JP2010113123A - 像加熱装置及びその像加熱装置に用いられるヒータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒータの可撓性部材への熱伝達の向上と、ヒータの可撓性部材との摺動性の向上を両立できるようにする。
【解決手段】基板11aと前記基板に前記基板の長手方向に沿って設けられた通電発熱体11bとを有するヒータ11と、前記基板の前記通電発熱体が設けられた面と接触しつつ移動する金属層13aを有する可撓性部材13と、を有し、前記通電発熱体からの熱により記録材P上の画像tを前記可撓性部材を介して加熱する像加熱装置において、前記基板の前記通電発熱体が設けられた面には、前記基板の短手方向において、前記通電発熱体が存在する領域の上にガラス製の電気絶縁層11eが、前記通電発熱体が存在しない領域の上にイミド系樹脂の摺動層11fが、それぞれ設けられていることを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】基板11aと前記基板に前記基板の長手方向に沿って設けられた通電発熱体11bとを有するヒータ11と、前記基板の前記通電発熱体が設けられた面と接触しつつ移動する金属層13aを有する可撓性部材13と、を有し、前記通電発熱体からの熱により記録材P上の画像tを前記可撓性部材を介して加熱する像加熱装置において、前記基板の前記通電発熱体が設けられた面には、前記基板の短手方向において、前記通電発熱体が存在する領域の上にガラス製の電気絶縁層11eが、前記通電発熱体が存在しない領域の上にイミド系樹脂の摺動層11fが、それぞれ設けられていることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に搭載する加熱定着装置(定着器)として用いれば好適な像加熱装置およびこの像加熱装置に用いられるヒータに関する。
電子写真方式の複写機やプリンタに搭載する加熱定着装置として、セラミック製の基板上に通電発熱抵抗層を有するヒータ、このヒータに接触しつつ移動する定着フィルム、定着フィルムを介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラ、を有するものがある。特許文献1、2、3、4には、このような構成のフィルム加熱方式の定着装置が記載されている。未定着トナー画像を担持する記録材は定着装置のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上の画像は記録材に加熱定着される。この定着装置は、ヒータへの通電を開始し定着可能温度まで昇温するのに要する時間が短いというメリットを有する。したがって、この定着装置を搭載するプリンタは、プリント指令の入力後、一枚目の画像を出力するまでの時間(FPOT:First Print Out Time)を短くできる。またこのタイプの定着装置は、プリント指令を待つ待機中の消費電力が少ないというメリットもある。
特許文献5には、セラミック製の基板上に通電発熱抵抗層を有するヒータが記載されている。このヒータは、アルミナや窒化アルミなどの平板細長形状をした高絶縁性基板の一方の面に通電発熱抵抗層を形成し、その通電発熱抵抗層をガラス膜で保護したものである。定着フィルムは、セラミック基板の一方の面に形成されたガラス膜と摺動するように用いられるか、あるいは、セラミック基板の他方の面に形成されたガラス膜と摺動するように用いられる。したがって、通電発熱抵抗層の熱はガラス膜を介して定着フィルムに伝達される。
特許文献6には、定着フィルムの材料として耐熱性樹脂の代わりに良熱伝導性の薄肉の金属スリーブを用いることによって、記録材への熱伝達を効率良く達成する方法が提案されている。
特許文献7には、ヒータ表面のガラス層、もしくはセラミック表面と金属スリーブ内面が摺擦する面にポリイミドなどのイミド系樹脂をコートすることによって、金属スリーブ内面の削れを抑制し、金属スリーブを滑らかに摺動させることが記載されている。
特開昭63−313182号公報
特開平2−157878号公報
特開平4−44075号公報
特開平4−204980号公報
特開平6−5356号公報
特開平10−319753号公報
特開平15−131502号公報
フィルム加熱方式の定着装置では、複写機やプリンタの高速化に対応するために、ヒータの定着フィルムへの熱伝達を向上させるともに、ヒータの定着フィルムとの摺動性を向上させることが望まれている。
本発明の目的は、ヒータの可撓性部材への熱伝達の向上と、ヒータの可撓性部材との摺動性の向上を両立できるようにした像加熱装置およびその像加熱装置に用いられるヒータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための構成は、基板と前記基板に前記基板の長手方向に沿って設けられた通電発熱体とを有するヒータと、前記基板の前記通電発熱体が設けられた面と接触しつつ移動する金属層を有する可撓性部材と、を有し、前記通電発熱体からの熱により記録材上の画像を前記可撓性部材を介して加熱する像加熱装置において、前記基板の前記通電発熱体が設けられた面には、前記基板の短手方向において前記通電発熱体が存在する領域の上にガラス製の電気絶縁層が設けられ、前記通電発熱体が存在しない領域の上にイミド系樹脂の摺動層が設けられていることを特徴とする。
また上記目的を達成するための構成は、基板と前記基板に前記基板の長手方向に沿って設けられた通電発熱体とを有するヒータと、前記基板の前記通電発熱体が設けられていない面と接触しつつ移動する金属層を有する可撓性部材と、を有し、前記通電発熱体からの熱により記録材上の画像を前記可撓性部材を介して加熱する像加熱装置において、前記基板の前記通電発熱体が設けられていない面には、前記基板の短手方向において前記通電発熱体が存在する面の前記通電発熱体の領域と対応する領域の上にガラス製の電気絶縁層が設けられ、前記通電発熱体が存在する面の前記通電発熱体が存在しない領域と対応する領域の上にイミド系樹脂の摺動層が設けられていることを特徴とする。
