JP2010113638A - プラント制御システムおよび制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】同定波形採取のための同定実験を行わず、プラントの立ち上げデータを用いてプラントの同定、及び、制御パラメータの調整を実現可能とするプラント制御システムを提供する。
【解決手段】システム支援ツール100は、制御装置200内の各部(MPC制御部210,PID制御部220)および制御対象230の起動制御を行って各部を起動する。各部を起動することで、制御量(PV),操作量(MV),設定値(SV)に関する各ゾーン毎のデータを、システム支援ツール100のデータロギング機能を用いて採取する。システム支援ツール100は、立ち上げデータを元に同定機能を用いて、プラントのモデルパラメータを推定する。そして制御パラメータ調整機能を用いて、モデル予測制御(MPC)部210及びPID制御部220に係る制御パラメータを同定結果のモデルパラメータを使って計算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラント制御システムおよび制御方法に関し、特に、採取したプラントの立ち上げデータを用いてプラントの同定、及び、制御パラメータの調整を実現するプラント制御システムおよび制御方法に関する。
従来、プラントの同定は、プラントを同定するために実験を行っている。プラントの同定のための実験では、アクチュエータ個数分のステップ応答波形を個別に取る必要があった。このようなことから従来のプラントの同定の問題点は、次のように集約される。
(1)プラントの同定実験及びその同定処理のために特別の時間を費やすことである。
(2)プラントの同定波形採取のための実験が行えるか否かの可能性を調べることである。
上記(1)の問題点に対して、それを回避するために、下記に示す特許文献1に開示のモデル予測制御におけるオートチューニング装置では、ニューラルネットを用いてモデル予測制御のプラントを同定する方法を提案している。
上記(2)の問題点に対して、プラントの中には、同定実験及びその同定処理のために特別の時間を設けることが許されない、あるいは、同定のためにステップ応答波形等の入力信号を印加することが許されない、などプラントの同定のための実験に対する制約がある。
特開平8−211903号公報
上記問題点(1)に対する特許文献1の提案は、シミュレーションのみを結果として提示しているだけで、プラントの同定波形採取のための同定実験の方法については何にも述べていない。
また問題点(2)に関して、特許文献1は、シミュレーションで作成した波形が、実際のプラントで採取可能であるかについて述べていない。
またプラントの制御には、同定だけではなく、制御パラメータの調整が必要となるが、特許文献1は、制御パラメータの調整をどのように行うかについて述べていない。
そこで本発明は、同定波形採取のための同定実験を行わず、採取したプラントの立ち上げデータを用いてプラントの同定、及び、制御パラメータの調整を実現するプラント制御システムおよび制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一つの態様は、プロセス量に基づいて制御対象プラントを制御する制御装置と、該制御装置を支援するシステム支援ツールとを備るプラント制御システムであって、
前記システム支援ツールは、制御対象プラントの立ち上げにより得られる前記プロセス量に係る実データを採取するデータロギング手段と、制御対象プラントをモデル化したプラントモデルのモデルパラメータを推定して同定を行う同定手段と、該同定手段の同定結果のモデルパラメータから前記制御装置における制御パラメータを調整する制御パラメータ調整手段と、を有し、
前記制御装置は、前記制御パラメータ調整手段が調整した制御パラメータを前記システム支援ツールから受け取って、これを基に制御対象プラントの制御を行う、
ことを特徴とする。
上記において、実データは、プラント立ち上げに係る昇温データであることが好ましい。
また本発明の別の態様は、上記の態様において、前記同定手段は、プラントモデルを「一次遅れ系 + むだ時間」と設定し、勾配法またはニュートン法を用いてプラントのゲイン,時定数,むだ時間を計算することによって同定を行うことを特徴とする。
また本発明の別の態様は、上記の態様において、前記制御パラメータ調整手段は、前記データロギング手段が採取した前記プロセス量に係る実データを元に、前記同定手段が同定を行うことにより得られたプラントのゲイン,時定数,むだ時間を用いて制御パラメータの調整を行うことを特徴とする。
また本発明の別の態様は、上記の態様において、前記制御装置にモデル予測制御を行うモデル予測制御部を含んでいる場合には、
