JP2010114331A - エピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱放射ランプの出力調節では十分にできない局所的な温度分布を解消する調整方法により、均一な厚さの、欠陥の少ない良好なエピタキシャルウェーハを製造する。
【解決手段】ハロゲンランプ等のような放射熱によりサセプターを加熱してその上に載置される基板となるシリコンウェーハを加熱するエピタキシャルウェーハ製造方法において、該サセプターを回転支持する回転軸を囲うように配置された円筒状のリフレクターの形状を変更することにより、局所的な温度調整をすることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】ハロゲンランプ等のような放射熱によりサセプターを加熱してその上に載置される基板となるシリコンウェーハを加熱するエピタキシャルウェーハ製造方法において、該サセプターを回転支持する回転軸を囲うように配置された円筒状のリフレクターの形状を変更することにより、局所的な温度調整をすることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体の集積回路素子等に使用されるエピタキシャルウェーハの製造方法に関し、特に、エピタキシャル成長の際にウェーハの温度を制御するエピタキシャルウェーハの製造方法及び製造装置に関する。
シリコン半導体による集積回路素子(デバイス)の高密度化傾向は、急速に進行しており、デバイスを形成させるシリコンウェーハの品質への要求は、ますます厳しくなっている。即ち、集積が高密度化するほど回路は繊細となるので、リーク電流の増大やキャリアのライフタイム短縮原因となる、転位などの結晶欠陥、及びドーパント以外の金属系元素の不純物は、これまでよりはるかに厳しく制限される。
エピタキシャルウェーハの製造において、一般に、基板となる単結晶シリコンウェーハをサセプターの上に置き、基板となるシリコンウェーハ及び周辺部品を清浄にし、該基板の表面を、シランまたはトリクロロシランのようなシリコン源に約800℃またはそれ以上で暴露して、前記表面にシリコンのエピタキシャル層を成長させる。このとき前記表面の各位置において成長速度が均一であることが好ましい。不均一な成長速度は、製造されたエピタキシャルウェーハの平坦度に影響することはもちろんであるが、平坦度を悪くしないまでも、転位などの結晶欠陥を生じさせるおそれがあるからである。
一般に、エピタキシャル層の成長は、温度が高くなると早くなることが知られている。また、例えば、ボロンのようなドーパントを含むエピタキシャルウェーハにおいては、ボロンはウェーハ温度が高くなるとエピタキシャル層に取り込まれ易くなる。従って、ウェーハ面内の温度分布を均一にすることは、成長速度を一定にして膜厚分布の発生や、エピタキシャル層の低効率分布の発生を防ぐ意味において、好ましい。更に、エピタキシャル層の低効率に対して基板となるシリコンウェーハの低効率が低いもの(P/P+)では、オートドープにより、周縁部のエピタキシャル層の低効率が下がるため、開口サセプターによりオートドープを抑制する製造方法が提案されている(特許文献1)。
特許公表2003−532612号公報
しかしながら、特許文献1では、特殊なサセプターを使用しなければならない。また、一般に、基板であるシリコンウェーハの加熱は、それを保持するサセプターを下側からハロゲンランプ等により放射加熱して行われているが、サセプターを回転支持する回転軸をその中央部分に配置しなければならないため、均一に放射熱を与えることは容易ではない。一般には、配置されるランプの内側及び外側の出力を調整して行っているが、回転軸若しくはそれをカバーするカバー部材により影ができるため、局所的な温度分布を調整することができない。また、サセプターの材料の種類、エピタキシャル成長チャンバー内のガスの種類や流量、サセプターの回転速度等の種々の条件により、この局所的な温度分布の発生条件は異なり、微調整は困難である。
