JP2010118201A - 同軸ケーブルコネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】狭い場所や隣接する機器の筐体や,収納ケースの側壁等が近接するような僅かな隙間しかないような場所に収納される機器に好適にする。
【解決手段】突出部15aの突出寸法Lの最小値は,固定リング3の長さL3と略等しく形成する。また,突出部15aの突出寸法Lの最大値は,固定リング3の長さL3と略等しくなるように形成された基準長L1と,隆起部長L2を加えた長さと略等しく形成する。突出部15aの突出寸法Lは,前記最大値と略等しいか,若しくは,前記所定の範囲の長さを有するように形成されており,固定リング3を挿入止着部12に沿うように配設した条件において,突出部15aは,本体挿入部15の先端部18が固定リング3の先端側開口端と略同じ位置になる長さか,ほぼ隆起部14の長さL2だけが固定リング3の先端側開口端より突出するような寸法となる長さの範囲の何れかの長さになるように形成されている。

【選択図】 図3

Description

本発明は,同軸ケーブルを機器等の端子と接続する際に,同軸ケーブルの端部に装着する同軸ケーブルコネクタに関する。
従来,編組導体及びその内側に覆設された導電性を有するラミネート箔を備えた同軸ケーブルの端部に装着する同軸ケーブルコネクタとして,前記編組導体と前記ラミネート箔との間に挿入する筒状のコネクタ本体と,該コネクタ本体の基端部に枢着すると共に接続対象の外部導体に螺合するよう形成した接続筒と,前記同軸ケーブルに前記コネクタ本体を挿入後,本体挿入部を圧着固定する固定リングとを具備し,前記コネクタ本体の先端部付近の外周に,隆起部を設けた同軸ケーブルコネクタが提案されている。
この従来技術の実施の形態の同軸ケーブルコネクタによれば,コネクタ本体の挿入先端部全周に隆起部を設けたことによって,固定リングを圧着する挿入部分の筒径よりも隆起部周りの周径が大きくなるため,固定リングが圧着後の形状を維持する限り,軸方向に対する耐引抜力が良好で,同軸ケーブルがコネクタ本体から抜けることがないばかりでなく,ノイズの進入あるいは放出のない電気的特性の良い同軸ケーブルコネクタが提供できるのである。
(例えば,特許文献1,特に請求項4および図6を参照。)
また,上記従来技術で示されている固定リングに対して,真円の内周に対して外周を楕円形状とすることで,対向する二箇所に薄肉部分を形成し,その薄肉部分のうち片方の薄肉部分を含む両側に,一対の工具係止用突起を設けた固定リングとしての同軸ケーブルかしめリングが提供されている。この固定リングによれば,軽い操作で額実に圧締することができ,しかも,同軸ケーブルの先端に均一した締着力で持って,同軸コネクタを一体的に固着させることができるのである。
(例えば,特許文献2を参照。)
ところで,現在,地上波放送では,地上デジタル放送が開始され,地上アナログ放送と共にサイマル放送が行われている。そして,2011年7月には地上アナログ放送が終了し,地上デジタル放送へ完全に移行することになっている。そのため,新築工事では,予めデジタル対応でシステムを構築することになるが,既に地上アナログ放送を受信していたビルや,マンション等の既設のテレビ受信システムは,そのシステムの構成によっては,デジタル対応にするための改修工事が必要となる。この改修工事では,UHFアンテナの方向を最適化したり,ブースタをUHF帯に対応したものに変更したり,シールド性が悪く妨害電波に対して影響を受け易い直付けタイプの共同受信機器(例えば,分配器,直列ユニット等)を,シールド製の良いF型コネクタ(レセプタクル)タイプの共同受信機器に変更したり,伝送特性の悪い同軸ケーブルであれば交換するといった内容の改修が,システムの構築状態に応じてそれぞれ必要となるのである。更に詳しく言えば,デジタル対応のF型コネクタ(レセプタクル)タイプの共同受信機器への変更に伴い,従来技術の実施の形態に示されているような,ノイズの進入あるいは放出がなく,加えて,固着力の優れた接続を行うことができるプラグタイプのF型コネクタが必要とされることになる。
一方,このような既設のテレビ共同受信システムに対する改修工事において,一般的にビルやマンション等では,すでに建物内の配管や壁の内側に引き回されている古い同軸ケーブルを取り外し,改めて特性の良い新しい同軸ケーブルを配線し直すことは困難である。そのため,既設のシステムに対するデジタル改修工事では,すでに配線されている同軸ケーブルが,地上デジタル放送信号の伝送に問題が無いかどうかを予め確認することが必要となる。その場合,特に地上デジタル放送信号の伝送帯域であるUHF帯の広域側である770MHzにおける伝送特性ばかりでなく,同軸ケーブルの経年変化によって急激に伝送損失が増えるディップがないかなど,UHF帯全域にわたっての確認が必要となる。
こうして同軸ケーブルの伝送特性に問題が無いと確認された場合の改修工事は,まずその同軸ケーブルから,同軸ケーブルに接続されている直付けタイプの古い機器を取り外すことから行われる。そして,次に,この同軸ケーブルの端部において直付け用に段剥きされている部分を切り取り,さらに,この同軸ケーブルの切断面に対して,新たに装着するF型コネクタ(プラグ)用の加工寸法に段剥きし直し,その端部にF型コネクタ(プラグ)を装着する手順となる。こうして,F型コネクタ(プラグ)の装着が完了したなら,このF型コネクタに対して,新しく用意したF型コネクタ(レセプタクル)タイプの共同受信機器を接続し,更にこの機器を所定の場所に収納し直して工事は完了する。
ところが,これらの共同受信機器は,一般的に,ブースタや分配器であれば,屋上等に設置された収納ボックス内に収納され,直列ユニットであれば,各部屋の壁面内に設けられたスイッチボックスに収納されていることから,上述したような同軸ケーブルの再加工や機器の交換作業は,極めて制限された空間で行う必要がある。しかも,既設の同軸ケーブルは,機器を狭い空間に収納したりその空間を有効に利用したりするため,余長部分があまり長くならないような寸法で加工されていることから,場合によっては更に工事がやり難い状況が発生することが考えられる。つまり,上述のような改修工事においては,同軸ケーブルの端部の加工をやり直さなければならないし,その再加工した同軸ケーブルの端部にはF型コネクタ(プラグ)が容易に装着できなければならないし,例え装着できても,再設置するF型コネクタ(レセプタクル)タイプの共同受信機器に簡単に接続でき,更に,この機器を同軸ケーブルの最小曲げ半径を守った状態で,狭い空間内部に容易に収納できなければならないといった,極めて多くの制限があるのが現状である。
その為,2011年のデジタル完全移行に向け,これから本格的に始まる新築のビルやマンションに対するデジタル対応受信システムの構築工事への対応に加え,上述した条件をクリアしつつ,既存の受信システムをデジタル対応のシステムに変更するデジタル改修工事において,大量の設置及び交換作業を限られた時間で行わなければならない状況にあって,少なくともこの改修工事で使用される同軸ケーブルコネクタは,従来技術の実施の形態に示されている,ノイズの進入あるいは放出がなく,加えて,固着力の優れた接続を行えるといった従来からの特長を備えているばかりでなく,更に加えて,作業効率を上げるために,簡単に同軸ケーブルに装着できるばかりでなく,F型レセプタクルへの装着が簡単に行え,しかも,狭い空間に収納するようなF型コネクタ(レセプタクル)タイプの共同受信機器に好適なものが望まれている。
特開2001−297839号公報 特開平11−008021号公報
しかし,従来の実施の形態で示される同軸ケーブルコネクタによると,同軸コネクタの構成要素のうち,筒状のコネクタ本体,特に同軸ケーブルの前記編組導体と前記ラミネート箔との間に挿入する本体挿入部については,その先端部全周に隆起部を設けたり,また,固定リングについては,その形成や寸法に検討を加えたりすることによって,従来技術であっても,固定リングが軽い操作で簡単且つ確実に圧締することができ,しかも,均一した締着力で持って固着できるようにすることによって,同軸ケーブルがコネクタ本体から引抜け難いのはもちろん,電気的特性においても優れたものが提供されてきた。ところが,これらの従来の実施の形態では,その隆起部や本体挿入部,その他の部分等の形状や寸法について,格別な検討がなされておらず,結果として明確な最適化がなされていない現状にあっては,作業の効率アップの更なる改善が期待できないことから,従来の実施の形態のような同軸ケーブルコネクタを,特に,すでに詳述したようなタイムリミットが設けられているようなデジタル改修工事に用いた場合,次のような問題の発生が予想される。
例えば,隆起部の形状に着目して考えてみる。周知のように隆起部は,隆起部の先端側から隆起部の軸方向内側に向かって径方向外側に徐々に拡径するように形成されているため,同軸ケーブルへの挿着時は,編組導体とラミネート箔との間の狭いスペースへの挿入操作が容易にできるし,固定リングによる圧着固定の後は,同軸ケーブルの耐引抜力を強くすることができる。このため,隆起部の軸方向内側の径方向への突出寸法が大きく形成されておれば,固定リングの存在と合わせ固着力が増し耐引抜力を向上させることができる。ところが,突出寸法が必要以上に大きい場合,同軸ケーブルの編組導体とラミネート箔との間に本体挿入部を挿入する操作がやり難くなって,非常に大きな力が必要となる。加えて,このような状況にあって隆起部の長さが短い,つまり隆起部の立ち上がりが急であれば,更に挿入操作をし難いものにし,その結果,装着のための工数が増えると言った問題が考えられる。
反対に,隆起部の軸方向内側の径方向への突出寸法が小さいと,本体挿入部の挿入操作は比較的容易となり,大きな力を必要とせずとも装着でき便利であるものの,耐引抜力が低下してしまう問題が考えられる。
