JP2010118731A - 無線装置、通信制御方法 - Google Patents

無線装置、通信制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010118731A
JP2010118731A JP2008288613A JP2008288613A JP2010118731A JP 2010118731 A JP2010118731 A JP 2010118731A JP 2008288613 A JP2008288613 A JP 2008288613A JP 2008288613 A JP2008288613 A JP 2008288613A JP 2010118731 A JP2010118731 A JP 2010118731A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
information
vehicle arrangement
arrangement information
wireless device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008288613A
Other languages
English (en)
Inventor
Taku Oyama
卓 大山
Shagdar Oyunchimeg
シャグダル オユーンチメグ
Eiji Takimoto
栄二 瀧本
Tatsu Miura
龍 三浦
Sadao Obana
貞夫 小花
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ATR Advanced Telecommunications Research Institute International
Original Assignee
ATR Advanced Telecommunications Research Institute International
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ATR Advanced Telecommunications Research Institute International filed Critical ATR Advanced Telecommunications Research Institute International
Priority to JP2008288613A priority Critical patent/JP2010118731A/ja
Publication of JP2010118731A publication Critical patent/JP2010118731A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】従来の無線装置においては、適切な送信制御ができなかった。
【解決手段】車車間通信装置において利用される無線装置であって、一の車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む第一車両配置情報を取得する第一車両配置情報取得部と、一の車両とは異なる他車両に設置された他の無線装置から、他車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む第二車両配置情報を受信する第二車両配置情報受信部と、第一車両配置情報と第二車両配置情報とを用いて、他車両の一の車両に対する相対的な位置関係を含む情報である車両配置関係情報を取得する車両配置関係情報取得部と、第一車両配置情報を送信し、かつ、第一車両配置情報を送信する場合に車両配置関係情報を用いて、送信制御を行う送信制御部とを具備する無線装置により、適切な送信制御ができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車車間通信において、一の車両と他車両との相対的な位置情報を含む配置関係情報を取得し、当該配置関係情報を用いて、一の車両の配置に関する情報である第一車両配置情報の送信制御をする無線装置等に関するものである。
国土交通省が推進しているASV(先進安全自動車)では、車車間通信を予防安全向上に資する運転支援システムの実用化に取り組まれている。
ASVで行われている検討では、事故数の多い事故4類型に、社会的要求として低減が期待される事故3類型を加えて合計7つの事故類型をピックアップしている。7つの事故類型とは、右折事故、出会い頭事故、歩行者事故、正面衝突事故、追突事故、左折事故、車線変更に伴う衝突事故である。ASVでは、かかる7つの事故類型で分類される事故の回避を中心として、安全な交通社会の実現を目指す取り組みが行われている。
また、従来、マルチキャリアおよびマルチコードからなるチャネルを用いて、無線通信を行う無線装置があった(例えば、非特許文献1参照)。本無線装置は、レスポンス性劣化要因を大幅に削減するMM−SA(Multi−Carrier&Multi−Code Spread ALOHA)方式を採用する。MM−SA方式は、4個の周波数チャネルおよび15個の拡散コードによって掲載されるチャネルから、チャネル制御によって、干渉量の少ないチャネルを確立し、その確定したチャネルを用いて情報を送受信する方式である。
また、各車両がパケットを送信する際に、干渉量の少ない周波数および拡散符号を選択し、その選択した周波数および拡散符号を用いてパケットを送信する無線通信方式も知られている(例えば、非特許文献2)。そして、非特許文献2には、カットスルー方式によってパケットを転送する高速転送技術も記載されている。かかる高速転送技術は、パケットを受信し始めると、そのパケットのヘッダを参照して、そのパケットが中継パケットであると判定すると、そのパケットをそのまま転送するものである。
酒井敏宏、大山卓、鈴木龍太郎、門脇直人、小花貞夫、"高レスポンスアドホック無線通信方式:MM-SA方式の試作と性能評価"、信学技報, vol. 107, no. 113, RCS2007-13, pp. 13-18, 2007年6月 酒井 敏宏、門脇 直人、板谷 聡子、Nouri Shirazi Mahdad、小花 貞夫,"アドホック無線通信システムの高レスポンス化に関する提案",電子情報通信学会技術研究報告,RCS−2006−128(2006−8).
しかしながら、従来の無線装置においては、一の車両に対応する他車両の位置を、適切に取得できなかったため、効果的な送信制御が十分ではなかった。
本第一の発明の無線装置は、車車間通信装置において利用される無線装置であって、一の車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む第一車両配置情報を取得する第一車両配置情報取得部と、前記一の車両とは異なる他車両に設置された他の無線装置から、前記他車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む第二車両配置情報を受信する第二車両配置情報受信部と、前記第一車両配置情報と前記第二車両配置情報とを用いて、前記他車両の前記一の車両に対する相対的な位置関係を含む情報である車両配置関係情報を取得する車両配置関係情報取得部と、前記第一車両配置情報を送信し、かつ、前記第一車両配置情報を送信する場合に前記車両配置関係情報を用いて、送信制御を行う送信制御部とを具備する無線装置である。
かかる構成により、効果的な送信制御が可能となる。
また、本第二の発明の無線装置は、第一の発明に対して、前記車両配置関係情報取得部は、前記第一車両配置情報が有する一の車両の位置情報が示す位置を原点とし、全方位を、予め決められた角度を有する2以上のエリアに分割し、前記第一車両配置情報が有する位置情報と前記第二車両配置情報が有する位置情報に基づいて、他車両が存在するエリアである存在エリアを特定し、当該存在エリアを識別するエリア識別子を取得する他車両存在エリア特定手段と、前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報、および前記エリア識別子を用いて、前記一の車両と前記他車両との車両配置関係を示す車両配置関係情報を取得する他車両存在方向特定手段を具備する無線装置である。
かかる構成により、一の車両に対応する他車両の相対的な位置の情報を適切に取得でき、効果的な送信制御が可能となる。
また、本第三の発明の無線装置は、第二の発明に対して、前記他車両存在方向特定手段は、前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報から、両車両の進行方向が同一方向であるか否かを判断し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、一の車両の進行方向に一致するエリアまたは、当該エリアに対して所定の角度の範囲にある1以上のエリアである周辺規定エリア群である前方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して前方の先行する車両である前方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアに対して180度分ずらしたエリア群である後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して後方の後続する車両である後方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアでも無く、前記後方エリアでも無く、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置に対して右方向のエリアである右方向エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して右側を並走する車両である右側並走車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアでも無く、前記後方エリアでも無く、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置に対して左方向のエリアである左方向エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して左側を並走する車両である左側並走車両であることを示す車両配置関係情報を取得する無線装置である。
かかる構成により、一の車両に対応する他車両の相対的な位置の情報をさらに適切に取得でき、さらに効果的な送信制御が可能となる。
また、本第四の発明の無線装置は、第三の発明に対して、前記他車両存在方向特定手段は、前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報から、両車両の進行方向が同一方向であるか、逆方向であるか、いずれでもないかを判断し、前記両車両の進行方向が逆方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、一の車両の進行方向に一致するエリアまたは、当該エリアに対して所定の角度の範囲にある1以上のエリアである周辺規定エリア群である前方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して接近している対向車両である接近対向車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が逆方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアに対して180度分ずらしたエリア群である後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して通過した対向車両である通過対向車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が逆方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアでも無く、前記後方エリアでも無い場合に、当該他車両が前記一の車両に対して隣接対応車両であることを示す車両配置関係情報を取得する無線装置である。
かかる構成により、一の車両に対応する他車両の相対的な位置の情報をさらに適切に取得でき、さらに効果的な送信制御が可能となる。
また、本第五の発明の無線装置は、第三、第四いずれかの発明に対して、前記他車両存在方向特定手段は、前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報から、両車両の進行方向が同一方向であるか否かを判断し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の右斜め前方のエリアである右斜め前方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して右斜め前方の先行する車両である右斜め前方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の右斜め後方のエリアである右斜め後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して右斜め後方の後続する車両である右斜め後方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の左斜め前方のエリアである左斜め前方エリアであるに、当該他車両が前記一の車両に対して左斜め前方の先行する車両である左斜め前方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の左斜め後方のエリアである左斜め後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して左斜め後方の後続する車両である左斜め後方車両であることを示す車両配置関係情報を取得する無線装置である。
かかる構成により、一の車両に対応する他車両の相対的な位置の情報をさらに適切に取得でき、さらに効果的な送信制御が可能となる。
また、本第六の発明の無線装置は、第一から第五いずれかの発明に対して、前記送信制御部は、車両が走行する道路によって異なる周波数チャネルが割り当てられるように、前記一の車両の送信周波数チャネルを割り当てるチャネル割当処理を行なうとともに、前記車両配置関係情報と前記チャネル割当処理において割り当てられた送信周波数チャネルと前記他の無線装置が第二車両配置情報の送信に用いている他の周波数チャネルとに基づいて、前記送信周波数チャネルおよび前記他の周波数チャネルが相互に異なる周波数チャネルになるように前記送信周波数チャネルを維持または変更するチャネル制御処理を行なうチャネル割当手段と、前記チャネル割当手段が決定した送信周波数チャネルを用いて、前記第一車両配置情報を送信する送信手段とを具備する無線装置である。
かかる構成により、一の車両に対応する他車両の相対的な位置の情報を適切に取得でき、効果的な送信チャネル制御が可能となる。
また、本第七の発明の無線装置は、第六の発明に対して、前記チャネル割当手段は、車両が走行する道路によって異なる周波数チャネルが割り当てられるように、前記一の車両の送信周波数チャネルを割り当てるチャネル割当処理を行なうとともに、前記一の車両の位置を基準にして360度の方位をm(mは2以上の整数)個の進行方向領域に分割するときのm個の基準方向に基づいて、前記一の車両の進行方向が前記m個の基準方向のいずれの基準方向から一定の範囲内に属するかを判定し、かつ前記第二車両配置情報を用いて、前記他車両の進行方向を判定し、前記一の車両の進行方向および前記他車両の進行方向から、前記送信周波数チャネルおよび前記他の周波数チャネルが相互に異なる周波数チャネルになるように前記送信周波数チャネルを維持または変更する無線装置である。
かかる構成により、一の車両に対応する他車両の相対的な位置の情報を適切に取得でき、さらに効果的な送信チャネル制御が可能となる。
また、本第八の発明の無線装置は、第一から第五いずれかの発明に対して、前記送信制御部は、直近の前方車両に搭載された無線装置から送信された第二車両配置情報が生成されたタイミングまたは前記第二車両配置情報を受信したタイミングから、予め決められた時間経過後のタイミングを、前記第一車両配置情報を送信するタイミングとして決定する送信タイミング決定手段と、前記送信タイミング決定手段が決定したタイミングで、前記第一車両配置情報を送信する送信手段とを具備する無線装置である。
かかる構成により、一の車両に対応する他車両の相対的な位置の情報を適切に取得でき、効果的な送信タイミング制御が可能となる。
また、本第九の発明の無線装置は、第八の発明に対して、前記送信タイミング決定手段は、車両配置情報の生成および送信完了に要する時間であるホップ通信時間をTtrとした場合、直近の前方車両に搭載された無線装置から送信された第二車両配置情報が生成されたタイミングまたは受信したタイミングから、3Ttrの時間経過後のタイミングを、前記第一車両配置情報を送信するタイミングとして決定する無線装置である。
かかる構成により、一の車両に対応する他車両の相対的な位置の情報を適切に取得でき、さらに効果的な送信タイミング制御が可能となる。
また、本第十の発明の無線装置は、第八、第九いずれかの発明に対して、前記送信タイミング決定手段は、他の車両に搭載された無線装置から受信された第二車両配置情報を直ちに転送するように、前記第二車両配置情報を送信するタイミングを決定し、前記送信手段は、他の車両に搭載された無線装置から受信された第二車両配置情報を直ちに転送する無線装置である。
かかる構成により、一の車両に対応する他車両の相対的な位置の情報を適切に取得でき、効果的な第二車両配置情報の転送制御が可能となる。
また、本第十一の発明の無線装置は、第十の発明に対して、前記送信手段は、前記第一車両配置情報を、前記第二車両配置情報に優先して送信する無線装置である。
かかる構成により、干渉を抑制できる。
また、本第十二の発明の無線装置は、第一から第五いずれかの発明に対して、前記送信制御部は、前記第一車両配置情報および前記第二車両配置情報を用いて、前記第二車両配置情報を転送するか否かを判断する転送判断手段と、前記転送判断手段が転送すると判断した前記第二車両配置情報を転送する送信手段とを具備する無線装置である。
かかる構成により、一の車両に対応する他車両の相対的な位置の情報を適切に取得でき、さらに効果的な第二車両配置情報の転送制御が可能となる。
また、本第十三の発明の無線装置は、第十二の発明に対して、前記転送判断手段は、前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報から、一の車両と他の車両とが同一方向を走行しているか否かを判断し、両車両が同一方向を走行している場合に、前記第二車両配置情報を転送すると判断し、両車両が同一方向を走行していない場合に、前記第二車両配置情報を転送しないと判断する無線装置である。
かかる構成により、同一方向を走行している他の車両から受信した第二車両配置情報のみを転送でき、さらに効果的な第二車両配置情報の転送制御が可能となる。
また、本第十四の発明の無線装置は、第十二の発明に対して、前記転送判断手段は、前記第一車両配置情報が有する位置情報、前記第二車両配置情報が有する位置情報から、一の車両と他の車両との位置関係を取得し、当該位置関係が予め決められた条件を満たす場合に、前記第二車両配置情報を転送すると判断し、当該位置関係が前記予め決められた条件を満さない場合に、前記第二車両配置情報を転送しないと判断する無線装置である。
かかる構成により、例えば、所定のエリアに存在する他車両から受信した第二車両配置情報のみを転送でき、さらに効果的な第二車両配置情報の転送制御が可能となる。
また、本第十五の発明の無線装置は、第十二の発明に対して、前記転送判断手段は、前記第二車両配置情報が有する第二車両配置情報識別子を用いて、既に転送した第二車両配置情報であるか否かを判断し、既に転送した第二車両配置情報でなければ、前記第二車両配置情報を転送すると判断し、既に転送した第二車両配置情報であれば、前記第二車両配置情報を転送しないと判断する無線装置である。
かかる構成により、同一の第二車両配置情報の転送を防止でき、さらに効果的な第二車両配置情報の転送制御が可能となる。
また、本第十六の発明の無線装置は、第十二の発明に対して、前記転送判断手段は、前記第二車両配置情報が有する時刻情報を用いて、前記第二車両配置情報が予め決められた時間より前に生成または送信されたか否かを判断し、前記第二車両配置情報が予め決められた時間より後に生成または送信されている場合に、前記第二車両配置情報を転送すると判断し、予め決められた時間より前に生成または送信されている場合に、前記第二車両配置情報を転送しないと判断する無線装置である。
かかる構成により、古い第二車両配置情報の転送を防止でき、さらに効果的な第二車両配置情報の転送制御が可能となる。
また、本第十七の発明の無線装置は、第一から第五いずれかの発明に対して、前記第二車両配置情報は、当該第二車両配置情報の種類を識別する種類情報を有し、前記送信制御部は、前記種類情報を含む前記第二車両配置情報の一部を復調し、前記種類情報を取得し、当該種類情報が高速転送を要するか否かを判断する高速転送判断手段と、前記高速転送判断手段が高速転送を要すると判断した場合に、前記第二車両配置情報の前記一部以外の残りの部分を復調せずに、前記第二車両配置情報を転送し、前記高速転送判断手段が高速転送を要しないと判断した場合に、前記第二車両配置情報の他の部分も復調して転送する送信手段とを具備する無線装置である。
かかる構成により、緊急を要する情報を、高速に転送できる。
また、本第十八の発明の無線装置は、第十七の発明に対して、前記高速転送判断手段は、前記種類情報が急ブレーキが踏まれたことを示す情報であり、かつ、前記第二車両配置情報が前の車両に搭載されている無線装置から送信された情報であると判断した場合に、高速転送を要すると判断する無線装置である。
かかる構成により、緊急を要する急ブレーキの情報を、高速に転送できる。
また、本第十九の発明の無線装置は、第十七の発明に対して、前記高速転送判断手段は、前記種類情報が緊急車両が存在することを示す情報であり、かつ、前記第二車両配置情報が後ろの車両に搭載されている無線装置から送信された情報であると判断した場合に、高速転送を要すると判断する無線装置である。
かかる構成により、緊急を要する緊急車両の情報を、高速に転送できる。
また、本第二十の発明の無線装置は、第十七から第十九いずれかの発明に対して、前記送信手段は、前記高速転送判断手段が高速転送を要すると判断した場合に、一時的に、前記第一車両配置情報の送信を中断する無線装置である。
かかる構成により、定期的な送信情報の送信に邪魔されることなく、適切に緊急を要する情報を送信できる。
また、本第二十一の発明の無線装置は、第十七から第十九いずれかの発明に対して、前記送信手段は、前記高速転送判断手段が高速転送を要すると判断した場合に、前記第二車両配置情報の前記一部以外の残りの部分を復調せずに、前記第二車両配置情報を、2回以上、繰り返し転送する無線装置である。
かかる構成により、緊急を要する情報を、より確実に送信できる。
本発明による無線装置によれば、適切な送信制御ができる。
以下、無線装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、車車間通信において、一の車両に対する他車両の相対的な位置情報を含む車両配置関係情報を取得し、当該車両配置関係情報を用いて、第一車両配置情報の送信制御をする無線装置等について説明する。特に、本実施の形態において説明する送信制御は、周波数チャネル制御である。
また、本無線装置において、一の車両に対応する他車両の存在エリアを適切に特定したり、一の車両に対応する他車両の配置関係(先行車、後続車、対向車、並走車など)を特定したりできる。なお、車両とは、自動車、飛行機、電車、バス、自転車、二輪車などの移動体である。
また、本実施の形態において、無線装置は、移動体(車両、人、生物など)が保持している(設置されている)状態であれば良い。つまり、本無線装置で実現される通信制御方法は、車両以外の移動体に設置されている装置でも利用できる。かかることは、他の実施の形態においても同様である。
図1は、本実施の形態における無線ネットワークの概略図である。無線ネットワークは、無線装置1〜10を備える。無線装置1〜10は、それぞれ、車両1〜車両10に搭載されている。そして、無線装置1〜10は、通常、自律的に無線ネットワークを構成する。
図2は、本実施の形態における無線装置1のブロック図である。無線装置1は、第一車両配置情報取得部11、第二車両配置情報受信部12、車両配置関係情報取得部13、送信制御部14、表示部15を具備する。
車両配置関係情報取得部13は、周辺車両情報格納手段130、他車両存在エリア特定手段131、他車両存在方向特定手段132を具備する。
送信制御部14は、チャネル割当手段141、送信手段142を具備する。
第一車両配置情報取得部11は、第一車両配置情報を取得する。第一車両配置情報とは、一の車両の車両配置情報である。車両配置情報は、車両の走行に関する情報である。車両配置情報は、車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む。つまり、第一車両配置情報は、一の車両の位置情報と、一の車両の進行方向情報とを含む。また、第一車両配置情報は、通常、一の車両を識別する情報である車両IDを含む。
また、さらに具体的には、第一車両配置情報取得部11は、図示しないカーナビゲーション装置と連携して地図データを保持してもよい。そして、第一車両配置情報取得部11は、図示しないGPS受信装置から無線装置1のGPS信号を受け、当該GPS信号から無線装置1が搭載された車両1の進行方向を検出するとともに、GPS信号から無線装置1の緯度および経度を抽出し、その抽出した緯度および経度を公知の方法によってx−y座標による位置情報[x1,y1]に変換する。第一車両配置情報取得部11は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信装置、およびソフトウェア等で実現され得る。また、第一車両配置情報取得部11は、例えば、ビーコンや、その他の手段を用いて、第一車両配置情報を取得しても良い。また、ここでの取得とは、他の図示しない装置(例えば、種々の車両の車両配置情報を収集するサーバ装置など)からの受信でも良い。
第二車両配置情報受信部12は、一の車両とは異なる他車両に設置された他の無線装置(適宜、「他車両」とも言う。)から、他車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む第二車両配置情報を受信する。なお、第二車両配置情報は、通常、他車両を識別する情報である車両IDを含む。第二車両配置情報受信部12は、通常、定期的に第二車両配置情報を受信する。ただし、定期的とは、正確に、同時間間隔でなければならない趣旨ではない。また、第二車両配置情報受信部12が第二車両配置情報を受信するタイミングは、定期的で無くても良い。他の無線装置からの受信は、直接的な受信でも、他の装置を経由した間接的な受信でも良い。また、第二車両配置情報受信部12は、通常、パケット化され、変調された第二車両配置情報を受信する。また、第二車両配置情報は、通常、受信後に復調される。また、第二車両配置情報受信部12は、通常、すべての周波数チャネルの情報(パケット)を受信する。第二車両配置情報受信部12は、通常、無線通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。第二車両配置情報受信部12は、例えば、MM−SA方式により、第二車両配置情報を受信する。なお、第二車両配置情報受信部12は、通常、図示しないアンテナを経由して情報を受信する。アンテナは、無線通信空間を介して他の無線装置から情報(通常、パケット)を受信し、その受信した情報を第二車両配置情報受信部12へ出力する。また、アンテナは、送信手段142からの情報(通常、パケット)を、無線通信空間を介して他の無線装置へ送信する。
また、さらに具体的には、例えば、第二車両配置情報受信部12は、各周波数チャネルf1〜f4に対して図示しないアンテナを介してチャネル監視を行なう。そして、第二車両配置情報受信部12は、周波数チャネルf1〜f4のうちの1つの周波数チャネルを用いて他の無線装置からパケットPKT_PSを受信するとともに、パケットPKT_PSを受信した周波数チャネルに対して割り当てられている複数の拡散符号の全てを用いてパケットPKT_PSを逆拡散し、その逆拡散したパケットPKT_PSから他の無線装置が検出したGPS信号を抽出する。その後、第二車両配置情報受信部12は、他の無線装置におけるGPS信号と、他の無線装置からパケットPKT_PSを受信したときの受信周波数チャネルCH_Rとを車両配置関係情報取得部13へ出力する。なお、GPS信号は、車両配置情報を構成する情報を含む。GPS信号は、緯度、経度、速度、進行方向、および時刻の情報を有する。さらに具体的には、第二車両配置情報受信部12は、他の無線装置のGPS信号を受け付け、その受け付けたGPS信号から他の無線装置が搭載された車両の進行方向を検出するとともに、GPS信号から他の無線装置の緯度および経度を抽出し、その抽出した緯度および経度を公知の方法によってx−y座標による位置情報[x2,y2]に変換する。
