JP2010116935A - 電磁ブレーキの手動解放機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造・操作で電磁ブレーキの手動解放を行うことができ、誤操作・誤作動、異音の発生、振動・接触による部品の破損を防ぐことができる、屋外でも使用可能な無励磁作動形電磁ブレーキの手動解放機構を提供すること。
【解決手段】
解放カム10、カム台20、解放アーム30がブレーキカバー80内に内蔵され、挿通孔80aを通じ、ドライバ等の手動解放手段により外部から解放カム10を回動させることにより、解放アーム30の突起部36がアーマチュア40を押圧してブレーキが手動解放される。また、解放カム10をこれと逆方向に約180度回動させてブレーキを作動させることもでき、いずれの場合も、解放カム10及び解放アーム30が各安定位置で保持される。これにより、手動解放機構をブレーキカバー内に収納し、部品の取外しを要することなくブレーキ解放・作動状態の切替えができ、且つ各状態を安定的に維持できるようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、電磁ブレーキに関し、特に、無励磁作動形電磁ブレーキを手動で解放するための手動解放機構に関する。
無励磁作動形電磁ブレーキは、励磁コイルの励磁(通電)時にブレーキが解放され、無励磁(非通電)時に被制動軸を制動するように動作する。従って、例えば、電源の事故や電源のない試運転時等、励磁することができない状態においても、ブレーキを手動で解放できるようにしておくことが要請される。
このような電磁ブレーキの手動解放機構として、電磁コイル、アーマチュア、ブレーキディスク、サイドプレート等からなる電磁ブレーキ部分を覆うブレーキカバーを、サイドプレートに設けたねじ孔に螺合させたねじにより、カラーとシール材を介して取付けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。これによれば、カラーとシール材により密閉性を確保しつつ、アーマチュアまで達する長さのねじに取替えることによって、アーマチュアとブレーキディスクとを離間させることができる。
また、電磁ブレーキを覆うブレーキカバーの外部に、アーマチュアを移動させブレーキディスクから離間させるための解放カムを設け、この解放カムを回動させるための手動解放アームと、ブレーキ作動位置で該アームを保持するアーム保持金具を具えたものがある(例えば、特許文献2参照。)。これによれば、ねじ等の部品の交換を要することなくブレーキを解放することができ、且つ、ブレーキ作動状態・解放状態の夫々における手動解放アームの位置を明確に定めることができるとされている。
さらに、ブレーキ装置に着脱自在に係合するブレーキ手動解放手段を具えたものがある(例えば、特許文献3参照。)。同発明によれば、ブレーキカバーに設けた挿通孔からこのブレーキ手動解放手段を差込み、これを回動させることにより、ブレーキを解放することができる。
特開2001−304314 特開2002−295551 特開2004−350467
しかし、特許文献1の発明は、複数箇所のねじを、ブレーキ解放用のものに取替え、改めてねじ込む必要があり、作業が煩雑である上、ねじの保管中や交換時にねじを紛失する可能性がある。
他方、特許文献2の発明は、複数の解放カム及びそれを回動させる手動解放アームがカバー外に突出しており、密閉構造ではない。また、モータ回転中の振動による手動解放機構の誤作動を防止するため、及び手動解放機構が各部に接触し、異音や破損が発生するのを防ぐため、解放カム・解放アームを固定する手段が必要となり、製造工程が複雑になる上、ブレーキ装置が大型化する。
さらに、特許文献3の発明では、通常作動時に手動解放手段を取外しておけば、異音や破損は防止できるが、保管中にこれを紛失する恐れもある上、解放手段の着脱及びアームを回動させるためのスペースが必要であり、作業性に問題がある。
