JP2010116693A - 真空弁ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】汚水を貯留する汚水槽5と、開弁時に、汚水槽5に貯留された汚水を、汚水吸引管8から真空下水管1に送出可能に汚水槽5内に設けられた真空弁7と、汚水槽5に外気を供給可能に汚水槽5に接続された空気吸入管9と、を備えた真空弁ユニットであって、空気吸入管9の内部に、音を振動エネルギに変換して吸音可能な第1吸音部材11および第2吸音部材12が設けられていることを特徴とする真空弁ユニットとした。
【選択図】図1
Description
この真空式汚水収集システムは、家庭などの建物から汚水が導かれる汚水槽を有した真空弁ユニットと、汚水槽に貯留された汚水を、真空下水管を介して集める真空ステーションと、を備えている。そして、汚水槽に貯留された汚水が所定量に達すると、真空弁ユニット内の真空弁が開弁して真空下水管の負圧により、汚水槽内の汚水が真空下水管を介して真空ステーションに集められるようになっている。なお、真空ステーションに集められた汚水は、下流の下水処理施設に集められて所定の浄化処理を受けた後、河川などに放流される。
したがって、汚水槽内に貯留された汚水および空気が真空下水管に吸引されたときには、吸入路から外気が汚水槽内に吸入され、汚水槽内の圧力低下が防止される。
さらに、吸音部材は、重力を立上管部の軸方向に受けることになり、水平管部に設置して重力を軸直交方向に受ける場合よりも、吸音部材が重力によって変形することを抑制でき、吸音性能を安定して維持することができる。
加えて、形状保持部材は、網状に形成されていることで、グラスウールと空気との接触状態を保つことができ、空気吸入管を伝達される吸引音の吸音作用を確保することができる。
また、吸音部材の設置時に、吸音部材を、立上管部の開口部から所定量だけ下方に挿し込んだ時点で、係合部が開口部の周縁に係合し、吸音部材を、その位置に保持させることができる。
このように、吸音部材は、開口部から挿し込んだだけで、保持されるため、設置作業が簡便であり、作業性に優れる。
本発明の実施の形態の真空弁ユニットは、建物(HU)から排出された汚水を貯留する汚水槽(5)と、前記汚水槽(5)の外部の真空下水管(1)に接続される一方、前記汚水槽(5)の下部に開口された汚水吸引管(8)に接続されて、開弁時に、前記汚水槽(5)に貯留された汚水を、汚水吸引管(8)から前記真空下水管(1)に送出可能に前記汚水槽(5)内に設けられた真空弁(7)と、前記汚水槽(5)に外気を供給可能に前記汚水槽(5)に接続された空気吸入管(9)と、を備えた真空弁ユニットであって、前記空気吸入管(9)の内部に、吸音部材(11,12)が設けられていることを特徴とする真空弁ユニットとした。
実施例1の真空弁ユニットAについて説明するのにあたり、まず、この真空弁ユニットAを適用した真空式下水システムSIVの構成について説明する。
なお、真空ステーションSTに集められた汚水は、排水管3を介して集合汚水処理場4に集められて所定の浄化処理を受けた後、河川などに放流される。
真空弁ユニットAは、図1に示すように、地中に埋設される汚水槽5を備えている。この汚水槽5は、略円筒状に形成されており、上端部に設けられた開口部51が、蓋部材52で塞がれている。この汚水槽5としては、FRP樹脂製のものやコンクリート製のものなどが存在するが、本実施例1では、特に、硬質のレジンコンクリート製のものを用いている。
汚水槽5の中間部側面に、汚水流入管2が接続され、建物HU(図3参照)から排出される汚水は、汚水槽5の下部の汚水溜まり部53に貯留される。
この汚水吸引管8は、その先端の開口8aが汚水溜まり部53に配置されるように、真空弁7との接続部分から下方に向けて屈曲されている。
なお、仕切弁6は、真空弁ユニットAのメンテナンスなどに際して、真空下水管1と真空弁7および汚水吸引管8内との連通状態を遮断するために設けられている。
なお、図2に示すように、立上管部92の上端部には、複数の吸気口92bが開口されており、この吸気口92bと開口部92aとの間に、覗き窓92cが開口されている。