車両配置関係情報取得部13は、第一車両配置情報と第二車両配置情報とを用いて、車両配置関係情報を取得する。また、車両配置関係情報取得部13は、第一車両配置情報と第二車両配置情報とを、通常、周辺車両情報格納手段130に、少なくとも一時蓄積する。車両配置関係情報は、他車両の一の車両に対する相対的な位置関係を含む情報である。また、車両配置関係情報は、他車両の一の車両に対する相対的な走行に関する情報である。車両配置関係情報とは、例えば、一の車両に対して、他車両が先行車であることを示す情報(例えば、「a」)、他車両が後続車であることを示す情報(例えば、「b」)、他車両が対向車であることを示す情報(例えば、「c」)、他車両が並走車であることを示す情報(例えば、「d」)などである。また、車両配置関係情報は、例えば、一の車両に対して、右側を並走する車両である右側並走車両であることを示す情報、一の車両に対して左側を並走する車両である左側並走車両であることを示す情報、一の車両に対して接近している対向車両である接近対向車両であることを示す情報、または、一の車両に対して通過した対向車両である通過対向車両であることを示す情報などでも良い。また、車両配置関係情報とは、例えば、一の車両に対する他車両の存在エリアを識別するエリア識別子を有する。存在エリアを識別するエリア識別子は、例えば、他車両が一の車両に対して前方に存在することを示す前方識別子(例えば、「1」)、他車両が一の車両に対して後方に存在することを示す後方識別子(例えば、「2」)、他車両が一の車両に対して右方向に存在することを示す右方向識別子(例えば、「3」)、他車両が一の車両に対して左方向に存在することを示す左方向識別子(例えば、「4」)である。また、存在エリアを識別するエリア識別子は、以下の8つ、存在することは好適である。8つのエリア識別子は、他車両が一の車両に対して前方に存在することを示す前方識別子(例えば、「1」)、他車両が一の車両に対して後方に存在することを示す後方識別子(例えば、「2」)、他車両が一の車両に対して右方向に存在することを示す右方向識別子(例えば、「3」)、他車両が一の車両に対して右斜め前方に存在することを示す右斜め前方識別子(例えば、「4」)、他車両が一の車両に対して右斜め後方に存在することを示す右斜め後方識別子(例えば、「5」)、他車両が一の車両に対して左方向に存在することを示す左方向識別子(例えば、「6」)他車両が一の車両に対して左斜め前方に存在することを示す左斜め前方識別子(例えば、「7」)、他車両が一の車両に対して左斜め後方に存在することを示す左斜め後方識別子(例えば、「8」)である。なお、第二車両配置情報は、通常、復調(デコード)されてから、分析される。
車両配置関係情報取得部13は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。車両配置関係情報取得部13の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
周辺車両情報格納手段130は、一の車両に関する情報である自車両情報、および他車両(1以上、存在しても良い)に関する情報である他車両情報(適宜、「周辺車両情報」とも言う。)を格納し得る。自車両情報は、第一車両配置情報取得部11が取得した第一車両配置情報を含む。また、他車両情報は、第二車両配置情報受信部12が受信した第二車両配置情報を含む。周辺車両情報格納手段130は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
他車両存在エリア特定手段131は、第一車両配置情報が有する一の車両の位置情報が示す位置を原点とし、全方位を、予め決められた角度を有する2以上のエリアに分割し、第一車両配置情報が有する位置情報と第二車両配置情報が有する位置情報に基づいて、他車両が存在するエリアである存在エリアを特定し、当該存在エリアを識別するエリア識別子を有する車両配置関係情報を取得する。なお、他車両存在エリア特定手段131が分割するエリアは、4であることが好適である。また、他車両存在エリア特定手段131が分割するエリアは、8であることがさらに好適である。また、エリアは、一の車両の位置情報が示す位置(原点)を中心とした、扇形に外に広がる領域である。また、分割するエリアが2の場合は、通常、「前方」「後方」のエリアである。分割するエリアが4の場合は、通常、「前方」「後方」「右方向」「左方向」である。分割するエリアが8の場合は、通常、「前方」「後方」「右方向」「右斜め前方」「右斜め後方」「左方向」「左斜め前方」「左斜め後方」である。他車両存在エリア特定手段131は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。他車両存在エリア特定手段131の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
他車両存在方向特定手段132は、第一車両配置情報が有する進行方向情報、第二車両配置情報が有する進行方向情報、および他車両存在エリア特定手段131が取得したエリア識別子を用いて、一の車両と他車両との車両配置関係を示す車両配置関係情報を取得する。車両配置関係情報とは、例えば、他車両が先行車(例えば、「1」)であることを示す情報、他車両が後続車(例えば、「2」)であることを示す情報、他車両が対向車(例えば、「3」)であることを示す情報、他車両が並走車(例えば、「4」)であることを示す情報などを示す情報である。
また、他車両存在方向特定手段132は、第一車両配置情報が有する進行方向情報、第二車両配置情報が有する進行方向情報から、両車両の進行方向が同一方向であるか否かを判断する。また、他車両存在方向特定手段132は、第一車両配置情報が有する進行方向情報、第二車両配置情報が有する進行方向情報から、両車両の進行方向が同一方向であるか、逆方向であるか、いずれでもないかを判断することは、さらに好適である。なお、同一方向とは、例えば、一の車両の進行方向情報が示すベクトルの向きに対して、他車両の進行方向情報が示すベクトルの向きが「+−15度」の範囲であることを言う。また、逆方向とは、例えば、一の車両の進行方向情報が示すベクトルと180度異なるベクトルの向きに対して、他車両の進行方向情報が示すベクトルの向きが「+−15度」の範囲であることを言う。
そして、他車両存在方向特定手段132は、同一方向であり、かつ、他車両存在エリア特定手段131、または自身(他車両存在方向特定手段132)によって特定された存在エリアが前方エリアである場合に、当該他車両が一の車両に対して前方の先行する車両である前方車両であることを示す車両配置関係情報を取得する。前方エリアとは、例えば、一の車両の進行方向に一致するエリアまたは、当該エリアに対して所定の角度の範囲にある1以上のエリアである周辺規定エリア群である。また、他車両存在方向特定手段132は、同一方向であり、かつ、他車両存在エリア特定手段131、または自身(他車両存在方向特定手段132)によって特定された存在エリアが後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して後方の後続する車両である後方車両であることを示す車両配置関係情報を取得する。なお、後方エリアとは、例えば、前方エリアに対して180度分ずらしたエリア群である。また、他車両存在方向特定手段132は、同一方向であり、かつ、他車両存在エリア特定手段131、または自身(他車両存在方向特定手段132)によって特定された存在エリアが、前方エリアでも無く、後方エリアでも無く、右方向エリアである場合に、当該他車両が一の車両に対して右側を並走する車両である右側並走車両であることを示す車両配置関係情報を取得する。右方向エリアは、他車両の位置が第一車両配置情報の有する位置情報が示す位置に対して右方向のエリアである。また、他車両存在方向特定手段132は、同一方向であり、かつ、他車両存在エリア特定手段131によって特定された存在エリアが左方向エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して左側を並走する車両である左側並走車両であることを示す車両配置関係情報を取得する。左方向エリアとは、前方エリアでも無く、前記後方エリアでも無く、第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置に対して左方向のエリアである。
また、他車両存在方向特定手段132は、逆方向であり、かつ、他車両存在エリア特定手段131、または自身(他車両存在方向特定手段132)によって特定された存在エリアが、一の車両の進行方向に一致するエリアまたは、当該エリアに対して所定の角度の範囲にある1以上のエリアである周辺規定エリア群である前方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して接近している対向車両である接近対向車両であることを示す車両配置関係情報を取得する。また、他車両存在方向特定手段132は、逆方向であり、かつ、他車両存在エリア特定手段131、または自身(他車両存在方向特定手段132)によって特定された存在エリアが、前方エリアに対して180度分ずらしたエリア群である後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して通過した対向車両である通過対向車両であることを示す車両配置関係情報を取得する。また、他車両存在方向特定手段132は、逆方向であり、かつ、他車両存在エリア特定手段131、または自身(他車両存在方向特定手段132)によって特定された存在エリアが、前方エリアでも無く、後方エリアでも無い場合に、当該他車両が一の車両に対して隣接対応車両であることを示す車両配置関係情報を取得する。
また、他車両存在方向特定手段132は、同一方向であり、かつ、他車両存在エリア特定手段131、または自身(他車両存在方向特定手段132)によって特定された存在エリアが、第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の右斜め前方のエリアである右斜め前方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して右斜め前方の先行する車両である右斜め前方車両であることを示す車両配置関係情報を取得する。また、他車両存在方向特定手段132は、同一方向であり、かつ、他車両存在エリア特定手段131、または自身(他車両存在方向特定手段132)によって特定された存在エリアが、第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の右斜め後方のエリアである右斜め後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して右斜め後方の後続する車両である右斜め後方車両であることを示す車両配置関係情報を取得する。また、他車両存在方向特定手段132は、同一方向であり、かつ、他車両存在エリア特定手段131、または自身(他車両存在方向特定手段132)によって特定された存在エリアが、第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の左斜め前方のエリアである左斜め前方エリアであるに、当該他車両が前記一の車両に対して左斜め前方の先行する車両である左斜め前方車両であることを示す車両配置関係情報を取得する。また、他車両存在方向特定手段132は、同一方向であり、かつ、他車両存在エリア特定手段131、または自身(他車両存在方向特定手段132)によって特定された存在エリアが、第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の左斜め後方のエリアである左斜め後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して左斜め後方の後続する車両である左斜め後方車両であることを示す車両配置関係情報を取得する。
他車両存在方向特定手段132は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。他車両存在方向特定手段132の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
送信制御部14は、第一車両配置情報を他車両に送信する。送信制御部14は、通常、第一車両配置情報をパケット化して、送信する。また、送信制御部14は、通常、第一車両配置情報を変調(エンコード)した後、送信する。また、送信制御部14は、第一車両配置情報を送信する場合に、車両配置関係情報を用いて、送信制御を行う。送信制御とは、本実施例で述べる周波数チャネル制御(チャネル割当処理)や、後述する送信タイミング制御や、後述する転送制御や、後述するカットスルー制御などである。
また、送信制御部14は、例えば、地図データから交差点の位置を検出し、その検出した交差点の位置と無線装置1の位置情報[x1,y1]とに基づいて無線装置1から交差点までの距離を演算する。そして、送信制御部14は、例えば、その演算した距離が一定値(例えば、50m)以下であるか否かを判定し、その演算した距離が一定値以下である場合、無線装置1が搭載された車両1が周波数チャネル制御領域に入ったと判定しても良い。
次に、送信制御部14は、検出した車両1の進行方向情報をチャネル割当手段141へ出力する。その後、送信制御部14は、無線装置1が搭載された車両1の進行方向情報および位置情報[x1,y1]と、他の無線装置が搭載された車両の進行方向情報および位置情報[x2,y2]とに基づいて、車両1および他の車両の進行方向および位置によって決定された車両1と他の車両との車両配置関係情報(位置関係)を特定し、その特定した車両配置関係情報を制御信号としてチャネル割当手段141へ出力する。送信制御部14は、通常、無線通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
チャネル割当手段141は、車両が走行する道路によって異なる周波数チャネルが割り当てられるように、一の車両の送信周波数チャネルを割り当てるチャネル割当処理を行なうとともに、一の車両の位置を基準にして360度の方位をm(mは2以上の整数)個の進行方向領域に分割するときのm個の基準方向に基づいて、一の車両の進行方向がm個の基準方向のいずれの基準方向から一定の範囲内に属するかを判定し、かつ第二車両配置情報を用いて、他車両の進行方向を判定し、一の車両の進行方向および他車両の進行方向から、送信周波数チャネルおよび他の周波数チャネルが相互に異なる周波数チャネルになるように送信周波数チャネルを維持または変更するチャネル割当処理を行う。
チャネル割当手段141は、通常、車両配置関係情報取得部13が取得した車両配置関係情報を用いて、チャネル割り当てを行う。チャネル割当手段141は、例えば、以下のようにチャネル割り当てを行う。図3は、周波数チャネルの基本割当について示した図である。基本割当状態(図3)では、真北を基準に±45度範囲の割り当て周波数は「f4」、真東を基準に±45度範囲の割り当て周波数は「f1」、真南を基準に±45度範囲の割り当て周波数は「f2」、真西を基準に±45度範囲の割り当て周波数は「f3」と決められている、とする。そして、基本割当ルールとして、f2はf4の対向車線用、f3はf1の対向車線用とする。
そして、以下に、東西南北に整備されていない道路において、チャネル割当手段141が周波数チャネルを割り当てるアルゴリズムについて説明する。図4に示す様に、道路が真北を基準に角度θの傾きがあった場合、チャネル割当手段141は、例えば、4つの周波数に分けて、周波数チャネルを選択する。しかしながら、交差道路は必ずしも、90度で交差している分けではなく、鋭角で交差する道路も存在する。その場合、基本割当状態では、走行している道路は異なるが、同一の周波数を割当てしまうことになる。これを避ける方法を、図5および図6を用いて説明する。ここで、真北を中心に±45度範囲に2つの車両が同一の周波数f4を使用している場合を例に示す。チャネル割当手段141は、自律的に制御する際の優先順位を「(1)>(2)>(3)」とする、とする。ここで、(1)、(2)、(3)は、図5に示す様に、真北を0度とすると、(1)(0度〜15度)範囲と(345度〜360度(0度))範囲、(2)(315度〜345度)範囲、(3)(15度〜45度)範囲である。
図5は、車両1の進行方向は(2)の範囲、車両2の進行方向は(1)の場合の例を示したものである。この場合、(1)に存在する車両2の優先順位が高いので、チャネル割当手段141は、車両1の使用チャネルをf4から、f3へ変更する。
図6は、車両1の進行方向は(2)、車両2の進行方向は(3)の場合の例を示している。この場合、優先順位条件から、車両2の方の優先順位が低いことから、チャネル割当手段141は、車両2の使用チャネルをf4からf1へ変更する。なお、かかるチャネル割当手段141のチャネル制御処理(周波数の決定方法)および周波数は一例であり、これらに制限されるものではないことは言うまでもない。
送信手段142は、チャネル割当手段141が決定した周波数で、第一車両配置情報(パケット)を他車両に送信する。送信手段142は、例えば、MM−SA方式により、第一車両配置情報を受信する。送信手段142は、通常、無線通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
さらに具体的には、送信手段142は、チャネル割当手段141によって割り当てられた周波数チャネルを受け付けると、当該周波数チャネルに対して割り当てられた複数の拡散符号から干渉量が少ない拡散符号を選択する。そして、送信手段142は、その選択した拡散符号を用いてパケットPKT_PSをスペクトル拡散し、その拡散したパケットPKT_PSをチャネル割当手段141から受け付けた周波数チャネルで他の無線装置へ送信する。なお、パケットPKT_PSは、第一車両配置情報取得部11が生成した第一車両配置情報(パケットPKT_PS)である。
表示部15は、第一車両配置情報および第二車両配置情報を受け付け、当該両情報を用いて、一の車両の進行方向を含む現在位置と、他の車両の進行方向を含む現在位置とを表示する。表示部15は、ディスプレイを含むと考えても含まないと考えても良い。
なお、図1に示す無線装置2〜10の各々は、図2に示す無線装置1と同じ構成からなる。
図7は、拡散符号と周波数チャネルとの関係を示す図である。なお、図7における拡散符号Code1〜Code15および周波数チャネルf1〜f4は、例示である。図7において、縦軸は、拡散符号を表し、横軸は、周波数チャネルを表す。15個の拡散符号Code1〜Code15は、周波数チャネルf1〜f4の各々に対して割り当てられる。
従って、各無線装置1〜10の送信手段142は、例えば、チャネル割当手段141によって送信周波数チャネルCH_Tが割り当てられると、その割り当てられた送信周波数チャネルCH_T(周波数チャネルf1〜f4のいずれか)に対して割り当てられた15個の拡散符号Code1〜Code15の中から干渉量が少ない拡散符号を選択し、その選択した拡散符号によってパケットPKT_PSをスペクトル拡散し、その拡散したパケットPKT_PSを送信周波数チャネルCH_T(周波数チャネルf1〜f4のいずれか)で送信する。なお、ここで、拡散符号チャネル数を15個としているが、15個は例であり、7個などの他の数値でも良い。
また、各無線装置1〜10の送信手段142は、チャネル割当手段141によって送信周波数チャネルCH_Tが変更されると、その変更された送信周波数チャネルCH_Tに対して割り当てられた15個の拡散符号Code1〜Code15の中から干渉量が少ない拡散符号を選択し、その選択した拡散符号によってパケットPKT_PSをスペクトル拡散し、その拡散したパケットPKT_PSを変更後の送信周波数チャネルCH_T(周波数チャネルf1〜f4のいずれか)で送信する。
更に、各無線装置1〜10の第二車両配置情報受信部12は、各周波数チャネルf1〜f4に対してチャネル監視を行い、周波数チャネルf1〜f4のいずれかの周波数チャネルfi(iは、1〜4のいずれか)で他の無線装置からパケットPKT_PSを受信し、周波数チャネルfiに対して割り当てられた15個の拡散符号Code1〜Code15の全てを用いてパケットPKT_PSを逆拡散する。
送信手段142における干渉量の少ない拡散符号の選択方法について説明する。図8は、受信信号を拡散符号によって逆拡散して得られる評価値の演算に用いるパケット中のシンボル部の概念図である。
シンボル部は、受信されたパケットPKTの任意の位置からなる。即ち、シンボル部は、各無線装置1〜10においてパケットの送信が発生したときに各無線装置1〜10が受信しているパケットPKTの一部に相当する。例えば、各無線装置1〜10においてパケットの送信が発生したときに各無線装置1〜10がパケットPKTの中央部を受信しているのであれば、パケットPKTの中央部がシンボル部になり、各無線装置1〜10がパケットPKTの先頭部を受信しているのであれば、パケットPKTの先頭部がシンボル部になり、各無線装置1〜10がパケットPKTの後部を受信しているのであれば、パケットPKTの後部がシンボル部になる。つまり、パケットの送信が発生したときに各無線装置1〜10が受信している部分がシンボル部になる。そして、シンボル部は、N(Nは、2以上の整数)個のシンボルからなる。
周波数チャネルf(f=f1〜f4)における受信信号を拡散符号k(k=Code1〜Code15)によって逆拡散して得られた値(複素数)の絶対値をN個のシンボルにわたって平均化した値を<ξav,fとする。N個のシンボルのうちのs(s=1〜N)番目のシンボルにおいて、受信信号を拡散符号kによって逆拡散して得られる値ξIk,s,fおよびξQk,s,fをそれぞれ次の式(1)および式(2)によって求める。
なお、式(1)において、Iは、周波数チャネルfにおける受信信号の実数成分を表し、Qは、周波数チャネルfにおける受信信号の虚数成分を表す。
そして、各シンボルの干渉量の大きさξk,s,fを次式によって求める。
そして、干渉量の大きさξk,s,fを次式によってN個のシンボルについて平均化し、評価値<ξav,fを求める。
従って、送信手段142は、チャネル割当手段141によって送信周波数チャネルCH_Tが割り当てられると、上述した式(1)〜式(4)を用いて、その割り当てられた送信周波数チャネルf(周波数チャネルf1〜f4のいずれか)における評価値を全ての拡散符号Code1〜Code15に対して演算し、その演算した15個の評価値<ξCode1av,f〜<ξCode15av,f(f=f1〜f4)のうち、最も小さい評価値が得られる拡散符号を干渉量が少ない拡散符号として選択する。
次に、無線装置1の動作について図9のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS901)第二車両配置情報受信部12は、他車両から、第二車両配置情報を受信したか否かを判断する。第二車両配置情報を受信すればステップS902に行き、第二車両配置情報を受信しなければステップS908に行く。
(ステップS902)車両配置関係情報取得部13は、ステップS901で受信された第二車両配置情報を用いて、周辺車両情報格納手段130に格納されている第二車両配置情報であり、受信された第二車両配置情報に対応する第二車両配置情報を更新する。
(ステップS903)車両配置関係情報取得部13は、周辺車両情報格納手段130に格納されている第一車両配置情報を読み出す。
(ステップS904)車両配置関係情報取得部13は、ステップS903で読み出した第一車両配置情報、およびステップS901で受信された第二車両配置情報を用いて、位置関係特定処理を行う。位置関係特定処理とは、一の車両と他車両との相対的な位置関係を特定する処理である。位置関係特定処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS905)車両配置関係情報取得部13は、車両配置関係情報取得処理を行う。車両配置関係情報取得処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS906)車両配置関係情報取得部13は、ステップS905で取得した車両配置関係情報等を、周辺車両情報格納手段130に蓄積する。
(ステップS907)表示部15は、ステップS905で取得した車両配置関係情報を出力する。
(ステップS908)送信制御部14は、第一車両配置情報を送信するタイミングであるか否かを判断する。第一車両配置情報を送信するタイミングであればステップS909に行き、第一車両配置情報を送信するタイミングでなければステップS901に戻る。送信制御部14は、定期的に第一車両配置情報を送信しても良いし、何らかのイベントをトリガーにして、第一車両配置情報を送信しても良い。何らかのイベントとは、例えば、ユーザがウィンカー(右または左)の上げた(指示した)こと、ブレーキを踏んだこと等の自動車の操作(特に、他車両に影響する可能性のある特定の操作)であることは好適である。また、送信するタイミングは、実施の形態2で説明する送信タイミング制御により決定されることは、さらに好適である。
(ステップS909)第一車両配置情報取得部11は、周辺車両情報格納手段130から、第一車両配置情報を取得する。
(ステップS910)第一車両配置情報取得部11は、第一車両配置情報を含む自車両情報を構成し、車両配置関係情報取得部13は、当該自車両情報を蓄積する。
(ステップS911)チャネル割当手段141は、車両配置関係情報等を用いて、チャネル割当処理を行う。チャネル割当処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS912)送信手段142は、ステップS914で割り当てられた周波数チャネルを用いて、第一車両配置情報を他車両に送信する。ステップS901に戻る。
なお、図9のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、ステップS904の位置関係特定処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。
まず、他車両存在エリア特定手段131は、第一車両配置情報から、一の車両(ここでは、自車両とも言う)の位置を示す位置情報(x1,y1)を取得する。また、他車両存在エリア特定手段131は、第二車両配置情報から、他車両の位置を示す位置情報(x2,y2)を取得する。そして、他車両存在エリア特定手段131は、自車両と他車両の位置の差を算出する。自車両と他車両の位置の差は、「X=x2−x1」および「Y=y2−y1」により、算出できる(ステップS1001)。なお、他車両存在エリア特定手段131は、上記算出式に関する情報をあらかじめ保持している、とする。
次に、他車両存在エリア特定手段131は、ステップS1001で算出したX,およびYの符号から、図11(a)に従って、他車両の存在エリアの領域の角度(degree)を判断する。そして、角度に応じて、他車両の存在エリアが、図11(b)の(1)から(4)のいずれの領域であるかを判断する。つまり、例えば、まず、他車両存在エリア特定手段131は、「X・Y(XとYの積)」が正であるか、負であるかを判断する(ステップS1002)。そして、正であれば(他車両の領域が(1)または(3)であれば)、ステップS1003に行き、負であれば(他車両の領域が(2)または(4)であれば)、ステップS814に行く。なお、角度について、原点(自車両の位置)から北方向(上方向)が0度である、とする。
そして、次に、他車両存在エリア特定手段131は、「X>=0かつY>=0」であれば他車両の領域が(1)、「X<0かつY<0」であれば他車両の領域が(3)であると判断する(ステップS1003,S804,S805)。また、他車両存在エリア特定手段131は、「X>=0かつY<0」であれば他車両の領域が(2)、「X<0かつY>=0」であれば他車両の領域が(4)であると判断する(ステップS814,S815,S816)。なお、領域(1)は数値「0」、領域(2)は数値「1」、領域(3)は数値「2」、領域(4)は数値「3」に対応する。そして、他車両存在エリア特定手段131は、図10のステップS1004、S1005、S1015、S1016において、変数A1に、領域を識別する数値を代入している。ここまでで、他車両存在エリア特定手段131は、他車両が、90度単位のどのエリアに存在するかを絞り込んだことになる。なお、他車両存在エリア特定手段131が、ここまでで処理を終了した場合、他車両の存在エリアを4つのうちのいずれかであるかを決定できることとなる。
以下、さらに、他車両存在エリア特定手段131が、他車両の存在エリアを24通りのうちのいずれであるかを決定するための処理の例について説明する。