また上記目的を達成するための構成は、基板と、前記基板に前記基板の長手方向に沿って設けられた通電発熱体と、を有し、前記通電発熱体からの熱により、前記基板の前記通電発熱体の設けられた面と接触しつつ移動する金属層を有する可撓性部材を介して記録材上の画像を加熱する像加熱装置に用いられるヒータにおいて、前記基板の前記通電発熱体の設けられた面には、前記基板の短手方向において前記通電発熱体が存在する領域の上にガラス製の電気絶縁層が設けられ、前記通電発熱体が存在しない領域の上にイミド系樹脂の摺動層が設けられていることを特徴とする。
また上記目的を達成するための構成は、基板と、前記基板に前記基板の長手方向に沿って設けられた通電発熱体と、を有し、前記通電発熱体からの熱により、前記基板の前記通電発熱体が設けられていない面と接触しつつ移動する金属層を有する可撓性部材を介して記録材上の画像を加熱する像加熱装置に用いられるヒータにおいて、前記基板の前記通電発熱体が設けられていない面には、前記基板の短手方向において前記通電発熱体が存在する面の前記通電発熱体の領域と対応する領域の上にガラス製の電気絶縁層が設けられ、前記通電発熱体が存在する面の前記通電発熱体が存在しない領域と対応する領域の上にイミド系樹脂の摺動層が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ヒータの可撓性部材への熱伝達の向上と、ヒータと可撓性部材との摺動性の向上を両立できるようにした像加熱装置およびその像加熱装置に用いられるヒータの提供を実現できる。
本発明を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1は本発明に係る像加熱装置を定着装置(定着器)として搭載する画像形成装置の一例の概略構成図である。この画像形成装置は電子写真方式を利用したプリンタである。
(1)画像形成装置例
図1は本発明に係る像加熱装置を定着装置(定着器)として搭載する画像形成装置の一例の概略構成図である。この画像形成装置は電子写真方式を利用したプリンタである。
図1において、1は像担持体としてのドラム形状の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSiなどの感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基板上に形成されている。この感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動される。その感光ドラム1の外周面(表面)は、まず帯電装置としての帯電ローラ2によって一様に帯電される。次に感光ドラム1表面は、レーザースキャナ3によって画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザービームLによる走査露光が施され、感光ドラム1表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置4によりトナー(現像剤)を用いて感光ドラム1表面上にトナー像(現像像)として現像、可視化される。現像方法としてはジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられイメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
一方、給送カセット25から所定のタイミングで繰出ローラ26により記録材Pが1枚ずつ繰り出され、その記録材Pは転写装置としての転写ローラ5と感光ドラム1との圧接部である転写ニップ部で挟持搬送される。その搬送過程において感光ドラム1表面上のトナー像は記録材P上に転写される。ここで感光ドラム1表面上のトナー像の画像形成位置と記録材Pの先端書き出し位置が合致するように、給送カセット25から搬送された記録材Pの先端をトップセンサ8にて検知しタイミングを合わせている。
トナー像が転写された記録材Pは定着装置(定着器)6へと搬送される。この定着装置6は記録材Pが担持する未定着のトナー像に熱と圧力を付与してそのトナー像を記録材P上に加熱定着する。そして定着装置6を出た記録材Pは排出トレイ27上に排出される。
感光ドラム1表面に残る転写残トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。
9は定着装置6内に設けられたジャムセンサ9であり、記録材Pがトップセンサ8とジャムセンサ9との間でジャム(紙詰まり)を起こした際に、それを検知するためのセンサである。
(2)定着装置
以下の説明において、定着装置およびこの定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向をいう。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向をいう。長さとは長手方向の寸法である。幅とは短手方向の寸法である。また、記録材の関し、幅方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向をいう。幅とは幅方向の寸法である。
以下の説明において、定着装置およびこの定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向をいう。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向をいう。長さとは長手方向の寸法である。幅とは短手方向の寸法である。また、記録材の関し、幅方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向をいう。幅とは幅方向の寸法である。
