JP2010114404A - 面発光レーザ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】面発光レーザの信頼性及び電流注入効率を向上する。
【解決手段】面発光レーザは、半導体基板101上に順次に積層された、下部DBRミラー103、n型の下部半導体層、活性層105、p型の上部半導体積層、及び、上部DBRミラー109を含む積層構造を有する。上部半導体積層は、1×1019cm-3以上の濃度の炭素をドーパントとして含むIII−V族半導体からなる炭素ドープ層115を活性層105の近傍に有する。炭素ドープ層115は、ドーパント濃度が隣接するp型スペーサ層106,116のドーパント濃度よりも大きく、水素を内部に含む電流狭窄部と、水素を内部に含まない電流注入部とを有する。積層方向において電流狭窄部に隣接する領域の水素濃度が、電流狭窄部の水素濃度よりも低い。
【選択図】図2

Description

本発明は、垂直共振器型面発光レーザ(以下、単に面発光レーザと呼ぶ)及びその製造方法に関し、更に詳しくは、基板上に、p型半導体積層とn型半導体積層とに挟まれ、且つ、これら積層と共に上部反射鏡(上部DBRミラー)と下部反射鏡(下部DBRミラー)との間に配置された活性層を有する面発光レーザ及びその製造方法に関する。
面発光レーザは、活性層を挟むp型半導体積層とn型半導体積層とを介して活性層に電流を注入し、この注入した電流によって活性層から発生した光を、上部反射鏡及び下部反射鏡を含む光共振器によってレーザ発振させている。面発光レーザを製造する際には、円形状に設計された発光領域に電流を集中させる構造、すなわち電流狭窄構造を形成する技術が不可欠である。電流狭窄構造を形成する技術には、メサポスト及び酸化電流狭窄構造を形成する手法、水素イオン注入法や熱拡散による水素イオン拡散法、埋め込みヘテロ(BH)構造を形成する手法などがある。この中で、水素イオン注入法は、安価に且つ容易に面発光レーザを製作できるため、最も大量生産に向く手法であると注目されている(特許文献1参照)。
水素イオン注入法による電流狭窄構造の形成について説明する。p型半導体積層に水素イオンを注入すると、水素イオンが注入された領域中に結晶欠陥が生じ、その結晶欠陥により注入された領域が高抵抗化する。この技術では、例えばフォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストで注入マスクを形成し、半導体積層の所定の領域にのみ水素イオンを注入する。水素イオンが注入された半導体層のうち、水素イオンが注入された領域は高抵抗の電流狭窄領域となり、水素イオンが注入されなかった領域が電流注入領域となることで、電流狭窄構造が形成される。水素イオン注入法を用いると、水素イオンのドーズ量及び加速エネルギーの調整によってそれぞれ、注入濃度及び深さ方向の分布形状が制御できるため、所望の濃度の電流注入領域が所望の位置に形成できる。
電流狭窄構造は、通常は正孔電流の電流経路を限定する。狭窄された正孔は、活性層に向かって移動する際に、すなわち電流として流れる際に、再び横方向に広がる傾向がある。これを防止するためには、電流狭窄層が活性層の近くにあることが望ましい。
ところで、水素イオン注入法を用いて製造された面発光レーザでは、水素の注入に起因して活性層に暗線欠陥(Dark Line Defect: DLD)が生じ、信頼性が低下することがある(非特許文献1参照)。暗線欠陥が生じる原因のひとつとして、水素イオンは、数百keVに加速して注入されることから、半導体原子によって散乱されて、深さ方向の分布が生じることが挙げられる。この深さ方向の分布により、活性層内に意図しない水素の注入が発生し、活性層にダメージを与え、暗線欠陥を発生させる。従って、水素イオン注入法を用いる場合には、注入深さ方向の分布を考慮し、水素が最も高濃度で分布するため欠陥が集中する深さ位置(飛程)を、活性層からある程度離して配置することが好ましい。
一方、注入された水素は、レーザ動作時のキャリア注入下では、非常に不安定な状態にある。このため、電流経路近傍に存在する水素イオンは、面発光レーザの動作時の電流注入により、素子内を動き回り、やがて活性層に到達し、活性層内で欠陥を形成する。この欠陥は、レーザ素子の長期信頼性を損なう場合がある(非特許文献2参照)。
図14は、水素イオン注入法を用いて製造した面発光レーザを、その一部を拡大して示す模式的な断面図である。同図に示すように、この面発光レーザ500は、n型半導体からなる基板501上に順次に積層された、n型半導体多層膜からなる下部DBRミラー503と、活性層505と、p型半導体多層膜からなる上部DBRミラー509とを有する。上部DBRミラー509上には、円環状のp側電極511が形成され、基板501の裏面には、n側電極514が形成されている。円環状の領域A2には、水素が注入されており、高抵抗な電流狭窄領域を形成している。p側電極511からは、領域A2に周囲が囲まれ水素が注入されていない非注入領域を電流経路として、正孔電流が活性層505に注入される。
領域A2は活性層505を含んでいるため、活性層505に暗線欠陥が生じている。また、水素イオン注入領域に生じた複合欠陥が電流注入に伴って移動し、活性層505に達して暗線欠陥を形成する場合もある。ここで、複合欠陥とは、水素やその他の点欠陥、空孔などが複合的に集合した結晶欠陥を示し、暗線欠陥とは欠陥が集合した結果、その領域が光らなくなるタイプの結晶欠陥であり、発光観察において、欠陥部分のみが線状に暗く観察されることから、そのように呼称される。複合欠陥や暗線欠陥は、ダメージや転位などを起点としており、電子とホールの再結合によりエネルギーを得て拡大するため、ダメージなどを含んだ発光デバイス中の活性層に出現し、発光デバイスの信頼性を著しく悪化させる。
上記面発光レーザの信頼性上の問題を解決するために、例えば非特許文献2に記載されるように、一般に熱アニールが用いられる。例えば、水素イオン注入後に、400〜500℃程度の熱アニールを行なうことによって、活性層のダメージをある程度回復させる。また、熱アニールは、不安定な水素イオンを脱離させ、水素イオンが素子内を動き回ることを防止する。
米国特許第5031187号明細書
