JP5807522B2 - エピタキシャル成長装置 - Google Patents
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近年、電子デバイスの微細化によって、薄膜化やウェーハの大直径化が進む中、形成されるエピタキシャル層厚の面内均一化が重要な課題の一つとなっている。例えば直径200mmのシリコンエピタキシャルウェーハの製造においては、複数枚の基板をバッチ処理する方法に代えて、膜厚分布等の制御が比較的容易な枚葉式エピタキシャル成長装置が主流になりつつある。これは、反応室内において、1枚のシリコン単結晶基板をサセプタ上で水平に保持し、原料ガスを反応室の一端から他端へ水平かつ一方向に供給しながら、エピタキシャル層を成長させるものである。
エピタキシャル成長装置の加熱方式には様々なものがあり、シリコン単結晶基板を1枚ずつエピタキシャル成長させる枚葉式エピタキシャル装置の場合は、シリコン単結晶基板の上下からハロゲンランプヒータで加熱する方式が多く使われる。ハロゲンランプに片口金型ランプを用いる場合は、ランプを放射状に1列の円形に配列することになり、このランプの背後にはヒータからの熱線を反射して基板に照射するためのドーナツ状のリフレクタを配置する(特許文献1、2参照)。また他に、サセプタの支持軸の保護や温度計測のための光路確保のために、サセプタに載置された基板の上下で、ドーナツ状のリフレクタの中心を通る円筒形状のリフレクタも配置される。
インサイド用ランプの円筒凹面形状の反射板部では、ランプの光が収束されるため、基板に帯状の照射面が形成され、円形に複数配置されたインサイド用ランプの帯状照射面が軸対称で加算されて、基板中心付近の照射強度が周辺よりも強くなってしまう。一方、平面形状の反射板部においては、ランプの光が分散されるため、分散された光が、基板上下に設けた円筒形状のリフレクタに反射され、基板周辺付近の照射強度が増大する。
このような石英製の散乱体であれば、単体ヒータからの熱放射を効果的に散乱させることができ、シリコン単結晶基板への照度分布をより効率的に均一にすることができる装置となる。
このような反射体であれば、表面の形状等によって単体ヒータからの熱放射を確実に散乱させることができ、シリコン単結晶基板への照度分布をより効率的に均一にすることができる装置となる。
このような表面粗さの散乱体であれば、単体ヒータからの熱放射を効果的に散乱させることができ、シリコン単結晶基板への照度分布をより効率的に均一にすることができる装置となる。
このような表面形状の散乱体であれば、単体ヒータからの熱放射の散乱をその形状により容易に調節でき、シリコン単結晶基板への照度分布をより効率的に均一にすることができる装置となる。
このような反射膜であれば、形成が容易で、単体ヒータからの熱放射を確実に散乱させることができるため、シリコン単結晶基板への照度分布をより効率的に均一にすることができる装置となる。
図1に本発明のエピタキシャル成長装置の概略図を示す。
サセプタ12の上下には、シリコン単結晶基板Wを加熱するための単体ヒータが円形に並べられたヒータ15a、15bが各々配置されている。また、この上下のヒータ15a、15bのそれぞれの中央には、円筒状リフレクタ14a、14bが配置されている。この円筒状リフレクタ14a、14bにより、支持軸13の加熱防止や、温度計測のための光路を確保することができる。
上のヒータ15aの上側及び下のヒータ15bの下側に、上下のドーナツ状リフレクタ16a、16bが各々配置される。この上下のドーナツ状リフレクタ16a、16bの少なくとも一つは、ヒータ15a、15bの熱放射を収束させる円筒凹面形状の収束反射板部18aと、熱放射を分散させる平板形状の分散反射板部18bとを有する。これら収束反射板部18a、分散反射板部18bは、交互に形成されてもよいし、回転対称又は線対称に形成されてもよい。
特にインサイド用ランプである単体ヒータ19aの内先端から放射される熱線の強度を減衰させると、シリコン単結晶基板Wの中心付近の照度が減衰することを本発明者は見出した。この知見より、単体ヒータ19a、19bの内先端側に熱線を散乱させる散乱体17a、17bを設置したところ、シリコン単結晶基板Wの中心付近の急激な温度変動を制御することができるようになった。このため、当該散乱体17a、17bにより、シリコン単結晶基板Wを面内均一に加熱することができ、膜厚均一なエピタキシャル層を成長させることができる。