前記制御パラメータ調整手段は、前記同定手段が同定したモデルパラメータを用いて、モデル予測制御部の内部モデル及び制御パラメータの調整を行うことを特徴とする。
また本発明のさらに別の態様は、上記の態様において、前記制御装置が、モデル予測制御を行うモデル予測制御部とPID制御を行うPID制御部を含む場合には、
前記モデル予測制御部は、前記システム支援ツールより出力される制御対象プラントの目標値に基づいてモデル予測制御を行い、
前記PID制御部は、前記モデル予測制御部より出力される設定値に基づいて制御対象プラントのPID制御を行う、
ことを特徴とする。
また本発明の別の態様は、昇温データを用いてプラントモデルのモデルパラメータの同定及びプラントを制御する制御装置の制御パラメータの調整を行うプラントの制御方法であって、プラントの立ち上げにより得られる昇温データを採取する工程と、採取した昇温データを元に同定を行って、プラントのゲイン,時定数,むだ時間を得る工程と、同定により取得した前記プラントのゲイン,時定数,むだ時間に対して所定の演算を施して制御パラメータの調整を行う工程と、調整された制御パラメータに基づいてモデル予測制御及びPID制御を用いて制御対象プラントの温度制御を行う工程、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、プラント立ち上げデータを用いて、プラントの同定,制御パラメータのオートチューニングを行うことが可能となる。
プラント立ち上げデータを用いることで、同定実験の時間を設けることなく同定処理を行う事が可能であるため、時間の効率化という効果が得られる。
また、プラントによっては、同定実験が不可能なプラントもある。本発明のプラント制御システムは、同定実験を行う必要はなく、プラント立ち上げデータを用いるということで、同定実験が不可能なプラントでも適用が可能である。従って、本発明のプラント制御システムは適用先が多いという有利性がある。
また、制御を行う上では同定だけではなく、制御パラメータのチューニングも必要となる。本発明のプラント制御システムは、同定したプラントのパラメータを用いて、制御パラメータのチューニングを行う。そのため、制御の高精度化が実現できるという効果が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明のプラント制御システムの構成例を示す図である。図1では、制御対象(プラント)として射出成形機を念頭におき、モデル予測制御(Model Predictive Control : MPC)およびPID制御を用いて、射出成形機の加熱シリンダの各ゾーンにおける温度制御を実施する例について示したものである。
通常、射出成形機の加熱シリンダの各ゾーンを温度制御する場合、射出成形機の加熱シリンダの各ゾーンにバンドヒータを設置する。バンドヒータは、温調計(図示せず)に接続され、当該温調計でもってPID制御するPID制御部220を構成する。
PID制御を行う温調計の上位には、モデル予測制御(MPC)を行うモデル予測制御部210が設けられる。当該モデル予測制御部210を実例ではパネルコンピュータ(CPU:ルネサステクノロジ社製 SH-7760 192 MHz,OS:Linux相当)(図示せず)で構成する。そしてパネルコンピュータにおいては、システム支援ツール100が提供する制御パラメータ、すなわち後述するチューニング処理されたMPC制御パラメータ、を設定処理してモデル予測(MPC)制御部210による各ゾーンの設定値の計算処理を行う。
ここで、システム支援ツール100は、パソコン(CPU:×86 Family 15 Model 2 Stepping 4 Genuine Intel 社製〜1599 MHz,OS:windows(登録商標) XP 相当)(図示せず)で構成する。パソコンには、プラント制御システム全体を支援するツールとして、同定機能,制御パラメータのオートチューニング機能,データロギング機能が設けられている。これらについては後で詳しく説明する。
そして、パソコン(システム支援ツール)とパネルコンピュータとの間は、イーサネット(Ethernet(登録商標))を用いて接続して通信し、またパネルコンピュータと温調計との間は、途中にRS-232CとRS-485の変換器(図示せず)を介在させてRS-232C及びRS-485プロトコルを使用する。制御パラメータを制御装置200に付与した後、パソコン(システム支援ツール)100はデータロギングを行うものの、射出成形機の温度制御には直接関与せず、パネルコンピュータ(モデル予測制御(MPC))と温調計(PID制御)とで射出成形機の加熱シリンダの各ゾーンにおける温度制御を行う構成としている。