次にコネクタ本体の寸法,詳しくはコネクタ本体の構成要素である本体挿入部の寸法の内,特に,後方側(隆起部が形成された側)に突出した突出部の突出寸法に着目して考えてみると,まず,突出寸法が長すぎる場合は,機器に接続された同軸ケーブルを狭い空間に引き回すために,同軸ケーブルの最小曲げ半径を維持しつつ曲げ加工をしようとすると,同軸ケーブル内軸方向に挿入された「長い」突出部の存在によって,どうしても同軸ケーブルの曲げ始めの位置が,「長い」突出部の影響のないコネクタから軸線方向後方側に離れた位置,即ち機器から更に離れた位置となってしまう。この結果,同軸ケーブルはコネクタの直後のできる限り短い位置から曲げ始めることができないことになってしまい,このため,機器と機器の周辺に形成される同軸ケーブルが占める空間が,直付けの場合に形成していた空間より,僅かであっても広くなってしまうことが考えられる。
このような状況にあって,機器を収納するスペースが狭い場所,特に直列ユニットを収納するための,例えばJIS C8435(日本工業規格)によって定められているような,極めて狭い空間しか持たないスイッチボックスに,新しく用意したデジタル対応の直列ユニットを収納することを考えてみると,上述のように機器と機器の周辺に形成される同軸ケーブルが占める空間が,僅かであっても広くなっているのに加え,再加工によって同軸ケーブルの余長の長さが短くなっていることなどから,その収納や接続は極めてし難いものとなることが考えられる。
そのため,例え直列ユニットをスイッチボックスに無理に押し込むことができたとしても,同軸ケーブルがスイッチボックスの壁面と機器との両方にはさまれることによって生じる圧力等によって,同軸ケーブルに,延いては同軸ケーブルとF型コネクタとの接続部分にストレスが継続的に加わり,コネクタと同軸ケーブルとの接続部が,長期にわたって良好な接続状態を維持できなくなったりするなどの恐れがあった。また,同軸ケーブルの余長の長さによっては,例え接続できたとしても同軸ケーブルの急激な曲げが生じてVSWR(電圧定在波比:Voltage Standing Wave Ratio)などの高周波伝送特性の劣化が起こることも考えられる。
また,これとは反対に,本体挿入部の突出部が従来の実施の形態に示される寸法より短い場合について考えてみる。上述した例とは反対に,「短い」突出部を備えたことによって,同軸ケーブルの曲げ加工がコネクタ直後の近いところから行い易くなるので,機器と機器の周辺に形成される同軸ケーブルが占める空間を僅かでも小さくでき,狭い収納スペースへの機器の収納や,余長の同軸ケーブルとの接続を容易にする効果が期待できる。
ところが,本体挿入部の突出部が従来の実施の形態に示される寸法より短い寸法で形成されている場合であって,固定リングの長さが,従来の実施の形態に示される状態のように,本体挿入部の先端部に形成された隆起部と重合しない寸法に形成されたとすると,必然的に固定リングの長さは従来の実施の形態に示される寸法より短くしなければならないことから,この結果,固定リングによる圧着固定の力が弱くなって耐引抜力が低下したり,固定リング自体の強度が弱くなって,工具を使っての圧締操作によって破損したりする恐れがある。
また逆に,本体挿入部の突出部が従来の実施の形態に示される寸法より短い寸法で形成されている場合であって,固定リングの長さが,従来の実施の形態に示されている実績のある寸法と同じ長さに形成されることによって,隆起部と固定リングを積極的に重合するような状態で圧着固定する場合を考えると,隆起部を除く突出部と固定リングとの重合部分が従来の実施の形態に比べ狭くなることから,突出部の形成寸法によっては,固定リングによる圧着固定の力が弱くなって,耐引抜力が低下する恐れが考えられる。またそれに加えて,余りにも重合部分が少ないと,コネクタの直後で同軸ケーブルの曲げ加工をした場合,同軸ケーブル自体の付勢力が接続部分に加わることによって,同軸ケーブルとコネクタの接続部分が容易に外れ易くなってしまい,信頼性を損なうといった問題が考えられる。
そこで本願においては,こうした問題点を解決するため,同軸ケーブルコネクタとしてのF型コネクタ(プラグ)の形成寸法に着目し,その最適寸法について検討を加えたものであり,
その目的は,同軸ケーブルの端部に装着するのに好適な同軸ケーブルコネクタを提供することにある。
他の目的は,編組導体及びその内側に覆設された導電性を有するラミネート箔を保護被覆で覆うようにして備えた同軸ケーブルの端部に装着するのに好適な同軸ケーブルコネクタを提供することにある。
他の目的は,同軸ケーブルの端部への取付性の良い同軸ケーブルコネクタを提供することにある。
他の目的は,コネクタ本体,特に同軸ケーブルに挿入する本体挿入部(突出部)の長さが最適化された同軸ケーブルコネクタを提供することにある。
他の目的は,同軸ケーブルの耐引抜力の優れた同軸ケーブルコネクタを提供することにある。
他の目的は,接続対象である機器に接続して同軸ケーブルを任意に引き回しても,機器の周辺に物理的に形成される同軸ケーブルが占める空間を小さくすることができる同軸ケーブルコネクタを提供することにある。
他の目的は,狭い空間に収納する機器に好適な取付性の良い同軸ケーブルコネクタを提供することにある。
他の目的は,固着力の優れた接続を行うことができると共に,狭い空間に収納する機器に好適で,しかも,ノイズの進入あるいは放出のない電気的特性の優れた同軸ケーブルコネクタを提供することにある。
その目的は,地上アナログ放送から地上デジタル放送受信へ対応するための改修工事に適した同軸ケーブルコネクタを提供することにある。
尚,その他の目的は,以下に示す説明と図面とで明らかにされるであろう。
上記課題を解決するために,請求項1の発明は,同軸ケーブルの端部に装着する同軸ケーブルコネクタであって,前記同軸ケーブルの外部導体である編組導体と内部絶縁体との間に挿入するため,内部に先端部から元部にかけて貫通する差込孔を備えると共に先端部付近の外周に隆起部が形成された筒状の本体挿入部と,該本体挿入部の元部よりスカート状に周径方向に延設され,前記同軸ケーブルの外部絶縁体である保護被覆を挿入止着すると共にその端部を囲むように構成された挿入止着部と,からなる筒状のコネクタ本体と,該コネクタ本体の基端部に枢着すると共に接続対象の外部導体に螺合するよう形成した接続筒と,前記同軸ケーブルの端部に外嵌し,該同軸ケーブルに前記コネクタ本体を挿入後,圧締操作によって変形せしめ,前記本体挿入部を圧着固定する固定リングと,を具備した同軸ケーブルコネクタにおいて,
前記固定リングはその長さが,前記圧締操作による変形を容易とする所定寸法に形成されており,しかも,前記コネクタ本体は,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向内側における隆起終端点とがなす軸方向寸法が,前記固定リングの所定寸法と略等しい長さになるような長さに形成されているか,または,前記コネクタ本体は,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部における前記隆起終端点との間の軸方向寸法と,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向外側における隆起開始点との間の軸方向寸法が,前記固定リングの所定寸法を含むような長さに形成した。
請求項2の発明は,請求項1に記載の同軸ケーブルコネクタにおいて,前記同軸ケーブルは,前記編組導体に加え,その内側に覆設され,前記内部絶縁体を覆うように設けた導電性を有するラミネート箔を備えてなり,
前記コネクタ本体の本体挿入部は,前記編組導体と前記ラミネート箔との間に挿入するように構成した。
請求項3の発明は,請求項2に記載の同軸ケーブルコネクタにおいて,前記本体挿入部の差込孔は,少なくとも前記本体挿入部の先端部側における前記第1の径を有した第1差込孔と,前記元部側における前記第2の径を有した第2差込孔の,2つの異なる内径寸法を有した両差込孔を順次同軸的に列設するように構成されており,前記第1差込孔の第1の径は,前記内部絶縁体を覆うように設けたラミネート箔を含む径より僅かに大きくなるように形成されており,更に前記第2差込孔の第2の径は前記第1差込孔の第1の径より僅かに小径になるように形成し,しかも,前記第1差込孔と前記第2差込孔とは連続するように形成した。
請求項4の発明は,請求項1から請求項3の何れか一項に記載の同軸ケーブルコネクタにおいて,前記接続筒の内周面には,前方側開口端より軸方向奥に向かって,接続対象であるF型レセプタクルの先端部を受け入れて導入する受入導入部と,前記F型レセプタクルに形成された雄ネジに螺合するための雌ネジ部を順次同軸的に列設するように備えた。
請求項5の発明は,請求項1から請求項4の何れか一項に記載の同軸ケーブルコネクタにおいて,前記固定リングの長さが略5mmであり,前記隆起部の長さが略2.1mmであり,しかも,前記コネクタ本体は,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向内側における隆起終端点とがなす軸方向寸法が,前記固定リングの長さである略5mmと略等しい長さになるような長さに形成されているか,または,前記コネクタ本体は,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部における前記隆起終端点との間の軸方向寸法と,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向外側における隆起開始点との間の軸方向寸法が,前記固定リングの長さである5mmを含むような長さに形成した。
請求項1または請求項2の発明によれば,同軸ケーブルの端部に装着する同軸ケーブルコネクタであって,前記同軸ケーブルの外部導体である編組導体と内部絶縁体,若しくは,前記編組導体と,その内側に覆設され前記内部絶縁体を覆うように設けた導電性を有するラミネート箔との間に挿入するため,内部に先端部から元部にかけて貫通する差込孔を備えると共に先端部付近の外周に隆起部が形成された筒状の本体挿入部と,該本体挿入部の元部よりスカート状に周径方向に延設され,前記同軸ケーブルの外部絶縁体である保護被覆を挿入止着すると共にその端部を囲むように構成された挿入止着部と,からなる筒状のコネクタ本体と,該コネクタ本体の基端部に枢着すると共に接続対象の外部導体に螺合するよう形成した接続筒と,前記同軸ケーブルの端部に外嵌し,該同軸ケーブルに前記コネクタ本体を挿入後,圧締操作によって変形せしめ,前記本体挿入部を圧着固定する固定リングと,を具備した同軸ケーブルコネクタにおいて,