吸気弁用吸気管96は、仕切弁6を介して、真空下水管1内に空気吸入管9内の空気を直接供給するもので、汚水槽5が水没した場合でも、真空下水管1内に確実に空気を供給可能としている。
ブリーザ管97は、真空弁7の作動のために必要な大気圧を真空弁コントローラ72に供給する配管である。
すなわち、本実施例1では、空気吸入管9に吸音構造が採用され、また、汚水槽5の開口部51に遮音構造が採用されている。
第1吸音部材11は、立上管部の内周に沿うように円筒状に形成され、立上管部92の吸気口92bよりも下方位置の内周に設置されており、上端部が吸気弁用吸気管96およびブリーザ管97の上端部と略同じ高さに配置されている。
この第1吸音部材11は、立上管部92の開口部92aから挿入可能な外径の略円筒状に形成されており、図2に示すように、内側の形状保持部材111と、この形状保持部材の外周に設けられたグラスウール112と、を備えている。
形状保持部材111は、グラスウール112を円筒状に形状保持させるとともに、空気吸入管9の中央部に直径110mm程度の空気流通用の空間である空気流路113を確保するもので、合成樹脂により網状に形成されている。
グラスウール112は、厚さ24mm程度で、180×360mm程度の長方形シート状のものを、複数枚重ねている。
そして、この第1吸音部材11は、立上管部92の開口部92aから所定高さまで挿し込んで、立上管部92の外周から複数のねじ98を内径方向に貫通させ、ねじ98を形状保持部材111に係合させて固定されている。
反射防止シート122は、音の反射を防止するもので、例えば、ウレタン製のシートで形成され円筒状に巻かれ、外周面が立上管部92の内周に接着材(例えば、両面接着シートなど)を用いて貼設されている。
吸音材121は、音を振動に変えて吸音するものであり、本実施例1では、内部に独立気泡素材の柔らかい発泡内面部を備え、外部がオレフィン系硬質発泡体により縦横両方向に凹凸が連続する形状に形成され、その表面にPET不織布で覆われたものを用いており、略長方形のシートを略円筒状に巻いている。
本実施例1では、遮音構造として、図1に示すように、汚水槽5の開口部51を塞いで遮音部材14が設けられている。
遮音部材14は、吸入音が開口部51を通過するのを抑制するものであり、開口部51を遮蔽して設置されている。本実施例1では、遮音部材14として、厚さ略50mmで、直径が開口部51を塞ぐことができるように、直径600mm程度の大きさの円盤状の発泡ウレタン材が用いられている。
さらに、本実施例1では、蓋部材52の裏面に、制振部材15が貼設されている。この制振部材15は、蓋部材52が吸引音により振動するのを抑制するもので、本実施例1では、下から順に、薄い金属シート、制振樹脂シート、粘着層を積層したもの(例えば、積水化学工業株式会社製の制振シート「レアルシルト」(商標))を用いている。
真空弁ユニットAでは、建物HUから排出された汚水が、汚水溜まり部53に溜まって水位が所定以上になると、真空弁7が開弁し、溜まった汚水が吸引され、真空下水管1を介して、真空ステーションSTに送られる。
この場合、特に、第1吸音部材11と第2吸音部材12とを、直列に設けているため、いずれか一方のみの場合よりも、騒音レベルを低下させることができる。
さらに、蓋部材52では、裏面に制振部材15を貼設していることで、蓋部材52の振動が抑制され、蓋部材52が振動して、吸引音が汚水槽5の外部に伝達するのが抑制される。
この場合、比較のために、本実施例1のもので複数回の測定を実行するとともに、比較例として、第1・第2吸音部材11,12、反射防止部材13、遮音部材14、制振部材15を設けないものでも、複数回の測定を行なった。
なお、上述の測定時の暗騒音は、39〜43dBであった。
a)真空弁7を開弁させて汚水槽5に貯留された汚水を吸引するときに生じる吸引音が、空気吸入管9を介して外部に伝達される際に、空気吸入管9に設けられた第1吸音部材11および第2吸音部材12により、振動エネルギに変換され、外部に伝達される音量を低減できる。したがって、騒音の低減を図ることができる。