ここで一先ず図1の説明を中断し、後ほど図2および図3を説明する際に適宜図1についても更に説明する。
図2は、本発明のプラント制御システムに係る立ち上げデータの取得イメージを示す図である。図2を元に図1の本発明のプラント制御システムの構成をさらに説明すると、図1に示すシステム支援ツール100は、制御装置200内の各部(MPC制御部210,PID制御部220)および制御対象230の起動制御を行って各部を起動する。各部を起動することで、射出成形機の加熱シリンダの各ゾーンにおける温度制御に係る、プラント制御に必須のプロセス量、すなわち、制御量(PV),操作量(MV),設定値(SV)に関する各ゾーン毎のデータを、上述のシステム支援ツール(パソコン)100のデータロギング機能を用いて採取することができる。制御量(PV)は制御対象230からの出力値であり、操作量(MV)は制御装置200から制御対象230への出力値であり、設定値(SV)はMPC制御部210からPID制御部への出力値である。
ゾーン毎のデータを採取した結果を示したのが図2の波形図であり、起動時点の室温程度から射出成形機の加熱シリンダの各ゾーンにおける温度が序々に射出成形機の加熱シリンダの各ゾーンにおける設定値に向かって温度が上昇して行く様子が読み取れる。すなわち、温度が序々に射出成形機の加熱シリンダの各ゾーンにおける設定値に向かうまでにどのような軌跡を描くのかを立ち上げデータとして示している。そしてデータ採取される波形上のポイントを黒丸で示し、データを制御周期の各サイクルで採取するようにしている。システム支援ツール(パソコン)100は、これらのデータが設定値に追従し、整定するまで継続採取することで立ち上げデータを同定実験せずに同定用として取得し使用することが可能となる。
システム支援ツール(パソコン)100は、上述の立ち上げデータを元にシステム支援ツール内の同定機能を用いて、制御対象(プラント)のモデルパラメータを推定する。そしてシステム支援ツール内の制御パラメータ調整機能を用いて、モデル予測制御(MPC)部210及びPID制御部220に係る制御パラメータを、同定結果のモデルパラメータを使って計算する。
制御装置200内のPID制御部220は、射出成形機の加熱シリンダに複数設置されているバンドヒータの温度制御を行う。複数あるバンドヒータは、互いに熱の干渉がある。制御装置200内のMPC制御部210は、温度制御を行っている複数のPID制御のPV値を採取し、各PID制御の設定値をMPC制御部210の制御周期毎に計算する。
図3は、本発明のプラント制御システムに係る各種パラメータの設定処理を説明するための処理フローを示す図である。図3のフローチャートを図1に示す本発明のプラント制御システムの構成および動作と関連付けて説明する。
まず、ステップS1において、システム支援ツール100は、制御装置200内の制御機器の起動を行って同定に必要な立ち上げデータの採取準備を行う。次いで、ステップS2で、システム支援ツール100は、同定波形の採取を行う。この採取は、図1に示すシステム支援ツール100内のロギング機能を用いて、プラントの同定に必要な立ち上げデータを得るためのものであるが、図1に示すようにパソコン(システム支援ツール)100が起動された後のパネルコンピュータ(MPC制御部)210を介してPID制御部220より上述したPV,MV,SVの各値を採取する。その結果、図2に示したような同定波形を得る。
次に、ステップS3で、システム支援ツール100は、プラントモデルの同定処理を行う。この同定処理は、上記のようにして取得したプラント立ち上げデータを用いて同定を行う。プラントの同定は、プラントモデルを「一次遅れ系 + むだ時間」と設定した下記の式1の下で行う。

その上で、同定は、当該技術分野に従事する者には周知の勾配法またはニュートン法を用いてプラントのゲイン(G),時定数(T),むだ時間(L)を計算する。
また、同定する推定モデルのPVハットと、実波形のPVとの誤差を最小化する下記式2に示す評価関数(評価は、同定に用いるデータの中で、実際に同定に用いる区間Tidentにおいて所定のサンプリング周期dtで上記誤差を積分する)によって、推定モデルのパラメータを更新する。
そして勾配法では、上記式1の伝達関数を、微分して勾配ベクトルを計算するとともに、推定モデルのパラメータを下記の式3により更新する。
またニュートン法の場合も、勾配ベクトルを計算し推定モデルのパラメータを更新する。
なお、図1に示すように本発明の実施形態では、プラントのゾーン数分のプラントモデルを計算する必要がある。例えばプラントのゾーン数が4である場合には、同定するプラントモデル(SYS4)は、以下の式4で表される。