図2は本実施例1に係る定着装置6の横断面模式図である。図3は本実施例1に係る定着装置6のニップ部およびその近傍の横断面拡大模式図である。この定着装置6はフィルム加熱方式の定着装置であり、定着フィルム(可撓性部材)として可撓性を有する金属製スリーブ(以下、金属スリーブと記す)を用いている。
本実施例に示す定着装置6は、ヒータ11と、ステイホルダ(保持部材)12と、金属スリーブ13と、弾性加圧ローラ(バックアップ部材)20などを有する。ヒータ11と、ステイホルダ12と、金属スリーブ13と、加圧ローラ20は、何れも長手方向に細長い部材である。
(2−1)金属スリーブ
金属スリーブ13は、クイックスタートを可能にするために総厚200μm以下の厚みに形成されている。そして耐熱性、高熱伝導性を有するSUS(steel use stainless)、Mg、Al、Ni、Cu、Zn、Tiなどの純金属あるいは合金を基層(金属層)13a(図3)として有する。十分な強度を持ち、耐久性に優れた金属スリーブ13として、総厚30μm以上の厚みが必要である。よって金属スリーブ13の総厚としては30μm以上200μm以下が最適である。
金属スリーブ13は、クイックスタートを可能にするために総厚200μm以下の厚みに形成されている。そして耐熱性、高熱伝導性を有するSUS(steel use stainless)、Mg、Al、Ni、Cu、Zn、Tiなどの純金属あるいは合金を基層(金属層)13a(図3)として有する。十分な強度を持ち、耐久性に優れた金属スリーブ13として、総厚30μm以上の厚みが必要である。よって金属スリーブ13の総厚としては30μm以上200μm以下が最適である。
また金属スリーブ13は、トナーのオフセット防止や記録材Pとの分離性を確保するために、基層13aの外周面(表面)上には離型性層13b(図3)が形成してある。離型性層13bは、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などの離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で基層13a表面を被覆することにより形成されている。フッ素樹脂として、PTFE、PFA、FEP、ETFE、CTFE、PVDFなどの材料が用いられる。ここで、PTFEとはポリテトラフルオロエチレンのことである。PFAとはテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体のことである。FEPとはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体のことである。ETFEとはエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体のことである。CTFEとはポリクロロトリフルオロエチレンのことである。PVDFとはポリビニリデンフルオライドのことである。被覆の方法としては、基層13a表面をエッチング処理した後に離型性層13bをディッピングするか、粉体スプレーなどの塗布であってもよい。あるいは、チューブ状に形成された樹脂を基層13a表面に被せる方法であってもよい。または、基層13a表面をブラスト処理した後に、接着剤であるプライマ層を塗布し離型性層13bを被覆する方法であってもよい。
この金属スリーブ13は、ヒータ11を保持しているステイホルダ12の外周にルーズに外嵌されている。
(2−2)ステイホルダ
ステイホルダ12は、ステイホルダ12の長手方向に細長い平板状のヒータ11を保持するとともに、金属スリーブ13の後述するニップ部Nと反対方向への放熱を防ぐための断熱性部材である。このステイホルダ12は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEKなどの加工性に優れた樹脂によって形成され、ステイホルダ12の長手方向両端部は装置フレーム(不図示)に保持されている。金属スリーブ13の内周面(内面)と接触するステイホルダ12の下面にはステイホルダ12の短手方向の略中央に長手方向に沿って溝12aが設けられ、その溝12aによってヒータ11は保持されている。そしてステイホルダ12は、ステイホルダ12の溝12aより記録材搬送方向上流側の部分12bと記録材搬送方向下流側の部分12cがヒータ11の表面を超えて加圧ローラ20側に突出する形状としてある(図3)。
ステイホルダ12は、ステイホルダ12の長手方向に細長い平板状のヒータ11を保持するとともに、金属スリーブ13の後述するニップ部Nと反対方向への放熱を防ぐための断熱性部材である。このステイホルダ12は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEKなどの加工性に優れた樹脂によって形成され、ステイホルダ12の長手方向両端部は装置フレーム(不図示)に保持されている。金属スリーブ13の内周面(内面)と接触するステイホルダ12の下面にはステイホルダ12の短手方向の略中央に長手方向に沿って溝12aが設けられ、その溝12aによってヒータ11は保持されている。そしてステイホルダ12は、ステイホルダ12の溝12aより記録材搬送方向上流側の部分12bと記録材搬送方向下流側の部分12cがヒータ11の表面を超えて加圧ローラ20側に突出する形状としてある(図3)。
(2−3)加圧ローラ