W. Jiang,C. Gaw,P. Kiely,B. Lawrence,M. Lebby and P. R. Claisse,"Effect of proton implantation on the degradation of GaAs/AlGaAs vertical cavity surface emitting lasers",Electron. Lett. Vol.33,p137,1997 Carl Wilmsen,Henryk Temkin,and Larry A.Coldren,"Vertical-Cavity Surface-Emitting Lasers,Design,Fabrication,Characterization and Applications",Cambridge University Press 1999,pp.200-207
ところで、水素イオン注入による活性層のダメージを避けるためには、前記の通り、電流狭窄層の位置を活性層から離すことが好ましい。しかし、その結果として、電流注入効率の低下が避けられない。上記熱アニールを高温で行なうと、活性層のダメージ回復と不安定な水素の離脱とが実現されるため、電流狭窄層を活性層に近づけることも可能になるように考えられる。しかし、この場合、同時に電流狭窄領域とすべき領域の結晶のダメージも回復してしまうため、一部の結晶欠陥が消失し、水素が拡散してしまう。その結果、高抵抗化した水素イオン注入領域がp型に戻ってしまい、電流狭窄の機能が低下し、電流注入効率が低下する。つまり、水素イオン注入法では、素子の信頼性確保と電流注入効率向上との両立が非常に難しいという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、信頼性の確保と電流注入効率の向上とを同時に実現することが出来る面発光レーザ、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、半導体基板上に順次に積層された、下部DBRミラー、n型の下部半導体層、活性層、p型の上部半導体積層、及び、上部DBRミラーを含む積層構造を有する面発光レーザであって、
前記上部半導体積層は、1×1019cm-3以上の濃度の炭素をドーパントとして含むIII−V族半導体からなる炭素ドープ層を前記活性層の近傍に有し、該炭素ドープ層のドーパント濃度は、積層方向に該炭素ドープ層に隣接する前記上部半導体積層内の半導体層のドーパント濃度よりも大きく、
前記炭素ドープ層は、水素を内部に含む電流狭窄部と、積層面内で該電流狭窄部に囲まれ水素を内部に含まない電流注入部とを有する電流狭窄構造を有し、
前記積層方向において前記電流狭窄部に隣接する狭窄部隣接領域の水素濃度が、前記電流狭窄部の水素濃度よりも低い、
ことを特徴とする面発光レーザを提供する。
また、本発明は、半導体基板上に、半導体多層膜からなる下部DBRミラー、n型半導体からなる下部半導体層、及び、活性層を順次に形成する工程と、
前記活性層上に、1×1019cm-3以上の濃度の炭素をドーパントとして含むIII−V族半導体からなる炭素ドープ層を前記活性層の近傍に有し、前記炭素ドープ層のドーパント濃度が、該炭素ドープ層に積層方向に隣接する半導体層のドーパント濃度よりも大きい上部半導体積層を形成する工程と、
前記炭素ドープ層の周縁部に水素を注入する工程と、
前記水素を注入する工程の後、500℃以上700℃以下の温度で前記半導体基板を熱アニールする工程と、
前記上部半導体積層上に上部DBRミラーを積層する工程と、
前記熱アニールする工程の後、前記上部半導体積層に電気的に接続されたp側電極と、前記下部半導体層に電気的に接続されたn側電極とを形成する工程と、
を有することを特徴とする面発光レーザの製造方法を提供する。
本発明の面発光レーザ及び本発明方法により製造された面発光レーザでは、レーザの信頼性確保と電流注入効率の向上とが同時に実現できる効果が得られる。
本発明の第1の実施形態に係る面発光レーザの模式的な断面図。 図1に示す面発光レーザの第1の製造方法において、注入マスクを除去した後の積層基板の模式的な断面図。 第1の実施形態における熱アニール前の2次イオン質量分析結果を示すグラフ。 第1の実施形態における熱アニール後の2次イオン質量分析結果を示すグラフ。 図1に示す面発光レーザの第2の製造方法において、第1の半導体積層工程後の積層基板の模式的な断面図。 図1に示す面発光レーザの第2の製造方法において、注入マスクを除去した後の積層基板の模式的な断面図。 図1に示す面発光レーザの第2の製造方法において、第2の半導体積層工程後の積層基板の模式的な断面図。 本発明の第2の実施形態に係る面発光レーザの模式的な断面図。 図8に示す面発光レーザの第2の製造方法において、第1の半導体積層工程後の積層基板の模式的な断面図。 図8に示す面発光レーザの第2の製造方法において、注入マスクを除去した後の積層基板の模式的な断面図。 図8に示す面発光レーザの第2の製造方法において、第2の半導体積層工程後の積層基板の模式的な断面図。 本発明の第3の実施形態に係る面発光レーザの模式的な断面図。 本発明の第4の実施形態に係る面発光レーザの模式的な断面図。 従来の面発光レーザの模式的な断面図。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る面発光レーザ及び面発光レーザの製造方法を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る面発光レーザを断面図で示す。面発光レーザ100は、GaAs系の半導体からなり、イントラキャビティコンタクト構造を有し、発振波長が1100nm帯のものである。
図1に示すように、面発光レーザ100は、半絶縁性GaAsからなる基板101上に順次に形成された、半導体層102と、下部DBRミラー103と、下部クラッド層104と、活性層105と、p型スペーサ層106と、電流狭窄層108と、p型スペーサ層116と、p側コンタクト層110とを含む積層構造を有する。p型スペーサ層106は、上部クラッド層としても機能している。なお、下部クラッド層104の一部からp側コンタクト層110までは円柱状のメサポストM1に加工されている。p側コンタクト層110上には円環状のp側電極111が形成されている。p側電極111の円環内のp側コンタクト層110上には、上部DBRミラー109が形成されている。