前記固定リングはその長さが,前記圧締操作による変形を容易とする所定寸法に形成されており,しかも,前記コネクタ本体は,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向内側における隆起終端点とがなす軸方向寸法が,前記固定リングの所定寸法と略等しい長さになるような長さに形成されているか,または,前記コネクタ本体は,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部における前記隆起終端点との間の軸方向寸法と,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向外側における隆起開始点との間の軸方向寸法が,前記固定リングの所定寸法を含むような長さに形成することによって,
前記本体挿入部,延いてはコネクタ本体の長さが最適化され,例え本体挿入部が従来の長さより短くなっていたとしても,前記所定寸法の長さに形成された固定リングによる圧着固定の把持力と,前記隆起部の存在だけで,従来技術と同等の信頼性を損なうことなく,同軸ケーブルコネクタを同軸ケーブルに対して強固に固着することができる。
しかも,従来の,最適化がなされていない本体挿入部の「長い」突出部を備えている場合に比べ,本願のように最適化がなされた本体挿入部の「短い」突出部を備えたことによって,同軸ケーブルの曲げ加工が,コネクタ直後の軸方向後方の近いところから行うことができるようになるので,接続対象である機器と該機器の周辺に形成される同軸ケーブルが占める空間を僅かでも小さくでき,これによって,例えば,スイッチボックスに代表されるような,極めて狭い収納スペースへの収納を容易とする効果が期待できることから,狭い収納スペースしか持たない空間へ収納する必要のある共同受信機器にすこぶる好適な同軸ケーブルコネクタを提供できる。
加えて,デジタル改修工事のように,狭い収納スペースに収納できるように引き込まれている余り長くはない余長の同軸ケーブルを使って,この同軸ケーブルに直付けで接続されている機器を,デジタル対応のF型コネクタ(レセプタクル)タイプの機器に交換するような場合において,直付け用に段剥きされた同軸ケーブルの端部を切り取り,新たにできた端部を加工し直し,「短い」突出部を備えた本願のコネクタを装着することによって,例え余長の同軸ケーブルが短くなってしまったとしても,同軸ケーブルの曲げ加工が,コネクタの直近で行えるため,新しく収納する機器との接続を容易にするばかりでなく,その結果として,狭い収納スペースに対しての,機器と余長の同軸ケーブルの収容を容易に行える効果が期待できるのである。
更に,このような効果を有した本願の実施の形態の同軸ケーブルコネクタであっても,その取扱方法は従来の実施の形態の同軸ケーブルコネクタと何ら変わることがないので,
ユーザーの作業手順を妨げることがない。
請求項3の発明によれば,請求項2に記載の同軸ケーブルコネクタにおいて,前記本体挿入部の差込孔は,少なくとも前記本体挿入部の先端部側における前記第1の径を有した第1差込孔と,前記元部側における前記第2の径を有した第2差込孔の,2つの異なる内径寸法を有した両差込孔を順次同軸的に列設するように構成されており,前記第1差込孔の第1の径は,前記内部絶縁体を覆うように設けたラミネート箔を含む径より僅かに大きくなるように形成されており,更に前記第2差込孔の第2の径は前記第1差込孔の第1の径より僅かに小径になるように形成し,しかも,前記第1差込孔と前記第2差込孔とは連続するように形成したことによって,
ラミネート箔によって覆われた内部絶縁体が,本体挿入部の先端側に備えた第1差込孔に対して容易に挿入できることから,本願コネクタの同軸ケーブルへの装着操作において,本体挿入部を前記編組導体と前記ラミネート箔との間へ挿入する操作が容易にできる。しかも,第1差込孔と第2差込孔とは,内周面が連続するように形成されていることから,ラミネート箔によって覆われた内部絶縁体は,第1差込孔から順次軸方向奥に導かれて,内径が第1の径より僅かに小さな第2の径を有した第2の差込孔へ容易に到達し挿入することができるので,内径が狭くなっていても,その挿入操作に格別の困難性を有することはないのである。
更に,前記第2差込孔の第2の径は前記第1差込孔の第1の径より僅かに小径になるように形成されていることによって,ユーザーは同軸ケーブルの装着操作を行うだけで,特別な意識をすることなく,ラミネート箔と第1差込孔の内面との接触に加え,第2差込孔の内面によって,内部絶縁体を覆うように設けたラミネート箔が更に圧接されることによって,ラミネート箔と第2差込孔の内面,延いてはコネクタ本体との接続を良好且つ確実にすることになり,この結果,ノイズの進入あるいは放出のない電気的特性の優れた同軸ケーブルコネクタを提供することができる。
請求項4の発明によれば,請求項1から請求項3の何れか一項に記載の同軸ケーブルコネクタにおいて,前記接続筒の内周面には,前方側開口端より軸方向奥に向かって,接続対象であるF型レセプタクルの先端部を受け入れて導入する受入導入部と,前記F型レセプタクルに形成された雄ネジに螺合するための雌ネジ部を順次同軸的に列設するように備えたことによって,
接続対象であるF型コネクタ(レセプタクル)に接続する工数の低減化が図れる。即ち,本願の同軸ケーブルコネクタを,接続対象であるF型コネクタ(レセプタクル)に接続するには,まず,接続筒の開口端前方側に形成された前記受入導入部に対して,レセプタクルの先端部が挿入されるようにコネクタを押し付けるだけでよい。つまり,本願の同軸ケーブルコネクタは,前記受入導入部の内周面に雌ネジが形成されていないことから,同軸ケーブルコネクタの内面に,受入導入部に引き続き形成された雌ネジ部が,レセプタクルの外周面に形成された雄ネジと当接するまで,簡単な挿入操作だけで挿入することがでる。そして,雌ネジと雄ネジが当接した後は,雌ネジと雄ネジを螺合するように接続筒を回転操作させればよく,この結果,従来技術より少ない接続筒の回転操作で接続を完了させることができることから,コネクタの接続時間の削減が図れるのである。
加えて,最初に簡単な挿入操作をすることで,同軸ケーブルコネクタは,同軸ケーブルコネクタの軸線とレセプタクルの軸線とを略一致させた状態で装着することができることから,前記受入導入部がない場合に比べ,同軸ケーブルコネクタの開口端面とレセプタクルの先端面との軸線を揃えるように合わせたり,同軸ケーブルコネクタの開口端面から形成されたネジ山とレセプタクルの端面に形成されたネジ山がうまく噛み合わなかったりすることがなくなり,挿入操作に引き続いて行われる回転操作への移行をすこぶる良好にすることができ,この点においても接続作業の効率の改善を図る事ができる。
請求項5の発明によれば,請求項1から請求項4の何れか一項に記載の同軸ケーブルコネクタにおいて,前記固定リングの長さが略5mmであり,前記隆起部の長さが略2.1mmであり,しかも,前記コネクタ本体は,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向内側における隆起終端点とがなす軸方向寸法が,前記固定リングの長さである略5mmと略等しい長さになるような長さに形成されているか,または,前記コネクタ本体は,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部における前記隆起終端点との間の軸方向寸法と,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向外側における隆起開始点との間の軸方向寸法が,前記固定リングの長さである5mmを含むような長さに形成することによって,
コネクタ本体の最適寸法は,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向内側における隆起終端点とがなす軸方向寸法が略5mm(突出部の突出寸法は略7.1mm)であるか,
または,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向内側における隆起終端点とがなす軸方向寸法が最小で2.9mm(突出部の突出寸法は5mm)であり,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向内側における隆起開始点とがなす軸方向寸法が最大で5mm(突出部の突出寸法は7.1mm)となる範囲の長さとなるように形成される。そして,このような寸法に最適化されたコネクタ本体を備えた同軸ケーブルコネクタは,従来技術の同軸ケーブルコネクタが持つ効果(耐引抜力,シールド性)を維持しつつ,更に,同軸ケーブルに対する装着性,F型レセプタクルに対する取付性,シールド性能,共同受信機器を特に狭い場所に収納する取付性などの諸性能が向上した,極めて優れた利便性を備えた同軸ケーブルコネクタを提供することができる。
以上,本願の発明の形態によれば,コネクタ本体の形状や寸法を最適化したことによって,特に上述したような同軸ケーブルに対する装着性,接続対象であるF型レセプタクルに対する取付性に優れた効果を備えさせ,しかも,このような効果を有した同軸ケーブルコネクタであっても,その取扱方法はユーザーの作業手順を妨げることがないよう,従来の実施の形態の同軸ケーブルコネクタと何ら変わることがないので,2011年のデジタル完全移行に向け,新築のビルやマンションに対するデジタル対応受信システムの構築工事への対応ばかりでなく,これから本格的に始まる,既存の地上アナログ放送受信システムをデジタル対応にするためのデジタル改修工事において,全国に散らばる既存テレビ受信システムに対して,大量の共同受信機器の交換作業を,限られた時間で行わなければならない状況にあって,このデジタル改修工事における作業効率を大幅に向上させることができ,その結果として,社会に貢献できる同軸ケーブルコネクタを提供できるのである。
以下に,本発明を具体化した実施形態の一例を,図面を基に詳細に説明する。
