信しても、路側通信機側から送信された電波の当該移動通信機における受信レベルが小さければ、電波の送信出力又は電波の受信感度をさほど低下させないで、当該移動通信機との無線通信が可能となるようにする。一方、路側通信機側から送信された電波の当該移動通信機における受信レベルが大きければ、電波の送信出力又は電波の受信感度を大きく低下させても、当該移動通信機との無線通信が可能となる状態が得られる。
前記移動通信機が車両に搭載されている場合、混雑度が高ければ、移動通信機を搭載した車両の速度は比較的遅くなり、交通安全のために離れた移動通信機同士での無線通信を行う必要性は低くなる。このため、混雑度が高くなるに応じて、電波の送信出力を低下させる度合いを大きくするのがよく、又は、電波の受信感度を低下させる度合いを大きくするのがよい。そこで、前記混雑度についての情報が取得されれば、前記指令情報によって、電波の送信出力を低下させる度合い、又は、電波の受信感度を低下させる度合いについて、前記のような調整が可能となる。
前記移動通信機が搭載される車両が緊急自動車である場合、離れている他の移動通信機とも通信可能となって、例えば当該緊急自動車の接近情報を他の移動通信機に通知するのが好ましく、また、緊急自動車としては、離れている他の移動通信機の走行情報も通知されるのが好ましい。この場合、移動通信機が搭載される車両の種別に応じて、電波の送信出力を低下させる度合いを小さくさせるのがよく、又は、電波の受信感度を低下させる度合いを小さくさせるのがよい。そこで、移動通信機が搭載される車両の種別についての情報が取得されれば、前記指令情報によって、電波の送信出力を低下させる度合い、又は、電波の受信感度を低下させる度合いについて、前記のような調整が可能となる。
前記移動通信機が車両に搭載され、この車両が走行する道路の種別が、制限速度が比較的高い道路である場合、移動通信機を搭載した車両の速度は速くなることから、単位時間あたりの移動距離が大きくなるので、交通安全のために離れた車両の情報を得たり、離れた車両へ自車の情報を通知する必要性が高まる。この場合、道路の種別に応じて、電波の送信出力を低下させる度合いを小さくさせるのがよく、又は、電波の受信感度を低下させる度合いを小さくさせるのがよい。そこで、前記通信エリアが設定されている道路の種別についての情報が取得されれば、前記対応情報によって、電波の送信出力を低下させる度合い、又は、電波の受信感度を低下させる度合いについて、前記のような調整が可能となる。
前記移動通信機が車両に搭載され、当該車両の移動速度(走行速度)が速くなる場合、単位時間あたりの移動距離が大きくなるので、交通安全のために離れた車両の情報を得たり、離れた車両へ自車の情報を通知する必要性が高まる。この場合、前記移動速度に応じて、電波の送信出力を低下させる度合いを小さくするのがよく、又は、電波の受信感度を低下させる度合いを小さくするのがよい。そこで、移動通信機(車両)の移動速度についての情報が取得されれば、前記対応情報によって、電波の送信出力を低下させる度合い、又は、電波の受信感度を低下させる度合いについて、前記のような調整が可能となる。
前記移動通信機が車両に搭載され、通信エリアにおける環境が悪い場合、つまり、大雨や濃霧等でドライバーの視界が悪い場合、交通安全のためになるべく早くドライバーに周囲の情報を伝えることが望ましく、離れた車両の情報を得たり、離れた車両へ自車の情報を通知する必要性が高まる。この場合、通信エリアにおける環境に応じて、電波の送信出力を低下させる度合いを小さくさせるのがよく、又は、電波の受信感度を低下させる度合いを小さくさせるのがよい。そこで、通信エリアにおける環境についての情報が取得されれば、前記対応情報によって、電波の送信出力を低下させる度合い、又は、電波の受信感度を低下させる度合いについて、前記のような調整が可能となる。
第一に、路側通信機は、移動通信機が多数集合しそうな場所(例えば都市部の交差点)に設置され、移動通信機向けに無線情報の配信等を行うことが多いと考えられるが、この場合、設置された路側通信機からの電波を受信可能な場所には、当該路側通信機からの無線情報を必要とする(無線情報を得たい)移動通信機が多数集まることになる。したがって、この路側通信機の電波到達範囲内において、各本発明に記載のような工夫を施すことで、同時に通信できる移動通信機の数を増やすことができるという、キャリアセンス方式で移動通信機同士が直接通信するケースに特有の技術的効果を見い出したためである。