そこで、本発明では、放射熱により基板となるシリコンウェーハを加熱するエピタキシャルウェーハ製造方法において、該基板となるシリコンウェーハの局所的な温度調整可能なエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えばハロゲンランプによる放射熱によりサセプターを加熱してその上に載置される基板となるシリコンウェーハを加熱するエピタキシャルウェーハの製造方法において、該サセプターを回転支持する回転軸の周囲に配置されたリフレクターの形状を変更することにより、局所的な温度調整をすることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することができる。
(1)実質的に水平状態に配され、放射熱により加熱されるサセプターに載置されたシリコンウェーハ基板を該サセプターと共に回転させつつ、該シリコンウェーハ基板の主表面上にエピタキシャル膜を気相成長させるエピタキシャルウェーハの製造方法において、前記サセプターの下部に配置されたリフレクターの形状を変更することにより、前記シリコンウェーハ基板の主表面の温度調整を行うことを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することができる。
ここで、放射熱は、例えば、ハロゲンランプのような熱放射ランプによって供給されてよい。サセプターは、一般にグラファイトから構成され、その表面はほぼ黒色であり、放射率ε(サセプター)は、0.95である。一方、基板となる単結晶の金属シリコンの放射率ε(ウェーハ)は、0.65である。従って、サセプターの方が放射熱を吸収し易い。サセプターは、中央に凹部を有し、中央に向かって深くなる底において、基板となるシリコンウェーハがその周縁部で底面に接地して載置される。このシリコンウェーハのウラ面とサセプターの底面の間には、薄い空間があいており、キャリアガス等が充満しており、サセプターからの熱を対流や気体の熱伝導、そして、熱放射によりシリコンウェーハのウラ面に伝達する。
上記リフレクターは、シリコンウェーハ基板の中心近傍を仮想線において通る中心線を備える円筒形状を含んでよく、リフレクターの反射面が該円筒形状の外周面に形成されてよい。かかる円筒形状は、その径が、上記シリコンウェーハ基板の径よりも小さい方が好ましく、特に、シリコンウェーハ基板の径の60%以下の径がより好ましく、更に好ましくは50%以下である。一方、円筒形状が小さすぎると、内部にサセプターを回転支持可能な軸を内部に配置することができないので、シリコンウェーハ基板の径の10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上が更に好ましい。円筒形状の高さは、円筒形状内部に配置される上記回転可能な軸等を十分覆うことができるだけ高いことが好ましい。例えば、シリコンウェーハ基板とハロゲンランプのような熱源との間の距離の25%以上の高さが好ましく、30%以上の高さがより好ましく、40%以上の高さが更に好ましい。高すぎると、チャンバー下部との干渉が生じるおそれがあるので、シリコンウェーハ基板とハロゲンランプのような熱源との間の距離の75%以下の高さが好ましく、70%以下の高さがより好ましく、60%以下の高さが更に好ましい。
(2)前記リフレクターは、実質的に円筒形状をした円筒部とその上に縮径するテーパー部とを有し、その表面に放射熱を反射可能に所定のコーティングを施すことを特徴とする上記(1)に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することができる。ここで、所定のコーティングとは、気相法により固体表面に膜を生成させることにより形成されるコーティングを含むことができる。例えば、CVD法やPVD法によるコーティングを含むことができる。より具体的には、金をイオンプレーティングしたものを含むことができる。
(3)前記リフレクターの前記テーパー部のテーパー角を変更することにより前記シリコンウェーハ基板の主表面の温度調整を行うことを特徴とする上記(2)に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することができる。