加圧ローラ20は、SUS、SUM(steel use machinability)、Alなどの金属製芯金21の長手方向両端部間に、シリコンゴムやフッ素ゴムなどの耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成されたローラ状の弾性層22を有する。この加圧ローラ20の弾性層22の外周面上にPFA、PTFE、FEPなどの離型層23を形成してあってもよい。この加圧ローラ20は、金属スリーブ13の下方においてヒータ11と平行に配置されている。そして芯金21の長手方向両端部が装置フレームに軸受(不図示)を介して回転自在に、かつ上下動自在に保持されている。その軸受を加圧ばね(加圧手段)によって上方に向けて加圧することにより加圧ローラ20の外周面(表面)を金属スリーブ13表面に加圧状態に接触させている。その加圧ばねの加圧力によって加圧ローラ20の弾性層22を弾性変形させることにより、金属スリーブ13表面と加圧ローラ20表面との間に所定幅の定着ニップ部(ニップ部)Nを形成している。
加圧ローラ20は、SUS、SUM(steel use machinability)、Alなどの金属製芯金21の長手方向両端部間に、シリコンゴムやフッ素ゴムなどの耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成されたローラ状の弾性層22を有する。この加圧ローラ20の弾性層22の外周面上にPFA、PTFE、FEPなどの離型層23を形成してあってもよい。この加圧ローラ20は、金属スリーブ13の下方においてヒータ11と平行に配置されている。そして芯金21の長手方向両端部が装置フレームに軸受(不図示)を介して回転自在に、かつ上下動自在に保持されている。その軸受を加圧ばね(加圧手段)によって上方に向けて加圧することにより加圧ローラ20の外周面(表面)を金属スリーブ13表面に加圧状態に接触させている。その加圧ばねの加圧力によって加圧ローラ20の弾性層22を弾性変形させることにより、金属スリーブ13表面と加圧ローラ20表面との間に所定幅の定着ニップ部(ニップ部)Nを形成している。
(2−4)ヒータ
図4は本実施例1に係る定着装置6のヒータ11の一例を表わす説明図であり、(a)はヒータ11を表面側と裏面側から見た図、(b)は(a)のI−I線に沿う拡大横断面図である。
図4は本実施例1に係る定着装置6のヒータ11の一例を表わす説明図であり、(a)はヒータ11を表面側と裏面側から見た図、(b)は(a)のI−I線に沿う拡大横断面図である。
本実施例1のヒータ11はヒータ基板の材料としてセラミック材を用いたセラミックヒータである。11aは細長いヒータ基板であり、アルミナや窒化アルミなどのセラミックからなる良熱伝導性、電気絶縁性のセラミック基板である。基板11aの厚みは、熱容量を小さくするために約0.5〜1.0mmの厚さが適当であり、幅約10mm、長さ約300mmの長方形に形成されている。基板11aの一方の面(第一の面)すなわちニップ部N側の表面に長手方向に沿って通電発熱抵抗層(通電発熱体)11bが形成されている。通電発熱抵抗層11bは、Ag/Pd(銀パラジウム)合金や、Ni/Sn(ニッケル錫)合金、RnO2(酸化ルテニウム)合金などを主成分とするものである。この通電発熱抵抗層11bは、スクリーン印刷などにより厚さ約10μm、幅1〜5mm程度の線状もしくは細帯状に塗工した後、焼成工程を経て成形される。通電発熱抵抗層11bのパターンの形状としては、(a)のように基板11aの長手方向に1本の通電発熱抵抗層11bを折り返したパターンのほかに、長手方向に1本の通電発熱抵抗層をもつパターンや、複数の通電発熱抵抗層を並列に併せ持つパターンでもよい。通電発熱抵抗層11bの発熱領域の長さは画像形成装置で使用可能な最大サイズの記録材Pの幅と略同じである。
11cは通電発熱抵抗層11bに給電を行う給電電極部である。11d1は給電電極部11cと通電発熱抵抗層11bを接続する導電パターンである。11d2は2本の通電発熱抵抗層11b・11bを接続する導電パターンである。給電電極部11cと、導電パターン11dは、それぞれAgやAg/Pdで形成されている。通電発熱抵抗層11bは絶縁ガラス層(ガラス製の電気絶縁層)11eによりオーバーコートされる。つまり絶縁ガラス層11eは、基板11aの短手方向において通電発熱抵抗層11bの設けられている領域の上に設けてある。そしてその絶縁ガラス層11eは、基板11aの上に直接設けられている。この絶縁ガラス層11eは、通電発熱抵抗層11bと外部導電性部材すなわち金属スリーブ13の内周面(基層13aの内周面)との絶縁を確保するために設けられる。また絶縁ガラス層11eは、通電発熱抵抗層11bの酸化などによる抵抗値変化を防ぐための耐食機能、さらに機械的な損傷を防止する役割などをもつ。絶縁ガラス層11eの厚みとしては20〜80μm程度が適当である。
本実施例1のヒータ11は表面加熱タイプであり、基板11aの通電発熱抵抗層11bを具備させた側(第一面)がヒータ表面側であり、その反対面(第二面)がヒータ裏面である。したがってヒータ表面側の絶縁ガラス層11e表面が金属スリーブ13内面すなわち基層13aの内周面と接触している(図3)。
11fは金属スリーブ13内面と接触するヒータ表面側(第一面)に設けられたポリイミド、ポリアミドイミドなどのイミド系樹脂を主成分とする摺動層である。このイミド系樹脂を主成分とする摺動層11fには、Si3N4(窒化珪素)、BN(窒化ホウ素)、Al2O3(アルミナ)といった削れに強く、耐久性を上げるための微粒子が含まれていてもよい。摺動層11fは、耐熱性、潤滑性、耐磨耗性に優れた機能を有し、金属スリーブ13に滑らかな摺動性を与える。この摺動層11fは、基板11aの短手方向において通電発熱抵抗層11bの設けられていない領域に設けられている。つまり通電発熱抵抗層11bと金属スリーブ13の基層13aとの絶縁を確保するために最低限必要な領域に絶縁ガラス層11e・11eが配置され、一方の絶縁ガラス層11eと他方の絶縁ガラス層11eの間を埋めるように摺動層11fが形成される。摺動層11fの厚みは、絶縁ガラス層11eと同じ厚みでよい。