他車両存在エリア特定手段131は、90度(上記の(1)から(4)のいずれかのエリア)を15度単位で区切り、さらに6エリアに分割して、他車両の存在エリアを特定する。今、他車両が0度から90度の範囲に存在する場合について、述べる(図10参照)。図12に、そのアルゴリズム(考え方)を記載している。他車両存在エリア特定手段131は、「Z=Y/X」を算出し(XとYとの比(Z)を算出し)、当該Zの値(図12のValue)に応じて、図12に従って、他車両の存在エリアを取得する。つまり、図10のフローチャートのS1006,S1017の分岐により、変数A2にエリアを識別するエリア識別子「1」から「6」のいずれかが代入される。そして、他車両存在エリア特定手段131は、変数A1およびA2を用いて、24の領域のいずれかを示すエリア識別子を取得する。ここでは、他車両存在エリア特定手段131は、式「Area=6A1+A2」に、A1,A2を代入することにより、エリア識別子(Area)を取得する。なお、かかる処理により、他車両存在エリア特定手段131は、図13に示すように、他車両の存在エリアを、24エリアのいずれかのエリアに決定する。
なお、図10のフローチャートにおいて、存在エリアを15度単位に分割しているが、10度単位等の他の角度の単位でエリア分割しても良い。また、図10のフローチャートにおいて、まず、90度単位にエリア分割し、その90度の中で、15度単位に分割し、最終的に24エリア(360度)中のどのエリアかを判別している。よって、上記の例では、90度分割、15度分割の2段階で判別しているが、エリア数をもっと多くして、1つのエリア角度を小さくしたい場合には、3段階で判別しても良い。よって、この例で示している数値は例示であることは言うまでもない。本例において、例えば、ハードウェア上での演算を考え、第一のステップで90度単位に分割し、第二のステップで15度単位に絞り込んでいるが、ハードウェア実装設計で、ステップ数を増やしても良いし、減らしても良いことは言うまでもない。
次に、ステップS905の車両配置関係情報取得処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
図10の位置関係特定処理によって、他車両が存在するエリアを特定した後、他車両存在方向特定手段132は、自車両と他車両との進行方向が同一方向か、あるいは逆方向か、あるいはその他かを判別する(ステップS1401)。ここで、他車両存在方向特定手段132は、自車両の第一車両配置情報が有する進行方向情報が示す進行方向と他車両から受信した第二車両配置情報(パケット)中に含まれている進行方向情報が示す進行方向を比較して、±15度範囲であれば、同一方向とする。また、両進行方向が180度±15度範囲であれば、他車両存在方向特定手段132は、逆方向と判別する。他車両存在方向特定手段132は、「同一方向」、「逆方向」以外は、「その他」と判断する。そして、「同一方向」である場合はステップS1402に行き、「逆方向」である場合はステップS1407に行き、「その他」である場合はステップS1411に行く。なお、ここで、上記の±15度の範囲は例であり、他の範囲(例えば、±10度の範囲)でも良い。
次に、他車両存在方向特定手段132は、自車両の第一車両配置情報が有する位置情報と、他車両から受信した第二車両配置情報中に含まれている位置情報とを比較し、他車両が「前」に存在するか、「右」に存在するか、「左」に存在するか、「後」に存在するかを判断する(ステップS1402)。
そして、例えば、他車両存在方向特定手段132は、同一方向を走行している他車両に対しては、自車両の進行方向(15度角度エリア)に左右1エリアずつを含めたエリア(図15の1、2、3のエリア)に他車両が存在していれば、位置関係が「前」であり、当該他車両を前方車両と判定する(ステップS1403)。また、他車両存在方向特定手段132は、自車両の進行方向に180度を加えたエリアに更に左右1エリアずつを含めたエリア(図15の13、14、15)に存在し、進行方向が1、2、3のエリアであれば、位置関係が「後」であり、当該他車両を後方車両と判定する(ステップS1406)。また、他車両存在方向特定手段132は、前方、後方にも属さないエリアは、右方向エリアと左方向エリアに分割し、他車両が同一進行方向かつ右方向であれば右側並走車両(ステップS1404)、他車両が同一進行方向かつ左方向に存在するのであれば左側並走車両と判定する(ステップS1405)。
次に、他車両存在方向特定手段132は、逆方向を走行している他車両(対向車両)に対しては、同様に位置関係を取得し、位置関係が「前」であれば、当該他車両を接近対向車両と判定する(ステップS1408)。また、位置関係が「後」であれば、他車両存在方向特定手段132は、当該他車両を通過対向車両と判定する(ステップS1410)。
さらに、他車両存在方向特定手段132は、他車両が対向車両であり、位置関係が「前」でも「後」ででも無い場合は、左右判定は行わずに、他車両を隣接対向車両(ステップS1409)と判定する。
なお、かかる他車両存在方向特定手段132の判断方法は一例であることは言うまでもない。従って、他車両存在方向特定手段132は、図15において、15度ずつ、エリアを分割したが、例えば、20度ずつでも良い。なお、他車両存在方向特定手段132は、他車両存在エリア特定手段131が取得したエリア識別子を用いて、他車両が「前」に存在するか、「右」に存在するか、「左」に存在するか、「後」に存在するかを判断することは好適である。
次に、ステップS911のチャネル割当処理について、説明する。また、以下、自車両を車両C1(=C_self)、他車両を車両C_otherとも言うこととする。
図16は、周波数チャネルの割当方法を説明するための図である。なお、本実施の形態においては、2つの道路が交差する場合、2つの道路は、一方の道路が南北±45度の範囲内の方向に沿って配置され、かつ、他方の道路が東西±45度の範囲内の方向に沿って配置されている場合に限らず、2つの道路の両方が南北±45度の範囲内の方向または東西±45度の範囲内の方向に沿って配置される。
図16においては、道路RD1は、南北に沿って配置され、道路RD2は、東西に沿って配置されている。車両Cj(jは、1〜8のいずれか)が道路RD1を北方向へ走行している場合、車両Cjに搭載された無線装置jのチャネル割当手段141は、第一車両配置情報取得部11から受けた進行方向D_selfに基づいて、車両Cjの進行方向D_selfが真北±45度の範囲内の方向に含まれていると判定し、周波数チャネルf4を送信周波数チャネルCH_Tとして無線装置jに割り当てる。
また、車両Cjが道路RD1を南方向へ走行している場合、無線装置jのチャネル割当手段141は、第一車両配置情報取得部11から受けた進行方向D_selfに基づいて、車両Cjの進行方向D_selfが真南±45度の範囲内の方向に含まれていると判定し、周波数チャネルf2を送信周波数チャネルCH_Tとして無線装置jに割り当てる。
更に、車両Cjが道路RD2を東方向へ走行している場合、無線装置jのチャネル割当手段141は、第一車両配置情報取得部11から受けた進行方向D_selfに基づいて、車両Cjの進行方向D_selfが真東±45度の範囲内の方向に含まれていると判定し、周波数チャネルf1を送信周波数チャネルCH_Tとして無線装置jに割り当てる。
更に、車両Cjが道路RD2を西方向へ走行している場合、無線装置jのチャネル割当手段141は、第一車両配置情報取得部11から受けた進行方向D_selfに基づいて、車両Cjの進行方向D_selfが真西±45度の範囲内の方向に含まれていると判定し、周波数チャネルf3を送信周波数チャネルCH_Tとして無線装置jに割り当てる。
即ち、無線装置jのチャネル割当手段141は、車両Cjの進行方向D_selfが真北±45度の範囲内、真南±45度の範囲内、真東±45度の範囲内、および真西±45度の範囲内のいずれの範囲内に含まれるかを判定し、進行方向D_selfが真北±45度の範囲内に含まれる場合、周波数チャネルf4を送信周波数チャネルCH_Tとして割り当て、進行方向D_selfが真南±45度の範囲内に含まれる場合、周波数チャネルf2を送信周波数チャネルCH_Tとして割り当て、進行方向D_selfが真東±45度の範囲内に含まれる場合、周波数チャネルf1を送信周波数チャネルCH_Tとして割り当て、進行方向D_selfが真西±45度の範囲内に含まれる場合、周波数チャネルf3を送信周波数チャネルCH_Tとして割り当てる。
この場合、無線装置jのチャネル割当手段141は、以下の条件を満たすように周波数チャネルf1〜f4のいずれかを送信周波数チャネルCH_Tとして割り当てる。
(Cnd1)周波数チャネルf2は、周波数チャネルf4が割り当てられた車線の対向車線用の周波数チャネル
(Cnd2)周波数チャネルf1は、周波数チャネルf3が割り当てられた車線の対向車線用の周波数チャネル
なお、図16においては、車線LN1〜LN4の各々は、1つの車線によって構成されるように図示されているが、1以上の車線でも良い。
図16においては、周波数チャネルf4,f2は、それぞれ、車線LN1,LN2に割り当てられており、上記の条件(Cnd1)を満たしている。また、周波数チャネルf1,f3は、それぞれ、車線LN3,LN4に割り当てられており、上記の条件(Cnd2)を満たしている。
交差点によっては、道路が、必ずしも、東西南北方向に沿って存在するとは限らない。真北を向いていないが、交差する2つの道路の角度がほぼ90度を保っている道路もあれば、交差点によっては、交差する2つの道路の角度が鋭角または鈍角である交差点もある。そのため、本来であれば、縦車線、横車線、上り車線および下り車線で周波数チャネルを分けたいところであるが、道路の設置条件によっては、同じ周波数チャネルを選択してしまう場合もあるので、上述した方法によって、送信周波数チャネルCH_Tに周波数チャネルf1〜f4のいずれかを割り当てることにした。
また、図17は、チャネル制御の方法を、さらに説明するための図である。図18は、ステップS911のチャネル割当処理について、説明するフローチャートである。
本実施の形態においては、基本進行方向領域BREG1〜BREG4を規定する。基本進行方向領域BREG1は、3個の分割進行方向領域DREG1〜DREG3からなる。基本進行方向領域BREG1は、真北±45度の範囲に設けられる。分割進行方向領域DREG1は、真北±15度の範囲からなり、分割進行方向領域DREG2は、真北に向かって分割進行方向領域DREG1の左側に設けられた中心角度30度の範囲からなり、分割進行方向領域DREG3は、真北に向かって分割進行方向領域DREG1の右側に設けられた中心角度30度の範囲からなる。
基本進行方向領域BREG2は、3個の分割進行方向領域DREG4〜DREG6からなる。基本進行方向領域BREG2は、真南±45度の範囲に設けられる。分割進行方向領域DREG4は、真南±15度の範囲からなり、分割進行方向領域DREG5は、真南に向かって分割進行方向領域DREG4の左側に設けられた中心角度30度の範囲からなり、分割進行方向領域DREG6は、真南に向かって分割進行方向領域DREG4の右側に設けられた中心角度30度の範囲からなる。
基本進行方向領域BREG3は、3個の分割進行方向領域DREG7〜DREG9からなる。基本進行方向領域BREG3は、真東±45度の範囲に設けられる。分割進行方向領域DREG7は、真東±15度の範囲からなり、分割進行方向領域DREG8は、真東に向かって分割進行方向領域DREG7の左側に設けられた中心角度30度の範囲からなり、分割進行方向領域DREG9は、真東に向かって分割進行方向領域DREG7の右側に設けられた中心角度30度の範囲からなる。
基本進行方向領域BREG4は、3個の分割進行方向領域DREG10〜DREG12からなる。基本進行方向領域BREG4は、真西±45度の範囲に設けられる。分割進行方向領域DREG10は、真西±15度の範囲からなり、分割進行方向領域DREG11は、真西に向かって分割進行方向領域DREG10の左側に設けられた中心角度30度の範囲からなり、分割進行方向領域DREG12は、真西に向かって分割進行方向領域DREG10の右側に設けられた中心角度30度の範囲からなる。
車両C1(=C_self)が属する進行方向領域をxと、車両C_otherが属する進行方向領域をyとすると、x,yは、それぞれ、1≦x≦24,1≦y≦24を満たす。以下、図18のフローチャートを用いて、チャネル割当処理について説明する。
(ステップS1801)チャネル割当手段141は、車両配置関係情報取得部13から進行方向D_self(進行方向情報)を受け付ける。なお、チャネル割当手段141は、車両配置関係情報取得部13から直接に、進行方向D_selfを受け付けても良い。
(ステップS1802)チャネル割当手段141は、進行方向D_selfが真北±45度の方向であるか否かを判定する。真北±45度の方向であればステップS1803に行き、真北±45度の方向でなければステップS1804に行く。
(ステップS1803)チャネル割当手段141は、自局に周波数チャネルf4を割り当てる。ステップS1809に行く。
(ステップS1804)チャネル割当手段141は、進行方向D_selfが真南±45度の方向であるか否かを判定する。真南±45度の方向であればステップS1805に行き、真南±45度の方向でなければステップS1806に行く。
(ステップS1805)チャネル割当手段141は、自局に周波数チャネルf2を割り当てるステップS1809に行く。
(ステップS1806)チャネル割当手段141は、進行方向D_selfが真東±45度の方向であるか否かを判定する。真東±45度の方向であればステップS1807に行き、真東±45度の方向でなければステップS1808に行く。
(ステップS1807)チャネル割当手段141は、自局に周波数チャネルf1を割り当てる。ステップS1809に行く。
(ステップS1808)チャネル割当手段141は、自局に周波数チャネルf3を割り当てる。
(ステップS1809)チャネル割当手段141は、他車両の進行方向D_otherが自車両の進行方向D_selfと同一方向でもなく、逆方向でもない(その他)か否かを判断する。その他であればステップS1810に行き、その他でなければ上位処理にリターンする。なお、自車両の進行方向D_selfは第一車両配置情報に含まれ、他車両の進行方向D_otherは第二車両配置情報に含まれる。また、車両配置関係情報取得部13が既に判断して取得した車両配置関係情報に、同一方向か逆方向かその他であるかを示す情報が含まれていても良い。
(ステップS1810)チャネル割当手段141は、自局に割り当てられた送信周波数チャネルCH_Tが、受信周波数チャネルCH_R(=他の無線装置における送信周波数チャネル)と同一であるか否かを判断する。同一であればステップS1811に行き、同一でなければ上位処理にリターンする。なお、ここで、両周波数チャネルが同一であれば、自車両は「制御対象車両」ということになる。
(ステップS1811)チャネル割当手段141は、自車両が属する進行方向領域をxとし、他車両が属する進行方向領域をyとして、xを"6"で除算したときの余り(=x mod 6)と、yを"6"で除算したときの余り(=y mod 6)とを演算する。そして、チャネル割当手段141は、各無線装置1〜8のチャネル割当手段141は、余り(=x mod 6)が0,1であるか、2,3であるか、4,5であるかを判定する。余り(=x mod 6)が0,1であればステップS1813に行き、2,3であればステップS1815に行き、4,5であればステップS1814に行く。
(ステップS1812)チャネル割当手段141は、チャネル割当手段141は、余り(=y mod 6)が2,3であるか、0,1であるかを更に判定する。余り(=y mod 6)が2,3であればステップS1813に行き、0,1であればステップS1814に行く。
(ステップS1813)チャネル割当手段141は、自車両が基本進行方向領域BREG1の中で他車両よりも優先順位の高い分割進行方向領域DREG2(または基本進行方向領域BREG2の中で他車両よりも優先順位の高い分割進行方向領域DREG5、または基本進行方向領域BREG3の中で他車両よりも優先順位の高い分割進行方向領域DREG8または基本進行方向領域BREG4の中で他車両よりも優先順位の高い分割進行方向領域DREG11)に属するので、既に割り当てた送信周波数チャネルCH_Tを変更しない。上位処理にリターンする。
(ステップS1814)チャネル割当手段141は、既に割り当てた送信周波数チャネルCH_Tを変更する。より具体的には、チャネル割当手段141は、自己が搭載された自車両C_selfが真北±45度の範囲の方向へ走行している場合、他車両C_otherが自車両C_selfよりも優先順位の高い分割進行方向領域DREG1に属するので、既に割り当てた送信周波数チャネルCH_Tを周波数チャネルf4から周波数チャネルf3へ変更する。また、チャネル割当手段141は、自車両C_selfが真南±45度の範囲の方向へ走行している場合、他車両C_otherが自車両C_selfよりも優先順位の高い分割進行方向領域DREG4に属するので、既に割り当てた送信周波数チャネルCH_Tを周波数チャネルf2から周波数チャネルf1へ変更する。更に、チャネル割当手段141は、自車両C_selfが真東±45度の範囲の方向へ走行している場合、他車両C_otherが自車両C_selfよりも優先順位の高い分割進行方向領域DREG7に属するので、既に割り当てた送信周波数チャネルCH_Tを周波数チャネルf1から周波数チャネルf4へ変更する。更に、チャネル割当手段141は、自車両C_selfが真西±45度の範囲の方向へ走行している場合、他車両C_otherが自車両C_selfよりも優先順位の高い分割進行方向領域DREG10に属するので、既に割り当てた送信周波数チャネルCH_Tを周波数チャネルf3から周波数チャネルf2へ変更する。上位処理にリターンする。
(ステップS1815)チャネル割当手段141は、ステップS1において割り当てた送信周波数チャネルCH_Tを変更する。より具体的には、チャネル割当手段141は、自車両C_selfが真北±45度の範囲の方向へ走行している場合、自車両C_selfが最も優先順位の低い分割進行方向領域DREG3に属するので、既に割り当てた送信周波数チャネルCH_Tを周波数チャネルf4から周波数チャネルf1へ変更する。また、チャネル割当手段141は、自車両C_selfが真南±45度の範囲の方向へ走行している場合、自車両C_selfが最も優先順位の低い分割進行方向領域DREG6に属するので、送信周波数チャネルCH_Tを周波数チャネルf2から周波数チャネルf3へ変更する。更に、チャネル割当手段141は、自車両C_selfが真東±45度の範囲の方向へ走行している場合、自車両C_selfが最も優先順位の低い分割進行方向領域DREG9に属するので、送信周波数チャネルCH_Tを周波数チャネルf1から周波数チャネルf2へ変更する。更に、チャネル割当手段141は、自車両C_selfが真西±45度の範囲の方向へ走行している場合、自車両C_selfが最も優先順位の低い分割進行方向領域DREG12に属するので、送信周波数チャネルCH_Tを周波数チャネルf3から周波数チャネルf4へ変更する。上位処理にリターンする。
図19、図20は、チャネル割当の結果を示す具体例である。図19は、無線ネットワーク10の概略図である。無線ネットワーク10は、無線装置1〜8を備える。無線装置1〜8は、それぞれ、車両C1〜C8に搭載される。そして、無線装置1〜8は、自律的に無線ネットワークを構成する。また、図20においては、道路が東西南北に沿って配置されている場合が示されているが、道路が例えば鋭角になる交差点においても、チャネル割当処理およびチャネル制御処理を上述した方法によって行なうことができる。
道路RD1〜RD3は、南北方向に沿って配置されており、道路RD4〜RD6は、東西方向に沿って配置されている。
そして、車両C1は、交差点CR4を西方向へ走行しており、車両C2〜C4は、道路RD2を北方向へ走行しており、車両C5,C6は、道路RD2を南方向へ走行しており、車両C7は、道路RD5を西方向へ走行しており、車両C8は、道路RD6を東方向へ走行している。
従って、車両C1〜C8にそれぞれ搭載された無線装置1〜8のチャネル割当手段141は、上述した方法によって、それぞれ、周波数チャネルf3,f4,f4,f4,f2,f2,f3,f1を送信周波数チャネルCH_Tとして割り当てる。
そして、無線装置2,4は、周波数チャネルf4を用いてパケットPKT_PSを無線装置3へ送信し、無線装置5,6は、周波数チャネルf2を用いてパケットPKT_PSを無線装置3へ送信し、無線装置7は、周波数チャネルf3を用いてパケットPKT_PSを無線装置3へ送信する。
その結果、無線装置7における送信周波数チャネルf3が無線装置2,4〜6における送信周波数チャネルf4,f2と異なるので、無線措置3の第二車両配置情報受信部12は、無線装置7から送信周波数チャネルf3で送信されたパケットPKT_PSを無線装置2,4〜6から送信周波数チャネルf4,f2で送信された直接波が干渉波になるのを抑制して受信できる。無線装置3の第二車両配置情報受信部12は、無線装置7からパケットPKT_PSを受信する受信周波数チャネルCH_R=f3が無線装置2,4〜6からパケットPKT_PSを受信する受信周波数チャネルCH_R=f4,f2と異なるので、拡散符号を用いた逆拡散、復調処理およびデコード処理を行なうことができるからである。
その結果、車両C3のドライバーは、無線装置3の表示部15に表示された車両C7の位置および進行方向を見て車両C7との出合い頭衝突事故を回避するための対処を行なうことができる。
図21は、チャネル制御の例を示す図である。道路RD7は、35度の角度で道路RD2と交差しており、道路RD8は、40度の角度で道路RD2と交差している。
そして、車両C1は、道路RD7を真北から35度の方向へ走行しており、車両C2〜C4は、道路RD2を北方向へ走行しており、車両C5は、道路RD7を真南から35度の方向へ走行しており、車両C6は、道路RD2を南方向へ走行しており、車両C7は、道路RD8を真北から−40度の方向へ走行しており、車両C8は、道路RD8を真南から−40度の方向へ走行している。
従って、車両C1〜C8にそれぞれ搭載された無線装置1〜8のチャネル割当手段141は、それぞれ、周波数チャネルf4,f4,f4,f4,f2,f2,f4,f2を送信周波数チャネルCH_Tとして割り当てる。
その後、第二車両配置情報受信部12が無線装置1からのパケットPKT_PSを周波数チャネルf4で受信すると、無線装置3の車両配置関係情報取得部13は、図10および図14に示すフローチャートに従って、車両C3と車両C1との位置関係を「その他車両」と特定する。そして、チャネル割当手段141は、両車の進行方向が同一方向でも逆方向でも無く、両車が同一の周波数チャネルを利用していると判断し、「制御対象車両」と特定する。つまり、無線装置3のチャネル割当手段141は、チャネル制御が必要であると判定する。その後、無線装置3のチャネル割当手段141は、車両C3が属する進行方向領域をxとし、車両C1が属する進行方向領域をyとして余り(=x mod 6)=0および余り(=y mod 6)=3を演算する。
そして、無線装置3のチャネル割当手段141は、車両C3が最も優先順位の高い分割進行方向領域DREG1に属するので、既に割り当てた周波数チャネルf4を変更せずに維持する。
一方、第二車両配置情報受信部12が無線装置3からのパケットPKT_PSを周波数チャネルf1で受信すると、無線装置1の車両配置関係情報取得部13は、図10および図14に示すフローチャートに従って、車両C1と車両C3との位置関係を「その他車両」と特定する。そして、チャネル割当手段141は、両車の進行方向が同一方向でも逆方向でも無く、両車が同一の周波数チャネルを利用していると判断し、「制御対象車両」と特定する。そして、チャネル割当手段141は、チャネル制御が必要であると判定する。その後、無線装置1のチャネル割当手段141は、車両C1が属する進行方向領域をxとし、車両C3が属する進行方向領域をyとして余り(=x mod 6)=3および余り(=y mod 6)=0を演算する。
そして、無線装置1のチャネル割当手段141は、車両C1が最も優先順位の低い分割進行方向領域DREG3に属するので、送信周波数チャネルCH_Tを周波数チャネルf4から周波数チャネルf1へ変更する。
また、第二車両配置情報受信部12が無線装置6からのパケットPKT_PSを周波数チャネルf2で受信すると、無線装置5の車両配置関係情報取得部13は、図10および図14に示すフローチャートに従って、車両C5と車両C6との位置関係を「その他車両」と特定する。そして、無線装置5のチャネル割当手段141は、チャネル制御が必要であると判定する。その後、無線装置5のチャネル割当手段141は、車両C5が属する進行方向領域をxとし、車両C6が属する進行方向領域をyとして余り(=x mod 6)=3および余り(=y mod 6)=0を演算する。
そして、無線装置5のチャネル割当手段141は、車両C5が最も優先順位の低い分割進行方向領域DREG3に属するので、送信周波数チャネルCH_Tを周波数チャネルf2から周波数チャネルf3へ変更する。
更に、第二車両配置情報受信部12が無線装置3からのパケットPKT_PSを周波数チャネルf1で受信すると、無線装置7の車両配置関係情報取得部13は、図10および図14に示すフローチャートに従って、車両C7と車両C3との位置関係を「その他車両」と特定する。そして、無線装置7のチャネル割当手段141は、チャネル制御が必要であると判定する。その後、無線装置7のチャネル割当手段141は、車両C7が属する進行方向領域をxとし、車両C3が属する進行方向領域をyとして余り(=x mod 6)=4および余り(=y mod 6)=0を演算する。
そして、無線装置7のチャネル割当手段141は、車両C7が車両C3よりも優先順位が低い分割進行方向領域DREG2に属するので、送信周波数チャネルCH_Tを周波数チャネルf4から周波数チャネルf3へ変更する。
更に、第二車両配置情報受信部12が無線装置6からのパケットPKT_PSを周波数チャネルf2で受信すると、無線装置8の車両配置関係情報取得部13は、図10および図14に示すフローチャートに従って、車両C8と車両C6との位置関係を「その他車両」と特定する。そして、無線装置8のチャネル割当手段141は、チャネル制御が必要であると判定する。その後、無線装置8のチャネル割当手段141は、車両C8が属する進行方向領域をxとし、車両C6が属する進行方向領域をyとして余り(=x mod 6)=4および余り(=y mod 6)=0を演算する。
次に、無線装置8のチャネル割当手段141は、車両C8が車両C6よりも優先順位が低い分割進行方向領域DREG2に属するので、送信周波数チャネルCH_Tを周波数チャネルf2から周波数チャネルf1へ変更する。
その後、無線装置1,5,7,8は、送信周波数チャネルf1,f3,f3,f1を用いてパケットPKT_PSを送信するので、無線装置3の第二車両配置情報受信部12は、無線装置1,5,7,8からそれぞれ送信周波数チャネルf1,f3,f3,f1で送信されたパケットPKT_PSを無線装置2,4,6から送信周波数チャネルf4,f4,f2で送信された直接波が干渉波になるのを抑制して受信できる。
図22は、無線装置の他の構成を示すブロック図である。図1に示す無線装置1〜10は、図22に示す無線装置1Aからなっていてもよい。
無線装置1Aは、図2に示す無線装置1のチャネル割当手段141をチャネル割当手段141Aに代えたものである。また、アンテナ1A1を明示した。さらに、カーナビゲーション装置20と無線装置1Aとの関係を示している。
チャネル割当手段141Aは、例えば、各無線装置1〜8が搭載された車両C1〜C8と交差点との距離が一定値以下になると、車両C1〜C8が周波数チャネル制御領域に入ったことを示す周波数チャネル制御信号FCTLをカーナビゲーション装置20から受ける。そして、チャネル割当手段141Aは、車両配置関係情報取得部13から進行方向D_selfを受け、かつ、カーナビゲーション装置20から周波数チャネル制御信号FCTLを受けると、上述したアルゴリズムにより、周波数チャネルf1〜f4のいずれかを送信周波数チャネルCH_Tとして割り当て、その割り当てた送信周波数チャネルCH_Tを送信手段142へ出力する。また、チャネル割当手段141Aは、車両配置関係情報取得部13から位置関係を受け、かつ、カーナビゲーション装置20から周波数チャネル制御信号FCTLを受けると、上述した方法によって、既に割り当てた送信周波数チャネルCH_Tを維持または変更する。
カーナビゲーション装置20は、地図データを保持しており、地図データおよびGPS信号に基づいて、無線装置1Aが搭載された車両と交差点との距離が一定値以下になると、周波数チャネル制御信号FCTLを生成して無線装置1Aのチャネル割当手段141Aへ出力する。
このように、無線装置1Aにおいては、チャネル割当手段141Aは、カーナビゲーション装置20と連動し、無線装置1Aが搭載された車両が交差点に近づくと、上述した方法によって、既に割り当てた送信周波数チャネルCH_Tを維持または変更するので、送信手段142は、他の無線装置から送信されたパケットPKT_PSを直接波による干渉を抑制して受信できる。
従って、交差点における出合い頭衝突事故等を確実に抑制できる。