上記リフレクターは、熱放射ランプ等から放射される可視光、赤外線等を少なくとも部分的に反射する。上記リフレクターは円筒形状をしていてもよく、上記サセプターをほぼ水平面内において回転させる回転軸を囲んでもよい。これにより回転軸における乱反射及び放射熱の吸収を防止し、効率よくサセプターのウラ面に放射熱を伝達することができる。また、回転軸が高温になることを防止することができる。リフレクターの上部には、上方に行くに従って径が小さくなるテーパー部を有してよい。テーパー部は、中央に開口を有する円錐台形状をしてよい。下方の円筒部とのつなぎ目は、連続であることが好ましく、また、できるだけ曲面で表面がなめらかであることが好ましい。不要な乱反射を防ぐことができるからである。テーパー角(若しくは、反射板角度)は、一般に、上記シリコンウェーハ基板の中心部の温度が高くなる場合は小さくし、低くなる場合は大きくする。また、条件により、上記シリコンウェーハ基板の中心部の温度が最も高くなる角度が存在してもよい。
また、テーパー部の高さは、上記テーパー角によって、適宜選択してよいが、例えば、シリコンウェーハ基板とハロゲンランプのような熱源との間の距離の10%以上の高さが好ましく、15%以上の高さがより好ましく、20%以上の高さが更に好ましい。高すぎると、チャンバー下部との干渉が生じるおそれがあるので、シリコンウェーハ基板とハロゲンランプのような熱源との間の距離の50%以下の高さが好ましく、45%以下の高さがより好ましく、40%以下の高さが更に好ましい。
(4)前記リフレクターの前記円筒部の高さを変更することにより前記シリコンウェーハ基板の主表面の温度調整を行うことを特徴とする上記(2)又は(3)に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することができる。
円筒部は、横置きされた放射熱源である熱放射ランプ又はその下に配置することができる別のリフレクターの反射面から上方に延び、上記テーパー部に接続される。テーパー部を含めた高さは、サセプターを3点で載置支持する回転機構より下側にその先端が来るように調整される。筒部の高さは、上記シリコンウェーハ基板の中心部の温度が高くなる場合は高くし、低くなる場合は低くする。また、条件により、上記シリコンウェーハ基板の中心部の温度が最も高くなる高さが存在してもよい。
(5)実質的に水平状態に配され、放射熱により加熱されるサセプターと、該サセプターに載置されたシリコンウェーハ基板と、該シリコンウェーハ基板と共に前記サセプターを回転指示する回転軸と、前記回転軸を囲み、放射熱線を少なくとも部分的に反射するほぼ円筒形のリフレクターと、前記サセプターを加熱するものであって、前記リフレクターを囲み、前記サセプターから所定の距離を隔てて下方に配置される放射熱源と、前記リフレクターの上方であって、前記サセプターの下側に配置された少なくとも部分的に放射される光及び/又は熱線を遮断する遮蔽部材を備えることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造装置を提供することができる。
上記遮蔽部材は、上記シリコンウェーハ基板のほぼ中心に相当する位置であって、上記サセプターの下面側に所定の間隔を空けて配置されてよい。この間隔は、上記シリコンウェーハ基板の中心部の温度が高くなる場合は小さくし、低くなる場合は大きくする。
(6)前記遮蔽部材は、不透明な石英ガラスからなることを特徴とする上記(5)に記載の製造装置を提供することができる。ここで、不透明とは、自身に入射する赤外光及び/又は/可視光及び/又は紫外光の少なくとも一部が透過しない状態をいうことができる。例えば、透過光の割合が90%以下、70%以下、50%以下、30%以下、10%以下の場合を上げることができる。割合が低い方が不透明度が高い。入射した光が散乱により完全に透過できない場合も含むことができる。このときの透過光の割合として、上述のパーセントを例として上げることができる。
(7)実質的に水平状態に配され、放射熱により加熱されるサセプターに載置されたシリコンウェーハ基板を該サセプターと共にリフレクターに囲まれた回転軸により回転支持させつつ、該シリコンウェーハ基板の主表面上にエピタキシャル膜を気相成長させるエピタキシャルウェーハの製造装置において、前記リフレクターの形状の仕様を変更したものを少なくとも2種類以上準備し、それぞれのリフレクターを用いた場合の熱放射による加熱を行ったときの前記シリコンウェーハ基板の主表面の中心から周縁への温度分布を予め実験及び/又は計算機シミュレーションにより求め、より好ましい温度分布となる形状仕様のリフレクターを準備し、該準備されたリフレクターを用いた製造装置により、前記シリコンウェーハ基板の主表面にエピタキシャル層を成長させることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することができる。