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するため、簡易な構造・操作によりブレーキの手動解放を行うことを可能とし、手動解放機構部がブレーキカバー内に収納され外部に突出しない内蔵構造であり、且つ、振動による誤作動や接触による異音・破損等を防止するため、ブレーキ作動状態・解放状態を確実に保持することができる電磁ブレーキの手動解放機構を提供することを課題とする。
本発明は、ブレーキカバー内に収納された摩擦板、制動板、アーマチュア及びヨークを具えた無励磁作動形電磁ブレーキにおいて、
前記無励磁作動形電磁ブレーキは、前記ブレーキカバー内に、解放カム、該解放カムが取付けられたカム台、及び解放アームを有し、
前記解放アームは、前記アーマチュアに対向して延びる突起部と、前記解放カムと係合するカム孔と、該カム孔と対向する端部に前記ブレーキカバー内に固定された固定部と、該固定部の延長上にL字状に形成された根元部を有し、
前記ブレーキカバーには前記解放カムを回動させるための手動解放手段を挿通させることができる挿通孔が設けられ、
前記挿通孔を通じて前記ブレーキカバーの外部から挿通された手動解放手段により前記解放カムを回動させることにより、前記カム孔を介し前記解放アームを前記固定部を支点として傾動させ、前記突起部が前記アーマチュアを押圧してブレーキが手動解放されることを特徴とする無励磁作動形電磁ブレーキの手動解放機構によって、前記課題を解決した。
本発明による電磁ブレーキの手動解放機構は、解放カム、カム台、及び解放アームからなる簡易な構造であり、(マイナス)ドライバのような一般に使用される工具(治具)を用いて解放カムを約180度回動させるというだけの操作により、ブレーキ作動状態・解放状態の切替えを行うことができるから、極めて簡易な構造・操作で、電磁ブレーキの手動解放を行うことが可能となる効果がある。
また、本発明によれば、解放カム・解放アームは、いずれもブレーキカバー内に内蔵され、解放カムを回動させる治具を挿通させるための穴がブレーキカバーに設けられていればよいから、カバー外で手動解放手段を固定するための機構も必要なく、ブレーキ装置が大型化しない上、手動解放部品の取外しも不要であるから、部品を紛失する恐れもない。また、解放カム・解放アームともにブレーキカバー内に内蔵されており、ブレーキカバーに設けられた挿通孔に密閉手段を嵌着させることにより密閉構造とすることが可能であるから、屋外使用にも対応することができ、不注意による誤操作も防止できる。
さらに、本発明によれば、ブレーキ作動状態・解放状態の各安定位置に達するときに、解放カムを回動させるために要する操作力の変化(以下、「クリック感」と表現する。)を作業者に与えることができる。また、手動解放手段をその各安定位置で保持することが可能であるから、振動等に起因する誤作動によりブレーキ解放状態となる危険性をなくすることができ、且つ、手動解放手段の取外しやそれを固定するための専用機構を必要とすることがないから、異音の発生や振動・接触による部品の破損を防ぐことができるという効果を奏する。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の無励磁作動形電磁ブレーキの手動解放機構を具えた無励磁作動形電磁ブレーキBの正面図で、ブレーキカバー80を透視して見た図である。 図2(a)は、この無励磁作動形電磁ブレーキBの手動解放機構の主要部分、すなわち、解放カム10、止輪12、カム台20、解放アーム30の分解斜視図、(b)は解放カム10の側面図、(c)は解放アーム30をカム孔32側から見た斜視図である。
図3は、無励磁作動形電磁ブレーキBの作動状態(カム位置:中間、解放アーム:フリー)を示し、(a)はブレーキカバー80を縦断面で示し、内部構造を側方から見た図、(b)はこのときの解放カム10及びカム孔32の状態を表す図である。