なお、上記においては、チャネル割当手段141は、進行方向D_selfが真北±45度の範囲であれば、周波数チャネルf4を割り当て、進行方向D_selfが真南±45度の範囲であれば、周波数チャネルf2を割り当て、進行方向D_selfが真東±45度の範囲であれば、周波数チャネルf1を割り当て、進行方向D_selfが真西±45度の範囲であれば、周波数チャネルf3を割り当てると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、各無線装置1〜8のチャネル割当手段141は、進行方向D_selfが真東±45度の範囲であれば、周波数チャネルf4を割り当て、進行方向D_selfが真西±45度の範囲であれば、周波数チャネルf2を割り当て、進行方向D_selfが真北±45度の範囲であれば、周波数チャネルf1を割り当て、進行方向D_selfが真南±45度の範囲であれば、周波数チャネルf3を割り当ててもよく、一般的には、1以上の車線からなる片側車線Aと1以上の車線からなる対向車線Bとからなる道路と、1以上の車線からなる片側車線Cと1以上の車線からなる対向車線Dとからなる別の道路とが交差する2つの道路において、片側車線A、対向車線B、片側車線Cおよび対向車線Dを自車両が走行した場合に相互に異なる周波数チャネルが割り当てられるように送信周波数チャネルCH_Tに周波数チャネルf1〜f4のいずれかを割り当てればよい。また、真北、真南、真東、および真西からのずれ角は、45度に限らず、それ以外の角度であってもよい。(上記は、周波数割当の方法のバリエーションを記載しようとしています。残しておいてもよろしいでしょうか? 10/31の打ち合わせ時にお話させて頂いた内容とは違っております。ご確認をお願いいたします。)
なお、各道路の車線とは、一の車線に限らず、1以上の車線を含むものとする。
また、上記においては、車両配置関係情報取得部13は、自車両の周り360度を4個の進行方向領域REG1〜REG4に分割する処理1と、進行方向領域REG1〜REG4の各々を15度単位で区切る処理2とを行なって自車両の周り360度を24個の進行方向領域AREA1〜AREA24に分割すると説明したが、本実施の形態においては、処理1および処理2を行なった後に、24個の進行方向領域AREA1〜AREA24の各々を更に任意の角度で分割する処理と、その分割した各進行方向領域の各々を更に任意の角度で分割する処理とを任意の回数だけ実行し、最終的に使用する進行方向領域を規定してもよい。そして、本実施の形態においては、車両配置関係情報取得部13は、一般的には、自車両の周り360度をm(mは2以上の整数)個の進行方向領域に分割する処理と、m個の進行方向領域の各々をn(nは2以上の整数)個の進行方向領域に分割する処理とを少なくとも実行し、最終的に使用するm×n個以上の進行方向領域を規定すればよい。この場合、基準方向は、m個の基準方向からなるので、チャネル割当手段141は、自車両C_selfの進行方向がm個の基準方向のいずれの基準方向から一定の範囲内に属するかを判定して、片側車線A、対向車線B、片側車線Cおよび対向車線Dを自車両C_selfが走行した場合に相互に異なる周波数チャネルを送信周波数チャネルCH_Tとして割り当てる。
更に、上記においては、使用可能な周波数チャネルは、4個の周波数チャネルf1〜f4であると説明したが、本実施の形態においては、使用可能な周波数チャネルは、2個以上の周波数チャネルであればよい。
本実施の形態においては、GPS信号から進行方向D_selfを検出する車両配置関係情報取得部13は、「検出手段」を構成する。
更に、本実施の形態においては、24個の進行方向領域AREA1〜AREA24は、「M(Mは4以上の整数)個の進行方向領域」を構成する。
次に、図23を用いて、一の車両(車両4)が車線変更を行う場合の例について説明する。このとき、右方向であっても、最も視認の困難な右斜め後方への対応が重要となり、その対応支援のためにより細かい車両位置関係の特定が必要である。
まず、第二車両配置情報受信部12は、他車両(車両2)から、他車両の位置情報(x2,y2)と進行方向情報(X2)とを含む第二車両配置情報を受信する。ここで、第二車両配置情報は、車両識別子(車両ID)、位置情報、シーケンス番号、進行方向情報を有する。また、車両2(車両ID=ID2)の位置情報は、位置(x2,y2)、方位(D2)、速度(V2)を含む。方位とは、車両2が向いている方角を示す情報である。速度とは、車両2の走行速度を示す情報である。また、シーケンス番号とは、第二車両配置情報を有するパケットが生成される場合に割り当てられる生成順を示す続き番号である。なお、通常、シーケンス番号が大きい値であるほど、パケットが新しいものである。また、進行方向情報は、例えば、真北を基準(0度)として、何度方向に向いているかを示す情報であり、通常、単位は度(分などの、さらに細かい単位を含んでも良い)である。
そして、車両配置関係情報取得部13は、第二車両配置情報受信部12が受信した第二車両配置情報を用いて、他車両情報を構成する。つまり、車両配置関係情報取得部13は、車両配置関係情報取得部13は、第二車両配置情報に、当該第二車両配置情報が受信された時刻(T2)、自車両と他車両の相対距離(R2)、周波数チャネル(f1)、拡散符号(C2)を加え、他車両情報を構成する。そして、車両配置関係情報取得部13は、車両ID「ID2」に対応する他車両情報を更新する。更新対象の車両配置関係情報は、周辺車両情報格納手段130に格納されている。なお、時刻(T2)は、例えば、車両配置関係情報取得部13が保持している図示しない時計から取得された情報である。相対距離(R2)は、自車両の位置情報(経度,緯度)および他車両の位置情報(経度,緯度)を用いて算出された情報である。相対距離の算出方法は公知技術である。周波数チャネル(f1)は、第二車両配置情報を受信した周波数CHである。拡散符号(C2)は、物理層において受信したパケットを逆拡散するために用いた拡散符号を、物理層より上の層に通知することにより取得され得る。
つまり、周辺車両情報格納手段130は、図24の周辺車両情報管理表を保持している。周辺車両情報管理表は、自車両情報(「車両ID=ID4」の情報)、および他車両情報(「車両ID=ID1,ID2,ID3」の情報)を管理している。自車両情報、および他車両情報は、「車両ID」「時刻」「位置情報」「シーケンス番号」「進行方向」「相対距離」「使用周波数チャネル」「拡散符号」を有する。なお、図17において、車両ID「ID2」のレコードは、上述した処理により更新されたレコードである。
「車両ID」は、例えば、定期パケットの生成元の無線装置を搭載する車両の名称や、車両に搭載された無線装置の識別子等である。「時刻」は、ここでは、定期パケットの生成元における定期パケットの生成時刻を表す。「位置情報」は、ここでは、緯度、経度、方位および速度からなる。「シーケンス番号」は、定期パケットが生成された順序を表す。従って、シーケンス番号が大きい方が新しい定期パケットであることを表す。
「進行方向」は、車両IDによって特定される車両の進行方向である。「相対距離」は、自車両との相対的な距離を示す情報である。「使用周波数チャネル」は、定期パケットの生成元の無線装置が使用する周波数チャネル番号である。「拡散符号」は、定期パケットの生成元の無線装置が定期パケットの送信または転送に用いる拡散符号からなる。なお、「時刻」は、例えば、年月日時分秒(YYYY/MMMM/DDDD/HHHH/MMMM/SSSS)からなる。
次に、第一車両配置情報取得部11は、図24の周辺車両情報管理表から、自車両(ID4)に対応する第一車両配置情報を読み出す。
次に、車両配置関係情報取得部13は、「車両ID=ID2」に対応する第二車両配置情報を、図24の周辺車両情報管理表から、読み出す。
そして、車両配置関係情報取得部13は、第一車両配置情報、および第二車両配置情報を用いて、以下のように、位置関係特定処理を行う。
まず、他車両存在エリア特定手段131は、第一車両配置情報から、一の車両(ここでは、自車両とも言う)の位置を示す位置情報(x4,y4)を取得する。また、他車両存在エリア特定手段131は、第二車両配置情報から、他車両の位置を示す位置情報(x2,y2)を取得する。
そして、他車両存在エリア特定手段131は、自車両と他車両の位置の差「X=x2−x4」「Y=y2−y4」を算出する。
次に、他車両存在エリア特定手段131は、算出したX,およびYの符号から、図9(a)に従って、他車両の存在エリアの領域の角度(degree)を判断する。ここで、他車両存在エリア特定手段131は、他車両(車両4)の領域を(2)「90〜180度」であると判断した、とする。
次に、他車両存在方向特定手段132は、自車両の第一車両配置情報が有する進行方向情報(X4)が示す進行方向と他車両から受信した第二車両配置情報(パケット)中に含まれている進行方向情報(X2)が示す進行方向を比較して、±15度範囲であるので、自車両と他車両の進行方向は同一方向と、判断する。
次に、他車両存在方向特定手段132は、自車両の第一車両配置情報が有する位置情報(x4,y4)と、他車両から受信した第二車両配置情報中に含まれている位置情報(x2,y2)とを比較する。そして、右斜め前方、右方向、右斜め後方のいずれかのうち、他車両存在方向特定手段132は、他車両(車両4)の領域を「右斜め後方」と判断した、とする。この判断方法は、上述した判断方法の数値(角度)を変更すれば可能であるので、詳細な説明を省略する(図16参照)。そして、他車両存在方向特定手段132は、両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、他車両の存在エリアが、第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の右斜め前方のエリアであるので、当該他車両が前記一の車両に対して右斜め前方の先行する車両であることを示す右斜め前方車両であることを示す車両配置関係情報を取得する。なお、他車両の存在エリアが右斜め前方エリアであることを取得する処理は、他車両存在エリア特定手段131が行っても良い。
次に、表示部15は、取得された車両配置関係情報「右斜め前方車両」を表示する。表示とは、例えば、右斜め後方に他車両が存在する旨の表示である。なお、表示に代えて、図示しない音出力手段により、例えば、自車両の運転者への注意喚起(右斜め後方に他車両が存在することを知らせる音(ブザー音など)の出力など)を行っても良い。
次に、チャネル割当手段141は、例えば、車線2に割り当てられた周波数f3を取得する。そして、周波数f3は、他車両の送信周波数f1とは異なるので、送信手段142は、周波数チャネルf3を用いて、第一車両配置情報を他車両に送信する。
次に、自車両の運転者は、右にウィンカーを出して、車線変更しようとする、とする。すると、「右斜め後方」の存在する車両ID「ID2」の車両を検知されているので、自車両の運転者への注意喚起(右斜め後方に他車両が存在する旨の表示、右斜め後方に他車両が存在することを知らせる音(ブザー音など)の出力など)が行われる。
以上の処理により、車線変更時の事故防止を図ることができる。また、本具体例において、右方向エリアを3エリア「右斜め前方エリア」、「右方向エリア」、「右斜め後方エリア」にさらに詳細に分割し、左方向エリアを3エリア「左斜め前方エリア」、「左方向エリア」、「左斜め後方エリア」に分割した。かかる処理により、より細かい制御が可能となった。
次に、図25を用いて、二輪車の左折巻き込み防止のアプリケーションの例を説明する。かかる場合には、後続車両という情報だけでなく、横方向走行(並走)という情報も必要になってくる。
まず、第二車両配置情報受信部12は、他車両(二輪車[車両ID=ID3])から、他車両の位置情報(x3,y3)と進行方向情報(X3)とを含む第二車両配置情報を受信する、とする。ここで、第二車両配置情報は、車両識別子(車両ID)、位置情報、シーケンス番号、進行方向情報を有する。また、車両3(車両ID=ID3)の位置情報は、位置(x3,y3)、方位(D3)、速度(V3)を含む。
そして、車両配置関係情報取得部13は、第二車両配置情報受信部12が受信した第二車両配置情報を用いて、他車両情報を構成する。つまり、車両配置関係情報取得部13は、第二車両配置情報に、当該第二車両配置情報が受信された時刻(T3)、自車両と他車両の相対距離(R3)、周波数チャネル(f3)、拡散符号(C3)を加え、他車両情報を構成する。そして、車両配置関係情報取得部13は、図24の周辺車両情報管理表の他車両情報であり、車両ID「ID3」に対応する他車両情報を更新する。更新対象の車両配置関係情報は、周辺車両情報格納手段130に格納されている。なお、時刻(T3)は、例えば、車両配置関係情報取得部13が保持している図示しない時計から取得された情報である。
次に、第一車両配置情報取得部11は、図24の周辺車両情報管理表から、自車両(ID4)に対応する第一車両配置情報を読み出す。
次に、車両配置関係情報取得部13は、「車両ID=ID3」に対応する第二車両配置情報を、図24の周辺車両情報管理表から、読み出す。
そして、車両配置関係情報取得部13は、第一車両配置情報、および第二車両配置情報を用いて、以下のように、位置関係特定処理を行う。
まず、他車両存在エリア特定手段131は、第一車両配置情報から、一の車両(ここでは、自車両とも言う)の位置を示す位置情報(x3,y3)を取得する。また、他車両存在エリア特定手段131は、第二車両配置情報から、他車両の位置を示す位置情報(x2,y2)を取得する。
そして、他車両存在エリア特定手段131は、自車両と他車両の位置の差「X=x4−x3」「Y=y4−y3」を算出する。
次に、他車両存在エリア特定手段131は、算出したX,およびYの符号から、図11(a)に従って、他車両の存在エリアの領域の角度(degree)を判断する。ここで、他車両存在エリア特定手段131は、他車両(車両3)の領域を(4)「270〜360度」であると判断した、とする。
次に、他車両存在方向特定手段132は、自車両の第一車両配置情報が有する進行方向情報(X4)が示す進行方向と他車両から受信した第二車両配置情報(パケット)中に含まれている進行方向情報(X3)が示す進行方向を比較して、±15度範囲であるので、同一方向と、判断する。
次に、他車両存在方向特定手段132は、自車両の第一車両配置情報が有する位置情報(x4,y4)と、他車両から受信した第二車両配置情報中に含まれている位置情報(x3,y3)とを比較する。そして、左斜め前方、左方向、左斜め後方のいずれかのうち、他車両存在方向特定手段132は、他車両(車両4)の領域を「左斜め後方」と判断した、とする。この判断方法は、上述した判断方法の数値(角度)を変更すれば可能であるので、詳細な説明を省略する(図24参照)。そして、他車両存在方向特定手段132は、両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、他車両の存在エリアが、第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の左斜め後方のエリアであるので、当該他車両が前記一の車両に対して左斜め後方の車両であることを示す左側並走車両(特に、後方)であることを示す車両配置関係情報を取得する。なお、他車両の存在エリアが左斜め後方エリアであることを取得する処理は、他車両存在エリア特定手段131が行っても良い。
次に、表示部15は、取得した車両配置関係情報「左側並走車両(特に、後方)」を表示する。ここでの表示は、例えば、自車両の運転者への注意喚起(左側の後方に並走する他車両が存在する旨の表示)である。また、図示しない音出力手段が、左側の後方に並走する他車両が存在することを知らせる音(ブザー音など)の出力などを行っても良い。
次に、チャネル割当手段141は、例えば、車線2に割り当てられた周波数f3を取得する。そして、周波数f3は、他車両の送信周波数f1とは異なるので、送信手段142は、周波数チャネルf3を用いて、第一車両配置情報を他車両に送信する。
次に、自車両の運転者は、左にウィンカーを出して、左折しようとする、とする。すると、「左斜め後方」の存在する車両ID「ID3」の車両を検知されているので、表示部15等は、自車両の運転者への注意喚起(左斜め後方に他車両が存在する旨の表示等)を行う。
以上の処理により、二輪車等の左折巻き込みの防止を図ることができる。また、本具体例において、右方向エリアを3エリア「右斜め前方エリア」、「右方向エリア」、「右斜め後方エリア」にさらに詳細に分割し、左方向エリアを3エリア「左斜め前方エリア」、「左方向エリア」、「左斜め後方エリア」に分割した。かかる処理により、より細かい制御が可能となった。
以上、本実施の形態によれば、一の車両に対応する他車両の相対的な位置の情報を適切に取得でき、効果的な送信制御が可能となる。具体的には、本実施の形態によれば、一の車両に対応する他車両の相対的な位置の情報を適切に取得でき、効果的な送信チャネル制御が可能となる。
さらに具体的には、本実施の形態によれば、移動体に搭載された無線装置は、1以上の車線からなる片側車線Aと1以上の車線からなる対向車線Bとからなる道路と、1個以上の車線からなる片側車線Cと1以上の車線からなる対向車線Dとからなる別の道路とが交差する2つの道路において、片側車線A、対向車線B、片側車線Cおよび対向車線Dを移動体が走行した場合に、相互に異なる周波数チャネルになるように送信周波数チャネルを割り当て、その割り当てた送信周波数チャネルを用いて位置情報を含むパケットを送信できる。また、移動体に搭載された無線装置は、自己の送信周波数チャネルと他の無線装置がパケットの送信に用いる他の周波数チャネルとの間で周波数チャネルの制御が必要であるとき、自己の送信周波数チャネルと他の周波数チャネルとが相互に異なる周波数チャネルになるように自己の送信周波数チャネルを維持または変更できる。従って、本無線装置は、直接波による干渉を抑制して所望波を受信できる。
また、本実施の形態によれば、一の車両に対応する他車両の位置を、適切に取得できる。その結果、右折事故、出会い頭事故、歩行者事故、正面衝突事故、追突事故、左折事故、車線変更に伴う衝突事故などの防止を適切に図ることができる。
なお、本実施の形態の具体例によれば、パケットにより、情報を送受信した。しかし、通信形態は問わないことは言うまでもない。かかることは他の実施の形態においても同様である。
また、本実施の形態によれば、チャネル割当処理は、無線装置が自律的に行った。しかし、複数の車両の車両配置情報を保持した、いわゆるサーバ装置等がチャネル割当処理を行っても良い。かかることは他の実施の形態においても同様である。
また、本実施の形態において説明した他車両の位置を取得した結果の情報である車両配置関係情報の利用方法は問わない。つまり、車両配置関係情報を利用して、第一車両配置情報の送信制御(周波数チャネル制御など)を行っても良いし、他車両の位置を単に、一の車両のディスプレイに出力するだけでも良いし、注意喚起のために音(ブザー音など)を出力しても良いし、各種の事故防止のために自動車を自動制御するなどしても良い。かかる場合の車両配置関係情報の取得方法は以下のような方法である。つまり、第一車両配置情報取得部、第二車両配置情報受信部、および車両配置関係情報取得部により実現される車両配置関係情報の取得方法であって、前記第一車両配置情報取得部により、一の車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む第一車両配置情報を取得する第一車両配置情報取得ステップと、前記第二車両配置情報受信部により、前記一の車両とは異なる他車両に設置された他の無線通信装置から、前記他車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む第二車両配置情報を受信する第二車両配置情報受信ステップと、前記車両配置関係情報取得部により、前記第一車両配置情報と前記第二車両配置情報とを用いて、前記他車両の前記一の車両に対する相対的な位置関係を含む情報である車両配置関係情報を取得する車両配置関係情報取得ステップとを具備する車両配置関係情報の取得方法である。
上記方法において、車両配置関係情報取得ステップは、前記第一車両配置情報が有する一の車両の位置情報が示す位置を原点とし、全方位を、予め決められた角度を有する2以上のエリアに分割し、前記第一車両配置情報が有する位置情報と前記第二車両配置情報が有する位置情報に基づいて、他車両が存在するエリアである存在エリアを特定し、当該存在エリアを識別するエリア識別子を有する車両配置関係情報を取得する他車両存在エリア特定サブステップを具備することは好適である。
上記方法において、車両配置関係情報取得ステップは、前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報、および前記エリア識別子を用いて、前記一の車両と前記他車両との車両配置関係を示す車両配置関係情報を取得する他車両存在方向特定サブステップをさらに具備することは好適である。
上記方法において、前記他車両存在方向特定サブステップは、前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報から、両車両の進行方向が同一方向であるか否かを判断し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、一の車両の進行方向に一致するエリアまたは、当該エリアに対して所定の角度の範囲にある1以上のエリアである周辺規定エリア群である前方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して前方の先行する車両である前方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアに対して180度分ずらしたエリア群である後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して後方の後続する車両である後方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアでも無く、前記後方エリアでも無く、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置に対して右方向のエリアである右方向エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して右側を並走する車両である右側並走車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアでも無く、前記後方エリアでも無く、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置に対して左方向のエリアである左方向エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して左側を並走する車両である左側並走車両であることを示す車両配置関係情報を取得することは好適である。
上記方法において、他車両存在方向特定サブステップは、前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報から、両車両の進行方向が同一方向であるか、逆方向であるか、いずれでもないかを判断し、前記両車両の進行方向が逆方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、一の車両の進行方向に一致するエリアまたは、当該エリアに対して所定の角度の範囲にある1以上のエリアである周辺規定エリア群である前方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して接近している対向車両である接近対向車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が逆方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアに対して180度分ずらしたエリア群である後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して通過した対向車両である通過対向車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が逆方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアでも無く、前記後方エリアでも無い場合に、当該他車両が前記一の車両に対して隣接対応車両であることを示す車両配置関係情報を取得することは好適である。
上記方法において、他車両存在方向特定サブステップは、前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報から、両車両の進行方向が同一方向であるか否かを判断し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の右斜め前方のエリアである右斜め前方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して右斜め前方の先行する車両である右斜め前方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の右斜め後方のエリアである右斜め後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して右斜め後方の後続する車両である右斜め後方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の左斜め前方のエリアである左斜め前方エリアであるに、当該他車両が前記一の車両に対して左斜め前方の先行する車両である左斜め前方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の左斜め後方のエリアである左斜め後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して左斜め後方の後続する車両である左斜め後方車両であることを示す車両配置関係情報を取得することは好適である。
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。
(実施の形態2)
本実施の形態では、車車間通信において、一の車両に対する他車両の相対的な位置情報を含む車両配置関係情報を取得し、当該車両配置関係情報を用いて、第一車両配置情報の送信制御をする無線装置等について説明する。特に、本実施の形態において説明する送信制御は、第一車両配置情報の送信タイミング制御である。
本実施の形態における無線ネットワークの概略図は、図1である。図26は、本実施の形態における無線装置2のブロック図である。
無線装置2は、第一車両配置情報取得部11、第二車両配置情報受信部12、車両配置関係情報取得部13、送信制御部24、表示部15を具備する。
送信制御部24は、チャネル割当手段141、送信タイミング決定手段241、転送判断手段242、送信手段243を具備する。
送信タイミング決定手段241は、直近の前方車両に搭載された無線装置から送信された第二車両配置情報が生成されたタイミングまたは第二車両配置情報を受信したタイミングから、予め決められた時間経過後のタイミングを、第一車両配置情報を送信するタイミングとして決定する。直近の前方車両とは、最も近い前方の車両であり、走行方向が同一の車両であることが好適である。
さらに詳細には、車両配置情報の生成および送信完了に要する時間であるホップ通信時間をTtrとした場合、送信タイミング決定手段241は、直近の前方車両に搭載された無線装置から送信された第二車両配置情報が生成されたタイミングまたは受信したタイミングから、3Ttrの時間経過後のタイミングを、第一車両配置情報を送信するタイミングとして決定する。
また、送信タイミング決定手段241は、他の車両に搭載された無線装置から受信された第二車両配置情報を直ちに転送するように、第二車両配置情報を送信するタイミングを決定することは好適である。ここでの決定とは、単に、直ちに転送する処理に移行することも含む。つまり、送信モジュールの呼び出し等の処理でも良い。かかる決定とは、陽に、タイミングに関する情報を取得しなくても良く、結果として、第二車両配置情報を直ちに転送すれば良い。
送信タイミング決定手段241は、通常、無線通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
転送判断手段242は、第一車両配置情報および第二車両配置情報を用いて、第二車両配置情報を転送するか否かを判断する。さらに具体的には、転送判断手段242は、第一車両配置情報が有する進行方向情報、第二車両配置情報が有する進行方向情報から、一の車両と他の車両とが同一方向を走行しているか否かを判断し、両車両が同一方向を走行している場合に、第二車両配置情報を転送すると判断し、両車両が同一方向を走行していない場合に、第二車両配置情報を転送しないと判断することは好適である。かかる転送制御を、エリアベース方式(特に、第一のエリアベース方式)という。