実験は、基板となるシリコンウェーハに熱電対を付けて行ってもよく、また、放射温度計で計測してもよい。リフレクターの形状の仕様は、リフレクターの高さ(絶対高さ、熱放射ランプからサセプターまでの距離に対する相対高さを含んでよい)、リフレクターがテーパー部を先端に持つ場合は、テーパー部のテーパー角、リフレクターが付属部品を有する場合は、その部品の有無及び形状等を含んでよい。また、計算機シミュレーションは、単純化したモデルで行ってもよい。例えば、回転軸やサセプター支持部材を省略したもの、3次元のものを2次元モデル化したものを含んでよい。
本発明によれば、熱放射ランプの出力調節では十分にできない局所的な温度分布を解消する調整を簡便な方法で行うことができ、均一な厚さの、欠陥の少ない良好なエピタキシャルウェーハを製造することができる。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の構成又は機能を有する構成要素及び相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。また、以下の説明では、本発明に係る実施の態様の例を示したに過ぎず、当業者の技術常識に基づき、本発明の範囲を超えることなく、適宜変更可能である。従って、本発明の範囲はこれらの具体例に限定されるものではない。また、これらの図面は、説明のために強調されて表されており、実際の寸法とは異なる場合がある。
図1は、本発明の第1の実施形態であるエピタキシャルウェーハ製造装置10の概略図である。ほぼ水平に配置された基板としてのシリコンウェーハ12は、ウェーハ支持部材であるサセプター14に載置される。所定の距離を隔てたところに、回転対称にハロゲンランプ16が並置され、上記サセプター14の下面に対向している。このハロゲンランプ16の下には、平面状のリフレクター18が配置され、ハロゲンランプ16から下方に向けて放射された光及び/又は熱線を反射し、上記サセプター14の下面に照射するようにされている。回転対称に並置されたハロゲンランプ16の中央には円筒形状のリフレクター20が配置され、ほぼ鉛直に直立している。リフレクター20は下部の円筒部21及び上部のテーパー部22(円錐台形状を呈する)からなり、円筒部21とテーパー部22はなめらかな曲線でつながれている。図1において、実線で描かれているテーパー部22は、円錐面22aを備え、そのテーパー角α0を備えている。別の形状として、破線で描かれたテーパー部22の円錐面22bにおいては、テーパー角はα1とより大きい。このような構成により、回転対称に放射状に並べられたハロゲンランプ16から放射される光及び/又は熱線は、直接、上記サセプター14の下面を照射し、また、一旦リフレクター20の円筒面若しくは円錐面22a、22bに反射されて、上記サセプター14の下面を照射する。
図1に示すような装置10において、エピタキシャル成長をさせるのと同一の条件(キャリアガス及び原料ガスの供給、サセプター14の回転、その他の条件)を用いて、ハロゲンランプによる照射を行い、基板となるシリコンウェーハ12の温度測定を行った。このとき、3種類のテーパー角を5度、10度、16度と変えたリフレクター20を準備して実験を行った。
図2は、テーパー角(若しくは、反射板角度)を5度にしたリフレクターを使用した際のウェーハの面内温度分布を示すグラフである。この図から分かるように、基板となるシリコンウェーハ12の中心から外周へ径に沿った温度変化は比較的少なかった。一方、テーパー角(若しくは、反射板角度)を16度にしたリフレクターを使用した際のウェーハの面内温度分布を図3に示す。図3から分かるように、中央部の温度がより高く、基板となるシリコンウェーハ12の中心から外周へ径に沿った温度分布は大きかった。これは、円錐面で反射して、サセプター14の中心部近傍により多くの放射熱が伝達されたためと考えられる。
図4は、このようなウェーハ面内の温度分布(最大値から最小値を引いたもの)をテーパー角の関数として表わしたものである。この図から明らかなように、テーパー角が大きくなると、温度分布が大きくバラつくようになる。これは、円錐面で反射して、サセプター14の中心部近傍により多くの放射熱が伝達されたためと考えられる。