図4は、無励磁作動形電磁ブレーキBの解放状態(カム位置:下方安定点(1)、解放アーム:固定)を示し、(a)はブレーキカバー80を縦断面で示し、内部構造を側方から見た図、(b)はこのときの解放カム10及びカム孔32の状態を表す図である。
図5は、無励磁作動形電磁ブレーキBの作動状態(カム位置:上方安定点(1)、解放アーム:固定)を示し、(a)はブレーキカバー80を縦断面で示し、内部構造を側方から見た図、(b)はこのときの解放カム10及びカム孔32の状態を表す図である。
図6は、ブレーキ作動状態〜解放状態への切替えが行われる際の、解放カム10及び解放アーム30の一連の動きを示す図である。
なお、図1から図6までのすべての図において、同一の構成要素には同一の符号を付してある。
本発明において、解放カム10は、図1,図3〜5に示すように、無励磁作動形電磁ブレーキBを覆うブレーキカバー80内において、カム台20に取付けられ、ブレーキカバー80の挿通孔80aを通して、(マイナス)ドライバ等の手動解放手段を溝10eに差込んで、左右に回動させることができるタイプのものである。
カム台20は、解放アーム30の可動範囲を規制するためにL型に曲げられたストッパ部20aを有し、反負荷側ブラケット90にボルトで固定されている。
図2(a),(b)に示すように、解放カム10は環状の溝10cを有し、カム台20に取付けられる際、このカム溝10cに嵌合する止輪12で、解放カム10の回動を許容しながら、抜止めされている。解放カム10の円柱状部10dは、回動軸として機能する。
また、解放カム10は、解放アーム30のカム孔32を介して、解放アーム30と係合しており、解放アーム30は、これと対向する位置において、反負荷側ブラケット90に固定されている。これにより解放アーム30は、固定部34を支点として、解放カム10の回動に伴い、弾性変形により傾動可能となっている。
解放アーム30は、ブレーキ解放時にアーマチュア40を押圧する2つの突起部36を有し、これら2つの突起部36は、制動板50に設けられた切欠部50aを通って、アーマチュア40に対向するように延びている。また、カム孔32が設けられた解放アーム先端部と対向する位置で、固定部34の延長上にL字状に形成された根元部38は、解放アーム30が解放カム10に連動する際に弾性変形を起こし易い幅形成されている。
そして、ブレーキカバー80内で可能な範囲において、固定部34の固定位置に対向する最も離れた位置にカム台20が固定され、同位置において解放カム10が回動される。また、突起部36は、アーマチュア40を最も効率よくヨークに押圧することができる位置、すなわち、上記固定部34と解放カム10の作動位置とを結ぶ直線のほぼ中央部を横断する直線上両端に配置されている。このような構成により、固定部34(支点)と突起部36(作用点)間の距離より、固定部34(支点)と解放カム10(力点)間の距離を大きくすることができるため、「てこの原理を有効に利用する」ことができ、解放カム10(力点)を比較的小さな操作力で回動させることで、突起部36(作用点)を動かすことができるから、容易にブレーキ作動状態・解放状態の切替えを行うことができる。
本発明において、解放カム10は偏心カムであり、図2及び図3〜5(b)に示すように、図示しない、(マイナス)ドライバのような手動解放手段により直接回動させられる回動体10a(図3〜5(b)の点線で示す円)は、2つの軸線x,yが交差するC点を中心として回動するが、カム孔32と係合し解放アーム30を傾動させる偏心体10b(図3〜5(b)の実線で示す円)は、回動体10aとは中心点をずらして形成されている。図3〜5(b)及び図6における半円形状の網状部は、溝10eを挟んで2つの半円形状部を有する10aの内、10bと重なる側の半円形状部を示しており、これによって解放カム10の回動の状態が分かるようした。
また、これらの図に示すように、解放カム10の偏心体10bは円弧部と平坦部10fを有するD形状であり、また、解放アーム30のカム孔32も、一部(本実施形態においては、左側面)のみに円弧形状部32aを有する、ほぼD形状となっている。