また、第二として、路側通信機の通信エリア内では、移動通信機よりも当該路側通信機の電波の送信が優先される場合が多く、この場合、路側通信機が電波を送信している間は移動通信機が電波を送信し難くなり、路側通信機が設置されていない場所に比べて、移動通信機が電波を送信する機会が少なくなるという事情が想定される。そこで、各本発明に記載のような工夫により、路側通信機が電波を送出しない限られた時間内に同時に通信できる移動通信機の数を増やすことができるという、特有の技術的効果を見い出したためである。
図1は、高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。
図1に示すように、高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機2、車載通信機3(図2及び図3参照)、中央装置4、及び、車載通信機(移動通信機)3を搭載した車両5等を含む。
中央装置4は、自身が管轄する監視エリアに含まれる各交差点Ciの交通信号機1及び路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。従って、中央装置4は、各交通信号機1及び各路側通信機2との間で双方向通信が可能である。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
図2は、上記高度道路交通システムの監視エリアの一部を示す道路平面図である。
図2では、互いに交差する2つの道路の各々が上りと下りで片側1車線のものとして例示されているが、道路構造はこれに限られるものではない。
図2にも示すように、本実施形態の交通システムは、車載通信機3との間で無線通信が可能な複数の路側通信機2と、キャリアセンス方式で他の通信機2,3と無線通信を行う移動無線送受信機の一種である車載通信機3と備えている。
各路側通信機2は、その周囲に広がる所定範囲の通信エリアAをそれぞれ有し、この通信エリアAを走行する各車両5の車載通信機3と無線通信が可能である。通信エリアAは、路側通信機2が電波を送信している領域であり、車載通信機3が当該電波を受信可能な領域である。
なお本発明において「直接的な無線通信」とは、車載通信機3間での情報の送受信に路側通信機2が介在しておらず、一つの車載通信機3から送信された情報を他の車載通信機3が直接受信することによって、無線通信が行われることを意味する。
また、各路側通信機2は、自身の送信タイミングを制御するために他の路側通信機2との時刻同期機能を有している。
図3は、路側通信機2及び車載通信機3の内部構成を示すブロック図である。
車載通信機3は、無線通信のためのアンテナ30に接続された無線通信部(送受信部)31と、この通信部31に対する通信制御を行うプロセッサ等よりなる制御部32と、この制御部32に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部33とを備えている。
無線通信部31は、無線通信のために通常用いられる構成とすることができ、発振器、変調器、復調器、アンプ等を備えている。
記憶部33は、制御部32が実行する通信制御のためのコンピュータプログラムや、各通信装置2,3の通信機ID等を記憶している。
車載通信機3が送信する送信データには、ヘッダ、データ及びフッタが含まれている。ヘッダには、プリアンブルや自身の車載通信機ID(車両ID)が含まれている。
無線通信部21は、無線通信のために通常用いられる構成とすることができ、発振器、変調器、復調器、アンプ等を備えている。
記憶部24は、制御部23が実行する通信制御のためのコンピュータプログラムや、各通信機2,3の通信機ID等を記憶している。
路側通信機2の制御部23は、時分割多重方式によって路車間、車路間及び路路間の無線通信を無線通信部22に行わせるものである。このため、制御部23は、上記コンピュータプログラムの実行によって達成される機能部として、路側通信機2自身が無線送信する第一時間スロットと、車載通信機3の無線送信を許容する第二時間スロットとを、一定の周期ごとに時分割で割り当てる割当部23Aを備えている。
このデータ送信部23Bは、取得した各種情報や、有線通信部22が受信した中央装置4の渋滞情報等の交通情報を記憶部24に一時的に記憶させると共に、これら情報及び記憶部24が既に記憶している情報を、無線通信部21及びアンテナ20を介して車載通信機2に対してブロードキャスト送信する。
指令情報iは、前記通信エリアAに存在している車載通信機3に対して送信する情報であり、車載通信機3同士が直接的に行う無線通信(車車間通信)の際の電波の送信出力の低下を要求する情報である。参照情報jは、記憶部24が既に記憶している情報であり、具体例については、後に説明する。