摺動層11fは、絶縁ガラス層11eを通電発熱抵抗層11b上にスクリーン印刷、焼成した後で形成される。これは絶縁ガラス層11eの焼成温度が700℃程度であるのに対し、イミド系樹脂を主成分とする摺動層11fでは焼成温度が400℃程度と低いためである。ワニス状のポリイミドあるいはポリアミドイミドをそのままで、あるいは無水NMP(N−methylpyrrolidne)やN,N−ジメチルアセトアミドなどの有機溶剤で適度に希釈させてディッピング塗工によりコートする方法を採用できる。あるいはディッピング塗工に代えてスプレー塗装によりコートする方法の他、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を混入した上でスクリーン印刷法によりコートする方法を採用できる。コートしたあとに乾燥工程および焼成工程を経て成形される。
(2−5)定着装置の加熱定着動作
加圧ローラ20の芯金21の長手方向一端部に設けられている駆動ギア(不図示)が定着モータ(不図示)により回転駆動される。これにより加圧ローラ20は矢印方向へ所定の周速度(プロセススピード)で回転する。その加圧ローラ20の回転はニップ部Nにおける加圧ローラ20表面と金属スリーブ13表面との摩擦力によって金属スリーブ13表面に伝達される。これにより金属スリーブ13は、金属スリーブ13内面がヒータ11の表面すなわち絶縁ガラス層11eおよび摺動層11fの表面と接触しながらステイホルダ12の周りを回転移動する。ヒータ11と金属スリーブ13の間には摺動性を向上させるため、耐熱性グリースなどの潤滑剤を介在させている。潤滑剤としては、主として、耐熱性に優れたフッ素系のグリースやシリコーン系のグリースなどが適している。
加圧ローラ20の芯金21の長手方向一端部に設けられている駆動ギア(不図示)が定着モータ(不図示)により回転駆動される。これにより加圧ローラ20は矢印方向へ所定の周速度(プロセススピード)で回転する。その加圧ローラ20の回転はニップ部Nにおける加圧ローラ20表面と金属スリーブ13表面との摩擦力によって金属スリーブ13表面に伝達される。これにより金属スリーブ13は、金属スリーブ13内面がヒータ11の表面すなわち絶縁ガラス層11eおよび摺動層11fの表面と接触しながらステイホルダ12の周りを回転移動する。ヒータ11と金属スリーブ13の間には摺動性を向上させるため、耐熱性グリースなどの潤滑剤を介在させている。潤滑剤としては、主として、耐熱性に優れたフッ素系のグリースやシリコーン系のグリースなどが適している。
通電制御回路(通電制御部)15が駆動することにより電源部16からヒータ11の給電電極部11cと導電パターン11dを通じて通電発熱抵抗層11bに通電される。その通電により通電発熱抵抗層11bが発熱しヒータ11は急速に昇温する。ヒータ11の熱は回転移動している金属スリーブ13の基層13aに伝達され、その基層13aに伝達された熱により金属スリーブ13表面は昇温する。ヒータ11の温度はヒータ裏面すなわち基板11aのニップ部N側と反対側の面(第二面)に設けられているサーミスタなどの温度検知手段14により検知され、通電制御回路15へフィードバックされる。通電制御回路14は温度検知手段33の出力信号に基づいてヒータ11の温度が所定の定着温度(目標温度)になるように通電発熱抵抗層11bへの通電を制御する。
加圧ローラ20および金属スリーブ13の回転が安定し、かつ金属スリーブ13表面の温度が所定の定着温度に維持されると、未定着のトナー画像tを担持した記録材Pがニップ部Nに導入される。その記録材Pはニップ部Nで金属スリーブ13表面と加圧ローラ20表面とによって挟持搬送される。そしてその搬送過程において金属スリーブ13の熱とニップ部Nの圧力を受けることによってトナー画像tは記録材上に加熱定着される。ニップ部Nを出た記録材Pは金属スリーブ13表面から分離され定着装置6から排出される。
(3)本実施例1のヒータと従来のヒータとの比較
図5は本実施例1に係るヒータ11の表面が定着装置6のステイホルダ12の下面からとび出ない場合の金属スリーブ13のニップ部Nでの移動軌跡の説明図である。
図5は本実施例1に係るヒータ11の表面が定着装置6のステイホルダ12の下面からとび出ない場合の金属スリーブ13のニップ部Nでの移動軌跡の説明図である。
本実施例1のヒータ11は、ヒータ11の絶縁ガラス層11eおよび摺動層11fの表面がステイホルダ12の記録材搬送方向上流側の部分12bおよび記録材搬送方向下流側の部分12cの下面からとび出ない位置にある。そのため、ヒータ11において金属スリーブ13内面とより強く摺動する部分は基板11aの短手方向中央部となる。よって、基板11aの短手方向中央部にポリイミド、ポリアミドイミドなどのイミド系樹脂を主成分とする摺動層11fを設ける構成が金属スリーブ13内面との摺動性を向上させる点で効果的である。そして通電発熱抵抗層11bと絶縁ガラス層11eを基板11aの短手方向両端部の内側に配置している。
摺動層11fの厚みは絶縁ガラス層11eと同じ厚みでもよいが、摺動層11fの熱容量が大きくなりすぎ、通電発熱抵抗層11bから金属スリーブ13への熱伝達に支障をきたす場合、絶縁ガラス層11eよりも薄い厚みで形成することも可能である。その理由は、本実施例1のステイホルダ12を使用している場合、金属スリーブ13のニップ部Nでの移動軌跡は、図5で破線にて示すように、絶縁ガラス層11e表面と摺動層11f表面の段差に倣うような軌跡を描くからである。また別の理由として、ヒータ11表面と金属スリーブ13内面との間に耐熱性グリースなどの潤滑剤を介在させてあるからである。摺動層11fは絶縁ガラス層11eよりも20μm程度薄くすることが可能であり、摺動層11fの厚みとしては5〜60μm程度の厚みである。