なお、解放カムの状態及び作用を表す図については、便宜上、反負荷側ブラケットの側を下、解放アーム側を上として示しているから、以下に「上下」をいう場合は、この状態を基準とする。
図3は、無励磁作動形電磁ブレーキBの作動状態(非通電時)を示し、アーマチュア40がヨーク60から離間し、制動ばね(図示せず。)の作用で摩擦板70に圧接させられることにより、被制動軸(図示せず。)は制動状態となっている。
このとき、解放カム10は、左右いずれにも回動させられていない中間の位置にあり、従って、解放アーム30はフリー(非固定)状態にある(図6のフリー安定点参照)。
この状態から、解放カム10を反時計回りに回動させると、ブレーキを手動解放することができる。図4は、このブレーキ解放状態における、(a)内部構造及び(b)解放カムの状態を表す図である。
反時計回りに回動させられた解放カム10は、カム孔32の円弧形状部32aを通過する。カム孔32を介し、解放カム10によってヨーク方向に押圧された解放アーム30は、固定部34の延長上にL字状に形成された根元部38を基点としてヨーク60側に弾性変形して、図4(a)に示すように、2つの突起部36がアーマチュア40に接触し、制動ばねの反力に抗して、アーマチュア40をヨーク60側に押圧することにより、ブレーキを解放する。
上記のとおり、解放カム10の偏心体10bは、一部が平坦部10fとなっているD形状であるから、この平坦部10fがカム孔32の直線状のヨーク側端面32bに当接した状態で、解放カム10が解放アーム30をヨーク側に押す力と解放アーム30の弾性変形による反力が均衡し、安定状態となる(図4(b)、図6の下方安定点(1)参照)。これにより、作業者に、ブレーキ解放状態の安定位置に達したことを知らせるクリック感を与え、且つ、その安定位置でブレーキ手動解放機構を保持することができる。
解放カム10をさらに反時計回りに回動させると、解放カム10はカム孔32の直角形状部32cに到達する。解放アーム30は、弾性変形によりヨーク60方向に押されるとともに、カム台のストッパ部20a方向に押されるため、このストッパ部20aに当接して動きを規制され、これにより解放カム10もそれ以上の回動を抑制される(図6の下方安定点(2)参照)。このようにして、約180度を限度とする回動の制限がなされる。
他方、解放カム10を時計回りに回動させると、再びブレーキを作動させることができる。図5は、このブレーキ作動状態における(a)内部構造及び(b)解放カムの状態を示している。
解放カム10を時計回りに回動させていくと、カム孔32の円弧形状部32aを通過する。カム孔32を介し、解放カム10によって反ヨーク方向に押圧された解放アーム30は、固定部34の延長上にL字状に形成された根元部38を基点として反ヨーク60側に弾性変形して、図5(a)に示すように、2つの突起部36がアーマチュア40から離間する。アーマチュア40は、制動ばね(図示せず。)の作用により摩擦板70に圧接させられるから、ブレーキは再び作動状態となる。
解放カム10をさらに時計回りに回動させると、解放カム10はカム孔32のもう一つの直角形状部32dに到達する。解放アーム30は、解放カム10により反ヨーク60方向に押されるとともに、カム台のストッパ部20a方向にも押されるため、このストッパ部20aに当接して動きを規制され、これにより解放カム10もそれ以上の回動を抑制される(図6の上方安定点(1)参照)。このようにして、解放カム10は、約180度を限度として回動することができる。
そして、D形状の解放カム10の平坦部10fが、カム孔32を反ヨーク側に押す力と解放アーム30の弾性変形による力が均衡すると、図6の上方安定点(1)の状態となり、この位置で安定する。
ここで、図5(b)及び図6に示すように、カム孔32の直線状の反ヨーク側端面32eを、円弧形状部32a側から直角形状部32dに向けてヨーク側に向けて傾斜するように形成すると、さらなる安定化を実現することができる。