メサポストM1の外周側の下部クラッド層104上には、平面視半円環状のn側電極114が形成されている。下部クラッド層104は、n側電極114に対して、n側コンタクト層としても機能している。p側電極111、n側電極114の表面以外の部分には、絶縁膜112が形成されている。p側電極111に接するパッド電極113が、メサポストM1側壁面及びメサポストM1下端部周囲の下部クラッド層104上に形成された絶縁膜112上に形成されている。また、パッド電極117が、絶縁膜112に形成された開口を介してn側電極114に接している。
上記面発光レーザ100は、p側電極111とn側電極114とが、下部DBRミラー103と上部DBRミラー109とが形成する光共振器の内側に位置するイントラキャビティ・コンタクト構造を有している。半導体層102は、アンドープGaAsからなる。下部DBRミラー103は、層厚がそれぞれλ/4n(但し、λはレーザ発振波長、nは屈折率)の、アンドープAlAs層103aとGaAs層103bとが交互に35.5ペアだけ積層した構造を有する。下部クラッド層104は、n型ドーパントとしてシリコンを1×1018cm-3程度の濃度でドーピングしたGaAsからなる。活性層105は、ノンドープInGaAs/GaAsからなる3重量子井戸構造を有する。
p型スペーサ層106は、炭素を1×1018cm-3程度の濃度でドーピングしたGaAsからなる。p型スペーサ層116は、同様に、炭素を1×1018cm-3程度の濃度でドーピングしたGaAsからなる。p側コンタクト層110は、炭素を1×1019cm-3程度の高濃度でドーピングしたp+−GaAsからなる。なお、p型スペーサ層106及び116、p側コンタクト層110のドーパントは、炭素に限定されるわけではなく、例えば亜鉛などでも構わない。上部DBRミラー109は、誘電体多層膜反射ミラーであって、層厚がそれぞれλ/4nのTiO層109aとSiO層109bとが交互に6ペアだけ積層した構造を有する。なお、これに代えて、上部DBRミラー109は、例えばSiNx層とSiO層からなる積層構造であってもよい。p側電極111はTi/Au構造を有する。絶縁膜112はSiOからなる。n型及びp型パッド電極113、117はCu/Au構造を有する。n側電極114はAuGe/Ni/Au構造を有する。
電流狭窄層108は、メサポストM1の外周側に位置する電流狭窄部108aと、メサポストM1の中央側に位置する円板形状の電流注入部108bとを有し、炭素を1×1019cm-3以上、好ましくは1×1020cm-3以上の濃度でドーピングしたGaAsからなる。本実施形態では、炭素の濃度は1×1020cm-3である。上記のように、電流狭窄層108のドーパント濃度は、積層方向にこれと隣接するp型スペーサ層106及びp型スペーサ層116のドーパント濃度よりも大きい。ここで、炭素の濃度は高ければ良いというわけでなく、高すぎると光に対して損失となる。従って、炭素の濃度は1×1021cm-3以下であることが望ましい。
電流狭窄層108では、電流注入部108bはp型ドーパントである炭素がドーピングされているため、低抵抗のp型領域を構成している。一方、電流狭窄部108aは、炭素がドーピングされているとともに、炭素の濃度と同程度である1×1019cm−3以上(本実施形態では1×1020cm−3程度)の濃度の水素を含んでいる。このため、炭素アクセプタのほとんど全てを不活性化させることができる。その結果、電流狭窄部108aは高抵抗領域を構成している。なお、電流狭窄部108aの上下の半導体層の領域(狭窄部隣接領域)の水素濃度は、これらの半導体層におけるドーパント(本実施形態では炭素)の濃度と同程度である1×1018cm-3以下であることが好ましい。
本実施形態の面発光レーザ100では、電流狭窄層108により、電流経路が適切に狭窄され、高い注入効率で活性層105に到達する。電流狭窄部108aが炭素を含んでいるため、水素は炭素に強くひきつけられて、電流狭窄部108aに安定して存在している。このため、水素が素子内を動き回ることもないので、長期にわたって信頼性が高く、安定した特性を有する面発光レーザが得られる。また、電流狭窄層108は、活性層105の近くに形成されているので、電流狭窄層108によって経路が狭窄された電流は、p型スペーサ層106において横方向に広がることなく活性層105に注入される。このため、高い電流注入効率が得られる。
(第1の実施形態に係る面発光レーザの第1の製造方法)
つぎに、本第1の実施形態に係る面発光レーザ100の第1の製造方法について説明する。まず、基板101上に、半導体層102と、下部DBRミラー103と、下部クラッド層104と、活性層105と、p型スペーサ層106と、電流狭窄層108を形成すべき高濃度炭素含有層(炭素ドープ層)115と、p型スペーサ層116と、p側コンタクト層110とを順次に積層する。高濃度炭素含有層115は、炭素を1×1019cm-3以上、好ましくは1×1020cm−3以上の濃度(本実施形態例では1×1020cm-3)でドーピングしたGaAsからなる。以降、上記半導体層を積層した基板を積層基板と呼ぶ。
次いで、フォトリソグラフィ法を用いて、積層基板上にフォトレジスト膜から成る注入マスクを形成する。更に、この注入マスクをマスクとして、水素イオン注入法を用いて、電流狭窄部を形成すべき領域に、加速電圧100keV、ドーズ量4×1014cm-2で水素イオンを注入する。その後、注入マスクを除去する。
図2は、上記注入マスクを除去した後の積層基板の断面を模式的に示す。同図に示すように、水素イオンは、領域A1に注入されている。その結果、領域A1は高抵抗領域を構成する。ここで、領域A1の半導体は、水素イオンの注入によってダメージを受け、複合欠陥が生じている。特に領域A1の深さ方向の水素分布は活性層105に到達しているため、活性層105にもダメージが含まれている。