図1は従来技術の実施の形態である同軸ケーブルコネクタの概略図であり,(a)はコネクタ本体の突出部と固定リングの長さと,その装着の位置関係を示す概略側面図である。(b)は一部を破断した概略断面図である。図2は本願の第1実施形態である同軸ケーブルコネクタの概略図であり,(a)はコネクタ本体の突出部と固定リングの長さと,その装着の位置関係を示す概略側面図である。(b)は概略断面図である。図3は本願の第2実施形態である同軸ケーブルコネクタを構成するコネクタ本体の突出部と固定リングの長さと,その装着の位置関係を示す概略図であり,(a)は突出部が最小寸法の場合,(b)は突出部が中間寸法の場合,(c)は突出部が最大寸法の場合を示す。図4は本願の実施の形態である同軸ケーブルコネクタと,従来技術の実施の形態である同軸ケーブルコネクタのコネクタ本体の実測寸法の一覧表である。図5は本願の実施の形態である同軸ケーブルコネクタに同軸ケーブルを装着したときの一部を破断した概略断面図であり,(a)はF型コネクタ(レセプタクル)に対して接続する前の概略図,(b)はF型コネクタ(レセプタクル)に対して挿入操作した状態の概略図,(c)はF型コネクタ(レセプタクル)に対して螺合接続した状態の概略図である。図6はスイッチボックスに収納したテレビ端子の取り付け状態を模式的に示したものであり,前方側上方から見た斜視図である。図7はスイッチボックスを図6のX−X線で破断し,スイッチボックスに収納したテレビ共同受信機器の取り付け状態を,背面から見た図であり,(a)は本願の実施の形態にかかる同軸ケーブルコネクタを用いた場合の模式図であり,(b)は従来の実施の形態にかかる同軸ケーブルコネクタを用いた場合の模式図である。
尚,以下の説明で同軸ケーブルコネクタの方向や位置を示す場合は,時に明示しない限り,同軸ケーブルコネクタを図1で示される状態に置いた場合における右側が同軸ケーブルコネクタの先端側もしくは後方側であり,左側が前方側として示す。
図1および図2を用いて,本願の第1実施形態に係る同軸ケーブルコネクタの構成と,従来技術の構成との違いを説明する。この図において,図1は従来技術の実施の形態である同軸ケーブルコネクタ100の概略図であり,(a)はコネクタ本体30の突出部15aと固定リング3の長さと,その装着の位置関係を示す概略側面図である。(b)は一部を破断した概略断面図である。図2は本願の第1実施形態である同軸ケーブルコネクタの概略図であり,(a)はコネクタ本体30の突出部15aと固定リング3の長さと,その装着の位置関係を示す概略側面図であり,(b)は概略断面図である。
尚,以下の説明では,従来技術の実施の形態および本願の実施の形態において,特に説明を要するものを除いて,同様な構成のものは同一の符号を付与する。
図1において100で示されているのが,従来技術の実施の形態にかかる同軸ケーブルコネクタであり,図2における1で示されるのが,本願の実施の形態にかかる同軸ケーブルコネクタである。何れの同軸ケーブルコネクタも,図5において後述する同軸ケーブル20の編組導体7と内部絶縁体5,若しくは,前記編組導体7と,その内側に覆設され前記内部絶縁体5を覆うように設けた導電性を有するラミネート箔6との間に挿入するため,内部に先端部18から元部19にかけて貫通する差込孔11を備えると共に,先端部18付近の全周に隆起部14が形成された薄肉で筒状の本体挿入部15と,該本体挿入部15の元部19よりスカート状に周径方向に延設され,前記同軸ケーブル20の保護被覆8を挿入止着すると共に,その端部を囲むように構成された挿入止着部12と,からなる筒状のコネクタ本体30と,
該コネクタ本体30の基端部32に枢着すると共に,接続対象であるF型レセプタクルの外部導体に螺合するよう形成した接続筒2と,
前記同軸ケーブル20の端部に外嵌し,該同軸ケーブル20に前記コネクタ本体30を挿入後,圧締操作によって変形せしめ,前記本体挿入部15を圧着固定する固定リング3と,を具備するように構成されている。
ここで,同軸ケーブルコネクタのそれぞれの構成要素について更に詳しく説明する。まず,コネクタ本体30を構成する前記本体挿入部15から説明する。
この本体挿入部15は,内部に先端部18から元部19にかけて貫通する,内径dからなる差込孔11を備えた,筒状の金属体等の導電材料から構成されている。そして,その前方側に位置する元部19から,先端部18に設けられた隆起部14にかけて,徐々に周面が縮径して薄肉となるように形成されている。同様に隆起部14は,本体挿入部15の周面から僅かに周径方向外側に突出するように延設され,隆起部14の軸方向内側(以下,隆起終端点14bと呼ぶ)から,隆起部14の先端側(以下,隆起開始点14aと呼ぶ),即ち,本願の実施の形態では本体挿入部15の先端部18に向かって,徐々に縮径しながら収束するように形成されている。
尚,本願の実施の形態における本体挿入部15は,図2によく示されているように,本体挿入部15に形成された差込孔11は,少なくとも前記本体挿入部15の先端部18側における第1の径d1を有した第1差込孔11aと,前記元部19側における第2の径d2を有した第2差込孔11bの,少なくとも2つの異なる内径寸法を有した両差込孔を順次同軸的に列設するように構成されている点で,従来技術の実施の形態における本体挿入部15と異なる。
そして,前記第1差込孔11aの第1の径d1は,同軸ケーブルの前記内部絶縁体を覆うように設けたラミネート箔を含む径より僅かに大きくなるような寸法に形成されており,更に前記第2差込孔11bの第2の径d2は,前記第1差込孔11aの第1の径d1より僅かに小径になるように形成し,しかも,前記第1差込孔11aと前記第2差込孔11bとは内面が連続するように形成されている。
前記挿入止着部12は,その中央部に貫通孔12dを備え,その貫通孔12dから周径方向に設けられ,同軸ケーブル20の保護被覆8を挿入止着する止着体12cと,止着体12cの周縁から軸方向先端側に向かって突出するように形成された,同軸ケーブルの端部を囲むためのスカート体12bとを具備することで,全体がスカート状となるように形成されている。
そして,この挿入止着部12に形成された前記貫通孔12dに対して,前記本体挿入部15を挿入すると共に,挿入止着部12は,前記本体挿入部15の元部19の後方側部位19aにおいて,圧入などの周知の方法で,前記差込孔11の中心軸と貫通孔12dの中心軸を一致させるように固着される。このようにして,本体挿入部15と挿入止着部12とでコネクタ本体30が構成されている。
更に,このように構成されたコネクタ本体30は,本体挿入部15の元部19の前方側端部を全周にわたって,折り返し,もしくは,切削等の加工を施すことによって,径方向外側に向かって突出する折返し辺19bが設けられている。これによって,コネクタ本体30の前方側である基端部32の周りには,前記折返し辺19bと前記止着体12cとで,接続筒2がはめ込まれる基端溝31が形成されている。
前記接続筒2は,前記コネクタ本体30と同様に金属体等の導電材料から構成されており,少なくともその内周面には,接続対象であるF型レセプタクルに形成された雄ネジに螺合するための雌ネジ部2aが形成されている。
尚,本願の実施の形態に係る接続筒2では,図2に良く示されているように,接続筒2の内周面には,前記F型レセプタクルに形成された雄ネジに螺合するための雌ネジ部2aに加え,接続筒2の前方側開口端2cより軸方向後方側に向かって,接続対象であるF型レセプタクルの先端部を受け入れて導入するための,該先端部の外径より僅かに大きな内径を有した受入導入部2bが設けられ,受入導入部2bと雌ネジ部2aは,順次同軸的に列設するように備えられている点で,従来技術の実施の形態における接続筒2と異なる。
また,接続筒2の後方側開口端には,この開口端を全周にわたって内側方向に織り込んだ絞部21が形成されており,接続筒2はコネクタ本体30に対して,この絞部21と基端溝31とを互いに噛み合った状態で接触導通させながら中心軸を一致させて枢着される。
次に,固定リング3について説明する。前記固定リング3はその取付方法から見て,工具による圧締操作による変形を容易とするばかりでなく,圧着後の同軸ケーブルの耐引抜力を所定以上に保つことができるように定められていなければならない。そのため,本願における固定リング3は,固定リング3自体が,従来の技術(言い換えれば,既に市場で使われていて実績がある形状や材質からなる固定リング)と同じ信頼性(つまり,変形が容易で,しかも,変形しても割れなどの破損が生じない。また,変形後はその状態を維持する等)を有すると共に,固定リング3を同軸ケーブルに装着する作業では,ユーザーの作業手順を妨げない,特殊な工具を持つ必要がないなど,従来の実施の形態の同軸ケーブルコネクタの装着手順と何ら変わることがないよう,従来技術の固定リング3と同じ構成にしている。つまり,本願の実施の形態の同軸ケーブルコネクタ1は,実績のある従来技術の固定リングと同じ形状や材質を採用することによって,固定リングを通常の作業手順で同軸ケーブルに固着した後は,従来と同等の固着力(即ち,実力値であって,固着力として最低限必要とされる値である基準値ではない。)を維持することができるようにしてある。尚,以下に示す本願の実施の形態の同軸ケーブルコネクタ1の説明では,特許文献1で示される固定リングを使用した例を基に説明したが,この固定リングに変わって,特許文献2に示される固定リングを用いても良いことは言うまでもない。何れもその形状の内,特に長さに着目すれば,その具体的な寸法は略5mmである。以下の説明では,固定リングの長さをL3として説明する。
次に,図1,図2,図3,図4を用いて,同軸ケーブルコネクタのコネクタ本体30について,更に説明を行う。既にコネクタ本体30の概略の構成については説明したので,ここでは,本願と従来技術のコネクタ本体30の形成寸法に着目して,その違いについて詳細に説明する。図1は従来技術の同軸ケーブルコネクタ100の側面図であり,図2は本願の同軸ケーブルコネクタ1の側面図である。図3は本願の第2実施形態である同軸ケーブルコネクタ1を構成するコネクタ本体30と固定リング3の長さと,その装着の位置関係を示す概略図であり,(a)はコネクタ本体が最小寸法の場合,(b)はコネクタ本体が中間寸法の場合,(c)はコネクタ本体が最大寸法の場合を示す。また,図4は本願の実施の形態にかかる同軸ケーブルコネクタと従来技術の同軸ケーブルコネクタのコネクタ本体の実測寸法を一覧表にまとめたものである。