次いでステップS4で、システム支援ツール100は、MPC制御部210で利用するモデル予測制御の内部モデルの計算を行う。ここで内部モデルを「プラント(制御対象)+PID(PID制御)」とした時、内部モデルを以下の式5,6で表すことができる。
また、上記したプラントのゾーン数が4である場合には、内部モデル(SYSMPC4)は、以下の式7で表される。
次に、ステップS5で、システム支援ツール100は、PIDパラメータのチューニング処理を行う。PIDパラメータのチューニング処理には、以下の式8〜10を用いて計算する。つまり、PIDパラメータのチューニング処理は、上記ステップS3におけるプラントモデルの同定処理の後に実施し、同定処理から得られたプラントのゲイン(G),時定数(T),むだ時間(L)を利用して制御パラメータを調整する。
PIDパラメータのための制御パラメータを求める場合、プロセス量が定常値に到達するまでの時間を最小にする、すなわち整定時間に着目する、当該技術分野に従事する者には周知のCHR(Chien-Hrones-Reswick)法を用いて同定処理で得られた上記式1のパラメータ(G,T,L)から以下の式8〜10を用いて比例ゲインKp,積分時間Ti,微分時間Tdを計算する。
次にステップS6で、システム支援ツール100は、モデル予測制御の制御パラメータチューニング処理を行う。すなわち上述した同定処理から得られたプラントのゲイン(G),時定数(T),むだ時間(L)を利用して、モデル予測制御部(MPC制御部)210が温調計(PID制御部)220の設定値を計算する際に用いる内部モデル(上記した式5,6参照)及び制御パラメータ(参照軌道,制御量の重み,操作量の重み)を調整する。
最後に、ステップS7で、システム支援ツール100は、ステップS5及びS6で処理したチューニングパラメータを制御装置200内のMPC制御部210,PID制御部220に設定するための処理を行う。これについては図4でさらに説明する。
このように本発明の実施形態に係るプラント制御システムは、プラント立ち上げデータを用いて、プラントの同定,制御パラメータのオートチューニングを行うことで、同定実験の時間を設けることなく同定処理を行うことが可能であるため、同定処理に要する時間を効率化することができる。また、プラントによっては、同定実験が不可能なプラントもあるが、本発明では、同定実験を行う必要はなく、プラント立ち上げデータを用いるということで、同定実験が不可能なプラントでも適用できるという有利性がある。
また、制御を行う上では同定だけではなく、制御パラメータのチューニングも必要となるが、本発明では、同定したプラントのパラメータを用いて、制御パラメータのチューニングが行えるため、制御の高精度化が実現できるという有利性がある。
図4は、本発明の制御装置における具体的な制御動作を示す図である。図4において、SP(セットポイント)は、MPC制御部210側から見た設定値を表わすものであり、また、SVは、PID制御部220側から見た設定値を表すものである。一般に設定値のプロセス量を表すSVを同じように使用すると区別が付き難くなるのを避けるための表記である。
そしてSP(セットポイント)は、制御対象230の所望値である目標値を表しており、これがシステム支援ツール100から制御装置200内のMPC制御部210に設定される。MPC制御部210は、入力であるSP〜SPに基づいて内部モデルの計算を行って、出力としてSV〜SVを出力する。出力されたSV〜SVは、PID制御部220の各温調計に印加され、各温調計においてPID制御が行われる。各温調計からは操作量MV〜MVが出力され、制御対象(プラント)の各ゾーンのバンドヒータに印加され、各バンドヒータにより温度制御がなされる。
各バンドヒータにおける温度制御に係る変量が制御量PV〜PVとして出力され、これがマイナーループとしてそれぞれの加算器240にもどされて上述の設定値SV〜SVとの差分がとられ、この差分が再びPID制御部220の各温調計に印加され各温調計において再びPID制御が行われる。各温調計からは再び操作量MV〜MVが出力され、制御対象(プラント)の各ゾーンのバンドヒータに再び印加され、各バンドヒータにより更に温度制御がなされる。このようなフィードバック制御により設定値に制御量が追従するよう温度制御がなされる。
一方、各バンドヒータから出力される温度制御に係る制御量PV〜PVは、MPC制御部210の制御周期毎にメジャーループとしてMPC制御部210に戻され、MPC制御部210においてこれらの制御量PV〜PVを用いて予測制御の計算がなされ、計算された予測制御結果が、MPC制御部210から制御周期で更新された設定値SV〜SVとして出力される。このようなフィードバック制御を継続することで安定したプラントの温度制御を実現する。