次いで、積層基板に対して、500℃以上700℃以下の温度、例えば650℃付近の温度で熱アニールを1分(30秒〜2分)行う。図3及び図4はそれぞれ、この熱アニール前、及び、熱アニール後の水素イオン注入領域の2次イオン質量分析(SIMS)による分析結果を示す。図3、4において、横軸はスパッタリング時間であって深さに対応し、縦軸は較正された濃度である。熱アニールにより、領域A1における半導体のダメージが回復し、複合欠陥が消失するので、領域A1の高濃度炭素含有層115以外の領域において水素が離脱する。その結果、活性層105におけるダメージも消失する。一方、高濃度炭素含有層115の領域A1に含まれる部分では、炭素に引きつけられて水素が残留する。その結果、水素が離脱した領域では半導体がp型に戻り、水素が残留した領域は高抵抗領域のままとなる。
熱アニールを、500℃以上700℃以下の温度で行うことによって、領域A1において、高濃度炭素含有層115の上下の半導体層の水素濃度が、高濃度炭素含有層115の水素濃度より低く、高濃度炭素含有層115の上下の半導体層の炭素濃度と等しい状態が実現される。ここで熱アニール温度が500℃より低いと、高濃度炭素含有層115以外の領域、例えば活性層などにおける水素の離脱が十分に行えず、ダメージも残ってしまう。一方、熱アニール温度が700℃より高いと、高濃度炭素含有層115の領域A1に含まれる部分における水素まで離脱してしまい、電流狭窄部としての機能が失われてしまう。従って、熱アニールは、500℃以上700℃以下の温度で行うことが好ましい。なお、高濃度炭素含有層115の領域A1に含まれる部分には電流が流れないために、電子とホールの再結合は起きない。従って、高濃度炭素含有層115の領域A1に含まれる部分にダメージが残っていても、ダメージが暗線欠陥に成長することはない。
上記のように、熱アニールによって活性層105の暗線欠陥が消失するので、電流狭窄層108を活性層105の近くに配置することができる。水素イオン注入法を用いることで、安価で容易に電流狭窄層108を形成することができる。
次いで、フォトリソグラフィ法を用いて、積層基板のp側コンタクト層110上に円環状の電極パターンを形成し、Ti/Au構造の金属層を真空蒸着し、リフトオフしてp側電極111を形成する。つぎに、光学長モニタ付き電子ビーム蒸着装置を用いて、積層基板の全面に上部DBRミラー109を形成した後、p側電極111の円環内以外の部分をリフトオフにより除去する。
次いで、p側電極111の外側を、例えば塩素系ドライエッチングによって、活性層105より下方の下部クラッド層104内に達する深さまでエッチングを行なう。このエッチングによって、メサポストM1を形成するとともに、メサポストM1の外周側に下部クラッド層104を露出させる。このようなメサポスト構造を形成することによって、面発光レーザの高速変調動作に悪影響を及ぼす寄生容量を減らすことができる。その後、下部クラッド層104の露出した表面に、AuGe/Ni/Au構造の金属膜を堆積し、リフトオフによって、平面視で半円環状のn側電極114を形成する。
次いで、プラズマCVD法を用いて積層基板の全面に絶縁膜112を形成する。更に、フォトリソグラフィ法を用いて、p側電極111及びn側電極114上の絶縁膜112をエッチング除去し、Cu/Au構造の金属膜を形成し、リフトオフ法を用いてパターニングすることによって、パッド電極113、117を形成する。その後、基板101の裏面を基板厚さが250μm程度になるように研磨する。更に、素子分離を行い、面発光レーザ100を完成させる。
(第1の実施形態に係る面発光レーザの第2の製造方法)
つぎに、本第1の実施形態に係る面発光レーザ100の第2の製造方法について説明する。
通常、p側コンタクト層110には、抵抗を下げるために高濃度の炭素がドーピングされることが多い。第1の製造方法では、p側コンタクト層110を形成した後、積層基板に水素イオンを注入したが、この場合、p側コンタクト層110は水素イオン注入によりダメージを受け、また、注入した水素が炭素に引き付けられて熱アニール後にもp側コンタクト層110内に水素が残留し高抵抗化してしまう場合がある。そこで、第2の製造方法では、p側コンタクト層110を水素イオンの注入工程を行った後に形成することとしている。以下、第2の製造方法について説明する。
はじめに、第1の半導体積層工程として、基板101上に、半導体層102と、下部DBRミラー103と、下部クラッド層104と、活性層105と、p型スペーサ層106と、電流狭窄層108を形成すべき高濃度炭素含有層115と、p型スペーサ層116とを順次積層する(図5)。なお、この高濃度炭素含有層115は、炭素を1×1020cm-3の濃度でドーピングしたGaAsからなる。
つぎに、フォトリソグラフィ法を用いて、フォトレジストで積層基板上に注入マスクを形成する。つぎに、水素イオン注入法を用いて、電流狭窄部を形成すべき領域に、加速電圧100keV、ドーズ量4×1014cm-2で水素イオンを注入する。その後、注入マスクを除去する。図6は、注入マスクを除去した後の積層基板の断面を模式的に示す図である。図6に示すように、水素イオンは、領域A1に注入されている。その結果、領域A1は高抵抗になっている。
つぎに、第2の半導体積層工程として、積層基板上に1×1019cm-3以上の濃度の炭素をドーパントとして含むp側コンタクト層110を積層する(図7)。この過程において積層基板は600℃程度(500℃〜700℃)になる。このような高温状態におかれることにより積層基板は熱アニールされ、領域A1における半導体のダメージが回復し、複合欠陥が消失するので、領域A1の高濃度炭素含有層115以外の領域において水素が離脱する。一方、高濃度炭素含有層115の領域A1に含まれる部分では、p側コンタクト層110を成長した後も炭素に引き付けられて水素が残留する。その結果、水素が離脱した領域では半導体がp型に戻り、水素が残留した領域は高抵抗のままとなる。このように、第2の半導体積層工程における高温状態によって、領域A1において、高濃度炭素含有層115の上下の半導体層の水素濃度が、高濃度炭素含有層115の水素濃度より低く、高濃度炭素含有層115の上下の半導体層の炭素濃度と等しい状態が実現される。また、水素イオン注入を行った後に炭素をドーパントとして含むp側コンタクト層110を形成することにより、p側コンタクト層110が水素イオン注入時のダメージにさらされることがなく、p側コンタクト層110における水素濃度は1×1018cm-3以下とすることができる。このため、p側コンタクト層110が高抵抗化することがない。