既に説明したとおり,本願の実施の形態にかかる同軸ケーブルコネクタ1と従来技術の実施の形態の同軸ケーブルコネクタ100とは基本的に同じ構成をしているが,両者の違いにおいて大きく異なるのは,コネクタ本体30の長さであり,詳しくは,コネクタ本体30を構成する挿入止着部12に備えたスカート体12bの軸方向先端12aと隆起終端点14bとの長さL1(以下,基準長と呼ぶ。),および,隆起終端点14bと隆起開始点(図に示される実施例では本体挿入部の先端18)14bとの長さL2(言換えれば,隆起部14の長さ。以下,隆起部長と呼ぶ。)である。つまり,特に,本体挿入部15における,固定リング3によって圧着される部分である,挿入止着部12より後方側に突出した突出部15aの寸法L(=基準長L1+隆起部長L2,以下,突出寸法と呼ぶ。),言い換えればコネクタ本体30の寸法が,本願発明の実施の形態と従来技術の実施の形態とでは異なるのである。
まず,従来技術の実施の形態の突出部15aの突出寸法Lについて説明する。従来技術の実施の形態は,図1(a),(b)に示されている。この図によれば,従来技術の基準長L1は,固定リング3の長さL3に対してL1>L3となるような長さに形成されており,このため,挿入止着部12より先端側後方に突出した,従来技術の突出部15aの突出寸法Lは,図1(a)のように固定リング3を挿入止着部12に沿うように配設したときに,隆起部14に加え,本体挿入部15の後方側の筒体の一部が,固定リング3より先端側外側に突出する寸法となるような長さに形成されている。
つまり,従来技術の実施の形態のコネクタ本体30は,固定リング3の長さとの関係において,「長い」突出部15aを備えるように形成されているのである。
ここで参考として,出願人において所有している4種類の従来技術からなる同軸ケーブルコネクタ各部の実測寸法を図4に示す。この表から分かるように,従来技術の突出部15aの突出寸法Lの最短長は例Aに示されるように,固定リングの長さL3=5mmに対して,突出寸法L=8mm(L1=6.5mm,L2=1.5mm)であり,最大長は例Dに示されるように,固定リングの長さL3=5.5mmに対して,突出寸法L=8.86mm(L1=6.86mm,L2=2mm)である。
次に,本願の第1実施形態の突出部15aの突出寸法Lについて,図2を用いて説明する。図2(a)において破線で示されるのは,固定リング3を挿入止着体12に沿うように配置した場合の,固定リング3の存在位置を示すためのものである。図2(a),(b)に示されるように,本願の第1実施形態の基準長L1は,固定リングの長さL3に対してL1≒L3となり,本願の第1実施形態の基準長L1は,固定リングの長さL3とほぼ等しくなるような長さに形成されている。この場合,本願の第1実施形態の突出部15aの突出寸法Lは,固定リング3を図2(a)の破線で示すように,挿入止着部12に沿うように配設した条件において,ほぼ隆起部14の長さL2だけが固定リング3より先端側外側に突出するような寸法関係となっている。
ここで,本願の第1実施形態について,具体的な寸法を用いて説明する。図4によく示されるように,固定リングの長さL3が略5mmに対して,隆起部長L2が略2.1mmとすると,本願の第1実施形態の突出部15aの突出寸法L(=L1+L2)≒7.1mmとなる。この実施例では,基準長L1は固定リング3の長さL3とほぼ等しいことから,本願の第1実施形態の基準長L1(=L−L2)は固定リングの長さL3とほぼ等しい略5mmとなるように形成されている。尚,本願の第1実施形態では,基準長L1は固定リングの長さL3とほぼ等しい略5mmとなるように構成したが,固定リング3を図2(a)の破線で示すように,挿入止着部12に沿うように配設した条件において,固定リング3が,挿入止着部12と隆起部14との間に丁度嵌まり込むように,基準長L1は固定リングの長さL3より僅かに長くても良い。尚,この例は,図4表中の試作品として示されている。
このように,本願の第1実施形態のコネクタ本体30は,固定リング3の長さとの関係において,従来技術のコネクタ本体より「短い」く,且つ,所定の長さに最適化された突出部15aを備えるように形成されているのである。
次に,本願の第2実施形態の突出部15aの寸法Lについて図3(a),(b),(c)を用いて説明する。この実施形態では,突出寸法Lは所定の範囲の長さを有するように形成される。尚,図3による説明を分かり易くするために,固定リング3は,挿入止着体12に沿うように配設した場合の存在位置を破線で示している。
図3(a)に示される図面によれば,本願の第2実施形態の基準長L1は,固定リングの長さL3に対してL1<L3であり,しかも,基準長L1に隆起部長L2を加えた突出部15aの突出寸法がL=L3であるように形成されている。即ち,この寸法が本願の第2実施形態の突出部15aの突出寸法Lの最小値である。
また,図3(b)に示される図面によれば,本願の第2実施形態の基準長L1は,固定リングの長さL3に対してL1<L3であり,しかも,突出部15aの突出寸法はL>L3であるように形成されている。即ち,この寸法は,固定リング3の後方側端面位置が,隆起部14の長さの範囲の何れかに位置するように,突出部15aの長さが形成されていることを示している。
また,図3(c)に示される図面によれば,本願の第2実施形態の基準長L1は,固定リングの長さL3に対してL1=L3であり,しかも,突出部15aの突出寸法はL=L1+L2であるから,この寸法が,本願の第2実施形態の突出寸法Lの最大値であることを示している。
これらのことから,本願の第2実施形態における前記コネクタ本体30について,基準長L1と固定リングL3の長さ,突出寸法Lと固定リングL3の長さの関係を式で示すと,基準長L1≦固定リング長L3であり,且つ,突出寸法L(=L1+L2)≧固定リング長L3で示される。つまり,基準長L1(即ち,請求項に記載の,前記挿入止着部12におけるスカート体12aの先端と前記隆起部14における前記隆起終端点14bとの間の軸方向寸法)と,基準長L1に隆起部長L2を加えた突出部15aの寸法(即ち,請求項に記載の,前記挿入止着部12におけるスカート体12aの先端と前記隆起部14の軸方向外側における隆起開始点14aとの間の軸方向寸法)が,前記固定リング3の所定寸法L3を含むような長さの何れかになるように形成されているのである。
ここで,本願の第2実施形態について,図4に示されている具体的な寸法を用いて説明する。この実施例においても固定リング3の長さL3が略5mmに対し,隆起部長L2が略2.1mmであるから,図3に良く示されるように,突出部15aの突出寸法Lの最小値は,固定リング3の長さL3と等しい略5mmであり,突出寸法Lの最大値は,固定リング3の長さL3に隆起部長L2を加えた長さと等しい略7.1mmとなる。この結果,基準長L1の最小寸法は2,9(L3−L2)mmとなり,基準長L1の最大寸法は5mm(L1=L3)となるように形成されている。
つまり,本願の実施の形態と従来技術の実施の形態の比較データである図4から分かるように,本願の第1実施形態の突出部15aの突出寸法L(略7.1mm)は,従来技術の突出部15aの突出寸法Lより0.9〜1.76mmだけ短い寸法で形成されている。
また,本願の第2実施形態の突出部15aの突出寸法L(5〜7.1mm)と比較すると,従来技術の突出部15aの突出寸法Lは,0.9〜3.86mmだけ短い寸法で形成されている。この結果から良く分かるように,本願の実施の形態のコネクタ本体30は,固定リング3の長さとの関係において「長い」突出部を備える従来技術に対して,従来技術と同じ長さを持つ固定リング3との関係において最適化された「短い」突出部を備えるように形成されているのである。
ここまで,同軸ケーブルコネクタの構成及び寸法の詳細について説明してきたが,以下では,既に詳述したコネクタ本体30の長さ以外の各部の具体的な寸法と共に,上記のように構成された本願の同軸ケーブルコネクタ1を同軸ケーブルに装着する手順について,図5(a)を用いて説明する。この図において20で示されるのが同軸ケーブルであり,内部導体である芯線4と外部導体である編組導体7と,その間に設けた内部絶縁体5とを,外部絶縁体である保護被覆8で覆った構造の同軸ケーブルに対し,その内部絶縁体5の外周面へアルミラミネート箔6を覆設したラミネート型同軸ケーブルであり,外部導体である編組導体7にアルミラミネート箔6を付加してシールド効果を高めたものである。
尚,アルミラミネート箔6部分はシールド効果及び防湿性のより優れたアルミパイプでも代替可能である。また,ここではアルミラミネート箔6を備えた同軸ケーブルを用いた例を示したが,本願の実施の形態の同軸ケーブルコネクタは,特に説明をしないが,アルミラミネート箔6のない同軸ケーブルにも装着可能であり,ラミネート型の同軸ケーブル用のみに限定されるものではない。
装着においては,まず,固定リング3に同軸ケーブル20を挿通し,コネクタ本体30を構成する本体挿入部15の先端部18を,コネクタ本体30に合わせて断剥きした同軸ケーブル20の端部から,アルミラミネート箔6と編組導体7の間に差し込み,挿入操作する。
この挿入操作において,アルミラミネート箔6が覆設された内部絶縁体5は,コネクタ本体30に形成された差込孔11に挿入されるのであるが,既に説明した通り,本願の実施の形態における差込孔11は,少なくとも前記本体挿入部15の先端部18側における第1の径d1を有した第1差込孔11aと,本体挿入部15の元部19側における第2の径d2を有した第2差込孔11bの,2つの異なる内径寸法を有した両差込孔を順次同軸的に列設するように構成されており,しかも,前記第1差込孔11aの第1の径d1は,前記内部絶縁体5と,この絶縁体を覆うように設けたラミネート箔6を含む径より僅かに大きく(本願の実施の形態ではd1=略5.2mm)なるように形成されていることによって,同軸ケーブル20の端部に対する挿入操作は容易に行うことができるばかりでなく,その径がわずかな違いであることから,ラミネート箔6とコネクタ本体とを接触導通させながら装着することができる。
更に加えて,本願の実施の形態における前記隆起部14は,上述したように隆起開始点14aから隆起終端点14bまでの軸方向寸法,つまり隆起部14の長さが略2.1mmであり,しかも,隆起部14の外周面が,隆起開始点14aから隆起終端点14bに向かって,角度θ=略7.8°の傾斜で持って緩やかに拡径するように形成することで,本体挿入部15をアルミラミネート箔6と編組導体7の間に挿入する力が少なくてすむような構成となっている。つまり,本願の実施の形態の同軸ケーブルコネクタ1は,本願の特徴である「短い」突出部の存在に加えて,隆起部14の長さと傾斜の最適化によって,同軸ケーブル20に対する挿入操作を,更に容易としている。