図5(a)は、路側通信機2及び車両5が搭載している車載通信機3の機能を説明するための説明図である。
車載通信機3の前記検出部35は、車載通信機3が路側通信機2の通信エリアA内に進入したことを検出する機能を有している。このために、検出部35は、路側通信機2側のアンテナ20から送信された電波の通信部31における受信レベルを常時感知している。そして、その値が所定値以上である場合に、車載通信機3が当該路側通信機2の通信エリアA内に進入したことを検知することができる。さらに、受信信号中の特定ビット(ヘッダ)を参照することで、信号の送信元が路側通信機2であることがわかる。
車載通信機3が指令情報iを受信すると、この指令情報iに従うべく、当該車載通信機3の前記送信出力調整部36aは、車車間通信のための電波の送信出力を低下させる制御を行う。送信出力調整部36aは、例えば通信部31のアンプ(図示せず)を制御することによって送信電波の出力を大小調整することができる。
したがって、図5(a)(b)に示しているように、路側通信機2からの指令信号iを車載通信機3が受信すると、車載通信機3の送信出力調整部36aは、アンテナ30からの電波の送信出力を標準の値から低下させる。
したがって、指令情報i及び参照情報jを受信した車載通信機3の送信出力調整部36aは、これらの情報に従うべく、図5(a)(b)に示しているように、通信エリアA内で、路側通信機2のアンテナ20との間の距離Lが小さくなるに応じて、電波の送信出力を大きく低下させる。
また、路側通信機2は、通信エリアAで車載通信機3と無線通信を行うことから、指令情報iを前記のような情報とするのが好ましい。これは、車載通信機3が通信エリアAに進入し指令情報iを受信しても、図5(b)のように、当該車載通信機3が路側通信機2から遠ければ、電波の送信出力をさほど低下させないで、路側通信機2が当該車載通信機3からの情報を受信することができるようにするためである。一方、車載通信機3が路側通信機2に近づけば、電波の送信出力を大きく低下させても、路側通信機2は当該車載通信機3との無線通信が可能な状態とすることができる。
送信出力調整部36aは、検出部35から受信レベルに関する情報を取得すると共に、前記参照情報j(図4(c))を参照する(受信レベルQと送信出力との関数に基づいて演算する)ことにより、車載通信機3における受信レベルQに応じた電波の送信出力を求め、当該送信出力を低下させる処理を行う。
又は、図5(f)に示しているように、車載通信機3が前記指令情報iを受信した時点で、アンテナ30からの電波の送信出力を所定の値まで低下させてから、さらに、参照情報jに基づいて、距離L又は受信レベルQに応じて、電波の送信出力を変更しながら低下させてもよい。
または、前記適用時間情報の代わりに、電波の送信出力を低下させて走行する距離に関する適用走行距離情報であってもよい。この場合、当該距離は、通信エリアAの範囲に設定される。そして、適用走行距離情報を含む指令情報iを受信した車載通信機3は、その距離を走行する間だけ電波の送信出力を低下させ、当該距離の走行を終えると、自律的に電波の送信出力を復帰させる。
したがって、前記交通システムに割り当てられている周波数帯域が限られていても(例えば10MHz)、また、通信エリアA内で車載通信機3(車両5)が増えたとしても、同時に電波を発することのできる車載通信機3が増え、路路間通信を行っている車載通信機3の数が増えて当該通信を活発に行わせることができる。
第一実施形態では、指令情報iが、車車間通信のための電波の送信出力の低下を要求する情報であったが、第二実施形態では、指令情報iは、車車間通信のための車載通信機3における電波の受信感度の低下を要求する情報である。このために、車載通信機3の調整部36を、図6に示しているように、アンテナ30による受信電波の感度を調整する受信感度調整部36bとする。なお、他の検出部35等は第一実施形態と同じである。
車載通信機3が指令情報iを受信すると、この指令情報iに従うべく、当該車載通信機3の前記受信感度調整部36bは、車車間通信のための電波の受信感度を低下させる制御を行う。受信感度調整部36bは、例えば通信部31のアンプ(図示せず)を制御することによって受信感度を大小調整することができる。
したがって、図7(b)に示しているように、路側通信機2からの指令信号iを車載通信機3が受信すると、受信感度調整部36bは、アンテナ30における電波の受信感度を標準の値から低下させる。