また、転送判断手段242は、第一車両配置情報が有する位置情報、第二車両配置情報が有する位置情報から、一の車両と他の車両との位置関係を取得し、当該位置関係が予め決められた条件を満たす場合に、第二車両配置情報を転送すると判断し、当該位置関係が予め決められた条件を満さない場合に、第二車両配置情報を転送しないと判断する。位置関係とは、距離だけでも良いし、前、後ろなどの位置の関係などでも良い。また、予め決められた条件とは、例えば、100m以内、特に、前方100m以内等である。かかる転送制御を、エリアベース方式(特に、第二のエリアベース方式)という。
また、転送判断手段242は、第二車両配置情報が有する第二車両配置情報識別子を用いて、既に転送した第二車両配置情報であるか否かを判断し、既に転送した第二車両配置情報でなければ、第二車両配置情報を転送すると判断し、既に転送した第二車両配置情報であれば、第二車両配置情報を転送しないと判断することは好適である。第二車両配置情報識別子とは、例えば、車両IDとパケットのシーケンス番号である。また、既に転送した第二車両配置情報を受信するのは、複数の他の車両から、同一の第二車両配置情報を受信する場合があるためである。また、かかる判断を行うために、既に転送した第二車両配置情報の第二車両配置情報識別子を、少なくとも一時蓄積されている、とする。第二車両配置情報識別子を蓄積する処理は、例えば、送信手段243が行う。かかる転送制御を、重複パケットの破棄処理という。
転送判断手段242は、第二車両配置情報が有する時刻情報を用いて、第二車両配置情報が予め決められた時間より前に生成または送信されたか否かを判断し、第二車両配置情報が予め決められた時間より後に生成または送信されている場合に、第二車両配置情報を転送すると判断し、予め決められた時間より前に生成または送信されている場合に、第二車両配置情報を転送しないと判断する。ここで、時刻情報とは、例えば、生成時刻または送信時刻に関する情報である。また、「時間より後」とは、新しい情報は転送する趣旨である。「時間より前」とは、古い情報は転送しない趣旨である。「時間より後」「時間より後」は、当該時間を含んでも含まなくても良い。時刻情報とは、例えば、いわゆるTTLでも良い。転送判断手段242は、第二車両配置情報が有する時刻情報と、図示しない時計から取得した現在時刻により、第二車両配置情報が生成または送信されてから経過した時間を取得する。そして、当該時間と、予め決められた時間とを比較し、転送するか転送しないかを判断する。なお、予め決められた時間は、概ね100msが好適である。転送判断手段242は、古い情報は転送せず、新しい情報は転送する。かかる転送制御を、古いパケットの破棄処理という。
転送判断手段242は、上記の第一、第二のエリアベース方式、重複パケットの破棄処理、パケットの破棄処理等の制御処理のうち、一以上の処理を組み合わせて実行することが好適である。
送信手段243は、送信タイミング決定手段241が決定したタイミングで、第一車両配置情報を送信する。また、送信手段243は、他の車両に搭載された無線装置から受信された第二車両配置情報を直ちに転送する。また、送信手段243は、第一車両配置情報を、第二車両配置情報に優先して送信する。送信手段243は、転送判断手段242が転送すると判断した第二車両配置情報を転送する。送信手段243は、チャネル割当手段141により決定された周波数チャネルを用いて、第一車両配置情報を送信する。送信手段243は、通常、パケットの生成処理、パケットの送信処理が含まれる。
第一車両配置情報は、パケット化されて送信される場合、定期パケットとも言う。また、第二車両配置情報は、パケット化されて送信される場合、転送パケット(他の無線装置の定期パケットでもある)とも言う。かかることは、他の実施の形態においても同様である。送信手段243は、通常、無線通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
次に、無線装置2の動作について、図27のフローチャートを用いて説明する。図27のフローチャートにおいて、図9のフローチャートと同一のステップについて、説明を省略する。
(ステップS2701)転送判断手段242は、受信された第二車両配置情報を、他の車両に転送するか否かを判断する。かかる転送判断処理について、図28のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS2702)送信手段243は、ステップS2701における判断結果が、第二車両配置情報を転送するとの判断結果である場合ステップS2703に行き、転送しないとの判断結果である場合ステップS901に戻る。
(ステップS2703)送信手段243は、転送する第二車両配置情報を構成する。なお、この構成とは、転送パケットの送信元に、無線装置2自身の識別子を付与し、TTLを1減じるなどの処理を行うことである。
(ステップS2704)送信手段243は、ステップS2703で構成した第二車両配置情報を送信する(転送する)。ステップS901に戻る。
(ステップS2705)送信タイミング決定手段241は、第一車両配置情報の送信タイミングであるか否かを判断する。かかる送信タイミング判断処理について、図29のフローチャートを用いて説明する。
なお、図27のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
また、図27のフローチャートのステップS2704において、第二車両配置情報を転送する前に、送信すべき第一車両配置情報が存在するか否か(第一車両配置情報を一時格納するバッファに第一車両配置情報が存在するか否か)を判断し、送信すべき第一車両配置情報が存在すれば、当該第一車両配置情報を送信してから、第二車両配置情報を転送することは好適である。つまり、第一車両配置情報の送信は、第二車両配置情報の転送より優先することは好適である。
次に、ステップS2701の転送判断処理について、図28のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS2801)転送判断手段242は、自車両と他車両の進行方向情報を取得する。つまり、転送判断手段242は、第一車両配置情報から自車両の進行方向情報を取得し、第二車両配置情報から他車両の進行方向情報を取得する。
(ステップS2802)転送判断手段242は、ステップS2801で取得した自車両と他車両の進行方向情報から、両車両の進行方向が同一方向であるか否かを判断する。両車両の進行方向が同一方向であればステップS2803に行き、両車両の進行方向が同一方向でなければステップS2810に行く。なお、本ステップの処理は、第一のエリアベース方式である。
(ステップS2803)転送判断手段242は、自車両と他車両の位置情報を取得する。つまり、転送判断手段242は、第一車両配置情報から自車両の位置情報を取得し、第二車両配置情報から他車両の位置情報を取得する。
(ステップS2804)転送判断手段242は、両車両の位置情報が所定の関係を満たすか否かを判断する。具体的には、例えば、転送判断手段242は、両車両の位置情報から、他車両が自車両の前方に位置し、かつ、所定の距離以内(または所定の距離より近い)であるか否かを判断する。なお、所定の距離は、例えば、「100m」である。そして、両車両の位置情報が所定の関係を満たす場合はステップS2805に行き、両車両の位置情報が所定の関係を満たさない場合はステップS2810に行く。なお、本ステップの処理は、第二のエリアベース方式である。
(ステップS2805)転送判断手段242は、第二車両配置情報識別子を取得する。
(ステップS2806)転送判断手段242は、ステップS2805で取得した第二車両配置情報識別子から、当該第二車両配置情報識別子で識別される第二車両配置情報を、既に転送したか否かを判断する。つまり、転送判断手段242は、例えば、格納されている1以上の第二車両配置情報識別子(既に転送した第二車両配置情報を識別する第二車両配置情報識別子)の中に、ステップS2805で取得した第二車両配置情報識別子が含まれるか否かを判断する。転送判断手段242は、含まれる場合は既に転送したと判断し、含まれない場合は転送していないと判断する。そして、既に転送していればステップS2810に行き、転送していなければステップS2807に行く。なお、本ステップの処理は、重複パケットの破棄処理である。
(ステップS2807)転送判断手段242は、第二車両配置情報の時刻情報(通常、第二車両配置情報が生成された時刻)と、現在時刻を取得する。
(ステップS2808)転送判断手段242は、ステップS2807で取得した時刻情報と現在時刻から、時刻情報が示す時刻から、予め決められた時間が経過しているか否かを判断する。予め決められた時間が経過していればステップS2810に行き、経過していなければステップS2809に行く。なお、本ステップの処理は、古いパケットの破棄処理である。
(ステップS2809)転送判断手段242は、変数「判断結果」に「転送する(例えば、値「1」」を代入する。上位処理にリターンする。
(ステップS2810)転送判断手段242は、変数「判断結果」に「転送しない(例えば、値「0」」を代入する。上位処理にリターンする。
次に、ステップS2705の送信タイミング判断処理について、図29のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS2901)送信タイミング決定手段241は、周辺車両情報格納手段130の自車両情報および1以上の他車両情報から、直近の前方車両(同一方向を走行しており、最も近い前方の車両)を決定し、当該車両の第二車両配置情報を、周辺車両情報格納手段130から取得する。
(ステップS2902)送信タイミング決定手段241は、ステップS2901で取得した第二車両配置情報の時刻情報と、現在時刻を取得する。
(ステップS2903)送信タイミング決定手段241は、ステップS2902で取得した時刻情報と現在時刻から、時刻情報が示す時刻から所定の時間経過しているか否かを判断する。所定の時間とは、好適には、ホップ通信時間をTtrとした場合、3Ttrの時間である。上位処理にリターンする。
以上のように、無線装置は、直近の前方車両の無線装置における第二車両配置情報(定期パケット)の生成および送信のタイミングTfから3Ttrだけ経過したタイミングTsにおいて第一車両配置情報(定期パケット)を周期的に生成して送信するとともに、後方の無線装置から第二車両配置情報(定期パケット)を受信すると、転送条件が成立する場合に、その受信した第二車両配置情報(定期パケット)を直ぐに転送する。
以下、本実施の形態における無線装置2の具体的な動作について説明する。無線装置2を具備する無線ネットワークシステム100の概念図は図30である。無線ネットワーク100は、無線装置1〜21を備える。無線装置1〜21は、それぞれ、車両C1〜C21に搭載される。そして、ここでは、無線装置1〜21は、自律的に無線ネットワークを構築する。
車両C1〜C6は、交差点CRへ向かって道路RD1の左側車線を走行しており、車両C7は、交差点CRを通過しようとしており、車両C8〜C12は、交差点CRから遠ざかる方向へ道路RD1の左側車線を走行しており、車両C13〜C15は、交差点CRへ向かって道路RD1の右側車線を走行しており、車両C16〜C19は、交差点CRから遠ざかる方向へ道路RD1の右側車線を走行している。また、車両C20は、道路RD2から道路RD1へ入ろうとして交差点CRの手前を走行しており、車両C21は、交差点CRへ向かって道路RD2の左側車線を走行している。このような場合、車両C1〜C21は、出会い頭衝突事故および右折時事故等の交通事故を起こす可能性がある。
例えば、車両C5,C6が交差点を直進し、車両C15が交差点を右折しようとした場合、車両C15は、車両C5,C6と右折時事故を起こす可能性がある。また、車両C20が交差点を左折しようとした場合、車両C20は、車両C5,C6と出会い頭衝突事故を起こす可能性がある。
このような右折時事故および出会い頭衝突事故を防止するためには、優先車両である車両C1〜C6の位置情報を非優先車両である車両C15,C20へ知らせる必要がある。
そこで、以下においては、自己干渉および遠近問題を抑制し、かつ、優先車両の位置情報を非優先車両に確実に伝達する方法について説明する。
第二車両配置情報受信部12は、定期パケットを受信し、当該定期パケットを、図示しない受信バッファへ格納する。そして、当該定期パケットと、周波数frおよび拡散符号Cが車両配置関係情報取得部13へ出力される。
車両配置関係情報取得部13は、第二車両配置情報受信部12から周波数frおよび拡散符号Cを受け付け、受信バッファから定期パケットを受け付ける。そして、車両配置関係情報取得部13は、定期パケットに含まれる車両ID、タイムスタンプ、位置情報、シーケンス番号および進行方向を抽出し、その抽出した車両ID、タイムスタンプ、位置情報、シーケンス番号および進行方向と、拡散符号Cと、周波数frとを用いて、周辺車両情報格納手段130の周辺車両情報管理表を作成または更新する。その後、車両配置関係情報取得部13は、定期パケットを送信制御部24へ出力する。なお、周辺車両情報管理表は、無線装置1が搭載された車両C1の周辺に存在する車両に関する情報(他車両情報、または周辺車両情報と言う。)を格納している。また、周辺車両情報管理表は、通常、自車両情報を含む。
送信制御部24は、車両配置関係情報取得部13から定期パケットを受け付ける。そして、送信制御部24の転送判断手段242は、定期パケットに基づいて、上述した方法によって、当該定期パケットを転送すべきか否かを判定する。
転送判断手段242は、定期パケットを転送すべきと判定した場合、定期パケットを図示しない第一の送信バッファへ格納し、定期パケットを転送すべきでないと判定したとき、定期パケットを破棄する。
そして、送信制御部24の送信タイミング決定手段241は、周辺車両情報管理表および図示しないタイマ(時計でも良い)を参照して、上述した方法によって、定期パケット(第一車両配置情報)を生成すべきタイミングを決定する。そして、送信タイミング決定手段241は、その決定したタイミングで定期パケットを周期的に生成するように送信手段243を制御する。この場合、送信タイミング決定手段241は、3×Ttrの周期で定期パケットを生成するように送信手段243を制御する。なお、第一車両配置情報の送信周期は、例えば、100ミリ秒に設定される。
また、送信制御部24のチャネル割当手段141は、実施の形態1で説明した周波数チャネルの制御方法によって、無線装置1が定期パケットの送信に使用すべき周波数ft(f1〜f4のいずれか)を決定する。
そして、チャネル割当手段141は、その決定した周波数ftを送信手段243へ出力する。そして、送信手段243は、周辺車両情報管理表を参照して、定期パケットの送信および転送に使用すべき拡散符号を決定する。
なお、図示しないタイマは、第一車両配置情報取得部11を構成するGPS受信装置がGPS信号を取得した時刻を受け付け、その受け付けた時刻に同期して時間を計測することが好適である。
GPS受信装置は、GPS衛星から車両C1のGPS信号を受信し、その受信したGPS信号に含まれる時刻をタイマへ出力し、GPS信号を第一車両配置情報取得部11へ出力する。
第一車両配置情報取得部11は、GPS受信装置から受けたGPS信号に含まれる経度および緯度を公知の方法によって、x−y座標からなる位置情報に変換する。そして、第一車両配置情報取得部11は、送信タイミング決定手段241から定期パケットを生成すべき時刻を受けると、その時刻と、無線装置1が搭載された車両C1の識別情報(車両ID)と、車両C1のGPS信号とを含む定期パケットを生成し、その生成した定期パケットを図示しない第二の送信バッファへ格納する。また、第一車両配置情報取得部11は、定期パケット(第一車両配置情報)を、車両配置関係情報取得部13に渡す。そして、車両配置関係情報取得部13は、当該第一車両配置情報を含む自車両情報を周辺車両情報管理表に格納する。
また、第一の送信バッファは、転送判断手段242が転送すると判断した定期パケットを格納しており、当該定期パケットは送信手段243へ順次出力される。
また、第二の送信バッファは、第一車両配置情報取得部11から受け付けた(車両配置関係情報取得部13経由でも良い)定期パケットを格納しており、当該定期パケットは送信手段243へ順次出力される。
送信手段243は、第二の送信バッファの定期パケットを決定した拡散符号によってスペクトル拡散し、その拡散後の定期パケットをチャネル割当手段141から受け付けた周波数ftで変調して送信する。また、送信手段243は、第一の送信バッファから受けた定期パケットを決定した拡散符号によってスペクトル拡散し、その拡散後の定期パケットを第二車両配置情報が有する周波数frによって変調して転送する。
なお、ここで、第二の送信バッファは、第一の送信バッファよりも優先度が高い。従って、送信手段243は、第二の送信バッファと第一の送信バッファの両方にパケットが格納されている場合、第二の送信バッファのパケットを先に送信することは好適である。
周辺車両情報管理表の構成は、例えば、図24である。また、図31は、本実施の形態における定期パケットのフォーマットの例を示す図である。定期パケットPKT_PRDは、PHYヘッダと、MACヘッダと、転送ヘッダと、データとを含む。
PHYヘッダは、プリアンブルと、ユニークワード(UW)とからなる。MACヘッダは、バージョン番号と、宛先と、送信元と、パケット識別情報と、パケット長とからなる。バージョン番号は、チャネルアクセス方式を示す。宛先は、パケットの宛先からなる。定期パケットは、ブロードキャストパケットであるため、宛先は、"FFFFFFFF"と設定される。送信元は、パケットの送信車両のIDからなる。パケット識別情報は、定期パケットかその他のパケットかを示す情報からなる。パケット長は、パケットの長さからなる。
転送ヘッダは、転送フラグと、送信元と、転送車両IDと、タイムスタンプ(上述した時刻情報の一例)と、シーケンス番号と、情報ピギーバック車両台数とからなる。なお、この発明においては、ピギーバックとは、各無線装置1〜21が各車両C1〜C21の位置情報と他の車両の位置情報とを自己の定期パケット中に含めて送信することを言う。
転送フラグは、パケットを転送するとき、"1"からなり、位置情報がピギーバックされるとき、"0"からなる。送信元は、定期パケットを生成する無線装置を搭載する車両の車両IDからなる。転送車両IDは、定期パケットを転送する無線装置を搭載する車両の車両IDからなる。タイムスタンプは、定期パケットの生成タイミングからなる。シーケンス番号は、定期パケットが生成された順序を表す。情報ピギーバック車両台数は、各無線装置1〜21が自己の定期パケットに含める位置情報を有する他の車両の台数からなる。そして、情報ピギーバック車両台数は、転送フラグが"1"からなる場合、"0"からなる。
データは、データ長と、水平方向の誤差と、高さ方向の誤差と、送信元の位置と、方位と、速度と、進行方向と、車両のシフトポジションと、ブレーキ状態と、ウィンカースイッチの状態と、ハザードスイッチの状態と、緊急自動車の緊急走行状態と、営業車両の発車合図と、営業車両の停止合図と、進行方向における直近の交差点の位置とからなる。そして、送信元の位置は、緯度と経度とからなる。緯度および経度の各々は、度/分/秒からなる。進行方向は、定期パケットを生成する無線装置を搭載する車両の進行方向からなる。
図32は、パケット転送領域を説明するための図である。車両C3に搭載された無線装置3が車両C3の位置情報等を含む定期パケットPKT_PRDを生成して送信する場合、パケット転送領域PTFは、車両C3の位置から前方へ距離X_anterior、車両C3の位置から後方へ距離X_posteriorおよび車両C3の位置から左右方向へ距離Y_limitの範囲と決定される。
車車間の衝突を回避するために、例えば、位置情報を、前方の数十メートルから数百メートルの範囲へ伝搬させる。そして、以下においては、例えば、定期パケットPKT_PRDの生成元の車両が走行している車線において、定期パケットPKT_PRDの生成元の車両の位置から前方へX(>0)メートル、後方へ0メートルである領域をパケット転送領域PTFとする。この場合、Xの具体値は、例えば、130mである。
そして、定期パケットPKT_PRDを転送するか否かを決定するための転送条件は、定期パケットPKT_PRDを受信した無線装置の位置が定期パケットPKT_PRDの生成元の車両の位置から前方へX(>0)メートル、後方へ0メートルである領域内に存在し、かつ、定期パケットPKT_PRDを受信した無線装置を搭載した車両の進行方向が定期パケットPKT_PRDの生成元の無線装置を搭載した車両の進行方向と略同じであることである。
従って、無線装置3が定期パケットPKT_PRD1=[[Add3/Add3/1/0]/[C3/t1/1/[θ3,φ3,AZ3,V3]/西方向]]を送信した場合、無線装置4の転送判断手段242は、定期パケットPKT_PRD1=[[Add3/Add3/1/0]/[C3/t1/1/[θ3,φ3,AZ3,V3]/西方向]]に含まれる緯度θ3および経度φ3を公知の方向によってz−y座標からなる位置情報[x3,y3]に変換し、その変換した位置情報[x3,y3]と、車両C4の位置情報[x4,y4]とに基づいて、車両C4の位置が車両C3の位置から前方へ130mの領域内に存在することを検知し、かつ、周辺車両情報格納手段130の周辺車両情報管理表を参照して、車両C4の進行方向が車両C3の進行方向と同じであることを検知すれば、無線装置3から受信した定期パケットPKT_PRD1を転送すべきと判定する。
無線装置4以外の無線装置1〜3,5〜21も、自己が搭載された車両の後方から定期パケットPKT_PRDを受信すれば、無線装置4と同じ方法によって、定期パケットPKT_PRDを転送すべきか否かを判定する。
無線ネットワーク100は、各車両C1〜C21の位置情報等を前方へ伝搬して出会い頭衝突事故および右折時事故等の交通事故を回避することを支援する無線ネットワークであるので、各無線装置1〜21は、自己が搭載された車両C1〜C21がパケット転送領域PTF内に存在するときに、自己が搭載された車両C1〜C21の前方の車両から定期パケットPKT_PRDを受信しても、その定期パケットPKT_PRDを転送することはなく、自己が搭載された車両C1〜C21の後方の車両から受信した定期パケットPKT_PRDのみを転送する。
これによって、定期パケットPKT_PRDは、パケット転送領域PTF内において定期パケットPKT_PRDの生成元の車両から前方方向へ順次転送され、非優先車両まで伝搬する。また、転送される定期パケットPKT_PRDの個数が制限され、無線ネットワーク100に与える干渉が低減される。
次に、各無線装置1〜21における定期パケットPKT_PRDの生成および送信のタイミング制御について説明する。
図30においては、車両C1〜C12は、道路RD1の左側車線を同一方向へ走行している。この場合、車両C12〜C2は、それぞれ、車両C11〜C1の直前車両である。なお、車両C5,C6は、相互に前後関係が成立しないが、このような場合、右側を走行している車両C6を車両C5の直前車両とし、車両C5を車両C4の直前車両とする。
また、各無線装置1〜21における定期パケットPKT_PRDの生成から送信までの処理時間と、隣接する2つの無線装置間におけるパケットの空中伝搬時間との和(=処理時間+空中伝搬時間)を、隣接する2つの無線装置間でパケットの送信完了に要するホップ通信時間Ttrと定義する。ホップ通信時間Ttrは、例えば、4.15ミリ秒に設定される。この4.15ミリ秒の値は、車車間通信ネットワークのシステム設計に、予め、求められた値である。
そして、この4.15ミリ秒からなるホップ通信時間Ttrは、各無線装置1〜21の送信タイミング決定手段241に予め設定されている。
各無線装置11〜1の送信タイミング決定手段241は、定期パケットPKT_PRDの周期ΔT内において、無線装置11〜1がそれぞれ搭載された車両C11〜C1の直前車両C12〜C2における定期パケットPKT_PRDの生成および送信のタイミングから3×Ttrだけ経過したタイミングを、自己の定期パケットPKT_PRDの生成および送信のタイミングと決定する。
なお、無線装置18〜13の送信タイミング決定手段241も、無線装置11〜1の送信タイミング決定手段241と同じ方法によって、無線装置18〜13における定期パケットPKT_PRDの生成および送信のタイミングを決定する。
これによって、自己干渉および遠近問題を抑制できる。
なお、直前車両が存在しない車両C12,C19に搭載された無線装置12,19は、通常、定期パケットPKT_PRDの生成および送信のタイミングを変えない。
(図34とその説明を削除したため、図35も削除いたしました。ご確認ください。)
図30において、各無線装置11〜1は、直前の無線装置12〜2における定期パケットPKT_PRDの生成および送信のタイミングから3×Ttr=12.5ミリ秒後に定期パケットPKT_PRDを生成した場合、定期パケットPKT_PRDを生成および送信する周期ΔTは、100ミリ秒であるので、無線装置1〜12は、8(=100/12.5)台おきに同じタイミングで定期パケットPKT_PRDを生成および送信する。
従って、無線装置1および無線装置9、無線装置2および無線装置10、無線装置3および無線装置11、無線装置4および無線装置12は、同じタイミングで定期パケットPKT_PRDを生成および送信する。
ここで、無線装置2が定期パケットPKT_PRDを生成して送信することを想定すると、無線装置2は、無線装置3における定期パケットPKT_PRDの生成および送信のタイミングよりも12.5ミリ秒後に定期パケットPKT_PRDを生成して送信するため、無線装置3における定期パケットPKT_PRDの生成および送信のタイミングは、0.035秒(=0.0225+0.0125)となる。また、無線装置3は、例えば、拡散符号Cを用いて定期パケットPKT_PRDを送信するため、無線装置2は、拡散符号Cを用いて定期パケットPKT_PRDを送信する。
無線装置10も、無線装置2と同じタイミング=0.035秒で定期パケットPKT_PRDを生成し、拡散符号C10を用いて定期パケットPKT_PRDを送信する。
この場合、無線装置1,3〜9,11,12は、無線装置2と無線装置10との位置関係、および建物の存在等によって、無線装置2および無線装置10の両方から定期パケットPKT_PRDを受信できるか、無線装置2および無線装置10のいずれか一方のみから定期パケットPKT_PRDを受信できるか、無線装置2および無線装置10の両方から定期パケットPKT_PRDを受信できないか、のいずれかである。
より具体的には、無線装置1,3〜6は、無線装置2に比較的近いため、無線装置2から定期パケットPKT_PRDを受信できたとする。また、無線装置8,9,11,12は、無線装置10から定期パケットPKT_PRDを受信できたとする。一方、無線装置20は、建物の遮蔽によって無線装置2,10からの定期パケットPKT_PRDを受信できない可能性が高い。
そして、無線装置3〜6は、例えば、車両C2(=無線装置2)のパケット転送領域PTF内に存在するため、無線装置2からの定期パケットPKT_PRDをタイミング=0.03915秒(=0.035+0.00415)で転送する。また、無線装置11,12は、同様に、例えば、車両C10(=無線装置10)のパケット転送領域PTF内に存在するため、無線装置10からの定期パケットPKT_PRDをタイミング=0.03915秒で転送する。
無線装置1は、無線装置2の後方に存在するため、無線装置2からの定期パケットPKT_PRDを転送せず、無線装置8,9は、無線装置10の後方に存在するため、無線装置10からの定期パケットPKT_PRDを転送しない。
そして、無線装置3〜6が定期パケットPKT_PRDの転送を行なっているのと同時に、無線装置11,12は、定期パケットPKT_PRDの転送を行なうが、無線装置3〜6と無線装置7との距離と、無線装置7と無線装置11,12との距離との差によって、無線装置7は、より近い無線装置3〜6からの定期パケットPKT_PRDを受信できる可能性が高い。
そして、無線装置7は、無線装置2からの定期パケットPKT_PRDを受信すると、例えば、無線装置2のパケット転送領域PTF内に存在するため、直ぐに(0.00415秒タイミングで)定期パケットPKT_PRDを転送する。この場合、無線装置7が定期パケットPKT_PRDを転送している間、他の無線装置は、定期パケットPKT_PRDの送信および転送を行なっていない。
従って、無線装置14,20は、無線装置7から定期パケットPKT_PRDを受信できる。
その結果、車両C14,C20にそれぞれ搭載された無線装置14,20は、右折時事故または出会い頭衝突事故を回避できる。
以上、本実施の形態によれば、自己干渉および遠近問題を抑制し、かつ、複数の端末が同一の拡散符号を用いて同時にパケットを送信する場合にもパケットの送信および転送を成功させることができる。
なお、本実施の形態における無線装置の通信制御方法は、車車間通信以外でも利用可能である。かかることは、他の実施の形態でも同様である。