次に、図1に示すような装置10において、温度計測を行ったのと同じエピタキシャル成長条件でエピタキシャル成長をさせた。このとき、3種類のテーパー角を5度、10度、16度と変えたリフレクター20を準備して実験を行った。その結果を図5に示す。図5は、エピタキシャル成長膜の最大膜厚から最小膜厚を引いて、その偏差を平均のエピタキシャル成長膜厚に対する相対値で表わしたものである。この図から明らかなように、テーパー角が5度と小さいと膜厚分布が小さくなり、10度、16度と大きくなるにつれ、そのバラツキが大きくなった。これは、図3に示すように、基板となるシリコンウェーハ12の中心付近の温度が高く、成長速度がそこだけ高かったからであると考えられる。これは、角度が大きくなると、円錐面22bに反射されて、上記サセプター14の下面を照射する割合が大きくなるためと考えられる。
図6は、図1の概略図をより詳しく表わしたものである。エピタキシャルウェーハ製造装置100は、上面に透明な石英ガラス窓150を保持するフレーム152からなる蓋部と、その下に配置される本体の上部フレーム154と、原料ガス流出口168及び排出口170を隔てた本体の下部フレーム156と、下部フレーム156からリフレクター20が囲う回転軸162を内部に備える透明な石英ガラスからなる下面158と、上記リフレクター20と、その周りに回転対称に放射状に並置されるハロゲンランプ16と、その下に配置される平面状のリフレクター18とからなる。上記回転軸162内には主軸164が配置され、90度若しくは120度間隔で放射状に延びるスポーク状の横サポート160が、先端に鉛直に上側に延びる鉛直支持部材を支持するように配置される。サセプター14は、この鉛直支持部材により支持され、回転主軸164の回転に従って回転する。
リフレクター20の円筒部21の高さLは、ハロゲンランプ16及びサセプター14の下面からの距離に対して、30%〜70%であり、その上のテーパー部22の高さは、同様に10%〜50%である。破線で示される第1のリフレクター20のテーパー角α2は約5度で、円錐面22cによってハロゲンランプ16の光及び/又は熱線を反射して、サセプター14の下面を照射する。実線で描かれたテーパー角がより大きな第1のリフレクター20の場合は、円錐面22dによってハロゲンランプ16の光及び/又は熱線を反射して、サセプター14の下面を照射する。
図7は、別の実施例を示す概略図である。基本構成は図6のエピタキシャル製造装置100と同様であるので、重複する説明は省略する。この実施例では、回転主軸164の上に中心支持軸166と、その上に遮光部材180が配置される。これにより、基板となるシリコンウェーハ12の中心部に対応するサセプター14の下面が遮光(少なくとも部分的に)され、エピタキシャルウェーハ12の中心部の温度上昇を抑制することができる。このようにすると、テーパー角αが比較的大きく、円錐面22eにおいて反射し、エピタキシャルウェーハ12の中心部に相当するサセプター14の下面への照射が大きな割合を占めたとしても、その照射を妨害(又は遮蔽)することができるため、エピタキシャルウェーハ12の中心部の温度上昇を抑制することができる。
図8は、図1とほぼ同じ構成を有するエピタキシャルウェーハ製造装置10を解析するため、各種寸法を記入した概略図である。基本構成は、図1とほぼ同じであるため、重複する説明は省略する。シリコンウェーハ12を載置するサセプター14と、平面状のリフレクター18との距離をL0、円筒状のリフレクター20の全体の高さをL1、円筒部21の高さをL2、ハロゲンランプの上面までの高さをL3とする。シリコンウェーハの直径をD1とし、サセプター14の径をD0とする。円筒状のリフレクター20の円筒部の径をD3とし、テーパー部のテーパー角をαとする。このαにより、実線のテーパー部の円錐面22a及び破線のテーパー部の円錐面22bを表現することができる。ハロゲンランプを配置するランプ部の最内半径をR1、最外半径をR0とする。ここで、計算を簡単にするため、ハロゲンランプ16の上面までの距離L3を0とし、リフレクター18による反射は考慮しないものとする。更に、実際には、回転軸対象の3次元モデルであるが、定性的な関係を求めるのに十分であると考えられるので、仮想平面の2次元モデルとする。