さらには、図7(e)に示しているように、車載通信機3が前記指令情報iを受信した時点で、受信感度調整部36bは、アンテナ30による電波の受信感度を所定の値に低下させ、その状態を維持するようにしてもよい。
このため、受信感度を低下させた車載通信機3は、近隣にある他の車両5の車載通信機3が送信した電波を受けるが、少し離れた他の車両5の車載通信機3の電波を受信することができず、受信感度を低下させた車載通信機3は情報を発することができる機会が増えることとなる。
なお、車載通信機3における受信感度の復帰は、第一実施形態と同様の手段によって行われる。
路側通信機2の構成は、前記第一又は第二実施形態と同様であるが、路側通信機2は、車車間通信のための電波の送信出力又は当該電波の受信感度を、車載通信機3が選択して低下させるように要求する指令情報を送信する。
そして、車載通信機3は、図8に示しているように、調整部36が、前記送信出力調整部36a及び前記受信感度調整部36bの双方の機能を備えている。制御部32は、これら送信出力調整部36a及び受信感度調整部36bの内のいずれか一方を機能させる選択部38を更に備えていている。なお、検出部35、送信出力調整部36a及び受信感度調整部36bの各機能は、前記実施形態で説明したものと同じである。
例えば、無線通信においてノイズが多い場合(受受信品質が悪い場合)、受信感度調整部36bを機能させるように選択するのが好ましい。これにより、ノイズの影響を抑えることができる。
前記各実施形態では、路側通信機2が参照情報jを送信し、車載通信機3が当該参照情報jを受信することにより、当該車載通信機3が、当該参照情報jに基づいて、例えば前記距離Lに応じて、車車間通信のための電波の送信出力の低下の度合い又は当該電波の受信感度の低下の度合いを調整し、当該低下の処理を行っている(車載側処理)。
しかし、本発明では、車車間通信のための電波の送信出力の低下の度合い又は当該電波の受信感度の低下の度合いの決定を、路側通信機2が行ってもよい(路側処理)。この路側処理のためには、路側通信機2の制御部23が、前記車載通信機3の調整部36と同様の機能を備えた調整部23Cを有している必要がある。しかし、この場合では、路側通信機2は参照情報jを通信エリアAに送信しなくてもよい。
このために、路側通信機2は、図9及び図10に表として示している参照情報j2をさらに有している。参照情報j2は、路側通信機2の記憶部24に記憶させている。
参照情報j2は、通信エリアAでの混雑度等の各種判定基準と、送信出力の低下の度合い(受信感度の低下の度合い)とが対応付けられた情報である。なお、図9と図10とでは、代表として、送信出力の低下の度合いに関してのみが示されている。
路側通信機2の記憶部24には、前記参照情報j2(図9)として、通信エリアAが設定されている道路の種別に関する道路種別情報が記憶されている。なお、道路の種別とは、例えば一般道路、自動車専用道路等であり、自動車専用道路では、一般道路よりも、制限速度が高く設定されているものとする。
そして、車載通信機3の調整部36は、指令情報iに従って、取得した前記道路種別情報及び参照情報j2(図9)に基づいて、アンテナ30からの電波の送信出力を低下させる度合いを調整する(又はアンテナ30による電波の受信感度を低下させる度合いを調整する)。
そこで、路側通信装置2から、指令情報i及び前記参照情報j2の他、前記混雑情報も送信され、路車間通信によって、車載通信機3の情報取得部37は、これら情報を取得することができる。
そして、車載通信機3の調整部36は、指令情報iに従って、取得した前記混雑情報及び参照情報j2(図9)に基づいて、アンテナ30からの電波の送信出力を低下させる度合いを調整する(又はアンテナ30による電波の受信感度を低下させる度合いを調整する)。
この場合、路側通信装置2から、指令情報i及び前記参照情報j2が送信され、路車間通信によって、車載通信機3の情報取得部37は、これら情報を取得することができる。
そして、路側通信機2の調整部36は、指令情報iに従って、取得した前記速度情報及び参照情報j2(図9)に基づいて、アンテナ30からの電波の送信出力を低下させる度合いを調整する(又はアンテナ30による電波の受信感度を低下させる度合いを調整する)。
この場合、路側通信装置2から、指令情報i及び前記参照情報j2が送信され、路車間通信によって、車載通信機3の情報取得部37は、これら情報を取得することができる。
そして、路側通信機2の調整部36は、指令情報iに従って、取得した前記車両種別情報及び参照情報j2(図10(a))に基づいて、アンテナ30からの電波の送信出力を低下させる度合いを調整する(又はアンテナ30による電波の受信感度を低下させる度合いを調整する)。