かかる通信制御方法は、第一車両配置情報取得部、第二車両配置情報受信部、車両配置関係情報取得部、および送信制御部により実現される通信制御方法であって、前記第一車両配置情報取得部により、一の車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む第一車両配置情報を取得する第一車両配置情報取得ステップと、前記第二車両配置情報受信部により、前記一の車両とは異なる他車両に設置された他の無線装置から、前記他車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む第二車両配置情報を受信する第二車両配置情報受信ステップと、前記車両配置関係情報取得部により、前記第一車両配置情報と前記第二車両配置情報とを用いて、前記他車両の前記一の車両に対する相対的な位置関係を含む情報である車両配置関係情報を取得する車両配置関係情報取得ステップと、前記送信制御部により、前記第一車両配置情報を送信し、かつ、前記第一車両配置情報を送信する場合に前記車両配置関係情報を用いて、送信制御を行う送信制御ステップを具備する通信制御方法である。
また、上記通信制御方法において、前記送信制御ステップは、車両が走行する道路によって異なる周波数チャネルが割り当てられるように、前記一の車両の送信周波数チャネルを割り当てるチャネル割当処理を行なうとともに、前記車両配置関係情報と前記チャネル割当処理において割り当てられた送信周波数チャネルと前記他の無線装置が第二車両配置情報の送信に用いている他の周波数チャネルとに基づいて、前記送信周波数チャネルおよび前記他の周波数チャネルが相互に異なる周波数チャネルになるように前記送信周波数チャネルを維持または変更するチャネル制御処理を行なうチャネル割当ステップと、前記チャネル割当ステップで決定された送信周波数チャネルを用いて、前記第一車両配置情報を送信する送信ステップとを具備することは好適である。
さらに、上記通信制御方法において、前記送信制御ステップは、直近の前方車両に搭載された無線装置から送信された第二車両配置情報が生成されたタイミングまたは前記第二車両配置情報を受信したタイミングから、予め決められた時間経過後のタイミングを、前記第一車両配置情報を送信するタイミングとして決定する送信タイミング決定ステップと、
前記送信タイミング決定ステップで決定されたタイミングで、前記第一車両配置情報を送信する送信ステップとを具備することは好適である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、車車間通信において、一の車両に対する他車両の相対的な位置情報を含む車両配置関係情報を取得し、当該車両配置関係情報を用いて、第一車両配置情報の送信制御をする無線装置等について説明する。特に、本実施の形態において説明する送信制御は、カットスルー転送制御である。カットスルー転送制御とは、例えば、緊急パケットを、定期パケットに優先して送信する送信制御である。
本実施の形態における無線ネットワークの概略図は、図1である。図33は、本実施の形態における無線装置3のブロック図である。
無線装置3は、第一車両配置情報取得部11、第二車両配置情報受信部12、緊急情報取得部31、車両配置関係情報取得部13、送信制御部34を具備する。
緊急情報取得部31は、緊急情報検知手段311、緊急情報構成手段312を具備する。
送信制御部34は、チャネル割当手段141、送信タイミング決定手段241、転送判断手段242、高速転送判断手段341、送信手段342を具備する。
緊急情報取得部31は、緊急情報を取得する。緊急情報とは、緊急であることを示す種類情報を有する第一車両配置情報である。緊急情報取得部31は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。緊急情報取得部31の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
緊急情報検知手段311は、緊急情報が発生するトリガーとなる事象である緊急事象を検知する。緊急事象とは、例えば、急ブレーキが踏まれたことである。
緊急情報構成手段312は、緊急情報検知手段311が検知した緊急事象から、種類情報を取得し、当該種類情報を有する第一車両配置情報を構成する。つまり、緊急情報構成手段312は、例えば、第一車両配置情報取得部11と同様の処理により、一の車両の位置情報と一の車両の進行方向情報等を取得し、種類情報をあわせて、緊急の第一車両配置情報を構成する。
高速転送判断手段341は、種類情報を含む第二車両配置情報の一部を復調し、種類情報を取得し、当該種類情報が高速転送を要するか否かを判断する。種類情報とは、第二車両配置情報の種類を識別する情報である。種類情報は、例えば、緊急を示す情報(例えば、「1」)、または緊急ではないことを示す情報(例えば、「0」)である。また、種類情報は、例えば、急ブレークを踏んだことを示す情報(例えば、「2」)、緊急車両からの情報(例えば、「1」)、通常(例えば、「0」)など、3種類以上を区別できる情報であっても良い。高速転送判断手段341が復調する第二車両配置情報の一部とは、通常、パケット(第二車両配置情報)のヘッダ部である。ただし、高速転送判断手段341が復調する情報は、第二車両配置情報の一部であれば良い。なお、第二車両配置情報は、通常、送信時に変調されている。
高速転送判断手段341は、例えば、種類情報が急ブレーキが踏まれたことを示す情報であり、かつ、第二車両配置情報が前の車両に搭載されている無線通信装置から送信された情報であると判断した場合に、高速転送を要すると判断する。
また、高速転送判断手段341は、例えば、種類情報が緊急車両から送信され情報であることを示す情報であり、かつ、第二車両配置情報が後ろの車両に搭載されている無線通信装置から送信された情報であると判断した場合に、高速転送を要すると判断する。 なお、緊急車両とは、救急車、消防車などである。
高速転送判断手段341は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。高速転送判断手段341の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
送信手段342は、高速転送判断手段341が高速転送を要すると判断した場合に、第二車両配置情報の一部を復調せずに、第二車両配置情報を転送する。また、送信手段342は、高速転送判断手段341が高速転送を要しないと判断した場合に、第二車両配置情報の他の部分も復調して転送する。他の部分とは、通常、残る部分の全部である。ただし、他の部分は、残る部分の一部でも良い。
また、送信手段342は、高速転送判断手段341が高速転送を要すると判断した場合に、一時的に、第一車両配置情報の送信を中断する。ここで、一時的にとは、通常、予め決められた一定期間である。ただし、不定の期間でも良いし、種類情報に応じて、期間を変えても良い。送信を中断するとは、カットスルーテーブルの更新を一時停止することである、と考えても良い。
また、送信手段342は、高速転送判断手段341が高速転送を要すると判断した場合に、第二車両配置情報の一部を復調せずに、第二車両配置情報を、2回以上、繰り返し転送することは好適である。ここで、復調しない一部とは、通常、復調した一部以外のデータである。ただし、さらに、送信手段342は、一部を復調して、復調していない部分を残し、第二車両配置情報を転送しても良い。
転送とは、通常、ブロードキャストである。ただし、送信の方向を指定しても良い。ブロードキャストの場合、受信する装置が転送するか否かを判断する。
また、送信手段342は、チャネル割当手段141により決定された周波数チャネルを用いて、第一車両配置情報を送信することは好適である。
さらに、送信手段342は、緊急情報構成手段312が構成した緊急の第一車両配置情報を送信する。
送信手段342は、通常、無線通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
次に、無線装置3の動作について図34のフローチャートを用いて説明する。図34のフローチャートにおいて、図27、図9のフローチャートと同一のステップについて、説明を省略する。
(ステップS3401)緊急情報検知手段311は、緊急情報が発生したか否かを判断する。緊急情報が発生すればステップS3402に行き、緊急情報が発生しなければステップS901に行く。緊急情報の発生とは、緊急事象を検知することと同意義である。
(ステップS3402)緊急情報構成手段312、送信手段342は、緊急情報送信処理を行う。緊急情報送信処理について、図35のフローチャートを用いて説明する。ステップS3401に戻る。
(ステップS3403)高速転送判断手段341は、第二車両配置情報受信部12が受信した第二車両配置情報の一部(通常、ヘッダ部)を復調し、種類情報を取得する。
(ステップS3404)高速転送判断手段341は、ステップS3403で取得した種類情報から、第二車両配置情報が緊急の情報であるか否か(通常、緊急パケットであるか否か)を判断する。緊急の情報であればステップS3405に行き、緊急の情報でなければステップS3410に行く。
(ステップS3405)送信手段342は、通常の第一車両配置情報の停止タイマを起動する。
(ステップS3406)送信手段342は、通常の第一車両配置情報の送信、および第二車両配置情報の転送を禁止する処理を行う。この禁止する処理は、例えば、送信しないようにするフラグの書き込み、後述する転送テーブルのロックなどである。その他、禁止する処理は、結果として、通常の第一車両配置情報の送信、および第二車両配置情報の転送を禁止できれば良い。
(ステップS3407)高速転送判断手段341は、緊急の第二車両配置情報の高速転送を行うか否かを判断する。かかる高速転送判断処理について、図36のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS3408)ステップS3407における判断結果が、高速転送を行うとの判断結果である場合ステップS3409に行き、高速転送を行わないとの判断結果である場合ステップS3401に戻る(つまり、第二車両配置情報は破棄する)。
(ステップS3409)送信手段342は、緊急の第二車両配置情報を転送する。かかる転送は、第二車両配置情報の一部(例えば、ペイロード)を復調せずに、第二車両配置情報を転送することである。
(ステップS3410)通常の第二車両配置情報の受信処理を行う。かかる処理は、図27のフローチャートのステップS902、ステップS903、ステップS904、ステップS905、ステップS906、ステップS907、ステップS2701、ステップS2702、ステップS2703、ステップS2704の処理である。
なお、図34のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、ステップS3402の緊急情報送信処理について、図35のフローチャートを用いて説明する。図35のフローチャートにおいて、図34のフローチャートと同一のステップについて、説明を省略する。
(ステップS3501)緊急情報構成手段312は、緊急情報検知手段311が検知した緊急事象から、種類情報を取得する。なお、緊急情報構成手段312は、通常、緊急事象と種類情報を対応付けて保持している。なお、緊急を示す種類情報は、一つでも良い。
(ステップS3502)緊急情報構成手段312は、種類情報を有する第一車両配置情報を構成する。緊急である旨を示す種類情報を有する以外は、第一車両配置情報は、第一車両配置情報取得部11が構成する第一車両配置情報と同じであるので、緊急情報構成手段312の詳細な処理の説明は省略する。つまり、通常の第一車両配置情報における種類情報は、緊急でない旨を示す情報である。
(ステップS3503)送信手段342は、ステップS3502で構成された緊急第一車両配置情報を送信する。
(ステップS3504)送信手段342は、緊急第一車両配置情報の送信回数が、予め決められた条件を満たすか否かを判断する。予め決められた条件を満たす場合上位処理にリターンし、予め決められた条件を満たさない場合ステップS3505に行く。なお、予め決められた条件とは、例えば、予め決められた回数(規定回数)を送信したことである。なお。この回数は、他の条件により、動的に変更されても良い。
(ステップS3505)送信手段342は、繰り返し送信間隔タイマーを起動する。
(ステップS3506)送信手段342は、タイマーの起動から、所定時間が経過しているか否かを判断する。所定時間が経過している場合ステップS3503に戻り、所定時間が経過していない場合ステップS3506に戻る。
次に、ステップS3407の高速転送判断処理について、図36のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS3601)高速転送判断手段341は、第二車両配置情報に含まれる転送方向情報(通常、「前」または「後」)を取得する。
(ステップS3602)高速転送判断手段341は、ステップS3601で取得した転送方向情報と、種類情報を用いて、高速転送するか否かを判断する。なお、高速転送判断手段341は、例えば、種類情報が、急ブレーキが踏まれたことを示す情報であり、かつ、転送方向情報が「前の車両に搭載されている無線通信装置から送信された情報」であると判断した場合に、高速転送を要すると判断する。また、高速転送判断手段341は、例えば、種類情報が、緊急車両から送信され情報であることを示す情報であり、かつ、転送方向情報が「後ろの車両に搭載されている無線通信装置から送信された情報」であると判断した場合に、高速転送を要すると判断する。
(ステップS3603)高速転送判断手段341は、ステップS3602における判断結果(転送する/転送しない)を、所定の変数に代入する。上位処理にリターンする。
以下、本実施の形態における無線装置3の具体的な動作について説明する。まず、本実施の形態における無線装置3のカットスルー転送制御の概念について説明する。図37は、カットスルー転送制御の概念を説明する図である。
緊急情報が発生した車両(緊急情報発生車両)の無線装置は、上位層(APL)において、緊急第一車両配置情報を構成し、MAC層(MAC)を経由して、物理層(PHY)から、緊急第一車両配置情報を送信する。そして、緊急第一車両配置情報を受信し、転送する車両である転送車両の無線装置は、物理層(PHY)で緊急第一車両配置情報を受信し、緊急第一車両配置情報のヘッダ部のみ復調して、ヘッダ部の種類情報をチェックし、緊急情報であるか否かを判断する。そして、第一車両配置情報が緊急情報である場合、転送車両の無線装置は、アプリ層(APL)まで緊急第一車両配置情報を上げずに、物理層(PHY)にて、緊急第一車両配置情報を転送する。なお、かかる転送を、カットスルー転送という。また、緊急第一車両配置情報のヘッダ部を、カットスルーヘッダという。
次に、無線装置3のさらに具体的な動作について説明する。無線装置1〜8を備える無線ネットワークの概略図は図19である。無線装置1〜8は、それぞれ、車両C1〜C8に搭載される。そして、無線装置1〜8は、自律的に無線ネットワークを構成する。
車両C1〜C8は、道路を走行し、交差点を通過する。このような場合、各車両C1〜C8は、信号機が交差点に設置されていなければ、出会い頭衝突事故を起こすこともあるので、このような事故を防止する必要がある。また、各車両C1〜C8は、自己の前方で交通事故が発生したことを検知した場合、前方における交通事故の発生を後方の車両へ知らせる必要がある。また、各車両C1〜C8は、急ブレーキを踏んだ場合、急ブレーキを踏んだ事を後方の車両へ知らせる必要がある。更に、各車両C1〜C8は、後方から救急車が近づいて来ていることを検知した場合、救急車の接近を前方の車両へ知らせる必要がある。
そこで、以下においては、交通事故の発生を防止するとともに、救急車等の緊急車両のスムーズな走行を確保するために、各無線装置1〜8が自己の周辺を走行している他の車両の位置情報を検知するとともに、交通事故の発生または緊急車両の接近を知らせるための緊急パケットの他の無線装置への到達率を向上させる方法について説明する。なお、緊急パケットとは、上述した緊急第一車両配置情報の一例である。
図7に、拡散符号と周波数との関係を示す。図7において、縦軸は、拡散符号を表し、横軸は、周波数を表す。15個の拡散符号Code1〜Code15は、周波数f1〜f4の各々に対して割り当てられる。
従って、各無線装置1〜8は、周波数f1〜f4から1つの周波数ft(周波数f1〜f4のいずれか)を選択するとともに、拡散符号Code1〜Code15から1つの拡散符号Code_t(拡散符号Code1〜Code15のいずれか)を選択し、その選択した周波数ftおよび拡散符号Code_tを用いてパケットを送信する。
また、各無線装置1〜8は、周波数f1〜f4から1つの周波数fd(周波数f1〜f4のいずれか)を選択するとともに、拡散符号Code1〜Code15から1つの拡散符号Code_d(拡散符号Code1〜Code15のいずれか)を選択し、その選択した周波数fdおよび拡散符号Code_dを用いてパケットを受信する。
図38は、無線装置3の構成を示す概略図であり、レイヤを加味した概略図である。無線装置3は、通信制御部C11と、GPS(Global Positioning System)受信機C12とを備える。
通信制御部C11は、階層構造からなり、送受信手段C111と、MAC(Media Access Control)モジュールC112と、処理手段C113と、定期パケット発生手段C114と、緊急パケット発生手段C115とを含む。
GPS受信機C12は、GPS衛星からGPS信号を定期的に受信し、その受信したGPS信号を処理手段C113および定期パケット発生手段C114へ出力する。GPS受信機C12は、第一車両配置情報取得部11の一部や、緊急情報取得部31の一部を構成すると考えても良い。
送受信手段C111は、物理層に属し、転送処理部C1111を含む。そして、送受信手段C111は、他の無線装置からパケットPKTを受信すると、4個の周波数f1〜f4および15個の拡散符号Code1〜Code15によって構成される60個のチャネルの各々におけるパケットPKTの受信信号強度である60個の評価値を演算する。その後、送受信手段C111は、その演算した60個の評価値のち、最大の評価値が得られたときの周波数fdおよび拡散符号Code_dを選択するとともに、60個の評価値のうち、最小の評価値が得られたときの周波数ftおよび拡散符号Code_tを選択する。
送受信手段C111は、周波数fdおよび拡散符号Code_dを選択すると、周波数チャネルfdにおけるパケットPKTのヘッダのみを復調するとともに、拡散符号Code_dによって逆拡散し、その逆拡散後のヘッダのみをデコードする。そして、送受信手段C111は、ヘッダを参照してパケットPKTが緊急パケットPKT_EMGであるか定期パケットPKT_PRDであるかを判定する。
送受信手段C111は、パケットPKTが緊急パケットPKT_EMGであると判定したとき、緊急パケットPKT_EMGの転送の要否の判定処理およびその判定結果に応じた緊急パケットPKT_EMGの転送処理を転送処理部C1111によって実行する。その後、送受信手段C111は、周波数チャネルfdにおけるパケットPKTのヘッダ以外の部分も復調するとともに、拡散符号Code_dによって逆拡散し、その逆拡散後のヘッダ以外の部分をデコードする。そして、送受信手段C111は、そのデコードしたパケットPKT(=緊急パケットPKT_EMG)をMACモジュールC112へ出力する。
一方、送受信手段C111は、パケットPKTが定期パケットPKT_PRDであると判定したとき、周波数チャネルfdにおけるパケットPKTのヘッダ以外の部分を復調するとともに、拡散符号Code_dによって逆拡散し、その逆拡散後のヘッダ以外の部分をデコードする。そして、送受信手段C111は、そのデコードしたパケットPKT(=定期パケットPKT_PRD)をMACモジュールC112へ出力する。
また、送受信手段C111は、MACモジュールC112からパケットPKT(定期パケットPKT_PRDまたは緊急パケットPKT_EMG)を受けると、その受けたパケットPKTにプリアンブル(PR)およびユニークワード(UW)を付加し、そのプリアンブル(PR)およびユニークワード(UW)を付加したパケットPKTを拡散符号Code_tによってスペクトル拡散するとともに、その拡散したパケットPKTを周波数チャネルftで送信する。
更に、送受信手段C111は、定期パケットPKT_PRDの送信元のアドレスと無線装置1に対する送信元の存在方向を示す相対方向とを処理手段C113から定期的に受ける。そして、送受信手段C111は、その受けた送信元のアドレスと相対方向とを用いて、緊急パケットPKT_EMGを転送すべきか否かを判定するための転送テーブルを作成または更新し、その作成または更新した転送テーブルを保持する。
送受信手段C111は、上述した第二車両配置情報受信部12、高速転送判断手段341および送信手段342に対応する。
転送処理部C1111は、送受信手段C111によってパケットPKTが緊急パケットPKT_EMGであると判定されると、緊急パケットPKT_EMGを受信したことを示す信号REMGを生成して定期パケット発生手段C114へ出力する。
また、転送処理部C1111は、転送テーブルを参照して、緊急パケットPKT_EMGを転送すべきか否かを判定する。そして、転送処理部C1111は、緊急パケットPKT_EMGを転送すべきと判定したとき、緊急パケットPKT_EMGのヘッダを更新するとともに、一時記憶バッファに記憶しておいたヘッダ以外の部分にヘッダを付加して緊急パケットPKT_EMGを転送する。この場合、転送処理部C1111は、ヘッダをエンコードし、そのエンコード後のヘッダを拡散符号Code_dによってスペクトル拡散する。そして、転送処理部C1111は、その拡散後のヘッダをヘッダ以外の部分に付加して緊急パケットPKT_EMGを再構築し、その再構築した緊急パケットPKT_EMGを周波数チャネルfdで転送する。
MACモジュールC112は、MAC層に属し、定期パケット発生手段C114から受けた定期パケットPKT_PRDまたは緊急パケット発生手段C115から受けた緊急パケットPKT_EMGに対してMACヘッダの付加等のMAC部における制御および処理を行なう。そして、MACモジュールC112は、定期パケットPKT_PRDまたは緊急パケットPKT_EMGを送受信手段C111へ出力する。
また、MACモジュールC112は、送受信手段C111から定期パケットPKT_PRDまたは緊急パケットPKT_EMGを受け、その受けた定期パケットPKT_PRDまたは緊急パケットPKT_EMGからMACヘッダを除去等して定期パケットPKT_PRDまたは緊急パケットPKT_EMGを処理手段C113へ出力する。
MACモジュールC112は、第一車両配置情報取得部11の一部、緊急情報構成手段312の一部、第二車両配置情報受信部12の一部を構成する。
処理手段C113は、上位層に属し、他の無線装置から送信された定期パケットPKT_PRDまたは緊急パケットPKT_EMGをMACモジュールC112から受ける。そして、処理手段C113は、定期パケットPKT_PRDから定期パケットPKT_PRDの送信元のアドレスと、送信元のGPS信号とを取り出す。なお、GPS信号は、緯度、経度、速度、進行方向(=方位)、および時刻からなる。
また、処理手段C113は、GPS受信機C12から無線装置3のGPS信号を受ける。そして、処理手段C113は、公知の方法によって、無線装置3のGPS信号の緯度および経度を無線装置3の位置情報(x,y座標からなる)に変換するとともに、他の無線装置のGPS信号の緯度および経度を他の無線装置の位置情報に変換する。その後、処理手段C113は、無線装置3の位置情報と他の無線装置の位置情報とに基づいて、無線装置3に対する他の無線装置の相対位置を求めるとともに、無線装置3に対する他の無線装置の存在方向を示す相対方向を求める。
すると、処理手段C113は、他の無線装置のアドレス、他の無線装置のGPS信号、他の無線装置の相対位置および他の無線装置の相対方向に基づいて、周辺車両情報管理表を作成または更新し、その作成または更新した周辺車両情報管理表を保持する。
そして、処理手段C113は、周辺車両情報管理表から他の無線装置のアドレスおよび相対方向を定期的(例えば、100msec毎)に取り出して送受信手段C111へ出力する。
更に、処理手段C113は、他の無線装置のアドレスおよび他の無線装置のGPS信号を定期パケット発生手段C114へ出力する。
更に、処理手段C113は、緊急パケットPKT_EMGから緊急情報を取り出し、その取り出した緊急情報を表示手段(図示せず)によってドライバーに視聴覚情報として与える。
処理手段C113は、第一車両配置情報取得部11の一部、および車両配置関係情報取得部13の一部を構成する。
定期パケット発生手段C114は、上位層に属し、GPS受信機C12から無線装置3のGPS信号を定期的に受け、処理手段C113から他の無線装置のアドレスおよび他の無線装置のGPS信号を受ける。そして、定期パケット発生手段C114は、無線装置3のアドレス/無線装置3のGPS信号と、他の無線装置のアドレス/他の無線装置のGPS信号とを含む定期パケットPKT_PRDを発生する。そして、発生した定期パケットPKT_PRDは、MACモジュールC112を介して定期的に送信される。
また、定期パケット発生手段C114は、送受信手段C111の転送処理部C1111から信号REMGを受ける毎に、または緊急情報が発生したことを示す信号OEMGを緊急パケット発生手段C115から受ける毎に、内蔵した定期パケット停止期間タイマー(図示せず)を起動し、その起動した定期パケット停止期間タイマーが満了するまで、定期パケットPKT_PRDの送信及び転送を禁止する。そして、定期パケット発生手段C114は、定期パケット停止期間タイマーが満了すると、定期パケットPKT_PRDの定期的な送信及び転送を再開する。
このように、緊急情報が発生し、緊急パケットPKT_EMGの送信および転送が行なわれている期間、緊急パケットPKT_EMGの送信および転送に対する優先度を上げ、定期パケットPKT_PRDの送信および転送を規定期間(=定期パケット停止期間)の間、停止させることで、緊急パケットPKT_EMGの通信品質(パケット到着率)を向上させる。
緊急パケット発生手段C115は、無線装置3が搭載された車両C1のドライバーが交通事故の発生または緊急車両の接近を示す情報を緊急情報として無線装置3へ入力することによって、緊急情報を外部から受ける。
そして、緊急パケット発生手段C115は、緊急情報を受けると、緊急情報と、無線装置1のアドレスと、シーケンス番号(SEQ_A)と、伝達方向とを含む緊急パケットPKT_EMGを発生し、その発生した緊急パケットPKT_EMGをMACモジュールC112を介して送信する。
その後、緊急パケット発生手段C115は、緊急パケットPKT_EMGの送信回数が規定回数に達したか否かを判定する。そして、緊急パケット発生手段C115は、緊急パケットPKT_EMGの送信回数が規定回数に達したと判定したとき、緊急パケットPKT_EMGの送信を停止する。
一方、緊急パケット発生手段C115は、緊急パケットPKT_EMGの送信回数が規定回数に達していないと判定したとき、内蔵した繰返し送信間隔タイマー(図示せず)を起動する。緊急パケット発生手段C115は、緊急パケットPKT_EMGの送信回数が規定回数に達するまで、緊急パケットPKT_EMGの送信、繰返し送信間隔タイマーの起動を繰返し行なう。
なお、緊急パケット発生手段C115は、緊急情報取得部31に該当する。
パケットのフォーマットの例を、図39に示す。パケットPKTは、プリアンブル(PR)と、ユニークワード(UW)と、DATA_Aと、DATA_Bと、DATA_Cとを含む。
DATA_Aは、CTと、CRC_Aとを含む。DATA_Bは、MACと、LLC(Logical Link Control)と、CRC_Bとを含む。DATA_Cは、LSDU(Link Service Data Unit)と、CRC_Cとを含む。
CTは、緊急パケットであるか否かを判断するためのフラグFLG(種類情報)と、緊急情報の発信元の無線装置を識別する識別番号ID_Sと、緊急パケットPKT_EMGの転送元である無線装置を識別する識別番号ID_Tと、緊急パケットPKT_EMGの伝達方向DRと、緊急パケットPKT_EMGの生存期間TTLと、緊急パケットPKT_EMGのシーケンス番号SEQ_Aとを含む。
CRC_A,CRC_B,CRC_Cの各々は、誤り検出符号である。MACは、MAC制御を行なうためのフィールドである。LLCは、LLC制御を行なうためのフィールドである。LSDUは、リンクサービスデータ単位であり、シーケンス番号SEQ_Bを含む。
CTは、CRC_Aによって誤り検出され、MACおよびLLCは、CRC_Bによって誤り検出され、LSDUは、CRC_Cによって誤り検出される。
プリアンブル(PR)およびユニークワード(UW)は、送受信手段C111によって付加される。なお、各領域に対する誤り訂正符号は、FEC1,FEC2およびFEC3であり、図39のパケットフォーマットに示した通りである。
パケットPKTが緊急パケットPKT_EMGであるとき、フラグFLGには、"ON"情報が格納され、パケットPKTが定期パケットPKT_PRDであるとき、フラグFLGには、"OFF"情報が格納される。