すなわち、解放カム10を、上方安定点(2)の状態からさらに時計回りに回動させていくと、解放アーム30の弾性変形力が最大となり、それを越えた位置、すなわち、D形状の解放カム10の平坦部10fが、カム孔32の直線状の反ヨーク側端面32eに当接し、解放アーム30の弾性変形力がその最大弾性変形力より低下した状態で安定する(図5(b)及び図6の上方安定点(1)参照)。
この状態から上方安定点(2)の状態にするには、解放アーム30の最大弾性変形力を克服し、解放カム10を反時計回りに回動させるエネルギーが必要である。従って、この構成によれば、ブレーキ作動状態の安定位置に達したことを明確に知らせるクリック感を作業者に与えるのみならず、誤作動によりブレーキ解放状態とする可能性を著しく低下させることができ、且つ、安定状態でブレーキ手動解放機構を保持することができるから、異音の発生や振動・接触による部品の破損の恐れもなくすことができる。
このフリー安定点〜上方安定点(1)間の、解放カム10及び解放アーム30の作用について、図6を参照しつつさらに詳述する。
フリー安定点においては、解放アーム30の弾性変形量は0である。
次に、上方不安定点においては、解放アーム30の弾性変形力により、反時計回りの回動トルクが解放カム10及びカム孔32間の摩擦抵抗より大きくなるため、解放カム10が反時計回りに回動し、フリー安定点に向かう力が働く。
他方、上方安定点(2)に至ると、解放カム10が、カム孔32の反ヨーク側端面32eを反ヨーク方向に押圧する一方、解放アーム30の弾性変形力により、解放カム10はヨーク側に押される。これにより生じる回動トルクと、解放カム10及びカム孔32の反ヨーク側端面32eの摩擦抵抗が均衡状態となり、解放カム10の反時計回りの回動が抑制され、その位置が保持される。
そして、図6から明らかなように、上方安定点(1)においては、D形状の解放カム10の平坦部10fが、ヨーク側に傾斜するカム孔32の反ヨーク側端面32eに当接した状態にあり、上方安定点(2)よりも、さらに安定した状態にある。従って、上方安定点(1)から上方安定点(2)に移動させるには、これらの安定位置の間で最大となる解放アーム30の弾性変形力を克服し、解放カム10を反時計回りに回動させるエネルギーが必要であるから、解放カム10及び解放アーム30は、さらに安定した状態で維持される。
以上のように、本発明において、解放アーム30は、解放カム10(力点)と対向する位置に、固定部34(支点)、その延長上に弾性変形可能な幅に形成されたL字状の根元部38を有するから、てこの原理を利用して、突起部36(作用点)を動かすことにより、比較的小さい力で、且つ、約180°の範囲内の回動という簡単な操作で、ブレーキの手動解放・作動の切替えを行うことができるという優れた効果を奏する。
なお、前記のとおり、本発明は、(マイナス)ドライバのような一般に使用される工具(治具)によって解放カムを回動させるものであるから、そのための挿通孔80aをブレーキカバーに設ければよく、この挿通孔80aに嵌着させるキャップ82をゴム製にすること等により、防塵・防水可能な密閉構造とし、屋外使用可能なものとすることができる。
また、本実施形態においては、解放カムを反時計回りに回動させることでブレーキを解放し、時計回りに回動させることでブレーキを作動状態にさせるように構成したが、各回動方向を逆になるように構成し、解放カムを時計回りに回動させてブレーキの解放状態、反時計回りに回動させてブレーキの作動状態とすることもできる。
さらに、カム孔32のヨーク側端面32bを、円弧形状部32a側から直角形状部32c側に向けて反ヨーク側(反ヨーク側端面32eの傾斜と逆方向)に向けて傾斜するように形成すると、ブレーキ解放状態の安定位置に達したことを示すさらに大きなクリック感を得ることができ、且つ、ブレーキ解放状態をさらに安定させることができる。