尚,参考として,出願人において所有している,従来技術の同軸ケーブルコネクタ100の隆起部14の寸法L2の例を図4の表に示す。この内の最も隆起部長L2が短い例Aによれば,隆起部14の長さL2が略1.5mmであり,しかも,表には示されていないが,隆起部14の外周面が,隆起開始点14aから隆起終端点14bに向かって角度θ=略12.9°の傾斜で持って徐々に拡径するように形成されていることから,従来例Aの隆起部14は,本願の実施の形態における隆起部14の長さ(L2=2.1mm)より短い寸法で,しかも,急な傾斜で拡径するように形成されていることが分かる。この結果,従来技術の同軸ケーブルコネクタ100は,本体挿入部15をアルミラミネート箔6と編組導体7の間に挿入するのに相当な力を必要とする構成となっている。しかも,「長い」突出部の存在によって,同軸ケーブル20に対する挿入操作を,更にし難いものにしている。
引き続き挿入操作を続けていくと,ラミネート箔6によって覆われた内部絶縁体5は,第1差込孔11aから順次軸方向奥に導かれて,第2差込孔11bに到達する。前記第2差込孔11bの第2の径d2は,前記第1差込孔11aの第1の径11dより僅かに小径(本願の実施の形態ではd2=略5.1mm)になるように形成されているが,前記第1差込孔11aと前記第2差込孔11bとは内周面が連続するように形成されていることによって,ラミネート箔6によって覆われた内部絶縁体5は,内径が第1の径d1より僅かに小さな第2の径d2で形成された第2の差込孔11bへ容易に挿入することができるので,内径が狭くなっていても,その挿入操作に格別の困難性を有することはない。
更に,前記第2差込孔11bの第2の径d2は前記第1差込孔11aの第1の径d1より僅かに小径になるように形成されていることによって,内部絶縁体5に覆設されたラミネート箔6は,第2差込孔11bの内面によって積極的に縮径され圧接されることになり,ラミネート箔6と第2差込孔11bの内面,延いてはコネクタ本体30との電気的接続を更に良好且つ確実にすることになり,ユーザーは特別な意識をすることなく,同軸ケーブルの装着操作を行うだけの簡単作業で,ノイズの進入あるいは放出のない電気的特性の優れた状態で装着できる。
そして,挿入止着部12の止着部12cに同軸ケーブル20が達したら挿入を終了する。
ここで,挿入止着部12の最外縁に形成されたスカート体12bの周面には,滑り止めとして例えばローレット掛けを施し,または,その形状を小判型にしたり2面幅を持たせたりしても良い。このように構成することによって,同軸ケーブルの挿入操作時における,同軸コネクタの固定を,指先や工具等を使って確実に行えるようにすることができる。
また,同軸ケーブル20の芯線4は接続筒2に刺し通され,コネクタの中心導体として使用される。尚,図では示されていないが,金属体等で形成されたコンタクトピンを同軸ケーブル20の芯線4にかぶせて接触導通させ中心導体として使用してもよく,この場合には,同軸ケーブルで通常使用される軟鋼単線よりも折れ曲がりにくい芯線材料を用いることができるので,接続対象との繰り返し挿抜に対する耐久性もより高くなる。
次に,予め同軸ケーブル20に挿通した固定リング3を,同軸ケーブルコネクタ1を構成する挿入止着部12のスカート体12bの先端12aに沿うように配置し,更に,固定リング3を,本体挿入部15で保護被覆8の外側から圧着し,編組導体7とコネクタ本体30を保護被覆8の弾性を利用して接触させ,装着を終了させる。固定リング3はこのような圧締操作による変形を容易とするばかりでなく,圧着後の同軸ケーブルの引抜力を所定値以上に保つことができるように,その長さは同軸ケーブルコネクタのコネクタ本体30の突出寸法Lと対応する所定寸法L3(本願の実施の形態では,例えば5mm)で形成し,その径は,同軸ケーブルに対して,大きな径で形成してかしめることで,圧着させればよい。
このように,本願の実施の形態の同軸ケーブルコネクタ1によれば,前記本体挿入部15,延いてはコネクタ本体30が上述のような長さや形状に構成されることによって,同軸ケーブル20に対する装着性の極めて良好な同軸ケーブルコネクタが実現できる。また,同軸ケーブル20に対する装着手順は,従来の実施の形態の同軸ケーブルコネクタと何ら変わることがないので,ユーザーにとっては,特殊な工具を必要としないなど,その作業手順を妨げることがない。更に,本体挿入部15における突出寸法Lを従来の長さより短く形成したとしても,その長さを固定リング3の長さL3との関係において最適化したことによって,例えば従来技術と同じ所定寸法の長さL3に形成された固定リング3による圧着固定の把持力と,前記隆起部14の存在だけで持って,従来技術と同等の把持力(実力値)で,同軸ケーブルコネクタ1を同軸ケーブル20に対して信頼性を損なうことなく,強固に固着することができるようになるのである。
ここまで,本願の実施の形態の同軸ケーブルコネクタ1の同軸ケーブル20に対する装着性について説明したが,次に,図5(a)から(c)を用いて,同軸ケーブルコネクタ1の接続対象であるF型レセプタクルへの接続手順について説明する。図5は本願発明の実施の形態である同軸ケーブルコネクタ1に同軸ケーブル20を装着したときの一部を破断した概略断面図であり,(a)はF型コネクタ(レセプタクル)に対して接続する前の概略図,(b)はF型コネクタ(レセプタクル)に対して挿入操作した状態の概略図,(c)はF型コネクタ(レセプタクル)に対して螺合接続した状態の概略図である。この図5において,10は接続対象のF型レセプタクルである。
本願の実施の形態における同軸ケーブルコネクタ1の接続手順は,この図5に良く示されているように2つの操作から構成されている。即ち,まず図5(a)のように,同軸ケーブルコネクタ1の芯線4と接続対象であるF型レセプタクル10の中心軸を略一致させたなら,同軸ケーブルコネクタ1を図5(a)の矢印A方向に進め,接続筒2の前方側開口端2c側に形成された受入導入部2bに対して,F型レセプタクル10の先端部10bを挿入しつつ,図5(b)のように,接続筒2の雌ネジ部2aとF型レセプタクルの周面に形成された雄ネジ10aが当接するまで挿入操作する。そして,雌ネジ部2aと雄ネジ10aとが当接したなら,続いて,接続筒2を図5(b)の矢印B方向に回転させることによって,雌ネジ部2aと雄ネジ10aとを螺合し,図5(c)に示すように,コネクタ本体30の基端部32の前方側端面とF型レセプタクルの先端面とが当接するまで螺合操作を行うことで接続が完了する。
即ち,本願の実施の形態における同軸ケーブルコネクタ1は,接続筒2前方側に雌ネジ部2aが形成されていない受入導入部2bを備えたことから,接続対象であるF型レセプタクル10への接続作業において,接続筒2の内面に,受入導入部2bに引き続き形成された雌ネジ部2aが,F型レセプタクル10の先端部10bに位置する雄ネジ10aと当接するまでは,コネクタ1を押込むだけの簡単な挿入操作だけで挿着でき,そして,雌ネジ部2aと雄ネジ10aが当接した後は,雌ネジ部2aと雄ネジ10aを螺合するように接続筒2を回転操作すればよく,従来技術の実施の形態における同軸ケーブルコネクタ100より少ない回転操作で接続を完了させることができ,接続筒2の回転操作による接続作業の工数の削減が図れるのである。
加えて,最初に簡単な挿入操作をすることで,同軸ケーブルコネクタ1は,同軸ケーブルコネクタ1の軸線とF型レセプタクル10の軸線とを略一致させた状態で装着することができることから,前記受入導入部12bがない従来技術に比べ,同軸ケーブルコネクタ1の開口端面12cとF型レセプタクル10の先端面との軸線を揃えるように合わせたり,同軸ケーブルコネクタ1の開口端面から形成された雌ネジとF型レセプタクルの端面に形成されたネジ山がうまく噛み合わなかったりすることがなくなり,挿入操作に引き続いて行われる回転操作への移行をすこぶる良好にすることができ,この点においても接続作業の効率の改善を図る事ができるなど,F型レセプタクル10に対する接続性の優れた同軸ケーブルコネクタ1を提供できる。
ここまで,本願の実施の形態に係る同軸ケーブルコネクタ1の具体的な構成の一例を説明すると共に,この構成によって,本願の同軸ケーブルコネクタ1の同軸ケーブル20との装着性,および,F型レセプタクル10との接続性が改善される作用効果について説明したが,次に,本願の同軸ケーブルコネクタ1の主たる目的である,狭い場所や隣接する機器の筐体や,収納ケースの側壁等が近接するような,僅かな隙間しかないような場所に収納される機器に対して,本願の同軸ケーブルコネクタ1が好適であることについての説明を行う。
このような条件に適合するための大きな要素の一つとして,同軸ケーブルコネクタが装着された同軸ケーブルの曲げ加工がある。以下の説明では,特にこの同軸ケーブルの曲げ加工に着目することによって,本願の実施の形態に係る同軸ケーブルコネクタ1において,固定リング3の長さL3と,本体挿入部15の突出部15aの突出寸法Lとの間で,既に詳述した相対的寸法を定めた理由とその作用について,図6および図7を用いながら具体的に明らかにする。
図6はスイッチボックスに収納したテレビ共同受信機器の取り付け状態を模式的に示したものであり,前方側上方から見た斜視図である。図7はスイッチボックスを図6のX−X線で破断し,スイッチボックスに収納したテレビ共同受信機器の取り付け状態を,背面から見た図であり,(a)は本願の実施の形態にかかる同軸ケーブルコネクタ1が使用された場合の模式図であり,(b)は従来の実施の形態にかかる同軸ケーブルコネクタ100が使用された場合の模式図である。
この図において,51はテレビ共同受信機器の一例としてのテレビ端子であり,本願の実施例では入力端子51a,出力端子51b,分岐端子51cを備えた1分岐である。このテレビ端子51のハウジングは,アルミダイカスト等の金属材で形成されており,ハウジングと入力端子51a,出力端子51b,分岐端子51cはそれぞれ一体的に成形することによって,シールド性能の優れた筐体が構成されている。このように構成されたテレビ端子51は,図中52で示される樹脂材等で形成された取付枠の所定位置に挟着保持されている。