このような石英製や反射体であれば、単体ヒータ19a、19bからの熱放射を効果的に散乱させることができる。また、それらの表面粗さ、表面形状等を変えることで、散乱の度合いを調節することも容易である。なお、このような反射体の材質としては、例えば、ステンレス等の金属材料を金メッキしたものとすることができる。
このような表面粗さであれば、散乱体17a、17bが反射体の場合も石英製の場合も効果的に熱放射を散乱させることができる。
このような高さの凹部と凸部が複数形成されていると、効果的に熱放射を散乱させることができる。また、円筒状リフレクタ14a、14bの表面を加工するのみで散乱体17a’、17b’とすることができるため、追加の部品は不要で、低コストな装置となる。
この場合には、インサイド用の単体ヒータ19aの内先端に反射膜をコートするのみでも、シリコン単結晶基板Wの中心領域への熱線を調節することができるが、アウトサイド用の単体ヒータ19bにも反射膜をコートすることができる。なお、このような反射膜の材質としては、例えば、酸化チタン等のセラミックスとすることができる。
上記のような本発明であれば、シリコン単結晶基板を面内で均一に加熱することができるため、面内均一な膜厚のエピタキシャル層を成長させることができ、高品質のエピタキシャルウェーハを製造することができる。
(実施例1)
図1のような直径300mmウェーハ用のエピタキシャル成長装置において、ウェーハ中心温度を1100℃に加熱したときのウェーハ面内温度分布を測定した。測定は、特公平07−058730に記載されている方法で行った。これは、イオン注入によって表面に不純物注入層が形成された拡散ウェーハを用意し、熱拡散後のシート抵抗を測定することによりウェーハの面内温度分布を求める方法である。
測定した結果、表1に示したように面内最大温度差は6.8℃となった。
図1に示したエピタキシャル成長装置において、石英製円筒治具(散乱体17a、17b)の側壁は透明な状態で、幅1mm、深さ1mmの溝を2mm間隔で格子状に形成し、単体ヒータの内先端から放射された光を散乱する構造にした。その他は、実施例1と同様に、面内温度分布を測定した。
その結果、表1に示したように面内最大温度差は7.2℃となった。
図3のように、エピタキシャル成長装置において、円筒状リフレクタ14a、14bの側壁に直径3mmの半球状凹みを一面に形成して散乱体17a’、17b’とし、単体ヒータの内先端から放射された光を散乱する構造にした。その他は、実施例1と同様に、面内温度分布を測定した。
その結果、表1に示したように面内最大温度差は7.0℃になった。
図4のように、エピタキシャル成長装置において、単体ヒータ19a、19bの内先端側に赤外線の反射膜(散乱体17a’’、17b’’)をコートし、単体ヒータの内先端から放射された光を散乱する構造にした。その他は、実施例1と同様に、面内温度分布を測定した。
その結果、表1に示したように面内最大温度差は8.1℃になった。
図5のように、エピタキシャル成長装置において、ヒータ100と円筒状リフレクタ101の間には散乱体は設けない構造にした。その他は、実施例1と同様に、面内温度分布を測定した。
その結果、表1に示したように面内最大温度差は12.7℃となった。
13…支持軸、 14a、14b…円筒状のリフレクタ、 15a、15b…ヒータ、
16a、16b…ドーナツ状リフレクタ、
17a、17a’、17a’’、17b、17b’、17b’’…散乱体、
18a…収束反射板部、 18b…分散反射板部、
19a、19b…単体ヒータ、 W…シリコン単結晶基板。
Claims (1)
- サセプタに水平に載置されたシリコン単結晶基板の主表面にエピタキシャル層を成長させるエピタキシャル成長装置であって、前記サセプタの上下に各々配置され、放射状に円形に並べられた複数の棒状の単体ヒータを有するヒータと、該上下のヒータのそれぞれの中央に配置された上下の円筒状リフレクタと、前記上のヒータの上側及び前記下のヒータの下側に各々配置された上下のドーナツ状リフレクタとを備え、一部又は全ての前記単体ヒータの前記ヒータの中心側であって、前記ヒータと前記円筒状リフレクタとの間に前記単体ヒータからの熱放射を散乱させる散乱体を有するものであり、該散乱体は前記サセプタの上方及び下方に設けられ、
前記散乱体は、石英製であり、
前記散乱体の表面粗さは、Ra1.0〜10μmであることを特徴とするエピタキシャル成長装置。
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