ハロゲンランプ16は、半径方向に連続の発光体(若しくは熱放射体)と考えられるが、ここでは簡単のために、平面状のリフレクター18の上面をX軸とし、回転軸となる円筒状のリフレクター20の中心軸をY軸として、各点(例えば、X座標が、R1+(R0−R1)*1/5、R1+(R0−R1)*2/5、R1+(R0−R1)*3/5、R1+(R0−R1)*4/5、R1+(R0−R1)*5/5)が発光すると仮定する。ここで、「*」は乗算を意味する(以下の式において同様)。リフレクター20による立体的障害により、最外の点が、最も内側に影響を及ぼすと考えられるため、Y=0となるX軸状のR0の点を最重要点として、放射される光及び/又は熱線の方向を以下のように検討する。尚、以下の数式において、角度はラジアンを用いる。
[1](R0,0)点での光/熱線の式
X軸となす角をφとすれば、光/熱線は、次の式に従うと考えられる。
y=tan(φ)*(x−R0) (式1)
X軸となす角をφとすれば、光/熱線は、次の式に従うと考えられる。
y=tan(φ)*(x−R0) (式1)
[2]リフレクター20の円筒部へヒットする条件
x=x1=D3/2、において、0≦y=y1≦L2、である (条件1)
x=x1=D3/2、において、0≦y=y1≦L2、である (条件1)
[3]円筒部ヒット後の光/熱線の式
y={−1/tan(φ)}*(x−x1)+y1 (式2)
y={−1/tan(φ)}*(x−x1)+y1 (式2)
[4]円錐面にヒットする条件
−L2/(R0−D3/2)≧tan(φ)
≧−L1/{R0−D3/2+tan(α)*(L1−L2)} (条件2)
−L2/(R0−D3/2)≧tan(φ)
≧−L1/{R0−D3/2+tan(α)*(L1−L2)} (条件2)
[5]円錐面ヒット後の光/熱線の式
y=tan(ξ)*(x−x2)+y2 (式3)
ここで、ξ=π+2*α−φ (式4)
x2={L2+R0*tan(φ)+D3/{2*tan(α)}/
{tan(φ)+1/tan(α)} (式5)
y2=x2*tan(φ)−R0*tan(φ) (式6)
y=tan(ξ)*(x−x2)+y2 (式3)
ここで、ξ=π+2*α−φ (式4)
x2={L2+R0*tan(φ)+D3/{2*tan(α)}/
{tan(φ)+1/tan(α)} (式5)
y2=x2*tan(φ)−R0*tan(φ) (式6)
[6]サセプター14の下面へのヒット条件
y=y3=L0、において、−D0/2<x3<D0/2、である (条件3)
y=y3=L0、において、−D0/2<x3<D0/2、である (条件3)
[7]光/熱線の束(モンテカルロ法)
上述のような式を基に、ランダムに発生させた光/熱線の束が、サセプター14の下面へのヒット条件を満足するものを抽出すれば、どの程度の放射熱が伝達できるかを想定することができる。半球(2次元モデルでは、半円)に広がる光/熱線を乱数を使って再現すれば、半円における光/熱線の束は、(式1)のφを用いて次のように表わすことができる。尚、3次元の場合は、立体角により表現することになる。
φ=乱数(0〜1未満)*π (式7)
上述のような式を基に、ランダムに発生させた光/熱線の束が、サセプター14の下面へのヒット条件を満足するものを抽出すれば、どの程度の放射熱が伝達できるかを想定することができる。半球(2次元モデルでは、半円)に広がる光/熱線を乱数を使って再現すれば、半円における光/熱線の束は、(式1)のφを用いて次のように表わすことができる。尚、3次元の場合は、立体角により表現することになる。
φ=乱数(0〜1未満)*π (式7)
このようなシミュレーションの例を図9及び10において示す。基本構成は、図1と同じであるので重複する説明は省略する。光/熱線の束を示す直線200は、複数の起点からランダムに発光し(ここでは、0からπまでの広い範囲ではない)、直接に、又は、円筒部21の表面若しくはテーパー部22の円錐面を反射して、サセプター14の下面にヒットする。このヒットの数が多い方が熱が多く伝わることになる。
図9は、テーパー角αが小さい場合であり、図10は大きい場合である。両図を比べれば分かるように、テーパー角αが大きい方が中央部の近傍によりヒットし易い。また、最外周ポイントに比べて、内周のポイントからは、中央部の近傍に到達し難い。
ここで、より具体的に以下の条件でシミュレーションを行う。評価は、点(R0,0)における発光のみによる。