図に良く示されるように,テレビ端子51の入力端子51aには,建物の上側(図面上側)から引き込まれ,端部に同軸ケーブルコネクタ1または100が装着された同軸ケーブル20aが,また,出力端子51bには,建物の下側(図面下側)から引き込まれ,端部に同軸ケーブルコネクタ1または100が装着された同軸ケーブル20bがそれぞれ接続される。
このようにテレビ端子51と同軸ケーブル20a,20bの接続が完了したなら,スイッチボックス55の前面側(図6における前側)から,取付ネジ53,53でスイッチボックス55の枠体56に取付けられる。尚,この図に示されるスイッチボックス55は,JIS C8435(日本工業規格)によって定められている形状を模式的に示したものであり,例えば,合成樹脂材を使って,底面57の周縁に枠体56を一体的に備えることで,前方側を開口させ,内部に収容空間を備えた箱体となるように構成されている。このように構成されたスイッチボックスは,通常,建物等の壁面に埋め込まれて使用される。尚,説明を簡単にするために,図6,図7において建物等の壁面は省略してある。
ここで,このようなスイッチボックス55に収納されたテレビ端子51と接続する同軸ケーブルコネクタの,本体挿入部15における突出部15aの突出寸法Lによる影響について考えてみる。
まず,突出部15aが長すぎる場合である。同軸ケーブル20の最小曲げ半径を維持しつつ曲げ加工をしようとすると,同軸ケーブル20内部の軸方向に挿入された「長い」突出部15aの存在によって,どうしても同軸ケーブル20の曲げ始めの位置が,「長い」突出部15aの影響のない,コネクタから軸線方向後方側に離れた位置,即ちテレビ端子51から更に離れた位置となってしまう。この結果,同軸ケーブル20は,コネクタの直後のできる限り短い位置から曲げ始めることができないことになってしまい,機器と機器の周辺に形成される同軸ケーブルが占める空間が僅かでも広くなる。このため,F型レセプタクルの突設方向,寸法や設置位置によっては,スイッチボックス55の枠体56や底面57等によって重合して,テレビ端子51をスイッチボックス55に収納できなくなってしまう場合が考えられる。
このときの取り付け状態を模式的に示したのが図7(b)である。この図において,同軸ケーブル20a,20bに装着された同軸ケーブルコネクタは,従来の実施の形態の同軸ケーブルコネクタ100であり,本体挿入部15が「長い」突出部(言い換えれば,長さが最適化されていない突出部)から構成されたものである。この図には,テレビ端子51の出力端子51bに接続された同軸ケーブル20bを,最小曲げ半径rで曲げ加工しつつ,テレビ端子51が組み付けられた取付枠52をスイッチボックス55に収納したときに,同軸ケーブル20の保護被覆8の外周面が,スイッチボックス55の枠体56の内面壁,特に,取付枠52をスイッチボックス55に固着するための取付ネジ53,53を収容するために,枠体56の上下辺から,それぞれ中心に向かって突出するように設けられた凹部56aの内面壁(図では,矢印Cで示される部分)に当接してしまう状態が示されている。つまり,同軸ケーブルコネクタの「長い」突出部15aの突出寸法L,若しくは,テレビ端子51のハウジングの外径寸法,F型レセプタクル10の突出寸法等の形成状態によっては,最悪の場合,同軸ケーブル20bと枠体56の凹部56aや底面57とが重合してしまい,テレビ端子51がスイッチボックス55に収納できないことが考えられる。また,この状態で無理に収納しようとすると,同軸ケーブル20によって定められている最小曲げ半径rより小さな半径で曲げる必要が生じ,その結果として,同軸ケーブル20の高周波信号に対する伝送特性の劣化を招く原因となる場合が考えられる。
また,これとは反対に,本体挿入部15の突出部15aの突出寸法Lが従来の実施の形態に示される寸法より短い場合について考えてみる。上述した例とは反対に,「短い」突出部を備えたことによって,同軸ケーブル20の曲げ加工が,コネクタ直後の近いところから行い易くなるので,機器と機器の周辺に形成される同軸ケーブルが占める空間を僅かでも小さくでき,狭い収納スペースへの機器の収納や,余長の同軸ケーブルとの接続を容易にする効果が期待できる。
このときの取り付け状態は,図7(a)の模式図に良く示されている。この図において,同軸ケーブル20a,20bに装着された同軸ケーブルコネクタは,本願の実施の形態の同軸ケーブルコネクタ1であり,本体挿入部15には「短い」突出部(言い換えれば,長さが最適化された突出部)が備えられるように構成されている。この図も上記実施例と同様に,テレビ端子51の出力端子51bに接続された同軸ケーブル20bを,最小曲げ半径rで曲げ加工しつつ,テレビ端子51が組みつけられた取付枠52をスイッチボックス55に収納したときの状態が示されている。
この図によれば,本願の実施の形態の同軸ケーブルコネクタ1を用いた場合の同軸ケーブル20の曲げ加工位置が,従来の実施の形態の同軸ケーブルコネクタ100を用いた場合の同軸ケーブル20の曲げ加工位置より,図における位置の差を示すSだけ同軸ケーブルコネクタ側の近い位置にすることができることから,同軸ケーブル20の保護被覆8がスイッチボックス55の枠体56の内面壁や底面57に当接したり重合したりすることが防げるのである。つまり,突出部15aの僅かな寸法の違いであっても,テレビ端子51が組み付けられた取付枠52を,スイッチボックス55に対して容易に収納できるようになることから,突出部15aはできる限り短いほうがよいのである。
このように,本体挿入部15の突出部15aの突出寸法Lが短い場合は,上記のような狭い場所への収容性の向上をもたらすが,一方で,隆起部14を除く突出部15aと固定リング3との重合部分が従来の実施の形態に比べ狭くなることから,突出部15aの突出寸法Lによっては,固定リング3の長さが,従来の実施の形態に示される長さで形成されていたとしても,固定リング3による圧着固定の力が弱くなって,従来に比べ耐引抜力が低下する恐れが考えられる。それに加えて,余りにも重合部分が少ないと,コネクタの直後で同軸ケーブルの曲げ加工をした場合,同軸ケーブル自体の付勢力が,同軸ケーブルとコネクタの接続部分に加わることによって,同軸ケーブルとコネクタの接続部分が容易に外れ易くなってしまい,信頼性を損なうといった問題が考えられる。また,突出部15aに合わせるように固定リング3の長さを短くしても良いが,この場合,条件によっては,本願の同軸ケーブルコネクタの課題の一つである,従来と同じ信頼性の維持が困難となることは言うまでもない。
そこで本願においては,固定リング3の長さL3との関係において,本体挿入部15の突出部15aの長さを,実験に基づいて「短く」し,且つ,その最適化の検討を行ったものである。
この結果によると,挿入止着部12におけるスカート体12aの先端と前記隆起部14における前記隆起終端点14bとの間の軸方向寸法を基準長L1とし,隆起部14の長さを隆起部長L2とすれば,突出部15aの突出寸法L(=基準長L1+隆起部長L2)は,

第1の実施形態の場合
基準長L1≒固定リング長L3の条件において,突出寸法L>固定リング長L3
第2の実施形態の場合
基準長L1≦固定リング長L3の条件において,突出寸法L≧固定リング長L3
で示される。

つまり,本願の発明の同軸ケーブルコネクタ1の第1実施形態によれば,基準長L1は固定リング3の長さL3と略等しくなるように決められており,固定リング3を挿入止着部12に沿うように配設した条件において,突出部15aは,ほぼ隆起部14の長さL2だけが固定リング3の先端側開口端より突出するような寸法に形成されておればよい。
また,第2実施形態では,突出寸法Lの最小値は固定リング3の長さL3と等しく,突出部15aの突出寸法Lの最大値は,固定リング3の長さL3と等しくなるように形成された基準長L1に隆起部長L2を加えた長さと等しくなるから,突出部15aの突出寸法Lは,上記最小値と最大値とで決められる所定の範囲の長さを有するように構成される。つまり,図3に示されるように,固定リング3を挿入止着部12に沿うように配設した条件において,突出部15aは,本体挿入部15の先端部18(言い換えれば,隆起開始点14a)が固定リング3の先端側開口端と同じ位置になる長さから,隆起部14の長さL2だけが固定リング3の先端側開口端より突出する長さとなる範囲の何れかの長さになるように形成されておればよい。
一方,図4にまとめた従来技術の突出寸法Lの実測寸法をみると,その最短寸法は例Aで示される8mmであるから,本願の実施の形態の突出寸法Lは,本願の主たる目的から考えて,従来技術の最短寸法である8mmより短くしなければならない。
更に,本願の実施の形態によると,突出寸法Lが最大となる条件は,基準長L1≒固定リング長L3(本願の実施例では略5mm)のときであるから,本願の実施の形態の隆起部長14aの長さL2は,長くても3mm(つまり,従来技術の突出寸法Lの最短寸法である8mmから固定リング長L3である略5mmを引いた値)を超えない長さにしなければならないことが分かる。
また,隆起部長14aの長さL2は,短くても従来技術のL2の最小寸法である1.5mm(図4の表の例Aによる。)より長くするのが良いと考えられる。これは,同軸ケーブル20に対する耐引抜力等の信頼性を従来技術と同等に維持するため,例えば,隆起終端点14bにおける周径方向の突出寸法を従来技術と同じにしても,隆起部長L2を長くすることによって,隆起部14の傾斜が従来技術より緩やかになり,この結果,本体挿入部15の同軸ケーブル20に対する装着性がより改善されるからである。
つまり隆起部長L2は,上記範囲である1.5<L2<3の何れかの長さに設定するのが良い。本願の実施例における隆起部長L2は,その具体例として,上記範囲の中心値より僅かに短い略2.1mmに設定している。従って,この隆起部長L2である略2.1mmと基準長L1の長さ,つまり固定リングの長さL3である略5mmと合わせて,本願の実施の形態における突出部15aの最大突出寸法Lは,従来技術の最短寸法より短い略7.1mmとなるのである。また,最小突出寸法Lは,固定リングの長さL3と等しい略5mmであるから,このときの基準長L1は,突出寸法L=5mmから隆起部長L2=2.1mmを引いた2,9mmである。