図6は従来のヒータ31の横断面図である。
従来のヒータ31は、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのイミド系樹脂を主成分とする摺動層31fを金属スリーブ13内面と摺動するヒータ表面の全面に設けている。このヒータ31では、基板31aの短手方向両端部の内側に設けた通電発熱抵抗層31b・31bに跨って絶縁ガラス層31eを形成している。そして耐熱性、潤滑性、耐磨耗性に優れた機能を有したポリイミド、ポリアミドイミドなどのイミド系樹脂を摺動層31fとして絶縁ガラス層31eの表面全面に設けることにより金属スリーブ13との滑らかな摺動性を得ている。しかしながら、摺動層31fは、絶縁ガラス層31eのような強度を有しておらず、定着装置の耐久中に金属スリーブ13との磨耗により少しずつ削れていってしまう。よって、絶縁ガラス層31eの代わりに上記のような摺動層31fのみを設けることはできず、絶縁ガラス層31eの上に摺動層31fを設ける形態となる。また、同様の理由により定着装置の寿命(耐久寿命)である20万枚の通紙耐久に絶えうるために摺動層31fの厚みは約3.0μm以上に設定しなければならない。よって、絶縁ガラス層31eの厚みと摺動層31fの厚みを加えると通電発熱抵抗層31bから金属スリーブ13へ伝わる熱エネルギーが断絶され、未定着トナー画像の定着不良を生じてしまう恐れがあった。
そこで、本実施例1のヒータ11は、基板11aの通電発熱抵抗層11bが設けられている面には、ヒータ11の短手方向において通電発熱抵抗層11bが存在する領域の上に絶縁ガラス層11eのみを設けている。これによってヒータ11と金属スリーブ13間の接触熱抵抗を低減でき金属スリーブ13への熱伝達を向上できる。また基板11aの通電発熱抵抗層11bが設けられている面には、ヒータ11の短手方向において通電発熱抵抗層11bが存在しない領域の上にポリイミドなどのイミド系樹脂の摺動層11fのみを設けている。これよって、金属スリーブ13を回転移動するときの駆動トルクを低減でき金属スリーブ13との滑らかな摺動性を得ることができる。
表1は、図6に示す従来のヒータ31(比較例)を有する定着装置と、図4に示す本実施例1のヒータ11を有する定着装置について、金属スリーブの駆動トルクと、定着温度を180℃に設定した際のトナー画像の定着性を比較した結果である。
なお、金属スリーブとしては厚みが40μmのSUS製スリーブを用いている。駆動トルクは20万枚通紙後の測定結果であり、約4.0kg・cmを超えると、加圧ローラからの駆動力で従動回転していた金属スリーブが回転不能になったり、削れ、破断に至ることもある。また、トナー画像の定着性は文字を指で擦った場合に文字の欠落が無ければ○、欠落すれば×とした。
以上の結果より、基板11aの短手方向においてポリイミドなどのイミド系樹脂の摺動層11fを通電発熱抵抗層11bが存在しない領域に設けることにより、所定の駆動トルクレベルを維持したままトナー画像の定着性を向上させることができることがわかる。
また、前述したようにポリイミド、ポリアミドイミドなどのイミド系樹脂を主成分とする摺動層11fは、絶縁ガラス層11eのような強度を有していないため表面に傷ができやすい。通電発熱抵抗層11bの上に傷ができ、それが広がり膨れとなって浮きが発生すると、基板11aの長手方向でその部分だけ通電発熱抵抗層11bから金属スリーブ13への熱伝達効率が低下し、白いスジのような画像欠陥が発生する恐れもある。しかしながら、本実施例1のヒータ11では通電発熱抵抗層11bが存在する領域ではオーバーコート層として絶縁ガラス層11eがあるため上記のような傷が発生しづらく、画像欠陥が起こる可能性も低くなる。
[実施例2]
表面加熱タイプのヒータの他の例を説明する。
表面加熱タイプのヒータの他の例を説明する。
本実施例2では、本実施例2に係るヒータおよびこのヒータを具備する定着装置に関し、実施例1のヒータおよび定着装置と共通する部材・部分には同じ符号を付して再度の説明を省略する。
図7は本実施例2に係るヒータの表面が定着装置6のステイホルダ12の下面からとび出る場合の金属スリーブ13のニップ部Nでの移動軌跡の説明図である。図8は本実施例2のヒータ11の横断面図である。
実施例1に示すヒータ11は、ステイホルダ12の溝12aで保持された際、絶縁ガラス層11eおよび摺動層11fの表面がステイホルダ12の記録材搬送方向上流側の部分12bおよび記録材搬送方向下流側の部分12cの下面からとび出ない位置にある。よって金属スリーブ13内面とより強く摺動する、基板11aの短手方向中央部にポリイミド、ポリアミドイミドなどのイミド系樹脂を主成分とする摺動層11fを配置している。そして基板11aの短手方向両端部の内側に通電発熱抵抗層11bと絶縁ガラス層11eを配置している。
しかしながら、ステイホルダ12として、ステイホルダ12の記録材搬送方向上流側の部分12bと記録材搬送方向下流側の部分12cがヒータ11の絶縁ガラス層11eおよび摺動層11fの表面からとび出ないものを用いる場合がある。その場合、図7のようにヒータ11の絶縁ガラス層11eおよび摺動層11fの表面はステイホルダ12の記録材搬送方向上流側の部分12bと記録材搬送方向下流側の部分12cよりとび出てしまう。そのため、ヒータ11の基板11の短手方向において金属スリーブ13内面とより強く摺動する部分は、ヒータ11の記録材Pの搬送方向における端部となる。よって、図8に示すように、基板11aの短手方向中央部に通電発熱抵抗層11bと絶縁ガラス層11eを配置し、基板11aの短手方向両端部の内側にイミド系樹脂を主成分とする摺動層11fを配置する構成が効果的な構成となる。