その後は第1の製造方法と同様にして、p側電極111、メサポスト構造M1、n側電極114、パッド電極113、117を順次形成し、面発光レーザ素子100が完成する。
本実施形態に係る面発光レーザ100は、上部p型積層構造が、1×1019cm-3以上の濃度の炭素をドーパントとして含むIII−V族半導体からなる炭素ドープ層を前記活性層の近傍に有すること、炭素ドープ層のドーパント濃度が、炭素ドープ層に積層方向に隣接する半導体層のドーパント濃度よりも大きいこと、炭素ドープ層の周縁部が水素を含むことによって中央部よりも高抵抗化されることにより、周縁部が電流狭窄部、中央部が電流注入部である電流狭窄構造を形成すること、及び、炭素ドープ層の周縁部の上下の半導体層の領域(狭窄部隣接領域)の水素濃度が、炭素ドープ層の周縁部の水素の濃度よりも低いことから、高信頼性と高電流注入効率とを同時に実現することが出来る。
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る面発光レーザの模式的な断面図である。本実施形態に係る面発光レーザ200は、GaAs系の半導体からなり、レーザ発振波長が850nm帯のものである。
図8に示すように、この面発光レーザ200は、n型GaAsからなる基板201上に順次に形成された、n型半導体層202と、分布ブラッグ反射鏡(DBR)である下部DBRミラー203と、下部クラッド層204と、活性層205と、上部クラッド層206と、p型半導体層207と、電流狭窄層208と、上部DBRミラー209と、p側コンタクト層210とを含む積層構造を有する。下部DBRミラー203の一部から、p側コンタクト層210までは円柱状のメサポストM2に加工されている。p側コンタクト層210上には、円環状のp側電極211が形成されている。p側電極211の表面以外の表面は、絶縁膜212に覆われている。p側電極211に接するパッド電極213が、メサポストM2の側面、及び、メサポストM2の周囲の下部DBRミラー203上に形成された絶縁膜212上に延びている。基板201の裏面にはn側電極214が形成されている。
n型半導体層202は、n型のキャリア濃度が1×1018cm-3程度のAl0.2Ga0.8Asからなる。下部DBRミラー203は、n型キャリア濃度が1×1018cm-3程度であって、層厚がそれぞれλ/4n(但し、λはレーザ発振波長、nは屈折率)のAl0.9Ga0.1As層203aとAl0.2Ga0.8As層203bとが交互に35.5ペアだけ積層された構造を有する。下部クラッド層204は、n型のキャリア濃度が1×1018cm-3程度のAl0.3Ga0.7Asからなる。活性層205は、ノンドープAl0.2Ga0.8As/GaAsからなる3重量子井戸構造を有する。
上部クラッド層206は、p型キャリア濃度が5×1017cm-3程度のAl0.3Ga0.7Asからなる。なお、下部クラッド層204の下端から上部クラッド層206の上端までの厚さは、光学長に換算してλになるように形成され、いわゆるλ共振器を形成している。なお、光学長とは、層厚に屈折率を掛けたものである。p型半導体層207は、p型のキャリア濃度が1×1018cm-3程度のAl0.9Ga0.1Asからなる。上部DBRミラー209は、p型キャリア濃度が1×1018cm-3程度であって、膜厚がそれぞれλ/4nのAl0.9Ga0.1As層209aとAl0.2Ga0.8As層209bとが交互に24.5ペアだけ積層した構造を有する。p側コンタクト層210は、p型キャリア濃度が1×1019cm-3程度の高濃度であるp+−GaAsからなる。
上記したように、活性層205は、n型半導体層202から下部クラッド層204までのn型半導体積層と、上部クラッド層206からp側コンタクト層210までのp型半導体積層に挟まれ、且つ、これら半導体領域と共に下部DBRミラー203と上部DBRミラー209との間に配置されている。p側電極211はTi/Au構造を有する。絶縁膜212はSiOからなる。パッド電極213はCu/Au構造を有する。n側電極214はCr/Au構造を有する。
電流狭窄層208は、メサポスト外周側に位置する電流狭窄部208aと、メサポストM2の中心に位置する円板形状の電流注入部208bとを有し、炭素を1×1019cm-3の濃度でドーピングしたGaAsからなる。このように、電流狭窄層208のドーパント濃度は、積層方向に隣接するp型半導体層207及び上部DBRミラー209のドーパント濃度よりも大きい。
電流狭窄層208は、第1の実施形態と同様に、電流注入部208bが低抵抗のp型半導体から成る。一方、電流狭窄部208aは、炭素がドーピングされ、且つ、1×1019cm-3程度の濃度で安定して存在する水素を含んでおり、高抵抗領域を構成する。この構造により、注入電流の経路が適切に狭窄され、高い注入効率で活性層205に到達する。また、水素がデバイス内を動き回ることもないので、長期にわたって信頼性が高く、安定した特性を有する面発光レーザが得られる。
(第2の実施形態に係る面発光レーザの第1の製造方法)
以下、本第2の実施形態に係る面発光レーザ200の第1の製造方法について説明する。まず、基板201上に、n型半導体層202と、下部DBRミラー203と、下部クラッド層204と、活性層205と、上部クラッド層206と、p型半導体層207と、電流狭窄層を形成すべき高濃度炭素含有層と、上部DBRミラー209と、p側コンタクト層210とを順次に積層する。高濃度炭素含有層は、濃度1×1019cm-3で炭素をドーピングしたGaAsから成る。
次いで、フォトリソグラフィ法を用いて、フォトレジストで積層基板上に注入マスクを形成する。つぎに、水素イオン注入法を用いて、電流狭窄部を形成すべき領域に、加速電圧350keV、ドーズ量4×1014cm-2でプロトン(水素イオン)を注入する。その後、注入マスクを除去する。
次いで、積層基板に、500℃以上700℃以下の温度、例えば650℃で熱アニールを1分(30秒から2分)行う。これによって、高濃度炭素含有層は電流狭窄部208aと電流注入部208bとを有する電流狭窄層208になり、且つ、半導体のダメージ回復と不要な水素の離脱とが実現される。