本発明の無励磁作動形電磁ブレーキの手動解放機構を具えた無励磁作動形電磁ブレーキBの正面図で、ブレーキカバー80を透視して見た図。 (a)は、この無励磁作動形電磁ブレーキBの手動解放機構の主要部分、解放カム10、止輪12、カム台20、解放アーム30の分解斜視図、(b)は解放カム10の側面図、(c)は解放アーム30をカム孔32側から見た斜視図。 無励磁作動形電磁ブレーキBの作動状態(カム位置:中間、解放アーム:フリー)を示し、(a)はブレーキカバー80を縦断面で示し、内部構造を側方から見た図、(b)はこのときの解放カム10及びカム孔32の状態を表す図。 無励磁作動形電磁ブレーキBの解放状態(カム位置:下方安定点(1)、解放アーム:固定)を示し、(a)はブレーキカバー80を縦断面で示し、内部構造を側方から見た図、(b)はこのときの解放カム10及びカム孔32の状態を表す図。 無励磁作動形電磁ブレーキBの作動状態(カム位置:上方安定点(1)、解放アーム:固定)を示し、(a)はブレーキカバー80を縦断面で示し、内部構造を側方から見た図、(b)はこのときの解放カム10及びカム孔32の状態を表す図。 ブレーキ作動状態〜解放状態への切替えが行われる際の、解放カム10及び解放アーム30の一連の動きを示す図。
符号の説明
B:無励磁作動形電磁ブレーキ
10:解放カム
20:カム台
20a:ストッパ部
30:解放アーム
32:カム孔
32a:円弧形状部
32b:ヨーク側端面
32c,d:直角形状部
32e:反ヨーク側端面
34:固定部
36:突起部
38:根元部
40:アーマチュア
50:制動板
60:ヨーク
70:摩擦板
80:ブレーキカバー
80a:挿通孔

Claims (5)

  1. ブレーキカバー内に収納された摩擦板、制動板、アーマチュア及びヨークを具えた無励磁作動形電磁ブレーキにおいて、
    前記無励磁作動形電磁ブレーキは、前記ブレーキカバー内に、解放カム、該解放カムが取付けられたカム台、及び解放アームを有し、
    前記解放アームは、前記アーマチュアに対向して延びる突起部と、前記解放カムと係合するカム孔と、該カム孔と対向する端部に前記ブレーキカバー内に固定された固定部と、該固定部の延長上にL字状に形成された根元部を有し、
    前記ブレーキカバーには前記解放カムを回動させるための手動解放手段を挿通させることができる挿通孔が設けられ、
    前記挿通孔を通じて前記ブレーキカバーの外部から挿通された手動解放手段により前記解放カムを回動させることにより、前記カム孔を介し前記解放アームを前記固定部を支点として傾動させ、前記突起部が前記アーマチュアを押圧してブレーキが手動解放されることを特徴とする、
    無励磁作動形電磁ブレーキの手動解放機構。
  2. 前記解放カムが、前記手動解放の方向と逆方向に回動させられ、手動解放の状態と異なる位置に達することによりブレーキが作動状態となり、該作動状態で前記解放カムが前記解放アームの弾性反力を受け、前記解放カム及び解放アームの位置が保持される、請求項1の無励磁作動形電磁ブレーキの手動解放機構。
  3. 前記カム台が、前記解放アームの可動範囲を規制するストッパ部を有し、これにより前記解放カムの回動角度が規制される、請求項1又は2の無励磁作動形電磁ブレーキの手動解放機構。
  4. 前記解放カムが偏心カムで、円弧部と平坦部を有するD形状であり、及び/又は前記解放アームのカム孔が、円弧形状部と直角形状部を有するほぼD形状をなしている、請求項1から3のいずれかの無励磁作動形電磁ブレーキの手動解放機構。
  5. 前記カム孔の直線状の反ヨーク側端面が、前記円弧形状部側から前記直角形状部に向けて前記ヨーク側に向けて傾斜し、及び/又は前記カム孔の直線状のヨーク側端面が、前記円弧形状部側から前記直角形状部に向けて反ヨーク側に向けて傾斜している、請求項1から4のいずれかの無励磁作動形電磁ブレーキの手動解放機構。
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