そして、この発明においては、CTおよびCRC_Aは、ヘッダHEDを構成する。
図40は、周辺車両情報管理表の構成の一例を示す図である。周辺車両情報管理表は、無線装置IDと、時刻と、位置情報と、シーケンス番号SEQ_Bと、相対位置と、相対方向とからなる。
無線装置ID、時刻、位置情報、シーケンス番号SEQ_B、相対位置、および相対方向は、相互に対応付けられる。無線装置IDは、定期パケットPKT_PRDの送信元の識別情報を示し、定期パケットPKT_PRDの送信元のアドレスからなる。
時刻は、位置情報を取得した時刻を示し、時/分/秒(HHHH/MMMM/SSSS)からなっており、アプリケーションに応じて、年/月/日(YYYY/MMMM/DDDD)の情報を付加してもよい。位置情報は、緯度、経度、方位および速度からなる。シーケンス番号SEQ_Bは、定期パケットPKT_PRDの送信元によって付与され、正の整数からなる。そして、シーケンス番号SEQ_Bは、定期パケットPKT_PRDの生成順を示す。従って、シーケンス番号SEQ_Bの数値が大きい程、定期パケットPKT_PRDが新しいことを表す。
相対位置は、周辺車両情報管理表を作成する無線装置の位置に対する定期パケットPKT_PRDの送信元の位置からなる。相対方向は、周辺車両情報管理表を作成する無線装置に対する定期パケットPKT_PRDの送信元の存在方向からなる。
図41は、転送テーブルの構成を示す図である。転送テーブルは、無線装置IDと、シーケンス番号(SEQ_A)と、相対方向とからなる。無線装置ID、シーケンス番号(SEQ_A)、および相対方向は、相互に対応付けられる。
無線装置IDは、定期パケットPKT_PRDの送信元のアドレスからなる。図41中のシーケンス番号(SEQ_A)は、"0"または緊急パケットPKT_EMGのヘッダHEDに含まれるシーケンス番号SEQ_Aからなる。相対方向は、転送テーブルを作成する無線装置に対する定期パケットPKT_PRDの送信元の存在方向からなる。
なお、無線装置IDおよび相対方向は、それぞれ、図40に示す周辺車両情報管理表における無線装置IDおよび相対方向からなる。
ここで、転送処理部C1111(高速転送判断手段341)における緊急パケットPKT_EMGの転送の要否を判定する判定方法について説明する。
転送処理部C1111は、送受信手段C111によってパケットPKTが緊急パケットPKT_EMGであると判定されると、緊急パケットPKT_EMGのヘッダHEDを参照して、緊急パケットPKT_EMGの生存期間TTLが有効であるか否かを判定し、ヘッダHEDに含まれる伝達方向DRが転送テーブル30に登録されている相対方向と一致するか否かを判定する。
そして、転送処理部C1111は、生存期間TTLが有効であり、かつ、ヘッダHEDに含まれる伝達方向DRが転送テーブルに登録されている相対方向に一致すると判定したとき、転送テーブル中のシーケンス番号(SEQ_A)が"0"からなるか否かを判定する。
転送処理部C1111は、この判定において、転送テーブル中のシーケンス番号(SEQ_A)が"0"からなると判定したとき、該緊急パケットPKT_EMGを未転送と判断でき、緊急パケットPKT_EMGを転送すべきと判定する。
一方、転送処理部C1111は、転送テーブル中のシーケンス番号(SEQ_A)が"0"ではないと判定したとき、緊急パケットPKT_EMGのヘッダHEDに含まれるシーケンス番号SEQ_Aと転送テーブル中のシーケンス番号(SEQ_A)とを比較する。そして、転送処理部C1111は、シーケンス番号SEQ_Aが転送テーブル中のシーケンス番号(SEQ_A)よりも大きいとき、緊急パケットPKT_EMGを転送すべきと判定し、シーケンス番号SEQ_Aが転送テーブル中のシーケンス番号(SEQ_A)以下であるとき、緊急パケットPKT_EMGを転送すべきでないと判定する。つまり、転送処理部C1111は、転送テーブル中のシーケンス番号(SEQ_A)が"0"ではないとき、通常のシーケンス番号の使用方法に基づいて、緊急パケットPKT_EMGを転送すべきか否かを判定する。
図42は、交通状況を示す図である。また、図43は、定期パケットのタイミングチャートを示す図である。更に、図44は、周辺車両情報管理表の第1の例を示す図である。更に、図45は、転送テーブルの第1の例を示す図である。更に、図46は、周辺車両情報管理表の第2の例を示す図である。更に、図47は、転送テーブルの第2の例を示す図である。
なお、図43において、上向きの矢印は、定期パケットPKT_PRDの送信を表す。また、図43においては、図を見易くするために、定期パケットPKT_PRDの受信を示す下向きの矢印を省略している。
図42に示すように、車両C1〜C3,C6,C7は、道路RD1を交差点CRへ向かって走行しており、車両C4は、道路RD4を交差点CRへ向かって走行しており、車両C5は、道路RD2を交差点CRから遠ざかる方向へ走行しており、車両C8は、道路RD3を交差点CRから遠ざかる方向へ走行している。
このような、状況において、車両C1〜C8にそれぞれ搭載された無線装置1〜8は、図43に示すように、上述した方法によって周期Tcで定期パケットPKT_PRDを発生するとともに、その発生した定期パケットPKT_PRDを送信する。
その結果、車両C2に搭載された無線装置2の処理手段C113は、他の無線装置から受信した定期パケットPKT_PRDに含まれる他の無線装置1,3〜8のアドレスおよびGPS信号と、自己のGPS信号とに基づいて、上述した方法によって、図44に示す周辺車両情報管理表20−1を作成する。
そして、無線装置2の処理手段C113は、周辺車両情報管理表20−1から無線装置IDと相対方向との組[Add1/前方],[Add3/後方],[Add4/前方],[Add5/左前方],[Add6/前方],[Add7/前方],[Add8/右前方]を取り出し、その取り出した組[Add1/前方],[Add3/後方],[Add4/前方],[Add5/左前方],[Add6/前方],[Add7/前方],[Add8/右前方]を送受信手段C111へ出力する。
すると、無線装置2の送受信手段C111は、処理手段C113から組[Add1/前方],[Add3/後方],[Add4/前方],[Add5/左前方],[Add6/前方],[Add7/前方],[Add8/右前方]を受け、その受けた組[Add1/前方],[Add3/後方],[Add4/前方],[Add5/左前方],[Add6/前方],[Add7/前方],[Add8/右前方]に基づいて、上述した方法によって、図45に示す転送テーブル30−1を作成する。この場合、無線装置2の送受信手段C111は、無線装置1,3〜8からの緊急パケットPKT_EMGを転送した実績がないので、シーケンス番号に"0"を格納して転送テーブル30−1を作成する。
同様にして、無線装置1の処理手段C113は、図46に示す周辺車両情報管理表20−2を作成し、無線装置1の送受信手段C111は、図47に示す転送テーブル30−2を作成する。
なお、図示していないが、無線装置3〜8も、同様にして、周辺車両情報管理表および転送テーブルを作成する。
このように、緊急情報が発生していない状況においては、各無線装置1〜8は、定期パケットPKT_PRDを定期的に送受信して周辺車両情報管理表および転送テーブルを作成し、その作成した周辺車両情報管理表に基づいて、他の無線装置が搭載された車両の位置、相対位置、進行方向および相対方向を検知し、その検知した車両の位置、相対位置、進行方向および相対方向に基づいて、交差点における出会い頭衝突事故防止のための安全支援として、車両接近の情報をドライバーに伝える。
図48は、他の交通状況を示す図である。また、図49は、緊急パケットのタイミングチャートを示す図である。更に、図50および図51は、それぞれ、転送テーブルの第3および第4の例を示す図である。
なお、図49においては、×は、定期パケットの送信キャンセルを表し、点線の矢印は、定期パケット停止期間を表し、上向きの矢印は、定期パケット送信を表し、太い上向きの矢印は、緊急パケットPKT_EMGの送信を表し、太い下向きの矢印は、緊急パケットPKT_EMGの受信を表す。
図48に示すように、救急車が後方から車両C3に接近した場合、無線装置3の緊急パケット発生手段C115は、外部から緊急情報を受けると、信号OEMGを生成して定期パケット発生手段C114へ出力する。
そして、無線装置3の定期パケット発生手段C114は、緊急パケット発生手段C115から信号OEMGを受けると、定期パケット停止期間タイマーを起動し、定期パケット停止期間タイマーが満了するまで定期パケットPKT_PRDの送信および転送を禁止する。
その後、無線装置3の緊急パケット発生手段C115は、周辺車両情報管理表を参照して、救急車が後方から車両C3へ接近していることを検知し、後方から救急車が接近していることを車両C3の前方に位置する車両に通知する必要があると判断する。そして、無線装置3の緊急パケット発生手段C115は、緊急パケットPKT_EMG1を他の車両に搭載された無線装置へ送信するために、緊急パケットPKT_EMGであることを示すフラグFLG=ON、送信元の識別番号ID_S=Add3、中継無線装置ID_T=Add3、伝達方向=前方、生存期間TTL=4、シーケンス番号SEQ_A=10および緊急情報(=救急車の接近)を含む緊急パケットPKT_EMG1=[ON/Add3/Add3/前方/4/10/救急車の接近]を発生し、その発生した緊急パケットPKT_EMG1=[ON/Add3/Add3/前方/4/10/救急車の接近]をMACモジュールC112を介して送受信手段C111へ出力する。この場合、緊急情報(=救急車の接近)は、シーケンス番号SEQ_Bと共にパケットPKTのLSDU(図39参照)に格納される。
そして、無線装置3の送受信手段C111は、プリアンブル(PR)およびユニークワード(UW)を緊急パケットPKT_EMG1に付加し、そのプリアンブル(PR)およびユニークワード(UW)を付加した緊急パケットPKT_EMG1を拡散符号Code_tでスペクトル拡散し、その拡散後の緊急パケットPKT_EMG1を周波数チャネルftで送信する。
その後、無線装置3の緊急パケット発生手段C115は、緊急パケットPKT_EMG1の送信回数が規定回数に達したか否かを判定し、緊急パケットPKT_EMG1の送信回数が規定回数に達していないと判定したとき、繰返し送信間隔タイマーを起動する。そして、無線装置3の緊急パケット発生手段C115は、繰返し送信間隔タイマーが満了すると、新規のシーケンス番号(SEQ_A)を付与した緊急パケットPKT_EMG1を再発生し、これを送信する。無線装置3の緊急パケット発生手段C115は、緊急パケットPKT_EMG1の送信回数が規定回数に達するまで、信号OEMGの定期パケット発生手段C114への出力、緊急パケットPKT_EMG1の再発生、その再発生した緊急パケットPKT_EMG1の送信および繰返し送信間隔タイマーの起動を繰返し行なう。これによって、緊急パケットPKT_EMG1は、規定回数(例えば、3回)だけ送信される。その結果、図49に示すように、本来、タイミングt3で送信される定期パケットPKT_PRDの送信が禁止される。
そして、無線装置3の緊急パケット発生手段C115は、緊急パケットPKT_EMG1の送信回数が規定回数に達すると、信号OEMGの定期パケット発生手段C114への出力、緊急パケットPKT_EMG1の再発生、その再発生した緊急パケットPKT_EMG1の送信および繰返し送信間隔タイマーの起動を停止する。
車両C2に搭載された無線装置2の送受信手段C111は、緊急パケットPKT_EMG1=[ON/Add3/Add3/前方/4/10/救急車の接近]を無線装置3から周波数チャネルfd(=無線装置3における周波数チャネルft)で受信し、その受信した緊急パケットPKT_EMG1のヘッダHEDのみを拡散符号Code_d(=無線装置3における拡散符号Code_t)によって逆拡散し、その逆拡散後のヘッダHEDのみをデコードする。そして、無線装置2の送受信手段C111は、ヘッダHEDのフラグFLG=ONを参照して、受信したパケットが緊急パケットPKT_EMG1であることを検知する。
すると、無線装置2において、転送処理部C1111は、信号REMGを生成して定期パケット発生手段C114へ出力する。無線装置2の定期パケット発生手段C114は、転送処理部C1111から信号REMGを受けると、定期パケット停止期間タイマーを起動し、定期パケット停止期間タイマーが満了するまで定期パケットPKT_PRDの送信および転送を禁止する。
その後、無線装置2の転送処理部C1111は、緊急パケットPKT_EMG1=[ON/Add3/Add3/前方/4/10/救急車の接近]のヘッダHEDの送信元ID_S=Add3および伝達方向=前方を参照して、緊急パケットPKT_EMG1が無線装置3において発生されたものであること、および緊急パケットPKT_EMG1を無線装置3よりも前方へ中継すべきことを検知する。
そして、無線装置2の転送処理部C1111は、転送テーブル30−1(図45参照)に登録されている相対方向(=後方)から、無線装置3から見た無線装置2の相対方向が前方となることと、ヘッダHEDの伝達方向=前方とが一致することを検知する。
すると、無線装置2の転送処理部C1111は、送信元ID_S=Add3に対応するシーケンス番号(SEQ_A)が"0"であることと、生存期間TTL=4が"0"よりも大きいこととを検出し、無線装置3からの緊急パケットPKT_EMG1を転送すべきであると判定する。その後、無線装置2の転送処理部C1111は、緊急パケットPKT_EMG1のヘッダHEDに格納された中継無線装置を無線装置3から無線装置2(=ID_T=add2)に代え、更に、生存期間TTL=4を"1"だけ減少させてヘッダHEDをヘッダHED=[ON/Add3/Add2/前方/3/10]に更新する。
そして、無線装置2の転送処理部C1111は、ヘッダHED=[ON/Add3/Add2/前方/3/10]を拡散符号Code_dによってスペクトル拡散する。
引き続いて、無線装置2の転送処理部C1111は、ヘッダHED以外の部分を一時記憶バッファから取り出し、その取り出したヘッダHED以外の部分にヘッダHED=[ON/Add3/Add2/前方/3/10]を付加して緊急パケットPKT_EMG1を緊急パケットPKT_EMG2=[ON/Add3/Add2/前方/3/10/救急車の接近]に更新し、緊急パケットPKT_EMG2=[ON/Add3/Add2/前方/3/10/救急車の接近]を周波数チャネルfdで転送する。そして、無線装置2の転送処理部C1111は、転送テーブル30−1(図45参照)の無線装置ID=Add3に対応するシーケンス番号SEQ_Aに緊急パケットPKT_EMG1のヘッダHEDに含まれるシーケンス番号SEQ_A=10を格納し、転送テーブル30−1を転送テーブル30−3(図50参照)に更新する。
無線装置2は、図49に示すように、無線装置3からの緊急パケットPKT_EMG1を3回受信し、上述した方法によって、緊急パケットPKT_EMG1を3回転送する。その結果、無線装置2においては、無線装置3から緊急パケットPKT_EMG1を受信する毎に、定期パケット停止期間タイマーが起動され、定期パケット停止期間の間、定期パケットPKT_PRDの送信および転送が禁止されるので、本来、タイミングt2で送信されるべき定期パケットPKT_PRDの送信が禁止される。
無線装置1は、無線装置2から緊急パケットPKT_EMG2を受信し、無線装置2と同じ方法によって、緊急パケットPKT_EMG2を緊急パケットPKT_EMG3として無線装置6へ転送するとともに、定期パケット停止期間の間、定期パケットPKT_PRDの送信および転送を禁止する。そして、無線装置1の転送処理部C1111は、転送テーブル30−2(図47参照)の無線装置ID=Add3に対応するシーケンス番号SEQ_Aに緊急パケットPKT_EMG1のヘッダHEDに含まれるシーケンス番号SEQ_A=10を格納し、転送テーブル30−2を転送テーブル30−4(図51参照)に更新する。
無線装置1は、図49に示すように、無線装置2からの緊急パケットPKT_EMG2を3回受信し、上述した方法によって、緊急パケットPKT_EMG3を3回転送する。その結果、無線装置1においては、無線装置2から緊急パケットPKT_EMG2を受信する毎に、定期パケット停止期間タイマーが起動され、定期パケット停止期間の間、定期パケットPKT_PRDの送信および転送が禁止されるので、本来、タイミングt1,t4で送信されるべき定期パケットPKT_PRDの送信が禁止される。
また、無線装置6は、無線装置1から緊急パケットPKT_EMG3を受信し、無線装置2と同じ方法によって、緊急パケットPKT_EMG3を緊急パケットPKT_EMG4として無線装置7へ転送するとともに、転送テーブル30を更新し、定期パケット停止期間の間、定期パケットPKT_PRDの送信および転送を禁止する。
そして、無線装置7は、緊急パケットPKT_EMG4を無線装置6から受信して定期パケット停止期間タイマーを起動し、定期パケット停止期間の間、定期パケットPKT_PRDの送信および転送を禁止する。この場合、無線装置7は、緊急パケットPKT_EMG4を転送しない。無線装置7が緊急パケットPKT_EMG4を受信することによって、緊急パケットの生存期間TTLが"0"になるからである。
図52は、緊急パケットの転送を示す概念図である。なお、図52は、緊急パケットPKT_EMGを規定回数n(nは2以上の整数)だけ転送する場合を示す。
車両C3に搭載された無線装置3は、緊急パケットPKT_EMGを1回目に発生して送信したときに、定期パケット停止期間の間、定期パケットPKT_PRDの送信および転送を禁止する。この時点では、無線装置2,1,6,7は、定期パケットPKT_PRDの送信および転送を禁止していない。
そして、車両C2に搭載された無線装置2は、無線装置3からの緊急パケットPKT_EMGを1回目に受信すると、定期パケット停止期間の間、定期パケットPKT_PRDの送信および転送を禁止する。その後、無線装置2は、無線装置3から緊急パケットPKT_EMGを受信する毎に、定期パケット停止期間の間、定期パケットPKT_PRDの送信および転送を禁止する。
車両C1,C6,C7にそれぞれ搭載された無線装置1,6,7についても同様である。
従って、緊急パケットPKT_EMGの複数回の送信によって、定期パケットPKT_PRDの送信および転送の禁止は、無線装置3から無線装置2、無線装置1、無線装置6および無線装置7へ順次伝達される。つまり、緊急パケットPKT_EMGの到達領域が順次拡大される。
その結果、無線装置3から送信された緊急パケットPKT_EMGの無線装置2,1,6,7への到達率を向上できる。そして、各車両C1,C2,C6,C7の無線装置1,2,6,7は、緊急パケットPKT_EMGを正確に受信し、緊急情報=救急車の接近を車両C1,C2,C6,C7のドライバーに視聴覚情報として与え、車両C1,C2,C6,C7のドライバーは、救急車に道を譲る等の対処を行なうことができる。
上記においては、救急車が後方から接近した場合の緊急パケットPKT_EMGの伝搬について説明したが、例えば、図42において、右折しようとした車両C7が交差点CR内で車両C4と衝突事故を起こした場合や、その事故のために車両C6が急ブレークをかけた場合等、車両C6に搭載された無線装置6は、交通事故または急ブレーキを示す緊急情報を含む緊急パケットPKT_EMGを発生し、その発生した緊急パケットPKT_EMGを上述した方法によって、無線装置1、無線装置2および無線装置3(後方の車両)へ順次伝達する。
そして、無線装置1〜3は、無線装置6からの緊急パケットPKT_EMGを正確に受信し、交差点CR内で交通事故が起こっていること(または、急ブレーキが踏まれたこと)を検知し、緊急情報=交通事故を車両C1〜C3のドライバーに視聴覚情報として与える。従って、車両C1〜C3のドライバーは、更なる事故を防止するための対処を行なうことができる。
図53は、転送テーブルの第5の例を示す図である。無線装置6の送受信手段C111は、転送テーブル30−5を保持している。従って、無線装置6の転送処理部C1111は、既に、無線装置2,3,4,7が発生した緊急パケットPKT_EMGを受信して転送している。
このような状況において、無線装置6の転送処理部C1111は、無線装置2が発生した緊急パケットPKT_EMGを新たに受信した場合、転送テーブル30−5を参照して、無線装置ID=Add2に対応するシーケンス番号(SEQ_A)=20と、無線装置2から送信された緊急パケットPKT_EMGのヘッダHEDに含まれるシーケンス番号SEQ_Aとを比較し、シーケンス番号SEQ_Aがシーケンス番号(SEQ_A)=20よりも大きければ、緊急パケットPKT_EMGを転送し、シーケンス番号SEQ_Aがシーケンス番号(SEQ_A)=20以下であれば、緊急パケットPKT_EMGを転送しない。無線装置6の転送処理部C1111は、無線装置3,4,7から緊急パケットPKT_EMGを新たに受信した場合も、同様に処理する。
この発明においては、緊急パケットPKT_EMGのシーケンス番号SEQ_Aは、緊急パケットPKT_EMGの発生元のみによって付与され、転送テーブルのシーケンス番号(SEQ_A)には、緊急パケットPKT_EMGが転送された場合、緊急パケットPKT_EMGに含まれるシーケンス番号SEQ_Aを格納する構成を採用しているので、"0"以外の値が転送テーブル30のシーケンス番号(SEQ_A)に格納されている場合、転送テーブル30のシーケンス番号(SEQ_A)と緊急パケットPKT_EMGに含まれるシーケンス番号SEQ_Aとの大小関係によって緊急パケットPKT_EMGが転送されたり、転送されなかったりする。
従って、緊急パケットPKT_EMGの重複転送を回避できる。
また、無線装置6の転送処理部C1111は、例えば、無線装置1によって発生された緊急パケットPKT_EMGを受信すると、その受信した緊急パケットPKT_EMGを上述した方法によって転送するとともに、無線装置ID=Add1に対応するシーケンス番号(SEQ_A)を"0"から"30"(=無線装置1の緊急パケット発生手段C115によって付与されたシーケンス番号(SEQ_A))に変え、転送テーブル30−5を更新する。無線装置6の転送処理部C1111が無線装置5,8によって発生された緊急パケットPKT_EMGを受信して転送した場合も同様である。
以上、本実施の形態によれば、無線装置は、緊急情報が発生すると、定期パケット停止期間の間、定期パケットの送信および転送を禁止する。そして、例えば、無線装置は、緊急情報を含む緊急パケットを規定回数だけ送信する。また、無線装置は、緊急パケットを他の無線装置から受信すると、定期パケット停止期間の間、定期パケットの送信および転送を禁止し、緊急パケットを転送する。その結果、定期パケットの停止が他の無線装置へ順次伝達され、緊急パケットの到達領域が順次拡大される。そして、本実施の形態によれば、緊急パケットの到達率を向上可能な無線装置が提供できる。
また、本明細書で述べた無線装置は、上述したように、車車間通信における無線ネットワークに接続されていたり、または、車内ネットワークや、インターネット等の外部ネットワークに接続されたりしても良いことは言うまでもない。
なお、本実施の形態における無線装置が行う処理を実現するプログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(第二車両配置情報受信部、送信手段など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる無線装置は、適切な送信制御ができるという効果を有し、車車間通信を行う無線装置等として有用である。
実施の形態1における無線ネットワークの概略図 同無線装置のブロック図 同周波数チャネルの基本割当について示した図 同周波数チャネルの基本割当について説明する図 同周波数チャネルの基本割当について説明する図 同周波数チャネルの基本割当について説明する図 同拡散符号と周波数チャネルとの関係を示す図 同パケット中のシンボル部の概念図 同無線装置の動作について説明するフローチャート 同位置関係特定処理の動作について説明するフローチャート 同他車両存在エリア特定手段の処理を説明する図 同他車両存在エリア特定手段の処理を説明する図 同他車両存在エリア特定手段の処理を説明する図 同車両配置関係情報取得処理の動作について説明するフローチャート 同他車両存在方向特定手段の処理を説明する図 同無線装置の動作を説明する図 同チャネル割当処理を説明する図 同チャネル割当処理の動作について説明するフローチャート 同無線ネットワークの概略図 同チャネル割当の結果を示す図 同チャネル制御の例を示す図 同無線装置のブロック図 同一の車両が車線変更を行う場合の例について説明する図 同周辺車両情報管理表を示す図 同二輪車の左折巻き込み防止のアプリケーションの例を説明する図 実施の形態2における無線装置のブロック図 同無線装置の動作について説明するフローチャート 同転送判断処理の動作について説明するフローチャート 同送信タイミング判断処理の動作について説明するフローチャート 同無線ネットワークシステムの概念図 同定期パケットのフォーマットの例を示す図 同パケット転送領域を説明するための図 実施の形態3における無線装置のブロック図 同無線装置の動作について説明するフローチャート 同緊急情報送信処理の動作について説明するフローチャート 同高速転送判断処理の動作について説明するフローチャート 同カットスルー転送制御の概念を説明する図 同無線装置の構成を示す概略図 同パケットのフォーマットの例を示す図 同周辺車両情報管理表の構成の一例を示す図 同転送テーブルの構成を示す図 同交通状況を示す図 同定期パケットのタイミングチャートを示す図 同周辺車両情報管理表を示す図 同転送テーブルを示す図 同周辺車両情報管理表を示す図 同転送テーブルを示す図 同他の交通状況を示す図 同緊急パケットのタイミングチャートを示す図 同転送テーブルの例を示す図 同転送テーブルの例を示す図 同緊急パケットの転送を示す概念図 同転送テーブルの例を示す図
符号の説明
1、2、3 無線装置
11 第一車両配置情報取得部
12 第二車両配置情報受信部
13 車両配置関係情報取得部
14、24、34 送信制御部
141、141A チャネル割当手段
15 表示部
31 緊急情報取得部
130 周辺車両情報格納手段
131 他車両存在エリア特定手段
132 他車両存在方向特定手段
142、243、342 送信手段
241 送信タイミング決定手段
242 転送判断手段
311 緊急情報検知手段
312 緊急情報構成手段

Claims (25)

  1. 車車間通信装置において利用される無線装置であって、
    一の車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む第一車両配置情報を取得する第一車両配置情報取得部と、
    前記一の車両とは異なる他車両に設置された他の無線装置から、前記他車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む第二車両配置情報を受信する第二車両配置情報受信部と、
    前記第一車両配置情報と前記第二車両配置情報とを用いて、前記他車両の前記一の車両に対する相対的な位置関係を含む情報である車両配置関係情報を取得する車両配置関係情報取得部と、
    前記第一車両配置情報を送信し、かつ、前記第一車両配置情報を送信する場合に前記車両配置関係情報を用いて、送信制御を行う送信制御部とを具備する無線装置。
  2. 前記車両配置関係情報取得部は、
    前記第一車両配置情報が有する一の車両の位置情報が示す位置を原点とし、全方位を、予め決められた角度を有する2以上のエリアに分割し、前記第一車両配置情報が有する位置情報と前記第二車両配置情報が有する位置情報に基づいて、他車両が存在するエリアである存在エリアを特定し、当該存在エリアを識別するエリア識別子を取得する他車両存在エリア特定手段と、
    前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報、および前記エリア識別子を用いて、前記一の車両と前記他車両との車両配置関係を示す車両配置関係情報を取得する他車両存在方向特定手段を具備する請求項1記載の無線装置。
  3. 前記他車両存在方向特定手段は、
    前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報から、両車両の進行方向が同一方向であるか否かを判断し、
    前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、一の車両の進行方向に一致するエリアまたは、当該エリアに対して所定の角度の範囲にある1以上のエリアである周辺規定エリア群である前方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して前方の先行する車両である前方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、