さらに、円筒形状の両吸音部材11,12は、重力を立上管部92の軸方向に受けることになり、水平管部91に設置して重力を軸直交方向に受ける場合よりも、円筒形状の両吸音部材11,12が重力によって変形することを抑制でき、吸音性能を安定して維持することができる。
さらに、グラスウール112は、雨水などに濡れても変質することが無く、乾燥後は、所期の吸音性能を得ることができ、吸音性能の安定性に優れる。
さらに、蓋部材52の裏面には、制振部材15を設け、蓋部材52が吸引音で振動するのを抑制するため、これによっても、吸引音が蓋部材52を介して外部に伝達されるのが抑制される。
そこで、本実施例1のように、第1吸音部材11、第2吸音部材12、反射防止部材13、遮音部材14、制振部材15を用いて、吸入音が外部に伝達されるのを抑制することが、より有効となる。
以下に、本発明の実施の形態の他の実施例について説明する。なお、以下の実施例は、実施例1の変形例であるため、実施例1との相違点のみを説明し、実施例1と同様の構成を図示する場合には実施例1と同じ符号を付けて説明を省略する。また、実施例1と同様の作用効果についても説明を省略する。
このように、実施例2では、第1吸音部材201の形状保持部材202に、第1吸音部材201の下方への移動を規制して、立上管部92に挿し込んだ状態を保持可能な係合フランジ204を設けたため、真空弁ユニットの設置時に、第1吸音部材201の挿し込み量を測定しなくても、所定の設置位置に配置されたことを把握できるとともに、それ以上の挿し込みが規制されるため、作業性に優れる。
5 汚水槽
7 真空弁
8 汚水吸引管
8a 開口
9 空気吸入管
11 第1吸音部材
12 第2吸音部材
13 反射防止部材
14 遮音部材
15 制振部材
52 蓋部材
92 立上管部
92a 開口部
94 吸入管ヘッド
95 隙間
111 形状保持部材
112 グラスウール
Claims (5)
- 建物から排出された汚水を貯留する汚水槽と、
前記汚水槽の外部の真空下水管に接続される一方、前記汚水槽の下部に開口された汚水吸引管に接続されて、開弁時に、前記汚水槽に貯留された汚水を前記真空下水管に送出可能に前記汚水槽内に設けられた真空弁と、
前記汚水槽に外気を供給可能に前記汚水槽に接続された空気吸入管と、
を備えた真空弁ユニットであって、
前記空気吸入管の内部に、吸音部材が設けられていることを特徴とする真空弁ユニット。 - 前記空気吸入管は、前記汚水槽への接続部位から横方向に延びる水平管部と、この水平管部から立ち上げられ、先端に外気を吸引する開口部が設けられた立上管部と、を備え、
前記吸音部材が、前記立上管部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の真空弁ユニット。 - 前記吸音部材が、前記立上管部の内周に当接可能な筒状を成したグラスウールと、このグラスウールの内周に当接され、前記グラスウールの円筒形状を保持するとともに、その内側に空気流路を確保する網状の部材により筒状に形成された保持部材と、を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空弁ユニット。
- 前記吸音部材は、前記立上管部の開口部から挿込可能に形成され、かつ、前記吸音部材には、前記立上管部の所定位置に配置したときに、前記開口部に係合状態となって、それ以上の差込方向への移動を規制する係合部が設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の真空弁ユニット。
- 前記立上管部の開口部を空気流通可能な間隙を介して雨水の浸入を抑制可能に覆う吸入管ヘッドが設けられ、
前記吸入管ヘッドにおいて、前記立上管部の開口部に対向する部分に、音の反射を抑制する反射防止部材が設けられていることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の真空弁ユニット。
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