L0=50、L1=40、L2=24、L3=0、D0=46、
D3=10、R1=6、R0=16、α=5、10、16度 (条件4)
L0=50、L1=40、L2=24、L3=0、D0=46、
D3=10、R1=6、R0=16、α=5、10、16度 (条件4)
図11は、テーパー角の角度を5度にした時に1000回ランダム放射を行ったもので、図12は、同角度を10度にした時に1000回ランダム放射を行ったもので、図13は、同角度を16度にした時に1000回ランダム放射を行ったものである。これらの図から、角度が大きくなるに従って、中央部の近傍によりヒットし易くなることがわかる。尚、このときの全体のヒット数は、いずれの場合も約300であった。
10、100、210 エピタキシャルウェーハ製造装置
12 シリコンウェーハ
14 サセプター
16 ハロゲンランプ
18 平面状のリフレクター
20 円筒状のリフレクター
180 遮蔽部材
12 シリコンウェーハ
14 サセプター
16 ハロゲンランプ
18 平面状のリフレクター
20 円筒状のリフレクター
180 遮蔽部材
Claims (7)
- 実質的に水平状態に配され、放射熱により加熱されるサセプターに載置されたシリコンウェーハ基板を該サセプターと共に回転させつつ、該シリコンウェーハ基板の主表面上にエピタキシャル膜を気相成長させるエピタキシャルウェーハの製造方法において、前記サセプターの下部に配置されたリフレクターの形状を変更することにより、前記シリコンウェーハ基板の主表面の温度調整を行うことを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
- 前記リフレクターは、実質的に円筒形状をした円筒部とその上に縮径するテーパー部とを有し、その表面に放射熱を反射可能に所定のコーティングを施すことを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
- 前記リフレクターの前記テーパー部のテーパー角を変更することにより前記シリコンウェーハ基板の主表面の温度調整を行うことを特徴とする請求項2に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
- 前記リフレクターの前記円筒部の高さを変更することにより前記シリコンウェーハ基板の主表面の温度調整を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
- 実質的に水平状態に配され、放射熱により加熱されるサセプターと、
該サセプターに載置されたシリコンウェーハ基板と、
該シリコンウェーハ基板と共に前記サセプターを回転指示する回転軸と、
前記回転軸を囲み、放射熱線を少なくとも部分的に反射するほぼ円筒形のリフレクターと、
前記サセプターを加熱するものであって、前記リフレクターを囲み、前記サセプターから所定の距離を隔てて下方に配置される放射熱源と、
前記リフレクターの上方であって、前記サセプターの下側に配置された少なくとも部分的に放射される光及び/又は熱線を遮断する遮蔽部材を備えることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造装置。 - 前記遮蔽部材は、不透明な石英ガラスからなることを特徴とする請求項5に記載の製造装置。
- 実質的に水平状態に配され、放射熱により加熱されるサセプターに載置されたシリコンウェーハ基板を該サセプターと共にリフレクターに囲まれた回転軸により回転支持させつつ、該シリコンウェーハ基板の主表面上にエピタキシャル膜を気相成長させるエピタキシャルウェーハの製造装置において、
前記リフレクターの形状の仕様を変更したものを少なくとも2種類以上準備し、
それぞれのリフレクターを用いた場合の熱放射による加熱を行ったときの前記シリコンウェーハ基板の主表面の中心から周縁への温度分布を予め実験及び/又は計算機シミュレーションにより求め、
より好ましい温度分布となる形状仕様のリフレクターを準備し、
該準備されたリフレクターを用いた製造装置により、前記シリコンウェーハ基板の主表面にエピタキシャル層を成長させることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
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