そこで、車両種別情報が緊急自動車である場合、緊急自動車に搭載する車載通信機3の通信エリアを比較的広くするために、その車載通信機3の調整部36は、電波の送信出力を低下させる度合いを小さくするのがよく、通常の送信出力を「中」程度にまで低下させる構成とするのがよい(又は、電波の受信感度を低下させる度合いを小さくするのがよい)。
そこで、路側通信装置2から、指令情報i及び前記参照情報j2の他、前記環境情報も送信され、路車間通信によって、車載通信機3の情報取得部37は、これら情報を取得することができる。
そして、車載通信機3の調整部36は、指令情報iに従って、取得した前記環境情報及び参照情報j2(図10(b))に基づいて、アンテナ30からの電波の送信出力を低下させる度合いを調整する(又はアンテナ30による電波の受信感度を低下させる度合いを調整する)。
この場合、環境情報において環境が悪い場合、車載通信機3の調整部36は、受信した環境情報に応じて、電波の送信出力を低下させる度合いを小さくするのが好ましく、通常の送信出力を「中」程度にまで低下させる(又は、電波の受信感度を低下させる度合いを小さくするのがよい)。
例えば、前記実施形態では、移動通信機を車載通信機3(車両5に搭載する車両用の移動通信機)として説明したが、移動通信機は、車両以外に搭載させてもよく、携帯電話端末が備えていてもよい。
また、本発明の送信手段を、前記実施形態では、制御部23の機能(データ送信部23B)によって構成した場合を説明したが、本発明の送信手段は、無線通信部21と制御部23(データ送信部23B)との内の少なくとも一方の機能によって、構成することができる。
3 車載通信機(移動通信機)
5 車両
23B データ送信部(送信手段)
24 記憶部(記憶手段)
A 通信エリア
i 指令情報
L 距離
Q 受信レベル
Claims (9)
- キャリアセンス方式による無線通信を行う移動通信機に対して、無線で情報を送信する路側通信機であって、
前記移動通信機同士が直接的に行う前記無線通信の際の電波の送信出力の低下又は当該電波の受信感度の低下を要求する指令情報を記憶する記憶手段と、
記憶させた前記指令情報を前記移動通信機に送信する送信手段と、を備えていることを特徴とする路側通信機。 - 前記指令情報は、当該路側通信機と前記移動通信機との距離が小さくなるに応じて、前記無線通信の際の電波の送信出力又は当該電波の受信感度を低下させるように要求する情報である請求項1に記載の路側通信機。
- 前記指令情報は、当該路側通信機から送信された電波の前記移動通信機における受信レベルが大きくなるに応じて、前記無線通信の際の電波の送信出力又は当該電波の受信感度を低下させるように要求する情報である請求項1に記載の路側通信機。
- 前記指令情報は、当該路側通信機が電波を送信している領域である通信エリア内に存在している前記移動通信機の混雑度に応じて、前記無線通信の際の電波の送信出力又は当該電波の受信感度を低下させるように要求する情報である請求項1〜3のいずれか一項に記載の路側通信機。
- 前記指令情報は、前記移動通信機が搭載される車両の種別に応じて、前記無線通信の際の電波の送信出力又は当該電波の受信感度を低下させるように要求する情報である請求項1〜4のいずれか一項に記載の路側通信機。
- 前記指令情報は、当該路側通信機が電波を送信している領域である通信エリアが設定されている道路の種別に応じて、前記無線通信の際の電波の送信出力又は当該電波の受信感度を低下させるように要求する情報である請求項1〜5のいずれか一項に記載の路側通信機。
- 前記指令情報は、前記移動通信機の移動速度に応じて、前記無線通信の際の電波の送信出力又は当該電波の受信感度を低下させるように要求する情報である請求項1〜6のいずれか一項に記載の路側通信機。
- 前記指令情報は、当該路側通信機が電波を送信している領域である通信エリアにおける環境に応じて、前記無線通信の際の電波の送信出力又は当該電波の受信感度を低下させるように要求する情報である請求項1〜7のいずれか一項に記載の路側通信機。
- 移動通信機同士によってキャリアセンス方式による無線通信が行われると共に、前記移動通信機と路側通信機とによって無線通信が行われる無線通信方法であって、
前記路側通信機は、前記移動通信機に対して、前記移動通信機同士が直接的に行う無線通信の際の電波の送信出力の低下又は当該電波の受信感度の低下を要求する指令情報を送信することを特徴とする無線通信方法。
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