このように,本願の実施の形態にかかる同軸ケーブルコンネクタ1によれば,突出部15aの突出寸法Lを従来技術の突出寸法より「短く」したばかりでなく,合わせて,固定リング3の長さL3との関係において,突出寸法Lの最適化を行ったことによって,同軸ケーブルへの装着性や信頼性などの諸性能を低下させることなく,本発明の主たる目的である狭い場所への収容性の更なる向上を図ることができるのである。
以上,本願の発明の形態によれば,コネクタ本体の形状や寸法を最適化したことによって,上述したような同軸ケーブルに対する装着性,F型レセプタクルに対する接続性を更に良好にしたばかりでなく,加えて,特に狭い場所への収納性などに優れた効果を備えさせ,しかも,このような効果を有した同軸ケーブルコネクタであっても,その取扱方法はユーザーの作業手順を妨げることがないし,また,装着後の信頼性も,従来の実施の形態の同軸ケーブルコネクタと何ら変わることがないので,ユーザーにとってすこぶる使い勝手の良い同軸ケーブルコネクタを提供できる。これにより,2011年のデジタル完全移行に向け,これから本格的に始まる,新築のビルやマンションに対するデジタル対応受信システムの構築工事への対応ばかりでなく,既存の地上アナログ放送受信システムをデジタル対応にするためのデジタル改修工事において,全国に数多くある新設のシステム及び既存テレビ受信システムに対して,大量の共同受信機器の設置及び交換作業を,限られた時間で行わなければならない状況にあって,本願の実施の形態に係る同軸ケーブルコネクタを用いれば,これらのデジタル対応工事における作業効率を大幅に向上させることができ,そしてその結果として,社会に貢献できるのである。
尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,以下に例示するように本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。
本願の実施の形態にかかる同軸ケーブルコネクタ1は,同軸ケーブル20の耐引抜力等の信頼性を従来技術(言い換えれば,現行商品の実力値)と同等とする「設計目標値」に適合するように,従来技術に用いられた固定リング3を使用する場合における,固定リング3の長さL3と突出部15aの突出寸法Lとの寸法の相対的関係を示したが,特にこの実施形態に限定されるものではなく,更に,狭い場所への収納性の向上を図るために,例えば,固定リング3の長さ以外のパラメータ(厚みや材質等)にも変更を加えることによって従来と同等の信頼性(実力値)を得られるなら,固定リング3の長さL3を本願の実施の形態で示した例より短くしても良い。
また,上記の実施の形態は,同軸ケーブル20の耐引抜力等の信頼性の条件を,従来技術の実力値に適合するようにしたものであるが,この耐引抜力等の信頼性の条件である実力値を「設計目標値」とせずに,実使用において必要とされている最低の条件である「設計基準値」に適合する事とすれば,固定リング3の長さL3を本願の実施の形態で示した例より短くすることも可能である。いずれの場合も,突出部15aの突出寸法Lは,従来技術の突出寸法より短く,且つ,固定リング3の長さL3との関係において,本願の実施の形態で示した相対的関係となるような長さに形成すればよい。
従来技術の実施の形態である同軸ケーブルコネクタの概略図であり,(a)はコネクタ本体の突出部と固定リングの長さと,その装着の位置関係を示す概略側面図である。(b)は一部を破断した概略断面図である。 本願の第1の実施形態である同軸ケーブルコネクタの概略図であり,(a)はコネクタ本体の突出部と固定リングの長さと,その装着の位置関係を示す概略側面図である。(b)は概略断面図である。 本願の第2の実施形態である同軸ケーブルコネクタを構成するコネクタ本体の突出部と固定リングの長さと,その装着の位置関係を示す概略図であり,(a)は突出部が最小寸法の場合,(b)は突出部が中間寸法の場合,(c)はコネクタ本体が最大寸法の場合を示す。 本願の実施の形態である同軸ケーブルコネクタと,従来技術の実施の形態である同軸ケーブルコネクタのコネクタ本体の実測寸法の一覧表である。 本願の実施の形態である同軸ケーブルコネクタに同軸ケーブルを装着したときの一部を破断した概略断面図であり,(a)はF型コネクタ(レセプタクル)に対して接続する前の概略図,(b)はF型コネクタ(レセプタクル)に対して挿入操作した状態の概略図,(c)はF型コネクタ(レセプタクル)に対して螺合接続した状態の概略図である。 スイッチボックスに収納したテレビ端子の取り付け状態を模式的に示したものであり,前方側上方から見た斜視図である。 スイッチボックスを図6のX−X線で破断し,スイッチボックスに収納したテレビ端子の取り付け状態を,背面から見た図であり,(a)は本願の実施の形態にかかる同軸ケーブルコネクタを用いた場合の模式図であり,(b)は従来の実施の形態にかかる同軸ケーブルコネクタを用いた場合の模式図である。
符号の説明
1…同軸ケーブルコネクタ(F型コネクタ),2…接続筒,2a…雌ネジ部,2b…受入導入部,2c…前方側開口端,3…固定リング,4…中心導体,5…内部絶縁体,6…アルミラミネート箔,7…外部導体(編組導体),8…外部絶縁体(保護被覆),10…F型コネクタ(レセプタクル),10a…雄ネジ,10b…先端部,11…差込孔,11a…第1の差込孔,11b…第2の差込孔,12…挿入止着部,12a…先端,12b…スカート体,12c…止着体,12d…貫通孔,14…隆起部,14a…隆起開始点,14b…隆起終端点,15…本体挿入部,15a…突出部,18…先端部,19…元部,19a…後方側部位,19b…折返し辺,20…同軸ケーブル,21…絞部,30…コネクタ本体,31…基端溝,32…基端部,51…テレビ端子,51a…入力端子,52b…出力端子,51c…分岐端子,52…取付枠,53…取付ネジ,55…スイッチボックス,56…枠体,57…底面,100…同軸ケーブルコネクタ(F型コネクタ),d1…第1の(差込孔の)径,d2…第2の(差込孔の)径,L…突出部の突出寸法,L1…基準長,L2…隆起部長,L3…固定リングの長さ。

Claims (5)

  1. 同軸ケーブルの端部に装着する同軸ケーブルコネクタであって,
    前記同軸ケーブルの外部導体である編組導体と内部絶縁体との間に挿入するため,内部に先端部から元部にかけて貫通する差込孔を備えると共に先端部付近の外周に隆起部が形成された筒状の本体挿入部と,該本体挿入部の元部よりスカート状に周径方向に延設され,前記同軸ケーブルの外部絶縁体である保護被覆を挿入止着すると共にその端部を囲むように構成された挿入止着部と,からなる筒状のコネクタ本体と,
    該コネクタ本体の基端部に枢着すると共に接続対象の外部導体に螺合するよう形成した接続筒と,
    前記同軸ケーブルの端部に外嵌し,該同軸ケーブルに前記コネクタ本体を挿入後,圧締操作によって変形せしめ,前記本体挿入部を圧着固定する固定リングと,を具備した同軸ケーブルコネクタにおいて,
    前記固定リングはその長さが,前記圧締操作による変形を容易とする所定寸法に形成されており,しかも,前記コネクタ本体は,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向内側における隆起終端点とがなす軸方向寸法が,前記固定リングの所定寸法と略等しい長さになるような長さに形成されているか,または,前記コネクタ本体は,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部における前記隆起終端点との間の軸方向寸法と,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向外側における隆起開始点との間の軸方向寸法が,前記固定リングの所定寸法を含むような長さに形成されていることを特徴とした同軸ケーブルコネクタ。
  2. 前記同軸ケーブルは,前記編組導体に加え,その内側に覆設され,前記内部絶縁体を覆うように設けた導電性を有するラミネート箔を備えてなり,
    前記コネクタ本体の本体挿入部は,前記編組導体と前記ラミネート箔との間に挿入するように構成したことを特徴とした請求項1に記載の同軸ケーブルコネクタ。
  3. 前記本体挿入部の差込孔は,少なくとも前記本体挿入部の先端部側における前記第1の径を有した第1差込孔と,前記元部側における前記第2の径を有した第2差込孔の,2つの異なる内径寸法を有した両差込孔を順次同軸的に列設するように構成されており,
    前記第1差込孔の第1の径は,前記内部絶縁体を覆うように設けたラミネート箔を含む径より僅かに大きくなるように形成されており,
    更に前記第2差込孔の第2の径は,前記第1差込孔の第1の径より僅かに小径になるように形成し,しかも,前記第1差込孔と前記第2差込孔とは連続するように形成されていることを特徴とした請求項2に記載の同軸ケーブルコネクタ。
  4. 前記接続筒の内周面には,前方側開口端より軸方向奥に向かって,接続対象であるF型レセプタクルの先端部を受け入れて導入する受入導入部と,前記F型レセプタクルに形成された雄ネジに螺合するための雌ネジ部を順次同軸的に列設するように備えていることを特徴とした請求項1から請求項3の何れか一項に記載の同軸ケーブルコネクタ。
  5. 前記固定リングの長さが略5mmであり,前記隆起部の長さが略2.1mmであり,しかも,前記コネクタ本体は,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向内側における隆起終端点とがなす軸方向寸法が,前記固定リングの長さである略5mmと略等しい長さになるような長さに形成されているか,または,前記コネクタ本体は,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部における前記隆起終端点との間の軸方向寸法と,前記挿入止着部におけるスカート体の先端と前記隆起部の軸方向外側における隆起開始点との間の軸方向寸法が,前記固定リングの長さである5mmを含むような長さに形成されていることを特徴とした請求項1から請求項4の何れか一項に記載の同軸ケーブルコネクタ。
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