次いで、第1の実施形態の場合と同様にしてp側電極211を形成する。つぎに、p側電極211の外側を、活性層205より下方の下部DBRミラー203内に達する深さまで、例えば塩素系ドライエッチングによりエッチングを行ない、メサポストM2を形成する。メサポスト構造によって、素子の高速変調動作に悪影響を及ぼす寄生容量を減らすことができる。つぎに、プラズマCVD法を用いて積層基板の全面に絶縁膜212を形成する。その後、リソグラフィ法を用いてp側電極211上部の絶縁膜212をエッチング除去し、更に、Cu/Au構造の金属膜を形成し、リフトオフ法を用いてパターニングすることによってパッド電極213を形成する。つぎに、基板201の裏面を基板厚さが250μm程度になるように研磨した後、研磨した裏面にCr/Auを蒸着してn側電極214を形成する。その後素子分離して面発光レーザ200が完成する。
本実施形態に係る面発光レーザ200は、第1の実施形態と同様に、高信頼性と高電流注入効率とを同時に実現する。
(第2の実施形態に係る面発光レーザの第2の製造方法)
つぎに、本第2の実施形態に係る面発光レーザ200の第2の製造方法について説明する。
通常、p側コンタクト層210には、抵抗を下げるために高濃度の炭素がドーピングされることが多い。第1の製造方法では、p側コンタクト層210を形成した後、積層基板に水素イオンを注入したが、この場合、p側コンタクト層210は水素イオン注入によりダメージを受け、また、注入した水素が炭素に引き付けられて熱アニール後にもp側コンタクト層210内に水素が残留し高抵抗化してしまう場合がある。そこで、第2の製造方法では、p側コンタクト層210を水素イオンの注入工程を行った後に形成することとしている。以下、第2の製造方法について説明する。
はじめに、第1の半導体積層工程として、基板201上に、n型半導体層202と、下部DBRミラー203と、下部クラッド層204と、活性層205と、上部クラッド層206と、p型半導体層207と、電流狭窄層を形成すべき高濃度炭素含有層215と、上部DBRミラー209の一部とを順次積層する(図9)。高濃度炭素含有層215は、炭素を1×1019cm-3の濃度でドーピングしたGaAsからなる。
つぎに、フォトリソグラフィ法を用いて、フォトレジストで積層基板上に注入マスクを形成する。つぎに、水素イオン注入法を用いて、電流狭窄部を形成すべき領域に、加速電圧100keV、ドーズ量4×1014cm-2で水素イオンを注入する。その後、注入マスクを除去する。図10は、注入マスクを除去した後の積層基板の断面を模式的に示す図である。図10に示すように、水素イオンは、領域A2に注入されている。その結果、領域A2は高抵抗になっている。
つぎに、第2の半導体積層工程として、積層基板上に上部DBRミラー209の残りと、1×1019cm-3以上の濃度の炭素をドーパントとして含むp側コンタクト層210とを順次に積層する(図11)。この過程において積層基板は600℃程度(500℃〜700℃)になる。このような高温状態におかれることにより積層基板は熱アニールされ、水素イオン注入領域における半導体のダメージが回復し、複合欠陥が消失するので、水素イオン注入領域の高濃度炭素含有層以外の領域において水素が離脱する。一方、水素イオン注入領域の高濃度炭素含有層では、上部DBRミラー209の残りとp側コンタクト層210を形成した後も炭素に引き付けられて水素が残留する。その結果、水素が離脱した領域では半導体がp型に戻り、水素が残留した領域は高抵抗のままとなる。また水素イオン注入を行った後に、炭素をドーパントとして含むp側コンタクト層210を形成することにより、p側コンタクト層210が水素イオン注入時のダメージにさらされることがなく、p側コンタクト層210における水素濃度は1×1018cm-3以下とすることができる。このため、p側コンタクト層210が高抵抗化することがない。
その後は第1の製造方法と同様にして、p側電極211、メサポスト構造M2、パッド電極213、n側電極214を順次形成し、面発光レーザ素子200が完成する。
(第3の実施形態)
つぎに、本発明の第3の実施形態に係る面発光レーザについて説明する。図12は、本発明の第3の実施形態に係る面発光レーザの模式的な断面図である。本実施形態に係る面発光レーザは、GaAs系の半導体からなり、レーザ発振波長が850nm帯のものである。本実施形態に係る面発光レーザは、第2の実施形態における上部DBRミラー内に、フォトニック結晶構造が形成された構造を有しており、且つ、このフォトニック結晶構造を構成する2次元空孔配列の中央部に空孔が存在しない点欠陥318aが形成されている。メサポストM3は、下部DBRミラー303の上部から上部DBRミラー309までの積層構造に形成されている。p側電極311、絶縁膜312、p側パッド電極313の構成は第2の実施形態と同様である。n側電極314は、n型GaAs基板301の裏面に形成されている。
上記フォトニック結晶構造では、周期的な2次元空孔配列318によって、光が感じる屈折率が僅かに低下し、中央の空孔がない点欠陥領域318aはコア、これを取り囲む領域はクラッドとして機能する。このような弱い屈折率閉じ込めによって、横モード制御を行うことから、広い発光面積であっても基本横モードのみを発振させることができる。この構造の面発光レーザは、フォトニック結晶面発光レーザとも呼ばれている。フォトニック結晶面発光レーザの電流狭窄構造としては、より安定した横モード制御を行うために、屈折率差を伴わない構造が望ましく、従って酸化電流狭窄法よりも水素イオン注入法の方が望ましい。
図12に示すように、本実施形態の面発光レーザは、上部DBRミラー309内に、2次元空孔配列318が形成されている点において、第2の実施形態と異なっている。上部DBRミラー309は、第1の実施形態と同様に、Al0.9Ga0.1As層309a及びAl0.2Ga0.8As層309bから構成される半導体DBRミラーである。下部DBRミラー303は、第2の実施形態と同様に、Al0.9Ga0.1As層303aとAl0.2Ga0.8As層303bとが交互に35.5ペアだけ積層された構造を有する。なお、各層のドーピングの導電型、濃度については、第2の実施形態例と同様である。