    前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアに対して180度分ずらしたエリア群である後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して後方の後続する車両である後方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、
    前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアでも無く、前記後方エリアでも無く、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置に対して右方向のエリアである右方向エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して右側を並走する車両である右側並走車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、
    前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアでも無く、前記後方エリアでも無く、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置に対して左方向のエリアである左方向エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して左側を並走する車両である左側並走車両であることを示す車両配置関係情報を取得する請求項2記載の無線装置。
  4. 前記他車両存在方向特定手段は、
    前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報から、両車両の進行方向が同一方向であるか、逆方向であるか、いずれでもないかを判断し、
    前記両車両の進行方向が逆方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、一の車両の進行方向に一致するエリアまたは、当該エリアに対して所定の角度の範囲にある1以上のエリアである周辺規定エリア群である前方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して接近している対向車両である接近対向車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、
    前記両車両の進行方向が逆方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアに対して180度分ずらしたエリア群である後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して通過した対向車両である通過対向車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、
    前記両車両の進行方向が逆方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記前方エリアでも無く、前記後方エリアでも無い場合に、当該他車両が前記一の車両に対して隣接対応車両であることを示す車両配置関係情報を取得する請求項3記載の無線装置。
  5. 前記他車両存在方向特定手段は、
    前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報から、両車両の進行方向が同一方向であるか否かを判断し、
    前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の右斜め前方のエリアである右斜め前方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して右斜め前方の先行する車両である右斜め前方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、
    前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の右斜め後方のエリアである右斜め後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して右斜め後方の後続する車両である右斜め後方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、
    前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の左斜め前方のエリアである左斜め前方エリアであるに、当該他車両が前記一の車両に対して左斜め前方の先行する車両である左斜め前方車両であることを示す車両配置関係情報を取得し、
    前記両車両の進行方向が同一方向であり、かつ、前記他車両の存在エリアが、前記第一車両配置情報が有する位置情報が示す位置の左斜め後方のエリアである左斜め後方エリアである場合に、当該他車両が前記一の車両に対して左斜め後方の後続する車両である左斜め後方車両であることを示す車両配置関係情報を取得する請求項3または請求項4記載の無線装置。
  6. 前記送信制御部は、
    車両が走行する道路によって異なる周波数チャネルが割り当てられるように、前記一の車両の送信周波数チャネルを割り当てるチャネル割当処理を行なうとともに、前記車両配置関係情報と前記チャネル割当処理において割り当てられた送信周波数チャネルと前記他の無線装置が第二車両配置情報の送信に用いている他の周波数チャネルとに基づいて、前記送信周波数チャネルおよび前記他の周波数チャネルが相互に異なる周波数チャネルになるように前記送信周波数チャネルを維持または変更するチャネル制御処理を行なうチャネル割当手段と、
    前記チャネル割当手段が決定した送信周波数チャネルを用いて、前記第一車両配置情報を送信する送信手段とを具備する請求項1から請求項5いずれか記載の無線装置。
  7. 前記チャネル割当手段は、
    車両が走行する道路によって異なる周波数チャネルが割り当てられるように、前記一の車両の送信周波数チャネルを割り当てるチャネル割当処理を行なうとともに、前記一の車両の位置を基準にして360度の方位をm(mは2以上の整数)個の進行方向領域に分割するときのm個の基準方向に基づいて、前記一の車両の進行方向が前記m個の基準方向のいずれの基準方向から一定の範囲内に属するかを判定し、かつ前記第二車両配置情報を用いて、前記他車両の進行方向を判定し、前記一の車両の進行方向および前記他車両の進行方向から、前記送信周波数チャネルおよび前記他の周波数チャネルが相互に異なる周波数チャネルになるように前記送信周波数チャネルを維持または変更する請求項6記載の無線装置。
  8. 前記送信制御部は、
    直近の前方車両に搭載された無線装置から送信された第二車両配置情報が生成されたタイミングまたは前記第二車両配置情報を受信したタイミングから、予め決められた時間経過後のタイミングを、前記第一車両配置情報を送信するタイミングとして決定する送信タイミング決定手段と、
    前記送信タイミング決定手段が決定したタイミングで、前記第一車両配置情報を送信する送信手段とを具備する請求項1から請求項5いずれか記載の無線装置。
  9. 前記送信タイミング決定手段は、
    車両配置情報の生成および送信完了に要する時間であるホップ通信時間をTtrとした場合、直近の前方車両に搭載された無線装置から送信された第二車両配置情報が生成されたタイミングまたは受信したタイミングから、3Ttrの時間経過後のタイミングを、前記第一車両配置情報を送信するタイミングとして決定する請求項8記載の無線装置。
  10. 前記送信タイミング決定手段は、
    他の車両に搭載された無線装置から受信された第二車両配置情報を直ちに転送するように、前記第二車両配置情報を送信するタイミングを決定し、
    前記送信手段は、
    他の車両に搭載された無線装置から受信された第二車両配置情報を直ちに転送する請求項8または請求項9記載の無線装置。
  11. 前記送信手段は、
    前記第一車両配置情報を、前記第二車両配置情報に優先して送信する請求項10記載の無線装置。
  12. 前記送信制御部は、
    前記第一車両配置情報および前記第二車両配置情報を用いて、前記第二車両配置情報を転送するか否かを判断する転送判断手段と、
    前記転送判断手段が転送すると判断した前記第二車両配置情報を転送する送信手段とを具備する請求項1から請求項5いずれか記載の無線装置。
  13. 前記転送判断手段は、
    前記第一車両配置情報が有する進行方向情報、前記第二車両配置情報が有する進行方向情報から、一の車両と他の車両とが同一方向を走行しているか否かを判断し、両車両が同一方向を走行している場合に、前記第二車両配置情報を転送すると判断し、両車両が同一方向を走行していない場合に、前記第二車両配置情報を転送しないと判断する請求項12記載の無線装置。
  14. 前記転送判断手段は、
    前記第一車両配置情報が有する位置情報、前記第二車両配置情報が有する位置情報から、一の車両と他の車両との位置関係を取得し、当該位置関係が予め決められた条件を満たす場合に、前記第二車両配置情報を転送すると判断し、当該位置関係が前記予め決められた条件を満さない場合に、前記第二車両配置情報を転送しないと判断する請求項12記載の無線装置。
  15. 前記転送判断手段は、
    前記第二車両配置情報が有する第二車両配置情報識別子を用いて、既に転送した第二車両配置情報であるか否かを判断し、既に転送した第二車両配置情報でなければ、前記第二車両配置情報を転送すると判断し、既に転送した第二車両配置情報であれば、前記第二車両配置情報を転送しないと判断する請求項12記載の無線装置。
  16. 前記転送判断手段は、
    前記第二車両配置情報が有する時刻情報を用いて、前記第二車両配置情報が予め決められた時間より前に生成または送信されたか否かを判断し、前記第二車両配置情報が予め決められた時間より後に生成または送信されている場合に、前記第二車両配置情報を転送すると判断し、予め決められた時間より前に生成または送信されている場合に、前記第二車両配置情報を転送しないと判断する請求項12記載の無線装置。
  17. 前記第二車両配置情報は、
    当該第二車両配置情報の種類を識別する種類情報を有し、
    前記送信制御部は、
    前記種類情報を含む前記第二車両配置情報の一部を復調し、前記種類情報を取得し、当該種類情報が高速転送を要するか否かを判断する高速転送判断手段と、
    前記高速転送判断手段が高速転送を要すると判断した場合に、前記第二車両配置情報の前記一部以外の残りの部分を復調せずに、前記第二車両配置情報を転送し、前記高速転送判断手段が高速転送を要しないと判断した場合に、前記第二車両配置情報の他の部分も復調して転送する送信手段とを具備する請求項1から請求項5いずれか記載の無線装置。
  18. 前記高速転送判断手段は、
    前記種類情報が急ブレーキが踏まれたことを示す情報であり、かつ、前記第二車両配置情報が前の車両に搭載されている無線装置から送信された情報であると判断した場合に、高速転送を要すると判断する請求項17記載の無線装置。
  19. 前記高速転送判断手段は、
    前記種類情報が緊急車両が存在することを示す情報であり、かつ、前記第二車両配置情報が後ろの車両に搭載されている無線装置から送信された情報であると判断した場合に、高速転送を要すると判断する請求項17記載の無線装置。
  20. 前記送信手段は、
    前記高速転送判断手段が高速転送を要すると判断した場合に、一時的に、前記第一車両配置情報の送信を中断する請求項17から請求項19いずれか記載の無線装置。
  21. 前記送信手段は、
    前記高速転送判断手段が高速転送を要すると判断した場合に、前記第二車両配置情報の前記一部以外の残りの部分を復調せずに、前記第二車両配置情報を、2回以上、繰り返し転送する請求項17から請求項19いずれか記載の無線装置。
  22. 第一車両配置情報取得部、第二車両配置情報受信部、車両配置関係情報取得部、および送信制御部により実現される通信制御方法であって、
    前記第一車両配置情報取得部により、一の車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む第一車両配置情報を取得する第一車両配置情報取得ステップと、
    前記第二車両配置情報受信部により、前記一の車両とは異なる他車両に設置された他の無線装置から、前記他車両の位置を示す位置情報と進行方向を示す進行方向情報とを含む第二車両配置情報を受信する第二車両配置情報受信ステップと、
    前記車両配置関係情報取得部により、前記第一車両配置情報と前記第二車両配置情報とを用いて、前記他車両の前記一の車両に対する相対的な位置関係を含む情報である車両配置関係情報を取得する車両配置関係情報取得ステップと、
    前記送信制御部により、前記第一車両配置情報を送信し、かつ、前記第一車両配置情報を送信する場合に前記車両配置関係情報を用いて、送信制御を行う送信制御ステップを具備する通信制御方法。
  23. 前記送信制御ステップは、
    車両が走行する道路によって異なる周波数チャネルが割り当てられるように、前記一の車両の送信周波数チャネルを割り当てるチャネル割当処理を行なうとともに、前記車両配置関係情報と前記チャネル割当処理において割り当てられた送信周波数チャネルと前記他の無線装置が第二車両配置情報の送信に用いている他の周波数チャネルとに基づいて、前記送信周波数チャネルおよび前記他の周波数チャネルが相互に異なる周波数チャネルになるように前記送信周波数チャネルを維持または変更するチャネル制御処理を行なうチャネル割当ステップと、
    前記チャネル割当ステップで決定された送信周波数チャネルを用いて、前記第一車両配置情報を送信する送信ステップとを具備する請求項22記載の通信制御方法。
  24. 前記送信制御ステップは、
    直近の前方車両に搭載された無線装置から送信された第二車両配置情報が生成されたタイミングまたは前記第二車両配置情報を受信したタイミングから、予め決められた時間経過後のタイミングを、前記第一車両配置情報を送信するタイミングとして決定する送信タイミング決定ステップと、
    前記送信タイミング決定ステップで決定されたタイミングで、前記第一車両配置情報を送信する送信ステップとを具備する請求項22記載の通信制御方法。
  25. 前記第二車両配置情報は、
    当該第二車両配置情報の種類を識別する種類情報を有し、
    前記送信制御ステップは、
    前記種類情報を含む前記第二車両配置情報の一部を復調し、前記種類情報を取得し、当該種類情報が高速転送を要するか否かを判断する高速転送判断ステップと、
    前記高速転送判断ステップで高速転送を要すると判断された場合に、前記第二車両配置情報の前記一部以外の残りの部分を復調せずに、前記第二車両配置情報を転送し、前記高速転送判断手段が高速転送を要しないと判断された場合に、前記第二車両配置情報の他の部分も復調して転送する送信ステップとを具備する請求項22記載の通信制御方法。
JP2008288613A 2008-11-11 2008-11-11 無線装置、通信制御方法 Pending JP2010118731A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008288613A JP2010118731A (ja) 2008-11-11 2008-11-11 無線装置、通信制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008288613A JP2010118731A (ja) 2008-11-11 2008-11-11 無線装置、通信制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010118731A true JP2010118731A (ja) 2010-05-27

Family

ID=42306126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008288613A Pending JP2010118731A (ja) 2008-11-11 2008-11-11 無線装置、通信制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010118731A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013005186A (ja) * 2011-06-15 2013-01-07 Denso Corp 車両用無線通信装置および通信システム
WO2013069688A1 (ja) * 2011-11-11 2013-05-16 株式会社トヨタIt開発センター 周波数選択方法およびコグニティブ無線システム
WO2013069278A1 (ja) * 2011-11-08 2013-05-16 三洋電機株式会社 無線装置
JP2013131897A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Hitachi Kokusai Electric Inc 無線通信システム
JP5301034B2 (ja) * 2010-05-19 2013-09-25 三洋電機株式会社 車載器
WO2015029315A1 (ja) * 2013-08-27 2015-03-05 パナソニックIpマネジメント株式会社 端末装置、制御方法、及び、プログラム
JP2016111583A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 パイオニア株式会社 通信装置及び通信方法
JP2018521595A (ja) * 2015-07-24 2018-08-02 クアルコム,インコーポレイテッド 衛星通信の位置報告およびページング
JP2019146254A (ja) * 2019-04-26 2019-08-29 パイオニア株式会社 通信装置及び通信方法
WO2019177531A1 (en) * 2018-03-15 2019-09-19 H&E Solutions Ab Output power determination for optimal radio signal transmission
JP2021029053A (ja) * 2020-11-24 2021-02-25 パイオニア株式会社 通信装置及び通信方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004248084A (ja) * 2003-02-14 2004-09-02 Nissan Motor Co Ltd 車車間通信装置
JP2005244873A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Kddi Corp 無線ネットワークシステム、および同システムにおける中継端末ならびにプログラム
JP2006025028A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Nissan Motor Co Ltd 車両間通信装置
JP2006254215A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Denso Corp 車々間通信装置、狭路通り抜け支援システム
JP2006261742A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Clarion Co Ltd 車両間通信システムおよび無線通信装置
JP2007108837A (ja) * 2005-10-11 2007-04-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 車載通信装置及び車両間通信システム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004248084A (ja) * 2003-02-14 2004-09-02 Nissan Motor Co Ltd 車車間通信装置
JP2005244873A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Kddi Corp 無線ネットワークシステム、および同システムにおける中継端末ならびにプログラム
JP2006025028A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Nissan Motor Co Ltd 車両間通信装置
JP2006254215A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Denso Corp 車々間通信装置、狭路通り抜け支援システム
JP2006261742A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Clarion Co Ltd 車両間通信システムおよび無線通信装置
JP2007108837A (ja) * 2005-10-11 2007-04-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 車載通信装置及び車両間通信システム

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014003686A (ja) * 2010-05-19 2014-01-09 Sanyo Electric Co Ltd 無線装置
JP5301034B2 (ja) * 2010-05-19 2013-09-25 三洋電機株式会社 車載器
JP2013219804A (ja) * 2010-05-19 2013-10-24 Sanyo Electric Co Ltd 無線装置
JP2013232909A (ja) * 2010-05-19 2013-11-14 Sanyo Electric Co Ltd 車載器
JP2013243676A (ja) * 2010-05-19 2013-12-05 Sanyo Electric Co Ltd 車載器
JP2013005186A (ja) * 2011-06-15 2013-01-07 Denso Corp 車両用無線通信装置および通信システム
US8788190B2 (en) 2011-06-15 2014-07-22 Denso Corporation On-vehicle wireless communication apparatus and communication system thereof
WO2013069278A1 (ja) * 2011-11-08 2013-05-16 三洋電機株式会社 無線装置
JPWO2013069278A1 (ja) * 2011-11-08 2015-04-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 無線装置
WO2013069688A1 (ja) * 2011-11-11 2013-05-16 株式会社トヨタIt開発センター 周波数選択方法およびコグニティブ無線システム
JP2013131897A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Hitachi Kokusai Electric Inc 無線通信システム
WO2015029315A1 (ja) * 2013-08-27 2015-03-05 パナソニックIpマネジメント株式会社 端末装置、制御方法、及び、プログラム
JP2016111583A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 パイオニア株式会社 通信装置及び通信方法
JP2018521595A (ja) * 2015-07-24 2018-08-02 クアルコム,インコーポレイテッド 衛星通信の位置報告およびページング
US10833759B2 (en) 2015-07-24 2020-11-10 Qualcomm Incorporated Wireless communication location reporting and paging
WO2019177531A1 (en) * 2018-03-15 2019-09-19 H&E Solutions Ab Output power determination for optimal radio signal transmission
US11101907B2 (en) 2018-03-15 2021-08-24 H&E Solutions Ab Output power determination for optimal radio signal transmission
JP2019146254A (ja) * 2019-04-26 2019-08-29 パイオニア株式会社 通信装置及び通信方法
JP2021029053A (ja) * 2020-11-24 2021-02-25 パイオニア株式会社 通信装置及び通信方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010118731A (ja) 無線装置、通信制御方法
US9293044B2 (en) Cooperative vehicle collision warning system
Tanwar et al. Tactile internet for autonomous vehicles: Latency and reliability analysis
Al-Sultan et al. A comprehensive survey on vehicular ad hoc network
CN101286267B (zh) 基于多源数据的无线自组网交通导航系统及方法
Bazzi et al. A distributed virtual traffic light algorithm exploiting short range V2V communications
Andrisano et al. Intelligent transportation systems: the role of third generation mobile radio networks
KR20190096873A (ko) 자율주행시스템에서 차량과 서버의 연결 설정방법 및 이를 위한 장치
CN108029125A (zh) 一种通信设备以及用于v2x通信的方法
US20090167513A1 (en) Integrated Vehicular Positioning and Communications System
JP7226322B2 (ja) 通信装置及び通信方法
US10147322B2 (en) Safety-compliant multiple occupancy of a channel in intelligent transportation systems
KR20170073117A (ko) 통신 단말의 릴레이 기반 통신 기법
Mangharam et al. Bounded-latency alerts in vehicular networks
KR20190099148A (ko) 자율 주행 시스템에서 데이터 기반의 어플레이케이션 갱신방법 및 이를 위한 장치
JP2012015714A (ja) 端末装置
JP2006352191A (ja) 無線通信方法、制御局および移動局
WO2019000745A1 (zh) 一种兼容多制式v2x的v2x终端、系统及管理方法
Casademont et al. Cooperative-intelligent transport systems for vulnerable road users safety
WO2010061655A1 (ja) 無線通信装置、車両配置関係情報の取得方法
WO2020167522A1 (en) Coexistence of multiple air interface side-links on a channel
JP2003284115A (ja) ハンドオーバ方式
US11363430B2 (en) Coexistence of multiple air interface side-links on adjacent channels
Rizvi et al. A novel approach to reduce traffic chaos in emergency and evacuation scenarios
US8432886B2 (en) Communication node, communication system and ad hoc communication method in accordance with time division multiple access scheme

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130404