本実施例1に示すヒータ11においても、基板11aの通電発熱抵抗層11bが設けられている面には、ヒータ11の短手方向において通電発熱抵抗層11bが存在する領域の上に絶縁ガラス層11eのみを設けている。また基板11aの通電発熱抵抗層11bが設けられている面には、ヒータ11の短手方向において通電発熱抵抗層11bが存在しない領域の上にポリイミドなどのイミド系樹脂の摺動層11fのみを設けている。したがって本実施例2のヒータ11においても実施例1と同様な作用効果を得ることができる。
[実施例3]
表面加熱タイプのヒータの他の例を説明する。
表面加熱タイプのヒータの他の例を説明する。
本実施例3では、本実施例3に係るヒータおよびこのヒータを具備する定着装置に関し、実施例1のヒータおよび定着装置と共通する部材・部分には同じ符号を付して再度の説明を省略する。
図9は本実施例3に係るヒータの横断面図である。
本実施例3に示すヒータ11は、ヒータ11の基板11aの材料としてセラミック材などの絶縁物ではなく金属などの導電性を有する導電材を用いたものである。本実施例3のヒータ11の基板11aは金属であり金属製の平板である良熱伝導性の金属製の基板である。そしてその金属製の基板11aの一方の面には、その一方の面の全域に第1の絶縁層として絶縁ガラス層(ガラス製の電気絶縁層)11gが設けられている。そしてその絶縁ガラス層11gの上に、実施例1のヒータ11と同様、金属製の基板11aの短手方向において中央部に摺動層11fを配置し、両端部端部の内側に通電発熱抵抗層11bと第2の絶縁層としての絶縁ガラス層11eを配置している。
金属製の基板11aは鉄、銅、アルミ、亜鉛などの金属や防錆性に優れたSUSなどの合金を用いることができる。より望ましくは、絶縁ガラス層11gとの線膨張係数ができるだけ近いSUS430などの合金を用いれば焼成時の膨張による反りや割れを防ぐことができる。
前述した実施例1のヒータ11の基板11aと同様に、金属製の基板11aはヒータ11としてクイックスタート性を得るために熱容量を小さくする必要があり、且つ基板としての強度を満足するためにも約0.5〜1.0mmの厚さが適度である。この金属製の基板11aは、基板11aの幅がニップ部Nの幅をカバーできるように約10mm、長さが約300mmの長方形に形成されている。金属製の基板11aの一方の面のほぼ全域に形成してある絶縁ガラス層11gは、主としてガラスやセラミック塗料からなり、スクリーン印刷などの方法により塗布され焼成することで形成される。この絶縁ガラス層11gは1.5kV以上の耐圧をもたせるために、30〜100μmの厚みで形成され、ピンホールを防止するために複数回印刷することが望ましい。通電発熱抵抗層11bはAg/Pd合金などをスクリーン印刷により塗工し焼成して形成したものである。この通電発熱抵抗層11bは実施例1と同様であるため詳細な説明は省く。絶縁ガラス層11eは通電発熱抵抗層11bと金属スリーブ13内面との絶縁性確保のために形成されており、その絶縁ガラス層11eの厚みは30〜100μm程度である。摺動層11fは実施例1と同様にポリイミド、ポリアミドイミドなどのイミド系樹脂から成る。この摺動層11fは、絶縁ガラス層11gの面上で金属製の基板11pの短手方向において通電発熱抵抗層11bの存在しない領域に形成される。摺動層41fの厚みも実施例1と同様の条件で決まる。
本実施例3のヒータ11は、ヒータ基板として熱伝導率の高い金属製基板11pを用いることで、ヒータ温度を全域にわたって均一にでき、特に長手方向両端部での温度低下を容易に防止できる。これによってヒータ11の長手方向にわたって生じやすいトナー画像tの定着ムラや光沢ムラなどの画像ムラのない良好な画像を形成することができる。さらにはセラミックなどに比べ金属製の基板11pは破断強度が非常に高いので、ヒータ11の急激な昇温時に生じる熱ストレスに対して基板の破断などがなく、また、製造工程での基板割れなどの発生も防ぐことができるので生産性も高めることが可能となる。
また本実施例3のヒータ11は、金属製の基板11aの一方の面に絶縁ガラス層11qを介して通電発熱抵抗層11bが設けられている面には、ヒータ11の短手方向において通電発熱抵抗層11bが存在する領域の上に絶縁ガラス層11eのみを設けている。また金属製の基板11aの一方の面に絶縁ガラス層11gを介して通電発熱抵抗層11bが設けられている面には、ヒータ11の短手方向において通電発熱抵抗層11bが存在しない領域の上にポリイミドなどのイミド系樹脂の摺動層11fのみを設けている。したがって本実施例3のヒータ11においても実施例1と同様な作用効果を得ることができる。
[実施例4]
裏面加熱タイプのヒータの例を説明する。
裏面加熱タイプのヒータの例を説明する。
本実施例4では、本実施例4に係るヒータおよびこのヒータを具備する定着装置に関し、実施例1のヒータおよび定着装置と共通する部材・部分には同じ符号を付して再度の説明を省略する。
図10は本実施例4に係るヒータの横断面図である。
本実施例4に示すヒータ11は裏面加熱タイプであり、基板11aの通電発熱抵抗層11bを具備させた側(第二面)がヒータ裏面側であり、その反対面(第一面)がヒータ表面である。したがってヒータ表面が金属スリーブ13内面と接触する。
本実施例4のヒータ11は、基板11aのヒータ裏面側の面(他方の面)には、基板11aの短手方向端部の内側に通電発熱抵抗層11b・11bを設けている。そしてその通電発熱抵抗層11b・11bとその通電発熱抵抗層11b・11b間の領域を覆うように絶縁ガラス層11eを設けている。そして基板11aのヒータ表面側の面(一方の面)には、基板11aの短手方向中央部に摺動層11fを設け、基板11aの短手方向端部の内側に絶縁ガラス層11e・11eを設けている。