以下、本実施形態に係る面発光レーザ300の製造方法について説明する。まず、例えば分子線エピタキシー(MBE)法や有機金属気相成長(MOCVD)法を用いて、基板301上に、n型半導体層302と、n型半導体層からなる下部DBRミラー303と、下部クラッド層304と、活性層305と、上部クラッド層306と、p型半導体層307と、電流狭窄層308を形成すべき高濃度炭素含有層と、p型半導体層からなる上部DBRミラー309と、p側コンタクト層310とを順次に積層する。高濃度炭素含有層は、濃度1×1019cm-3で炭素をドーピングしたGaAsから成る。
次いで、フォトリソグラフィ法を用いて、フォトレジストで積層基板上に注入マスクを形成する。つぎに、水素イオン注入法を用いて、電流狭窄部を形成すべき領域に、加速電圧350keV、ドーズ量4×1014cm-2でプロトン(水素イオン)を注入する。その後、注入マスクを除去する。
つぎに、積層基板に、500℃以上700℃以下の温度、例えば650℃で熱アニールを1分(30秒から2分)行う。これによって、高濃度炭素含有層は電流狭窄部308aと電流注入部308bとを有する電流狭窄層308になり、且つ、半導体のダメージ回復と不要な水素の離脱とが実現される。
次に、積層構造の表面に、プラズマCVD法を用いて新たにSiNx膜を成膜する。フォトリソグラフィ法とRIE(反応性イオンエッチング:Reactive Ion Etching)法により、SiNx膜を、中央部に円孔がない点欠陥を有し、周期3.5〜4.5μmの三角格子状の2次元円孔配列構造を有するパターンに加工する。このSiNx膜からなる円孔配列構造をマスクとし、Clを用いたICP(誘導結合プラズマ:Inductively Coupled Plasma)ドライエッチングにより、積層基板に深さ3.0μm程度の円孔配列構造を形成する。さらにRIE法によりSiNx膜を全て除去する。なお、円孔の配列周期、深さなどは、円孔が形成された部分の平均屈折率と円孔がない点欠陥の平均屈折率との差により、基本横モード発振が得られるように、適宜調整される。
その後の製造方法については、第2の実施形態に係る面発光レーザの第1の製造方法とほぼ同様に行うことができる。また、第2の実施形態に係る面発光レーザの第2の製造方法のように、上部DBRミラー309の一部とp側コンタクト層310の形成を、水素イオン注入後に行ってもよい。
本実施形態に係る面発光レーザ300は、第1及び第2の実施形態と同様に高信頼性と高電流注入効率とを同時に実現し、かつ、基本横モード発振が容易に実現可能となる。
(第4の実施形態)
つぎに、本発明の第4の実施形態に係る面発光レーザについて説明する。本実施形態に係る面発光レーザは、GaAs系の半導体からなり、イントラキャビティコンタクト構造を有し、発振波長が1300nm帯のものである。
図13は、本実施形態に係る面発光レーザの模式的な断面図である。同図に示すように、本実施形態の面発光レーザは、上部DBRミラー409内に、2次元周期的な屈折率の分布が形成されている点、及び、活性層材料としてGaInNAs/GaAsの量子井戸構造を用いる点において、第1の実施形態と異なっている。メサポストM4は、下部クラッド層404の上部からp側コンタクト層410までの積層に形成され、上部DBRミラーの大部分は、更にそのメサポストM4の上部に形成されている。絶縁膜412、p側電極411、p側パッド電極413の構造は第1の実施形態と同様である。n側電極414は、下部クラッド層404上に形成され、n側パッド電極417は、その表面に絶縁膜の開口を介して接している。上部DBRミラー409は、TiO層409aとSiO層409bとから構成される。なお、各層のドーピングの導電型、濃度については、第1の実施形態例と同様である。
つぎに、本実施形態に係る面発光レーザ400の製造方法について説明する。まず、基板401上に、半導体層402と、下部DBRミラー403と、下部クラッド層404と、活性層405と、p型スペーサ層406と、電流狭窄層408を形成すべき高濃度炭素含有層と、p型スペーサ層416と、p側コンタクト層410とを順次に積層する。高濃度炭素含有層は、炭素を1×1020cm-3の濃度でドーピングしたGaAsからなる。下部DBRミラー403は、AlAs層403aとGaAs層403bから成る。
次いで、フォトリソグラフィ法を用いて、フォトレジストで積層基板上に注入マスクを形成する。つぎに、水素イオン注入法を用いて、電流狭窄部を形成すべき領域に、加速電圧100keV、ドーズ量4×1014cm-2で水素イオンを注入する。その後、注入マスクを除去する。
次いで、積層基板に、500℃以上700℃以下の温度、例えば650℃付近の温度で熱アニールを1分(30秒から2分)行う。これによって、高濃度炭素含有層は電流狭窄部408aと電流注入部408bとを有する電流狭窄層408になり、且つ、半導体のダメージ回復と不要な水素の離脱とが実現される。
次いで、第1の実施形態の場合と同様にしてp側電極411を形成する。つぎに、光学長モニタ付き電子ビーム蒸着装置を用いて、積層基板の全面に上部DBRミラー409のうち少なくとも1層の誘電体層を形成する。つぎにフォトリソグラフィ法とRIE法により、形成した上部DBRミラー409の誘電体層をエッチングし、2次元円孔配列418を有する円孔形成層を形成する。
次いで、先の電子ビーム蒸着装置を用いて、積層基板の全面に上部DBRミラー409の残りの誘電体層を形成する。この工程により、先に形成した上部DBRミラー409の最下層の誘電体層に形成された2次元円孔配列は、その最下層の誘電体層を起点として、円孔配列の形状を少なくとも部分的に保持しながら、上部の誘電体層に伝達される。このようにして、上部DBRミラー409は、積層された誘電体層の全体に屈折率の2次元配列構造が形成される。つぎに、p側電極411の円環内以外の部分をリフトオフにより除去する。
その後の製造方法については、第1の実施形態に係る面発光レーザの第1の製造方法とほぼ同様に行うことができる。また、第1の実施形態に係る面発光レーザの第2の製造方法のように、p側コンタクト層410の形成を水素イオン注入後に行ってもよい。
本実施形態に係る面発光レーザ400は、高信頼性と高電流注入効率とを同時に実現し、かつ基本横モード発振が可能となる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