以上のおける本発明の実施形態の説明では、本プラント制御システムが、モデル予測制御(Model Predictive Control : MPC)およびPID制御を用いて、射出成形機の加熱シリンダの各ゾーンにおける温度制御を実施する例について説明した。しかしこれは単なる例であって、制御装置200がPID制御部220のみで構成され、PID制御部220によるPID制御だけで射出成形機の加熱シリンダの各ゾーンにおける温度制御を実施することも可能である。この場合には、上記システム支援ツール100は、図1に示すように同定とPID制御パラメータの調整を行って、PID制御を行う制御装置に設定値を与えて、射出成形機の加熱シリンダの各ゾーンにおける温度制御を実施する。またこの場合、図3では、モデル予測制御に係る内部モデル同定処理(S4)、MPC制御パラメータチューニング処理(S6)を省き、また図4では、モデル予測制御部210に入力されるSP(セットポイント)および制御量PVをフィードバックするメジャーループは不要となることは明らかであろう。
本発明のプラント制御システムの構成例を示す図である。 本発明のプラント制御システムに係る立ち上げデータの取得イメージを示す図である。 本発明のプラント制御システムに係る各種パラメータの設定処理を説明するための処理フローを示す図である。 本発明の制御装置における具体的な制御動作を示す図である。
符号の説明
100 システム支援ツール(パソコン)
200 制御装置
210 MPC制御部(パネルコンピュータ)
220 PID制御部(温調計)
230 制御対象(プラント)
240 加算器

Claims (7)

  1. プロセス量に基づいて制御対象プラントを制御する制御装置と、該制御装置を支援するシステム支援ツールとを備えるプラント制御システムであって、
    前記システム支援ツールは、制御対象プラントの立ち上げにより得られる前記プロセス量に係る実データを採取するデータロギング手段と、制御対象プラントをモデル化したプラントモデルのモデルパラメータを推定して同定を行う同定手段と、該同定手段の同定結果のモデルパラメータから前記制御装置における制御パラメータを調整する制御パラメータ調整手段と、を有し、
    前記制御装置は、前記制御パラメータ調整手段が調整した制御パラメータを前記システム支援ツールから受け取って、これを基に制御対象プラントの制御を行う、
    ことを特徴とするプラント制御システム。
  2. 前記プロセス量に係る実データは、制御対象プラントの立ち上げに係る昇温データであることを特徴とする請求項1に記載のプラント制御システム。
  3. 前記同定手段は、前記プラントモデルを「一次遅れ系 + むだ時間」と設定し、勾配法またはニュートン法を用いてプラントのゲイン,時定数,むだ時間を計算することによって同定を行うことを特徴とする請求項1に記載のプラント制御システム。
  4. 前記制御パラメータ調整手段は、前記データロギング手段が採取した前記プロセス量に係る実データを元に、前記同定手段が同定を行うことにより得られたプラントのゲイン,時定数,むだ時間を用いて制御パラメータの調整を行うことを特徴とする請求項1に記載のプラント制御システム。
  5. 前記制御装置にモデル予測制御を行うモデル予測制御部を含んでいる場合には、
    前記制御パラメータ調整手段は、前記同定手段が同定したモデルパラメータを用いて、前記モデル予測制御部の内部モデル及び制御パラメータの調整を行うことを特徴とする請求項1に記載のプラント制御システム。
  6. 前記制御装置が、モデル予測制御を行うモデル予測制御部とPID制御を行うPID制御部を含む場合には、
    前記モデル予測制御部は、前記システム支援ツールより出力される制御対象プラントの目標値に基づいてモデル予測制御を行い、
    前記PID制御部は、前記モデル予測制御部より出力される設定値に基づいて制御対象プラントのPID制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラント制御システム。
  7. 昇温データを用いてプラントモデルのモデルパラメータの同定及びプラントを制御する制御装置の制御パラメータの調整を行うプラントの制御方法であって、プラントの立ち上げにより得られる昇温データを採取する工程と、採取した昇温データを元に同定を行って、プラントのゲイン,時定数,むだ時間を得る工程と、同定により取得した前記プラントのゲイン,時定数,むだ時間に対して所定の演算を施して制御パラメータの調整を行う工程と、調整された制御パラメータに基づいてモデル予測制御及びPID制御を用いて制御対象プラントの温度制御を行う工程、を含むことを特徴とするプラント制御方法。
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