セラミック基板11aとして窒化アルミを用いる場合、図10に示す裏面加熱タイプのヒータ11は図3に示す表面加熱タイプのヒータ11よりも熱伝導性が優れているというメリットがある。窒化アルミは熱伝導性に優れているため、基板11aに1.0mm程度の厚みがあってもよい。図3のように表面加熱タイプのヒータ11は30〜100μmの厚みの絶縁ガラス層11eよりも熱抵抗で比較すると、図10のように基板11aの通電発熱抵抗層11bが設けられていない面を金属スリーブ13内面に接触させた方が熱伝導性の優れた構成となる。
本実施例4のヒータ11は、基板11aの通電発熱抵抗層11bが設けられていない面には、ヒータ11の短手方向において通電発熱抵抗層11bが存在する面の通電発熱抵抗層11bの領域と対応する領域の上に絶縁ガラス層11eのみを設けている。また基板11aの通電発熱抵抗層11bが設けられていない面には、ヒータ11の短手方向において通電発熱抵抗層11bが存在する面の通電発熱抵抗層11bが存在しない領域と対応する領域の上に摺動層11fのみを設けている。したがって本実施例4のヒータ11においても実施例1と同様な作用効果を得ることができる。
6:定着装置、11:ヒータ、11a:基板、11b:通電発熱抵抗層、11e:絶縁ガラス層、11f:摺動層、11g:絶縁ガラス層、13:金属スリーブ、13a:金属層、P:記録材、N:ニップ部
Claims (8)
- 基板と前記基板に前記基板の長手方向に沿って設けられた通電発熱体とを有するヒータと、前記基板の前記通電発熱体が設けられた面と接触しつつ移動する金属層を有する可撓性部材と、を有し、前記通電発熱体からの熱により記録材上の画像を前記可撓性部材を介して加熱する像加熱装置において、
前記基板の前記通電発熱体が設けられた面には、前記基板の短手方向において前記通電発熱体が存在する領域の上にガラス製の電気絶縁層が設けられ、前記通電発熱体が存在しない領域の上にイミド系樹脂の摺動層が設けられていることを特徴とする像加熱装置。 - 基板と前記基板に前記基板の長手方向に沿って設けられた通電発熱体とを有するヒータと、前記基板の前記通電発熱体が設けられていない面と接触しつつ移動する金属層を有する可撓性部材と、を有し、前記通電発熱体からの熱により記録材上の画像を前記可撓性部材を介して加熱する像加熱装置において、
前記基板の前記通電発熱体が設けられていない面には、前記基板の短手方向において前記通電発熱体が存在する面の前記通電発熱体の領域と対応する領域の上にガラス製の電気絶縁層が設けられ、前記通電発熱体が存在する面の前記通電発熱体が存在しない領域と対応する領域の上にイミド系樹脂の摺動層が設けられていることを特徴とする像加熱装置。 - 前記基板の材料は電気絶縁性を有する材料であり、前記摺動層は前記基板の上に直接設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の像加熱装置。
- 前記基板の材料は導電性を有する材料であり、前記摺動層は電気絶縁層を介して前記基板の上に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の像加熱装置。
- 基板と、前記基板に前記基板の長手方向に沿って設けられた通電発熱体と、を有し、前記通電発熱体からの熱により、前記基板の前記通電発熱体の設けられた面と接触しつつ移動する金属層を有する可撓性部材を介して記録材上の画像を加熱する像加熱装置に用いられるヒータにおいて、
前記基板の前記通電発熱体の設けられた面には、前記基板の短手方向において前記通電発熱体が存在する領域の上にガラス製の電気絶縁層が設けられ、前記通電発熱体が存在しない領域の上にイミド系樹脂の摺動層が設けられていることを特徴とするヒータ。 - 基板と、前記基板に前記基板の長手方向に沿って設けられた通電発熱体と、を有し、前記通電発熱体からの熱により、前記基板の前記通電発熱体が設けられていない面と接触しつつ移動する金属層を有する可撓性部材を介して記録材上の画像を加熱する像加熱装置に用いられるヒータにおいて、
前記基板の前記通電発熱体が設けられていない面には、前記基板の短手方向において前記通電発熱体が存在する面の前記通電発熱体の領域と対応する領域の上にガラス製の電気絶縁層が設けられ、前記通電発熱体が存在する面の前記通電発熱体が存在しない領域と対応する領域の上にイミド系樹脂の摺動層が設けられていることを特徴とするヒータ。 - 前記基板の材料は電気絶縁性を有する材料であり、前記摺動層は前記基板の上に直接設けられていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のヒータ。
- 前記基板の材料は導電性を有する材料であり、前記摺動層は電気絶縁層を介して前記基板の上に設けられていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のヒータ。
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JP2016164590A (ja) * | 2015-03-06 | 2016-09-08 | ブラザー工業株式会社 | 定着装置 |
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2008
- 2008-11-06 JP JP2008285250A patent/JP2010113123A/ja active Pending
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