100、200、300、400:面発光レーザ
101、201、301、401:基板
102、402:半導体層
103、203,303、403:下部DBRミラー
103a、403a:AlAs層
103b、403b:GaAs層
104、204、304、404:下部クラッド層
105、205,305、405:活性層
106、116、406、416:p型スペーサ層
108、208,308、408:電流狭窄層
108a、208a、308a、408a:電流狭窄部
108b、208b、308b、408b:電流注入部
109、209、309、409:上部DBRミラー
109a、409a:TiO
109b、409b:SiO
110、210、310、410:p側コンタクト層
111、211、311、411:p側電極
112、212、312、412:絶縁膜
113、213、313、413、117、417:パッド電極
114、214、314、414:n側電極
115、215:高濃度炭素含有層(炭素ドープ層)
202、302:n型半導体層
203a、303a:Al0.9Ga0.1As層
203b、303b:Al0.2Ga0.8As層
206、306:上部クラッド層
207、307:p型半導体層
209a、309a:Al0.9Ga0.1As層
209b、309b:Al0.2Ga0.8As層
318、418:2次元円孔配列
318a:点欠陥領域
M1〜M4:メサポスト構造

Claims (14)

  1. 半導体基板上に順次に積層された、下部DBRミラー、n型の下部半導体層、活性層、p型の上部半導体積層、及び、上部DBRミラーを含む積層構造を有する面発光レーザであって、
    前記上部半導体積層は、1×1019cm-3以上の濃度の炭素をドーパントとして含むIII−V族半導体からなる炭素ドープ層を前記活性層の近傍に有し、該炭素ドープ層のドーパント濃度は、積層方向に該炭素ドープ層に隣接する前記上部半導体積層内の半導体層のドーパント濃度よりも大きく、
    前記炭素ドープ層は、水素を内部に含む電流狭窄部と、積層面内で該電流狭窄部に囲まれ水素を内部に含まない電流注入部とを有する電流狭窄構造を有し、
    前記積層方向において前記電流狭窄部に隣接する狭窄部隣接領域の水素濃度が、前記電流狭窄部の水素濃度よりも低い、
    ことを特徴とする面発光レーザ。
  2. 前記炭素ドープ層の前記電流狭窄部の水素濃度が1×1019cm-3以上であり、前記狭窄部隣接領域の水素濃度が1×1018cm-3以下である、請求項1に記載の面発光レーザ。
  3. 前記上部DBRミラーが誘電体多層膜からなり、n側電極が前記下部半導体層上に形成され、p側電極が前記上部半導体積層上に形成されている、請求項1又は2に記載の面発光レーザ。
  4. 前記上部半導体積層上に1×1019cm-3以上の濃度の炭素をドーパントとして含むIII−V族半導体からなるp側コンタクト層を更に有し、前記p側電極が前記p側コンタクト層上に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の面発光レーザ。
  5. 前記半導体基板がn型半導体基板であり、前記下部DBRミラーがn型半導体多層膜からなり、前記上部DBRミラーがp型半導体多層膜からなり、n側電極が前記半導体基板の下面に形成され、p側電極が前記上部DBRミラー上に形成されている、請求項1又は2に記載の面発光レーザ。
  6. 前記上部DBRミラー上に1×1019cm-3以上の濃度の炭素をドーパントとして含むIII−V族半導体からなるp側コンタクト層を更に有し、前記p側電極が前記p側コンタクト層上に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の面発光レーザ。
  7. 前記p側コンタクト層の水素濃度が1×1018cm-3以下である、請求項4又は6に記載の面発光レーザ。
  8. 前記炭素ドープ層の前記電流狭窄部に存在する水素が、前記p側電極及び前記n側電極を介した電流注入の際に前記電流狭窄部内に実質的に留まる、請求項3乃至7の何れか一に記載の面発光レーザ。
  9. 前記炭素ドープ層が1×1020cm-3以上の濃度の炭素をドーパントとして含む、請求項1乃至8の何れか一に記載の面発光レーザ。
  10. 前記炭素ドープ層がGaAs層である、請求項1乃至9の何れか一に記載の面発光レーザ。
  11. 前記上部DBRミラーの少なくとも一部には、積層面内における所定の領域を除き、前記積層面内において周期的な屈折率の2次元分布が形成されている、請求項1乃至10の何れか一に記載の面発光レーザ。
  12. 半導体基板上に、半導体多層膜からなる下部DBRミラー、n型半導体からなる下部半導体層、及び、活性層を順次に形成する工程と、
    前記活性層上に、1×1019cm-3以上の濃度の炭素をドーパントとして含むIII−V族半導体からなる炭素ドープ層を前記活性層の近傍に有し、前記炭素ドープ層のドーパント濃度が、該炭素ドープ層に積層方向に隣接する半導体層のドーパント濃度よりも大きい上部半導体積層を形成する工程と、
    前記炭素ドープ層の周縁部に水素を注入する工程と、
    前記水素を注入する工程の後、500℃以上700℃以下の温度で前記半導体基板を熱アニールする工程と、
    前記上部半導体積層上に上部DBRミラーを積層する工程と、
    前記熱アニールする工程の後、前記上部半導体積層に電気的に接続されたp側電極と、
    前記下部半導体層に電気的に接続されたn側電極とを形成する工程と、
    を有することを特徴とする面発光レーザの製造方法。
  13. 前記熱アニールする工程は、前記上部半導体積層上に1×1019cm-3以上の濃度の炭素をドーパントとして含むIII−V族半導体からなるp側コンタクト層を積層することを含み、
    前記p側電極を前記p側コンタクト層上に形成することを特徴とする請求項12に記載の面発光レーザの製造方法。
  14. 請求項12又は13に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする面発光レーザ。
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